JPH09114479A - 音場再生装置 - Google Patents

音場再生装置

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Publication number
JPH09114479A
JPH09114479A JP7273880A JP27388095A JPH09114479A JP H09114479 A JPH09114479 A JP H09114479A JP 7273880 A JP7273880 A JP 7273880A JP 27388095 A JP27388095 A JP 27388095A JP H09114479 A JPH09114479 A JP H09114479A
Authority
JP
Japan
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sound
signal
voice
unit
sound field
Prior art date
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Pending
Application number
JP7273880A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Matsumoto
正治 松本
Tadashi Tamura
忠司 田村
Takashi Katayama
崇 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP7273880A priority Critical patent/JPH09114479A/ja
Publication of JPH09114479A publication Critical patent/JPH09114479A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】音声信号の明瞭性を損なわずに、しかもそれ以
外の背景音はより広い音場感を与えるということは出来
なかったという課題。 【解決手段】音声除去回路12において、入力されたス
テレオ2ch信号から音声信号が除去され、その出力信
号に対し反射音付加回路14において反射音が付加され
る。その出力信号は音場拡大回路15において音場が広
がるように処理される。音声抽出回路13は入力された
ステレオ2ch信号から音声信号を抽出する。加算回路
16は音場拡大回路15と音声抽出回路13の出力信号
を所定の音量で加算し、スピーカ9、10で外部に出力
する構成とする。 【効果】 音声信号の明瞭性を損なわずに、従来以上の
広がりのある音場再生が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばAV(オー
ディオ・ビジュアル)機器において、臨場感のある音響
再生を行うことが可能な、音場再生装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、映像・音響分野においてはVTR
の普及により映画を家庭で楽しむために大画面及び臨場
感のある音響再生が望まれ、また映画に限らず、音楽ソ
フトを楽しむためにも臨場感のある音響再生が望まれ、
これに対応するハードウェアの開発が必要となってい
る。
【0003】以下、従来の音場再生装置について図面を
参照しながら説明する。
【0004】図13は、従来の音場再生装置の構成を示
すハードウェアブロック図である。
【0005】図13において、1、2は信号を入力する
入力端子、3は入力信号に−1を掛ける乗算器、4は入
力信号を加算する加算器、5は入力信号を時間遅延させ
る遅延器、7、8は入力信号を加算する加算器、6は入
力信号に−1を掛ける乗算器、9、10は信号を外部に
音響再生するスピーカ、11はスピーカ9、10に対面
した受聴者で、ML(t)(tは連続的な時間を表し、ML(t)
が時間関数であることを表している。以下同様)はステ
レオ・オーディオ信号のLch信号、MR(t)はステレオ
・オーディオ信号のRch信号、τ3は遅延器5での遅
延時間である。
【0006】以上のように構成された従来の音場再生装
置について、その動作を図13を用いて説明する。
【0007】入力端子1から、ML(t)が入力され、入力
端子2から、MR(t)が入力され、その入力された信号は
それぞれ2つに分割され、MR(t)は加算器4と加算器8
に入力され、ML(t)は乗算器3と加算器4に入力され
る。乗算器3ではML(t)に−1が掛けられ、その結果で
ある−ML(t)が加算器4に入力される。加算器4ではMR
(t)と−ML(t)が加算され、その結果としてMR(t)-ML(t)
が出力され遅延器5に入力される。遅延器5ではMR(t)-
ML(t)を時間τ3だけ遅延させMR(tーτ3)-ML(t-τ3)を出
力する。遅延器5の出力信号は2つに分岐され一方の信
号は加算器8に入力され、他方は乗算器6に入力され
る。乗算器6ではMR(tーτ3)-ML(tーτ3)に−1が掛けら
れ、その結果である−(MR(tーτ3)-ML(tーτ3))が加算
器7に入力される。加算器8ではMR(t)とMR(tーτ3)-ML
(tーτ3)の加算が行われ、その結果であるMR(t)+MR(tー
τ3)-ML(tーτ3)がスピーカ10から出力される。加算器
7ではML(t)と−(MR(tーτ3)-ML(tーτ3))が加算され、
その結果であるML(t)−(MR(tーτ3)-ML(tーτ3))がスヒ
゜ーカ9から出力される。
【0008】このとき、2つのスピーカの一方からはMR
(tーτ3)-ML(tーτ3)、他方からは−(MR(tーτ3)-ML(tーτ
3))というお互い逆相であるような信号が入力信号にミ
ックスされて再生され、このことにより音像の定位が分
からないような音場が生成される(または、マイナスさ
れる信号がクロストーク成分を打ち消すことにより左右
信号が各スピーカより外側からなっているような感覚に
なる。)。そして、何も加工処理のされていない直接音
であるML(t)、MR(t)とのミックス・バランスを調整する
ことにより、広がり感や臨場感のある音場が生成され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、逆相音と直接音のミックス・バランス
により効果の大小の調整を行うことになり、逆相音が小
さいと効果が少なく、効果が分かるように逆相音を大き
くすると音声が不明瞭になるという課題があった。
【0010】本発明の目的は、以上のような従来の課題
を考慮し、音声信号も明瞭に再生でき、そして同時に広
がり感を受聴者に感じさせることが可能な音場再生装置
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の音場再生装置
は、入力された音信号から音声信号と非音声信号を得る
音声・非音声信号獲得手段と、前記音声・非音声信号獲
得手段により得られた非音声信号に対して、音場を広げ
るための所定の処理を施す音場処理手段と、前記音声・
非音声信号獲得手段により得られた音声信号に、前記音
場処理手段の出力信号を加算する加算手段と、前記加算
手段の出力信号を出力するための出力手段とを備えたも
のである。
【0012】この本発明によれば、音声信号も従来に比
べてより明瞭に再生でき、かつ臨場感のある自然な広が
りが再生出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
入力された音信号から音声信号と非音声信号を得る音声
・非音声信号獲得手段と、前記音声・非音声信号獲得手
段により得られた非音声信号に対して、音場を広げるた
めの所定の処理を施す音場処理手段と、前記音声・非音
声信号獲得手段により得られた音声信号に、前記音場処
理手段の出力信号を加算する加算手段と、前記加算手段
の出力信号を出力するための出力手段とを備えた音場再
生装置である。この発明では、音声・非音声信号獲得手
段が入力された音信号から音声信号と非音声信号を得、
音場処理手段が、前記音声・非音声信号獲得手段により
得られた非音声信号に対して、音場を広げるための所定
の処理を施し、加算手段が、前記音声・非音声信号獲得
手段により得られた音声信号に、前記音場処理手段の出
力信号を加算し、出力手段が、前記加算手段の出力信号
を出力する。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、前記音
場処理手段は、前記非音声信号に反射音及び/又は残響
音を付加し、出力する効果音付加手段と、その出力信号
を用いて、空間の任意の位置に音像を実質的に定位さ
せ、且つ音場を広げることが出来る音場拡大手段とを有
する請求項1に記載の音場再生装置である。この発明で
は、効果音付加手段が、前記非音声信号に反射音及び/
又は残響音を付加して出力し、音場拡大手段がその出力
信号を用いて、空間の任意の位置に音像を実質的に定位
させ、且つ音場を広げることが出来る。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、信号を
入力する入力手段と、前記信号から音声信号を除去する
音声除去手段と、前記音声除去手段の出力信号に反射音
及び/又は残響音を付加する効果音付加手段と、前記効
果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意の位置
に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げることが出
来る音場拡大手段と、前記信号から前記音声信号を抽出
する音声抽出手段と、前記音場拡大手段と前記音声抽出
手段の出力信号を所定の音量で加える加算手段と、前記
加算手段の出力信号を音として放射する2個以上のスピ
ーカ部とを備えた音場再生装置である。この発明では、
音声除去手段は入力手段に入力された信号から音声信号
を除去する。そして、効果音付加手段は音声除去手段の
出力信号が入力されると、この信号に反射音や残響音を
付加する。次に音場拡大手段は、効果音付加手段の出力
信号が入力されるとこの信号に左右或いは上下に広がっ
た感覚を受聴者に与える処理を行う。音声抽出手段は入
力手段に入力された信号から音声信号を抽出する。そし
て、加算手段は音場拡大手段と音声抽出手段の出力信号
を入力し、所定の音量でこれらの信号を加算する。そし
て、2個以上のスピーカにより加算手段の出力信号を受
聴者に音として放射する。
【0016】本発明の請求項4に記載の発明は、信号を
入力する入力手段と、前記信号から音声信号を除去する
音声除去手段と、前記音声除去手段の出力信号に反射音
及び/又は残響音を付加する効果音付加手段と、前記効
果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意の位置
に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げることが出
来る音場拡大手段と、前記信号から前記音声信号を抽出
する音声抽出手段と、前記音声除去手段と音声抽出手段
との出力信号の音量比を所定の時間間隔で計測する音声
量計測手段と、前記音場拡大手段と音声抽出手段との出
力信号を、前記音声量計測手段で計測された音量比を利
用して、加える加算手段と、前記加算手段の出力信号を
音として放射する2個以上のスピーカとを備えた音場再
生装置である。この発明では、音声除去手段は入力手段
に入力された信号から音声信号を除去する。そして、効
果音付加手段は音声除去手段の出力信号が入力される
と、この信号に反射音や残響音を付加する。次に音場拡
大手段は、効果音付加手段の出力信号が入力されるとこ
の信号に左右或いは上下に広がった感覚を受聴者に与え
る処理を行う。音声抽出手段は入力手段に入力された信
号から音声信号を抽出する。そして、音声量計測手段は
音声除去手段と音声抽出手段の出力信号を入力し、所定
の時間間隔でそれらの音量比を求める。加算手段は音場
拡大手段と音声抽出手段の出力信号を入力し、音声量計
測手段で求められた音量比に対応した音量でこれらの信
号を加算する。そして、2個以上のスピーカにより加算
手段の出力信号を受聴者に音として放射する。
【0017】本発明の請求項5に記載の発明は、信号を
入力する入力手段と、前記信号から音声信号を除去する
音声除去手段と、前記音声除去手段の出力信号に反射音
及び/又は残響音を付加する効果音付加手段と、前記効
果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意の位置
に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げることが出
来る音場拡大手段と、前記信号から前記音声信号を抽出
する音声抽出手段と、前記入力手段に入力された信号の
音量の時間的な変化量を所定の時間間隔で計測する変化
量計測手段と、前記音場拡大手段と前記音声抽出手段と
の出力信号を、前記変化量計測手段で計測された音量の
時間的な変化量を利用して、加える加算手段と、前記加
算手段の出力信号を音として放射する2個以上のスピー
カとを備えた音場再生装置である。この発明では、音声
除去手段は入力手段に入力された信号から音声信号を除
去する。そして、効果音付加手段は音声除去手段の出力
信号が入力されると、この信号に反射音や残響音を付加
する。次に音場拡大手段は、効果音付加手段の出力信号
が入力されるとこの信号に左右或いは上下に広がった感
覚を受聴者に与える処理を行う。音声抽出手段は入力手
段に入力された信号から音声信号を抽出する。そして、
変化量計測手段は入力手段に入力された信号を入力し、
所定の時間間隔でその信号の時間的な変化が激しいか、
緩やかかの変化量を求める。加算手段は音場拡大手段と
音声抽出手段の出力信号を入力し、変化量計測手段で求
められた変化量に対応した音量でこれらの信号を加算す
る。そして、2個以上のスピーカにより加算手段の出力
信号を受聴者に音として放射する。
【0018】本発明の請求項6に記載の発明は、信号を
入力する入力手段と、前記信号から音声信号を除去する
音声除去手段と、前記音声除去手段の出力信号に反射音
及び/又は残響音を付加する効果音付加手段と、前記効
果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意の位置
に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げることが出
来る音場拡大手段と、前記信号から前記音声信号を抽出
する音声抽出手段と、前記音声除去手段の出力信号の音
量の時間的な変化量を所定の時間間隔で計測する変化量
計測手段と、前記音場拡大手段と前記音声抽出手段との
出力信号を、前記変化量計測手段で計測された音量の時
間的な変化量を利用して、加える加算手段と、前記加算
手段の出力信号を音として放射する2個以上のスピーカ
とを備えた音場再生装置である。この発明では、音声除
去手段は入力手段に入力された信号から音声信号を除去
する。そして、効果音付加手段は音声除去手段の出力信
号が入力されると、この信号に反射音や残響音を付加す
る。次に音場拡大手段は、効果音付加手段の出力信号が
入力されるとこの信号に左右或いは上下に広がった感覚
を受聴者に与える処理を行う。音声抽出手段は入力手段
に入力された信号から音声信号を抽出する。そして、変
化量計測手段は音声除去手段の出力信号を入力し、所定
の時間間隔でその信号の時間的な変化が激しいか、緩や
かかの変化量を求める。加算手段は音場拡大手段と音声
抽出手段の出力信号を入力し、変化量計測手段で求めら
れた変化量に対応した音量でこれらの信号を加算する。
そして、2個以上のスピーカにより加算手段の出力信号
を受聴者に音として放射する。
【0019】本発明の請求項7に記載の発明は、信号を
入力する入力手段と、前記信号から音声信号を除去する
音声除去手段と、前記音声除去手段の出力信号に反射音
及び/又は残響音を付加する効果音付加手段と、前記効
果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意の位置
に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げることが出
来る音場拡大手段と、前記信号から前記音声信号を抽出
する音声抽出手段と、前記音声除去手段と前記音声抽出
手段との出力信号の音量比を所定の時間間隔で計測する
音声量計測手段と、前記入力手段に入力された信号の音
量の時間的な変化量を所定の時間間隔で計測する変化量
計測手段と、前記音場拡大手段と前記音声抽出手段との
出力信号を、前記音声量計測手段と前記変化量計測手段
で計測された量を利用して、加える加算手段と、前記加
算手段の出力信号を音として放射する2個以上のスピー
カとを備えた音場再生装置である。この発明では、音声
除去手段は入力手段に入力された信号から音声信号を除
去する。そして、効果音付加手段は音声除去手段の出力
信号が入力されると、この信号に反射音や残響音を付加
する。次に音場拡大手段は、効果音付加手段の出力信号
が入力されるとこの信号に左右或いは上下に広がった感
覚を受聴者に与える処理を行う。音声抽出手段は入力手
段に入力された信号から音声信号を抽出する。そして、
音声量計測手段は音声除去手段と音声抽出手段の出力信
号を入力し、所定の時間間隔でそれらの音量比を求め
る。また、変化量計測手段は入力手段に入力された信号
を入力し、所定の時間間隔でその信号の時間的な変化が
激しいか、緩やかかの変化量を求める。加算手段は音場
拡大手段と音声抽出手段の出力信号を入力し、音声量計
測手段により求められた音声量と変化量計測手段で求め
られた変化量に対応した音量でこれらの信号を加算す
る。そして、2個以上のスピーカにより加算手段の出力
信号を視聴者に音として放射する。
【0020】本発明の請求項8に記載の発明は、信号を
入力する入力手段と、前記信号から音声信号を除去する
音声除去手段と、前記音声除去手段の出力信号に反射音
及び/又は残響音を付加する効果音付加手段と、前記効
果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意の位置
に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げることが出
来る音場拡大手段と、前記信号から前記音声信号を抽出
する音声抽出手段と、前記音声除去手段と前記音声抽出
手段との出力信号の音量比を所定の時間間隔で計測する
音声量計測手段と、前記音声除去手段の出力信号の音量
の時間的な変化量を所定の時間間隔で計測する変化量計
測手段と、前記音場拡大手段と前記音声抽出手段との出
力信号を、前記音声量計測手段と前記変化量計測手段で
計測された量を利用して、加える加算手段と、前記加算
手段の出力信号を音として放射する2個以上のスピーカ
とを備えた音場再生装置である。この発明では、音声除
去手段は入力手段に入力された信号から音声信号を除去
する。そして、効果音付加手段は音声除去手段の出力信
号が入力されると、この信号に反射音や残響音を付加す
る。次に音場拡大手段は、効果音付加手段の出力信号が
入力されるとこの信号に左右或いは上下に広がった感覚
を受聴者に与える処理を行う。音声抽出手段は入力手段
に入力された信号から音声信号を抽出する。そして、音
声量計測手段は音声除去手段と音声抽出手段の出力信号
を入力し、所定の時間間隔でそれらの音量比を求める。
また、変化量計測手段は音声除去手段の出力信号を入力
し、所定の時間間隔でその信号の時間的な変化が激しい
か、緩やかかの変化量を求める。加算手段は音場拡大手
段と音声抽出手段の出力信号を入力し、音声量計測手段
により求められた音声量と変化量計測手段で求められた
変化量に対応した音量でこれらの信号を加算する。そし
て、2個以上のスピーカにより加算手段の出力信号を視
聴者に音として放射する。
【0021】本発明の請求項9に記載の発明は、前記加
算手段は、前記音声抽出手段の出力信号を所定の時間だ
け遅延させて加算する請求項3から請求項8の何れか一
に記載の音場再生装置である。
【0022】本発明の請求項10に記載の発明は、前記
加算手段において、前記音声抽出手段の出力信号として
加算される信号はモノラルである請求項3から請求項8
の何れか一に記載の音場再生装置である。
【0023】以下、本発明の実施の形態について、図を
用いて説明する。
【0024】図1は本発明にかかる実施の一形態である
音場再生装置の構成を示すブロック図である。同図を参
照しながら、本実施の一形態の構成を第1の例として説
明する。
【0025】尚、従来例と同一機能を有する部分は同一
の符号をつけて詳細な説明を省略する。
【0026】図1において、入力端子1に入力されたL
chの信号ML(t)と、入力端子2に入力されたRchの
信号MR(t)はそれぞれ2つに分岐され、一方の信号は音
声除去回路12に与えられ、他方の信号は音声抽出回路
13に入力される。本発明の音声・非音声信号獲得手段
は、音声除去回路12と音声抽出回路13を含むもので
ある。
【0027】音声除去回路12は入力された2つの信号
の差を求める減算器12−1で構成されており、その出
力は入力信号に反射音を付加する反射音付加回路14に
与えられる。反射音付加回路14の出力信号は音場拡大
回路15に入力される。音場拡大回路15は、FIRフ
ィルタ15−1、15−2、15−3、15−4と、入
力信号を加算する加算器15−5、15−6で構成され
ている。ここで、本発明の音場処理手段は、反射音付加
回路14と音場拡大回路15を含む手段である。
【0028】音声抽出回路13は入力された2つの信号
を加算する加算器13−1で構成されており、これの出
力信号は2つに分岐されて加算回路16に入力される。
また、音場拡大回路の2つの出力信号も加算回路16に
入力される。加算回路16は、所定の割合で入力された
信号を加算するために、乗算器16−1、16−2、1
6−3、16−4と、加算器33−1、33−2で構成
されている。
【0029】加算回路16の2つの出力信号は、それぞ
れスピーカ9、10により受聴者11に放射される。
【0030】FIRフィルタ15−3、15−4はFI
Rフィルタリングにより受聴者11の右側方又は右後方
に音像が定位するようなインパルス応答を有するFIR
フィルタで、FIRフィルタ15−1、15−2は畳み
込み演算により受聴者11の左側方又は左後方に音像が
定位するようなインパルス応答を有するFIRフィルタ
である。
【0031】即ち、FIRフィルタ15−4はインパル
ス応答hRR(t)を有し、FIRフィルタ15ー3はインハ゜ル
ス応答hRL(t)を有し、FIRフィルタ15ー2はインパ
ルス応答hLR(t)を有し、FIRフィルタ15−1はイン
パルス応答hLL(t)を有している。
【0032】尚、図では示していないがスピーカ9、1
0に出力される信号は信号の電力を増幅する電力増幅器
が介されてスピーカ9、10に出力される。
【0033】このように構成された第1の例における音
場再生装置の動作について説明する。
【0034】まず、入力端子1、2から音声や音楽等の
音響信号が入力され、それぞれ2つに分岐されて一方の
信号は音声除去回路12に入力され、他方の信号は音声
抽出回路13に入力される。音声除去回路12では入力
された信号の差を減算器12−1で求め、反射音付加回
路14に入力される。
【0035】音声除去回路12で求められる差信号は、
例えば入力信号が歌手を伴う音楽信号のとき、中央に定
位する歌手の音声信号は相殺され、録音又は放送時に挿
入されるLchとRchの残響成分等となる。このた
め、ステレオ2ch信号から音声信号を除去することが
できる。また逆に、音声抽出回路13では入力された信
号の和を加算器13−1で求めるため、音声が強調され
る。
【0036】図2(a)(b)は反射音付加回路14で
付加される反射音系列を模式的に示しており、横軸は時
間で縦軸は振幅を示している。たとえば図2(a)がR
ch側に出力するために付加される反射音系列、図2
(b)がLch側に出力するために付加される反射音系
列である。これらの反射音は実際のホールにおける測定
や、音線法等を利用したシミュレーションにより求めら
れる。
【0037】図3(a)(b)は、この反射音を実際に
付加する反射音付加回路14を説明する図である。図3
(a)において、17は入力端子、18はτi(iはサ
フィックス、以下同様)で示された時間だけ遅延させる
遅延器、19はX(i)で示されるタップ係数と呼ぶ値と
各遅延器から出力される信号の乗算を行う乗算器(タッ
プと呼ぶ)、20は各タップから出力される信号の総和
をとる加算器、21は出力端子である。この表示はディ
ジタル信号を使用する場合の表記を行っており、アナロ
グ信号を扱う場合は、この反射音付加回路14に入力さ
れる前に、A/Dコンバータによるディジタル信号への
変換が必要である(この実施の一形態において、アナロ
グからディジタルへの変換が必要な部分においても、こ
のA/Dコンバータは省略して示している、以下同
様)。このように反射音付加回路14は、FIRフィル
タで構成されており、遅延器18とタップ19により構
成され、図3(a)の場合、図3(b)に示すような反
射音系列が得られる。逆に、図2(a)(b)のような
反射音を設定したい場合は、それぞれの振幅X(i)と遅
延時間τiを図3(a)のタップと遅延器に設定すれば
良い。これは、実際にはDRAM(ダイナッミック・ラ
ンダム・アクセス・メモリ)とDSP(ディジタル・シ
グナル・プロセッサ)等により構成される。
【0038】本実施例のように、反射音付加回路14へ
の入力が1個で、出力信号をステレオ化(2個の信号
に)する場合は、図3(a)で示した回路(FIRフィ
ルタ)を2個使用し、これに設定するタップ係数は異な
る値のものを設定する。
【0039】反射音付加回路14で反射音が付加された
2つの信号は音場拡大回路15に入力される。
【0040】音場拡大回路15では、R側に出力される
信号は、FIRフィルタ15−3、15−4に入力さ
れ、L側に出力される信号はFIRフィルタ15−1、
15−2に入力される。FIRフィルタ15−1、15
−2では入力された信号がスピーカ9よりも左側方又は
受聴者の左後方に音像が定位するよう畳み込み演算が行
われる。
【0041】ここで、音像を任意の方向に仮想的に定位
させる方法について、図4を用いて説明する。図4は左
チャンネルのスピーカ9と右チャンネルのスピーカ10
を用いて受聴者11の左側方に設けられたスピーカ25
から信号が再生された場合と同等な音像定位を仮想的に
生成する原理図である。本図において、スピーカ9、1
0が受聴者11の左右前方に配置されている。そして、
入力信号S(t)22がFIRフィルタ23、24に入力さ
れる。FIRフィルタ23、24は、入力信号をそれぞ
れタップ係数として設定されているインパルス応答hLR
(t)、hLL(t)で畳み込み演算を実行する。図で示すh1(t)
はスピーカ9と受聴者11の左耳の位置(正確には鼓膜
の位置であり、測定を行う場合は耳道入口の位置とす
る)におけるインパルス応答である。同様に、h2(t)は
スピーカ9と受聴者11の右耳の位置におけるインパル
ス応答、h3(t)はスピーカ10と受聴者11の左耳の位
置におけるインパルス応答、h4(t)はスピーカ10と受
聴者11の右耳の位置におけるインパルス応答、h5(t)
はスピーカ25と受聴者11の左耳の位置におけるイン
パルス応答、h6(t)はスピーカ25と受聴者11の右耳
の位置におけるインパルス応答である。
【0042】このような構成において、信号S(t)をスヒ゜ー
カ25から出力した場合、受聴者11の耳に達する音は
以下のようになる。
【0043】即ち、左耳における音圧L(t)は(1)式で
表される。
【0044】L(t) = S(t)*h5(t) ・・・(1) 右耳における音圧R(t)は(2)式で表される。
【0045】R(t) = S(t)*h6(t) ・・・(2) 但し、*は畳込み演算を表している。
【0046】また、実際は、スピ−カ自身の伝達関数な
どが掛け合わされることとなるが、これは無視すること
とする、またスピ−カ等の伝達関数が含まれていると考
えても良い。
【0047】また、(1)、(2)式の音圧、インパル
ス応答及び信号S(t)を時間が離散的なディジタル信号と
して考え、それぞれ(3)、(4)、(5)、(6)、
(7)式のように変換する。
【0048】 L(t) → L(n) ・・・(3) R(t) → R(n) ・・・(4) h5(t) → h5(n) ・・・(5) h6(t) → h6(n) ・・・(6) S(t) → S(n) ・・・(7) この場合、(1)、(2)式は次の(数1)、(数2)
のようになる。
【0049】
【数1】
【0050】
【数2】
【0051】ここで、自然数nは実際はnTで表記すべ
きであり、Tはサンプリング時間を表すが一般的にTを
省略して(8)、(9)式のように表記する。
【0052】また、同様に信号S(t)がスピ−カ9、10
から放射されて、受聴者11に到達する音について次の
(10)、(11)式が成立する。即ち左耳の音圧は、
次の(10)式となる。
【0053】 L'(n)=S(n)*hLL(n)*h1(n) +S(n)*hLR(n)*h3(n) ・・・(10) 右耳の音圧は、次の(11)式となる。
【0054】 R'(n)=S(n)*hLL(n)*h2(n) +S(n)*hLR(n)*h4(n) ・・・(11) 頭部伝達関数が等しければ音が同方向から聞こえるとい
うことを前提にする(この前提は一般的に正しい)と、
次の(12)〜(15)式が成立する。
【0055】 L(n) =L'(n) ・・・(12) h5(n) =hLL(n)*h1(n) +hLR(n)*h3(n) ・・・(13) R(n) =R'(n) ・・・(14) h6(n) =hLL(n)*h2(n) +hLR(n)*h4(n) ・・・(15) 従って(13)、(15)式が成立するように、インハ゜ルス
応答hLL(n),hLR(n)を決定すれば良い。
【0056】例えば、インパルス応答h1(t)〜h6(t)、hL
L(t)〜hLR(t)を周波数領域の表現で書き直すと、次の
(16)〜(23)のようになる。
【0057】 H1(n)=FFT(h1(n)) ・・・(16) H2(n)=FFT(h2(n)) ・・・(17) H3(n)=FFT(h3(n)) ・・・(18) H4(n)=FFT(h4(n)) ・・・(19) H5(n)=FFT(h5(n)) ・・・(20) H6(n)=FFT(h6(n)) ・・・(21) HLL(n)=FFT(hLL(n)) ・・・(22) HLR(n)=FFT(hLR(n)) ・・・(23) 但し、FFT()はフーリエ変換(FFT)された関数を表
す。
【0058】次に(13)、(15)式を周波数領域の
表現で書き直すと、次に示す(24)(25)式のよう
に畳込み演算が乗算に変わり、後はそれぞれのインパル
ス応答をフーリエ変換した伝達関数になる。
【0059】 H5(n) = HLL(n)・ H1(n) + HLR(n)・ H3(n) ・・・(24) H6(n) = HLL(n)・ H2(n) + HLR(n)・ H4(n) ・・・(25) (24)、(25)式において、伝達関数HLL(n)、HLR
(n)の値以外は測定により得られることから、次に示す
(26)、(27)式のように伝達関数HLL(n)、HLR(n)
を求めることができる。
【0060】
【数3】
【0061】
【数4】
【0062】このようにして決定されたHLL(n)、HLR(n)
を逆フーリエ変換(IFFT)したhLL(n),hLR(n)を用い、
信号S(n)をFIRフィルタ23、24に与え、スピ−カ
9から出力される信号にはhLL(n) と、スピ−カ10か
ら出力される信号にはhLR(n)を畳み込み、その信号を放
射することにより受聴者11は実際に左側方のスピ−カ
25を鳴らさなくても、その方向から音が鳴っていると
感じることができる。図4では、スピーカ25の方向を
左側方としたが、このスピーカの位置はこれに限らず右
側方でも同様の考え方で実現できる。
【0063】従って、以上のような方法を用いることに
より、音像を任意の方向(上下も同様)に仮想的に定位
させることができ通常のスピーカ再生時よりも再生され
る音場を広げることが可能となる。
【0064】畳込み演算を行うFIRフィルタの基本的
な構成を図5に示す。本図において、26は信号を入力
する入力端子、27は信号をτだけ遅延させる遅延素
子、28はh(n)で示されるタップ係数と呼ぶ値と入力
信号の乗算を行う乗算器、29は入力信号を加算する加
算器、30は信号を出力する出力端子である。通常この
ようなFIRフィルタは乗加算を高速に行うDSP(Di
gital Signal processor)や専用LSIが用いられる。
【0065】乗算器28には図5のようにインパルス応
答h(n)(n:0〜N-1、Nは必要とするインパルス応答の長
さ)がタップ係数として設定される。又、遅延素子27
にはアナログ信号をディジタル信号に変換する際のサン
プリング周波数に対応する遅延時間が設定される。そし
て入力端子26に入力される信号に対してそれぞれ乗加
算と遅延を繰り返すことにより(8)、(9)式で示し
たような畳込み演算を実行する。これは、信号処理はデ
ィジタル信号の場合で行われるので、実際はこのFIR
フィルタの前にアナログ信号をディジタル信号に変換す
るA/Dコンバ−タ及び後ろにディジタル信号をアナロ
グ信号に変換するD/Aコンバ−タが必要であるが図で
は省略している(以下同様)。
【0066】以上のようにして、FIRフィルタ15−
1、15−2により音像を左側方又は左後方に仮想的に
スピーカを作成し、音場を拡大する。
【0067】同様にして、FIRフィルタ15−3、1
5−4では入力された信号が右側方又は右後方に音像が
定位するよう畳み込み演算が行われる。
【0068】FIRフィルタ15−1とFIRフィルタ
15−3の出力信号は加算器15−5、FIRフィルタ
15−2とFIRフィルタ15−4の出力信号は加算器
15−6に入力され加算される。
【0069】音声抽出回路13と音場拡大回路15の出
力信号は加算回路16に入力されて所定の割合で加算さ
れる。加算回路16はそれぞれ入力された信号を乗算器
16−1、16−2、16−3、16−4及び加算器3
3−1、33−2を介して加算する。
【0070】そして、加算回路16の2つの出力信号は
スピーカ9、10より音響再生される。なお、反射音付
加回路14は、FIRフィルタの構成で示したが、この
構成のみでなく例えばオールパスフィルタを用いた残響
付加回路をこれに加えた構成にすることにより、より自
然な効果音を生成することが可能である(以下、同
様)。
【0071】次に、本発明にかかる実施の一形態の第2
の例としての音場再生装置について図6を参照しつつ説
明する。図6は第2の例における音場再生装置の構成を
示すブロック図である。第1の例と同一機能を有する部
分は同一の符号をつけて説明は省略する。図6におい
て、入力端子1、2に入力された信号ML(t)、MR(t)は音
声抽出回路13−2において音声信号が抽出される。こ
の音声抽出回路13−2は入力された2つの信号を加算
する加算器13−1と、信号の音声帯域(たとえば10
0Hz〜3kHz)のみを通過させる帯域通過フィルタ
(BPF)13−3と、帯域通過フィルタの出力信号に
所定の係数を掛ける乗算器13−5と、入力端子1、2
に入力された信号にそれぞれに所定の係数を掛ける乗算
器13−6、13−4と、乗算器13−5と乗算器13
−6、13−7の出力信号を加算する加算器13−8、
13−7により構成されている。
【0072】このように構成された第2の例における音
場再生装置の動作について第1の例と異なる音声抽出回
路13−2のみを説明する。
【0073】音声抽出回路13−2は入力端子1、2に
入力された信号を入力し、これらの信号を加算器13−
1により加算する。加算器13−1の出力信号は帯域通
過フィルタ13−3に入力され、音声帯域の信号のみが
抽出される。そして、帯域通過フィルタ13−3の出力
信号は乗算器13−5により、所定の音量に調整され、
2つの信号に分岐される。また、入力された2つの信号
は、それぞれ乗算器13−4、13−6により所定の音
量に調整され、加算器13−7、13−8により乗算器
13−5の出力信号と加算される。加算器13−7、1
3−8の出力信号は加算回路16に入力され、加算回路
16において所定の音量で、音場拡大回路15の出力信
号と加算される。
【0074】尚、以後の動作は第1の例と同様である。
【0075】次に、本発明にかかる実施の一形態の第3
の例としての音場再生装置について図7を参照しつつ説
明する。図7は第3の例における音場再生装置の構成を
示すブロック図である。第1の例と同一機能を有する部
分は同一の符号をつけて説明は省略する。
【0076】図7において、遅延回路34は音声抽出回
路13の出力信号を入力し、所定の時間だけ遅延させる
回路である。このように構成された第3の例における音
場再生装置の動作について第1実施例と異なる部分のみ
を説明する。
【0077】音声抽出回路13の出力信号は、遅延回路
34に入力され所定の時間だけ遅延される。これによ
り、音場拡大回路16からの出力信号との生じる時間差
を調整する。
【0078】尚、以後の動作は第1の例と同様である。
【0079】次に、本発明にかかる実施の一形態の第4
の例における音場再生装置について図面を参照しながら
説明する。図8は第4の例における音場再生装置の構成
を示すブロック図である。尚、第1の例と同一機能を有
する部分は同一の符号をつけて詳細な説明を省略する。
【0080】図8において、音声除去回路12の出力信
号と音声抽出回路13の出力信号は音声量計測回路31
に入力され、音声量計測回路31の出力信号は加算回路
16ー5に入力される。このように構成された第4の例
における音場再生装置の動作について第1の例と異なる
部分のみを説明する。
【0081】音声量計測回路31は音声除去回路12と
音声抽出回路13の出力信号を入力し、式(28)に示
すように、それらの信号の所定の時間間隔での積分値の
比(音量比)を計測する。この計測は継続的に実行され
る。
【0082】音量比=∫音声除去回路の出力dt/∫音
声抽出回路の出力dt ・・・(28)そして、この音量比
を加算回路16−5に出力する。加算回路16−5は入
力された音量比に対応して、乗算器16−6、16−
7、16−8、16−9の値を変化させて入力される音
場拡大回路15と音声抽出回路13の出力信号を加算す
る。例えば、音量比が大きい場合(音声除去回路12の
出力信号が音声抽出回路13の出力信号より大きい場
合)は、乗算器16−7、16−9の係数を大きく、乗
算器16−6、16−8の係数は小さくする。このよう
にすることにより効果のメリハリをつけることが可能と
なる。音量比が小さくなる場合は、この逆を行う。
【0083】なお、この音量比による加算回路16−5
における乗算器16−6、16−7、16−8、16−
9の係数の調整は効果の目的により変更して良い。つま
り、音量比が大きい場合に乗算器16−7、16−9の
係数を小さく、乗算器16−6、16−8の係数は大き
くするなども考えられる。
【0084】尚、以後の動作は第1の例と同様である。
【0085】次に、本発明にかかる実施の一形態の第5
の例としての音場再生装置について図面を参照しながら
説明する。図9は第5の例における音場再生装置の構成
を示すブロック図である。尚、第1の例と同一機能を有
する部分は同一の符号をつけて詳細な説明を省略する。
【0086】図9において、入力端子1、2に入力され
た信号が変化量計測回路32に入力される。この変化量
計測回路32は、入力された信号を加算する加算器32
−1と所定の時間内の信号の微分を行う微分器32−2
により構成される。このように構成された第5の例にお
ける音場再生装置の動作について、第1の例と異なる部
分のみを説明する。
【0087】変化量計測回路32は入力された信号を加
算器32−1で加算し、加算器32−1の出力信号を所
定の時間間隔で微分器32−2において微分する。そし
てこの処理を継続的に行い、加算回路16−5に微分結
果を出力する。加算回路16−5は入力される微分結果
に対応して加算器16−6、16−7、16−8、16
−9の係数値を変更して、それぞれの出力値を加算す
る。例えば、微分結果が大きい場合、乗算器16−7、
16−9の係数を小さくし、乗算器16−6、16−8
の係数を大きくする。このようにすることにより、効果
音付加回路14で付加された反射音の不自然感を減少す
ることが可能である。
【0088】なお、この微分結果による加算回路16−
5における乗算器16−6、16−7、16−8、16
−9の係数の調整は効果の目的により変更して良い。つ
まり、微分結果が大きい場合に乗算器16−7、16−
9の係数を小さく、乗算器16−6、16−8の係数は
調整しないなどの方法も考えられる。
【0089】次に、本発明にかかる実施の一形態の第6
の例としての音場再生装置について図面を参照しながら
説明する。図10は第6の例における音場再生装置の構
成を示すブロック図である。尚、第1、第4の例等と同
一機能を有する部分は同一の符号をつけて詳細な説明を
省略する。
【0090】音声量計測回路31と変化量計測回路32
の出力信号は加算回路16−5に入力される。加算回路
16−5はこれら2つの入力された値に対応して乗算器
16−6、16−7、16−8、16−9の係数値を変
更する。
【0091】なお、加算回路16−5における乗算器1
6−6、16−7、16−8、16−9の係数の調整は
効果の目的により変更して良い。
【0092】次に、本発明にかかる実施の一形態の第7
の例としての音場再生装置について図面を参照しながら
説明する。図11は第7の例における音場再生装置の構
成を示すブロック図である。尚、第1の例と同一機能を
有する部分は同一の符号をつけて詳細な説明を省略す
る。
【0093】図11において、音声除去回路12の出力
信号は変化量計測回路32−3に出力され、変化量計測
回路32−3の出力信号は加算回路16−5に出力され
る。
【0094】このように構成された第7の例における音
場再生装置の動作について第1の例と異なる部分のみを
説明する。
【0095】変化量計測回路32−3は入力された信号
を所定の時間間隔で微分する。そしてこの処理を継続的
に行い、加算回路16−5に微分結果を出力する。加算
回路16−5は入力される微分結果に対応して加算器1
6−6、16−7、16−8、16−9の係数値を変更
して、それぞれの出力値を加算する。例えば、微分結果
が大きい場合、乗算器16−7、16−9の係数を小さ
くし、乗算器16−6、16−8の係数を大きくする。
このようにすることにより、効果音付加回路14で付加
された反射音の不自然感を減少することが可能である。
【0096】なお、この微分結果による加算回路16−
5における乗算器16−6、16−7、16−8、16
−9の係数の調整は効果の目的により変更して良い。つ
まり、微分結果が大きい場合に乗算器16−7、16−
9の係数を小さく、乗算器16−6、16−8の係数は
調整しないなどの方法も考えられる。
【0097】次に、本発明にかかる実施の一形態の第8
の例としての音場再生装置について図面を参照しながら
説明する。図12は第8の例における音場再生装置の構
成を示すブロック図である。尚、第1、第7の例等と同
一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0098】音声量計測回路31と変化量計測回路32
−3の出力信号は加算回路16−5に入力される。加算
回路16−5はこれら2つの入力された値に対応して乗
算器16−6、16−7、16−8、16−9の係数値
を変更する。
【0099】なお、加算回路16−5における乗算器1
6−6、16−7、16−8、16−9の係数の調整は
効果の目的により変更して良い。
【0100】また、音声除去回路12は、ステレオ2c
h信号の差から音声を除去していたが、例えば音声帯域
(例えば100Hz〜3KHz)を通過させない帯域制
限フィルタを用いて構成しても良い。
【0101】上記のような音場再生装置によれば、音声
信号も明瞭に再生でき、しかも、簡単なシステム構成で
ありながら臨場感のある自然な広がりを再生出来る。
【0102】なお、以上の実施の形態の各例は実際はデ
ィスクリートなIC等やDSP(Digital signal proce
ssor)を使用して実現される。
【0103】又、本発明の音場処理手段は、上記実施の
形態では、反射音付加回路と音場拡大回路をともに含む
場合について説明したが、これに限らず例えば、何れか
一方の回路により構成されていてもよい。音場拡大回路
が無くても、音声信号を明瞭に再生でき、しかも臨場感
を得ることは出来る。
【0104】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、音声信号も従来に比べてより明瞭に再生でき、
かつ臨場感のある自然な広がりを再生出来るという長所
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の一形態の第1の例におけ
る音場再生装置のハードウエアブロック図である。
【図2】図2(a),(b)は本発明の第1の例におけ
る音場再生装置の反射音付加方法を説明する図であり、
図2(a)は、Rch側に出力するために付加される反
射音系列を、図2(b)は、Lch側に出力するために
付加される反射音系列を示す図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の例における音場
再生装置の反射音付加回路の構成を説明するブロック図
であり、図3(b)は、反射音系列を示す図である。
【図4】本発明の第1の例における音場再生装置のFI
Rフィルタの原理を説明するブロック図である。
【図5】本発明の第1の例における音場再生装置のFI
Rフィルタの構成を説明する図である。
【図6】本発明の第2の例における音場再生装置のハー
ドウエアブロック図である。
【図7】本発明の第3の例における音場再生装置のハー
ドウエアブロック図である。
【図8】本発明の第4の例における音場再生装置のハー
ドウエアブロック図である。
【図9】本発明の第5の例における音場再生装置のハー
ドウエアブロック図である。
【図10】本発明の第6の例における音場再生装置のハ
ードウエアブロック図である。
【図11】本発明の第7の例における音場再生装置のハ
ードウエアブロック図である。
【図12】本発明の第8の例における音場再生装置のハ
ードウエアブロック図である。
【図13】従来の音場再生装置のハードウエアブロック
図である。
【符号の説明】
1、2 入力端子 12 音声除去回路 12−1 減算器 13 音声抽出手段 13−1 加算器 14 反射音付加回路 15 音場拡大回路 15−1〜15−4 FIRフィルタ 15−5、15−6 加算器 16 加算回路 16−1〜16−4 乗算器 33−1、33−2 加算器 9、10 スピーカ 11 受聴者

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された音信号から音声信号と非音声
    信号を得る音声・非音声信号獲得手段と、 前記音声・非音声信号獲得手段により得られた非音声信
    号に対して、音場を広げるための所定の処理を施す音場
    処理手段と、 前記音声・非音声信号獲得手段により得られた音声信号
    に、前記音場処理手段の出力信号を加算する加算手段
    と、 前記加算手段の出力信号を出力するための出力手段と、
    を備えたことを特徴とする音場再生装置。
  2. 【請求項2】 前記音場処理手段は、 前記非音声信号に反射音及び/又は残響音を付加し、出
    力する効果音付加手段と、 その出力信号を用いて、空間の任意の位置に音像を実質
    的に定位させ、 且つ音場を広げることが出来る音場拡大手段と、を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の音場再生装置。
  3. 【請求項3】 信号を入力する入力手段と、 前記信号から音声信号を除去する音声除去手段と、 前記音声除去手段の出力信号に反射音及び/又は残響音
    を付加する効果音付加手段と、 前記効果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意
    の位置に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げるこ
    とが出来る音場拡大手段と、 前記信号から前記音声信号を抽出する音声抽出手段と、 前記音場拡大手段と前記音声抽出手段の出力信号を所定
    の音量で加える加算手段と、 前記加算手段の出力信号を音として放射する2個以上の
    スピーカ部と、を備えたことを特徴とする音場再生装
    置。
  4. 【請求項4】 信号を入力する入力手段と、 前記信号から音声信号を除去する音声除去手段と、 前記音声除去手段の出力信号に反射音及び/又は残響音
    を付加する効果音付加手段と、 前記効果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意
    の位置に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げるこ
    とが出来る音場拡大手段と、 前記信号から前記音声信号を抽出する音声抽出手段と、 前記音声除去手段と音声抽出手段との出力信号の音量比
    を所定の時間間隔で計測する音声量計測手段と、 前記音場拡大手段と音声抽出手段との出力信号を、前記
    音声量計測手段で計測された音量比を利用して、加える
    加算手段と、 前記加算手段の出力信号を音として放射する2個以上の
    スピーカと、を備えたことを特徴とする音場再生装置。
  5. 【請求項5】 信号を入力する入力手段と、 前記信号から音声信号を除去する音声除去手段と、 前記音声除去手段の出力信号に反射音及び/又は残響音
    を付加する効果音付加手段と、 前記効果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意
    の位置に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げるこ
    とが出来る音場拡大手段と、 前記信号から前記音声信号を抽出する音声抽出手段と、 前記入力手段に入力された信号の音量の時間的な変化量
    を所定の時間間隔で計測する変化量計測手段と、 前記音場拡大手段と前記音声抽出手段との出力信号を、
    前記変化量計測手段で計測された音量の時間的な変化量
    を利用して、加える加算手段と、 前記加算手段の出力信号を音として放射する2個以上の
    スピーカと、 を備えたことを特徴とする音場再生装置。
  6. 【請求項6】 信号を入力する入力手段と、 前記信号から音声信号を除去する音声除去手段と、 前記音声除去手段の出力信号に反射音及び/又は残響音
    を付加する効果音付加手段と、 前記効果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意
    の位置に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げるこ
    とが出来る音場拡大手段と、 前記信号から前記音声信号を抽出する音声抽出手段と、 前記音声除去手段の出力信号の音量の時間的な変化量を
    所定の時間間隔で計測する変化量計測手段と、 前記音場拡大手段と前記音声抽出手段との出力信号を、
    前記変化量計測手段で計測された音量の時間的な変化量
    を利用して、加える加算手段と、 前記加算手段の出力信号を音として放射する2個以上の
    スピーカと、を備えたことを特徴とする音場再生装置。
  7. 【請求項7】 信号を入力する入力手段と、 前記信号から音声信号を除去する音声除去手段と、 前記音声除去手段の出力信号に反射音及び/又は残響音
    を付加する効果音付加手段と、 前記効果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意
    の位置に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げるこ
    とが出来る音場拡大手段と、 前記信号から前記音声信号を抽出する音声抽出手段と、 前記音声除去手段と前記音声抽出手段との出力信号の音
    量比を所定の時間間隔で計測する音声量計測手段と、 前記入力手段に入力された信号の音量の時間的な変化量
    を所定の時間間隔で計測する変化量計測手段と、 前記音場拡大手段と前記音声抽出手段との出力信号を、
    前記音声量計測手段と前記変化量計測手段で計測された
    量を利用して、加える加算手段と、 前記加算手段の出力信号を音として放射する2個以上の
    スピーカと、を備えたことを特徴とする音場再生装置。
  8. 【請求項8】 信号を入力する入力手段と、 前記信号から音声信号を除去する音声除去手段と、 前記音声除去手段の出力信号に反射音及び/又は残響音
    を付加する効果音付加手段と、 前記効果音付加手段の出力信号を入力とし、空間の任意
    の位置に音像を実質的に定位させ、且つ音場を広げるこ
    とが出来る音場拡大手段と、 前記信号から前記音声信号を抽出する音声抽出手段と、 前記音声除去手段と前記音声抽出手段との出力信号の音
    量比を所定の時間間隔で計測する音声量計測手段と、 前記音声除去手段の出力信号の音量の時間的な変化量を
    所定の時間間隔で計測する変化量計測手段と、 前記音場拡大手段と前記音声抽出手段との出力信号を、
    前記音声量計測手段と前記変化量計測手段で計測された
    量を利用して、加える加算手段と、 前記加算手段の出力信号を音として放射する2個以上の
    スピーカと、を備えたことを特徴とする音場再生装置。
  9. 【請求項9】 前記加算手段は、前記音声抽出手段の出
    力信号を所定の時間だけ遅延させて加算することを特徴
    とする請求項3から請求項8の何れか一に記載の音場再
    生装置。
  10. 【請求項10】 前記加算手段において、前記音声抽出
    手段の出力信号として加算される信号はモノラルである
    ことを特徴とする請求項3から請求項8の何れか一に記
    載の音場再生装置。
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