JPH09110089A - 粒体排出装置付袋を内側に嵌装したコンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反転させること無くコンテナに収納された粉
粒体を簡単に荷空けすることができる粒体排出装置付袋
を内側に装着したコンテナを提供すること。 【解決手段】 網体よりなるコンテナ体１の内面に袋本
体３を嵌装し、袋本体３の一部に粒体排出口５を形成
し、袋本体３にこれと別体の閉塞片４を粒体排出口５を
塞ぐように袋本体３に対して離間可能に重合し、閉塞片
４に係止部６を設けると共に、係止部６をコンテナ体１
の外方に突出させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、穀物等の粒体を収
納して保管運送するに好適な粒体排出装置付袋を内側に
嵌装したコンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、金網等の網体よりなるコンテナ体
（一般的に組立式が多い）で穀物等の粒体を保管、運送
する場合は、荷こぼれを防止するため、その内側に樹脂
袋、麻袋等の内装袋を嵌め込んで広げ、袋の内部に粒体
を収納するようにしている。この粒体を貯溜タンク等に
移す場合は、回転機能を有するフォークリフトでコンテ
ナを一個づつ持ち上げ、投入口の上でフォークリフトの
フォークを回転してコンテナを反転させ、袋の中の粒体
を貯溜タンク等に流入させている。

【０００３】しかし、全てのフォークリフトにフォーク
を回転させる機能が備わっているわけではなく、たんに
フォークを昇降させるだけの機能しかないフォークリフ
トでは、上記従来のコンテナ内に収納された粉粒体を、
貯溜コンテナ等に移し替えることができなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、フォークの
回転機能のないフォークリフトでも、コンテナに収納さ
れた粒体を簡単に荷空けすることができる粒体排出装置
付袋を内側に嵌装したコンテナを提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の粒体排出装置付
袋を内側に嵌装したコンテナは、上記課題を達成するた
めに、網体よりなるコンテナ体の内面に袋本体を嵌装
し、該袋本体の一部に粒体排出口を形成し、前記袋本体
にこれと別体の閉塞片を前記粒体排出口を塞ぐように前
記袋本体に対して離間可能に重合し、前記閉塞片に係止
部を設けると共に、該係止部を前記コンテナ体の外方に
突出させる。そして、係止部にフォークリフトのフォー
ク等を係止して閉塞片を引っ張り、これにより閉塞片を
粒体排出口からずらし、粒体排出口を通して粒体排出装
置付袋の内部に収納された粒体を排出する。

【０００６】また、次の構成を有することがある。袋本
体の側面に粒体排出口を形成し、閉塞片の上端に係止部
を設ける。粒体排出口の位置、大きさ、数等は、粒体の
流出スピード或いは作業能率等を勘案して策定する。

【０００７】袋本体の底面に粒体排出口を形成し、閉塞
片を袋本体の底面の上に載置し、閉塞片に紐又はテープ
を固着すると共に該紐又はテープの端部を袋本体の上方
まで延ばし、その先端に係止部を設ける。粒体排出口の
位置、大きさ、数等は、粒体の流出スピード或いは作業
能率等を勘案して策定する。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１乃至図３は本発明の第１の実
施形態を示す。コンテナは、上記従来のコンテナと同様
に、側面と底面が金網等の網体より成る組み立て式箱状
のコンテナ体１に形成され、その内側に粒体排出装置付
袋２が嵌装される。

【０００９】粒体排出装置付袋２は、コンテナ体１とほ
ぼ同じ平面形状を有する袋本体３と、袋本体３と別体の
閉塞片４とから構成される。袋本体３は紙、合成樹脂、
麻等を素材とし、コンテナ体１よりやや高く、且つ上面
が開口しており、図１に示すように、コンテナ体１の内
面に密着するように広げて嵌装され、その上端部はコン
テナ体１の上縁を越えて外側に折り返されるようになっ
ている。また、袋本体３の対向する側面にそれぞれその
上端から下端に亘って適宜幅の粒体排出口５が形成され
る。

【００１０】閉塞片４は、引張強度に富んだ紙、合成樹
脂、麻等を素材とし、コンテナ体１より高く、且つ袋本
体４の粒体排出口５より幅広い大きさを有する。また、
閉塞片４の上端は折り返されてその下部に固着され、断
面環状の係止部６が上縁に沿って形成される。

【００１１】この閉塞片４は、図２及び図３に示すよう
に、袋本体３の内面に粒体排出口５を完全に塞ぐように
重合され、上端に形成された係止部６がコンテナ体１よ
りも上方に突出されている。また、閉塞片４の下端部は
内側に折り曲げられ、袋本体３の底面の上に重合されて
いる。なお、粒体排出装置付袋２をコンテナ体１に嵌装
したり、粒体を粒体排出装置付袋２の内部に充填する際
に、閉塞片４が粒体排出口５からずれないように、接着
力の弱い接着剤によって閉塞片４を袋本体３に軽く接着
しておいても良い。

【００１２】コンテナ体１からその内部に収納された粒
体を荷空けする時は、閉塞片４の係止部６に側方からフ
ォークリフトのフォークを差し込み、フォークリフトを
操作して吊り上げると、閉塞片４が上方に引き抜かれて
袋本体３の粒体排出口５が露出する。この結果、粒体排
出装置付袋２の内部に収納された粒体が粒体排出口５及
びコンテナ体１の隙間を通って外側に流出する。

【００１３】図４及び図５は、本発明の第２の実施形態
を示す。袋本体３ａの底面中央部に適宜大きさの粒体排
出口５ａが穿設され、袋本体３ａの底面の上に粒体排出
口５ａを完全に覆うように閉塞片４ａが載置される。袋
本体３ａ及び閉塞片４ａは、紙、合成樹脂、麻等によっ
て構成される。

【００１４】また、閉塞片４ａの中央部に幅方向全長に
亘って合成樹脂等の強靭な素材よりなる紐又はテープ７
が貼着される。紐又はテープ７の両端は袋本体３の底面
及び側面の内側に沿って延び、その先端を折り返して形
成された環状の係止部６ａが袋本体３ａより上方に突出
している。

【００１５】従って、紐又はテープ７の先端の係止部６
ａにフォークリフトのフォークを挿入して吊り上げる
と、閉塞片４ａが下方に撓みながら持ち上がり、袋本体
３ａの粒体排出口５ａが露出する。そして、粒体排出装
置付袋２ａの内部に収納された粒体が粒体排出口５ａ及
びコンテナ体１ａの隙間から排出される。その他の構成
は第１の実施形態とほぼ同様なので、説明を省略する。

【００１６】なお、図１乃至図４に示すように、袋本体
３，３ａの側壁の上縁対向部に一対又は複数対の環状の
突出部８が形成され、大部分の粒体を排出した後、突出
部８を持ち上げることにより、底面の対向縁を上方に持
ち上げ、底面に残留した粒体を中央に寄せつつ排出す
る。また、粒体の流出スピード或いは作業能率等を勘案
して、第１の実施形態と第２の実施形態とを併用し、排
出作業の後に袋本体の内部に残る残量を少なくすること
もできる。さらに、係止部６，６ａに対する係止は、フ
ォークリフトのフォーク以外のものでもよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明の粒体排出装置付袋を内側に嵌装
したコンテナによれば、内部に粒体を収納した状態で、
フォークリフト等を利用して閉塞片をずらすだけで簡単
に粒体排出口を露出させることができるので、コンテナ
を反転させること無く、内部に収納された粒体をこの裂
け目から流出させることが可能であり、このため、フォ
ークを昇降させる機能しかないフォークリフトを用いて
容易に荷空けすることができる。

【００１８】また、粒体排出装置付袋は構造が簡単であ
ると共に、コンテナも従来から使用されているものをそ
のまま利用することができるため、製造コストが低廉で
済む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態を示す粒体排出装置付
袋を内側に嵌装したコンテナの斜視図

【図２】同上の横断面図

【図３】同上の縦断面図

【図４】本発明の第２の実施形態に係る粒体排出装置付
袋の内部斜視図

【図５】本発明の第２の実施形態を示す粒体排出装置付
袋を内側に嵌装したコンテナの要部縦断面図

【符号の説明】

１，１ａ コンテナ体 ２，２ａ 粒体排出装置付袋 ３，３ａ 袋本体 ４，４ａ 閉塞片 ５，５ａ 粒体排出口 ６，６ａ 係止部 ７ 紐又はテープ ８ 突出部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 網体よりなるコンテナ体の内面に袋本体
   を嵌装し、該袋本体の一部に粒体排出口を形成し、前記
   袋本体にこれと別体の閉塞片を前記粒体排出口を塞ぐよ
   うに前記袋本体に対して離間可能に重合し、前記閉塞片
   に係止部を設けると共に、該係止部を前記コンテナ体の
   外方に突出させたことを特徴とする粒体排出装置付袋を
   内側に嵌装したコンテナ。
2. 【請求項２】 前記袋本体の側面に粒体排出口を形成
   し、前記閉塞片の上端に係止部を設けたことを特徴とす
   る請求項１に記載された粒体排出装置付袋を内側に嵌装
   したコンテナ。
3. 【請求項３】 前記袋本体の底面に粒体排出口を形成
   し、閉塞片を前記袋本体の底面の上に載置し、前記閉塞
   片に紐又はテープを固着すると共に該紐又はテープの端
   部を前記袋本体の上方まで延ばし、その先端に前記係止
   部を設けたことを特徴とする請求項１に記載された粒体
   排出装置付袋を内側に嵌装したコンテナ。