JPH09112887A - 比例弁制御装置 - Google Patents

比例弁制御装置

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JPH09112887A
JPH09112887A JP29053695A JP29053695A JPH09112887A JP H09112887 A JPH09112887 A JP H09112887A JP 29053695 A JP29053695 A JP 29053695A JP 29053695 A JP29053695 A JP 29053695A JP H09112887 A JPH09112887 A JP H09112887A
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隆之 釘谷
Yukihiro Yoshida
幸寛 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比例弁に供給できる最大駆動電流値の大きさ
が変わっても共通の装置構成により対処可能とする。 【解決手段】 電流制御信号Viによってその時々の比例
弁駆動電流を生ずる比例弁制御回路20の電源電圧Vp’
を、電源電圧変更回路50により変更可能とする。電源電
圧変更回路50は固定の電圧Vpを出力する電源40と比例弁
制御回路20との間に設ける。マイコン10の発する電源電
圧規定信号Pvの指示する値に応じ、電源電圧変更回路50
は電源40の出力する電圧Vpを変更し、変更された電源電
圧値Vp’として比例弁制御回路20に印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給湯機等の燃焼機
器においてガスに代表される燃料を燃焼部に供給するに
際し、当該燃料の流量を調整する比例弁の制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】燃料の持つ燃焼エネルギを考慮に入れな
がら、その時々で燃焼部に要求される必要燃焼量を満た
すために当該燃焼部への燃料流量を調整、制御するのに
は、一般に比例弁が用いられる。これは、供給される駆
動電流の大きさに応じて弁開度を可変にし、燃料供給路
中の燃料流量を調整するもので、電気的な信号(電圧信
号ないし電流信号)によりかなり高精度で弁開度、ひい
ては燃料流量が制御できることから、昨今では各種の燃
焼機器に多用されている。
【0003】図3(A) は、そうした比例弁を制御する制
御装置の従来における代表的一例を回路ブロック図的に
示しており、その時々で比例弁30の弁開度を指令する主
たる制御回路10は、昨今の回路構築技術に従い、マイク
ロコンピュータ(以下、単にマイコン)10により構成さ
れている。主制御回路ないしマイコン10は、その時々で
図示しない燃焼部に必要な燃料を供給するに適当な弁開
度となるように比例弁30を制御するため、比例弁電流制
御信号Viを比例弁制御回路20に向けて発する。もっと
も、周知のように、マイコン10の内部では各演算値や各
データ等はデジタル数値により取扱われているので、こ
の電流制御信号Viが例えばアナログ電圧信号として出力
される場合には、図示していないがマイコン10に内蔵ま
たは外付けのデジタル対アナログ変換器(以下、D/A
変換器)を介しマイコンがデジタル数値として取扱って
いる電流制御値を対応するアナログ電圧値に変換したも
のを電流制御信号Viとする。
【0004】比例弁制御回路20には電源40によりある一
定の大きさの電源電圧Vp(一般には商用交流電源を全波
整流した直流電圧で、望ましくは定電圧化されている)
が印加されており、当該比例弁制御回路20は受信してい
る比例弁電流制御信号Viの指示に従い、時間平均的に見
て指示値に対応する値の駆動電圧値Vpv を比例弁30に印
加し、ひいては対応する大きさの比例弁駆動電流Ipv を
比例弁30に供給する。もちろん、一般的に駆動電圧Vpv
が高くなって駆動電流Ipv が大きくなる程、比例弁30の
弁開度も大きくなって燃焼部に供給される燃料流量も多
くなるように作られており、また、それぞれの比例弁ご
とに全開となる最大電流値も決まっている。ただし、比
例弁電流が流れっ放しになる、いわゆる比例弁の「オン
故障」と判別がつかなくなることを避けるため、通常は
全開となる最大電流値よりも少し少ない電流値、例えば
最大電流値の97%程度の電流値の駆動電流Ipv を供給し
た時にその機種ごとに必要な最大の燃料流量が得られる
ように設計される。
【0005】さらに、このような制御系は、一般には帰
還制御とされる。すなわち、マイコン10の発する電流制
御信号Viの指示に従いその時々で比例弁30に流れている
べき駆動電流Ipv の大きさ(目標電流値)が守られてい
るか否かを確かめるため、その時々で比例弁30に実際に
流れている比例弁電流Ipv の大きさは一般には比例弁制
御回路20の一部として構成される電流検出回路20’によ
り検出され、電流検出電圧信号Vfとなって主制御回路な
いしマイコン10に帰還される。マイコン10ではこれによ
り検出された実際の比例弁電流Ipv の大きさと目標電流
値とを比較し、それらの間に許容範囲以上の誤差が生じ
ていた場合にはこの誤差を消失させる方向に電流制御信
号Viの値ないし大きさを変更する。
【0006】図4は、この図3(A) に示される比例弁制
御装置のより具体的で代表的な回路構成例を示してい
る。マイコン10はまず、電圧振幅と周波数が固定でデュ
ーティ比も固定(例えば500Hz,50%固定)の矩形パルス
列である基準パルスPOを発し、この基準パルスPOは比例
弁制御回路20内に設けられている抵抗25とキャパシタ26
から成る積分回路により鈍らされ、所定周波数で所定ピ
ーク値の疑似三角波の電圧信号Voとなって第一演算増幅
器23の正相入力に印加される。第一演算増幅器23の逆相
入力には第二演算増幅器24の出力電圧Vcが印加され、一
方、この第二演算増幅器24の逆相入力にはマイコン10の
発する電流制御信号Viが、また正相入力には比例弁30を
流れるその時々の電流値Ipv を検出した検出電圧信号Vf
が印加される。この検出電圧信号Vfは、比例弁30に流れ
る駆動電流Ipv の電流線路中に設けられた低抵抗29と並
列で、抵抗27とキャパシタ28とを含む平滑回路を介して
抽出され、上記のように第二演算増幅器24の正相入力に
印加されるだけでなく、図示の場合はマイコン10にも入
力されている。従って、このこと自体は比例弁30の電流
制御には関与しないものの、比例弁30が例えば断線故障
して比例弁電流Ipv が零となるとか、逆に短絡故障(オ
ン故障)して比例弁電流Ipv が余りに大きくなる等の異
常が生じた場合、マイコン10はこれを直接に検出するこ
とができる。このような異常事態を検出すると、一般に
マイコン10は例えば図示しない回路系、装置系を介して
燃焼部での燃焼を強制消火する等の安全策を採る。
【0007】マイコン10の発する電流制御信号Viは、先
に少し述べたように、一般的にはマイコン10に内蔵ない
し外付け(いずれも図示せず)のnビットD/A変換器
の出力するアナログ電圧信号である。従って例えば、そ
の時々の必要燃焼量に応じて燃料流量を増すべく、マイ
コン10が電流制御用のデジタルデータ値を大きくし、そ
の結果、電流制御信号Viとしてのアナログ電圧信号Viの
値が大きくなる程、第二演算増幅器24の出力電圧Vcは小
さくなって第一演算増幅器23の正相入力に印加されてい
る疑似三角波電圧信号Voの方が大きくなっている時間が
長くなるため、第一演算増幅器23の出力パルス列Scのデ
ューティ比は大きくなり、当該出力パルス列Scにより駆
動されるドライバトランジスタ22がオンとなっている時
間も長くなる。これにより、固定の電源電圧Vp、望まし
くは定電圧化された電源電圧Vpを発する電源40からの電
源電流線路をチョッパリングするパワートランジスタ21
がオンとなっている時間も長くなり、比例弁30に流れる
比例弁電流Ipv の流れている時間の平均も長くなるの
で、平均的に見て駆動電流Ipv の大きさが大きくなるた
め、比例弁30の弁開度もより大きくなる。
【0008】もちろん逆に、燃焼部におけるその時々の
必要燃焼量に併せてマイコン10が作成する比例弁駆動電
流データないし弁開度データであるデジタルデータの値
が小さくなり、図示しないD/A変換器の出力アナログ
電圧信号である電流制御信号Viの大きさも小さくなった
場合には、上記とは逆の変化が生じ、第一演算増幅器23
の出力パルス列Scのデューティ比は小さくなり、ドライ
バトランジスタ22及びパワートランジスタ21がオンとな
っている時間も短くなるため、比例弁30に流れる比例弁
電流Ipv も平均的に見てその大きさが小さくなり、比例
弁30の弁開度は小さくなって燃焼部への供給燃料流量も
絞られる。
【0009】そして、このような制御により、概ねその
時々の電流制御信号Viの指示に応じた比例弁電流Ipv と
なっている状態下では、第二演算増幅器24によりこの電
圧信号Viと比例弁電流検出電圧信号Vfとの比較がなさ
れ、第二演算増幅器24の出力電圧Vcはこれらの誤差を解
消するように比較的小幅、微妙に変化する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の比例
弁制御装置では、個々の燃料種の持つ燃焼エネルギや用
いる比例弁の個々の特性に応じて一義的な設計が図られ
ており、換言すると異なる燃焼エネルギを持つ燃料(例
えば異なるガス種)を用いるとか、駆動電流対弁開度特
性が異なる比例弁を用いることができないか、できたに
しても、少なくとも制御精度を落とさざるを得ない場合
が多かった。
【0011】これを具体例によって説明すると、例えば
図3(B) に示すように、例えば特定のガス種の燃焼機器
用として特定の特性の比例弁を用い、その比例弁では駆
動電流Ipv の値がImとなった時に設計上の最大弁開度、
例えば既述のように弁自体としての最大弁開度の97%程
度の弁開度が得られ、その時に燃焼部では最大燃焼量が
得られるように設計したとする。従って電流値Imはその
比例弁に対して供給すべき最大駆動電流値Imと定義でき
る。そして、全閉状態から当該設計上の最大弁開度まで
の間でマイコン10が指令し得る弁開度ステップ数N、す
なわち駆動電流Ipv に関して言えば零からImまでの変更
ステップ数Nは、例えば既述のように 8ビットD/A変
換器を用いることでN=255 に設定していたとする。も
ちろん、1ステップ変更ごとの比例弁駆動電流の変化幅
ΔI は一定値となる。このような状況下において、例え
ば供給されるガス種が異なり、より高い燃焼エネルギを
持つガスが供給される場合には、比例弁30の最大弁開度
は当然、弁自体の全開状態に対し70ないし80%程度に留
めなければならないことが生ずる。換言すれば、比例弁
に供給する駆動電流Ipv の最大値もその分、低減せねば
ならない。ここでは説明の簡単のため、図3(B) に示す
ように、例えば先の最大電流値Imの半分の値Im/2までし
か供給できない状態を考えて見る。しかるに、このよう
な場合、図3(A) 及び図4に示した従来の回路構成のま
までは、図3(B) 中に示されている比例弁駆動電流の変
化幅ΔI には変更を及ぼすことはできないので、変更ス
テップ数Nを半分の 127ステップにするしかない。これ
はすなわち、制御分解能が半分に落ちてしまうことを意
味し、決して望ましいことではない。D/A変換器のフ
ルビットを有効に使うこともできず、無駄に使っている
ことにもなる。そして、このような問題は、比例弁の特
性が変わり、例えば先の半分の最大電流値Im/2で設計上
の最大弁開度になってしまう比例弁を用いた時にも同様
に生ずる。
【0012】本発明はこのような従来の問題点を解決す
るべくなされたもので、供給される燃料の種類が変わ
り、その燃焼エネルギが変わったり、あるいはまた用い
る比例弁の特性が変わっても、制御分解能を落とすこと
なく比例弁の弁開度を制御し得る比例弁制御装置を提供
せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、まずは次の知見を得た。すなわち、比例弁制
御回路20は、既述のように基本的な機能として、主制御
回路10から発せられる電流制御信号Viの指示に従い比例
弁に供給する駆動電流の大きさを変更するが、その一方
で、それ自身に印加されている電源電圧Vpの値が変われ
ば、主制御回路10から発せられる電流制御信号Viに変化
がなくても、実際に比例弁に供給できる駆動電流の値は
変化することに着目した。比例弁制御回路中における電
圧降下に関し、何等かの非線形成分を考慮に入れなけれ
ば、例えば電源電圧Vpがその半分のVp/2になれば比例弁
駆動電圧Vpv も半分になり、これに伴い原理的には比例
弁に供給される駆動電流Ipv の値も半分になる。電圧降
下分に関し何等かの非線形パラメータが介在する場合に
も、概ね半分にはなるし、大体において非線形パラメー
タは無視できることが多い。まれに無視できない場合で
も、電源電圧Vpの変化分と駆動電流の変化分Ipv は予め
既知としておける。ところが、従来はこのような考えが
全くなく、電源電圧はある一定値に固定することしか考
えられていなかったのである。
【0014】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、固定の電圧を出力する電源と比例弁制御回路と
の間に電源電圧変更回路を設け、この電源電圧変更回路
が電源電圧規定信号を受けることで電源の出力する固定
の電圧を変更し、当該電源電圧規定信号の指示する値の
電源電圧を比例弁制御回路に印加するようにした比例弁
制御装置を提案する。もちろん、本発明のこうした構成
を実際に用いる場合には、電源電圧規定信号の指示する
電圧値は、用いる比例弁の特性や、供給されるガス種
等、燃料の持つ燃焼エネルギに応じた適当値となるよう
に設定する。
【0015】上記の基本構成を満たした上で、本発明の
特定の態様においては、上記の電源電圧規定信号は、手
動操作を受けた変更指令手段が主制御回路に向けて所定
の電源電圧への変更を指令した時、当該主制御回路から
これに応じた電源電圧を指示する信号として発せられる
ように構成することができ、あるいはまた、主制御回路
が燃料の持つ燃焼エネルギの大きさを検出することで、
これに応じた電源電圧を指示する信号として当該主制御
回路により発せられるように構成することができる。
【0016】さらに、本発明のまた別の下位の態様にお
いては、電源電圧規定信号をデューティ比可変のパルス
列信号として、電源電圧変更回路はこのパルス列信号の
その時々のデューティ比に応じて比例弁制御回路への電
源電流線路をチョッパリングすることで時間平均的に比
例弁に印加する電源電圧を可変するスイッチング手段を
含むように構成することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1(A) は本発明の望ましい実施
形態を示しており、装置の全体構成をブロック図的に示
したものである。本発明による改良点を明らかにするた
め、本実施形態は図3に即して既に説明した従来の比例
弁制御装置の改良となっており、従って当該図3中で各
構成要素に用いた符号と同じ符号は対応する構成要素な
いし同じで良い構成要素を示している。そのためまた、
主制御回路として一般に用いられるマイコン10、マイコ
ン10の発するその時々の電流制御信号Viの指示に従いそ
の時々の比例弁駆動電圧Vpv を可変し、結局は比例弁駆
動電流Ipv を可変して電流制御信号Viの指示値に整合さ
せるための比例弁制御回路20、比例弁制御回路20により
制御される比例弁30、一般に比例弁制御回路20の一部と
して構成でき、比例弁30に対し目標電流値の駆動電流が
流れるように帰還制御するため、当該駆動電流のその時
々の実際の値を検出して電流検出電圧信号Vfとしてマイ
コン10に帰還する電流検出回路20’の個々に関しての説
明やそれらの間の信号ないし電流の流れ、及びそれらに
より達成される各動作や機能については、特に本発明に
おいて改変の対象とする所はないため、先に図3,4を
用い従来例に即して説明した所を援用し、ここでの再度
の説明は省略する。以下では専ら、本発明による改良点
につき説明する。
【0018】本発明の適用を受けた改良の結果として付
加されているのは、固定の電圧Vpを出力する電源40と比
例弁制御回路20との間に設けられている電源電圧変更回
路50である。さらにこの実施形態では、主制御回路とし
てのマイコン10に電源電圧の変更を手動指令するための
変更指令手段60も備えられているが、これについては後
述する。
【0019】電源電圧変更回路50は、電源電圧規定信号
Pvを受けることで電源40の出力する固定の電圧Vp(既述
のようにこの電圧Vp自体は一般に定電圧化されるのが望
ましい)を変更し、当該電源電圧規定信号Pvの指示する
値の電源電圧Vp’を比例弁制御回路20に印加する。例え
ば、燃焼部に供給されるガス種、すなわち燃焼エネルギ
に応じ、比例弁30に与える駆動電流Ipv の最大値が既に
図3(B) に即して説明したのと同様、相対的に大きなあ
る特定の値Imまで許容されている場合、電源電圧規定信
号Pvは電源40の出力する電圧Vpをほぼそのままの値とし
て比例弁制御回路20に与えるべき意味内容の信号形態と
なり(具体例は後述)、電源電圧変更回路50はその出力電
圧Vp’を電源40から与えられている固定の電圧Vpと同じ
値か、ないし少なくともほぼ同じ値にする。従って、そ
の時にマイコン10が例えば 8ビット分の駆動電流変更ス
テップ数N=255 で電流制御信号Viを変化させるなら
ば、それによる比例弁駆動電流Ipv の変更形態は図3
(B) における最大駆動電流Imの場合と実質的に同様の図
1(B) に示すようになり、 1ステップ当たり所定の電流
変化幅ΔI で比例弁駆動電流Ipv は零からImまで、変化
可能となる。
【0020】これに対し、燃焼部に供給されるガス種が
異なる等して、燃料の持つ燃焼エネルギが増した結果、
同じ比例弁30を用いる場合に例えば簡単のため、最大で
Im/2までの駆動電流値しか供給できない場合には、電源
電圧規定信号Pvは電源電圧変更回路50に作用して、比例
弁制御回路20の出力する駆動電流値Ipv の最大値が当該
値Im/2になるよう、電源40から印加されている固定の電
源電圧Vpをそれよりも低い電源電圧Vp’に低下させ、例
えば他の非線形パラメータを考えなければ(無視できれ
ば)Vp’がVp/2となるようにする。非線形パラメータが
無視できない場合や電圧降下が大きい場合には、これら
も考慮して、結果として比例弁30の駆動電流Ipv の最大
値がIm/2になるよう、電源電圧変更回路50を制御する。
こうすると、マイコン10の出力する電流制御信号Viの変
更ステップ数N自体には変更を及ぼすことなく、上記と
同じ 8ビット分の 255ステップとしても、図1(C) に示
すように、比例弁駆動電圧Vpv がやはり半分に落ちるこ
とから比例弁駆動電流Ipvの最大値はIm/2にしかならな
いので、1ステップ当たりの駆動電流変化幅がΔI/2とな
ることで当該フルビットを全て有効に使うことができ、
比例弁30の弁開度を半分しか使わないのにその時の制御
分解能は全く落ちることがない。図3(B) に示した従来
例では 127ステップしか使えず、制御分解能は半分に落
ちていたとの大いに異なる。
【0021】もちろん、上記において比例弁駆動電流の
最大値を半分に制限する例を挙げたのは、本発明の理解
を容易にするための単なる例示に過ぎない。実際には、
例えば燃料がガスの場合、最も低い燃焼エネルギのガス
種に対して比例弁30の最大弁開度を既述のように弁自体
をして可能な全開度の97%位になるようにした場合、よ
り大きな燃焼エネルギのガス種を用いる場合には70ない
し80%になるように駆動電流Ipv の最大値を制限する等
が普通であり、さらに一般的に言うなら、電源電圧Vp’
の値如何により、比例弁駆動電流Ipv の最大値はIm/x(x
は自然数)に制限することができる。そしてこのこと
は、ガス種等、燃料の種類、燃焼エネルギの相違だけで
はなく、例えば同じ比例弁駆動電流Ipv で弁開度の異な
る比例弁30を用いる時にも本発明は有効に適用できるこ
とを示している。例えばある比例弁では最大弁開度を得
るのに比例弁駆動電流Imを要していたのに、別な比例弁
30を用いる場合にはIm/x(xは自然数)で良い場合には、
電源電圧規定信号Pvの値ないし大きさの変更により、電
源電圧変更回路50の当該出力電圧Vp’が比例弁駆動電流
Ipv の変化としてこれに対応した変化を生むようにす
る。
【0022】なお、このような電源電圧Vp’の変更に関
しても帰還制御をすることが望ましい。そのため、図示
の場合、電源電圧変更回路50の出力電圧Vp’は帰還電圧
Vpfとしてマイコン10に帰還されており、マイコン10で
は電源電圧規定信号Pvの指示する設定電源電圧Vp’と帰
還電圧Vpf との間に誤差が生じていた場合、この誤差が
なくなる方向に当該電源電圧規定信号Pvを補正する。な
お、この図1(A) では実際に出力される電源電圧Vp’と
帰還電圧Vpf はあたかも同じ値であるように示されてお
り、もちろんそれでも良いが、後述のより具体的な実施
形態に認められるように、一般には専用の電圧検出回路
を介して対応する電圧値の信号Vpf としてマイコン10に
入力される。
【0023】さらに、この実施形態においては、電源電
圧規定信号Pvは主制御回路ないしマイコン10から発せら
れるように構成されており、燃焼機器の設置作業者また
は使用者が変更指令手段60に備えられている図示しない
手動の操作手段により、比例弁制御回路20に印加する電
源電圧Vp’の変更を指令すると、マイコン10は当該電源
電圧規定信号Pvを指令に応じた値に変更し、これにより
定められた変更分が比例弁駆動電流Ipv に生ずるよう、
電源電圧変更回路50は出力電圧Vp’を対応する電圧値に
変更する。ただし、図示していないが他の原因により電
源電圧規定信号Pvが発せられるようにすることもでき、
例えばマイコン10自体が燃焼部における燃焼量と供給燃
料流量とに基づく等して現在供給されている燃料の燃焼
エネルギを検出できる場合には(このような技術も既に
提案されており、ガスの場合にはガス種の検出装置ない
し検出方法と定義されていることが多い)、当該検出に
基づき供給されている燃料に適当なる比例弁駆動電流Ip
v の変化範囲となるよう、マイコン10が自身で電源電圧
規定信号Pvを作成し、電源電圧変更回路50に送出するよ
うにしても良い。
【0024】図2は、図1(A) に示した本発明装置のよ
り具体的な実施形態を示している。ただし、この実施形
態においても、比例弁制御回路20、比例弁30、電源40に
関しては既に図4に即して説明した従来例におけると同
様で良く、マイコン10についても本発明のために電源電
圧規定信号Pvを出力することと、望ましくは帰還電圧Vp
f を受けて電源電圧変更回路50の出力電圧Vp’を帰還制
御することを除いては従来例に即して説明した所をその
まま援用できる。従ってやはり、この図2においても本
発明による改良点に関し主として説明する。
【0025】比例弁制御回路20の内部の具体的な回路構
成とその動作については既述の通りであるが、この比例
弁制御回路20に電源電圧Vp’を供給するための、本発明
により追加された電源電圧変更回路50は、この場合、電
源40から比例弁制御回路20に至る電源電流線路中に介在
したパワートランジスタないしスイッチングトランジス
タ51を含んで構成されている。そして、マイコン10の発
する電源電圧規定信号Pvはこの場合、可変デューティ比
の信号形態を取る信号であって、オン(高レベル)とな
っている時間が長い程にスイッチングトランジスタ51が
より長い時間、導通するように、この信号線路の途中に
はインバータ54が介在している。もちろん、電源電圧規
定信号Pvを負論理で定義するならば、このインバータ52
は不要である。
【0026】さらに、スイッチングトランジスタ51の出
力電圧Vp’は抵抗52,53による分圧回路により適当なる
電圧レベルに分圧されてマイコン10に帰還電圧Vpf とし
て入力される。このアナログ電圧Vpf は、マイコン10の
内部では図示していないが当該マイコン10に内蔵か、も
しくは外付けのA/D変換器によりデジタル数値に変換
されて取扱われる。
【0027】しかるに、変更指令手段60が既述のように
手動操作を受けることでマイコン10が発するか、あるい
はマイコン自体が燃焼エネルギの検出に基づき自発的に
発するか、さらにはまた他の原因により発せられた電源
電圧規定信号Pvがより高い電源電圧Vp’を指示すべき時
には、当該電源電圧規定信号Pvのデューティ比は大きく
なり、スイッチングトランジスタ51がオンとなっている
時間が長くなって、時間平均的に比例弁制御回路20に印
加する電源電圧Vp’は高まる。逆に電源電圧規定信号Pv
がより低い電源電圧Vp’を指示すべき時には、当該電源
電圧規定信号Pvのデューティ比は小さくなってスイッチ
ングトランジスタ51がオンとなっている時間が短くな
り、時間平均的に比例弁制御回路20に印加される電源電
圧Vp’も低下する。
【0028】もちろん、電源電圧規定信号Pvのデューテ
ィ比を 100%、すなわちオンないし高レベルに保てばス
イッチングトランジスタ51はオンを続け、このときに電
源電圧変更回路50から出力される電源電圧Vp’はスイッ
チングトランジスタ51を通過する電圧降下分はあるもの
の、ほぼ電源40の出力電圧Vpに等しくなり、この時が比
例弁30に対し最も大きな駆動電流Imを流せる状態であ
る。ただし、実際にはマイコン10により帰還電圧Vpf を
監視するか比例弁電流検出電圧信号Vfを監視すること
で、電源電圧変更回路50や比例弁制御回路20の短絡異常
等を検出する都合上は、比例弁30に最大の駆動電流を与
える時にもデューティ比は 100%未満、例えば97%程度
に設定しておき、電源40の出力電圧Vpに対し最大でも電
源電圧変更回路50の出力電圧Vp’が若干、低目になるよ
うにしておくのが望ましい。こうすれば、それ以上の電
源電圧が帰還電圧信号Vpf を介して検出されるか、ある
いは設定した最大電流値Im以上に大きな駆動電流Ipv が
比例弁電流検出電圧信号Vfを介し検出されることで回路
異常をマイコン10が検出し、電源電圧規定信号Pvをオフ
(低レベル)に維持するとか、あるいは図示しない他の
スイッチング手段により電源線路を強制的に開くとか、
さらには既述のように強制消火を図る等の安全対策を立
て易くなる。
【0029】もちろん、電源電圧変更回路50中の抵抗5
2,53から成る分圧回路から出力される帰還電圧Vpf
は、本来的には電源電圧規定信号Pvにより指示した電源
電圧値が守られているか否かをマイコン10が監視し、誤
差があった場合には電源電圧規定信号Pvに若干の補正を
施してそうした誤差を修正するために用いられる。
【0030】以上のように、本発明によると、比例弁制
御回路に印加する電源電圧それ自体を変更するという技
術思想により、制御分解能を落とすことなく、燃焼エネ
ルギが相当に異なる燃料の使用を可能にし、あるいはま
た相当に特性の異なる比例弁をも共通の装置構成で用い
ることができる。なお、上記では電源電圧規定信号Pvは
デューティ比可変のパルス列信号であり、このデューテ
ィ比は結局、デジタル数値としてマイコン10にて取扱い
易い形で制御可能であるし、スイッチングトランジスタ
51を当該デューティ比に応じてスイッチングすることで
発熱や損失も少なく電源電圧を変更制御できる点で望ま
しいが、これに限らない。例えば電源電圧規定信号Pvは
アナログ電圧信号であって、その大きさに応じ導通度の
可変するトランジスタ等を用いて電源電圧を変更する回
路も構築可能である。また、主制御回路10はマイコンに
より構成する場合を例示し、これが実際にも一般的であ
るが、既述した各機能ないし各動作を実現する個々のハ
ードウエアの集合により主制御回路10を構成してももち
ろん良い。その外、本発明の趣旨に従う任意の改変は当
業者にとって自由である。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、ガス種
が異なる等、供給される燃料の燃焼エネルギが異なって
も、あるいはまた用いる比例弁の駆動電流対弁開度特性
がそれぞれに異なっても、装置構成部分に変更を及ぼす
ことなく、かつまた制御分解能を落とすことなく、高精
度に比例弁を制御でき、ひいては燃料流量を緻密に制御
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成される比例弁制御装置の一
実施形態における回路ブロック図と動作の説明図であ
る。
【図2】図1(A) に示した比例弁制御装置の一部具体的
な回路構成例を含む概略構成図である。
【図3】従来の比例弁制御装置の代表的な一例における
回路ブロック図と動作の説明図である。
【図4】図3(A) に示した従来の比例弁制御装置の一部
具体的な回路構成例を含む概略構成図である。
【符号の説明】
10 主制御回路ないしマイクロコンピュータ, 20 比例弁制御回路, 21 スイッチングトランジスタ, 22 ドライバトランジスタ, 23 第一の演算増幅器, 24 第二の演算増幅器, 30 比例弁, 40 固定の電源電圧を出力する電源, 50 電源電圧変更回路, 51 スイッチングトランジスタ, 52 抵抗, 53 抵抗, 54 インバータ, 60 変更指令手段.

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主制御回路から発せられる電流制御信号
    を受けて燃料流量制御用の比例弁に供給する駆動電流の
    大きさを変更すると共に、印加されている電源電圧の値
    が変われば、上記電流制御信号に変化がなくても、上記
    比例弁に供給する上記駆動電流が変わる比例弁制御回路
    を有する比例弁制御装置であって;固定の電圧を出力す
    る電源と上記比例弁制御回路との間に設けられ、電源電
    圧規定信号を受けることで上記電源の出力する上記固定
    の電圧を変更し、該電源電圧規定信号の指示する値の電
    源電圧を上記比例弁制御回路に印加する電源電圧変更回
    路を有すること;を特徴とする比例弁制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置であって;上記電源
    電圧規定信号は、手動操作を受けた変更指令手段が上記
    主制御回路に向けて所定の電源電圧への変更を指令した
    時、該主制御回路からこれに応じた電源電圧を指示する
    信号として発せられること;を特徴とする装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置であって;上記電源
    電圧規定信号は、上記主制御回路が燃料の持つ燃焼エネ
    ルギの大きさを検出することで、これに応じた電源電圧
    を指示する信号として該主制御回路により発せられるこ
    と;を特徴とする装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載の装置であっ
    て;上記電源電圧規定信号はデューティ比可変のパルス
    列信号であり;上記電源電圧変更回路は該デューティ比
    可変のパルス列信号のその時々の上記デューティ比に応
    じて上記比例弁制御回路への電源電流線路をチョッパリ
    ングすることで時間平均的に該比例弁に印加する上記電
    源電圧を可変するスイッチング手段を含むこと;を特徴
    とする装置。
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