JPH0911610A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JPH0911610A
JPH0911610A JP7168444A JP16844495A JPH0911610A JP H0911610 A JPH0911610 A JP H0911610A JP 7168444 A JP7168444 A JP 7168444A JP 16844495 A JP16844495 A JP 16844495A JP H0911610 A JPH0911610 A JP H0911610A
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JP
Japan
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paper
ink jet
rosin ester
water
soluble binder
Prior art date
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JP7168444A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Sato
佐藤  達也
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットプリンターにより印字した際
に、印字濃度が高く、フェザリングがなく、かつインク
ジェットプリンターの給紙部における給紙特性に優れた
インクジェット記録用紙を提供する。 【構成】 原紙表面に、ロジンエステルエマルジョンと
水溶性バインダーからなる滑り防止剤を付着してなるこ
とを特徴とするインクジェット記録用紙、およびロジン
エステルエマルジョンと水溶性バインダーならびに表面
サイズ剤からなる滑り防止剤を特定量付着してなり、静
摩擦係数が0.65以上あることを特徴とするインクジ
ェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット適性と
インクジェットプリンターでの給紙特性を改良したイン
クジェット記録用紙に関するものである。さらに詳しく
は、インクジェット記録方式により記録した際に、印字
濃度が高く、フェザリングがなく、インクジェットプリ
ンターの給紙部における給紙特性に優れたインクジェッ
ト記録用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の機構
によりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させる
ことによりドットを形成し、記録を行うものであるが、
ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がな
く、また、フルカラー化が容易であり、高速印字が可能
であるなどの利点がある。
【0003】一般に、インクジェット記録方式に用いら
れるインクジェット記録用紙に要求される特性として
は、(1)インクの乾燥速度が速い、(2)印字濃度が
高い、(3)にじみが少ないといった点が挙げられる。
【0004】さらに、市場においては、比表面積の大き
い顔料をバインダーと共に原紙表面に塗工しインク受理
層を設けた塗工紙タイプのインクジェット記録用紙か
ら、プレンペーパーライク、いわゆる非塗工タイプのイ
ンクジェット記録用紙の要望が市場で増加する傾向にあ
る。
【0005】一方、インクジェット記録用紙の保存性や
環境保護の観点から、故紙の配合率が高まるに従って、
これらインクジェット記録用紙を抄造する際に填料とし
て炭酸カルシウムを使用するようになり、従来の抄造条
件の酸性域から中性〜アルカリ域にかわってきた。この
ように紙の中性紙化が進むに従って、使用するサイズ剤
もロジンサイズ剤からアルキルケテンダイマー(以下、
AKDと称す)やアルケニル無水コハク酸(以下、AS
Aと称す)が多く使われるようになってきた。
【0006】非塗工タイプのインクジェット記録用紙の
インクジェット適性を改良する手段としては、例えば、
特開昭62−156985号公報、特開平4−3311
82号公報には紙表面にアルカリ金属塩やリン酸塩を塗
工する方法、特開平6−220794号公報にはインク
中の染料の溶解助剤となっている窒素化合物に起因する
アンモニアもしくはアンモニウムイオンを吸着する合成
ケイ酸アルミニウムもしくはカオリン鉱物を内添させる
方法などが開示されている。しかしながら、これらの方
法を用いた場合には、印字濃度とインクジェット記録用
紙表面の繊維に沿って起るにじみ(以下、フェザリング
と称する)とのバランスをとるのが非常に難しい。ま
た、原紙に使用する填料にも制限ができてしまう。
【0007】さらに、インクジェット記録用紙の中性紙
化に伴い、内添サイズ剤としてAKDを使用した場合に
は、紙の摩擦係数の低下や変動が大きくなり、インクジ
ェットプリンターの給紙部において紙を給紙できなかっ
たり(以下、このような給紙トラブルをミスフィードと
称する)、一度に複数枚を給紙してしまったりする(以
下、このような給紙トラブルをダブルフィードと称す
る)。このような問題に対しては、AKDの量を減らし
たり、サイズプレスでの塗工量を増加することで給紙特
性を改良する方法があるが、インクジェット適性と給紙
特性という両特性を両立させることは難しい。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
インクジェット記録方式で記録された画質に対して、要
求される高い印字濃度、フェザリングの特性に優れ、且
つインクジェットプリンターでの給紙部での給紙特性に
優れたインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の欠点
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明のインクジェッ
ト記録用紙を発明するに至った。即ち、インクジェット
記録用紙における第1の発明は、原紙表面に、ロジンエ
ステルエマルジョンおよび水溶性バインダーからなる滑
り防止剤を付着してなることを特徴とするものである。
【0010】第1の発明において、ロジンエステルエマ
ルジョンおよび水溶性バインダーの付着量は、それぞれ
0.03〜0.25g/m2および0.5〜2.0g/m2であ
ることが好ましい。
【0011】また、第1の発明において、JIS P8
140に準拠し5%イソプロパノール水溶液を使用して
測定したインクジェット記録用紙における付着面の30
秒コブサイズ度が、20g/m2未満であることが好まし
い。
【0012】インクジェット記録用紙における第2の発
明は、原紙表面に、ロジンエステルエマルジョン、水溶
性バインダー、ならびに表面サイズ剤からなる滑り防止
剤を付着してなり、該ロジンエステルエマルジョン、該
水溶性バインダー、ならびに該表面サイズ剤の付着量
が、それぞれ0.06〜0.15g/m2、0.6〜1.8
g/m2、0.06〜0.15g/m2であり、且つ該付着面の
JIS P8147の水平方法に規定される静摩擦係数
が0.65以上であることを特徴とするものである。
【0013】表面サイズ剤としては、スチレン−アクリ
ル共重合体からなるものが好ましい。
【0014】以下、本発明のインクジェット記録用紙に
ついて詳細に説明する。
【0015】まず、本発明者は、原紙のサイズ性とイン
クジェットプリンターで印字した際に、フェザリング、
印字濃度に対するインクジェット適性、ならびにインク
ジェットプリンターでの給紙特性について検討した。
【0016】表面サイズを施さない原紙のみの用紙に印
字を行った場合、原紙のステキヒトサイズ度が少なくと
も20秒以上のものでなければ印字濃度は低く、不十分
であった。また、フェザリングに関しては、原紙のみの
場合、ステキヒトサイズ度が20秒以上であってもイン
クジェット記録用インクがパルプ繊維に沿って滲むフェ
ザリングが多数発生し、満足する特性を得ることができ
なかった。
【0017】インクジェットプリンター給紙部の給紙特
性に関しては、原紙の内添サイズ剤としてAKDサイズ
剤を使用した場合、AKD添加量を対パルプ0.10重
量%以上添加すると、インクジェットプリンター給紙部
においてミスフィードやダブルフィードが生じた。サイ
ズ剤添加量が対パルプ0.05重量%以下であれば、給
紙特性は満足するものであったが、印字濃度、フェザリ
ングを満足させるサイズ性は得られず実用に耐えるもの
ではなかった。
【0018】以上の結果より、原紙面になんら表面処理
を施すことなしにインクジェット適性と給紙特性を満足
させることはできなかった。
【0019】次に、これら原紙の記録面にサイズプレス
処理を行うことでインクジェット適性ならびに給紙特性
を改良すべく検討を行った。
【0020】その結果、記録面に表面サイズ剤として、
例えば、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−マレ
イン酸系樹脂、オレフィン−マレイン酸系樹脂、アクリ
ル共重合体、石油系樹脂などを用いて表面処理すること
を検討した結果、これらを用いることで、印字濃度、フ
ェザリングなどインクジェット適性の満足されるものを
得ることができた。
【0021】上記表面サイズ剤を用いた表面処理では、
インクジェット適性を向上させることは確認できたが、
その効果は原紙自体のサイズ性にも依存することも明か
となった。例えば、内添サイズ剤を使用しない無サイズ
原紙を用いた場合、上記表面サイズ剤を用いて表面処理
しても実用に耐えるレベルのインクジェット適性を得る
ことは難しかった。
【0022】原紙面に表面サイズ剤を塗工してインクジ
ェット適性を得るためには、少なくとも原紙のステキヒ
トサイズ度が10秒以上であることが必要であった。具
体的には、内添サイズ剤にAKDサイズ剤を使用し、ス
テキヒトサイズ度10秒以上のサイズ性を得るために
は、対パルプ0.10重量%以上の添加量が必要であっ
た。しかし、内添するAKDサイズ剤を対パルプ0.1
0重量%以上添加した場合、所望のサイズ性は得られる
ものの、AKDサイズ剤に由来する原紙の滑りが発生し
たために、給紙特性が著しく低下した。
【0023】一方、スチレン−アクリル共重合体などの
表面サイズ剤のように、原紙の滑りを防止する防滑性効
果を兼ね備えた表面サイズ剤もあったが、スチレン−ア
クリル共重合体を主成分とする表面サイズ剤と水溶性バ
インダーとを併用した表面サイズ液を使用した場合、給
紙特性を改善するに足るほどの効果を得るには至らなか
った。
【0024】そこで、本発明者は、インクジェット適性
と給紙特性を両立する素材として、種々の滑り防止剤に
ついての検討を行い、原紙表面でのサイズ性と滑り防止
性を兼ね備え、通常、原紙内添サイズ剤として使用され
ているロジンエステルエマルジョンに着目した。
【0025】インクジェット記録用紙における第1の発
明は、原紙表面にロジンエステルエマルジョンおよび水
溶性バインダーからなる滑り防止剤を付着させたもの
で、実用に耐え得る給紙特性が得られると同時に、イン
クジェット記録用紙表面のサイズ性をも向上させること
ができ、インクジェット記録した際に、印字濃度、フェ
ザリングなどインクジェット適性も同時に満足できる特
性を有するものである。
【0026】上記滑り防止剤として、ロジンエステルエ
マルジョンおよび水溶性バインダーを原紙表面に付着さ
せる場合、付着量としては、それぞれ0.03〜0.2
5g/m2および0.5〜2.0g/m2の範囲であることが好
ましい。
【0027】ここで、ロジンエステルエマルジョンの付
着量が0.03g/m2より少ないと、インクジェット適性
は改善されるが、原紙の滑りを低減するまでの防滑性効
果を得るにはやや不足し、また、インクジェットプリン
ター給紙部の給紙特性の点で不十分である。
【0028】一方、ロジンエステルエマルジョンの付着
量が0.25g/m2より多くするには、ロジンエステルエ
マルジョン自体の濃度を上げて使用する必要があるが、
該エマルジョン濃度を上げた場合に該エマルジョンの分
散性が悪化する方向にあり、時には沈澱あるいは発泡を
生じたり、機械的なシェアによる該エマルジョンの分解
を起すなど操業安定性に問題を生じることがあるため、
該エマルジョン濃度を考慮して該エマルジョンの付着量
としては0.25g/m2を超えないことが妥当と言える。
【0029】本発明で用いるロジンエステルエマルジョ
ンは、滑り防止剤分散液として適当な分散状態を維持さ
せることが可能であれば、アニオン性、カチオン性、ノ
ニオン性のいずれでも構わない。
【0030】また、ロジンエステルエマルジョンと併用
する水溶性バインダーの付着量としては、0.5〜2.
0g/m2の範囲であることが好ましい。この範囲内では、
主成分がロジンエステルエマルジョンと水溶性バインダ
ーからなる滑り防止剤分散液の塗工に当って、水溶性バ
インダー付着量がロジンエステルエマルジョンの付着状
態に作用し、バランスのとれたものとすることができ
る。
【0031】ここで、滑り防止剤分散液は塗工手段によ
り、原紙表面へフィルム状に付着すると共に紙層内部に
も浸透するが、水溶性バインダー濃度が低くく、水溶性
バインダーの付着量が0.5g/m2より少ない場合には、
滑り防止剤分散液は紙層内部へ浸透しやすくなり、ロジ
ンエステルエマルジョンに起因する滑り防止効果が減少
しやすくなる。また、水溶性バインダー濃度が高く、水
溶性バインダーの付着量が2.0g/m2より多い場合に
は、滑り防止剤分散液が紙層内部へ吸収・浸透しにくく
なり、紙層内に吸収してサイズ性を発現するロジンエス
テルエマルジョンのフェザリング防止効果も減少する傾
向となる。
【0032】本発明で使用する水溶性バインダーとして
は、例えば、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性
澱粉、カチオン化澱粉などの各種変性澱粉、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソ
ーダ、アルギン酸ソーダ、ハイドロキシメチルセルロ−
ス、メチルセルロール、ポリビニルアルコール、または
それらの誘導体などが挙げられる。また、水溶性バイン
ダーは、目的に応じて数種類を混合して使用することも
可能である。
【0033】加えて、上記の滑り防止剤分散液の塗工に
当っては、一般にロジンエステルの軟化点が70〜80
℃の温度域にあることから、滑り防止剤分散液の分散安
定性と操業安定性を考慮した場合、滑り防止剤分散液の
液温としては70℃を超えないことが望ましい。
【0034】さらに、第1の発明において、JIS P
8140に準拠し5%イソプロパノール水溶液を使用し
て測定したインクジェット記録用紙における付着面の3
0秒コブサイズ度は、20g/m2未満であることが好まし
い。
【0035】ここで、コブサイズ度は、JIS P81
40に準じて30秒コブサイズ度を規定するものであ
る。本発明では、浸透性の高いインクジェット記録用イ
ンクのモデルとして、5%イソプロパノール水溶液を使
用している。コブサイズ度は、被吸収液が単位時間単位
面積当りに吸収・保持される被吸収液重量を測定するこ
とで原紙のサイズ性を判定する試験方法である。
【0036】本発明のインクジェット記録用紙において
は、印字面に吐出されるインクの吸収度合いが直接印字
品質に関連するため、コブサイズ度によるサイズ性評価
が重要である。すなわち、コブサイズ度が低くすぎる場
合、吐出されたインクは紙層内部への浸透・吸収が行わ
れにくくなるため、印字面の紙上層にインクが多く定着
することとなり、乾燥後の印字濃度が高く、また、フェ
ザリングなど印字にじみが少なくなる反面、インクの速
やかな乾燥は望めず、コスレ汚れやカスレ汚れの原因と
なる。
【0037】一方、コブサイズ度が高い場合、インクは
紙層内部へ速やかに浸透・吸収されるため短時間でイン
クが乾燥し、汚れの問題は少なくなるが、インクの浸透
・吸収の良さから印字にじみが起こりやすくなると共に
紙層内部へのインク拡散が起こるため、印字濃度は低下
する傾向になる。
【0038】ところで、ロジンエステルエマルジョンを
滑り防止剤分散液に用いた場合に、インクジェット適性
と給紙特性に優れるインクジェット記録用紙が得られる
理由としては、以下の理由が考えられる。ロジンエステ
ルエマルジョンは、サイズプレスのような塗工手段で塗
工した時、原紙表面に広く塗工されるところとなるが、
滑り防止剤分散液の浸透と共に原紙表面から紙層内へパ
ルプ繊維に沿って移動すると同時に、パルプ繊維上にも
微小粒子として広く分布される。続いて、ロジンエステ
ルは、乾燥過程で熱を受けて溶融し、パルプ繊維間に存
在するロジンエステルによってサイズ性が発現される。
浸透性の高いインクジェット記録用インクでは、パルプ
繊維に沿って滲み込もうとするものの、パルプ繊維間で
は溶融したロジンエステルがサイズ性を有するため、イ
ンクのにじみと紙層内部への拡散が抑えられ、その結
果、フェザリング、印字濃度などインクジェット適性が
向上するものと推定される。
【0039】本発明のインクジェット記録用紙における
第2の発明は、原紙表面に、ロジンエステルエマルジョ
ン、水溶性バインダー、ならびに表面サイズ剤からなる
滑り防止剤を付着してなり、ロジンエステルエマルジョ
ン、水溶性バインダー、ならびに表面サイズ剤の付着量
が、それぞれ0.06〜0.15g/m2、0.6〜1.8
g/m2、0.06〜0.15g/m2であり、且つ該付着面の
JIS P8147の水平方法に規定される静摩擦係数
が0.65以上であることを特徴とし、インクジェット
記録した際に、印字濃度、フェザリングなどインクジェ
ット適性が優れ、さらに特徴的なことには、極めて優れ
た給紙特性が得られるということである。
【0040】ロジンエステルエマルジョンの付着量が
0.06〜0.15g/m2の範囲内にある時、インクジェ
ット記録用紙としてフェザリングのレベルが向上し、原
紙表面に対して優れた給紙特性を発揮することができ
る。
【0041】また、水溶性バインダーの付着量が0.6
〜1.8g/m2の範囲内にある時、ロジンエステルを原紙
表面に付着させるに好適な付着量である。
【0042】第2の発明においては、上記ロジンエステ
ルエマルジョンおよび水溶性バインダーに加えて表面サ
イズ剤を第3成分として導入することで、インクジェッ
ト記録の際の印字濃度およびフェザリングをより一層向
上させることができ、さらにインクジェット記録用紙の
滑り防止剤付着面の静摩擦係数を大きくする方向に作用
し、給紙特性を一段と向上させることができる。
【0043】表面サイズ剤の付着量としては、0.06
〜0.15g/m2の範囲内にある時、ロジンエステルエマ
ルジョンおよび水溶性バインダーとのバランスにおいて
好適である。
【0044】表面サイズ剤としては、スチレン−アクリ
ル共重合体系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、オレ
フィン−マレイン酸系樹脂、アクリル共重合体系樹脂、
石油系樹脂などが挙げられる。これらの内でも、スチレ
ン−アクリル共重合体系樹脂が好ましく用いられる。
【0045】表面サイズ液として適当な分散状態を保つ
ことが可能であれば、本発明の滑り防止剤分散液の塗工
に合わせて、エチレン−尿素樹脂などの寸法安定化剤、
塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機導電剤、有機
導電剤、界面活性剤、顔料、染料などを塗工することは
勿論可能である。
【0046】第2の発明において、特に給紙特性に優れ
る理由については、以下のように推察される。一般に、
プリンタ給紙部において重ねた用紙トレーから最上面の
用紙を分離し送り出す場合、用紙−用紙間の静摩擦係数
に比べて用紙を駆動するピックアップローラーや掻き出
しローラーなどの給紙部材−用紙間の静摩擦係数を大き
くすることで給紙動作を成立している。物質の静摩擦係
数は、その表面材質により規定されることは周知である
が、本発明の滑り防止剤分散液を原紙表面に塗工した場
合、原紙表面に残ったロジンエステル粒子が乾燥過程の
熱で溶融し、近隣の該ロジネステル粒子が互いに溶融し
合って大粒子形態を形成し、原紙表面に突起状の形態と
して分布するために、原紙表面における静摩擦係数を増
加させるものと考えられる。
【0047】すなわち、原紙表面の静摩擦係数が増加す
ることで、用紙−用紙間に比べて給紙部材−用紙間の静
摩擦係数が大きく増加するために、給紙部のミスフィー
ドやダブルフィードが減少し給紙特性が向上すると考え
られる。
【0048】本発明において、インクジェット記録用紙
の滑り防止剤付着面のJIS P8147の水平方法に
規定される静摩擦係数が0.65以上である場合、プリ
ンタ給紙部において重ねた用紙トレーから最上面の用紙
を分離し送り出す際に、用紙を駆動するピックアップロ
ーラーや掻き出しローラーなどの給紙部材と用紙との間
でミスフィードやダブルフィードを発生することなく、
極めて優れた給紙特性を得ることができる。
【0049】インクジェットプリンター給紙部での給紙
特性に関係する静摩擦係数については、JIS P81
47の水平方法に準じて測定した値である。給紙特性に
は、当然ながら種々方式があるプリンタ給紙機構との関
係が大きく影響するが、その多くは、コーナー爪分離方
式、摩擦ローラー方式、FRR(フィード&リバースロ
ーラー)方式など、給紙部材−用紙間の摩擦を利用した
給紙機構が採用されている。すなわち、用紙−用紙間の
摩擦係数に比べて用紙を駆動するピックアップローラー
や掻き出しローラーなど給紙部材−用紙間の摩擦係数を
大きくすることで給紙動作が成立している。一般に、物
質の静摩擦係数は、その表面材質により規定されること
は周知であるが、インクジェットプリンタの給紙に当っ
ては、用紙−用紙間の静摩擦係数が0.65以上である
ことが好ましく、給紙部のミスフィードやダブルフィー
ドが減少し、安定して給紙動作が行える。
【0050】上記第1および第2の本発明において、滑
り防止剤分散液の塗工に当っては、サイズプレス、ゲー
トールコーター、ビルブレードコーター、ブレードメタ
リングサイズプレス、ベルバパコーター、ショートドゥ
エルコーター、ロッドコーター、エアーナイフコータ
ー、カーテンコーターなどの塗工機により塗工すること
が可能である。
【0051】本発明におけるインクジェット記録用紙と
は、水性インクを使用したドロップオンデマンドタイプ
やコンティニュアスタイプのプリンター、ファクシミリ
などに使用される記録材料のことである。
【0052】本発明のインクジェット記録用紙の原紙に
使用されるパルプとしては、NBKP、LBKP、NB
SP、LBSP、GP、TMP、故紙などが挙げられ
る。使用に当っては、それらを数種類目的に応じた比率
で混合して用いる。
【0053】また、本発明のインクジェット記録用紙の
原紙は、通常抄紙で使用する、染料、タルク、カオリ
ン、二酸化チタンなどの填料、サイズ剤、定着剤、乾燥
紙力増強剤などを必要に応じて含有することができる。
【0054】本発明のインクジェット記録用紙は、イン
クジェット記録用紙以外にも電子写真用転写紙、熱転写
受像紙、印刷用紙としても使用が可能である。
【0055】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%はすべて重量によるものであ
る。また、塗工量を示す値は断わりのないかぎり乾燥後
の重量である。
【0056】以下の実施例および比較例で製造したイン
クジェット記録用紙については、下記の評価方法により
評価し、その結果をそれぞれ表1〜表4に示した。
【0057】<コブサイズ度>コブサイズ度は、JIS
P8140に準じて30秒コブサイズ度を測定した。
測定に当って、浸透性の高いインクジェット記録用イン
クのモデルとして溶媒にイソプロパノールを用い、5%
イソプロパノール水溶液を使用した。本実施例および比
較例で作製した坪量64g/m2程度のインクジェット記録
用紙においては、本測定方法によるコブサイズ度が25
g/m2未満にあればインクジェット記録用紙として実用上
支障のないサイズ性と言える。
【0058】<印字濃度>印字濃度は、インクジェット
プリンタ−(BJ10V、キャノン社製)を用いて印字
を行い、ベタ印字部の印字濃度を反射濃度計(マクベス
反射濃度計モデルRD918)にて測定した。印字濃度
は、1.0以上にあれば実用上問題はないが、インクジ
ェット記録用紙としては1.2以上の印字濃度が望まし
い。
【0059】<フェザリング>フェザリングは、上記印
字濃度と同一の方法で印字を行い、細線印字部のインク
にじみ程度を目視により評価した。評価は、最低を1と
し、最高を5として判定し、評価値3以上であれば実用
上支障がなく、好ましくは4以上のフェザリングのレベ
ルがインクジェット記録用紙としては望ましい。
【0060】<静摩擦係数>静摩擦係数は、摩擦係数測
定装置(テスター産業製)を使用し、JIS P814
7の水平方法に準じて測定した。インクジェットプリン
タの給紙に当っては、用紙−用紙間の静摩擦係数が0.
65以上である時、給紙部のミスフィードやダブルフィ
ードが減少し、安定して給紙動作を行うことができる。
【0061】<給紙特性>給紙特性は、インクジェット
プリンター給紙部において、紙の滑りのため給紙ができ
ないミスフィード、複数枚を給紙してしまうダブルフィ
ードの発生程度を給紙特性として評価した。評価は、給
紙枚数1000枚当りに発生したミスフィードおよびダ
ブルフィードの枚数が0〜2枚を◎、3〜6枚を○、7
〜10枚を△、11枚以上を×として評価した。評価が
◎〜△の範囲内にあれば実用上問題は無いレベルと言え
る。
【0062】実施例および比較例に使用する原紙につい
て、以下に示す。 <原紙の製造>パルプ叩解設備にてろ水度420ml
c.s.f.まで叩解したLBKPパルプ100部に対
して、軽質炭酸カルシウム(TP121、奥多摩工業社
製)を10部、AKDサイズ剤(AS263、日本PM
C社製)をサイズ分として0.12部、両性でんぷん
(ケイト3210、王子ナショナル社製)を0.9部添
加してパルプスラリーを調製し、これを用いて抄紙機に
より抄紙し、坪量64g/m2の原紙を製造した。
【0063】実施例1〜7 0.07〜0.90%のロジンエステルエマルジョン
(セロゾールD−101、中京油脂製)および水溶性バ
インダーとして1.5〜7.0%の酸化澱粉(MS38
00、日本食品化工製)を各濃度の組合わせからなる滑
り防止剤分散液を調製し、これを用いてサイズプレスに
より上記の原紙表面に含水塗工量30g/m2を塗工し、1
10℃で1分間乾燥して実施例1〜7のインクジェット
記録用紙を製造した。各々のインクジェット記録用紙に
おける滑り防止剤の付着量は、下記表1に示すような付
着量である。
【0064】比較例1 滑り防止剤分散液として、0.33%のロジンエステル
エマルジョン(セロゾールD−101、中京油脂製)を
単独に使用した以外は実施例1と同様にして比較例1の
インクジェット記録用紙を製造した。なお、滑り防止剤
の付着量は、下記表1に示すような付着量である。
【0065】比較例2 滑り防止剤分散液として、5.0%の酸化澱粉(MS3
800、日本食品化工製)を単独に使用した以外は実施
例1と同様にして比較例2のインクジェット記録用紙を
製造した。なお、滑り防止剤の付着量は、下記表1に示
すような付着量である。
【0066】
【表1】
【0067】評価:上記表1の実施例1〜7は、本発明
の滑り防止剤分散液にロジンエステルエマルジョンおよ
び水溶性バインダーとして酸化澱粉を使用して作製した
インクジェット記録用紙の評価結果である。実施例1〜
7のインクジェット記録用紙は、コブサイズ度、印字濃
度、フェザリング、給紙特性の評価結果から、インクジ
ェット記録用紙として十分なインクジェット適性が、ま
た実用上十分な給紙特性が得られることがわかる。さら
に、実施例2〜6は、ロジンエステルエマルジョンと水
溶性バインダーの付着量がそれぞれ0.03〜0.25
g/m2および0.5〜2.0g/m2の範囲にあり、この場合
のフェザリングの評価は4以上であり、給紙特性の評価
も◎〜○となりインクジェット記録用紙として望ましい
インクジェット適性と給紙特性が得られることがわか
る。また、実施例2〜7のコブサイズ度の測定結果が2
0g/m2未満にあれば、フェザリングの評価はインクジェ
ット記録用紙として好ましいレベルである4が得られる
結果となっている。ここで、ロジンエステルエマルジョ
ンと水溶性バインダーの付着量がともに実施例6を上回
った実施例7のインクジェット記録用紙においては、イ
ンクジェット記録用紙として好ましいインクジェット適
性ならびに給紙適性が満足されるものの、フェザリング
の評価は実施例6を下回るとともに、滑り防止剤分散液
の作製にあたっては分散性の悪化する現象も観察されて
いる。
【0068】一方、上記表1中の比較例1〜2は、滑り
防止剤分散液としてロジンエステルエマルジョンあるい
は水溶性バインダーである酸化澱粉をそれぞれ単独で使
用したインクジェット記録用紙の評価結果である。いず
れの場合もコブサイズ度は25g/m2を超え、フェザリン
グ・印字濃度といったインクジェット適性は満足でき
ず、また給紙特性においても実用範囲にはなくインクジ
ェット記録用紙として使用できるレベルにはなかった。
【0069】実施例8〜10 0.33%のロジンエステルエマルジョン(セロゾール
D−101、中京油脂製)および水溶性バインダーとし
て2.0〜6.0%のポリビニルアルコール(PVA−
105、クラレ製)を各濃度の組合わせからなる滑り防
止剤分散液を調製し、これを用いてサイズプレスにより
上記の原紙表面に含水塗工量30g/m2を塗工し、110
℃で1分間乾燥して実施例8〜10のインクジェット記
録用紙を製造した。各々のインクジェット記録用紙にお
ける滑り防止剤の付着量は、下記表2に示すような付着
量である。
【0070】比較例3 滑り防止剤分散液として、4.0%のポリビニルアルコ
ール(PVA−105、クラレ製)を単独に使用した以
外は実施例8と同様にして比較例3のインクジェット記
録用紙を製造した。なお、滑り防止剤の付着量は、下記
表2に示すような付着量である。
【0071】
【表2】
【0072】評価:表2の実施例8〜10は、滑り防止
剤分散液にロジンエステルエマルジョンおよび水溶性バ
インダーとしてポリビニルアルコールを使用して作製し
たインクジェット記録用紙の評価結果である。実施例8
〜10のインクジェット記録用紙のコブサイズ度、印字
濃度、フェザリング、給紙特性の評価結果から、水溶性
バインダーにポリビニルアルコールを用いた場合でもイ
ンクジェット記録用紙として望ましいインクジェット適
性ならびに給紙適性が満足されることがわかる。一方、
表2中の比較例3は、滑り防止剤分散液として水溶性バ
インダーであるポリビニルアルコールを単独で使用し作
製したインクジェット記録用紙の評価結果であるが、フ
ェザリング・印字濃度といったインクジェット適性なら
びに給紙特性のいずれも実用範囲にはなくインクジェッ
ト記録用紙として使用できるレベルにはなかった。
【0073】実施例11〜15 0.10〜0.80%のロジンエステルエマルジョン
(セロゾールD−101、中京油脂製)、水溶性バイン
ダーとして1.5〜7.0%のカチオン化澱粉(CAT
O−F、ナショナルスターチアンドケミカル製)、なら
びに表面サイズ剤としてスチレン−アクリル共重合体
(ハーサイズKN500、ハリマ化成製)を各濃度の組
合わせからなる滑り防止剤分散液を調製し、これを用い
てサイズプレスにより上記の原紙表面に含水塗工量30
g/m2を塗工し、110℃で1分間乾燥して実施例11〜
15のインクジェット記録用紙を製造した。各々のイン
クジェット記録用紙における滑り防止剤の付着量は、下
記表3に示すような付着量である。
【0074】比較例4 滑り防止剤分散液として、0.33%のロジンエステル
エマルジョン(セロゾールD−101、中京油脂製)お
よび0.30%のスチレン−アクリル共重合体(ハーサ
イズKN500、ハリマ化成製)を使用した以外は実施
例11と同様にして比較例4のインクジェット記録用紙
を製造した。なお、滑り防止剤の付着量は、下記表3に
示すような付着量である。
【0075】比較例5 滑り防止剤分散液として、5.0%のカチオン化澱粉
(CATO−F、ナショナルスターチアンドケミカル
製)、および0.30%のスチレン−アクリル共重合体
(ハーサイズKN500、ハリマ化成製)を使用した以
外は実施例11と同様にして比較例5のインクジェット
記録用紙を製造した。なお、滑り防止剤の付着量は、下
記表3に示すような付着量である。
【0076】比較例6 滑り防止剤分散液として、0.30%のスチレン−アク
リル共重合体(ハーサイズKN500、ハリマ化成製)
を単独で使用した以外は実施例11と同様にして比較例
6のインクジェット記録用紙を製造した。なお、滑り防
止剤の付着量は、下記表3に示すような付着量である。
【0077】
【表3】
【0078】評価:上記表3の実施例11〜15は、滑
り防止剤分散液にロジンエステルエマルジョンおよび水
溶性バインダーとしてカチオン化澱粉を、さらに表面サ
イズ剤としてスチレン−アクリル共重合体を使用して作
製したインクジェット記録用紙の評価結果である。実施
例11〜15のインクジェット記録用紙は、コブサイズ
度、印字濃度、フェザリング、給紙特性の評価結果か
ら、インクジェット記録用紙として十分なインクジェッ
ト適性が、また実用上十分な給紙特性が得られることが
わかる。また、実施例12〜14においては滑り防止剤
分散液のロジンエステルエマルジョンと水溶性バインダ
ーならびに表面サイズ剤の付着量がそれぞれ0.06〜
0.15g/m2、0.6〜1.8g/m2、0.06〜0.1
5g/m2の範囲にあって、コブサイズ度は20g/m2未満と
なりフェザリングの評価は4以上であり、また給紙特性
の評価結果も◎〜○となり、インクジェット記録用紙と
して望ましいインクジェット適性と給紙特性のいずれも
が得られることがわかる。ここで、実施例12〜15の
静摩擦係数と給紙特性の評価結果から、静摩擦係数が
0.65以上にあれば、給紙特性の評価は◎〜○となり
インクジェット記録用紙として好ましい給紙特性が得ら
れることがわかる。また、ロジンエステルエマルジョン
と水溶性バインダーの付着量がともに実施例14を上回
った実施例15のインクジェット記録用紙においては、
給紙特性が満足されるとともに実用上に支障ないインク
ジェット適性が得られるものの、フェザリングの評価が
実施例14を下回る結果となり、付着量の増加に反して
インクジェット記録用紙の印字品質は低下するところと
なった。
【0079】一方、上記表3中の比較例4〜6は、滑り
防止剤分散液としてロジンエステルエマルジョンと表面
サイズ剤を、または水溶性バインダーと表面サイズ剤
を、あるいは表面サイズ剤を単独で使用して作製したイ
ンクジェット記録用紙の結果であるが、いずれの場合に
もコブサイズ度、印字濃度、フェザリング、静摩擦係
数、給紙特性の評価結果はインクジェット記録用紙とし
て実用の範囲にはなくインクジェット記録用紙としての
使用に耐えるものではなかった。
【0080】実施例16〜19 0.10〜0.33%のロジンエステルエマルジョン
(セロゾールD−101、中京油脂製)、水溶性バイン
ダーとして2.0〜6.0%のポリビニルアルコール
(PVA−105、クラレ製)、ならびに表面サイズ剤
として0.2〜0.4%のスチレン−マレイン酸共重合
体(ポリマロン1329、荒川化学製)を各濃度の組合
わせからなる滑り防止剤分散液を調製し、これを用いて
サイズプレスにより上記の原紙表面に含水塗工量30g/
m2を塗工し、110℃で1分間乾燥して実施例16〜1
9のインクジェット記録用紙を製造した。各々のインク
ジェット記録用紙における滑り防止剤の付着量は、下記
表4に示すような付着量である。
【0081】比較例7 滑り防止剤分散液として、4.0%のポリビニルアルコ
ール(PVA−105、クラレ製)および0.40%の
スチレン−マレイン酸共重合体(ポリマロン1329、
荒川化学製)を使用した以外は実施例16と同様にして
比較例7のインクジェット記録用紙を製造した。なお、
滑り防止剤の付着量は、下記表4に示すような付着量で
ある。
【0082】比較例8 滑り防止剤分散液として、0.33%のロジンエステル
エマルジョン(セロゾールD−101、中京油脂製)お
よび0.40%のスチレン−マレイン酸共重合体(ポリ
マロン1329、荒川化学製)を使用した以外は実施例
16と同様にして比較例8のインクジェット記録用紙を
製造した。なお、滑り防止剤の付着量は、下記表4に示
すような付着量である。
【0083】比較例9 滑り防止剤分散液として、0.30%のスチレン−マレ
イン酸共重合体(ポリマロン1329、荒川化学製)を
単独で使用した以外は実施例16と同様にして比較例9
のインクジェット記録用紙を製造した。なお、滑り防止
剤の付着量は、下記表4に示すような付着量である。
【0084】
【表4】
【0085】評価:表4の実施例16〜19は、滑り防
止剤分散液にロジンエステルエマルジョンおよび水溶性
バインダーとしてポリビニルアルコールを使用し、さら
に表面サイズ剤としてスチレン−マレイン酸共重合体を
使用して作製したインクジェット記録用紙の評価結果で
ある。実施例16〜19のインクジェット記録用紙のコ
ブサイズ度、印字濃度、フェザリング、給紙特性の評価
結果から、水溶性バインダーにポリビニルアルコール
を、表面サイズ剤にスチレン−マレイン酸共重合体を使
用した場合でもインクジェット記録用紙として充分なイ
ンクジェット適性ならびに給紙適性が満足されることが
わかる。また、実施例17〜19では滑り防止剤分散液
のロジンエステルエマルジョンと水溶性バインダーなら
びに表面サイズ剤の付着量がそれぞれ0.06〜0.1
5g/m2、0.6〜1.8g/m2、0.06〜0.15g/m2
の範囲にあり、この場合、コブサイズ度は20g/m2未満
となってフェザリングの評価は4以上、また、静摩擦係
数は0.65以上で給紙特性の評価結果も◎〜○とな
り、インクジェット記録用紙として望ましいインクジェ
ット適性と給紙特性の双方が得られることがわかる。一
方、表4中の比較例7〜9は、滑り防止剤分散液として
水溶性バインダーと表面サイズ剤を、またはロジンエス
テルエマルジョンと表面サイズ剤を、または表面サイズ
剤を単独で使用し作製したインクジェット記録用紙の結
果であるが、いずれの場合にもコブサイズ度、印字濃
度、フェザリング、静摩擦係数、給紙特性の評価結果は
インクジェット記録用紙として実用の範囲にはなくイン
クジェット記録用紙としての使用に耐えるものではなか
った。
【0086】
【発明の効果】以上から、原紙表面に、ロジンエステル
エマルジョンと水溶性バインダーからなる滑り防止剤あ
るいはロジンエステルエマルジョンと水溶性バインダー
ならびに表面サイズ剤からなる滑り防止剤を塗工するこ
とにより、得られたインクジェット記録用紙は、インク
ジェット適性および給紙適性を共に備えたものであるこ
とが明らかになった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙表面に、ロジンエステルエマルジョ
    ンおよび水溶性バインダーからなる滑り防止剤を付着し
    てなることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 ロジンエステルエマルジョンおよび水溶
    性バインダーの付着量が、それぞれ0.03〜0.25
    g/m2および0.5〜2.0g/m2であることを特徴とする
    請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 JIS P8140に準拠し5%イソプ
    ロパノール水溶液を使用して測定した該付着面の30秒
    コブサイズ度が、20g/m2未満であることを特徴とする
    請求項1または2記載のインクジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】 原紙表面に、ロジンエステルエマルジョ
    ン、水溶性バインダー、ならびに表面サイズ剤からなる
    滑り防止剤を付着してなり、該ロジンエステルエマルジ
    ョン、該水溶性バインダー、ならびに該表面サイズ剤の
    付着量が、それぞれ0.06〜0.15g/m2、0.6〜
    1.8g/m2、0.06〜0.15g/m2であり、且つ該付
    着面のJIS P8147の水平方法に規定される静摩
    擦係数が0.65以上であることを特徴とするインクジ
    ェット記録用紙。
  5. 【請求項5】 表面サイズ剤が、スチレン−アクリル共
    重合体からなることを特徴とする請求項4記載のインク
    ジェット記録用紙。
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