JPH09114086A - 母型取り用感光性樹脂版材およびその製造方法 - Google Patents

母型取り用感光性樹脂版材およびその製造方法

Info

Publication number
JPH09114086A
JPH09114086A JP26684895A JP26684895A JPH09114086A JP H09114086 A JPH09114086 A JP H09114086A JP 26684895 A JP26684895 A JP 26684895A JP 26684895 A JP26684895 A JP 26684895A JP H09114086 A JPH09114086 A JP H09114086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive resin
layer
plate material
resin plate
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26684895A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Fukuma
義治 福間
Shigetora Kashio
重虎 樫尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP26684895A priority Critical patent/JPH09114086A/ja
Publication of JPH09114086A publication Critical patent/JPH09114086A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水現像性とレリ−フ断面形状に優れ且つ、強靭
なレリ−フを有し、母型取り用に適した版材を得るこ
と。 【解決手段】2層以上の感光性樹脂の貼り合わせによる
感光性樹脂層を有する母型取り用感光性樹脂版材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の利用分野】本発明は母型取り用に使用される
感光性樹脂版材に関するものである。さらに詳しくは感
光性樹脂層の硬度が高く、しかも高温処理によるレリ−
フクラックが発生せず母型取り用に適した感光性樹脂版
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面にパタ−ンを有するゴム版や熱可塑
性樹脂を製造するため、プラスチック版を母型として、
複版を製造し、それをゴム版や熱可塑性樹脂に写し取る
技術が従来から使用されている。
【0003】プラスチック母型には熱硬化性樹脂である
フェノ−ル系樹脂を加工した積層版を用いるのが普通で
ある。一般的には、母型は次の様な方法で作られる。文
字、線画などのパタ−ンを形成された母型取り材の表面
にシリコ−ンオイルなどを離型剤として塗布乾燥する。
150℃に保持した平圧機の加圧盤上にそのパタ−ンを
有する母型取り材を乗せ、予熱した後に、この母型取り
材の側方の両側に止金を設置し、その上に熱可塑性樹脂
であるフェノ−ル系樹脂をのせる。上圧盤と下圧盤とで
挟んで、通常30秒から90秒の間予熱し、徐々に加圧
して10から70kg/cm2 (9.8×102 から6
8.6×102 kpa)で約10分間保持する。その
後、平圧機を減圧し成型硬化したフェノ−ル系樹脂(以
下、この成型硬化したフェノ−ル系樹脂を母型と呼ぶ)
を取り出す。
【0004】母型はパタ−ンを有する母型取り材の型ど
おりに成型される必要があり、一方使用する母型取り材
は熱や圧力に耐えるものでなければならない。従って、
従来エッチングでパタ−ン形成された亜鉛や銅の金属版
が使用されていた。しかし、このような方法は複雑な製
版工程が必要であるために製造の時間、コスト等の面で
過大であるのが実態である。又、エッチング廃液による
公害を防止するコストも大きい。
【0005】これらの課題を解決する方法として、感光
性樹脂版材を母型取り材に使用する事が知られている。
支持体と感光性樹脂層とから成る感光性樹脂版材をパタ
−ン露光、現像した後、パタ−ンを有する感光性樹脂版
を得て、この感光性樹脂版とフェノ−ル系樹脂などの熱
硬化性樹脂とを熱圧着して母型を作成する。次に、母型
をゴムに高温、高圧でプレスし、絵柄をゴムに写し取
り、ゴム版を製造する事ができる。
【0006】通常、母型においてレリ−フの深さは0.
3mmから3mmの範囲にある。しかし印章用の母型の
場合は特に厚い物が好まれ2mmから3mmの感光性樹
脂版が要求される。又、前述のように、高温で加熱プレ
スされる工程をへる事からレリ−フが強靭な事、硬度の
高いもの、更に、印刷物の品質を高めるためレリ−フの
クラックが起こり難いもの、厚み精度が高いもの等が要
求される。厚み精度の低いものであればゴム版から得ら
れる印刷物の品質は極めて悪い物になる。
【0007】この様に、母型取り用感光性樹脂版材で
は、感光性樹脂層の厚みが大きい物が要求されるが、厚
みが大きいと、感光性樹脂層の支持体近くへの活性光線
の到達量は、感光性樹脂層全体が光吸収性を持っている
ことから、著しく小さくなる。そのため感光性樹脂層の
支持体近く、言い換えればレリ−フ底部の光硬化が不十
分となり、これが起因して高温に加熱し母型取りを行う
際に、レリ−フクラックや、レリ−フ欠けなどのトラブ
ルが発生する事が多かった。このトラブルを防止するた
め露光量を増大させると、感光性樹脂層表面付近の光の
散乱によって、本来なら未露光としたい部分が露光を受
け、レリ−フ間の埋まり等のトラブルを起こす。そのた
め支持体としてのポリエステルフィルム等の透明な支持
体を用いて、支持体側からの露光、いわゆるバック露光
が行われている。(例えば特公昭46−4252号公
報)バック露光を行うとレリ−フ底部の光硬化が十分で
露光量を増大させる必要がないので、レリ−フ間の埋ま
り等のトラブルを起こさない。しかし、これは金属を支
持体としている場合には使用できない。また、ポリエス
テルを支持体として使用した場合でも、この用途は10
0℃以上の高温に晒すので、支持体が歪むという問題を
起こす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の感光性樹脂版材
の持つ欠点を改良し、画像再現性が優れ、高温において
もレリ−フクラックが起こらない、強靭さを持ち、母型
取り回数が良好な感光性樹脂版材を提供する事にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記目的を
達成するため鋭意研究を重ねた結果、以下に述べる本発
明に到達した。即ち「支持体および感光性樹脂層を少な
くとも有する母型取り用感光性樹脂版材において、感光
性樹脂層が2層以上の貼り合わせによって得られたこと
を特徴とする母型取り用感光性樹脂版材。」、及び「支
持体及び感光性樹脂層を少なくとも有する母型取り用感
光性樹脂版材の製造方法において、2層以上の感光性樹
脂層の貼り合わせを行うことを特徴とする母型取り用感
光性樹脂版材の製造方法。」からなる。
【0010】
【発明の実施の態様】以下に、本発明の実施の態様につ
いて説明する。本発明において「重量」とは「質量」を
意味する。
【0011】本発明の感光性樹脂版は感光性樹脂層が2
層の貼り合わせから成り、支持体に近い層(以下下層と
いう)と、支持体から遠い層(以下上層という)とを貼
り合わせて得られる多層構造を有するものである。
【0012】又、上層と下層の感光性樹脂層を貼り合わ
せることにより感光性樹脂層の厚み精度を著しく向上さ
せる効果を与えるとともに露光、現像によって得られる
レリ−フ断面形状が良好になるという特徴も有する。
【0013】この様に多層構造を持っている本発明の感
光性樹脂層において、貼り合わせ前の上層と下層の厚み
は同一であっても良い。しかし下層の方が大きい場合が
貼り合わせるのに好都合であり、2層を接着させるのに
有利である。
【0014】本発明において、感光性樹脂層を光重合さ
せた後のパタ−ンを有する感光性樹脂版の硬さは重要で
ある。柔らかいものでは絵柄を精密に母型に転写出来な
い。そのため高温、高圧で母型に転写させる時、硬さが
重要であり光重合中に起こる架橋の量を多くする必要が
ある。即ち光重合生成物の架橋度の高い程、硬さを増
す。
【0015】本発明に用いられる感光性樹脂層として
は、各種の基体樹脂、光重合性成分および光重合開始剤
からなる組成物、もしくは前記組成物にさらに熱安定
剤、可塑剤等を配合された感光性樹脂組成物が通常用い
られる。基体樹脂としては、ポリアミド、部分鹸化ポリ
酢酸ビニル、天然ゴム、合成ゴム、シリコ−ンゴム、ポ
リウレタン等、感光性樹脂に通常使用されているものが
挙げられる。
【0016】光重合性成分としては、分子中にエチレン
性不飽和結合を有するもので、基体樹脂と相溶性の良好
なものが一般的に使われる。具体的には次のようなもの
が挙げられる。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、3−クロ
ロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト等、水
酸基を有するモノ(メタ)アクリレ−ト、エチレングリ
コ−ルなどの多価アルコ−ルと(メタ)アクリル酸の不
飽和カルボン酸の反応によって得られる多価(メタ)ア
クリレ−ト、エチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル
等の多価グリシジルエ−テルと(メタ)アクリル酸の不
飽和カルボン酸の反応によって合成されるところの水酸
基を有する多価(メタ)アクリレ−ト、グリシジルメタ
アクリレ−トの不飽和エポキシ化合物と(メタ)アクリ
ル酸の不飽和カルボン酸の反応によって合成されるとこ
ろの水酸基を有する多価(メタ)アクリレ−ト、(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリル
アミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチレンビスア
クリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドと多価アル
コ−ルの縮合反応によって得られる多価(メタ)アクリ
ルアミド等、アクリルアミド系の光重合性モノマ−があ
る。
【0017】光重合開始剤としては、光照射によって、
前記光重合成分を重合開始させるものであれば任意であ
り、ベンゾインアルキルエ−テル類、ベンゾフェノン
類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン
類、ジアセチル類、等がある。
【0018】熱安定剤としては、フェノ−ル類、ハイド
ロキノン類、カテコ−ル類などが挙げられる。又、基体
樹脂との相溶性を増すために可塑剤を含有することが必
要である。更に界面活性剤を添加する事も出来る。
【0019】これらの、感光性樹脂組成物を使用して本
発明の多層構造を有する版材を製造するには次の様な方
法がある。接着剤を予め塗布したスチ−ル、アルミニュ
−ム等の支持体上に感光性組成物溶液を流延し乾燥装置
で溶媒を除去する。得られた支持体に裏打ちされた感光
性樹脂版に別の方法で得られた感光性樹脂層を貼り合わ
せする事により所定の厚みの多層構造をもった感光性樹
脂版材を製造する方法である。
【0020】別の方法としては、感光性樹脂組成物の溶
媒を含まないか、少量含有する状態で押し出す方法で成
形する方法を指す。又、カレンダリング法で感光性樹脂
層を作成し上層と下層を貼り合わせて一体化する方法も
ある。この2層を貼り合わせることにより著しく厚み精
度が向上し、レリ−フ断面形状が良好に成り、本発明の
効果が発揮される。特に1mm以上の感光性樹脂版材で
本発明の効果が著しい。 本発明の上層と下層の感光性
樹脂の組成は同一な物が好ましいが、必ずしも同一でな
くても良い。基体樹脂が共通であれば光重合成分や光重
合開始剤が異なっていても、層間に接着層などの接着化
処理を施さなくても一体化が容易である。基体樹脂が、
例えばポリアミド同志、部分鹸化ポリ酢酸ビニル同志、
同種類の合成ゴム同志であれば分子量や共重合比率など
が異なっても接着層なしで上層及び下層を一体化する事
が可能である。
【0021】本発明の感光性樹脂版材を用いてレリ−フ
像を形成するには上記の様にして作成した感光性樹脂版
上にネガティブ、又はポジティブの原図フィルムを密着
し、通常300〜400nmの波長を中心とする高圧水
銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン
灯、カ−ボンア−ク灯、ケミカル灯からの紫外線を照射
し、光重合によって不溶化を行わせる。次に、基体樹脂
として部分鹸化ポリ酢酸ビニルを使っている場合は未重
合部分を中性水使用のスプレ−式現像装置、又はブラシ
式現像装置で水中に溶出させる事によりレリ−フが支持
体上に形成される。ポリアミドの場合はアルコ−ルと水
の混合剤又は水、合成ゴムの場合は1,1,1−トリク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素を使用し、スプレ−
式、およびブラシ式現像装置でそれぞれの溶媒中で現像
されレリ−フが支持体上に形成される。この様にして得
られたパタ−ンを有する感光性樹脂版を温度150℃,
圧力40kg/cm2 (39.2×102 kpa)で熱
硬化性のフェノ−ル樹脂に絵柄を転写させ母型取りを行
う。更に、この母型から絵柄を同様な圧力、温度でゴム
版に写し取り、得られたゴム版を印刷に用いる。
【0022】
【実施例】
実施例1 重合度650,鹸化度75モル%の部分鹸化ポリ酢酸ビ
ニルに無水コハク酸1モル%(対ポリマ−)を反応させ
カルボキシル基を付加反応させた。得られた基体樹脂1
00%重量部をエタノ−ル/水=50/50(重量比)
の混合溶剤180重量部中に80℃で加温、溶解した。
その後、グリシジルメタクリレ−ト5重量部を添加して
十分攪拌してポリマ−への不飽和基導入反応を行なっ
た。次に、光重合性成分としてプロピレングリコ−ルジ
グリシジルエ−テル1モルとアクリル酸2モルの付加反
応によって得られた不飽和エポキシエステル化合物35
重量部と2−ヒドロキシブチルメタアクリレ−トとジエ
チレングリコ−ル10重量部、光重合開始剤としてジメ
チルベンジルケタ−ル3重量部、熱安定剤にハイドロキ
ノンモノメチルエ−テル0.1重量部を加えて十分に攪
拌混合し感光性樹脂溶液を作成した。この感光性樹脂溶
液を予めエポキシ系接着剤を塗布してある厚さ500μ
mの支持体としてのスチ−ル基板上に乾燥後の厚みが1
000μmとなる様に流延し、60℃の熱風オ−ブンに
5時間入れて溶媒を完全に除去して得られたものを下層
とした。
【0023】上層の感光性樹脂溶液も下層と同一な条件
で調整して、乾燥後の厚さ600μmと成るようにスリ
ットダイから押し出し成型し、60℃の熱風オ−ブンで
3時間乾燥した。得られた感光性樹脂層を上層として、
接着面にエヤ−が入り込むのを防ぐため、エチレングリ
コ−ルを薄く塗布して下層と貼り合せた。上層と下層を
貼り合せる事により得られた感光性樹脂版の表面にエタ
ノ−ル/水=50/50(重量比)の溶媒を薄く塗布し
た後、ケミカルエッジングでマット化された厚さ100
μmのポリエステルフィルムを圧着してカバ−フィルム
を装着した。
【0024】この様にして得られた全厚2100μmの
感光性樹脂版にテストネガフィルムを真空密着し(3
%、5%,10%、網点、直径200μm及び300μ
mの独立点、幅50μm及び70μmの細線あり。)超
高圧水銀灯で2分間露光した。次に25℃の中性水をい
れたブラシ式現像装置を用いて現像を行い未露光部分を
完全に溶出させた。得られたレリ−フを評価した結果、
17ステップまで残っており非常に高感度であることが
わかった。画線部は3%網点、200μm独立点、50
μm細線などの微細な部分まで再現し、又レリ−フ底部
の光硬化が十分で、レリ−フ断面形状が非常に良好なも
のを得た。このパタ−ンを有する感光性樹脂版を用いて
温度150℃、圧力40kg/cm2 (39.2×10
2 kpa)で熱硬化性フェノ−ル樹脂に絵柄を転写させ
母型を作成した。更に、この母型の絵柄を同様な圧力、
温度でゴム版に写しとり、このゴム版を用いて印刷テス
トを行なった。
【0025】パタ−ンを有する感光性樹脂版から熱硬化
性フェノ−ル樹脂に絵柄を転写させる母型取りにおい
て、感光性樹脂版から熱硬化性のフェノ−ル樹脂に絵柄
を何回、転写出来るかのテスト、即ち同じ物を使って何
回母型を作成する事が出来るかのテスト(以下母型取り
テストという)を行ったところ、高温でもレリ−フクラ
ックのトラブルが発生せず、母型取り回数が5回まで使
用でき、レリ−フが強靭なことがわかった。又、出来上
がった印刷物は非常に鮮明なものが得られた。
【0026】比較例1 実施例1と同一の法で感光性樹脂溶液を作成した。こ
の感光性樹脂溶液を用いて、エポキシ系接着剤を予め塗
布してある厚さ500μmの支持体としてのスチ−ル基
板上に乾燥後の厚さ1600μmに成る様に60℃のオ
−ブンで乾燥したところ、溶媒を完全に除去するために
9時間かかった。この感光性樹脂版に実施例1と同様に
カバ−フィルムを装着し、実施例1と同様に超高圧水銀
灯で2分間露光した。次に、25℃の中性水をいれたブ
ラシ式現像装置を用いて現像を行なった。得られたレリ
−フを評価した結果、50μm細線は問題ないが、3%
網点など微細な部分が再現していない。又、200μm
独立点の先端部、即ち、印刷の鮮明さに多大な影響を及
ぼす重要な部分が現像中に丸く削れて、レリ−フ断面形
状が悪いものとなった。このパタ−ンを有する感光性樹
脂版を用いて温度150℃、圧力40kg/cm2 (3
9.2×102 kPa)で熱硬化性フェノ−ル樹脂に絵
柄を転写させた。更に、この絵柄のある熱硬化性フェノ
−ル樹脂、即ち、母型から同様な圧力、温度でゴム版に
絵柄を写し取り、このゴム版で印刷テストを行なった。
【0027】パタ−ンを有する感光性樹脂版から熱硬化
性フェノ−ル樹脂に絵柄を転写させる母型取り工程にお
いて、母型取り材から感光性樹脂版を外した時、感光性
樹脂版にレリ−フクラックが認められた。即ち、母型取
りテストにおいて母型取り回数は1回であった。一方、
出来上がった印刷物はレリ−フ断面形状の悪さが原因し
不鮮明で品質の悪い物になった。
【0028】実施例2 重合度650、鹸化度80モル%の部分鹸化ポリ酢酸ビ
ニルをN、N′ジメチルホルムアミド中で110℃に加
温し、無水フタル酸1.5モル%(対ポリマ−)添加し
ポリマ側鎖にカルボキシル基を導入した。得られた基体
樹脂100重量部をエタノ−ル/水=60/40(重量
比)の混合溶媒200重量部と80℃に加温し溶解し
た。次に、グリシジルメタクリレ−ト3重量部とトリエ
タノ−ルアミン0.5重量部を溶液中に添加して1時間
反応させ、不飽和結合を部分鹸化ポリ酢酸ビニルの側鎖
に導入した。その後、光重合性成分として2−アクリロ
イルオキシエチル2−ヒドロキシエチルフタレート50
重量部とフェノキシポリエチレングリコ−ルアクリレ−
ト10重量部、光重合開始剤としてベンゾインメチルエ
−テル1.5重量部、熱安定剤としてハイドロキノン
0.01重量部を加えて十分に撹拌混合し、感光性樹脂
溶液を作成した。この感光性樹脂溶液を乾燥後の厚みが
550μmに成るようにスリットダイから押し出し成型
し、60℃オ−ブンで3時間乾燥し感光性樹脂層を作成
した。得られた感光性樹脂層を上層とした。 そして、
下層の感光性樹脂溶液は実施例1と同じ組成で、予めエ
ポキシ系接着剤を塗布した厚さ500μmの支持体とし
てのスチ−ル基板上に乾燥後の厚みが950μmに成る
ように流延し、60℃の熱風オ−ブンで5時間乾燥して
溶媒を完全に除去した。次に、上層と下層の感光性樹脂
層を貼り合せ、全体を2000μmにした。更に、上層
と下層を貼り合せる事により得られた感光樹脂版の表面
に実施例1と同じ様にカバ−フィルムを装着し感光性樹
脂版材とした。
【0029】得られた感光性樹脂版に実施例1と同じ方
法でテストネガフィルムを真空密着し、その後、超高圧
水銀灯で露光し、25℃の中性水を入れたブラシ式現像
装置を用いて現像を行ないパタ−ンを有する感光性樹脂
版を作成した。この感光性樹脂版のレリ−フを評価した
結果、グレイスケ−ル感度は16ステップまで残り、高
感度であり且つ、レリ−フ断面形状が極めて良好なこと
を確認した。即ち、200μm独立点の先端部は削られ
ていなく、レリ−フ底部の光硬化が十分なものが得られ
た。又、3%網点および50μm細線等、微細な部分ま
で再現していた。
【0030】次に、パタ−ンを有する感光性樹脂版を使
い熱硬化性のフェノ−ル樹脂に絵柄を転写させ実施例1
と同じ様に母型取りテストを行った。その結果、パタ−
ンを有する感光性樹脂版のレリ−フクラックが起こらず
母型取り回数が5回まででき、非常に良好な事がわかっ
た。又、母型から絵柄を実施例1と同じ方法でゴム版に
写し取り、このゴム版を用いて印刷テストをおこなっ
た。出来上がった印刷物は鮮明なものを得た。
【0031】比較例2 比較例1と同じ感光性樹脂溶液を使い、エポキシ系接着
剤を予め塗布した厚さ500μmの支持体としてのスチ
−ル基板上に、乾燥後の厚みが1500μmに成る様に
流延し、60℃熱風オ−ブンで乾燥したところ、溶媒を
完全に除去するために8.5時間かかった。得られた全
体が2000μmの感光性樹脂版に実施例1と同じ方法
でカバ−フィルムを装着し、露光、現像を行ない未露光
部分を完全に除去した。この感光性樹脂版のレリ−フを
評価した結果、50μm細線は再現している。しかし、
3%網点などの微細な部分が再現していなく、又200
μm独立点先端部、言い換えれば、印刷の鮮明さに大き
な影響を及ぼす部分が現像中に丸く削られ、レリ−フ断
面形状の悪い物が出来た。次に、このパタ−ンを有する
感光性樹脂版を使い温度150℃で母型取りテストを行
なったところ、レリ−フ欠けなどのトラブルは起こらな
かった。しかしながら、母型取り1回目でレリ−フクラ
ックが認められた。即ち、母型取り回数は1回であっ
た。又、出来上がった印刷物はレリ−フ断面形状に起因
する文字の不鮮明さにより印刷物の品質が低下している
事がわかった。
【0032】実施例3 重合度1000、鹸化度80モル%の部分鹸化ポリ酢酸
ビニルをN、N′ジメチルホルムアミド中で110℃に
加温しポリマ−表面を膨潤させた。この溶液に無水マレ
イン酸を反応させて変性ポリ酢酸ビニルの結晶粉末を得
た。この基体樹脂100重量部をエタノ−ル/水=35
/65(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で加
温溶解し、次に、グリシジルメタクリレ−トを1重量部
添加して80℃で1時間反応さた。その後、光重合性成
分としてポリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト30重
量部、グリシジルメタアクリレ−トとアクリル酸の付加
反応で得られる不飽和化合物40重量部添加し、相溶助
剤としてトリメチロ−ルプロパン10重量部、光開始剤
としてベンジルジメチルケタ−ル3重量部、熱安定剤と
してt−ブチルカテコ−ル0.1重量部を添加し十分に
撹拌混合した。この様にして作成した感光性樹脂溶液を
乾燥後の厚みが550μmに成るようにスリットダイか
ら押し出し成型し、60℃で3時間乾燥し感光性樹脂層
とした。得られた感光性樹脂層を上層とした。
【0033】そして、下層の感光性樹脂層は実施例1と
同じで、ポリエステル系接着剤を予め塗布した500μ
mの支持体としてのスチ−ル基板上に乾燥後の厚みが9
50μmに成るように流延し、60℃オ−ブンで5時間
乾燥して溶媒を完全に除去し作成した。その後、上層の
感光性樹脂層の接着面にエャ−が入り込むのを防ぐた
め、薄くエチレングリコ−ルを塗布し下層の感光性樹脂
層と貼り合わせ、全体を2000μmの厚みの感光性樹
脂版した。更に、この感光性樹脂版の表面に実施例1と
同様な方法でカバ−フィルムを装着し感光性樹脂版材と
した。次に、実施例1と同じ方法で露光、現像しパタ−
ンを有する感光性樹脂版を作成した。
【0034】得られた感光性樹脂版のレリ−フを評価し
た結果、16ステップまで残っており高感度であり、2
00μm独立点、50μm細線及び3%網点も問題なく
再現している事を確認した。又、レリ−フ断面形状も優
れている事がわかった。即ち、レリ−フ底部の光硬化が
十分であり、又レリ−フ先端部の削れが認められなかつ
た。次に、パタ−ンを有する感光性樹脂版を用いて、温
度150℃、圧力50kg/cm2 (49×102 kP
a)で母型取りテストを行った。その結果、パタ−ンを
有する同一の感光性樹脂版から5回まで、感光性樹脂版
のレリ−フクラックの問題を起こすことなく母型取りで
き、レリ−フが強靭なことがわかった。又、絵柄のある
熱硬化性フェノ−ル樹脂から、即ち母型から、温度15
0℃、圧力40kg/cm2 (39.2×102 kP
a)で絵柄をゴム版に写し取り、このゴム版を用いて印
刷テストを行なった。出来上がった印刷物は非常に鮮明
なものを得た。
【0035】
【発明の効果】本発明の構成をとることによって、レリ
ーフクラックの発生が防止され、母型取り回数が良好と
なる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体および感光性樹脂層を少なくとも
    有する母型取り用感光性樹脂版材において、感光性樹脂
    層が2層以上の貼り合わせによって得られることを特徴
    とする母型取り用感光性樹脂版材。
  2. 【請求項2】 感光層が部分鹸化ポリ酢酸ビニルおよび
    重合性不飽和化合物を有することを特徴とする請求項1
    記載の感光性樹脂版材。
  3. 【請求項3】 支持体が金属板であることを特徴とする
    請求項1記載の感光性樹脂版材。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の感光性樹脂版材をパタ−
    ン露光、現像操作の後、パタ−ンを有する感光性樹脂版
    を得た後、この感光性樹脂版を母型に圧着することを特
    徴とする母型の製造方法。
  5. 【請求項5】 支持体及び感光性樹脂層を少なくとも有
    する母型取り用感光性樹脂版材の製造方法において、2
    層以上の感光性樹脂層を貼り合わせによって感光性樹脂
    層となすことを特徴とする母型取り用感光性樹脂版材の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 支持体が金属板であることを特徴とする
    請求項5記載の母型取り用感光性樹脂版材の製造方法。
  7. 【請求項7】 感光性樹脂層が部分鹸化ポリ酢酸ビニル
    および重合性不飽和化合物を含有するものからなる母型
    取り用感光性樹脂版材の製造方法。
JP26684895A 1995-10-16 1995-10-16 母型取り用感光性樹脂版材およびその製造方法 Pending JPH09114086A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26684895A JPH09114086A (ja) 1995-10-16 1995-10-16 母型取り用感光性樹脂版材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26684895A JPH09114086A (ja) 1995-10-16 1995-10-16 母型取り用感光性樹脂版材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09114086A true JPH09114086A (ja) 1997-05-02

Family

ID=17436510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26684895A Pending JPH09114086A (ja) 1995-10-16 1995-10-16 母型取り用感光性樹脂版材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09114086A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000237674A (ja) * 1998-12-25 2000-09-05 Nippon Paint Co Ltd 建築物壁面の塗装方法、塗装ローラ及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000237674A (ja) * 1998-12-25 2000-09-05 Nippon Paint Co Ltd 建築物壁面の塗装方法、塗装ローラ及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5862639A (ja) 光重合可能な混合物及び多層材料
TWI309201B (en) Printing element with an integral printing surface
US8545661B2 (en) Manufacture of organically developable, photopolymerizable flexo-graphic elements on flexible metallic supports
JPS6374048A (ja) 記録層の製造方法
US4079159A (en) Original plate for producing matrix
TWI662067B (zh) 製造柔版印刷板的改良方法
JPS5818635A (ja) 摩擦およびひつかきに強いグラビア印刷版を作る感光記録材料およびこれら記録材料によりグラビア印刷版を作る方法
JP2002023349A (ja) 感光性樹脂凸版材
JPH09114086A (ja) 母型取り用感光性樹脂版材およびその製造方法
JPS60200249A (ja) 感光性積層体
KR100702880B1 (ko) 감광성 배향막 인쇄용 오목판 인쇄판 및 이것에 사용되는배향막 인쇄용 오목판 인쇄판 제조용 감광성 조성물,감광성 배향막 인쇄용 오목판 인쇄 원판 적층체
JP2009271277A (ja) 感光性樹脂組成物およびそれを用いた印刷版材
JPH04283749A (ja) 感光性樹脂組成物
JPS58160956A (ja) 感光性樹脂凸版材
CN110998444B (zh) 凸版印刷原版用感光性树脂组合物以及用其得到的凸版印刷原版
JPH0872384A (ja) 微細パターンの印刷方法
JP5029105B2 (ja) 感光性樹脂積層体及びそれから得られる感光性樹脂印刷版材
JP3627394B2 (ja) 感光性樹脂凸版材
JP2987861B2 (ja) 母型取り用感光性樹脂凸版用材
JP3765404B2 (ja) 感光性印刷用原版
JP4166957B2 (ja) 画像形成性が改良されたフレキソ版用感光性樹脂構成体
JPS5811931A (ja) 感光性樹脂組成物
JPH05297594A (ja) 感光性樹脂印刷版用粘着防止層組成物
JP2004294596A (ja) 母型取り用感光性樹脂凸版材
WO2024070139A1 (ja) 凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、凸版印刷原版、及び印刷版