JPH0911125A - 研削におけるリトラクション量調整法 - Google Patents

研削におけるリトラクション量調整法

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JPH0911125A
JPH0911125A JP15486995A JP15486995A JPH0911125A JP H0911125 A JPH0911125 A JP H0911125A JP 15486995 A JP15486995 A JP 15486995A JP 15486995 A JP15486995 A JP 15486995A JP H0911125 A JPH0911125 A JP H0911125A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】円筒ワーク内面のリトラクション研削法におけ
るリトラクション量を常に最適値に保つようにしたリト
ラクション量調整法を提供する。 【構成】粗研削から仕上研削に移行する際に、一旦砥石
を反切込方向に戻すリトラクション研削方法において、
先行ワークの粗研削と仕上研削とのそれぞれにおける砥
石軸のたわみ量を常時モニターし、粗研削完了時のたわ
み量δR と仕上研削完了時のたわみ量δF との差RをR
=G−(S2 −S1 )から算出して、そのRの値を次ワ
ーク研削のリトラクション量とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状ワークの内
面研削において粗研削から仕上研削に移行する際のリト
ラクション量の調整方法に関し、特に、先のワークの加
工データに基づき現ワーク加工時のリトラクション量を
最適に自動調整するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば転がり軸受の軌道輪のような高精
度の真円度,円筒度を要求される円筒状ワークの内面研
削において、加工精度と加工能率とを両立させる見地か
ら、はじめは最大の切込送り速度で粗研削し、その後よ
り遅い切込送り速度で仕上研削するというように、途中
で加工速度の切り換えが行われる。ところが、内面研削
の場合、図5のように砥石軸2aの機械的剛性が弱く
て、研削中の砥石2にかかる法線研削力によって砥石軸
2aにたわみが生じ、砥石2を保持して切込み移動する
切込スライドの切込位置Aと実際の砥石軸芯における砥
石切込位置Bとの間にずれe(砥石軸2aのベンディン
グ)が発生し、その結果ワーク1の加工穴にテーパが付
き加工穴の円筒度が低下する現象がある。この砥石軸の
たわみ量は、切込速度の高い粗研削時の方が切込速度の
低い仕上研削時より大きいから、粗研削時の砥石軸のた
わみ量をそのままにして仕上研削に移行すると、仕上げ
精度の低下をきたすことになる。
【0003】そこで、粗研削の後、一旦砥石を切込みと
は反対方向に微量戻し(リトラクトし)、その後続けて
仕上研削に移行するというリトラクション研削法が行わ
れている。粗研削から仕上研削に移行する際のリトラク
ションは、粗研削における砥石軸のたわみ量を仕上研削
速度相当のたわみ量に減らすことによりワークの加工精
度を向上させる作用があり、特に、砥石軸がたわみ易い
小径の内面円筒研削においてワーク内面の軸方向テーパ
化を防止し、かつ加工時間の短縮を図るのに有効であ
る。
【0004】従来、通常のリトラクション研削法では、
リトラクション量の決定はワークサイズや砥石の種類、
要求精度等の研削条件に応じてその都度経験的に決めら
れている。そして決定したリトラクション量は変化させ
ることなく初期設定値のままとするのが普通である。一
方、例えばCBN砥石等を用いて内面研削を行う場合に
は、砥石のドレッシング直後は切れ味が悪くて、数個な
いし十数個は加工穴の円筒度精度が低下する傾向があ
る。このドレッシング直後の初期精度低下の問題をリト
ラクション量制御により解決する提案がいくつかなされ
ている。
【0005】ドレッシング直後の所定時間あるいは所
定個数のワーク研削加工中は、通常よりもリトラクショ
ン量を増量して研削加工を行い、その後に通常のリトラ
クション量に戻す(特公昭63−62336号公報)。 切れ味を示すパラメータ(例えばドレッシング後の研
削ワーク数、研削砥石の径、研削電力等)を測定して間
接的に切れ味を検出し、切れ味が悪いほどリトラクショ
ン量を増大させるように調整する(特公平5−3974
4号公報)。
【0006】砥石切れ味は仕上研削時間に影響するこ
とから、砥石切込位置を基準に仕上研削時間を測定し、
設定仕上切込速度と設定仕上取代から算出された目標仕
上研削時間と測定された実仕上研削時間とを比較してそ
の差が許容範囲内にあるように次ワークに対するリトラ
クション量を調整する(特開平5−162068号公
報)。
【0007】また、研削力制御研削において、粗研削と
仕上研削との研削力設定値の差と砥石軸のばね定数の積
を求めることにより得られる砥石軸のベンディング相当
量をもってリトラクション量とするリトラクション研削
方法も公知である(特開平3−294174号公報)。
更に、内面研削における切込送り速度の切換点、その点
でのリトラクション量等を予め設定すると共にワーク内
径を間欠的に測定しつつ研削加工を行うにあたり、実際
の切込送り速度測定点が設定切込送り速度切換点より遅
れてしまい、その結果粗研削の切込送り量が所定値を超
過した場合は、当該超過量を検出してその超過分だけリ
トラクション量を増量させることにより高精度の仕上研
削を行うという提案(特公平4−53666号公報)も
なされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リトラ
クション量を変化させることなく初期設定値のままとす
る通常のリトラクション固定方式による研削方法にあっ
ては、砥石切れ味の変動に伴う研削力の変化により砥石
軸のたわみ量が変動したときに、適正なリトラクション
量を維持できず過不足が生じる。リトラクション量が不
足の場合は、粗研削から仕上研削への移行においてベン
ディング量が十分には戻らず、結果としてワークの加工
速度が所要の仕上研削速度以上になりワークの加工精度
の悪化(寸法,傾斜,面粗さ不良等)をもたらす。反対
に、リトラクション量が過大の場合は、粗研削から仕上
研削に移行する際に無駄時間が生じて研削サイクルタイ
ムの遅延につながる、という問題点がある。
【0009】一方、従来のリトラクション量制御方式に
よる研削方法にあっては、それぞれ以下のような問題点
がある。特公昭63−62336号公報のように、砥石
のドレッシング後一定期間または一定個数を加工する間
だけリトラクションを増量する方式では、砥石性能のば
らつきなどの予期しない理由による砥石切れ味の変化が
あっても製品精度に問題が生じないように、リトラクシ
ョン量は真に必要な量より大きく設定しなければなら
ず、そのため仕上研削時間が長くなりサイクルタイムに
無駄が生じて生産性を阻害する。
【0010】特公平5−39744号公報のように、切
れ味を示すパラメータにより間接的に切れ味を検出し、
切れ味が悪いほどリトラクション量を増大させる方式で
は、リトラクション量増大のタイミングがずれ易く、対
応が遅れて精度不良の製品ができるおそれがある。特開
平5−162068号公報のように、砥石切込位置を基
準に測定した仕上研削時間に基づいて砥石切れ味を判断
し、次ワークに対するリトラクション量を調整する方式
によれば、砥石切れ味の変化に対応してリトラクション
量を大きめに設定しておく必要がなく、サイクルタイム
の向上がもたらされるのであるが、仕上研削時間は砥石
切れ味の変化に即座に明確に対応するものではないか
ら、その遅れだけリトラクション量の調整作業も遅れ
る。
【0011】また、特開平3−294174号公報のよ
うに、研削力制御研削において粗研削及び仕上研削の研
削力設定値の差と砥石軸のばね定数との積を求めて得ら
れる砥石軸のたわみ相当量をもってリトラクション量と
する方式では、砥石軸のばね定数の設定誤差,研削力設
定値と実研削力の差異等により、必ずしもリトラクショ
ン量が適正には調整されない場合がある。
【0012】更に、特公平4−53666号公報の方式
は、粗研削から仕上研削に移行する際の切込送り速度切
換が遅れてその結果リトラクション量が不足する場合の
対応であり、研削精度は確保できても研削時間短縮には
対応できない。そこで、本発明は、上記従来の問題点に
着目してなされたものであり、前ワーク研削加工時の砥
石軸のたわみ量の実測値に基づいて次ワークのリトラク
ション量を決定することにより、常に最適値に保つよう
にしたリトラクション量調整法を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、粗研削から仕上研削に移行する際に、一旦砥石
を反切込方向に戻すリトラクション研削方法に係り、先
行ワークの粗研削と仕上研削とのそれぞれにおける砥石
軸のたわみ量を常時モニターし、粗研削完了時のたわみ
量と仕上研削完了時のたわみ量との差分をもって次ワー
ク研削のリトラクション量とすることを特徴とするもの
である。
【0014】先行ワーク(前ワーク)の研削において粗
研削完了時の砥石切込位置S1 、仕上研削完了時の砥石
切込位置S2 を実測し、それらの実測データと仕上取代
設定値Gとから粗研削から仕上研削に移行したときの砥
石軸のたわみ量の差分Rを式 R=G−(S2 −S1 ) により算出する。このRの値を現ワーク(次ワーク)の
研削におけるリトラクション量とする。
【0015】
【作用】本発明にあっては、円筒内面の研削加工におけ
る粗研削時の砥石軸たわみ量δR と、仕上研削時の砥石
軸たわみ量δF との間の差(δR −δF )をもってリト
ラクション量の最適値と考える。これは、粗研削後のリ
トラクション完了の時点において、仕上研削での本来の
砥石軸のたわみ量に速やかに移行することを狙ったもの
である。それによってリトラクション完了後直ちにワー
クが本来の仕上研削速度で研削されることになり、その
結果、リトラクション量過大に伴う仕上研削時間の遅延
や、リトラクション量過少に伴うワーク加工精度の悪化
が避けられる。
【0016】その最適リトラクション量Rは以下のよう
にして算出される(図3参照)。 R=δR −δF =(S1 −G1 )−(S2 −G2 ) =(G2 −G1 )−(S2 −S1 ) =G−(S2 −S1 ) ここで、G1 は粗研削完了点のワーク径、G2 は仕上研
削完了点のワーク径、Gは仕上研削取代、S1 は粗研削
時完了時の砥石切込位置、S2 は仕上研削完了時の砥石
切込位置である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明のリトラクション量調整法を実施す
る研削盤の平面図、図2はその制御系統を示すブロック
図である。図1において、円筒状のワーク1は切込スラ
イド4上に搭載されており、砥石2でその内面が研削加
工される。その砥石2は砥石テーブル5に搭載された砥
石スピンドル装置8により回転駆動される砥石軸2aの
先端に片持ちに支持され、砥石テーブル駆動モータ6に
よってワーク1の軸方向(X方向)に前後進駆動され
る。切込スライド4には、研削中にワーク1の内径寸法
を連続的に測定するインプロセスゲージ3が搭載され、
ワークともども切込スライド駆動モータ7により砥石切
込方向(Y方向)に前後進駆動される。なお、砥石2の
たわみのない状態での砥石軸芯に対する切込スライド4
の切込位置すなわち切込スライド位置(相対量)を図示
しない切込スライド位置測定器で常時計測するようにな
っている。
【0018】本発明におけるリトラクション量調整法
は、図2の制御系統ブロック図に従って行われる。この
制御系統は、加工中のワーク1の内径寸法を測定するワ
ーク径検出部10(図1のインプロセスゲージ3を有す
る)、切込スライド4のスライド位置及び速度を制御す
る切込制御装置11、その指令で駆動を制御される切込
送り制御モータ部12(図1の切込スライド駆動モータ
7を有する)、切込送り制御モータ12で駆動されてワ
ーク1に対する砥石2の(相対的な)切込スライド動作
によりワーク内面の研削を行う研削部13、研削部13
の切込スライドの位置を実測して粗研削完了時と仕上研
削完了時の切込スライド位置S1 ,S2 をそれぞれ検出
するスライド位置検出部14、その切込スライド位置情
報S1 ,S2 とワーク仕上研削での仕上取代情報Gとに
基づいてリトラクション量Rを算出するリトラクション
量決定部15よりなり、図3に示す切込スライド位置と
ワーク径の時間変化に基づいてリトラクション量を次の
手順で決定してリトラクション量の調整を行う。
【0019】すなわち、研削時には、砥石テーブル5が
砥石テーブル駆動モータ6の作動でX方向に前進して、
砥石2がワーク1の内径に挿入される。こうして砥石テ
ーブル5を前進させた状態で、切込スライド駆動モータ
7を駆動させて切込スライド4をY方向に切込み作動さ
せることにより、ワーク1の内径の研削が開始される。
【0020】切込スライド4は、はじめ急速前進し、砥
石2の外周面がワーク1の内径面にあたるとその後は、
速度を低下して粗研削加工を始める。それに伴い砥石軸
2aがたわみを起こす。粗研削時間の経過とともに切込
スライド位置が前進し、ワーク1の内径(以下、ワーク
径という)が拡大される。その間のワーク径はワーク径
検出部10のインプロセスゲージ3により連続的に測定
されて常時モニタされる。また切込スライド4の切込ス
ライド位置がスライド位置検出部14により同様にモニ
タされる。粗研削中のある時点における砥石軸2aのた
わみ量δR は、その時点での切込スライド4の切込スラ
イド位置とワーク径との差であり、図3から明らかなよ
うに粗研削中一定である。
【0021】ワーク径が予め定めた所定値に達した時点
で粗研削は完了する。この粗研削完了点でのワーク径G
1 は、上記のようにワーク径を常時モニタしているワー
ク径検出部10で検出されるが、それと同時にスライド
位置検出部14に粗研削完了信号として送られて、スラ
イド位置検出部14はその粗研削完了信号に基づいて粗
研削完了時点での切込スライド位置S1 を得ることがで
きる。こうして、検出された切込スライド位置S1 はリ
トラクション量決定部15に送られる。
【0022】引き続いて仕上研削に移行するのである
が、上記粗研削中の砥石軸2aのたわみ量のままでは研
削力過大となり仕上げ研削できない。そこで、粗研削終
了後できるだけ高速で切込スライド位置を所定量戻すリ
トラクションを行う。その戻し量(リトラクション量)
Rを、本発明にあっては、砥石軸2aの粗研削時のたわ
み量δR と仕上研削時のたわみ量δF とに基づいて設定
する。
【0023】ここで、粗研削時のたわみ量δR は、図3
に示すように、粗研削完了時点での切込スライド位置S
1 とワーク径G1 との差として算出できる。また、仕上
研削時のたわみ量δF も同様にして、仕上研削完了時点
での切込スライド位置S2 とワーク径G2 とを検出する
ことによりその差として次のように算出できる。 粗研削時のたわみ量 δR =S1 −G1 仕上研削時のたわみ量δF =S2 −G2 これらの両たわみ量の差(δR −δF )をリトラクショ
ン量Rの最適値とし、以下の式で算出してリトラクショ
ン量の調整に用いる。
【0024】 R=δR −δF =(S1 −G1 )−(S2 −G2 ) =(G2 −G1 )−(S2 −S1 ) =G−(S2 −S1 ) (1) すなわち、複数個のワーク1を次々に内面研削加工する
にあたり、前回のワーク(前ワーク)の研削加工におい
て、予め設定された仕上取代G(仕上研削完了時点での
ワーク径G2 と粗研削完了時点でのワーク径G1 との
差)と粗研削完了時の切込スライド位置S1 と仕上研削
完了時の切込スライド位置S2 の実測データを得てR=
G−(S2 −S1 )を算出し、そのR値を次ワークのリ
トラクション量として設定するのである。
【0025】このリトラクション量の設定は、リトラク
ション量決定部15で行われる。まずリトラクション量
決定部15に、前ワーク研削時にスライド位置検出部1
4で検出された粗研削完了時の切込スライド位置S1
び仕上研削完了時の切込スライド位置S2 と、予め設定
された仕上取代Gが入力される。リトラクション量決定
部15はそれらの値を用いて(1)式によりリトラクシ
ョン量Rを算出する。その結果は、次ワークの研削加工
において切込制御装置11に出力される。
【0026】切込制御装置11は、次ワーク研削での粗
研削が完了して仕上研削に移行する際のリトラクション
操作において、切込送り制御モータ12に指令し前記リ
トラクション量Rに基づいて研削部13をリトラクショ
ンさせる。しかして、このように粗研削時と仕上研削と
の砥石軸2aのたわみ量の差に基づいてリトラクション
量を調整することにより内面研削加工を実施した場合
に、例えば前ワークの研削時と次ワークの研削時とで砥
石2の切れ味が異なり、砥石軸2aのたわみ量が変化す
るなどのことがあると、図4に〜で示すような種々
のケースが生じ得る。
【0027】のケースは、リトラクション量が適切に
調整された場合を示しており、粗研削から仕上研削に移
行するとき、粗研削時のワーク拡径速度は、仕上研削開
始と略同時に、仕上研削に好適なワーク拡径速度に変化
しタイムラグがない。 のケースは、リトラクション量が過大な場合である。 この場合、リトラクション直後の砥石軸2aのたわみ量
が仕上研削に必要な適正たわみ量より小さくなる。その
ため、リトラクション直後のワーク拡径速度が遅くな
り、結果として仕上研削時間の遅延につながっている。
しかしながら、仕上研削の途中からは本来の仕上研削に
必要な適正たわみ量となっているので、仕上取代G,粗
研削完了時の切込スライド位置S1 ,仕上研削完了時の
切込スライド位置S2 の値はのリトラクション量が適
切に調整された場合と同一となる。そこで、それらの値
から(1)式を用いて粗研削時のたわみ量δR と本来の
仕上研削時のたわみ量δF との差を求めることができ
る。
【0028】したがって、はじめにリトラクション量過
大で研削されたとしても、最終的に得られた砥石軸2a
のたわみ量の差を算出し、これを次ワークの研削におけ
るリトラクション量とすれば、の場合と同様に、リト
ラクション後の仕上研削送りで本来の砥石軸たわみ量に
速やかに移行させることが可能である。のケースは、
リトラクション量が過小な場合である。
【0029】この場合は、リトラクション直後の砥石軸
2aのたわみ量が仕上研削に必要な本来のたわみ量より
大きくなる。そのため、リトラクション直後のワーク拡
径速度が速くなり、結果として加工精度が悪化するおそ
れがある。しかしながら、仕上研削の途中からは本来の
仕上研削に必要な適正たわみ量となっているので、上記
の場合と同じく、(1)式を用いて粗研削時のたわみ
量δR と本来の仕上研削時のたわみ量δF との差を算出
して次ワークの研削におけるリトラクション量とすれ
ば、の場合と同様に適正な研削が可能である。
【0030】のケースは、リトラクション量が過小で
リトラクション直後の砥石軸のたわみ量が大きく、か
つ、仕上研削完了時点でも仕上研削本来の砥石軸のたわ
み量にまでは解放されていない場合である。この場合
は、仕上研削完了時における切込スライド位置S2 ’が
上記〜の場合の切込スライド位置S2 よりも大きく
なり、(1)式を用いて直接に適正リトラクション量を
算出することはできない。しかしながら、仕上研削完了
時の砥石軸のたわみはリトラクション直後よりも解放さ
れているから、仕上研削完了時点でのたわみ量から次ワ
ークに対するより大きな値のリトラクション量が算出さ
れることになる。そこでこの調整を繰り返せば、の場
合のようにリトラクション量は過小であっても仕上研削
完了時点では仕上研削本来の砥石軸のたわみ量となるの
で、その後はの場合と同様な調整を経て、リトラクシ
ョン量が適切に調整されたの場合に収束させることが
可能である。
【0031】こうして、はじめは不適切なリトラクショ
ン量で研削した場合であっても、粗研削および仕上研削
完了時の切込スライド位置をそれぞれ実測して、その値
をもとにリトラクション量を算出する調整を繰り返すこ
とにより、やがて本来の正常な値に収束して適切なリト
ラクション量とすることができるのである。以上の実施
例から明らかなように、前ワーク研削時にワーク径及び
切込スライド位置を常時モニタして、得られた粗研削完
了時と仕上研削完了時との砥石軸2aのたわみ量からそ
の差を算出し、その算出結果に基づいて次ワーク研削時
のリトラクション量を調整すれば、たとえば砥石切れ味
が大きく変動したなどの予期せぬ原因でリトラクション
量が一時的に過大または過小の方に変動しても、次の研
削時には適当なリトラクション量を維持することができ
るから、従来のように、砥石切れ味の変動の影響がなか
なか解消しきれずにリトラクション量の過不足が続き、
仕上研削時間が長引いたり、ワークの加工精度が悪化す
る現象を防止することができる。
【0032】なお、上記の実施例では研削送りは切込ス
ライドの送りで行う場合を示したが、砥石の送りで行う
場合にも本発明のリトラクション量調整法を適用するこ
とができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リトラクション研削方法におけるリトラクション量の調
整を、先行ワークの研削時に測定した粗研削完了時のた
わみ量と仕上研削完了時のたわみ量とに基づいて行い、
その差を算出して次ワーク研削のリトラクション量とし
たため、砥石切れ味の変動等の研削条件の変化があって
も直ちに対応して適切なリトラクション量に調整するこ
とができ、その結果仕上研削時間の短縮と加工精度の向
上が達成されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における研削盤の平面図であ
る。
【図2】本発明のリトラクション量調整法を実施する制
御系のブロック図である。
【図3】本発明のリトラクション量決定原理を説明する
図である。
【図4】本発明のリトラクション量調整法における諸ケ
ースについて説明する図である。
【図5】円筒状ワークの内面研削における砥石軸のたわ
み状態を示した概略図である。
【符号の説明】
1 ワーク 2 砥石 2a 砥石軸 4 切込スライド δR 粗研削時のたわみ量 δF 仕上研削時のたわみ量

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗研削から仕上研削に移行する際に、一
    旦砥石を反切込方向に戻すリトラクション研削方法にお
    いて、先行ワークの粗研削と仕上研削とのそれぞれにお
    ける砥石軸のたわみ量を常時モニターし、粗研削完了時
    のたわみ量と仕上研削完了時のたわみ量との差分をもっ
    て次ワーク研削のリトラクション量とすることを特徴と
    する研削におけるリトラクション量調整法。
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