JPH0911618A - 可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録シート - Google Patents

可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録シート

Info

Publication number
JPH0911618A
JPH0911618A JP7163432A JP16343295A JPH0911618A JP H0911618 A JPH0911618 A JP H0911618A JP 7163432 A JP7163432 A JP 7163432A JP 16343295 A JP16343295 A JP 16343295A JP H0911618 A JPH0911618 A JP H0911618A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermosensitive recording
reversible thermosensitive
color
reversible
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7163432A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiko Sato
章子 佐藤
Kazuyoshi Yatsushige
一嘉 八ッ繁
Kazuo Nate
和男 名手
Kiyohiko Tanno
清彦 丹野
Soichi Hasegawa
宗一 長谷川
Hiroshi Uchiyama
博 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Sliontec Ltd
Original Assignee
Maxell Sliontec Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maxell Sliontec Ltd filed Critical Maxell Sliontec Ltd
Priority to JP7163432A priority Critical patent/JPH0911618A/ja
Publication of JPH0911618A publication Critical patent/JPH0911618A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】印字電力が低い条件であっても印字濃度が高
く、印字・消去を繰り返しても印字性や消去性の低下が
少なく、繰り返し使用による寿命特性に優れた書き替え
可能な可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた製造歩
留まりおよび信頼性の高い可逆性感熱記録シートを提供
する 【構成】発色と消色を繰り返すことができる可逆性感熱
記録組成物であって、可逆性感熱記録組成物は、有機高
分子系バインダー中に、少なくとも可逆性発色形色素
と、顕色・消色剤とを含有し、顕色・消色剤は、請求項
1に記載の(化1)、(化2)または(化3)式で示さ
れるフェノール性水酸基を有する有機カルボン酸と有機
アミンからなる錯体、もしくはその塩のうちより選ばれ
る少なくとも1種の化合物からなる可逆性感熱記録組成
物およびそれを用いた可逆性感熱記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像の形成とその消去
とを繰り返し行うことができる可逆性感熱記録組成物、
およびそれを用いた可逆性感熱記録シートに係り、さら
に詳しくは印字濃度が高く、繰り返し使用に優れた書き
替え可能な可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可
逆性感熱記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ゴミの増大や森林資源の保護
等の観点から、紙使用量の削減が望まれている。また、
コンピューター産業の急速な発展に伴い、OA用紙の使
用量は増加の一途を辿っており、紙使用量の削減に対す
る対策が急務となっている。このような状況の下、画像
の形成と、その消去とを繰り返し行うことができる可逆
性感熱記録材料に関する研究・開発が活発に行われてい
る。このような可逆性感熱記録材料に関する従来技術と
して、これまでに、(1)特開昭63−39377号、
(2)特開昭63−41186号、(3)特開平2−
566号、 (4)特開平2−1363号、
(5)特開平2−80289号、 (6)特開平2−
81672号、(7)特開平2−86491号、
(8)特開昭58−191190号、(9)特開昭60
−193691号、(10)特開昭62−255482
号、(11)特開平4−14482号、 (12)国際
公開W090/11898号、(13)特開平4−46
986号、 (14)特開平4−50289号、(1
5)特開平4−50290号、 (16)特開平5−9
2661号など、において開示されている。上記(1)
から(7)に記載の従来技術の内容は、有機高分子系バ
インダーの中に有機低分子物質を分散させ、この有機低
分子物質の結晶化と多結晶化とを熱エネルギーによっ
て、バインダー中で可逆的に行わせるものである。しか
し、このような多結晶化による白濁現象を利用して画像
を形成する方法は、一般に、コントラストの点で不十分
であり、目視による判別が困難である等の問題がある。
また、上記(8)から(10)に記載の従来技術の内容
は、発色剤、顕色剤、有機高分子バインダーなどからな
るものであり、もちろん印字は感熱方式によるものの、
その消去には水または水蒸気を必要とするものである。
さらに、上記(11)は、印字した画像を自然に消去さ
せるものであり、印字と消去を制御することが難しいと
いう問題がある。また、上記(12)から(16)に記
載の従来技術は、ロイコ染料と、このロイコ染料と熱的
に反応して、発色と消色とを起こす顕色・消色剤と、有
機高分子バインダー等からなるものである。一般に、こ
のような感熱組成物では、コントラストが高く、目視で
の判別が容易であるが、印字・消去を繰り返すことによ
って印字性や消去性が低下することが認められ、寿命特
性の向上が実用化の観点から強く要望されており、特
に、印字電力の低い条件であっても印字濃度の高い可逆
性感熱記録材料の実現が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したごとく、従来
のロイコ染料と、このロイコ染料と熱的に反応して発色
と消色とを起こす顕色・消色剤と、有機高分子バインダ
ー等からなる可逆性感熱組成物は、一般にコントラスト
が高く、目視での判別が容易であるが、印字・消去を繰
り返す場合に印字性や消去性が低下するという問題があ
り、また印字電力の低い条件では高い印字濃度が得られ
ないという問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術における問
題点を解消するものであって、印字電力が低い条件であ
っても印字濃度が高く、印字・消去を繰り返しても印字
性や消去性の低下が少なく、繰り返し使用による寿命特
性に優れた書き替え可能な可逆性感熱記録組成物および
それを用いた可逆性感熱記録シートを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、書き替え
可能な可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可逆性
感熱記録シート等に関して種々検討を行った結果、本発
明の請求項1に記載のように、可逆性感熱記録組成物に
使用される顕色・消色剤として、下記(化1)、(化
2)または(化3)式で示されるフェノール性水酸基を
有する有機カルボン酸と有機アミンとからなる錯体、も
しくはその塩のうちから選ばれる少なくとも1種の化合
物を用いれば良いことを見出した。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】そして、本発明は請求項2に記載のよう
に、発色と消色を繰り返すことができる可逆性感熱記録
シートであって、該可逆性感熱記録シートは、少なくと
も支持基材、可逆性感熱記録層および保護層からなり、
上記可逆性感熱記録層は、有機高分子系バインダー中
に、少なくとも可逆性発色形色素と、顕色・消色剤とを
含有し、該顕色・消色剤は、請求項1に記載の(化
1)、(化2)または(化3)式で示されるフェノール
性水酸基を有する有機カルボン酸と有機アミンからなる
錯体、もしくはその塩のうちより選ばれる少なくとも1
種の化合物からなる可逆性感熱記録シートとするもので
ある。また、本発明の可逆性感熱記録シートは、請求項
3に記載のように、請求項2において、可逆性発色形色
素はロイコ色素(染料)を用いるものであって、本発明
の発色と消色を繰り返すことができる可逆性感熱記録組
成物としては、有機高分子系バインダー中に少なくとも
可逆性発色形色素と、請求項1に記載の顕色・消色剤と
を少なくとも含有するものであって、印字条件において
高分子系バインダー中で、上記ロイコ色素と、顕色・消
色剤とが相溶することにより、可逆性感熱記録組成物と
しての機能を発現することができるものである。また、
本発明の可逆性感熱記録シートは、請求項4に記載のよ
うに、請求項2において、有機高分子系バインダーとし
ては、有機溶剤に溶解する汎用の有機高分子材料を用い
ることができる。また、本発明の可逆性感熱記録シート
は、請求項5に記載のように、請求項2において、可逆
性感熱記録層には熱可融性物質を含有するものである。
また、本発明の可逆性感熱記録シートは、請求項6に記
載のように、請求項2において、可逆性感熱記録層に
は、紫外線吸収剤、無機または有機充填剤、白色顔料の
うちの少なくとも1種を含有するものである。
【0010】以下に、本発明の可逆性感熱記録組成物に
よる発色・消色の原理について説明する。ロイコ色素
を、顕色剤と呼ばれる酸性物質と共に加熱すると、両者
もしくは顕色剤が溶融して反応し、ロイコ色素が顕色剤
の酸性の影響を受けて、ロイコ色素中のラクトン環が開
環し、閉環状態では無色であったものが発色する。逆
に、発色したロイコ色素に塩基性物質を接触させると、
開環していたエステル基が閉環反応を起こし、無色の状
態に戻る。この状態(開環−閉環反応)は、平衡状態に
あるため、1分子内に酸性成分と塩基性成分を持つ物
質、例えば、フェノール性水酸基を有する有機カルボン
酸と有機アミンとからなる錯体、もしくはその塩を顕色
・消色剤として用いることによって、ラクトン環を開環
(発色)させたり、閉環(消色)させたりすることがで
きる。これは、ロイコ色素と反応して発色および消色す
る上記顕色・消色剤が酸性物質であるフェノールと塩基
性物質であるアミンの両方を含む化合物であることか
ら、酸性と塩基性との双方の性質を具備しており、か
つ、酸性と塩基性とを加熱状態によって制御できること
によるものである。すなわち、感熱プリンターのような
瞬間(パルス)的な高温(数百℃)加熱の場合には、フ
ェノールの酸性が働いて発色し、ゆっくりとした低温
(約百℃前後)の加熱では、アミンの塩基性成分が働い
て消色する。そして、上記の発色と消色の過程は何回も
繰り返して行うことが可能である。このような発色・消
色の反応過程において、発色濃度を高めること、特に、
低い印字電力で高濃度に印字できる可逆性感熱記録材料
について種々検討した結果、顕色・消色剤のフェノール
性水酸基の酸性度を高めること、すなわち、pKa(酸
解離定数Kaの負の対数)を小さくすれば良いことを見
出し、これを実現する方法として、フェノール環に1個
以上の電子吸引基を導入した顕色・消色剤を用いれば良
いことを知見したものである。
【0011】以下に、本発明の可逆性感熱記録組成物に
用いられる各種の材料およびそのプロセスについて説明
する。なお、これらは本発明の一例を示したに過ぎない
ものであり、これにより本発明の技術的範囲が限定され
るものではない。有機高分子バインダーとしては、有機
溶剤等に溶解する汎用の有機高分子材料を使用すること
ができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウ
レタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂、ノルボル
ネン樹脂、ビニルブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂等が
挙げられる。また、これらの樹脂は単独、もしくは2種
以上(混合体および共重合体を含む)混合して使用する
ことができる。発色形色素材料としては、ロイコ染料等
が挙げられ、黒色、赤色、青色等、各種の色に発色させ
ることができる。このようなロイコ色素材料としては、
クリスタルバイオレットラクトン、2−(2−クロロア
ニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−
(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−N,N−ジベンジルアミノジエチルアミノフル
オラン、3−インドリノ−3−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチル
アミノ−7−クロロフルオラン、2−(2−フルオロフ
ェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチル
アミノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−シクロ
ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−p−ブチルアニリノフルオラン、3
−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−P−トルイ
ジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−7−シクロヘ
キシルアミノフルオラン、3−N−メチルシクロヘキシ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、 3
−N−エチルペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチルイソブチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
プロピルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン等が挙げられる。発色と消色作用を示す顕色・消
色剤としては、下記の(化1)、(化2)または(化
3)式で示される、1個以上の電子吸引基を有するフェ
ノール性水酸基を含むカルボン酸と、脂肪族アミンとか
らなる錯体、もしくはその塩が用いられる。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】(化1)、(化2)または(化3)式で示
されるアミン成分(RNH2)としては、脂肪族アミン
化合物が用いられ、具体的には、ヘキシルアミン、 ヘ
プチルアミン、 オクチルアミン、 ノニルアミン、デ
シルアミン、 ウンデシルアミン、 ドデシルアミン、
トリデシルアミン、 テトラデシルアミン、 ペンタ
デシルアミン、 ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルア
ミン、 オクタデシルアミン、 ジイソプロピルアミ
ン、ジブチルアミン、 ジアミルアミン、 トリプロピ
ルアミン、トリブチルアミン、 シクロヘキシルアミ
ン、 ベンジルアミン、ジベンジルアミン、 トリベン
ジルアミン等が挙げられる。本発明の可逆性感熱記録組
成物に添加される熱可融性物質としては、アルナバワッ
クス、 パラフィンワックス、 ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス、 ステアリン酸アミド、
オレイン酸アミド、パルチミン酸アミド、 ラウリル
酸アミド、 N−ラウリルベンズアミド、N−ステアリ
ルベンズアミド、 N,N−ジステアリルベンズアミ
ド、N,N−ジラウリルベンズアミド、 N,N−ジス
テアリルテレフタル酸アミド、エチレンビスステアリン
酸アミド、 エチレンビスパルミチン酸アミド、ベンゼ
ンスルフォンアミド、 トルエンスルフォンアミド、エ
チルベンゼンスルフォンアミド、 オクチルベンゼンス
ルフォンアミド、ラウリルベンゼンスルフォンアミド、
ステアリルベンゼンスルフォンアミド等が挙げられ
る。なお、必要に応じ、本発明の可逆性感熱記録組成物
には、紫外線吸収剤、無機または有機充填剤もしくは白
色顔料等の添加剤を適宜加えることができる。
【0016】
【作用】次に、本発明の可逆性感熱記録組成物による発
色・消色の繰り返し原理および発色濃度を高める作用な
らびに効果について説明する。一般に、ロイコ色素(染
料)と、フェノール性水酸基を有するカルボン酸と脂肪
族アミンからなる錯体(顕色・消色剤)からなる可逆性
感熱組成物を、感熱プリンターで印字(瞬間的な加熱)
すると、カルボン酸の酸性が働いて発色し、ゆっくりし
た加熱では、アミンの塩基性が働いて消色する。本発明
は請求項1に記載のように、発色と消色を繰り返すこと
ができる可逆性感熱記録組成物であって、該可逆性感熱
記録組成物は、有機高分子系バインダー中に、少なくと
も可逆性発色形色素と、顕色・消色剤とを含有し、該顕
色・消色剤としては、上記(化1)、(化2)または
(化3)式で示されるフェノール性水酸基を有する有機
カルボン酸と有機アミンからなる錯体、もしくはその塩
のうちより選ばれる少なくとも1種の化合物を用いるも
のである。このような顕色・消色剤を用いた可逆性感熱
記録組成物とすることにより、発色濃度が高まるととも
に、低い印字電力でも高濃度に印字することができ、そ
の結果、自然消色性なども改善される。すなわち、顕色
・消色剤のフェノール環に電子吸引基を有することによ
り、酸性度が高まり、開環したロイコ色素(発色状態)
が安定化され、発色濃度が高まり、優れた特性の感熱層
が得られる。また、印字濃度が向上することにより、自
然消色性も改善されるという効果がある。また、本発明
は請求項2に記載のように、発色と消色を繰り返すこと
ができる可逆性感熱記録シートであって、該可逆性感熱
記録シートは、少なくとも支持基材、可逆性感熱記録層
および保護層からなり、上記可逆性感熱記録層は、有機
高分子系バインダー中に、少なくとも可逆性発色形色素
と、顕色・消色剤とを含有し、該顕色・消色剤は、請求
項1に記載の(化1)、(化2)または(化3)式で示
されるフェノール性水酸基を有する有機カルボン酸と有
機アミンからなる錯体、もしくはその塩のうちより選ば
れる少なくとも1種の化合物を用いるものである。この
ような構成の可逆性感熱記録シートとすることにより、
上記請求項1の共通の効果と同様に、印字電力が低い条
件でも発色濃度が高く、繰り返し寿命特性に優れた書き
替え可能な感熱記録シートを得ることができ、かつ量産
性および製造歩留まりが良好で、信頼性の高い可逆性感
熱記録方式を実現できる効果がある。また、本発明は請
求項3に記載のように、請求項2において、可逆性発色
形色素としてロイコ色素(染料)を用いることにより、
黒色、赤色、青色等の各種の色に発色させることができ
る。また、本発明は請求項4に記載のように、請求項2
において、有機高分子系バインダーは有機溶剤に溶解す
る汎用の有機高分子材料を用いることができるので、可
逆性感熱記録層に含まれる可逆性発色形色素であるロイ
コ色素および顕色・消色剤等を均一に分散保持すること
ができ、可逆性感熱記録シートの耐久性を向上すること
ができる。また、本発明は請求項5に記載のように、請
求項2において、可逆性感熱記録層には熱可融性物質を
含有するため、発色もしくは消色反応を促進することが
でき、書き替え特性が良好な可逆性感熱記録シートが得
られる効果がある。また、本発明は請求項6に記載のよ
うに、請求項2において、可逆性感熱記録層には、紫外
線吸収剤、無機または有機充填剤、白色顔料のうちの少
なくとも1種を含有するので、可逆性感熱記録層を紫外
線から保護することができ、可逆性感熱記録シートの耐
久性をいっそう向上することができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施の形態として、可逆性感
熱記録組成物に用いられる(化1)、(化2)または
(化3)式で示される顕色・消色剤の具体的合成例につ
いて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるもの
ではない。 〈合成例1〉ビス(3−ニトロ,4−ヒドロキシフェニ
ル)酢酸−ステアリルアンモニウム塩の合成を、下記の
通りにして行った。すなわち、塩酸酸性中で、o−ニト
ロフェノール:2モルと、グリオキシル酸:1モルとを
脱水縮合させ、ビス(3−ニトロ,4−ヒドロキシフェ
ニル)酢酸:0.7モルを得た。続いて、アセトン溶媒
中で、先に得たビス(3−ニトロ,4−ヒドロキシフェ
ニル)酢酸:1モルと、ステアリルアミン:1モルとを
反応させ、ビス(3−ニトロ,4−ヒドロキシフェニ
ル)酢酸−ステアリルアンモニウム塩(錯体)〔(化
1)式におけるX、X1=NO2、R=C1837の場合に
相当する。〕を0.5モルを得た。
【0018】〈合成例2〉ビス(3−クロロ,4−ヒド
ロキシフェニル)酢酸−ステアリルアンモニウム塩の合
成を、下記の通りにして行った。すなわち、塩酸酸性中
で、o−ニトロフェノール:2モルと、グリオキシル
酸:1モルとを脱水縮合させ、ビス(3−クロロ,4−
ヒドロキシフェニル)酢酸:0.8モルを得た。続い
て、アセトン溶媒中で、先に得たビス(3−クロロ,4
−ヒドロキシフェニル)酢酸:1モルと、ステアリルア
ミン:1モルとを反応させ、ビス(3−クロロ,4−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸−ステアリルアンモニウム塩
(錯体)〔(化1)式におけるX、X1=Cl、R=C
1837の場合に相当する。〕を0.6モルを得た。
【0019】〈合成例3〜8〉合成例1〜2と同様にし
て、次に示す酸−アミン錯体を合成した。 合成例3:ビス(3−シアノ,4−ヒドロキシフェニ
ル)酢酸−オクチルアミン錯体〔(化1)式における
X、X1=CN、R=C1225の場合に相当する〕。 合成例4:ビス(3−フルオロ,4−ヒドロキシフェニ
ル)酢酸−オクチルアミン錯体〔(化1)式における
X、X1=F、R=C1225の場合に相当する〕。 合成例5:ビス(3,5−ジニトロ,4−ヒドロキシフ
ェニル)酢酸−オクチルアミン錯体〔(化3)式におけ
るX1、X2=NO2、R=C1225の場合に相当す
る〕。 合成例6:ビス(3,5−ジニトロ,4−ヒドロキシフ
ェニル)酢酸−ステアリルアミン錯体〔(化3)式にお
けるX1、X2=NO2、R=C1837の場合に相当す
る〕。 合成例7:(3−ニトロ,4−ヒドロキシフェニル)
(3′,5′−ジニトロ,4′−ヒドロキシフェニル)
酢酸−オクチルアミン錯体〔(化2)式におけるX、X
1、X2=NO2、R=C1225の場合に相当する〕。 合成例8:(3−ニトロ,4−ヒドロキシフェニル)
(3′−クロロ,4′−ヒドロキシフェニル)酢酸−ス
テアリルアミン錯体〔(化1)式におけるX=NO2
X=Cl、R=C1837の場合に相当する〕。
【0020】〔実施例1〜8および比較例1〕以下に、
本発明の実施例および比較例を挙げ、さらに詳細に説明
する。ただし、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例中の「部」は重量部を表
わす。 〈実施例1〉感熱層液を、次のようにして調製した。ま
ず、感熱層A液として、ポリ(酢酸ビニル)〔重量平均
分子量:約7万〕4部を、トルエン31部に溶解した液
に、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフ
ルオラン4部を分散させたものを調製した。また、感熱
層B液として、トルエン120部に、上記〈合成例1〉
で合成した顕色・消色剤16部と、パルミチン酸アミド
4部を分散させたものを調製した。上記A液、B液を各
々サンドミルに2時間かけた後、A液とB液を混合し
て、バー塗工機により、約75μm厚さの発泡ポリエス
テルシート上に塗布して、60℃で10分間乾燥させ、
約7μm厚さの感熱層を得た。上記感熱層上に、保護層
として、ポリノルボルネン(重量平均分子量:約10
万)をトルエンに溶解した溶液を用いて塗工し、約1μ
mの厚さの膜を形成した。 このようにして得られた感
熱記録シートを用いて、印字、文字消去を繰り返した結
果、光学濃度が0.6以上で、繰り返し特性が50回以
上使用できる可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた
高性能の可逆性感熱記録シートが得られた。
【0021】〈実施例2〉実施例1と同様にして、下記
に示す感熱層A液およびB液を作製した。 感熱層A液: 2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン …………4部 ポリノルボルネン(重量平均分子量:約5万)…………8部 酢酸エチル ………30部 感熱層B液: 〈合成例2〉で作製した顕色・消色剤 ………23部 ベンゼンスルフォンアミド …………5部 炭酸カルシウム ………10部 酢酸エチル ……120部 上記A液とB液を混合して感熱層液を調製し、約100
μm厚さの耐熱紙上に塗工し、約7μmの厚さの膜を形
成した。この膜上に、保護層としてステアリン酸メチル
を3重量%含有するポリノルボルネン(重量平均分子
量:約14万)を塗工し、約0.5ミクロン厚さの膜を
形成した。このようにして作製した感熱記録シートを用
いて、印字、文字消去を繰り返した結果、光学濃度が
0.6以上で繰り返し特性が50回以上使用できる可逆
性感熱記録組成物およびそれを用いた高性能の可逆性感
熱記録シートが得られた。
【0022】〈実施例3〜8〉実施例1〜2と同様にし
て、下記に示す可逆性感熱記録塗液および保護層塗液を
調製し、バー塗工機にて約75μm厚さの発泡ポリエス
テルシート上に塗布し、それぞれ、5μm、1μmの厚
さに成膜した。このようにして得られた感熱記録シート
を用いて、印字、文字消去を繰り返した結果、光学濃度
が0.6以上で繰り返し特性が50回以上使用できる可
逆性感熱記録組成物およびそれを用いた高性能の可逆性
感熱記録シートが得られた。
【0023】〈実施例3〉 可逆性感熱記録塗液: ロイコ染料(TH−105、保土谷化学製)………………………2部 〈合成例3〉の顕色・消色剤 ……………………12部 アクリル樹脂(ダイヤナールBR−80、三菱レイヨン製)……2部 紫外線吸収剤(SEESORB701、シプロ化成製) ……0.5部 ステアリン酸アミド2部 ………2部 トルエン ……1.5部 保護層: ポリノルボルネン(アートン、日本合成ゴム製) ……10部 ステアリン酸メチル(パステルM−180、ライオン製) ……0.1部 カオリン 10部 トルエン 79.9部 。 〈実施例4〉 可逆性感熱記録塗液: ロイコ染料(TH−108、保土谷化学製2部) …………2部 〈合成例4〉の顕色・消色剤 ………………12部 アクリル樹脂(ダイヤナールBR−80、三菱レイヨン製)……2部 紫外線吸収剤(SEESORB701、シプロ化成製) ……0.5部 ステアリン酸アミド …………2部 トルエン 81.5部 保護層: ポリノルボルネン(アートン、日本合成ゴム製) 10部 ステアリン酸メチル(パステルM−180、ライオン製) …0.1部 トルエン …………89.9部 。 〈実施例5〉 可逆性感熱記録塗液: ロイコ染料(TH−108、保土谷化学製) …………2部 合成例5の顕色・消色剤 ………………12部 ポリ酢酸ビニル(重量平均分子量7万) …………………2部 紫外線吸収剤(SEESORB701、シプロ化成製) ……0.5部 ステアリン酸アミド ……………2部 トルエン ………81.5部 保護層: ポリノルボルネン(アートン、日本合成ゴム製) ………10部 ステアリン酸メチル(パステルM−180、ライオン製) …0.1部 トルエン …………89.9部 。 〈実施例6〉 可逆性感熱記録塗液: ロイコ染料(TH−108、保土谷化学製) ……2部 〈合成例6〉の顕色・消色剤 …………………12部 ポリ酢酸ビニル(重量平均分子量7万) …………………2部 紫外線吸収剤(SEESORB701、シプロ化成製) ……0.5部 ステアリン酸アミド ………………2部 トルエン ………81.5部 保護層: ポリノルボルネン(アートン、日本合成ゴム製) ………10部 ステアリン酸メチル(パステルM−180、ライオン製) …0.1部 トルエン ………89.9部 。 〈実施例7〉 可逆性感熱記録塗液: ロイコ染料(TH−108、保土谷化学製) ………2部 〈合成例7〉の顕色・消色剤 ……12部 ポリ酢酸ビニル(重量平均分子量7万) ………2部 紫外線吸収剤(SEESORB701、シプロ化成製) ……0.5部 ステアリン酸アミド ………2部 トルエン ……81.5部 保護層: ポリノルボルネン(アートン、日本合成ゴム製) ………10部 ステアリン酸メチル(パステルM−180、ライオン製) …0.1部 トルエン ………89.9部 。 〈実施例8〉 可逆性感熱記録塗液: ロイコ染料(TH−108、保土谷化学製) …………2部 〈合成例8〉の顕色・消色剤 ………12部 ポリ酢酸ビニル(重量平均分子量7万) ……………2部 紫外線吸収剤(SEESORB701、シプロ化成製) …0.5部 ステアリン酸アミド …………………2部 トルエン ……………81.5部 保護層: ポリノルボルネン(アートン、日本合成ゴム製) ………10部 ステアリン酸メチル(パステルM−180、ライオン製 ……0.1部 トルエン ……………89.9部 。 〈比較例1〉下記感熱層A液およびB液からなる感熱層
液を用いて、約75μm厚さの発泡ポリエステルシート
上に塗布し、60℃、10分間で乾燥し、約7μm厚さ
の感熱層を得た。この上に、ポリノルボルネンからなる
保護層を約1μm厚さに塗布し、可逆性感熱層を得た。 感熱層A液: 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン…4部 ポリビニルアルコール(重量平均分子量:約5万) ………4部 水 ……30部 感熱層B液: 没食子酸とオクチルアミンとの錯体 ……16部 パルミチン酸アミド ………4部 水 …120部 このようにして得た可逆性感熱記録シートは、光学濃
度、特に、印字電力が低い場合の光学濃度が低く、ま
た、数回〜十数回以上繰り返して使用すると、印字のコ
ントラストが悪くなり、実用に供し得ないものであっ
た。
【0024】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の可
逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録
シートによれば、印字電力が低い条件であっても印字濃
度が高く、繰り返し寿命特性に優れた書き替え可能な感
熱記録シートを得ることができ、かつ量産性にも優れて
おり、信頼性、歩留りの高い可逆性感熱記録方式を実現
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹野 清彦 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社スリオンテック内 (72)発明者 長谷川 宗一 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社スリオンテック内 (72)発明者 内山 博 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社スリオンテック内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発色と消色を繰り返すことができる可逆性
    感熱記録組成物であって、該可逆性感熱記録組成物は、
    有機高分子系バインダー中に、少なくとも可逆性発色形
    色素と、顕色・消色剤とを含有し、該顕色・消色剤は、
    下記の(化1)、(化2)または(化3)式で示される
    フェノール性水酸基を有する有機カルボン酸と有機アミ
    ンからなる錯体、もしくはその塩のうちより選ばれる少
    なくとも1種の化合物からなることを特徴とする可逆性
    感熱記録組成物。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】発色と消色を繰り返すことができる可逆性
    感熱記録シートであって、該可逆性感熱記録シートは、
    少なくとも支持基材、可逆性感熱記録層および保護層か
    らなり、上記可逆性感熱記録層は、有機高分子系バイン
    ダー中に、少なくとも可逆性発色形色素と、顕色・消色
    剤とを含有し、該顕色・消色剤は、請求項1に記載の
    (化1)、(化2)または(化3)式で示されるフェノ
    ール性水酸基を有する有機カルボン酸と有機アミンから
    なる錯体、もしくはその塩のうちより選ばれる少なくと
    も1種の化合物からなることを特徴とする可逆性感熱記
    録シート。
  3. 【請求項3】請求項2において、可逆性発色形色素はロ
    イコ色素からなることを特徴とする可逆性感熱記録シー
    ト。
  4. 【請求項4】請求項2において、有機高分子系バインダ
    ーは、有機溶剤に溶解する汎用の有機高分子材料からな
    ることを特徴とする可逆性感熱記録シート。
  5. 【請求項5】請求項2において、可逆性感熱記録層に
    は、熱可融性物質を含有してなることを特徴とする可逆
    性感熱記録シート。
  6. 【請求項6】請求項2において、可逆性感熱記録層に
    は、紫外線吸収剤、無機または有機充填剤、白色顔料の
    うちの少なくとも1種を含有してなることを特徴とする
    可逆性感熱記録シート。
JP7163432A 1995-06-29 1995-06-29 可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録シート Pending JPH0911618A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7163432A JPH0911618A (ja) 1995-06-29 1995-06-29 可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7163432A JPH0911618A (ja) 1995-06-29 1995-06-29 可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0911618A true JPH0911618A (ja) 1997-01-14

Family

ID=15773788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7163432A Pending JPH0911618A (ja) 1995-06-29 1995-06-29 可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0911618A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02188294A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH02188293A (ja) 可逆性感熱記録媒体
EP0418399B1 (en) Composition for reversible thermal recording medium
JP3197822B2 (ja) 可逆性感熱記録組成物とそれを用いた書き替え可能な可逆性感熱記録シートおよびカード
JPH07101153A (ja) 感熱記録体
JPH0911618A (ja) 可逆性感熱記録組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録シート
JPH089270B2 (ja) 可逆性感熱発消色組成物
JP4813353B2 (ja) ヒドロキシフェニルヒドロキシアルキルアミド化合物、ならびにそれを用いた可逆性感熱組成物、可逆性感熱記録材料および発消色プロセス
JP3307014B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH089705B2 (ja) 可逆性感熱記録材料加筆用インク
JPH07110939B2 (ja) 可逆性感熱発消色組成物
JPH07285270A (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH07115541B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP2007083589A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP3728374B2 (ja) 可逆性感熱記録組成物ならびにそれを用いた可逆性感熱記録シート及びカード
JP3781691B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3403757B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH07156540A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH10203013A (ja) 可逆性感熱記録組成物ならびにそれを用いた可逆性感熱記録シート及びカード
JP3348477B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH10329421A (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH08282105A (ja) 可逆性感熱記録シート
JPH10329420A (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH07112579A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP2002172866A (ja) 熱可逆性記録材料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体