JPH09110742A - 2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパン類、3−ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類およびこれらの製造法 - Google Patents
2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパン類、3−ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類およびこれらの製造法Info
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- JPH09110742A JPH09110742A JP26405895A JP26405895A JPH09110742A JP H09110742 A JPH09110742 A JP H09110742A JP 26405895 A JP26405895 A JP 26405895A JP 26405895 A JP26405895 A JP 26405895A JP H09110742 A JPH09110742 A JP H09110742A
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/093—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
- C07C17/10—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of hydrogen atoms
- C07C17/14—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of hydrogen atoms in the side-chain of aromatic compounds
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C22/00—Cyclic compounds containing halogen atoms bound to an acyclic carbon atom
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- C07C22/04—Cyclic compounds containing halogen atoms bound to an acyclic carbon atom having unsaturation in the rings containing six-membered aromatic rings
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 医薬および農薬の中間体である3−ブロモ−
2−フェニル−1−プロペン類の製造法の提供。 【解決手段】 2−フェニルプロパン類または2−フェ
ニルプロペン類に、臭素を作用させ1,2,3−トリブ
ロモプロパン類を得て、これに金属、ヨウ素化合物また
はリン化合物を作用させ、下記一般式(VI) 【化1】 (R5、R6は独立してHまたは基内にHを含まない電子
吸引性基を示す。)で表される3−ブロモ−2−フェニ
ル−1−プロペン類を製造する。
2−フェニル−1−プロペン類の製造法の提供。 【解決手段】 2−フェニルプロパン類または2−フェ
ニルプロペン類に、臭素を作用させ1,2,3−トリブ
ロモプロパン類を得て、これに金属、ヨウ素化合物また
はリン化合物を作用させ、下記一般式(VI) 【化1】 (R5、R6は独立してHまたは基内にHを含まない電子
吸引性基を示す。)で表される3−ブロモ−2−フェニ
ル−1−プロペン類を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬および農薬合
成の中間体である3−ブロモ−2−フェニル−1−プロ
ペン類の製造法に関する。
成の中間体である3−ブロモ−2−フェニル−1−プロ
ペン類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】3−
ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類は、除草剤の中
間体(特開平2−304043号公報)、または殺菌剤
の中間体(米国特許5349009号)として有用であ
り、その製造法として、2−フェニル−1−プロペンに
N−ブロモコハク酸イミドを作用させて得る方法(J.
Amer.Chem.Soc.,76,2705(19
54))、1,2−ジブロモ−2−フェニルプロパンを
原料として得る方法(J.Chem.Sect.B22
(1983))、1−ブロモ−2−フェニルプロパン−
2−オールの脱水反応で得る方法(J.Phys.Or
g.Chem.,7,96−104(1994))等が
知られている。
ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類は、除草剤の中
間体(特開平2−304043号公報)、または殺菌剤
の中間体(米国特許5349009号)として有用であ
り、その製造法として、2−フェニル−1−プロペンに
N−ブロモコハク酸イミドを作用させて得る方法(J.
Amer.Chem.Soc.,76,2705(19
54))、1,2−ジブロモ−2−フェニルプロパンを
原料として得る方法(J.Chem.Sect.B22
(1983))、1−ブロモ−2−フェニルプロパン−
2−オールの脱水反応で得る方法(J.Phys.Or
g.Chem.,7,96−104(1994))等が
知られている。
【0003】しかし、いずれの方法も分離が困難な異性
体である1−ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類が
相当量副生するため、選択性および収率の良い新規な製
造法の開発が望まれていた。
体である1−ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類が
相当量副生するため、選択性および収率の良い新規な製
造法の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、2−フェニル
−1,2,3−トリブロモプロパン類により、3−ブロ
モ−2−フェニル−1−プロペン類を製造する方法を見
出し、本発明に至った。即ち、本発明の要旨は、一般式
(I)
題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、2−フェニル
−1,2,3−トリブロモプロパン類により、3−ブロ
モ−2−フェニル−1−プロペン類を製造する方法を見
出し、本発明に至った。即ち、本発明の要旨は、一般式
(I)
【0005】
【化8】
【0006】(式中、R1およびR2は、それぞれ独立し
て水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引性
基を示す。ただし、R1およびR2は同時に水素原子では
ない。)で表わされる2−フェニル−1,2,3−トリ
ブロモプロパン類。および一般式(II)
て水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引性
基を示す。ただし、R1およびR2は同時に水素原子では
ない。)で表わされる2−フェニル−1,2,3−トリ
ブロモプロパン類。および一般式(II)
【0007】
【化9】
【0008】(式中、R3およびR4は、それぞれ独立し
て水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引性
基を示す。ただし、R3およびR4は同時に水素原子では
ない。)で表される3−ブロモ−2−置換フェニル−1
−プロペン類。ならびに一般式(III)
て水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引性
基を示す。ただし、R3およびR4は同時に水素原子では
ない。)で表される3−ブロモ−2−置換フェニル−1
−プロペン類。ならびに一般式(III)
【0009】
【化10】
【0010】(式中、R5およびR6は、それぞれ独立し
て水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引性
基を示す。)で表わされる2−フェニルプロパン類、ま
たは一般式(IV)
て水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引性
基を示す。)で表わされる2−フェニルプロパン類、ま
たは一般式(IV)
【0011】
【化11】
【0012】(式中、R5およびR6は、一般式(III)
で定義したとおり。)で表わされる2−フェニルプロペ
ン類に、臭素を作用させる一般式(V)
で定義したとおり。)で表わされる2−フェニルプロペ
ン類に、臭素を作用させる一般式(V)
【0013】
【化12】
【0014】(式中、R5およびR6は、一般式(III)
で定義したとおり。)で表わされる2−フェニル−1,
2,3−トリブロモプロパン類の製造法。および一般式
(V)
で定義したとおり。)で表わされる2−フェニル−1,
2,3−トリブロモプロパン類の製造法。および一般式
(V)
【0015】
【化13】
【0016】(式中、R5およびR6は、それぞれ独立し
て水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引性
基を示す。)で表わされる2−フェニル−1,2,3−
トリブロモプロパン類に、金属、ヨウ素化合物またはリ
ン化合物を作用させる一般式(VI)
て水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引性
基を示す。)で表わされる2−フェニル−1,2,3−
トリブロモプロパン類に、金属、ヨウ素化合物またはリ
ン化合物を作用させる一般式(VI)
【0017】
【化14】
【0018】(式中、R5およびR6は、一般式(V)で
定義したとおり。)で示される3−ブロモ−2−フェニ
ル−1−プロペン類の製造法に存する。
定義したとおり。)で示される3−ブロモ−2−フェニ
ル−1−プロペン類の製造法に存する。
【0019】
【発明の実施形態】以下、本発明の好ましい具体的実施
態様について説明する。上記一般式(I)のR1および
R2ならびに上記一般式(II)のR3およびR4として
は、水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引
性基が挙げられる。臭素化反応は、ベンゼン核の置換基
が、基内に水素原子を含まない電子吸引性基であれば、
非置換のベンゼン核と同様に進行する。この基内に水素
原子を含まない電子吸引性基としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子,トリフ
ルオロメチル基,ニトロ基,シアノ基等が挙げられる。
ただし、R1およびR2は同時に水素原子ではなく、R3
およびR4も同時に水素原子ではない。
態様について説明する。上記一般式(I)のR1および
R2ならびに上記一般式(II)のR3およびR4として
は、水素原子または基内に水素原子を含まない電子吸引
性基が挙げられる。臭素化反応は、ベンゼン核の置換基
が、基内に水素原子を含まない電子吸引性基であれば、
非置換のベンゼン核と同様に進行する。この基内に水素
原子を含まない電子吸引性基としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子,トリフ
ルオロメチル基,ニトロ基,シアノ基等が挙げられる。
ただし、R1およびR2は同時に水素原子ではなく、R3
およびR4も同時に水素原子ではない。
【0020】上記一般式(V)の1,2,3−トリブロ
モプロパン類は、上記一般式(III)の2−フェニルプ
ロパン類、または上記一般式(IV)の2−フェニルプロ
ペン類に、触媒存在下または非存在下、無溶媒または溶
媒中で臭素を作用させ製造できる。上記一般式(III)
および(IV)のR5およびR6としては、水素原子または
基内に水素原子を含まない電子吸引性基が挙げられる。
臭素化反応は、ベンゼン核の置換基が、基内に水素原子
を含まない電子吸引性基であれば、非置換のベンゼン核
と同様に進行する。この基内に水素原子を含まない電子
吸引性基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
沃素原子等のハロゲン原子,トリフルオロメチル基,ニ
トロ基,シアノ基等が挙げられる。
モプロパン類は、上記一般式(III)の2−フェニルプ
ロパン類、または上記一般式(IV)の2−フェニルプロ
ペン類に、触媒存在下または非存在下、無溶媒または溶
媒中で臭素を作用させ製造できる。上記一般式(III)
および(IV)のR5およびR6としては、水素原子または
基内に水素原子を含まない電子吸引性基が挙げられる。
臭素化反応は、ベンゼン核の置換基が、基内に水素原子
を含まない電子吸引性基であれば、非置換のベンゼン核
と同様に進行する。この基内に水素原子を含まない電子
吸引性基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
沃素原子等のハロゲン原子,トリフルオロメチル基,ニ
トロ基,シアノ基等が挙げられる。
【0021】臭素の使用量は、上記一般式(III)の2
−フェニルプロパン類、または上記一般式(IV)の2−
フェニルプロペン類に対して3〜10倍モル、好ましく
は4〜6倍モルである。本反応は無溶媒または適宜溶媒
で希釈して実施できるが、使用する溶媒としては、四塩
化炭素、クロロホルム等のハロゲン溶媒、ベンゼン、シ
クロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶
媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒
等が挙げられる。
−フェニルプロパン類、または上記一般式(IV)の2−
フェニルプロペン類に対して3〜10倍モル、好ましく
は4〜6倍モルである。本反応は無溶媒または適宜溶媒
で希釈して実施できるが、使用する溶媒としては、四塩
化炭素、クロロホルム等のハロゲン溶媒、ベンゼン、シ
クロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶
媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒
等が挙げられる。
【0022】溶媒の使用量は特に制限されないが、上記
一般式(III)の2−フェニルプロパン類、または上記
一般式(IV)の2−フェニルプロペン類の0〜100重
量倍量、好ましくは0〜10重量倍量である。本反応は
無触媒または触媒の存在下で実施できるが、使用する触
媒としては、ラジカル開始剤または4級アンモニウム塩
が挙げられる。
一般式(III)の2−フェニルプロパン類、または上記
一般式(IV)の2−フェニルプロペン類の0〜100重
量倍量、好ましくは0〜10重量倍量である。本反応は
無触媒または触媒の存在下で実施できるが、使用する触
媒としては、ラジカル開始剤または4級アンモニウム塩
が挙げられる。
【0023】ラジカル開始剤としては金属水素化物、無
機あるいは有機過酸化物、アゾ化合物、光等が挙げられ
る。有機過酸化物としては、t−ブチルヒドロペルオキ
シド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル等
が挙げられ、アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ア
ゾビス−N、N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ
る。
機あるいは有機過酸化物、アゾ化合物、光等が挙げられ
る。有機過酸化物としては、t−ブチルヒドロペルオキ
シド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル等
が挙げられ、アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ア
ゾビス−N、N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ
る。
【0024】4級アンモニウム塩としては、水酸化テト
ラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウ
ム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化テト
ラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウ
ム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化トリエチルベ
ンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルアンモニ
ウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化テト
ラメチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモ
ニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化ト
リメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリ
ジニウム、塩化N−ベンジルピコリニウム、塩化N−ラ
ウリル4−ピコリニウム、塩化N−ラウリルピコリニウ
ム、トリカプリルメチルアンモニウムクロライド、沃化
テトラメチルアンモニウム、沃化テトラ−n−ブチルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサ
ルフェート等が挙げられる。
ラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウ
ム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化テト
ラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウ
ム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化トリエチルベ
ンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルアンモニ
ウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化テト
ラメチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモ
ニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化ト
リメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリ
ジニウム、塩化N−ベンジルピコリニウム、塩化N−ラ
ウリル4−ピコリニウム、塩化N−ラウリルピコリニウ
ム、トリカプリルメチルアンモニウムクロライド、沃化
テトラメチルアンモニウム、沃化テトラ−n−ブチルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサ
ルフェート等が挙げられる。
【0025】ラジカル開始剤の使用量は、特に制限され
ないが、上記一般式(III)の2−フェニルプロパン
類、または上記一般式(IV)の2−フェニルプロペン類
に対して0.001〜1当量、好ましくは0.01〜
0.3当量用いるのが良い。触媒は、臭素を滴下しなが
ら、あるいは滴下後に加えることにより反応を進行させ
る。これらの触媒は数回に分けて加えることもできる。
ないが、上記一般式(III)の2−フェニルプロパン
類、または上記一般式(IV)の2−フェニルプロペン類
に対して0.001〜1当量、好ましくは0.01〜
0.3当量用いるのが良い。触媒は、臭素を滴下しなが
ら、あるいは滴下後に加えることにより反応を進行させ
る。これらの触媒は数回に分けて加えることもできる。
【0026】反応温度は−20〜150℃、好ましくは
0〜100℃の範囲で、30分〜6時間程度かけて臭素
を滴下し、滴下終了後そのまま1〜3時間反応させて反
応を完結させる。反応終了後は、水、アルカリ水溶液、
チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄後、有機溶媒で抽出し
濃縮することにより、上記一般式(V)の2−フェニル
−1,2,3−トリブロモプロパン類を単離できる。
0〜100℃の範囲で、30分〜6時間程度かけて臭素
を滴下し、滴下終了後そのまま1〜3時間反応させて反
応を完結させる。反応終了後は、水、アルカリ水溶液、
チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄後、有機溶媒で抽出し
濃縮することにより、上記一般式(V)の2−フェニル
−1,2,3−トリブロモプロパン類を単離できる。
【0027】なお、上記一般式(III)の2−フェニル
プロパン類は、市販の2−フェニルプロパン類をハロゲ
ン化、ニトロ化等をすることにより容易に製造できる。
また、ハロゲン基等の置換基を有するベンゼン類にフリ
ーデルクラフツ反応により、プロパン基を導入すること
によっても製造できる。上記一般式(IV)の2−フェニ
ルプロペン類は、市販のα−メチルスチレンをハロゲン
化、ニトロ化等をすることにより容易に製造できる。
プロパン類は、市販の2−フェニルプロパン類をハロゲ
ン化、ニトロ化等をすることにより容易に製造できる。
また、ハロゲン基等の置換基を有するベンゼン類にフリ
ーデルクラフツ反応により、プロパン基を導入すること
によっても製造できる。上記一般式(IV)の2−フェニ
ルプロペン類は、市販のα−メチルスチレンをハロゲン
化、ニトロ化等をすることにより容易に製造できる。
【0028】得られた上記一般式(V)の2−フェニル
−1,2,3−トリブロモプロパン類に、無溶媒または
溶媒中で金属、ヨウ素化合物またはリン化合物を作用さ
せ一般式(VI)の3−ブロモ−2−フェニル−1−プロ
ペン類が製造できる。本反応は無溶媒または適宜溶媒で
希釈して実施できるが、使用する溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベン
ゼン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水
素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル等のエーテル類、水、アセトニトリ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸、フェノー
ル、ジメチルスルホキシド、ピリジン等が挙げられる。
−1,2,3−トリブロモプロパン類に、無溶媒または
溶媒中で金属、ヨウ素化合物またはリン化合物を作用さ
せ一般式(VI)の3−ブロモ−2−フェニル−1−プロ
ペン類が製造できる。本反応は無溶媒または適宜溶媒で
希釈して実施できるが、使用する溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベン
ゼン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水
素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル等のエーテル類、水、アセトニトリ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸、フェノー
ル、ジメチルスルホキシド、ピリジン等が挙げられる。
【0029】使用する金属としては、亜鉛、鉄、銅、マ
グネシウム、アルミニウム、ニッケル等が挙げられ、形
態としては、粉末状、リボン状、粒状等の物が使用でき
る。使用するヨウ素化合物としては、ヨウ化ナトリウム
等が挙げられ、またリン化合物としては、トリフェニル
ホスフィン、ジエチルアミノホスフィン等が挙げられ
る。
グネシウム、アルミニウム、ニッケル等が挙げられ、形
態としては、粉末状、リボン状、粒状等の物が使用でき
る。使用するヨウ素化合物としては、ヨウ化ナトリウム
等が挙げられ、またリン化合物としては、トリフェニル
ホスフィン、ジエチルアミノホスフィン等が挙げられ
る。
【0030】本反応に用いられる金属、ヨウ素化合物、
またはリン化合物の量は上記一般式(V)の2−フェニ
ル−1,2,3−トリブロモプロパン類の1〜6倍モ
ル、好ましくは1〜3倍モルである。反応温度は−20
〜150℃、好ましくは0〜150℃の範囲で、反応時
間は15分〜6時間、好ましくは30分〜3時間反応さ
せる。
またはリン化合物の量は上記一般式(V)の2−フェニ
ル−1,2,3−トリブロモプロパン類の1〜6倍モ
ル、好ましくは1〜3倍モルである。反応温度は−20
〜150℃、好ましくは0〜150℃の範囲で、反応時
間は15分〜6時間、好ましくは30分〜3時間反応さ
せる。
【0031】反応終了後は、水、塩酸水、更に重曹水で
洗浄後、有機溶媒で抽出し濃縮するか、または有機溶媒
で抽出後、水、塩酸水、更に重曹水で洗浄することによ
り上記一般式(VI)の3−ブロモ−2−フェニル−1−
プロペン類を単離できる。また、上記一般式(VI)の3
−ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類は、カラムク
ロマトグラフィー、蒸留等により精製できる。得られた
上記一般式(VI)の3−ブロモ−2−フェニル−1−プ
ロペン類の内、上記一般式(II)で表される3−ブロモ
−2−置換フェニル−1−プロペン類は、新規な化合物
である。
洗浄後、有機溶媒で抽出し濃縮するか、または有機溶媒
で抽出後、水、塩酸水、更に重曹水で洗浄することによ
り上記一般式(VI)の3−ブロモ−2−フェニル−1−
プロペン類を単離できる。また、上記一般式(VI)の3
−ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類は、カラムク
ロマトグラフィー、蒸留等により精製できる。得られた
上記一般式(VI)の3−ブロモ−2−フェニル−1−プ
ロペン類の内、上記一般式(II)で表される3−ブロモ
−2−置換フェニル−1−プロペン類は、新規な化合物
である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例について更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 〈実施例1〉 2−フェニル−1,2,3−トリブロモ
プロパンの合成 クメン5.0gに氷水冷却下、臭素を4mlを30分間
かけて滴加した。5mgのアゾビスイソブチロニトリル
を加えた後、更に臭素2mlを30分間かけて滴加し
た。その後反応系を室温にて2時間反応した。反応系に
ヘキサン、水を加えて分液した後、有機層を、チオ硫酸
ナトリウム水溶液、重曹水、水にて洗浄した後、芒硝乾
燥した後濃縮し、2−フェニル−1,2,3−トリブロ
モプロパンを約11g得た。(純度約85%) 〈実施例2〉 2−(3−クロロフェニル)−1,2,
3−トリブロモプロパンの合成 m−クロロ−α−メチルスチレン2.2gに氷水冷却
下、臭素を1.8mlを30分間かけて滴加した。2m
gのアゾビスイソブチロニトリルを加えた、反応系を室
温にて1時間反応した。反応系にヘキサン、水を加えて
分液した後、有機層を、チオ硫酸ナトリウム水溶液、重
曹水、水にて洗浄した後、芒硝乾燥した後濃縮し、2−
(3−クロロフェニル)−1,2,3−トリブロモプロ
パンを約5.5g得た。(純度約90%)1 HNMR(δ,CDCl3):4.25(2H,d),
4.37(2H,d),7.33(2H,m),7.4
5(1H,dd),7.56(1H,dd) 〈実施例3〉 2−フェニル−3−ブロモ−1−プロペ
ンの合成 2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパン(純度
約90%)4g,ジメチルスルホキサイド40mlに溶
解し、これに1.4gの銅(粉末)を加え、室温にて1
時間反応した。反応系にヘキサン40mlを加えて分液
し、ヘキサン層を希塩酸水洗、水洗した後濃縮、2−フ
ェニル−3−ブロモ−1−プロペン2.2gを得た。
(純度約70%)1 HNMR(δ,CDCl3):4.34(2H,s),
5.53(2H,s),5.56(2H,s),7.2
−7.4(3H,m),7.47(1H,d)
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 〈実施例1〉 2−フェニル−1,2,3−トリブロモ
プロパンの合成 クメン5.0gに氷水冷却下、臭素を4mlを30分間
かけて滴加した。5mgのアゾビスイソブチロニトリル
を加えた後、更に臭素2mlを30分間かけて滴加し
た。その後反応系を室温にて2時間反応した。反応系に
ヘキサン、水を加えて分液した後、有機層を、チオ硫酸
ナトリウム水溶液、重曹水、水にて洗浄した後、芒硝乾
燥した後濃縮し、2−フェニル−1,2,3−トリブロ
モプロパンを約11g得た。(純度約85%) 〈実施例2〉 2−(3−クロロフェニル)−1,2,
3−トリブロモプロパンの合成 m−クロロ−α−メチルスチレン2.2gに氷水冷却
下、臭素を1.8mlを30分間かけて滴加した。2m
gのアゾビスイソブチロニトリルを加えた、反応系を室
温にて1時間反応した。反応系にヘキサン、水を加えて
分液した後、有機層を、チオ硫酸ナトリウム水溶液、重
曹水、水にて洗浄した後、芒硝乾燥した後濃縮し、2−
(3−クロロフェニル)−1,2,3−トリブロモプロ
パンを約5.5g得た。(純度約90%)1 HNMR(δ,CDCl3):4.25(2H,d),
4.37(2H,d),7.33(2H,m),7.4
5(1H,dd),7.56(1H,dd) 〈実施例3〉 2−フェニル−3−ブロモ−1−プロペ
ンの合成 2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパン(純度
約90%)4g,ジメチルスルホキサイド40mlに溶
解し、これに1.4gの銅(粉末)を加え、室温にて1
時間反応した。反応系にヘキサン40mlを加えて分液
し、ヘキサン層を希塩酸水洗、水洗した後濃縮、2−フ
ェニル−3−ブロモ−1−プロペン2.2gを得た。
(純度約70%)1 HNMR(δ,CDCl3):4.34(2H,s),
5.53(2H,s),5.56(2H,s),7.2
−7.4(3H,m),7.47(1H,d)
【0033】
【発明の効果】本発明は、医薬および農薬の中間体であ
る2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパン類お
よび3−ブロモ−2−フェニル−1−プロペンを副生物
に対して高い選択率で製造できる。
る2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパン類お
よび3−ブロモ−2−フェニル−1−プロペンを副生物
に対して高い選択率で製造できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子ま
たは基内に水素原子を含まない電子吸引性基を示す。た
だし、R1およびR2は同時に水素原子ではない。)で表
わされる2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパ
ン類。 - 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 (式中、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子ま
たは基内に水素原子を含まない電子吸引性基を示す。た
だし、R3およびR4は同時に水素原子ではない。)で表
される3−ブロモ−2−置換フェニル−1−プロペン
類。 - 【請求項3】 一般式(III) 【化3】 (式中、R5およびR6は、それぞれ独立して水素原子ま
たは基内に水素原子を含まない電子吸引性基を示す。)
で表わされる2−フェニルプロパン類、または一般式
(IV) 【化4】 (式中、R5およびR6は、一般式(III)で定義したと
おり。)で表わされる2−フェニルプロペン類に、臭素
を作用させることを特徴とする一般式(V) 【化5】 (式中、R5およびR6は、一般式(III)で定義したと
おり。)で表わされる2−フェニル−1,2,3−トリ
ブロモプロパン類の製造法。 - 【請求項4】 一般式(V) 【化6】 (式中、R5およびR6は、それぞれ独立して水素原子ま
たは基内に水素原子を含まない電子吸引性基を示す。)
で表わされる2−フェニル−1,2,3−トリブロモプ
ロパン類に、金属、ヨウ素化合物またはリン化合物を作
用させることを特徴とする一般式(VI) 【化7】 (式中、R5およびR6は、一般式(V)で定義したとお
り。)で示される3−ブロモ−2−フェニル−1−プロ
ペン類の製造法。 - 【請求項5】 R1およびR2の基内に水素原子を含まな
い電子吸引性基が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、トリフルオロメチル基であることを特徴とする請求
項1に記載の製造法。 - 【請求項6】 R3およびR4の基内に水素原子を含まな
い電子吸引性基が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、トリフルオロメチル基であることを特徴とする請求
項2に記載の製造法。 - 【請求項7】 R5およびR6の基内に水素原子を含まな
い電子吸引性基が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、トリフルオロメチル基であることを特徴とする請求
項3または4のいずれかに記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26405895A JPH09110742A (ja) | 1995-10-12 | 1995-10-12 | 2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパン類、3−ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類およびこれらの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26405895A JPH09110742A (ja) | 1995-10-12 | 1995-10-12 | 2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパン類、3−ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類およびこれらの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09110742A true JPH09110742A (ja) | 1997-04-28 |
Family
ID=17397958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26405895A Pending JPH09110742A (ja) | 1995-10-12 | 1995-10-12 | 2−フェニル−1,2,3−トリブロモプロパン類、3−ブロモ−2−フェニル−1−プロペン類およびこれらの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09110742A (ja) |
-
1995
- 1995-10-12 JP JP26405895A patent/JPH09110742A/ja active Pending
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