JPH09115354A - 酸化物超電導複合材及びその製造方法 - Google Patents
酸化物超電導複合材及びその製造方法Info
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- JPH09115354A JPH09115354A JP7272590A JP27259095A JPH09115354A JP H09115354 A JPH09115354 A JP H09115354A JP 7272590 A JP7272590 A JP 7272590A JP 27259095 A JP27259095 A JP 27259095A JP H09115354 A JPH09115354 A JP H09115354A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】加工が容易で、しかも安価な高強度酸化物超電
導複合材を提供することにある。 【解決手段】予め強化処理が施されていない金属材を被
覆材あるいは基材とした酸化物超電導複合材を0.2%
耐力、破断伸びがそれぞれ20MPa以上、1%以上の
状態、すなわち加工が容易な状態で加工を行い、その後
の超電導化熱処理の際に同時に酸化物超電導材以外の金
属材を強化する。
導複合材を提供することにある。 【解決手段】予め強化処理が施されていない金属材を被
覆材あるいは基材とした酸化物超電導複合材を0.2%
耐力、破断伸びがそれぞれ20MPa以上、1%以上の
状態、すなわち加工が容易な状態で加工を行い、その後
の超電導化熱処理の際に同時に酸化物超電導材以外の金
属材を強化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化物超電導複合材
及びその製造方法に関するものである。
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化物超電導材の被覆材や基材として
は、超電導体との反応性が少ないというところから純銀
が一般に用いられている(例えば、第53回1995年
度春季低温工学・超電導学会講演概要集P77)。
は、超電導体との反応性が少ないというところから純銀
が一般に用いられている(例えば、第53回1995年
度春季低温工学・超電導学会講演概要集P77)。
【0003】しかしながら、純銀は強さが非常に弱いこ
とから、得られた酸化物超電導複合材の強さは弱く、高
強度酸化物超電導複合材が待ち望まれている。
とから、得られた酸化物超電導複合材の強さは弱く、高
強度酸化物超電導複合材が待ち望まれている。
【0004】その一つの手法として、Agを分散強化型
のAg合金に置き換えることにより酸化物超電導材を高
強度化しようという試みがなされている。例えば、Mg
Oなどの微細な酸化物を分散させたAg−Mg系分散型
合金を用いることである。
のAg合金に置き換えることにより酸化物超電導材を高
強度化しようという試みがなされている。例えば、Mg
Oなどの微細な酸化物を分散させたAg−Mg系分散型
合金を用いることである。
【0005】この場合、予めMgOという微細酸化物を
分散させたAg−Mg合金を作製し、すなわち高強度A
g合金を用意しておき、それを酸化物超電導体と組み合
わせて酸化物超電導複合材とする。例えば、高強度Ag
−Mg合金(分散強化型)中に所望の酸化物前駆体粉末
を充填し、押出し、引抜き、スウェージングなどの減面
加工及び圧延、プレスなどのテープ状加工と、少なくと
も1回以上の超電導化熱処理を施すことが試みられてい
る。
分散させたAg−Mg合金を作製し、すなわち高強度A
g合金を用意しておき、それを酸化物超電導体と組み合
わせて酸化物超電導複合材とする。例えば、高強度Ag
−Mg合金(分散強化型)中に所望の酸化物前駆体粉末
を充填し、押出し、引抜き、スウェージングなどの減面
加工及び圧延、プレスなどのテープ状加工と、少なくと
も1回以上の超電導化熱処理を施すことが試みられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記した技
術で高強度酸化物超電導複合材を作製しようという場
合、被覆材あるいは基材として使用する金属材の強さが
大きいということから大きな加工力が必要である。ある
いは伸びが小さいために断線が多い、加工がしずらい、
1回当たりの加工度を小さくとる必要がある。また、焼
なまし回数が多くなるなどの問題がある。
術で高強度酸化物超電導複合材を作製しようという場
合、被覆材あるいは基材として使用する金属材の強さが
大きいということから大きな加工力が必要である。ある
いは伸びが小さいために断線が多い、加工がしずらい、
1回当たりの加工度を小さくとる必要がある。また、焼
なまし回数が多くなるなどの問題がある。
【0007】本発明の目的は、加工が容易で、しかも安
価な高強度酸化物超電導複合材を提供することにある。
価な高強度酸化物超電導複合材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、予め強
化処理が施されていない金属材を被覆材あるいは基材と
した酸化物超電導複合材を0.2%耐力、破断伸びがそ
れぞれ20MPa以上、1%以上の状態で、すなわち加
工が容易な状態で加工を行い、その後の超電導化熱処理
の際に同時に酸化物超電導材以外の金属材が強化され、
結果として0.2%耐力が50MPa以上の高強度酸化
物超電導複合材が得られるようにすることにある。
化処理が施されていない金属材を被覆材あるいは基材と
した酸化物超電導複合材を0.2%耐力、破断伸びがそ
れぞれ20MPa以上、1%以上の状態で、すなわち加
工が容易な状態で加工を行い、その後の超電導化熱処理
の際に同時に酸化物超電導材以外の金属材が強化され、
結果として0.2%耐力が50MPa以上の高強度酸化
物超電導複合材が得られるようにすることにある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る酸化物超電導複合材
は、金属材が超電導化熱処理によって強化されているも
のである。
は、金属材が超電導化熱処理によって強化されているも
のである。
【0010】このような複合材を得るために本発明では
被覆材あるいは基材として、例えばAg−Mg合金、A
g−Mg−Ni合金、Ag−Mg−Zr合金、Ag−S
n合金等の銀基合金であって、強化前の0.2%耐力が
20MPa以上、破断伸びが1%以上の金属材が用いら
れる。
被覆材あるいは基材として、例えばAg−Mg合金、A
g−Mg−Ni合金、Ag−Mg−Zr合金、Ag−S
n合金等の銀基合金であって、強化前の0.2%耐力が
20MPa以上、破断伸びが1%以上の金属材が用いら
れる。
【0011】これは加工時の0.2%耐力が20MPa
未満では余りにも機械的強さが小さすぎて加工が難しい
ためであり、破断伸びが1%未満の場合、断線等が多く
なり塑性加工が困難なためである。
未満では余りにも機械的強さが小さすぎて加工が難しい
ためであり、破断伸びが1%未満の場合、断線等が多く
なり塑性加工が困難なためである。
【0012】そのような銀基合金を得るためにAgに添
加し得る元素としては前記したMg、Ni、Sn、Zr
の外にCd、Mn、Ti、Hfを用いることができる。
加し得る元素としては前記したMg、Ni、Sn、Zr
の外にCd、Mn、Ti、Hfを用いることができる。
【0013】これらの元素は内部酸化あるいは粒子成長
を抑制する効果があるが、その少なくとも1種の含有量
が0.01原子%未満であると、高強度化の効果がな
く、5原子%を越えると、酸化物超電導材との反応が著
しくなり、超電導特性を大きく劣化させるので、その含
有量は0.01〜5:原子%の範囲であることが望まし
い。 分散強化前のそのような銀基合金の引張り強さ、
0.2%耐力、伸び等の機械的性質は純銀と殆ど同等で
ある。従って、機械加工、押出し、引抜き、圧延あるい
は撚合せ等の加工は容易である。また、伸びは、分散強
化後の値より大きいため、1回当たりの加工度が大きく
とれ、総加工工程数を少なくすることが可能である。
を抑制する効果があるが、その少なくとも1種の含有量
が0.01原子%未満であると、高強度化の効果がな
く、5原子%を越えると、酸化物超電導材との反応が著
しくなり、超電導特性を大きく劣化させるので、その含
有量は0.01〜5:原子%の範囲であることが望まし
い。 分散強化前のそのような銀基合金の引張り強さ、
0.2%耐力、伸び等の機械的性質は純銀と殆ど同等で
ある。従って、機械加工、押出し、引抜き、圧延あるい
は撚合せ等の加工は容易である。また、伸びは、分散強
化後の値より大きいため、1回当たりの加工度が大きく
とれ、総加工工程数を少なくすることが可能である。
【0014】そして、加工された複合部材をある酸素雰
囲気中で熱処理することにより、超伝導体あるいはその
前駆体の超電導化と被覆材あるいは基材の分散強化とが
同時に行われ、0.2%耐力が50MPa以上の複合材
が得られることになる。
囲気中で熱処理することにより、超伝導体あるいはその
前駆体の超電導化と被覆材あるいは基材の分散強化とが
同時に行われ、0.2%耐力が50MPa以上の複合材
が得られることになる。
【0015】この場合の熱処理は、酸化物超電導体が超
伝導化される700〜950℃、酸素分圧が0.01〜
10atmの雰囲気が採用される。
伝導化される700〜950℃、酸素分圧が0.01〜
10atmの雰囲気が採用される。
【0016】被覆材あるいは基材としての金属材と酸化
物超電導体との複合部材の作製方法としては、パウダー
インチューブ法、ジェリーロール法、ディップコート
法、ドクターブレード法、溶射法、プラズマ溶射法、ス
クリーン印刷法、蒸着法、CVD法、スパッタリング
法、レーザーアブレーション法等のいずれでも差支えな
く、その構造としては一つの酸化物超電導材と一つの被
覆材あるいは基材との組合せに限定されず、複数材及び
その他の材料との組合せが採用できる。
物超電導体との複合部材の作製方法としては、パウダー
インチューブ法、ジェリーロール法、ディップコート
法、ドクターブレード法、溶射法、プラズマ溶射法、ス
クリーン印刷法、蒸着法、CVD法、スパッタリング
法、レーザーアブレーション法等のいずれでも差支えな
く、その構造としては一つの酸化物超電導材と一つの被
覆材あるいは基材との組合せに限定されず、複数材及び
その他の材料との組合せが採用できる。
【0017】また、酸化物超伝導体の種類としては、少
なくともBiを含む2212、2223相、少なくとも
Tlを含む2212、2223、1212、1201、
1223、1234相、ReBa2 Cu3 Oy 相(Re
=Y、La、Nd、Eu、Dy、Gd、Ho、Er、T
m、Yb、Lu)及びHg系等が挙げられる。
なくともBiを含む2212、2223相、少なくとも
Tlを含む2212、2223、1212、1201、
1223、1234相、ReBa2 Cu3 Oy 相(Re
=Y、La、Nd、Eu、Dy、Gd、Ho、Er、T
m、Yb、Lu)及びHg系等が挙げられる。
【0018】また、強化の機構としては、分散強化のう
ち、酸化物分散強化(内部酸化)、酸化物以外の金属間
化合物等の析出強化等特に限定されるものではない。
ち、酸化物分散強化(内部酸化)、酸化物以外の金属間
化合物等の析出強化等特に限定されるものではない。
【0019】なお、本発明における複合材は線材、導体
あるいはそれらを集合化、複合化した部材等をいい、そ
の応用例としてマグネット、コイル、ケーブル、ブスバ
ー、電流リード、磁気シールド、限流器、永久電流スイ
ッチ等があげられる。
あるいはそれらを集合化、複合化した部材等をいい、そ
の応用例としてマグネット、コイル、ケーブル、ブスバ
ー、電流リード、磁気シールド、限流器、永久電流スイ
ッチ等があげられる。
【0020】前記線材の形状としては丸線、平角線、テ
ープ線、単芯線、多芯線、直状線、スパイラル状線、撚
線等いずれであってもよい。
ープ線、単芯線、多芯線、直状線、スパイラル状線、撚
線等いずれであってもよい。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
【0022】(実施例1)組成としてBi2 Sr2 Ca
1 Cu2 Ox が得られるようにBi2 O3 、SrC
O3 、CaCO3 及びCuOの各粉末を混合し、これを
大気中で820℃−20時間熱処理した後、それを粉砕
してBi−2212相の前駆体粉末を得た。
1 Cu2 Ox が得られるようにBi2 O3 、SrC
O3 、CaCO3 及びCuOの各粉末を混合し、これを
大気中で820℃−20時間熱処理した後、それを粉砕
してBi−2212相の前駆体粉末を得た。
【0023】次にこの粉末を外径8mm、内径6mm、長さ
300mmの分散強化処理を施してないAg−1原子%M
g合金製のパイプ中にタッピング充填して複合ビレット
を形成した。この複合ビレットを1回当たりの断面減少
率を約20%として直径2.0mmになるまで引抜加工し
た。その後、圧延加工により厚さ0.16mm、幅4.3
mmのテープ状の複合線材とした。
300mmの分散強化処理を施してないAg−1原子%M
g合金製のパイプ中にタッピング充填して複合ビレット
を形成した。この複合ビレットを1回当たりの断面減少
率を約20%として直径2.0mmになるまで引抜加工し
た。その後、圧延加工により厚さ0.16mm、幅4.3
mmのテープ状の複合線材とした。
【0024】得られた複合線材の試料について室温で引
張試験を行った。そのときの0.2%耐力は92MP
a、破断時の伸びは18%であった。
張試験を行った。そのときの0.2%耐力は92MP
a、破断時の伸びは18%であった。
【0025】前述の複合線材を大気中で880℃−10
分保持後、5℃/時間の冷却速度で830℃まで徐冷
し、更に1時間保持して炉冷した。
分保持後、5℃/時間の冷却速度で830℃まで徐冷
し、更に1時間保持して炉冷した。
【0026】得られた複合線材の試料について、4.2
Kで直流四端子法により臨界電流密度(Jc)を測定し
た。また、室温で引張試験を行い0.2%耐力を求め
た。その結果、Jcは120000A/cm2 、0.2
%耐力は320MPaであった。また、当該試料を断面
研磨して顕微鏡観察した結果、微細なMgOがAg中に
分散析出していることが確認できた。
Kで直流四端子法により臨界電流密度(Jc)を測定し
た。また、室温で引張試験を行い0.2%耐力を求め
た。その結果、Jcは120000A/cm2 、0.2
%耐力は320MPaであった。また、当該試料を断面
研磨して顕微鏡観察した結果、微細なMgOがAg中に
分散析出していることが確認できた。
【0027】(比較例1)実施例1で用意したと同じA
g−1原子%Mg合金製のパイプを用意し、それに大気
中で745℃−4時間の分散強化処理を施した。
g−1原子%Mg合金製のパイプを用意し、それに大気
中で745℃−4時間の分散強化処理を施した。
【0028】このように強化処理したパイプの外に同一
寸法の純Ag製のパイプを用意し、両パイプにそれぞれ
実施例1と同様のBi−2212相の前駆体粉末をタッ
ピング充填してそれぞれ複合ビレットを形成した。この
複合ビレットについてそれぞれ実施例1と同様の引抜加
工を施した。その結果、予め強化処理を行ったAg−M
gパイプ材では直径5.72mmのところで一度断線し、
直径5.12mmでは断線が多発し、その後の伸線加工が
行えなかった。
寸法の純Ag製のパイプを用意し、両パイプにそれぞれ
実施例1と同様のBi−2212相の前駆体粉末をタッ
ピング充填してそれぞれ複合ビレットを形成した。この
複合ビレットについてそれぞれ実施例1と同様の引抜加
工を施した。その結果、予め強化処理を行ったAg−M
gパイプ材では直径5.72mmのところで一度断線し、
直径5.12mmでは断線が多発し、その後の伸線加工が
行えなかった。
【0029】一方、純Agパイプ材については、直径
2.0mmの伸線加工後、圧延により厚さ0.16mm、幅
4.3mmのテープ状に加工した。
2.0mmの伸線加工後、圧延により厚さ0.16mm、幅
4.3mmのテープ状に加工した。
【0030】得られた複合線材の試料について実施例1
と同様の熱処理を行い、更に同様にしてJcと0.2%
耐力を求めた。その結果、Jcは130000A/cm2
であったが、0.2%耐力は43MPaで強さが不足し
ていた。
と同様の熱処理を行い、更に同様にしてJcと0.2%
耐力を求めた。その結果、Jcは130000A/cm2
であったが、0.2%耐力は43MPaで強さが不足し
ていた。
【0031】(実施例2)Bi−2212相主相のBi
1.84Pb0.34Sr1.9 Ca2.2 Cu3.1 Ox 組成の原料
粉末を用意し、その粉末を冷間静水圧プレス法により直
径3.9mm、長さ200mmのロッド2本に成形した。
1.84Pb0.34Sr1.9 Ca2.2 Cu3.1 Ox 組成の原料
粉末を用意し、その粉末を冷間静水圧プレス法により直
径3.9mm、長さ200mmのロッド2本に成形した。
【0032】一方、Ag基合金パイプとして、Ag中に
0.12原子%のMgOと0.07原子%のNiOを分
散させた強化Ag−Mg−Ni合金からなる外径6mm、
内径5mm、長さ200mmのパイプと、MgとNiが酸化
されていない、すなわち真空中で溶解鋳造したAg−
0.12原子%Mg−0.07原子%Ni合金から作製
した同一寸法のパイプを用意した。
0.12原子%のMgOと0.07原子%のNiOを分
散させた強化Ag−Mg−Ni合金からなる外径6mm、
内径5mm、長さ200mmのパイプと、MgとNiが酸化
されていない、すなわち真空中で溶解鋳造したAg−
0.12原子%Mg−0.07原子%Ni合金から作製
した同一寸法のパイプを用意した。
【0033】次に、この2本のパイプにそれぞれ前記ロ
ッドを組み込んだ後、それぞれについて外径0.54mm
まで引抜加工した。得られた複合線材を所定の長さに切
断し、それを前記と同様のパイプに61芯組み込んで更
に外径1mmまで引抜加工し、撚ピッチ7mmで撚った。
ッドを組み込んだ後、それぞれについて外径0.54mm
まで引抜加工した。得られた複合線材を所定の長さに切
断し、それを前記と同様のパイプに61芯組み込んで更
に外径1mmまで引抜加工し、撚ピッチ7mmで撚った。
【0034】強化Ag−Mg−Ni合金を用いた材料は
途中で断線が多発してしまったが、強化されていないA
g−Mg−Ni合金を用いた材料は断線が生じなかっ
た。
途中で断線が多発してしまったが、強化されていないA
g−Mg−Ni合金を用いた材料は断線が生じなかっ
た。
【0035】そのため、後者を厚さ0.2mmまで圧延し
た後、Ar−7%O2 の雰囲気で825℃−100時間
の熱処理した。
た後、Ar−7%O2 の雰囲気で825℃−100時間
の熱処理した。
【0036】得られた複合線材の試料について、液体窒
素中で直流四端子法によりJcを測定すると共に、室温
で引張試験を行い0.2%耐力を求めた。その結果、J
Cは7800A/cm2 、0.2%耐力は110MPaで
あった。
素中で直流四端子法によりJcを測定すると共に、室温
で引張試験を行い0.2%耐力を求めた。その結果、J
Cは7800A/cm2 、0.2%耐力は110MPaで
あった。
【0037】また、最終的な試料の断面観察を行った結
果、MgとNiの酸化物がAg中に微細に分散している
ことが確認された。
果、MgとNiの酸化物がAg中に微細に分散している
ことが確認された。
【0038】<実施例3>TlO1.5 、PbO、Sr
O、BaO、CaO及びCuOを0.5:0.5:1.
6:0.4:2:3の割合で混合した粉末を、空気中で
820℃−10時間の焼成を2回繰返した後、粉砕して
仮焼粉末を用意した。また、この粉末を充填するパイプ
を次のようにして用意した。
O、BaO、CaO及びCuOを0.5:0.5:1.
6:0.4:2:3の割合で混合した粉末を、空気中で
820℃−10時間の焼成を2回繰返した後、粉砕して
仮焼粉末を用意した。また、この粉末を充填するパイプ
を次のようにして用意した。
【0039】まず、Arガス中で溶解・鋳造した後成形
加工したAg−1.2原子%Sn合金製のパイプ2本を
用意した。寸法は外径6mm、内径5mm、長さ300mmで
ある。このうち1本はArガス中で250℃−30分焼
なまし処理した。もう1本は大気中で745℃−1時間
分散強化処理を行った。更に、同一寸法の焼なました純
Agパイプを用意した。これらの焼なましAg−Snパ
イプ、分散強化Ag−Snパイプ、焼なまし純Agパイ
プを順にA、B、Cと称する。
加工したAg−1.2原子%Sn合金製のパイプ2本を
用意した。寸法は外径6mm、内径5mm、長さ300mmで
ある。このうち1本はArガス中で250℃−30分焼
なまし処理した。もう1本は大気中で745℃−1時間
分散強化処理を行った。更に、同一寸法の焼なました純
Agパイプを用意した。これらの焼なましAg−Snパ
イプ、分散強化Ag−Snパイプ、焼なまし純Agパイ
プを順にA、B、Cと称する。
【0040】これらの3本のパイプに別に用意した前述
の粉末をそれぞれ充填した後、1回当たりの断面減少率
を約20%として外径0.7mmまで引抜加工し、更に圧
延で厚さ0.15mmまで加工した。得られた各テープ状
材を空気中で845℃−50時間焼成した後、厚さ0.
12mmまで圧延し、更に空気中で845℃−50時間焼
成した。
の粉末をそれぞれ充填した後、1回当たりの断面減少率
を約20%として外径0.7mmまで引抜加工し、更に圧
延で厚さ0.15mmまで加工した。得られた各テープ状
材を空気中で845℃−50時間焼成した後、厚さ0.
12mmまで圧延し、更に空気中で845℃−50時間焼
成した。
【0041】得られた各試料について求めた77Kでの
Jc、室温での0.2%耐力、最終材料が得られるまで
の加工中の断線回数を表1に示した。
Jc、室温での0.2%耐力、最終材料が得られるまで
の加工中の断線回数を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば高強度酸化物超電導複合部材を容易に得ること
ができ、種々の用途に有用な複合部材を安価に提供でき
る利点がある。
によれば高強度酸化物超電導複合部材を容易に得ること
ができ、種々の用途に有用な複合部材を安価に提供でき
る利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/00 565 H01B 13/00 565D
Claims (13)
- 【請求項1】酸化物超電導体及び金属材からなる酸化物
超電導複合材であって、前記金属材が超電導化熱処理に
よって強化されていることを特徴とする酸化物超電導複
合材。 - 【請求項2】金属材が分散強化型の銀基合金である請求
項1に記載の酸化物超電導複合材。 - 【請求項3】銀基合金がCd、Hf、Mg、Mn、N
i、Sn、Ti、Zrのうちの少なくとも1種を0.0
1〜5原子%含有する銀基合金である請求項2に記載の
酸化物超伝導複合材。 - 【請求項4】主たる酸化物超電導体が少なくともBi、
Sr、Ca及びCuからなるBi系のものである請求項
1ないし請求項3のいずれか1に記載の酸化物超伝導複
合材。 - 【請求項5】主たる酸化物超電導体がBi−2212
相、Bi−2223相の少なくともいずれか一方である
請求項4に記載の酸化物超伝導複合材。 - 【請求項6】複合材がテープ状の線材である請求項5に
記載の酸化物超伝導複合材。 - 【請求項7】酸化物超電導体と金属材を複合化し、塑性
加工を行った後、超電導化熱処理を行う方法において、
前記金属材が分散強化処理が施されていない0.2%耐
力が20MPa以上、破断伸びが1%以上の分散強化型
の金属材であることを特徴とする酸化物超伝導複合材の
製造方法。 - 【請求項8】金属材が分散強化型の銀基合金であり、少
なくとも一度の超電導化熱処理以前には分散強化処理が
施されず、少なくとも一度の超電導化熱処理によって銀
合金が分散強化処理される請求項7に記載の方法。 - 【請求項9】分散強化型銀基合金が内部酸化型の銀基合
金であって、少なくとも一度の超電導化熱処理によって
銀合金が内部酸化強化処理される請求項8に記載の方
法。 - 【請求項10】銀基合金がCd、Hf、Mg、Mn、N
i、Sn、Ti、Zrのうちの少なくとも1種を0.0
1〜5原子%含有する銀基合金である請求項9に記載の
方法。 - 【請求項11】超伝導化熱処理が温度700〜950
℃、酸素分圧0.01〜10atmの雰囲気で行われる
請求項10に記載の方法。 - 【請求項12】銀基合金がAg−Mg合金、Ag−Mg
−Ni合金、Ag−Mg−Zr合金、Ag−Sn合金の
中の1種である請求項11に記載の方法。 - 【請求項13】複合化がパウダーインチューブ法である
請求項7ないし請求項12のいずれか1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7272590A JPH09115354A (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 酸化物超電導複合材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7272590A JPH09115354A (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 酸化物超電導複合材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09115354A true JPH09115354A (ja) | 1997-05-02 |
Family
ID=17516045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7272590A Pending JPH09115354A (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 酸化物超電導複合材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH09115354A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005050674A1 (ja) * | 2003-11-21 | 2005-06-02 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | 超電導線材、それを用いる超電導多芯線およびそれらの製造方法 |
-
1995
- 1995-10-20 JP JP7272590A patent/JPH09115354A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005050674A1 (ja) * | 2003-11-21 | 2005-06-02 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | 超電導線材、それを用いる超電導多芯線およびそれらの製造方法 |
EP1686594A1 (en) * | 2003-11-21 | 2006-08-02 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Superconductive wire material, superconductive multi-conductor wire using the same and method for producing the same |
JPWO2005050674A1 (ja) * | 2003-11-21 | 2007-12-06 | 住友電気工業株式会社 | 超電導線材、それを用いる超電導多芯線およびそれらの製造方法 |
EP1686594A4 (en) * | 2003-11-21 | 2010-11-24 | Sumitomo Electric Industries | SUPERCONDUCTING WIRE MATERIAL, MULTICONDUCTIVE SUPERCONDUCTING WIRE USING THE SAME, AND PROCESS FOR THE PRODUCTION THEREOF |
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