JPH09111461A - 成膜又はエッチング装置 - Google Patents

成膜又はエッチング装置

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JPH09111461A
JPH09111461A JP8193558A JP19355896A JPH09111461A JP H09111461 A JPH09111461 A JP H09111461A JP 8193558 A JP8193558 A JP 8193558A JP 19355896 A JP19355896 A JP 19355896A JP H09111461 A JPH09111461 A JP H09111461A
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reaction
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマによる窓への加熱やスパッタを生じ
させず、比較的高い圧力下でも安定してプラズマを維持
する。 【解決手段】 反応炉が、(1)マイクロ波又は高周波
の電磁波を反応炉に導入するための導入窓と、(2)該
マイクロ波又は高周波の電磁波によってガスを励起する
ことにより、基材に対して成膜又はエッチングが行われ
る反応層と、(3)反応層と導入窓との間に設けられ、
反応炉の圧力よりも高い圧力を有する中間層とを備え、
中間層内のガスが、該マイクロ波又は高周波の電磁波に
よって励起されないことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波プラズ
マ又は高周波プラズマを利用した成膜装置並びにエッチ
ング装置に関する。本発明は特に、プラズマをマイクロ
波又は高周波の導入窓から離れた位置に維持することに
より、導入窓の損傷を低減すると同時にプラズマの安定
性を維持することができる成膜及びエッチング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波プラズマや高周波プラズマ
(RFプラズマ)は、プラズマCVDやプラズマエッチ
ング等の成膜やエッチングのプロセスにおいて、プラズ
マを制限して処理の効率を高めるために用いられる。例
えば、ダイヤモンドを気相合成する場合、マイクロ波C
VD法やRFプラズマCVD法がよく用いられている。
以下、マイクロ波CVD法やRFプラズマCVD法が有
用なダイヤモンドの気相合成を例に、その有用性の観点
から説明する。
【0003】ダイヤモンドは、その優れた硬度、耐摩耗
性及び熱伝導性から、切削工具や研磨工具等に利用され
ている。更に、その大きいバンドギャップ、高い耐放射
線性、赤外領域から紫外領域まで広い範囲の光透過性な
どから、電気的、光学的にも広い応用が期待されてい
る。特に、ダイヤモンドの光学的な性質あるいは電気的
な性質に着目した応用を行うためには、不純物の混入を
制御した大面積且つ高品質のダイヤモンド膜を得る事が
必須である。
【0004】ダイヤモンドの合成法は、高圧合成法と気
相合成法の二つに大別できる。特に気相合成法は、大面
積及び不純物の制御に関して優れている。これまでダイ
ヤモンドの気相合成法として、これまでフィラメントC
VD法、マイクロ波プラズマCVD法、高周波プラズマ
CVD法(RFプラズマ法)、プラズマジェット法、燃
焼炎法等、様々な合成法が試みられている。上記の合成
法の中でも、特に、マイクロ波プラズマCVD及びRF
プラズマCVD法を用いれば、高純度のダイヤモンドの
合成に適していることが見出されている。他の方法で
は、不純物の混入等に問題があり、例えば、フィラメン
トCVDではフィラメントから、プラズマジェット法で
は電極からの金属汚染がある。また燃焼炎法では、大気
中の窒素のダイヤモンドへの混入を防ぐことが困難であ
る。
【0005】以上のように、得られるダイヤモンドの純
度に関してはマイクロ波プラズマCVD及びRFプラズ
マCVD法は優れているものの、処理の大面積化のため
に、高密度で均質なプラズマを広い面積に得ることは困
難であった。また、これらの装置において、マイクロ波
導入ないしRF導入のための窓が、プラズマにより加熱
されるため、その寿命や異物発生等に影響を及ぼしてい
た。また、プラズマによる窓へのスパッタを避けること
はできなかった。
【0006】これに対し、マイクロ波の導入方法に関す
る改良例がいくつか開示されている。例えば、特公平7
−54757号公報では、マイクロ波アンテナの形状
と、窓の真空シール部を工夫して、発生プラズマによる
真空シール部の衝突破壊を防止している。しかしなが
ら、この装置では、プラズマによる窓全体へのスパッタ
を避けることはできない。
【0007】特公平7−54758号公報では、ホーン
状のアンテナを用いることで、プラズマを広げる試みが
なされている。しかしながら、特公平7−54758号
公報に記載された装置では、その実施例にも記載される
ように、1X10-3トール(Torr)と例示されるような高
真空においてしかも磁場の使用があって初めてその効果
が発揮される装置であり、ダイヤモンドの合成条件に適
していない。
【0008】特公平7−54759号公報では、マイク
ロ波導入時のモード変換に関して、印加磁場との関係
で、効率的なマイクロ波の導入方法が検討されている。
しかし、ここでの検討では、磁場印加が効果的な低圧プ
ラズマに関してのみ行われており、マイクロ波導入のた
めの窓に関しての検討は行われておらず、上述の導入窓
の問題に関しては未解決である。
【0009】また、特公平7−11995号公報では、
ガスの吹出し法を工夫し、アンテナの近傍に放電室を設
けることにより、ガスの均質化を試みている。
【0010】しかし、この装置では、ダイヤモンドの合
成に適した圧力、例えば1トール以上の高い圧力の反応
炉内に効率良くプラズマを発生させることは困難であ
る。なぜなら、高密度プラズマを得るための比較的高い
圧力においては、マイクロ波導入の窓の附近に発生した
プラズマが基板まで広がらないという問題があるからで
ある。更に、高い圧力の下では、低い圧力の場合と比較
して荷電粒子の平均自由工程が短くなる分、磁場による
プラズマの制御が相対的に困難となる。そのため、マイ
クロ波導入窓に対して、プラズマによる加熱とスパッタ
を避けることができなかった。また、マイクロ波の電界
の不均一によるプラズマ分布の不均一のために生じるダ
イヤモンド膜の不均質性を避けることが困難である。
【0011】特に、1トール以上の高い圧力でプラズマ
を発生させると、マイクロ波導入窓附近でプラズマが励
起されて、安定してプラズマを維持できないという問題
があった。また、大気圧を支えるマイクロ波導入窓が加
熱されて、破損するという問題も生じていた。
【0012】これに対して、特開平5−166596号
公報では、マイクロ波を利用した処理装置において、導
波管のマイクロ波透過窓の下流側にスリットを設けてマ
イクロ波透過窓の近傍を低圧にすることにより、この部
分のプラズマ発生を抑制し、マイクロ波透過窓の汚損を
防止している。また、特開平6−275566では、マ
イクロ波プラズマ処理装置において、マイクロ波導入窓
と試料台との間に複数の孔を有する仕切板を、試料台と
あまり近接しないように配置することにより、処理の効
率を低下させることなく、基板等の試料に対するダメー
ジを低減する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの装置
では、高パワーの印加を利用する処理を行う際の問題点
については言及されていない。印加するパワーが高くな
れば、プラズマが局所的に高温になり、マイクロ波導入
窓が熱による損傷を受けることになる。また、低温によ
る合成を目指した場合、基材がマイクロ波により誘導加
熱されてしまうという問題点がある。更に、これまでの
装置では、平板状の基材にもダイヤモンドの膜厚分布が
生じ、また三次元形状の基材には全く対応できないとい
う問題があった。
【0014】本発明は、以上の問題点に鑑みなされたも
のであり、プラズマによる窓への加熱やスパッタを生じ
させず、比較的高い圧力下でも安定して均一なプラズマ
を維持することが可能な、マイクロ波プラズマ又はRF
プラズマを利用した処理装置を提供することを目的とす
る。
【0015】また、本発明の別の目的は、プラズマによ
る窓への加熱やスパッタを防止しつつも、高いパワーを
印加しつつ均一なプラズマを形成することを可能とし、
高い処理速度で均一な処理を可能とする、マイクロ波プ
ラズマ又はRFプラズマを利用した処理装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の処理装置は、マ
イクロ波又は高周波の電磁波を導入窓から反応炉内に導
入し、反応炉内のガスを励起してプラズマを発生させ
て、基材に対して成膜又はエッチングを行う処理装置で
あって、成膜又はエッチングを行うための反応炉と、前
記反応炉内へガスを導入するためのガス導入手段と、前
記反応炉内からガスを排出するためのガス排出手段と、
前記反応炉内へ該電磁波を導入するための電磁波導入手
段とを備え、前記反応炉は、前記反応炉のコンダクタン
スを調整するコンダクタンス調整手段により、前記基材
が配置される基材保持手段を備える反応領域と前記導入
窓側の中間領域とに区画され、前記ガス導入手段は前記
中間領域に接続し、前記ガス排出手段は前記反応領域に
接続し、該ガスは前記中間領域から前記コンダクタンス
調整手段を介して前記反応領域へ流入し、前記中間領域
のガス圧は、該ガスが該マイクロ波又は高周波の電磁波
によって励起されない圧力であって前記反応領域よりも
高い圧力に設定されることを特徴とする。
【0017】反応炉内部において、反応領域と導入窓と
の間に、プラズマの形成されない圧力の中間領域を設け
ることにより、導入窓は基板処理のためのプラズマに晒
されることはない。
【0018】また、本発明の処理装置は、中間領域の圧
力が、
【0019】
【数2】 で表されるパッシェンの法則に従って、放電が開始され
ない程度に高い圧力であることを特徴としてもよい。中
間領域にプラズマを発生させないためには、このような
圧力を設定すればよい。
【0020】また、本発明の処理装置は、中間領域の圧
力が、所定の該マイクロ波又は高周波の電磁波に対する
放電維持圧力よりも高い圧力であり、且つ、反応領域の
圧力が、放電維持圧力よりも低い圧力であることを特徴
としてもよい。このような圧力に設定することにより、
中間領域は確実にプラズマが防止され、且つ、反応領域
にはプラズマが安定して維持される。
【0021】また、本発明の処理装置は、コンダクタン
ス調整手段が1つ以上の開口を有し、中間領域から反応
領域に向かって、コンダクタンス調整手段の開口を介し
てガス流れが形成されることを特徴としてもよい。ガス
流れが形成されることにより、反応領域内に生じる電界
分布によるプラズマの不均一が補償される。
【0022】また、本発明の処理装置は、中間領域の圧
力が、100トール以上2気圧(1520トール)以下
であることを特徴としてもよい。この圧力の範囲では、
プラズマの発生が抑えられ且つ導入窓が良好に固定され
る。
【0023】また、本発明の処理装置は、コンダクタン
ス調整手段が、成膜又はエッチングのための基材の形状
に応じた形状を有することを特徴としてもよい。三次元
の基材の形状に対して、例えば略平行な形状等のコンダ
クタンス調整手段を用いれば、均一に三次元的な成膜又
はエッチングを行うことができる。
【0024】また、本発明の処理装置は、反応領域に導
入される該マイクロ波又は高周波の電磁波が、反応領域
内で均一な電界強度を有するように、成膜又はエッチン
グが行われる基材に対して向合って配置される対向電極
を中間領域又は反応領域内に更に備えることを特徴とし
てもよい。対向電極を設置することにより、反応領域内
の電界分布が平均化され電界の減衰が抑えられる。
【0025】また、本発明の処理装置は、対向電極が中
間領域内に配置されていることを特徴としてもよい。こ
のような対向電極の配置によって、電界分布の均一化が
更に向上する。
【0026】また、本発明の処理装置は、コンダクタン
ス調整窓と、反応領域内に配置された成膜又はエッチン
グのための基材との間に、該基材へ到達する該電磁波を
遮蔽する導電性のグリッドを更に備えることを特徴とし
てもよい。基材に到達する電磁波を遮蔽することによ
り、基材の加熱が防止される。
【0027】また、本発明の処理装置は、反応炉が石英
製のベルジャーであり、ベルジャーが導入窓として機能
することを特徴としてもよい。反応炉にベルジャーを採
用することにより、ベルジャー全体が電磁波の導入窓と
して機能するため、導入窓を新たに設ける必要がない。
このため、装置全体が簡略化できる。また、ベルジャー
及びベルジャー内の雰囲気に曝露される部材を、処理の
対象物質に応じて交換することにより、1つの処理装置
で処理物質の組成を変えた成膜やエッチングの処理を再
現性高く行うことが可能となる。
【0028】また、本発明の処理装置は、基材を高速回
転させるための手段を更に備えることを特徴としてもよ
い。基板を回転させることにより基板近傍のガスの流れ
が形成され、プラズマの均一性が高くなるため、処理が
更に均一に行われるようになる。尚、ここで高速回転と
は、100〜5000rpm、好ましくは300〜30
00rpm程度の回転数で回転することをいう。
【0029】また、本発明の処理装置は、基材にRF電
力を印加するための手段を更に備えることを特徴として
もよい。基材にRFバイアス電力を印加することによ
り、成長のための均一な核を発生させることができる。
【0030】また、本発明の処理装置は、対向電極が、
該成膜される物質の構成元素を含む材料を備えることを
特徴としてもよい。また、本発明の処理装置は、コンダ
クタンス調整手段が、該成膜される物質の構成元素を含
む材料を備え、且つ、対向電極として機能することを特
徴としてもよい。対向電極が成膜物質、例えばダイヤモ
ンドの成膜であれば炭素(グラファイト等)を備えるこ
とにより、対向電極からの膜への汚染が排除される。更
に、対向電極から発せられる成膜物質も成膜に寄与する
ため、成膜速度が向上する。
【0031】また、本発明の処理装置は、成膜又はエッ
チングがなされる第2の基材を、反応領域内に基材と対
向して保持するための第2の基材保持手段を反応炉内に
更に備え、第2の基材は対向電極として機能することを
特徴としてもよい。基材を2枚同時に成膜できるので、
全体のスループットが向上する。
【0032】また、本発明の処理装置は、反応領域に接
続される第2のガス導入手段を更に有し、ガス導入手段
及び第2のガス導入手段にはそれぞれ、流量を別々に調
節する流量調節手段が具備されることを特徴としてもよ
い。中間領域と反応領域へのガス流量を別々に調節する
ことにより、中間領域の圧力と反応領域の圧力とを簡単
に調節できるようになる。また、この領域間の圧力差
と、コンダクタンス調整手段からのガス流量とのバラン
スも、簡単に調節できるようになる。更に、反応性の高
いガスを用いる場合は、反応性の高いガスのみを選択し
てコンダクタンス調整手段を介しず直接反応領域内に供
給できる。従って、コンダクタンス調整手段のパーティ
クルの発生を防止しつつ処理速度を向上することができ
る。
【0033】また、本発明の処理装置は、電磁波導入手
段が、ベルジャーを覆うマイクロ波導入器を備えたマイ
クロ波導入手段であることを特徴としてもよい。マイク
ロ波を利用した処理装置が簡便な構成で与えられる。
【0034】また、本発明の処理装置は、マイクロ波導
入器と基材とを相対的に運動させるための運動手段を更
に備えることを特徴としてもよい。基板をマイクロ波に
よる電界分布に対して相対的に運動させることにより、
大面積の基板上に、均一な処理を施すことが可能とな
る。
【0035】また、本発明の処理装置は、マイクロ波導
入器の整合及びモード制御を行うために、マイクロ波導
入器の長さ又は幅を変化させるため手段を更に備えるこ
とを特徴としてもよい。また、本発明の処理装置におい
ては、マイクロ波導入器は、電磁界のシミュレーション
によって基材の近傍に最適な電界を発生させるように設
計された形状及び寸法を有することを特徴としてもよ
い。マイクロ波導入器の長さ及び幅を変化させることに
より、マイクロ波導入手段の中に定在波を発生させるこ
となく、整合及びモード制御を最適化することができ
る。更に、この最適化は、電磁界のシミュレーションに
よって行うことができるので、最適化した整合及びモー
ド制御を実現するマイクロ波導入器を設計することが可
能となる。
【0036】また、本発明の処理装置は、ガス導入手段
により導入されるガスの流路が反応炉とベルジャーとに
より画されコンダクタンス調整窓へと連通し、該ガスは
流路を流通する際に加熱されつつ反応炉とベルジャーと
コンダクタンス調整窓とを冷却することを特徴としても
よい。反応ガスを係る流路に流すことにより、プラズマ
によって加熱される反応炉、ベルジャー及びコンダクタ
ンス調整窓を冷却することができ、同時に、反応ガスが
予備加熱される。従って、装置の過熱を防止しつつも合
成効率を更に向上することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の装置を更に詳細に説明する。
【0038】図1は、本発明に従った差圧型マイクロ波
プラズマジェット装置の断面図であり、この差圧型マイ
クロ波プラズマジェット装置を例に、本発明の構成を詳
細に説明する。
【0039】図1(a)に示されるように、差圧型マイ
クロ波プラズマジェット装置10は、基板を処理するた
めの円筒形の反応炉12と、マイクロ波を発生させるマ
イクロ波源14とを備え、マイクロ波源14が導波管1
6を介して反応炉12に接続されて、反応炉12内にマ
イクロ波が導入される。反応炉12内は、コンダクタン
ス調整窓(コンダクタンス調整手段)30により、図1
に領域2と指示される反応領域(反応層)と、領域1と
指示される中間領域(中間層)とに分割される。反応領
域には、基板18を支持する基板ホルダ20が設置され
る。
【0040】図1に示されるように、反応炉の中間層に
は、プラズマガス供給用のガス供給管22が接続されて
いる。ガス供給管22から導入されるガスの流量は可変
であり、これは、可変バルブ等、従来より用いられる一
般的なガス流量調整手段を用いれば容易に行い得る。ま
た、反応層には、消費されたガスの排気用のガス排気管
24が備えられる。同様に、ガス排気管24からの排気
ガスの流量は、真空ポンプ等、従来から用いられる流量
調整機能付き排気手段を用いれば容易になし得る。更
に、中間層には中間層圧力検出用圧力計26が接続され
て、中間層の圧力が検出され、反応層にも同様に、反応
層圧力検出用圧力計27が接続されて、反応層の圧力が
検出される。
【0041】即ち、差圧型マイクロ波プラズマジェット
装置10は、中間層と反応層の圧力を検出しつつガス供
給量とガス排出量とを調整することにより、中間層と反
応層の圧力を所望のそれぞれ値に調整することが可能で
ある。
【0042】図1に示されるように、反応炉12内部
は、円板状の真空用窓(導入窓)28と、円板状で開口
を有するコンダクタンス調整窓(コンダクタンス調整手
段)30とにより分割される。即ち、本発明の装置の第
1番目の特徴は、大気圧を支える真空用窓28と、プラ
ズマを遮り且つ反応炉12内でガスのコンダクタンスを
調整するコンダクタンス調整窓30の、2つの窓を装置
が具備することである。
【0043】従来のマイクロ波プラズマCVD装置やR
FプラズマCVD装置等の、マイクロ波やRFを利用す
る処理装置では、大気圧を支える窓に対して、プラズマ
が発生する領域が接していたので、この窓は、大気圧に
よる応力のみならず、プラズマによる加熱とスパッタリ
ングに晒されていた。そのため、常に窓の破損の危険が
あった。
【0044】本発明の装置では、大気圧を支える窓(図
1では真空用窓28)とガスの流れを調整する窓(コン
ダクタンス窓30)との間に、プラズマの発生が防止さ
れる高いガス圧力の中間層(図1では、(領域1)で示
された空間)を設けて、大気圧を支える窓からプラズマ
を離すことに特徴がある。
【0045】ここで、本発明の装置の動作原理につい
て、図2を参照して、詳しく説明する。図2は、本発明
の装置の放電開始圧力と放電維持圧力のマイクロ波パワ
ー依存性を表すグラフである。ここに表されるデータ
は、水素200sccm,メタン6sccm,二酸化炭
素1sccmの反応ガスを用いたときのものである。放
電開始圧力とは、所定のマイクロ波パワーに対して、放
電が開始するための最高圧力、言い換えればこれより高
い圧力では放電を開始できない圧力のことである。ま
た、放電維持圧力とは、所定のマイクロ波パワーに対し
て、放電が維持される最高の圧力、言い換えればこれよ
り高い圧力では放電を維持できない圧力のことである。
【0046】図2のグラフに表されるデータは、次のよ
うに測定された。一定のマイクロ波パワーを印加した状
態で、先ず反応炉を高い圧力で放電がない(即ちプラズ
マがない)状態にし、それから徐々に圧力を下げてい
き、放電が開始した圧力をもって放電開始圧力とした。
次いで、放電している状態から圧力を上昇させて、放電
が消えた圧力をもって、放電維持圧力とした。これを、
マイクロ波パワーを100W〜600Wまで変えて測定
を行い図2のグラフを得た。
【0047】図2に示されるように、各マイクロ波パワ
ーにおいて、放電開始圧力は放電維持圧力よりも低くな
っている。即ち、反応炉内で一旦放電が開始されれば、
高密度の荷電粒子(イオンと電子)の衝突電離により、
放電が高い圧力まで維持されるが、荷電粒子がほとんど
存在しない状態(即ち、プラズマが無い状態)から放電
を開始させるためには、ある程度低い圧力で荷電粒子が
充分に加速されて中性ガスに衝突する必要がある。この
ため、放電開始圧力は放電維持圧力よりも低くなる。
【0048】本発明の装置は、このような放電開始圧力
と放電維持圧力の差を利用した。図1に示される差圧型
マイクロ波プラズマジェット装置を例にとって説明すれ
ば、この装置10は、図1に示される中間層(領域1)
と反応層(領域2)とを反応炉12の内部に有し、これ
らの圧力に関し、放電維持圧力を境に、中間層を高い圧
力、反応層を低い圧力とする。このように圧力を設定す
ることにより、中間層ではプラズマの発生が防止され、
反応層では一旦プラズマイグニッションがなされればプ
ラズマは安定して維持される。
【0049】このような構成のため、本発明の装置で
は、例えば特公平7−11995号公報に記載される装
置とは異なり、アンテナ近傍でのプラズマ発生が抑制さ
れる。また、特公平7−54758号公報に記載された
装置の如く、磁場を印加する必要もない。
【0050】次に、本発明の装置におけるプラズマの制
御に関して説明する。プラズマを制御するためには、電
界、ガスの流れ、圧力等のパラメータがあり、これらは
例えば、板谷良平「反応性プラズマの制御と高精度プラ
ズマプロセス」、応用物理、vol.64, pp.526(1995)等に
記載されている。本発明に従った装置では、装置内に形
成される圧力分布を積極的に利用して、プラズマの制御
を行う。
【0051】この、圧力分布を積極的に利用するプラズ
マの制御は、以下の要領である。ある電界強度における
放電開始の圧力は、例えば、Grill,A., "Cold Plasma i
n Materials Fabrication", IEEE Press, New York, US
A, pp.96(1993)に記載されるように、パッシェンの法則
により記述される。即ち、絶縁破壊電界Ebは、以下の
ように表される。
【0052】
【数3】
【0053】マイクロ波放電の装置の場合は、直流放電
の場合と異なり、パッシェンの法則を適用するためのパ
ラメータたる電極間距離及び電界強度を特定できない。
しかし、定性的にはこの法則に従う。
【0054】例えば、Roth, J.R., "Industrial Plasma
Engineering, Volume 1: Principls", Institute of P
hysics Publishing Ltd., Bristol, UK(1995).の485
〜500頁に記載されるように、マイクロ波放電におけ
る絶縁破壊は複雑な物理現象であり、DC放電における
パッシェン則のように簡単に与えられない。しかし、こ
の文献に記載されるように、高圧力において絶縁が破壊
するには各電子が衝突毎に不活性ガスをイオン化するに
充分なエネルギーを吸収することが必要であると仮定し
て、絶縁破壊電界と圧力との関係を近似的に求めれば、
圧力およそ10トール程度以上の高圧では、絶縁破壊電
圧が圧力の1乗にほぼ比例する近似式が得られ、即ちパ
ッシェン則と同様の傾向が得られる。また同様に、これ
より低圧側では、近似的にパッシェン則と同様の傾向、
即ち絶縁破壊電圧が圧力に反比例する傾向が得られる。
更に、ヘリウムガスに少量の水銀を添加したガス(「H
egガス」)による実験でも、あるマイクロ波パワーに
対して、これらの近似式と同様にパッシェン則に対応し
た結果を示していることが、上記の文献に記載されてい
る(例えば、492頁、Figure 13.17)。
【0055】このように、パッシェン則を利用して中間
層のプラズマの発生を防止するには、前出の特開平5−
166596号公報に記載されるように、中間層の圧力
を反応層よりもかなり低く設定することによっても可能
である。しかし、本発明では、ダイヤモンド、ボロンナ
イトライド(BN)、シリコンカーバイド(SiC)、
窒化珪素(SiN)、炭化窒素(CN)、窒化アルミニ
ウム(AlN)等の周期律表第2、第3周期を中心とす
る硬質材料/高温材料の堆積による成膜やエッチングに
対して採用可能な処理装置を提供することが目的の1つ
である。このような材料は、原子半径が小さいため結合
エネルギーが大きく、そのため、これらの合成には、高
密度、高エネルギーのプラズマが必要であり、好適な反
応圧力は少なくとも1トール以上、更に好ましくは40
トール以上である。従って、中間層の圧力を、放電が生
じないような低い圧力に維持するよりも、高い圧力に維
持する方が容易である。例えば、図2によれば、中間層
を数十〜200トール程度の圧力とすれば放電を防止で
きる。更に、圧力勾配を、中間層から反応層へ低くなる
ように与えれば、後述の中間層から反応層への反応ガス
流を容易に形成でき、また、反応ガスが中間層から直接
脱気されることもないため、反応ガスの消費効率が著し
く高くなる。
【0056】図2は、メタン−水素系のガスに対して、
各マイクロ波パワーにおける絶縁が破壊される圧力(放
電開始圧力及び放電維持圧力)を表したものである。具
体的には、メタン−水素系のガスを用いた場合、図2に
示されるように、数百Wのマイクロ波パワーの印加の場
合、200トール(Torr)以上の圧力においては、電界を
集中させる電極を更に用いない限り、放電の開始も維持
もできない。そこで、中間層(図1では領域1)を20
0トール以上となるように圧力を維持すれば、図2から
明らかなように中間層にはプラズマは発生しない。
【0057】図2に示されるように、マイクロ波パワー
が強力な場合(即ち、強い電界強度が存在している場
合)では、放電開始圧力も放電維持圧力も共に高くな
る。しかし、電界強度とマイクロ波パワーとの関係は、
マイクロ波パワーが電界強度の自乗に比例する関係であ
ることから、マイクロ波パワーを10倍に増加させて
も、電界強度は101/2 倍程度にしかならない。それゆ
え、マイクロ波の場合のパッシェンの法則から、(1)
式でPが高い範囲では分子の1次の項が分母の対数の項
に比べて支配的になるため、このときの絶縁破壊電界
(放電開始の電界強度)は、式(2)に示すように圧力
に比例する値よりは小さいと類推できることから、放電
開始圧力は、たとえマイクロ波パワーを10倍に増加さ
せても、101/2倍程度も増加しないと考えられる。放
電維持圧力に関しても同様の傾向がある。
【0058】本発明の中間層の好適な圧力範囲は印加す
る電界強度によって異なるが、後述する実施例において
は、マイクロ波パワーが100W程度では、中間層は1
00トール程度の圧力であればよい。マイクロ波パワー
を増加させると、中間層内にプラズマを発生させないた
めには200トール以上の圧力が必要となる。また、以
下に述べるプラズマジェットに関して、強いプラズマジ
ェットを得るためには、中間層と反応層との差圧を高く
する必要がある。但し、後述の実施例で述べられるよう
に、中間層の圧力を2気圧(atom)(1520トール)以
上にすると、装置の窓の固定が困難になり、装置として
実用的ではなかった。
【0059】なお、高周波の電磁波を反応炉に導入して
プラズマの形成を行う場合においても、図2のグラフと
同様の、放電維持圧力と放電開始圧力の関係が得られ
た。
【0060】本発明は、上記の通り硬質材料の合成にも
使用可能な処理装置を提供することを目的の1つとして
いる。硬質材料を高速で合成するためには、高温高圧の
プラズマが必要であるが、プラズマが局所的に高温とな
り、マイクロ波導入窓の損傷が激しくなる。そこで、本
発明のように、中間層を設けて高温高圧のプラズマを導
入窓から離すことにより、導入窓の損傷を防止しつつ高
温高圧のプラズマで処理を行うことが可能となる。
【0061】このとき、高温高圧のプラズマに直接曝露
されるのはコンダクタンス導入窓である。マイクロ波導
入窓は、真空を止めるための窓でもあり、即ち、マイク
ロ波導入窓を介した圧力差はかなり高くなる。従って、
マイクロ波導入窓にはかなり高い応力が作用することに
なり、これが更に高温高圧のプラズマに直接曝露されれ
ば、すぐに使用不能となってしまう。本発明では、プラ
ズマに直接晒されるコンダクタンス調整窓を介した圧力
差はさほど高くないため、調整窓に作用する応力も低
く、高温高圧のプラズマに晒されても損傷をさほど考慮
しなくてよい。
【0062】本発明の装置の第2番目の特徴は、図1に
例示されるように、ガスの中間層(図1では領域1)と
反応層(領域2)とを仕切るコンダクタンス調整窓30
により、反応炉内にプラズマジェットが形成されること
である。
【0063】このことにより、反応層(領域2)に形成
されるプラズマがコンダクタンス調整窓30から離れ、
コンダクタンス調整窓30のプラズマによるスパッタリ
ングを最小限に抑制することができる。
【0064】本発明の装置の第3番目の特徴は、中間層
(領域1)と反応層(領域2)との差圧により、コンダ
クタンス調整窓30を介して反応層側へ吹出されるガス
流(図1(a)では矢印32で示される)によって、反
応層内の電界分布によるプラズマの不均一を補償して、
基板内の膜厚分布をなくすことである。
【0065】図1(b)は、コンダクタンス調整窓30
の上面図である。マイクロ波の電界分布によるプラズマ
の不均一が補償されるようなガス流が反応層内に形成さ
れるためには、コンダクタンス調整窓30に形成される
孔の大きさ及び配置を調整すればよい。例えば、2.4
5GHzのマイクロ波を用いる場合は、自由空間では1
/4波長(約3cm)の範囲内で、電界の節と腹が形成
される。この電界分布は、装置の設計により最小限にす
ることが可能であるが、分布を完全になくすことは不可
能である。そこで、電界の強弱に合せて、ガスの吹出し
孔を調整することにより、基板面上のプラズマの分布を
最小限に抑えることが可能となる。
【0066】ここで、本発明に従った構成の処理装置に
おいて、中間層と反応層との圧力差を一定にし、且つ、
中間層から反応層への適切なガス流れを形成するための
コンダクタンス調整窓の設計の一例を示しておく。図1
に示されているように、中間層(領域1)と反応層(領
域2)との圧力差及び中間層から反応層へのガス流れ3
2は、ガス供給管22へのガス流入量と、ガス排出管2
4からのガス排出量と、コンダクタンス調整窓によって
与えられる中間層から反応層へのコンダクタンスとによ
って決定する。
【0067】図10は、具体的なコンダクタンス調整窓
の一例の上面図である。本発明に従った処理装置に好ま
しく使用可能なコンダクタンス調整窓は、例えば、図1
0に示されているコンダクタンス調整窓100のよう
に、円板状で中心附近に孔102が配置されていてもよ
い。このような孔の配置を有するコンダクタンス調整窓
に対し、孔の数を変化させた場合の流量への影響を、以
下のように評価した。図1に示されるような処理装置に
おいて、中間層の圧力が200トール、反応層の圧力が
100トールの場合、即ち中間層と反応層との差圧が1
00トールである場合、コンダクタンス調整窓を介して
中間層から反応層へ流れるガスの流量が1SLM(SL
M:Standard Liter per Minute )となるような、各孔
の直径とコンダクタンス調整窓の厚さとの関係を、図1
1に示す。
【0068】即ち、図11には、孔が1個、10個及び
25個の場合において、与えられた圧力条件に対して流
量を一定に保つための孔の直径とコンダクタンス調整窓
の厚さとの関係が与えられている。所望の圧力条件は、
前述の放電開始圧力及び放電維持圧力から求められるの
で、この条件に対して、プラズマをコンダクタンス調整
窓から離し且つ基板の近傍に均一に分布させるに充分な
ガス流量を確保するための適切なコンダクタンス調整窓
を設計することができる。
【0069】また、本発明に従った処理装置のように、
図26に模式的に与えられる比較的短い円筒状(直径を
d、長さをlとする)の容器の場合、圧力P1(Pa)
及びP2(Pa)と流量Q(Pa・m3・s-1)とコンダ
クタンスC(m3・s-1)との関係は、ポアズユ式を修
正した次式で与えられる。
【0070】
【数4】
【0071】この式を用いることにより、所望の圧力条
件及び流量を実現するためのコンダクタンスCを求める
ことができる。そして、コンダクタンスCを与えるため
のコンダクタンス調整窓は、簡単な実験によって設計で
きる。
【0072】
【実施例】以下、添付された図面を参照して、本発明の
実施例を説明する。尚、図面中、共通の要素には同一の
符号を付し、重複する説明を省略する。
【0073】(実施例1)図3は、本発明に従った差圧
型マイクロ波プラズマジェット法の装置の断面図であ
る。本実施例では、この図3に示される装置を用いて、
Si基板上にダイヤモンド膜を形成した。
【0074】図3に示されるように、本実施例で用いら
れる差圧型マイクロ波プラズマジェット装置310は、
反応炉312と、マイクロ波源(図示されず)からのマ
イクロ波を反応炉312に導入するための導波管316
とを備える。反応炉312内には、基板18を支持する
基板ホルダ320が配置される。
【0075】図3に示されるように、反応炉312は、
フランジ323、324の部分で上下に2分割されてい
る。反応炉312の組立に際し、フランジ323とフラ
ンジ324との合わせの部分に、Oリング326と共に
石英製の真空窓328が設置される。反応炉312内部
は更に、開口を有する石英製のコンダクタンス調整窓3
30(εr=3.75)を具備することにより、反応層
と中間層とに分割される。コンダクタンス調整窓330
の開口は、例えば、図1(b)に示される如きである。
また、中間層には、プラズマを形成するためのガスを導
入するためのガス供給管322が接続され、また、ガス
排出のための排気管(図示せず)が反応層の下部に具備
されて、反応層内の消費済みのガスが反応層から反応炉
の外へと排出される。
【0076】ここで、中間層の圧力が反応層の圧力より
も高く設定されているため、矢印332のようにガス流
れが中間層からコンダクタンス調整窓330を介して反
応層側へと吹出す。基板18の周囲には、ガス流れを制
御するための石英円筒334が配置される。所定の組成
のガスが供給されて圧力が所定値に達した後マイクロ波
が導入されれば、点線336で模式的に示されるように
プラズマが基板上方に発生する。即ち、コンダクタンス
調整窓330から矢印332の如く吹出されたガスは、
マイクロ波の電界により励起されて点線336のように
プラズマ化し、基板上にダイヤモンドを成長させる。
尚、この点線336は、必ずしもプラズマの等密度曲線
を表すものではない。
【0077】図3に示されるように、反応炉312の反
応層内で発生されるプラズマの位置を微調整するため、
反応炉上部には、同軸アンテナの高さの調整を行うため
の同軸高さ調整用つまみ338と、アンテナ側の終端板
の高さを調整するための終端板高さ調整用つまみ340
とが備えられる。
【0078】本実施例では、以下のような手順で、ダイ
ヤモンドの成長を行った。まず、真空用窓328とコン
ダクタンス調整窓330との間の中間層の圧力を300
トールに設定した。この300トールの圧力は、本実施
例のガス組成とマイクロ波パワーの条件においては、プ
ラズマ維持圧力よりも低い圧力である。従って、中間層
にプラズマが形成されることはない。
【0079】本実施例におけるダイヤモンド成長の条件
は、以下の通りであった: 水素(H2 )体積流量 : 1 (SLM) メタン(CH4 )体積流量 : 0.03(SLM) 二酸化炭素(CO2 )体積流量 : 0.01(SLM) 反応層内圧力 : 100(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 7(kW) 基板温度 : 1,000(℃) (SLM:Standard Liter per Minute )。
【0080】以上の条件で、直径4インチ(約101.
6mm)のSi基板上に、3μm/hrの成長速度(堆
積速度)でダイヤモンドの成膜を行うことができた。コ
ンダクタンス調整窓330の開口(孔)を最適化するこ
とにより、100時間成長後の4インチφ基板面内のダ
イヤモンド膜厚のばらつきは、5%以内であった。即
ち、100時間もの長時間にわたって、安定なダイヤモ
ンド成膜が維持され続けられたことが示された。成膜
後、Si基板をフッ硝酸により溶解して、ダイヤモンド
の自律膜を得た。この膜は、赤外から紫外まで、理論的
な透過率に近い71%の透過率を示した。従って、この
ダイヤモンドの自律膜は、窓材として用いるための優れ
た性質を有していることが明らかになった。
【0081】本実施例の結果を従来技術により得られる
結果と比較するため、コンダクタンス調整窓を有しない
反応炉352を備えたマイクロ波プラズマCVD装置3
50を用いて、同様の成長条件で4インチSi基板上に
ダイヤモンドを成膜した。
【0082】図4は、この比較例において用いられたマ
イクロ波プラズマCVD装置350の断面図である。図
4に示されるように、マイクロ波プラズマCVD装置3
50は、反応炉352内にコンダクタンス調整窓を有し
ないこと以外は、全て図3に示される差圧型マイクロ波
プラズマジェット装置310と同様であった。即ち、差
圧型マイクロ波プラズマジェット装置310との顕著な
相違点は、マイクロ波プラズマCVD装置350内部で
は中間層が形成されておらず、真空用窓328は、発生
したプラズマに直接晒されることである。また、基板1
8に対して、図3の矢印332に示されるようなガス流
れは、マイクロ波プラズマCVD装置350の反応炉3
52内には形成されていないことも、重要な相違点であ
る。
【0083】上記の差圧型マイクロ波プラズマジェット
装置310を用いた実施例と同様のダイヤモンド成長の
条件によって、マイクロ波プラズマCVD装置350の
反応炉352内で、基板18上にダイヤモンドを成長さ
せた。
【0084】この従来技術に従った比較例によって得ら
れた結果と、上述の本発明に従った実施例で得られた結
果とを比較する。比較例では、石英製の真空窓328が
プラズマに直接晒されるため、高温まで加熱されると共
にスパッタされた。このため、真空用窓を数十時間毎に
洗浄又は交換する必要が生じた。これに対し、実施例で
は、100時間の成膜後において、真空用窓には目視に
よって損傷が見出されなかった。更に、比較例では、真
空窓328を固定するOリング326の変形が生じた
が、実施例では、Oリングの変形は見られなかった。ち
なみに、実施例では、100時間の成膜後も、コンダク
タンス調整窓330には目視による検査では損傷は見出
されなかった。
【0085】また、比較例では、コンダクタンス調整窓
を介したガス流れを形成していないため、成膜速度が基
板表面上の場所によってばらつき、100時間成膜後の
膜厚分布は30%であった。
【0086】以上、本発明に従って、コンダクタンス調
整窓を反応炉に設置して、反応炉内に中間層を形成し、
更に、中間層と反応層の圧力を調整して、中間層内にプ
ラズマの形成を防止して反応層にプラズマを安定して形
成した。また、反応層内に中間層からのガス流れを形成
した。そして、このような成膜工程により、成膜の安定
性が著しく向上し、また、真空用窓の損傷が防止された
ことが示された。
【0087】(実施例2)本実施例では、差圧型マイク
ロ波プラズマジェット装置の反応炉内部に、ダイヤモン
ドを形成するための基板に平行且つ電界に垂直になるよ
うに、接地された対向電極を設置することにより、反応
炉の反応層内に形成される電界を、対向電極と基板との
間に集中させ、また、電界分布を平均化することが可能
であることを示す。
【0088】図5は、本実施例で用いられた差圧型マイ
クロ波プラズマCVD装置510の断面図である。図5
に示されるように、本実施例に用いられる差圧型マイク
ロ波プラズマCVD装置510は、反応炉512内部
に、接地されたリング状の対向電極550を有し、コン
ダクタンス調整窓がドーム状の形状であること以外は、
図3に示される差圧型マイクロ波プラズマCVD装置3
10と同じ構成である。リング状の対向電極550は、
真空用窓328とコンダクタンス調整窓530との間の
中間層に配置された。実施例1と同様に、中間層と反応
層との圧力が設定され、ドーム状のコンダクタンス調整
窓530の開口から、矢印532のようにガス流が形成
された。対向電極550により基板18周囲の電界分布
が平均化され電界の減衰が抑えられた結果、点線536
で模式的に示されるように、プラズマの集中と制限の効
果が得られた。
【0089】実施例1のダイヤモンド成長の条件に従っ
て、ダイヤモンドの成膜を行った結果、4インチφのS
i基板上に4μm/hrの成長速度を達成した。100
時間成膜後の膜厚のばらつきは、4インチφ基板面内で
3%以内であった。このように、長時間にわたって均一
な成膜が行われたことが示された。また、実施例1と同
様に、100時間の成膜後も、真空用窓328とコンダ
クタンス調整窓530の損傷は目視で観察されなかっ
た。
【0090】(実施例3)本実施例では、ダイヤモンド
を形成するための基板(基材)が三次元形状を有する場
合において、差圧型マイクロ波プラズマジェット法によ
るダイヤモンドの成膜を示す。図6は、本実施例に用い
られた対向電極付き差圧型マイクロ波プラズマジェット
装置610の断面図である。本実施例の対向電極付き差
圧型マイクロ波プラズマジェット装置610は、実施例
2と同様に、真空用窓328とコンダクタンス調整窓6
30との間の中間層内に対向電極650を備える。コン
ダクタンス調整窓630の内部には、三次元形状を有す
るSi基材618がホルダ320の上に載置されてい
る。Si基材618は、曲率半径4cmのSiドームで
あった。コンダクタンス調整窓630の形状は、Si基
材618のドーム形状に対して相似形ではないものの、
比較的類似したベルジャ型の形状を有しており、図3に
示される板状のコンダクタンス調整窓330に比べれ
ば、基材の形状に応じた形状ということができる。実施
例1、2と同様に、中間層と反応層の圧力は調整され
て、矢印632のようにガス流れが形成され、点線63
6で模式的に示されるように、プラズマが基材618の
周囲で発生した。
【0091】本実施例では、以下のダイヤモンド成長条
件で、三次元形状を有するSiドーム上にダイヤモンド
の形成を行った。: 水素(H2 )体積流量 : 1 (SLM) メタン(CH4 )体積流量 : 0.03(SLM) 二酸化炭素(CO2 )体積流量 : 0.01(SLM) 反応層内圧力 : 80(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 6(kW) 基板温度 : 1,000(℃)。
【0092】成長時間は2時間とした。このように行わ
れたダイヤモンドの成長では、2μm/hrの成長速度
が達成された。また、ドームSi基材全体の膜厚分布
は、10%であった。
【0093】これを従来技術による結果と比較するた
め、図4に示される装置を用いて、上記の条件により、
ドーム状のSi基材618上にダイヤモンドを形成する
ことを試みた。しかし、ドームの端の部分にガスが廻り
込まなかったために、端の部分ではダイヤモンドの形成
が見られなかった。
【0094】従って、本実施例では、本発明を利用すれ
ば、三次元形状を有する基材上にも、比較的均一にダイ
ヤモンドを成長させることが可能であることが示され
た。尚、本実施例は変形が可能であり、例えば、図6に
示されるようなドーム形状の基材に対して立方体箱型の
コンダクタンス調整窓を用いる等、基材の形状が凸型で
あれば、これに応じてコンダクタンス調整窓も凸型の形
状のものを用いればよい。但し、均一な膜質やエッチン
グを与えるように、基材の形状に応じたコンダクタンス
調整窓の形状の効果を実験により確認する必要がある。
【0095】(実施例4)本実施例では、マイクロ波阻
止のための導電性グリッドが更に具備された対向電極付
き差圧型マイクロ波プラズマジェット装置を用いて、ダ
イヤモンドをSi基板上に成長させた。
【0096】図7は、本実施例で用いられたグリッド及
び対向電極付き差圧型マイクロ波プラズマジェット装置
710の断面図である。このマイクロ波プラズマジェッ
ト装置の反応炉712の内部には、真空用窓328と石
英製のコンダクタンス調整窓730との間の中間層に配
置されたリング状対向電極750と、コンダクタンス調
整窓730の内側の反応層内に設置された導電性グリッ
ド760とを備える。導電性グリッド760は、ダイヤ
モンドを表面にコーティングしたタンタル(Ta)フィ
ラメントを用いた。
【0097】本実施例では、以下のダイヤモンド成長条
件により、4インチφのSi基板上にダイヤモンドを形
成した: 水素(H2 )体積流量 : 500 (sccm) メタン(CH4 )体積流量 : 10(sccm) 二酸化炭素(CO2 )体積流量 : 2(sccm) 反応層内圧力 : 60(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 3(kW) 基板温度 : 300(℃) (sccm:Standard Cubic Centimeter per Minute)。
【0098】本実施例では、導電性のグリッド760を
基板18の真上に配置することにより、マイクロ波によ
る基板18の誘導加熱が防止される。その結果、300
℃という低い基板温度で、0.5μm/hrという、低
温合成では比較的高い成膜速度が達成された。
【0099】また、導電性のグリッド760の材質に関
しては、種々試行した結果、成膜されたダイヤモンドへ
の汚染物の混入が少ない点から、表面にダイヤモンド又
はグラファイトをコーティングしたものが好ましく、更
に好ましくは、表面にダイヤモンド又はグラファイトを
コーティングしたタンタル、タングステン等の高融点金
属を用いればよいことが見出された。
【0100】(実施例5)本実施例では、図5に示され
る対向電極付き差圧型マイクロ波プラズマジェット装置
を用いて、実施例2で合成されたダイヤモンドのエッチ
ングを行った。エッチングにあたっては、プラズマの適
切な発生のための中間層と反応層の圧力条件の調整を行
い、反応層のみにプラズマが発生し中間層にプラズマが
発生しないような条件を見出してから、以下の条件でエ
ッチングを行った。
【0101】エッチング条件は、以下のとおりであっ
た: 酸素(O2 )体積流量 : 500(sccm) テトラフルオロカーボン(CF4 )体積流量: 200(sccm) 圧力 : 60(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 3(kW) 基板温度 : 300(℃)。
【0102】この様な条件で、4インチφ基板上のダイ
ヤモンドをエッチングした。その結果、4インチ基板全
体の平均エッチング速度が、10μm/hrという高速
なエッチングが達成できた。また、面内のエッチング速
度のばらつきは、3%以内であった。一方、実施例2と
同様に、エッチング後も真空窓328及びコンダクタン
ス調整窓530の損傷は観察されなかった。
【0103】以上のように、本発明に従った装置を用い
ることにより、適切なプラズマを基板周囲のみに発生さ
せることができ、均一且つ高速なエッチングが得られる
ことが示された。
【0104】(実施例6)本実施例では、図5に示され
る対向電極付き差圧型マイクロ波プラズマジェット装置
を用いて、高圧相の六方晶BN(c−BN)の合成を行
った。
【0105】本実施例の合成条件は、以下の通りであっ
た: ジボラン(B26 、水素希釈10%)体積流量: 500(sccm) アンモニア(NH3 )体積流量 : 500(sccm) 圧力 : 100(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 5(kW) 基板温度 :1,000(℃)。
【0106】この条件で、4インチφSi基板上への成
膜を10時間行った。成膜後の膜厚は、11μmであっ
た。そして、成膜された膜をX線及びFTIRを用いて
分析を行った結果、閃亜鉛鉱型の結晶構造を有するc−
BNが合成されて、Si基板上に形成されていることが
判明した。
【0107】(実施例7)本実施例では、高周波誘導結
合プラズマジェット装置を用いて、ダイヤモンドをSi
基板上成長させた。
【0108】図8は、本実施例で用いた差圧型高周波誘
導結合プラズマジェット装置810の断面図である。図
8に示されるように、高周波誘導結合プラズマジェット
装置(RFICプラズマジェット装置)810は、反応
炉812の上部に、RFソースからのRFを印加するた
めのコイル850を有する。コイル850は、例えば、
図9の上面図に示されるような形状を有している。
【0109】RFICプラズマジェット装置810の真
空用窓328及びコンダクタンス調整窓330の材質や
構成等は、図3等に示されるマイクロ波プラズマジェッ
ト装置の真空用窓328及びコンダクタンス調整窓33
0と同様であった。
【0110】ガスの流量と圧力は実施例1と同じ条件
で、RFソースから13.6MHz、1kWのRFがコ
イル850に印加されて、基板18上にダイヤモンドが
実施例1と同様に形成された。即ち、RFを用いた場合
でも、実施例1と同様にダイヤモンドの成長を行うこと
ができることが見出された。更に、実施例1と同様に、
真空用窓とコンダクタンス調整窓の損傷は観察されなか
った。
【0111】また、このRFICプラズマジェット装置
810を用いて、実施例5と同様にダイヤモンドのエッ
チングを行ったところ、実施例5と同様のエッチング速
度が達成された。
【0112】更に、このRFICプラズマジェット装置
810を用いて、実施例6と同様にc−BNの合成を試
みたところ、実施例6と同様に、c−BNが合成された
ことが確認された。
【0113】尚、本実施例は変形が可能であり、例え
ば、コイルを用いて高周波パワーを印加する誘導結合型
ではなく、反応炉内に平行平板を設けて高周波パワーを
印加する容量結合型のプラズマジェット装置を用いて、
同様にダイヤモンドの成長を行ってもよい。
【0114】(実施例8)本実施例では、石英製のベル
ジャーを反応チャンバとして用いた硬質材料の合成を例
示する。また、ホーン形状のマイクロ波導入器をこのベ
ルジャー型反応チャンバの外側を覆うように配置するこ
とにより、反応チャンバであるベルジャーの石英の壁が
マイクロ波導入の窓として機能する。この構成により、
処理装置全体を簡略化することができた。また、ベルジ
ャー内の基板ホルダの周囲に実施例1と同様に石英製の
円筒管を配置し、更にその上に石英製のコンダクタンス
調整窓を配置した。この構造を採用することにより、石
英製円筒管と石英製コンダクタンス調整窓の交換が容易
になった。更に、プラズマを発生させる領域の近傍に別
の反応ガスの流出口を配置することにより、硬質材料に
対してドーピングを行うことが可能となった。
【0115】一方、基板ホルダに駆動装置を接続して回
転可能とした。基板を高速で回転することにより、基板
面上のガスの境界層を薄くして、成長速度を上げること
ができた。
【0116】図12には、本実施例で用いた処理装置の
構成が示される。図12に示されるように、処理装置1
10は、反応チャンバである石英製のベルジャー112
を備えている。ベルジャー112にマイクロ波を導入す
るためのホーン型マイクロ波導入器114が、ベルジャ
ー112をその内部に包含するように配置される。マイ
クロ波導入器114には、導波管120a及び120b
を介して、マイクロ波発生源116が接続されており、
また、マイクロ波発生源116の下流には、マイクロ波
のチューニングを行うためのチューナー118が挿入さ
れている。
【0117】一方、図12に示されるように、ベルジャ
ー112内に、第1の反応ガス源122が、ガス流通路
123を介してベルジャー内に接続される。更に、ベル
ジャー112内に供給するための第2の反応ガス源12
4が、ガス流通路125を介してベルジャー内に接続さ
れる。ベルジャーから排気を行うため、真空ポンプ12
6がガス流通路127を介してベルジャー内に接続され
る。このように、2つのガス導入路123及び125を
設けることにより、コンダクタンス調整窓134からの
ガス流れ139の流量と、合成に必要な反応ガスの導入
量とを、所望の反応層内圧力に対して精密に調節するこ
とが可能となる。本実施例では、第1のガス供給源12
2と第2のガス供給源124とは、同じ組成の反応ガス
の混合ガスを供給する。
【0118】図13には、ベルジャー112及びマイク
ロ波導入器114の詳細が示される。図13に示されて
いるように、石英製のベルジャー112の内部の中央に
は、基板130を支持するための基板ホルダ128が配
置されている。図13では、基板ホルダ128上の基板
130の支持状態を模式的に表しているが、基板ホルダ
128の詳細は後述する。
【0119】図13に示されているように、ベルジャー
112の内部には、石英製の円筒132が基板ホルダ1
28を包囲するように配置されている。石英製円筒13
2の上部にコンダクタンス調整窓134が配置され、図
13に示されているように、ベルジャー112の内部
を、コンダクタンス調整窓134の外側の中間層と、内
側の反応層とに隔てている。ベルジャー112は、平坦
な底板136上に固定されている。マイクロ波を導入す
るためのホーン形状のマイクロ波導入器114が、円筒
形の治具138底板136上に置かれている。マイクロ
波導入器114の側面には、プラズマの観察、計測用の
ため、直径10mm以下の複数の穴が、少なくとも3m
m以上の間隔、好ましくは5〜10mm間隔で形成され
ている。
【0120】図12及び13に示されているように、第
1のガスソース122からのガス流通路123は、ベル
ジャー112内部で石英円筒132の外側(即ち中間
層)に連通している。一方、第2のガスソースからのガ
ス流通路125は、コンダクタンス調整窓134の内側
(即ち反応層)に設置されている導管140に連通して
いる。従って、第1のガス供給源からのガスは中間層に
供給され、矢印139のようにコンダクタンス調整窓1
34を介して反応層へと流入する。一方、第2のガス供
給源からのガスは、直接反応層内へと供給される。底板
136には更に、真空ポンプ126に接続されるガス流
通路127が接続されている。
【0121】このような構成では、反応ガスを石英ベル
ジャー112と石英円筒132との間に流すことによ
り、プラズマによって加熱される石英円筒132及びコ
ンダクタンス調整窓134並びにこの熱の放射により加
熱されるベルジャー112を冷却することができる、ま
た同時に、反応ガスが予備加熱されるため、合成効率を
更に向上することが可能となる。
【0122】図13に示されるように、底板136に
は、ベローズを取り付けるための環状のフランジ141
が固定されている。基板ホルダの円柱状の下部には、環
状のベローズ固定板145がこの円柱状部に外接して固
定されている。フランジ141とベローズ固定板145
との間にベローズ147が、基板ホルダ126を囲むよ
うに配置される。このベローズ147は、基板ホルダの
高さ及び水平状態を調節するためのものである。
【0123】基板ホルダ128の内部を貫通するシャフ
ト144には、高速回転を与えるためのモータ142と
磁気流体軸受143とから成る駆動手段に接続されてい
る。基板を高速で回転させることにより、均一な成膜が
可能となる。しかし、本実施例の装置110では、コン
ダクタンス調整窓134から反応層内へと吹出すガス流
によって、プラズマが基板近傍に集中する。従って、基
板がかなりの高温となる。基板受けに接続されたシャフ
ト144は、熱伝導率の非常に低いSUS310S製で
あるため、基板に与えられた熱がシャフト144から外
へと移動できずに、シャフト全体が非常に高温になる。
シャフト144は下端で磁気流体軸受134に接続して
おり、この磁気流体軸受143を損傷させないために
も、シャフト144から熱を効果的に移動させるする必
要がある。本実施例では、図14に示されるような基板
ホルダを用いた。この基板ホルダは、基板から放熱する
機能をも有しているものである。
【0124】図14は、本実施例で用いた基板ホルダ1
28の断面図である。図14に示されるように、円板状
の基板ホルダ128は、円板状の基板130を支持する
ためのモリブデン製基板受け146と、基板受け146
に接続されるSUS310S製の円柱状シャフト144
と、基板受け146を包囲する基板ホルダ本体148
と、基板ホルダ本体148上に配置される環状の銅リン
グ149と、銅リング149の上に配置される石英リン
グ150とから成る。基板受け146は、銅リング14
9、石英リング150及び基板ホルダ本体148との間
には、幅約0.1〜1.0mm程度のクリアランス15
2が形成されている。シャフト144と基板ホルダ本体
148との間にも、基板受け146の下方から連通する
同じ程度の幅のクリアランス152が形成されている。
クリアランス152の外側には、排気パイプ158が形
成されている。このクリアランス152はシャフト14
4下方に、排気パイプ158へ開く開口154を具備し
ている。即ち、クリアランス152は流通路であり、矢
印156の如く流入したガスがクリアランス152を通
り抜けて、矢印157のように開口154から排気パイ
プ158へ向かって抜けていく。シャフト144は、高
速回転を与えるためのモータと磁気流体軸受134とか
ら成る駆動手段に接続されている。基板ホルダ148に
は、点線矢印160のように冷却水を流すためのジャケ
ット構造が包含されているが、その詳細はここでは省略
する。
【0125】図14に示されている基板ホルダ128で
は、シャフト144を構成する材料の熱伝導率が低い
が、基板受け146及びシャフト144に隣接したクリ
アランス152内に、熱伝導率の高い水素を主な成分と
する反応ガスが流れるようになっている。この様な構成
によって、プラズマから基板に与えられた熱により加熱
されたシャフト144から、クリアランス152内を流
れるガスを介して熱を取り除くことができる。即ち、成
膜を均一にするための基板の高速回転が、クリアランス
152内へのガスの拡散をも実現する。本実施例では、
約1000rpmで基板を回転した。ガス流れを形成す
る観点から、好ましくは、回転数は300〜3000r
pmであればよい。
【0126】基板ホルダによる基板の回転の効果には、
更に図14の矢印156で示されるようなガス流れを基
板130の近傍に形成することにより、プラズマをコン
ダクタンス調整窓から更に遠ざけ基板に近づけることが
できる点を挙げることもできる。また、この基板ホルダ
の高速回転により排気効果が生じ、更に効果的に差圧を
発生することができる。このような高速回転の効果につ
いては、例えば、 R.Pollard and J. Newman,"Silicon
deposition on a rotating disk", J. Electrochem. So
c., vol. 127, pp. 744(1980)に記載されている。
【0127】本実施例では、シャフト144の径は10
mm、長さは60〜70mm程度である。また、シャフ
トの熱伝導率kは、20(w/mK)である。シャフト
からクリアランス内のガスへの熱移動は、ほぼ熱伝導で
あり、効率の良い熱移動が達せられた。後述のプロセス
条件では、このような除熱を行わなければ、基板の温度
は1000℃以上になるが、図14に示される構成によ
り、シャフト144下端の温度を約100℃程度に維持
しつつ磁気流体軸受134の損傷を抑止しつつ成膜を行
うことができた。
【0128】次に、図12〜14に示される装置を用い
て、ダイヤモンドの合成を行った例を2つ示す。まず、
ボロン(B)ドーピングしたダイヤモンドの合成の例を
示し、次いで、ノンドープダイヤモンドの合成の例を示
す。
【0129】図12〜14に示される装置を用いて、ボ
ロンドープダイヤモンドを、以下のように合成した。直
径4インチ(約102mm)のシリコン基板上に、以下
条件によって、マイクロ波プラズマCVDによりボロン
ドープダイヤモンド膜を合成した: 水素(H2 )体積流量 : 1 (SLM) メタン(CH4 )体積流量 : 0.03(SLM) 二酸化炭素(CO2 )体積流量 : 0.01(SLM) ジボラン(B26)体積流量(水素希釈、濃度1000ppm) : 0.1(SLM) 反応層内圧力 : 100(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 12(kW) 基板温度 : 1000(℃) 基板回転 : 1000(rpm) (SLM:Standard Liter per Minute )。
【0130】中間層の圧力は、300トールであった。
また、上記のガス流量は、2つのガス流通路123及び
125を介して供給されるガス流量の合計である。
【0131】以上の条件で、直径4インチのSi基板の
上に、4.1μm/hrの成長速度でダイヤモンドの成
膜が達せられた。また、コンダクタンス調整窓の構成及
び2つのガス流通路のガス流量を最適化することによ
り、基板面内の堆積膜厚のばらつきは3%以内に収める
ことができた。成膜後、Si基板をフッ硝酸により溶解
して除去し、ボロンドープダイヤモンドの自律膜を得る
ことができた。このボロンドープダイヤモンドの抵抗率
は0.02Ωcmであった。
【0132】次に、上記の成長条件にジボランの供給の
みを止めて、ノンドープダイヤモンドの合成を行った。
このとき、汚染防止のため、石英ベルジャー112、石
英円筒132、コンダクタンス調整窓134及び基板受
け146を交換してから、ノンドープダイヤモンドを合
成した。
【0133】同じく直径4インチのSi基板上に、5μ
m/hrの成長速度で、ノンドープダイヤモンドの成膜
が達せられた。ドープ膜と同様にSi基板をフッ硝酸に
よって溶解して除去し、ノンドープダイヤモンドの自律
膜を得ることができた。このノンドープダイヤモンド膜
の透過率を調べたところ、赤外から紫外に至るまでの幅
広い波長の光に対して、理論的な透過率に近い71%の
透過率を示すことが確認され、窓材として優れた性質を
有していることが判った。
【0134】以上のように、成膜しようとする材料組成
に対応して、石英ベルジャー112、石英円筒132、
コンダクタンス調整窓134、基板受け146及び石英
リング150を交換するだけで、1つの処理装置を用い
て様々な材料の膜を合成することが可能となる。また、
ドーピング濃度に併せてこれらの部品を含めた反応室内
の反応環境に曝露される部品を交換することにより、ド
ーピングの濃度等の再現性を向上させることが可能とな
った。
【0135】ここで、基板の回転が堆積の均一性を向上
させる効果を実証するため、図12〜図14に示された
装置において基板の回転を行わず、その他は全て上述の
ボロンドープダイヤモンド膜の合成の条件と同じ条件
で、4インチφのSi基板上にボロンドープダイヤモン
ド膜を堆積した。このとき、成長速度は3.5μmであ
り、膜厚分布は5%となった。また、シャフト下端の温
度が上昇した。従って、基板回転は、成膜の均一性に対
して大きな効果があると共に、シャフトの過熱を防止す
る効果もあることが確認された。
【0136】なお、本実施例の処理装置を用いて、直径
4インチよりも大きな基板に対して均一な成膜を実現す
るため、基板ホルダ及びマイクロ波導入器とベルジャー
とを相対的に3次元運動させることも可能である。図1
5には、基板ホルダ128を固定したままで、ベルジャ
ー112及びマイクロ波導入器114を上下左右に運動
させることができる処理装置が示される。
【0137】図15に示されている処理装置では、基板
ホルダ128が、土台161に固定されている固定台1
62に直接固定されている。この装置では、基板を回転
させるためのモータ及び磁気流体軸受は具備していな
い。また、支持柱163が土台に固定されている。支持
柱163の上方には、水平棒164が支持柱163に固
定され、その先端に、上下運動(z方向への運動)を与
える上下運動用ステップモータ165が固定されてい
る。ステップモータ165の上下運動を伝達する軸16
6には、ベルジャー112とマイクロ波導入器114と
を載置している底板136に固定された支持枠167が
接続されている。支持柱163の下方には、第2の水平
棒168が接続されている。第2の水平棒は、支持柱に
接続されたまま上下に可動となっている。第2の水平棒
168の先端には、水平面上での2次元運動(x方向及
びy方向への運動)を与えるためのステップモータを2
つ備えたxyステージ169が固定されている。図15
では、図示の都合からxyステージ169は1つしか示
されていないが、実際は、底板の円周方向に等間隔に2
つ以上のxyステージが配置される。複数のxyステー
ジ169は、ボールベアリングを介して底板136を支
えている。
【0138】このような構成によって、基板を固定した
ままベルジャー112及びマイクロ波導入器114を3
次元的に運動させることができ、大面積の基板の表面全
体にプラズマを均一に接触させることができるようにな
る。このとき、成膜の均一のためだけに基板の回転は行
う必要は必ずしもないが、基板回転の効果と組合わせる
ことで、成膜の均一性を一段と向上できる。
【0139】尚、本実施例はマイクロ波プラズマを利用
する装置に関して説明しているが、ホーン状のマイクロ
波導入器を用いる代りに、実施例7に示したようにRF
印加用のコイルを与えて高周波誘導結合処理装置として
もよい。この場合でも、上記のような様々な利点を享受
することができる。
【0140】(実施例9)本実施例では、実施例8で用
いた処理装置110と同様にベルジャーを反応チャンバ
として用いているが、ベルジャー内部のコンダクタンス
調整窓を、グラファイト製とした。コンダクタンス調整
窓をグラファイト製とすることによって、グラファイト
と基板との間にプラズマが集中した。また、グラファイ
トから炭素が供給されるため、使用するメタンの濃度を
下げることができた。更に、グラファイト製のコンダク
タンス調整窓は、対向電極としても機能するため、基板
上方にに形成されるプラズマの密度を更に向上させるこ
とができた。
【0141】図16には、本実施例で用いられた装置1
70のベルジャー内の断面が示される。図16に示され
るように、本実施例の装置170は、ベルジャー内部の
石英円筒132の上にグラファイト製のコンダクタンス
調整窓172が配置されていること以外は、図12、図
13及び図14に示されている装置と同じ構成を有して
いる。この装置を用いて、以下の条件でノンドープダイ
ヤモンドの合成を行った: 水素(H2 )体積流量 : 1 (SLM) メタン(CH4 )体積流量 : 0.01(SLM) 二酸化炭素(CO2 )体積流量 : 0.01(SLM) 反応層内圧力 : 100(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 12(kW) 基板温度 : 1000(℃) 基板回転 : 1000(rpm) (SLM:Standard Liter per Minute )。
【0142】以上の条件で、4インチの基板の上に、1
0μm/hrの成長速度でノンドープダイヤモンド膜を
合成することが達せられた。マイクロ波導入器側面の穴
を介してプラズマを観察したところ、グラファイト製の
コンダクタンス調整窓と基板との間にプラズマが集中し
ていることが確認された。また、コンダクタンス調整窓
の構成を最適化することにより、基板面内の堆積膜厚の
ばらつきを5%に収めることができた。なお、グラファ
イト製のコンダクタンス調整窓を用いているためプラズ
マの集中が効率よく行われたので、本実施例では、コン
ダクタンス調整窓からの流量と導管140からの流量と
のバランスの調節をさほど厳密に行わなくとも、堆積膜
のばらつきが5%とすることができた。
【0143】次いで、Si基板をフッ硝酸によって溶解
して除去し、ノンドープダイヤモンドの自律膜を得るこ
とができた。このノンドープダイヤモンド膜の透過率を
調べたところ、赤外から紫外に至るまでの幅広い波長の
光に対して69%の透過率を示すことが確認され、窓材
として優れた性質を有していることが判った。
【0144】尚、本実施例の変形例として、グラファイ
トが炭素の供給源であることに着目し、コンダクタンス
調整窓を石英製として、反応層の内部に更にグラファイ
ト製の対向電極を配置してもよい。
【0145】(実施例10)本実施例では、基板にバイ
アスを印加するための手段を具備する他は実施例8と同
じ構成の装置を用いて、ノンドープダイヤモンドを合成
した。
【0146】図17には、本実施例で用いられた装置1
74のベルジャーの断面が示される。図17に示されて
いるように、本実施例で用いられた装置174の基板ホ
ルダにおいて、基板130が接する基板受けには、RF
電源178からの導線179が接続されている。
【0147】本実施例では、以下の2段階のバイアス印
加により、直径3インチの(100)配向のSi基板上
に(100)配向のノンドープダイヤモンド膜を成長さ
せた: (第1段階) 水素(H2 )体積流量 : 1 (SLM) メタン(CH4 )体積流量 : 0.06(SLM) 二酸化炭素(CO2 )体積流量 : なし 反応層内圧力 : 100(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 5(kW) 基板温度 : 1000(℃) RF(13.56Hz) : 500(W) 基板セルフバイアス値 : −210(V) 時間 :10(min.) (第2段階) 水素(H2 )体積流量 : 1 (SLM) メタン(CH4 )体積流量 : 0.05(SLM) 二酸化炭素(CO2 )体積流量 : 0.01(SLM) 反応層内圧力 : 100(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 12(kW) 基板温度 : 1000(℃) RF(13.56Hz) : 1(kW) 基板セルフバイアス値 : −250(V) 時間 :100(hr) この条件で、3インチのSi(100)基板上に6μm
/hrの成長速度で(100)配向のダイヤモンド膜の
合成が実現された。このとき、配向膜の膜厚分布は2%
であった。
【0148】この構成を採用することにより、RFパワ
ーもガスの励起に寄与するため、励起源がマイクロ波の
みの場合に比べて、成長速度を上げることが可能となっ
た。
【0149】本実施例の効果を確認するため、図18に
示されている如く、図17の装置に更に、石英円筒13
2内の基板ホルダ128の周りに円筒状アース電極17
6を挿入して、成長初期にDC電源によるバイアスを印
加した。
【0150】しかし、円筒状アース電極176の近傍の
基板周辺部でのみ強いバイアスが印加されたため、3イ
ンチ基板全面に均一に核発生ができず、不均一な膜が成
長した。
【0151】(実施例11)本実施例では、図12〜1
4に示される装置において、石英円筒の上に、コンダク
タンス調整窓の代りに、新たな基板を保持した基板保持
板を配置して、基板2枚を対向させる構成を用いた。ま
た、石英円筒の側面にガス導入用の穴を開けて、これを
コンダクタンス調整窓とした。この構成により、2枚の
基板の間にプラズマを発生させて、基板2枚に同時に硬
質材料を成長させることができた。また、基板が対向電
極として機能するため、プラズマの密度を更に高めるこ
とができた。
【0152】図19は、本実施例で用いられた装置18
0のベルジャーの断面が示される。図19に示されてい
るように、本実施例に用いられた装置180のベルジャ
ー内では、石英円筒181の上に、基板130bを保持
した基板保持板182が、基板ホルダ128に載置され
た基板130aと対向するように配置される。石英円筒
180の側面には、ガス導入用の開口183が形成され
ている。この開口を設けることにより、石英円筒181
がコンダクタンス調整窓として機能し、反応層内に向か
って矢印184で示されるようなガス流れを形成する。
【0153】実施例8におけるノンドープダイヤモンド
の合成の条件と同様の条件を用いて、2枚の4インチ基
板130a及び130bの上にノンドープダイヤモンド
の合成を行ったところ、2枚の基板130a及び130
b共に、4.5μm/hrの成長速度でノンドープダイ
ヤモンド膜の合成が達せられた。
【0154】(実施例12)本実施例では、図12〜1
4に示される処理装置を用いて、シリコンカーバイド
(SiC)の合成を行った。
【0155】本実施例では、ベルジャー112内への2
つのガス流通路123と125でそれぞれ異なるガスを
供給した。第1の反応ガス源122には水素ガス、第2
の反応ガス源124にはモノシラン(SiH4 )とプロ
パン(C38)を供給できるようになっている。ベルジ
ャー112内部で石英円筒132の外側(即ち中間層)
には、第1の反応ガス源122から流通路123を通っ
て水素ガスが供給される。コンダクタンス調整窓134
から反応層内に矢印139のように流入するガスは水素
ガスである。SiH4 とC38は、第2の反応ガス源1
24から流通路125、導管140を通って反応層内に
直接供給される。本実施例においても、基板回転を行っ
た。
【0156】以下の条件で、直径4インチのSi基板の
上にSiCを成長させた: 水素(H2 )体積流量 : 5 (SLM) モノシラン(SiH4 )体積流量: 0.5(SLM) プロパン(C38)体積流量 : 1(SLM) 反応層内圧力 : 100(Torr) マイクロ波周波数 : 2.45(GHz) マイクロ波パワー : 16(kW) 基板温度 : 1500(℃) 基板回転 : 1000(rpm) (SLM:Standard Liter per Minute )。
【0157】以上の条件で、4インチの基板の上に、5
0μm/hrの成長速度でSiC膜を合成することが達
せられた。コンダクタンス調整窓の構成を最適化するこ
とにより、100hr成膜後の基板面内の堆積膜厚のば
らつきを5%に収めることができた。
【0158】(実施例13)本実施例では、図12〜図
14に示される装置に対して、マイクロ波導入器を上下
方向に可動とすることにより、マイクロ波の整合の最適
化とモード制御とを可能にした。本実施例で用いた装置
の構成は、図20に示される。
【0159】図20に示されているように、本実施例の
装置185は、図12に示される実施例8の装置110
に対して、マイクロ波発生及び導入の部分全体を上下方
向に可動とするための、昇降機能付き支持柱186を具
備したものである。マイクロ波発生源116が、支持柱
186によって支持されている。一方、図示されない
が、ベルジャー112及び底板136は適当な土台に固
定されているが、マイクロ波導入器114は底板136
には固定されていない。従って、支持柱186によりマ
イクロ波発生器116を上下に移動させれば、マイクロ
波導入器114も底板136に対して上下に相対的に移
動する。これにより、マイクロ波導入器の空胴高さを変
化させて、マイクロ波の整合とモード制御を行うことが
可能となる。
【0160】図21には、本実施例で用いた装置185
のマイクロ波導入器及びベルジャーの断面を表す。図示
のように、底部136上には、マイクロ波導入器114
を包囲するように、円筒状の接合治具188が配置され
ている。接合治具188の底部は、底板136と密着し
て設置される。このように、接合治具188と底板13
6とは密着しているのみであり固定されていないため、
図15を参照して説明したように、XYステージを設置
してマイクロ波導入器に対して底板136全体を基板ホ
ルダと一緒に移動させれば、基板面内に均一に成膜する
ことが可能となる。接合治具188の内径は、マイクロ
波導入器114の外径よりもわずかに小さくなるように
与えられ、マイクロ波導入器114と接合治具188と
の間には、マイクロ波導入器114の上下への円滑な移
動を可能とするように、0.1〜数ミリ程度のクリアラ
ンスが形成される。図21には、マイクロ波導入器11
4を上に移動させた状態が示されている。図示の通り、
マイクロ波導入器114を底板136より離した状態で
は、導入器114の底部からこのクリアランスへと連通
しているため、ここからのマイクロ波の漏洩を防止する
ために、接合治具188の頂部にベリリウム銅製のシー
ルドフィンガ190が、接合治具188及びマイクロ波
導入器114の双方に密着するように導入器114を配
置される。このシールドフィンガ190は、マイクロ波
導入器114の周囲を1周する。
【0161】本実施例に好適なシールドフィンガ190
の形状形態は、例えば、図22(a)、(b)及び
(c)に正面及び断面が示されるようなシールドフィン
ガ190a、190b及び190cを挙げることができ
る。本実施例では、TECHETCH社製のシールドフ
ィンガを用いて、マイクロ波の漏洩を防止しつつ、マイ
クロ波導入器の上下の移動を可能にした。
【0162】次に、マイクロ波の整合に関して説明す
る。図20や図12に示されるように、本発明に従った
処理装置のマイクロ波の導入の部分には、マイクロ波発
生源116とマイクロ波供給器114との間に、マイク
ロ波の整合を行うためのチューナー118が設置されて
いる。しかし、このチューナー118のみで整合を行う
場合、チューナー118とマイクロ波導入器114との
間の導波管120bに定在波が発生することがあり、定
在波が発生すれば、チューナー118の負荷が大きくな
り、やがてはチューナーが破壊されてしまう。
【0163】そこで、本実施例のようにマイクロ波導入
器の空胴高さを可変として整合を行うことにより、導波
管120b内の定在波の発生を防止し、また、マイクロ
波のモードを所望のように制御することが可能となる。
【0164】マイクロ波の整合及びモード制御にあたっ
ては、円筒空胴共振器を仮定したシミュレーションを行
い、基板にマイクロ波を効率的に導入できる共振器(マ
イクロ波導入器)の寸法を決定した。円筒空胴共振器の
シミュレーションは、以下のように行われた。
【0165】半径a、長さlの空胴円筒に対して、同軸
アンテナから励起されるTMモード(transverse magnet
ic mode)に関して計算を行った。円筒空胴共振器の電界
を円筒座標系で求めると、TMmnp モードとして、円筒
座標系の各座標について以下の式が得られる。
【0166】
【数5】
【0167】ここでは、m次ベッセル関数およびその導
関数を用い、m次ベッセル関数のn番めの根ρmnを定数
に用いている。ここで、m,n,pのもつ物理的な意味
は次の通りである。mは、半径(r)方向の電界強度を
決めるベッセル関数と円周(φ)方向の電界強度を決め
る三角関数の次数を決定する。即ち、mは、半径方向の
電界強度の腹と節を決めるだけでなく、その半径方向の
強度分布及び円周方向の分布も決める。nは、mで与え
られたベッセル関数(半径方向)い従い、半径方向の電
界強度の腹と節を決める。pは、高さ方向の腹と節を決
める。
【0168】次に、マイクロ波を効率的に導入するため
には、円筒空胴共振器が、マイクロ波の波長λ0 を共振
周波数とするような形状寸法を有することが最も好まし
く、この条件が満たされた時は、以下の関係が成立す
る。
【0169】
【数6】
【0170】λ0 =2.45GHzにおいて上式を満た
し共振条件を与える円筒空胴共振器の高さと半径の関係
が、図23のグラフに与えられる。図23では、例えば
TM012 モードの共振条件が(a)に示される実線によ
って与えられる。この場合、半径を190mmとすれ
ば、2.45GHzで共振条件を与えるための高さは、
126mmとなることがわかる。
【0171】例えば、図23では、pを2としたときの
共振条件を与える円筒空胴共振器の高さと半径の関係が
(a)、(b)及び(c)で表される。このそれぞれに
ついて、[数5]の式によって計算した、円筒空胴共振
器の半径190mmとしたときの共振器内の電気力線分
布が、図24(a)〜(c)に示される。
【0172】このようにして、円筒空胴共振器を用いて
行ったシミュレーションと同様にして、実際のマイクロ
波導入器の形状及び半径に対して、シミュレーションを
行って電気力線分布を得た。その結果を、図25に示
す。これより、所望のモード及び共振条件を与えるよう
マイクロ波導入器の高さを予測することが可能であるこ
とが示された。
【0173】
【発明の効果】以上詳細に説明したように。本発明の成
膜又はエッチング処理装置を用いれば、プラズマによる
窓への加熱やスパッタを生じさせず、比較的高い圧力下
でも安定してプラズマを維持することが可能となる。
【0174】従って、ダイヤモンド等のように高い処理
圧力が必要な物質に対しても、長時間にわたって安定し
た成膜又はエッチングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の差圧型マイクロ波プラズマジ
ェット装置の断面図であり、(b)はコンダクタンス調
整窓の上面図である。
【図2】マイクロ波パワーと放電開始圧力又は放電維持
圧力との関係を表すグラフである。
【図3】実施例1に用いられた差圧型マイクロ波プラズ
マジェット装置の断面図である。
【図4】実施例1における比較例で用いられた、従来技
術によるマイクロ波プラズマCVD装置の断面図であ
る。
【図5】実施例2に用いられた対向電極付き差圧型マイ
クロ波プラズマジェット装置の断面図である。
【図6】実施例3に用いられた対向電極付き差圧型マイ
クロ波プラズマジェット装置の断面図である。
【図7】実施例4に用いられたグリッド及び対向電極付
き差圧型マイクロ波プラズマジェット装置の断面図であ
る。
【図8】実施例7に用いられた差圧型高周波誘導結合プ
ラズマジェット装置の断面図である。
【図9】実施例7に用いられた高周波の電磁波の導入の
ためのコイルの上面図である。
【図10】本発明に従った処理装置に用いることが可能
なコンダクタンス調整窓の一例の上面図である。
【図11】所定の圧力条件及び流量を実現するための、
コンダクタンス調整窓の孔の直径と厚さとの関係を表す
グラフである。
【図12】実施例8で用いた、ベルジャー型反応チャン
バ及びホーン型形状のマイクロ波導入器を備えたプラズ
マ処理装置の構成図である。
【図13】図12に示されるベルジャー型反応チャンバ
の断面図である。
【図14】図12及び図13に示される基板ホルダの詳
細な断面図である。
【図15】基板とマイクロ波導入器とを三次元的に相対
運動させることが可能な処理装置の構成図である。
【図16】実施例9で用いた処理装置のマイクロ波導入
器及びベルジャーの断面図である。
【図17】実施例10で用いた処理装置のマイクロ波導
入器及びベルジャーの断面図である。
【図18】実施例11で用いた処理装置のマイクロ波導
入器及びベルジャーの断面図である。
【図19】実施例12で用いた処理装置のマイクロ波導
入器及びベルジャーの断面図である。
【図20】実施例13で用いた処理装置の構成図であ
る。
【図21】実施例13で用いた処理装置のマイクロ波導
入器及びベルジャーの断面図である。
【図22】実施例で用いた各種シールドフィンガの正面
図及び断面図である。
【図23】λ0 =2.45GHzに対する共振条件を与
える円筒空胴共振器の高さ及び半径を各モードで与える
グラフである。
【図24】TM012 モード(a)、TM112 モード
(b)及びTM022 モード(c)の各モードにおける円
筒空胴共振器内の電気力線分布を表すグラフである。
【図25】実施例13のマイクロ波導入器の内部の電気
力線分布を表すグラフである。
【図26】コンダクタンスと流量との関係を与える[数
4]において仮定した円筒の外観図である。
【符号の説明】
10…差圧型マイクロ波プラズマジェット装置、12…
反応炉、14…マイクロ波源、16…導波管、18…基
板、20…基板ホルダ、22…ガス供給管、24…ガス
排気管、26…気圧計、28…真空用窓、30…コンダ
クタンス調整窓、32…矢印、100…コンダクタンス
調整窓、102…孔、110…処理装置、112…ベル
ジャー、114…マイクロ波導入器、116…マイクロ
波発生源、118…チューナー、120…導波管、12
2…第1の反応ガス源、123,125,127…ガス
流通路、124…第2の反応ガス源、126…真空ポン
プ、128…基板ホルダ、130…基板、132…石英
円筒、134…コンダクタンス調整窓、136…底板、
138…治具、139…矢印(ガスの流れ)、140…
導管、141…フランジ、142…モータ、143…磁
気流体軸受、144…シャフト、145…ベローズ固定
板、146…基板受け、147…ベローズ、148…基
板ホルダ本体、149…銅リング、150…石英リン
グ、152…クリアランス、154…開口、156,1
57…矢印(ガスの流れ)、158…排気パイプ、16
0…点線矢印(冷却水の流れ)、161…土台、162
…固定台、163…支持柱、164…水平棒、165…
ステップモータ、166…軸、167…枠、168…第
2の水平棒、169…xyステージ、170…装置、1
72…グラファイト製コンダクタンス調整窓、174…
装置、176…円筒電極、178…RF電源、179…
導線、180…装置、181…石英円筒、182…基板
支持板、183…開口、184…矢印、185…装置、
186…支持柱、188…接合次具、190…シールド
フィンガ、310…差圧型マイクロ波プラズマジェット
装置、312…反応炉、316…導波管、320…基板
ホルダ、322…ガス供給管、323,324…フラン
ジ、326…Oリング、328…真空用窓、330…コ
ンダクタンス調整窓、332…矢印、334…石英円
筒、336…点線、338…同軸高さ調整用つまみ、3
40…終端板高さ調整用つまみ、350…マイクロ波プ
ラズマCVD装置、352…反応炉、510…差圧型マ
イクロ波プラズマジェット装置、512…反応炉、53
0…コンダクタンス調整窓、532…矢印、536…点
線、550…リング状対向電極、610…差圧型マイク
ロ波プラズマジェット装置、612…反応炉、630…
コンダクタンス調整窓、632…矢印、636…点線、
650…リング状対向電極、710…差圧型マイクロ波
プラズマジェット装置、712…反応炉、728…矢
印、730…コンダクタンス調整窓、736…点線、7
50…リング状対向電極、760…導電性グリッド、8
10…高周波誘導結合プラズマジェット装置、850…
コイル、852…RFソース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 35/00 C30B 35/00 H01L 21/205 H01L 21/205 21/3065 H05H 1/46 B H05H 1/46 H01L 21/302 B

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波又は高周波の電磁波を導入窓
    から反応炉内に導入し、反応炉内のガスを励起してプラ
    ズマを発生させて、基材に対して成膜又はエッチングを
    行う処理装置であって、 成膜又はエッチングを行うための反応炉と、 前記反応炉内へガスを導入するためのガス導入手段と、 前記反応炉内からガスを排出するためのガス排出手段
    と、 前記反応炉内へ該電磁波を導入するための電磁波導入手
    段とを備え、 前記反応炉は、前記反応炉のコンダクタンスを調整する
    コンダクタンス調整手段により、前記基材が配置される
    基材保持手段を備える反応領域と前記導入窓側の中間領
    域とに区画され、 前記ガス導入手段は前記中間領域に接続し、 前記ガス排出手段は前記反応領域に接続し、 該ガスは前記中間領域から前記コンダクタンス調整手段
    を介して前記反応領域へ流入し、 前記中間領域のガス圧は、該ガスが該マイクロ波又は高
    周波の電磁波によって励起されない圧力であって前記反
    応領域よりも高い圧力に設定されることを特徴とする処
    理装置。
  2. 【請求項2】 前記中間領域の圧力が、 【数1】 で表されるパッシェンの法則に従って、放電が開始され
    ない程度に高い圧力であることを特徴とする請求項1に
    記載の処理装置。
  3. 【請求項3】 前記中間領域の圧力が、所定の該マイク
    ロ波又は高周波の電磁波に対する放電維持圧力よりも高
    い圧力であり、且つ、前記反応領域の圧力が、前記放電
    維持圧力よりも低い圧力であることを特徴とする請求項
    2に記載の処理装置。
  4. 【請求項4】 前記コンダクタンス調整手段が1つ以上
    の開口を有し、前記中間領域から前記反応領域に向かっ
    て、前記コンダクタンス調整手段の開口を介してガス流
    れが形成されることを特徴とする請求項3に記載の処理
    装置。
  5. 【請求項5】 前記中間領域の圧力が、100トール以
    上1520トールないし2気圧以下であることを特徴と
    する請求項2〜4のいずれかに記載の処理装置。
  6. 【請求項6】 前記コンダクタンス調整手段が、成膜又
    はエッチングのための基材の形状に応じた形状を有する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の処理
    装置。
  7. 【請求項7】 前記反応領域に導入される該マイクロ波
    又は高周波の電磁波が、前記反応領域内で均一な電界強
    度を有するように、成膜又はエッチングが行われる基材
    に対して向合って配置される対向電極を前記中間領域又
    は前記反応領域内に更に備えることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の処理装置。
  8. 【請求項8】 前記対向電極が前記中間領域内に配置さ
    れていることを特徴とする請求項7に記載の処理装置。
  9. 【請求項9】 前記コンダクタンス調整手段と、前記反
    応領域内に配置された成膜又はエッチングのための基材
    との間に、該基材へ到達する該電磁波を遮蔽する導電性
    のグリッドを更に備えることを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の処理装置。
  10. 【請求項10】 前記反応炉が石英製のベルジャーであ
    り、前記ベルジャーが前記導入窓として機能することを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の処理装置。
  11. 【請求項11】 前記基材を高速回転させるための手段
    を更に備えることを特徴とする請求項2又は10のいず
    れかに記載の処理装置。
  12. 【請求項12】 前記基材にRF電力を印加するための
    手段を更に備えることを特徴とする請求項7、10又は
    11のいずれかに記載の処理装置。
  13. 【請求項13】 前記対向電極が、該成膜される物質の
    構成元素を含む材料を備えることを特徴とする請求項7
    に記載の処理装置。
  14. 【請求項14】 前記コンダクタンス調整手段が、該成
    膜される物質の構成元素を含む材料を備え、且つ、前記
    対向電極として機能することを特徴とする請求項7、1
    0又は11のいずれかに記載の処理装置。
  15. 【請求項15】 成膜又はエッチングがなされる第2の
    基材を、前記反応領域内に前記基材と対向して保持する
    ための第2の基材保持手段を前記反応炉内に更に備え、
    前記第2の基材は前記対向電極として機能することを特
    徴とする請求項7、10又は11に記載の処理装置。
  16. 【請求項16】 前記反応領域に接続される第2のガス
    導入手段を更に有し、前記ガス導入手段及び前記第2の
    ガス導入手段にはそれぞれ、流量を別々に調節する流量
    調節手段が具備されることを特徴とする請求項1、10
    又は11のいずれかに記載の処理装置。
  17. 【請求項17】 前記電磁波導入手段が、前記ベルジャ
    ーを覆うマイクロ波導入器を備えたマイクロ波導入手段
    であることを特徴とする請求項10又は11のいずれか
    に記載の処理装置。
  18. 【請求項18】 前記マイクロ波導入器と前記基材とを
    相対的に運動させるための運動手段を更に備えることを
    特徴とする請求項17に記載の処理装置。
  19. 【請求項19】 前記マイクロ波導入器の整合及びモー
    ド制御を行うために、前記マイクロ波導入器の長さ又は
    幅を変化させるため手段を更に備えることを特徴とする
    請求項17に記載の処理装置。
  20. 【請求項20】 前記マイクロ波導入器は、電磁界のシ
    ミュレーションによって前記基材の近傍に最適な電界を
    発生させるように設計された形状及び寸法を有すること
    を特徴とする請求項17に記載の処理装置。
  21. 【請求項21】 前記ガス導入手段により導入されるガ
    スの流路が前記反応炉と前記ベルジャーとにより画され
    前記コンダクタンス調整窓へと連通し、該ガスは、前記
    流路を流通する際に加熱されつつ前記反応炉と前記ベル
    ジャーと前記コンダクタンス調整窓とを冷却することを
    特徴とする請求項10に記載の処理装置。
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