JPH09109983A - 駆動力補助装置 - Google Patents

駆動力補助装置

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Publication number
JPH09109983A
JPH09109983A JP27142495A JP27142495A JPH09109983A JP H09109983 A JPH09109983 A JP H09109983A JP 27142495 A JP27142495 A JP 27142495A JP 27142495 A JP27142495 A JP 27142495A JP H09109983 A JPH09109983 A JP H09109983A
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JP
Japan
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motor
driving force
auxiliary
human
power
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Application number
JP27142495A
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English (en)
Inventor
Katsumi Shinkai
勝美 新海
Kuniaki Tanaka
邦章 田中
Yutaka Takada
豊 高田
Hiroshi Nakazato
博 中里
Hiroshi Miyazawa
弘 宮澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電力系及び制御系を含めたモータ駆動系から
最終的にモータに出力される電力供給状態を監視し、異
常なモータ出力制御から障害を判別して対処するととも
に、検出された人力駆動力に応じた補助出力を得られる
ように、供給電流を制御し、補助出力を決定する演算や
テーブル参照を不要とし、安全性の向上と低コスト化が
可能な駆動力補助装置を提供すること。 【構成】 搭載した補助走行用モータ(7)により人力
を補助する電気自転車(1)の補助駆動装置(11)に
おいて、モータへの電力供給状態を監視し、供給が意図
した通りに行われない場合や、人力の変動入力に拘らず
供給状態が継続した場合には、何らかの障害が発生した
として供給電力を遮断する構成を備えた。また、モータ
への電力供給状態からモータ出力トルクを判別し、該モ
ータ出力トルクと、検出した人力から設定された必要な
モータ出力トルクとを比較してモータ出力動作を制御す
る構成を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自転車等
の軽車両やボート等に用いられる、踏力等の人力の負荷
を軽減する駆動力補助装置の制御手段に関し、特に、安
全性の向上や低コスト化を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】近年、人力の補助用に電動モータを用い
た電動自転車が注目されている。この種の電動自転車
は、通常の自転車に、電動モータと、このモータに電力
を供給するバッテリ電源部を搭載し、人力の駆動力に応
じて所定のモータ補助動力を追加補助し、人力の負荷を
軽減させるようにしたものである。
【0003】また、現在、国内の法規上、自転車として
類別されるためには、モータによる自走を行わず、人力
の駆動力に応じた補助を行うことが必要とされている。
すなわち、このモータによる補助駆動力は、人力の駆動
力を越えることはなく、更に、自転車の走行速度が毎時
15Kmまでの場合には、100%の補助を行い、この
毎時15Kmを越えた場合には、漸次減少し、そして、
毎時24Km以上では、モータ補助動力が追加補助され
ないような制御、すなわち人力補助率を規制されてい
る。
【0004】このような電動自転車は、図21に示すよ
うに、通常の自転車と同様に、電動自転車1のフレーム
体2の前後に前輪4及び後輪5を備え、後輪5を運転者
の人力駆動力(踏力)により駆動する人力駆動手段を備
えて構成され、更に、これに補助駆動手段Jを追加した
構成とされている。尚、JIS規格では、フレーム体の
うち、符号2cで示すものをメインパイプ、2dを立パ
イプと呼んでいるので、本明細書でもJIS規格に従っ
て用いている。
【0005】この補助駆動手段Jは、車軸と直交し且つ
車体幅方向の略中央付近に配設されたモータMと、この
モータの回転駆動力を車軸の回転方向に変換するととも
に減速する動力伝達装置(図示を省略)と、この減速さ
れたモータの回転駆動力を、人力の通常駆動系に追加し
て合成するとともに、人力単独の駆動時には、モータ駆
動系を通常駆動系から切り離す合成機構(図示を省略)
とから構成されている。
【0006】モータ駆動系は、モータMを駆動源とした
動力伝達装置により回転駆動され、このモータMは電気
動力装置から電力が供給されている。すなわち、この電
気動力装置は、複数の蓄電池を用いたバッテリ電源部
8、電力を安定化して供給する電源回路部、走行用のモ
ータM、このモータの出力動作を直接制御するモータ駆
動回路、及び、このモータ駆動回路に補助出力指令値を
出力する制御回路から構成されている。そして、このモ
ータから生じたモータの回転駆動力は、従来の通常駆動
系に追加され、この補助強化された駆動力は伝達装置を
介して走行輪に伝達され、人力の負荷を軽減させて快適
な自転車の走行を可能にしている。
【0007】また、このモータ駆動系は、運転者が人力
駆動手段に入力した人力駆動力と、車両の走行速度に基
づき、モータ出力が制御されている。
【0008】すなわち、運転者の人力駆動力を検出する
人力検出手段(自転車においては踏力検出手段)と、自
転車の走行速度を検出する車速センサが設けられてお
り、両者の出力端子は制御回路に配線を介して接続され
ている。そして、この制御回路により、該時点における
車速センサが検出した走行速度に基づき、前述した人力
補助の比率を決定し、次に、この比率に人力検出手段が
検出した人力駆動力を掛合わせて、実際に必要な補助出
力を算定し、最後に、この補助駆動力を満たす補助出力
指令値をモータ駆動回路に出力している。また、このよ
うな出力値の設定は、両検出値から、制御手段に予め用
意された演算式により段階的に演算して、又は、予め所
定に設定されたテーブルから両値を直接的にクロス参照
して、行われている。
【0009】従って、図22に示すように、各走行速度
域において、実線により示す入力された人力駆動力に応
じて、補助駆動手段Jから所定のモータ補助駆動力が出
力され、破線により示す合成駆動力が得られる。また、
自転車においては、このような人力駆動力の入力が、運
転者の踏力により間歇的に行われるので、一定ではな
く、強弱を持ったパルス波形状になっている。
【0010】また、この人力検出手段は、一般的に、機
械的な機構を用いて、入力された人力駆動力を、人力駆
動力に応じた回転角度等の物理的な変位量に変換し、こ
の変位量(回転角)を変位量センサ(回転角センサ)に
より測定し電気信号に変換して、最終的に検出した人力
検出値を制御手段に出力するように構成されている。従
って、人力駆動力が未入力の場合には、人力検出手段の
可動検出部分は初期位置を占める。そして、この位置か
ら入力された人力駆動力に追従して、最大位置までの間
を前記可動検出部分が動作移動するように設けられてい
る。
【0011】ところで、このような電動自転車におい
て、人力検出手段の機械的な機構がロックしたり、人力
駆動力の検出信号を送信する配線がショートしたりし
て、人力検出手段から、常時、人力駆動力が入力されて
いることを示す信号が出力される障害が生起する場合が
ある。このような場合は、図23(a)に示すように、
人力駆動力(実線により示す)が入力状態であるにも拘
らず、人力検出手段により検出した人力検出値(破線に
て示される)が、一定値となってしまう。この結果、駆
動力補助手段から補助出力が出力され続けて、常に一定
のモータ補助出力が追加されるので、車両が補助された
走行状態ではなく、自走状態となってしまう。従って、
前述した電動自転車の規制に違反するだけではなく、ブ
レーキが利かなくなったりして、安全上、極めて危険に
なってしまう。
【0012】また、この程度の障害が生じなくても、人
力検出手段の円滑な動作に支障をきたした場合には、モ
ータの補助駆動制御がスムーズに行われなくなり、かえ
って補助駆動によって、運転者の快適な走行感を損なう
おそれがある。
【0013】例えば、人力検出手段の機構的な可動部分
が半固着の状態(可動部分又はこの部分までの途中経路
に介在する各種可動部材の移動/回転等の機械的な動作
が遅くなった状態)の場合には、人力入力の減少にすみ
やかに追従動作できず、人力検出値が実際と異なってし
まう不都合が生じる。すなわち、人力駆動力の減少に応
じて、可動部分が、人力駆動力が未入力な初期位置ま
で、追従して復帰動作できず、その復帰途中で次の人力
駆動力が入力されてしまう場合には、図23(b)に破
線により示すように、この検出手段が検出する人力検出
値は、鋸歯状となり、これに応じて補助駆動手段から鋸
歯状の補助出力が追加されるので、運転者は違和感を感
じてしまう。
【0014】また、人力検出手段が円滑に動作していて
も、機構的な可動部分に異物等が挟まり、人力駆動力の
減少に応じて、可動部分が、人力駆動力が未入力な初期
位置まで、全く復帰できない場合には、同図中の(c)
に破線により示すように、この検出手段が検出する人力
検出値は、一定値以下に減少しないことになり、同様な
不都合が生じる。また、この場合は、運転者が人力駆動
力の入力を停止しても、検出手段からの人力検出値が一
定値以下に減少しないので、図23(a)と同様な状態
となり、車両が自走状態になってしまう。
【0015】そこで、踏力センサによって検出された踏
力検出値が、所定期間、異常に過大な値を保持した場合
に、センサ系にトラブルが生じたとして、モータによる
補助駆動を停止して、自走状態を解除する安全機構が提
案されている(例えば、特開平5年−310117
号)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来の安全機構は、踏力センサによる検出値が、所定期
間、過大な異常値を保持したことにより、センサが故障
したと判別しているので、この所定期間を、固定的な一
定期間では無く、自転車の走行速度に応じて変更しなけ
れば、故障判定が不正確となってモータ補助駆動制御が
不調となり、良好な走行感を得られない不都合があっ
た。
【0017】すなわち、運転者による人力のペダル入力
期間は、走行速度に応じて変化するので、低速走行時に
は、比較的に長いペダル周期に応じて、この所定時間を
長く設定しなければ、センサの故障に係わりなく、ペダ
ル周期の途中で、モータ補助が停止してしまう。また、
高速走行になるに伴って、この所定時間を減少させなけ
れば、センサの障害判定が遅れ気味となるので、安全性
が低下することになる。従って、このように踏力センサ
からの制御手段を用いて、走行速度により前記所定期間
を可変させるためには、制御処理が多様化したり、回路
構成が複雑化したりするので、コストアップとなる不具
合があった。
【0018】このような安全機構を備えた電動自転車
は、戸外の自然環境において使用されるので、耐振動・
耐水・結露・防塵・耐久性等を十分に確保して設計さ
れ、長期間に苛酷に使用した場合にも、その使用状態に
応じた適切な整備点検等を実施することにより、正常な
動作状態を維持することができるが、この整備点検等が
実施できない場合には、踏力センサ系の機械的な障害に
加え、他のセンサ系や電力供給系、更には、制御系の回
路的な障害や、各センサ/回路を接続する配線に起因す
る障害が発生する可能性がある。特に、前記従来の安全
機構では、踏力センサ系の障害に対処することができて
も、車速センサ系やモータ電力供給系、更には制御回路
系の障害に基づく、自走状態を防止することができない
という不都合があった。また、これらのセンサ/回路に
おいて、同時に複数の箇所が障害を起こしたり、複数箇
所の不調動作の結果として複合的な原因による障害が生
じるおそれもある。
【0019】また更に、前述したように補助駆動手段に
よる補助走行制御は、その時点に検出した走行速度と人
力とに基づき、演算又はテーブル参照により、所定の補
助駆動出力を設定して、これに応じてモータ出力を調整
する回路構成により行われているので、回路構成が簡素
化できず、コストダウンが困難であるという不都合があ
った。
【0020】そこで、本発明は、電力系及び制御系を含
めたモータ駆動系から最終的にモータに出力される電力
供給状態を監視すること等により、異常なモータ出力制
御から障害を判別して対処するとともに、検出された人
力駆動力に応じた補助出力を得られるように、供給電流
を制御し、更に、補助出力を決定する演算やテーブル参
照を不要とし、安全性の向上と低コスト化が可能な駆動
力補助装置を得ることを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載し
た発明は、運転者の人力駆動力により駆動される走行装
置に設けられ、且つ、人力駆動力を検出する人力検出手
段と、走行速度を検出する速度検出手段と、両検出手段
からの検出値に基づいて補助駆動力を出力する補助駆動
手段とを備え、前記補助駆動力を人力駆動力に合成する
駆動力補助装置において、前記補助駆動手段は、バッテ
リからモータに至るモータ給電経路中の任意箇所におい
て電力を検出する電力検出手段と、前記電力検出値が規
定値を越えた場合に前記補助駆動手段による補助駆動力
を制限する異常時制御手段と、を有する構成の駆動力補
助装置である。
【0022】従って、バッテリから出力される電力、モ
ータ駆動回路中の電力、モータに供給される電力等、い
ずれか適当な箇所において検出されたものが、規定値を
越えた場合に、例えばモータ供給電力が遮断される等、
前記補助駆動手段による補助駆動力値が制限される。こ
こで、規定値を越えるとは、文字通り一定の値を上回る
場合は勿論、予め規定した範囲、例えば入力駆動力に対
して出力がこのように変化するであろうと予定された範
囲、を逸脱した場合も含むものである(以下、同じ)。
【0023】本願第2請求項に記載した発明は、運転者
の人力駆動力により駆動される走行装置に設けられ、且
つ、人力駆動力を検出する人力検出手段と、走行速度を
検出する速度検出手段と、両検出手段からの検出値に基
づいて補助駆動力を出力する補助駆動手段とを備え、前
記補助駆動力を人力駆動力に合成する駆動力補助装置に
おいて、前記補助駆動手段は、モータ供給電力を検出す
るモータ供給電力検出手段と、前記モータ供給電力検出
値との比較値が規定値を越えた場合に前記補助駆動手段
による補助駆動力を制限する異常時制御手段と、を有す
る構成の駆動力補助装置である。
【0024】従って、本請求項に記載した発明は、第1
請求項に記載したもののうち検出するものがモータ供給
電力であり、そして、このモータ供給電力検出値との比
較値が規定値を越えた場合に、例えばモータ供給電力が
遮断される等、前記補助駆動手段による補助駆動力値が
制限される。
【0025】本願第3請求項に記載した発明は、運転者
の人力駆動力により駆動される走行装置に設けられ、且
つ、人力駆動力を検出する人力検出手段と、走行速度を
検出する速度検出手段と、両検出手段からの検出値に基
づいて補助駆動力を出力する補助駆動手段とを備え、前
記補助駆動力を人力駆動力に合成する駆動力補助装置に
おいて、前記補助駆動手段は、モータ駆動回路に補助出
力指令値を出力する制御手段と、前記補助駆動手段によ
る補助駆動力を制限する異常時制御手段とを有し、前記
異常時制御手段は、前記補助出力指令値、又は、当該補
助出力指令値に基づいて出力される供給電力値が、設定
期間、規定値以上の場合に前記補助駆動手段による補助
駆動力を制限する構成の駆動力補助装置である。
【0026】従って、設定期間を設けているので、走行
装置の速度が早い場合と遅い場合で当該期間を長短適宜
に設定することにより、低速走行時には、比較的に長い
ペダル周期に応じて、この設定時間を長く設け、また、
高速走行になるに伴って、この設定時間を減少させる。
これにより、低速の場合に不具合なく途中でモータ補助
が停止したり、高速走行の場合にセンサの障害判定が遅
れ気味となるといった不都合を回避することができる。
【0027】本願第4請求項に記載した発明は、前記第
3請求項において、前記設定期間は、補助駆動手段の出
力軸により所定の回転回数がカウントされるまでの経過
時間である構成の駆動力補助装置である。
【0028】従って、回転数カウントにより経過判定し
ているので、走行速度により変化する実際の人力駆動力
の入力期間と、これに応じたモータの出力動作期間とを
比較判定していることになり、常に、走行速度との整合
性を確保できる。例えば、車両の低速走行時には、比較
的に長いペダル周期に応じて、この所定時間が長くな
り、このペダル周期の途中で、モータ補助が停止するこ
とを防止できるとともに、高速走行になるに伴って、こ
の所定時間が短縮され、障害判定が遅れること無く迅速
に行われることになる。
【0029】本願第5請求項に記載した発明は、前記第
3請求項において、前記設定期間は、補助駆動手段の回
転出力を伝達する伝達経路上に介在する特定部材の回転
周期である構成の駆動力補助装置である。
【0030】この場合も前記第4請求項と同様に、特定
部材の回転周期により経過判定しているので、走行速度
により変化する実際の人力駆動力の入力期間と、これに
応じたモータの出力動作期間とを比較判定していること
になり、常に、走行速度との整合性を確保できる。
【0031】本願第6請求項に記載した発明は、運転者
の人力駆動力により駆動される走行装置に設けられ、且
つ、人力駆動力を検出する人力検出手段と、走行速度を
検出する速度検出手段と、両検出手段からの検出値に基
づいて補助駆動力を出力する補助駆動手段とを備え、前
記補助駆動力を人力駆動力に合成する駆動力補助装置に
おいて、前記補助駆動手段は、モータ駆動回路に補助出
力指令値を出力する制御手段と、モータ供給電力値を検
出するモータ供給電力検出手段と、前記補助出力指令値
と前記モータ供給電力検出値を比較して該比較値が規定
値を越えた場合に前記補助駆動手段による補助駆動力値
を制限する異常時制御手段と、を有する構成の駆動力補
助装置である。
【0032】従って、通常あるべき補助出力指令値とモ
ータ供給電力検出値との関係が逸脱した場合に、例えば
モータ供給電力が遮断される等、前記補助駆動手段によ
る補助駆動力値が制限される。
【0033】本願第7請求項に記載した発明は、運転者
の人力駆動力により駆動される走行装置に設けられ、且
つ、人力駆動力を検出する人力検出手段と、走行速度を
検出する速度検出手段と、両検出手段からの検出値に基
づいて補助駆動力を出力する補助駆動手段とを備え、前
記補助駆動力を人力駆動力に合成する駆動力補助装置に
おいて、前記補助駆動手段のモータ電流を検出するモー
タ電流検出手段を有し、前記人力検出手段により検出し
た人力駆動力に基づき、補助駆動手段のモータ出力トル
クを前記モータ電流を制御することによってトルク制御
する制御手段を設けたことを特徴とする駆動力補助装置
である。
【0034】従って、モータに流れる電流を検出して、
常にモータの出力トルクを制御するので、例えば車速よ
りモータ回転数を検出し、テーブル参照によってモータ
電圧を制御することで出力トルクを制御する等の、複雑
な動作を不要にすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る各例を図1
乃至図2に基づいて説明する。
【0036】各例の人力駆動による軽車両としては、図
1に示すように、自転車に用いた場合のものを示す。
尚、ここに示す自転車の基本的な構成は、後述する各例
においても共通する。
【0037】すなわち、本例の電動自転車1は、従来の
自転車と同様に、複数のパイプ部材を組合せて構成され
たフレーム体2の前後に車輪4,5を軸架している。こ
のフレーム体2は、前輪4を軸支するフロントフォーク
2aと、後輪5を軸支するリヤフォーク2bと、これら
の両フォーク2a,2bを支持するメインパイプ2c
と、このメインパイプ2cから上方に設けられた立パイ
プ2d等により構成され、この立パイプ2dの上端に
は、運転者が着座するサドル3aが、フロントフォーク
2aの上端には、ハンドル3bが取付けられている。ま
た、メインパイプ2cの下側には、水平に軸支されたク
ランク軸13を備えたパワーユニット11が装着され、
このクランク軸13の両端には、それぞれ、ペダルアー
ム7aが取付けられ、各ペダルアーム7aの先端には、
ペダル7が軸支されている。また、同様に、メインパイ
プ2c下側で且つパワーユニット11の前方には、この
パワーユニット11に電力を供給するバッテリユニット
8が装着されている。
【0038】このバッテリユニット8には、電動自転車
1としての動作を開始させるメインキースイッチ8aが
ケース側部に設けられ、電力供給用の蓄電池群、制御回
路、及び付属回路等が収納されている。これらの蓄電池
は、所定に接続され、例えば、モータ用の24Vのよう
に、所定の電圧が出力できるように設けられている。そ
して、このバッテリユニット8からの電力は、パワーユ
ニット11のモータ、及びセンサや各回路等の各種機器
に分配供給され、各機器を作動状態にする。
【0039】また、このパワーユニット11には、電動
モータ、減速機、人力/モータ駆動力合成機構、人力検
出手段(本例においては、運転者の踏力を検出する踏力
検出手段、以降、踏力検出手段30と称する。)、車速
検出手段(以降、車速センサ50と称する。)が収納さ
れ、ペダル7が接続されたクランク軸13は、合成機構
に接続され、この合成機構の出力は、出力歯車(本例で
は原動スプロケット)17に接続されている。そして、
この原動スプロケット17と、後輪5に同軸に固定され
た従動スプロケット6とは、これらの両者間に掛け渡さ
れチェーン9により接続されている。尚、図示を省略し
たものもあるが、基本的には、ハンドル3bに設けられ
たブレーキレバー、そして、ブレーキ機構、夜間走行用
のライト等は、従来の自転車と同じものが用いられてい
る。
【0040】そして、このような電動自転車1におい
て、前輪4は、フロントフォーク2aに設けられたハン
ドル3bによって操向される一方、後輪5は、運転者が
ペダル7を漕ぐことにより回転駆動され、通常の自転車
と同様に電動自転車1が人力走行する。すなわち、運転
者の人力によりペダル7が漕がれると、合成機構を介し
て原動スプロケット17が回転駆動され、この原動スプ
ロケット17の駆動力がチェーン9を介して、後輪の従
動スプロケット6に伝達され、後輪5が回転して、電動
自転車1が、人力駆動力によって前進走行する。
【0041】また、運転者が、メインキースイッチ8a
をオン操作すると、バッテリユニット8から各搭載機器
に電力が供給され、電動自転車1としての運転者の負荷
を軽減させる人力補助動作が開始され、パワーユニット
11のモータMから所定のモータ補助出力が得られるよ
うになっている。
【0042】すなわち、この状態において本例の電動自
転車1は、運転者の人力によりペダル7が漕がれると、
図2に示すように、このペダル入力された人力を踏力検
出手段30が検出するとともに、その時点での自転車1
の走行速度を、車速検出手段たる車速センサ50が検出
し、これらの検出された両値に基づき、制御回路19
が、所定のプログラムに準じて、適切なモータ出力指令
値を設定し、この指令値に基づき、モータ駆動回路20
が、バッテリユニット8からモータMに供給される電力
を増減させ、この電力によりモータMが所定の補助駆動
力を出力し、このモータ補助出力をモータ人力/モータ
駆動力合成機構により人力に追加合成し、この合成駆動
力により後輪5を回転駆動している。この結果、電動自
転車1がモータ動力により補助されて、人力負荷を軽減
させた快適な前進走行が行われる。
【0043】また、このモータMの出力はモータ駆動回
路20による通電制御により設定され、モータMを効率
良く可変速運転できるようにしている。すなわち、バッ
テリユニット8から供給される定電圧の直流電流は、通
電制御用のモータ駆動回路20を介して、直流モータで
ある走行用モータMに供給されており、このモータ駆動
回路20がチョッパ制御等の通電制御を行って、モータ
供給電流を増減させている。また、このモータ駆動回路
20によるモータ供給電流の設定は、制御回路19から
出力されるモータ出力指令値に基づいて行われ、このモ
ータ出力指令値は、検出された人力と走行速度に基づ
き、制御回路19によって決定されている。
【0044】この制御回路19は、パワーユニット11
の入力された人力を検出する踏力検出手段30や、車両
の走行速度検出する車速センサ50、外部環境センサ等
からの検出信号が入力され、モータ駆動回路20に動作
を指令する信号を出力するマイクロコンピュータから構
成されている。このマイクロコンピュータは、各入力信
号をデジタル信号に変換するA/D変換器、このデジタ
ル信号をメモリ空間に読込み/取出すI/Oポート、読
込んだデータ信号に基づいて所定の処理・決定を行うC
PU、メモリ等を備えている。従って、各種センサから
の検出信号に基づいて、メモリに格納されたプログラム
に準じて処理し、モータ駆動回路20に、モータ出力指
令信号等の適切な動作指令を出力している。
【0045】本例では、図3〜図7に示すように、パワ
ーユニット11は、3分割されたケース12(12a,
12b,12c)内に、ペダルアーム7aが固定された
クランク軸13と、クランク軸13の外周に配置され、
人力にモータ駆動力を追加する合成機構と、この合成機
構の動力伝達経路の途中に配設された踏力検出手段30
と、人力補助用のDCモータMと、このモータMの減速
機構とを収納して構成されている。また、この合成機構
には、クランク軸13が逆回転した場合は、伝達経路か
らクランク軸13を遊転させて自転車1の後進を防止
し、並びに、モータMが停止している場合は、モータ駆
動系を遊転させる、ラチェットを用いた2つの一方向ク
ラッチ機構を備えている。尚、各所には、各軸をスムー
ズに回転可能に軸支するベアリングを用いた転がり軸受
乃至滑り軸受を設けている。
【0046】このケース12は、アルミ等の熱伝導特性
が良好で且つ軽量な素材を用いて形成され、モータMを
直接収納した主ケース12aと、これらの左右両側をカ
バーするケース12b,12cとから構成され、ケース
12内を密閉できるようにしている。そして、モータM
の作動時には、このモータ作動に伴うモータ及びモータ
駆動回路20の発熱を、このケース12を介して、空気
中に効率的に放出し、モータ及びモータ駆動回路20の
安定動作を維持できるようにしている。また、ケース1
2には、前後方向に沿ったフィン12dを設けて、これ
らの放熱効果を高めるようにしている。尚、モータ近傍
のケースに、電動自転車1のフレーム体に対する装着固
定部を設け、これにより、前記発熱をケースを介して自
転車のフレーム体へ逃がすようにしても良い。
【0047】尚、図2において、10aは、モータMの
電源ケーブル及び各センサのセンサコード(以下、単に
配線10aと称する。)を、10bは、これらの配線1
0aのコネクタを、12eは、これらの配線10aを通
過させために主ケース12aに設けた開口部を、10c
は、ケース12内のモータの近傍で且つ、減速機構の側
部に配置され、モータ駆動回路20及びセンサ用の制御
回路等を搭載した回路基板を示す。また、12fは、各
種回路が設けられた回路基板10cを、外部から遮断す
るケース蓋である。
【0048】本例の駆動力補助装置であるパワーユニッ
ト11は、ペダル7を漕いでクランク軸13を回し、こ
れを出力歯車17たる原動スプロケットへ駆動伝達する
人力伝達系と、モータMの駆動によりクランク軸13の
回転を助力する補助駆動系、及び、前記補助駆動系から
補助駆動力の付与量を決定するために、踏力検出手段3
0と、電動自転車1の走行速度を検出する車速センサ5
0とを備えて構成される。
【0049】まず、前記人力伝達系を説明する。
【0050】人力駆動手段は、クランク軸13の回りに
配設されるものであって、クランク軸13の外周に同軸
状に配置された第1回転体14と、クランク軸13の外
周に同軸状に遊転配置された第2回転体15と、前記第
1回転体14と第2回転体15との間に装着され、前記
第1回転体の回転力を第2回転体に伝達する弾性体16
と、前記第2回転体15の回転力が伝達される出力歯車
17とを備える。尚、本例では、第2回転体15と出力
歯車17とは、筒状のつなぎ手18により連結されてい
る。
【0051】尚、本例においては、つなぎ手18は、前
述したように単独の別部材とされているが、第2回転体
15、又は、出力歯車17に一体化した構成としても良
い。
【0052】そして、この第1回転体14とクランク軸
13とは、第1の一方向クラッチ機構により接続されて
おり、この第1の一方向クラッチ機構によって、前記第
1回転体14に、前記クランク軸13から順方向の回転
力のみを伝達するようにしている。すなわち、この第1
の一方向クラッチは、クランク軸13に外方に、且つ順
回転方向に向って、先端が突出するように設けられた送
りつめ13aと、第1回転体14の内周に刻設された、
逆転方向にスロープ面を有する内周歯14aとから構成
されている。
【0053】従って、クランク軸13が順方向すなわち
車両を前進させる方向に回転する場合は、このクランク
軸13の送りつめ13aは、第1回転体14の内周歯1
4aに係合して、クランク軸13から第1回転体14に
駆動力を伝達する。他方、クランク軸13が走行用モー
タが逆方向すなわち車両を後進させる方向に回転する場
合は、送りつめ13aが、内側に引込んで内周歯14a
のスロープ面を乗越え、両者13a,14aが係合しな
いので、クランク軸13が遊転することになり、第1回
転体14に逆回転の駆動力が伝達されず、後輪5は逆回
転しない。
【0054】この第1回転体14と第2回転体15は、
図8に示すように、前述した弾性体16、本例ではねじ
りコイルバネを介して、接続されている。このねじりコ
イルバネは、予め定められた寸法及び材質により螺旋状
に形成され、所定のバネ定数が確保されている。従っ
て、第1回転体14に加えられた人力駆動力に応じて、
弾性変形し、第1及び第2回転体14,15間に回転角
差を生じさせるようにしている。
【0055】すなわち、このコイルバネの両端面16a
はアール状に形成され、そして、これらの両端面16a
に対応して、第1及び第2回転体14,15のコイルバ
ネ両端面を受ける部位14e,15eは曲面形状に形成
されている。従って、コイルバネ16が弾性変形した場
合にも、常にコイルバネの両端面16aは、このコイル
バネの端面を受ける部位14e,15eに対し安定して
接触することができる。もっとも、コイルバネ16の両
端面16a、及びコイルバネの端面を受ける部位14
e、15eの形状は、曲面形状のほか、適宜の形状を採
ることができる。
【0056】更に、本例では、ねじりコイルバネの弾性
変形時にバネの姿勢を保って、適正量以上の変形を規制
している。すなわち、ねじりコイルバネに力が加わり弾
性変形すると、コイルバネは、或いは螺旋状の溝部14
b,15bに、或いは突出部14c,15cの内周に、
或いはクランク軸13の外周に接触するので、コイルバ
ネが軸方向に転倒したりするが、本例では、コイルバネ
が理想的な変形となるように姿勢を保つとともに、適正
量以上の変形を規制する部材が設けられている。つま
り、本例では、これらのコイルバネの変形は、第1及び
第2回転体14,15の内周面の螺旋状の溝部14b,
15b、後述する突出部14c,15cの内周、及びク
ランク軸13の外周によって規制されるものであって、
第1回転体14と第2回転体15の軸方向の内部端面
は、このねじりコイルバネに対応する螺旋状の溝部14
b,15bが形成され、ねじりコイルバネすなわち弾性
体16が弾性変形した場合、軸方向の変形は、その側部
全体が、前記螺旋状の溝部14b,15bに接触するこ
とにより規制され、また、外方向への変形は、弾性体1
6の外周部分が、突出部14c,15cの内周に接触す
ることにより、更に、内方向への変形は、弾性体の内側
部分が、クランク軸13の外周に接触することによっ
て、適正な変形に規制される。
【0057】従って、後述する人力駆動力の伝達時に
は、このねじりコイルバネが弾性変形しながら、人力駆
動力を伝達するが、この際にコイルバネが異形に変形す
ることが防止され、バランス良い螺旋形状を保持するこ
とができるので、安定的に所定のバネ定数を確保するこ
とができる。
【0058】また、再び図7に示すように、第1及び第
2回転体14,15の対向部位には、周状に所定間隔を
設けて、突出部14c,15cが設けられて、これらの
周方向の間には、踏力が小さく弾性体16の未変形時に
おいて、ねじりコイルバネの最大ねじれ角度に応じた、
所定のクリアランスLが確保されている。従って、人力
等による過大な駆動力が加わった場合には、突出部14
c,15cの側部同士が当接して、第2回転体15に第
1回転体14が直接的に接続され、ねじりコイルバネの
破損を防止するようにしている。
【0059】尚、本例においては、一方のねじりコイル
バネの端面を押して、つまり、螺旋状のねじりコイルバ
ネを巻き戻す方向に弾性変形させながら、人力駆動力を
伝達するように構成したが、逆に、端部を引張って、ね
じりコイルバネを巻き込むように弾性変形させながら伝
達するように構成してもよい。また、弾性体16は、伝
達入力された駆動力に応じて、予測できる回転角度差を
生じるバネであれば、ねじりコイルバネに限定されず、
任意な形状、材質のものを用いても良い。
【0060】また、本例においては、このねじりバネの
最大ねじれ角度は、20度以下、望ましくは10度以下
に設定されており、自転車の運転者に違和感を与えない
ようにしている。
【0061】このようにして、第1回転体14に加えら
れた人力駆動力に応じて、ねじりコイルバネがバネ定数
に準じた弾性変形を行いながら、第2回転体15に人力
の駆動力を伝達するようにしている。この結果、この駆
動力に応じて、差動する両回転体14,15の回転角度
量を、後述する踏力検出手段30により検出して、人力
駆動力、すなわち踏力を検出することができる。すなわ
ち、これらの第1及び第2回転体14,15の外周に
は、それぞれ、第1及び第2回転部材31,32が固着
されており、これらは、踏力検出手段30の入力歯車4
2,43に噛合されている。
【0062】尚、本例においては、第1及び第2回転部
材31,32は、図示したように、外周に歯が設けられ
た歯車を用いている。もっとも、この第1及び第2回転
部材31,32は歯車に限らず、回転力を伝達できるロ
ーラ等、任意の回転を伝達する部材を適用することが可
能である。
【0063】次に、前記補助駆動系について説明する。
【0064】この補助駆動系は、モータMと、モータの
駆動力を減速する減速歯車列と、前記クランク軸13の
外周に同軸状に遊転配置され、その外周歯で前記減速歯
車の最終歯車と噛合し、且つ、内周に第2の一方向クラ
ッチを備えて前記最終歯車の順方向の回転力のみを前記
第2回転体15へ伝達する第3回転体28と、を備え
る。
【0065】このモータMは、一般的なブラシレスのD
Cモータを用いており、所定に着磁された複数の磁石を
備えた円筒形状のロータ・コア22と、この外周に配設
され、3相の励磁コイルを備えたステータ・コア23と
から構成されている。このロータ・コア22は、ケース
12aに回転可能に軸支されたモータ軸21にキー接続
される一方、ステータ・コア23は、図5に示すよう
に、直接的にケース12aに固定されている。すなわ
ち、ステータ・コア23は、ステータ・コア23のポー
ル23a外周部に、放射状に設けられ、モータ軸21と
平行なボルト24によって、ケース奥部に固定されてい
る。
【0066】また、ロータ・コア22の外周近傍には、
図示を省略した複数の磁気検出素子が設けられ、この磁
気検出素子としては、シリーズ接続されたリニアタイプ
のホール素子を3つ用いており、このホール素子からの
検出信号によりロータ・コア22の回転位置状態を検出
できるようにしている。従って、これらの磁気検出素子
によって、ロータ・コア22の回転位置を検知し、モー
タ駆動回路20により、この回転位置に対応した適切な
励磁コイルに切換え通電し、常にロータ・コア22に対
して回転方向の先に位置する励磁コイルを励磁すること
によって、ロータ・コア22の回転を維持している。こ
のようにして、ロータ・コア22は連続的に回転し、そ
の回転力を動力として、ロータ・コア22が固定された
モータ軸21によりモータMの外部に取出している。
【0067】この減速歯車列は、モータMのモータ軸2
1に固定された第1歯車ユニット25と、この第1歯車
ユニットに順次、噛合されている第2,3歯車ユニット
26,27とから構成され、これらの第2,3歯車ユニ
ット26,27は、2段の小径及び大径歯車を一体に形
成され、また、第3回転体28を含めた各歯車25,2
6,27は、はすば歯車が用いられている。更に、この
減速歯車列は、小径のはすば歯車が、大径のはすば歯車
に噛合されて駆動するように接続されているので、高速
回転に対応し且つ所定の減速比が得られるようにしてい
る。
【0068】また、第3回転体28は、減速歯車の第3
歯車ユニット27に噛合し、そして、第2回転体15の
外周に配設されるともに、この第3回転体28と第2回
転体15とは、第2の一方向クラッチ機構により接続さ
れ、この第2の一方向クラッチ機構によって、モータ系
側の第3回転体14に、人力駆動系の第2回転体15の
順方向回転力が伝達しないようにしている。すなわち、
この第2の一方向クラッチは、第3回転体28の内周に
刻設された、順方向にスロープ面を有する内周歯28a
と、第2回転体15の外周に設けられた、外方に突出し
且つ逆回転方向に、先端が向けられた送りつめ15dと
から構成され、前記内周歯28aは、第3回転体28が
順方向に回転した時のみ、第2回転体15の外周の送り
つめ15dと係合するようにしている。
【0069】従って、人力によりクランク軸13が順方
向に回転駆動され、走行速度条件等によりモータ駆動が
停止されている場合には、第3回転体28が第2回転体
15と遊転するので、モータ駆動系に人力駆動力が伝達
されないようにしている。
【0070】この補助駆動系は、前述のように構成され
ているので、モータMから得られた出力を、機械式減速
機構により適切なトルク/回転数に変換し、この駆動力
を、効率的に合成機構に伝達でき、人力を補助して後輪
5を回転駆動することができる。
【0071】次に、このような電動自転車のパワーユニ
ット11における補助駆動力の伝達動作を説明する。
【0072】まず、通常の人力による駆動力の伝達動作
を説明し、次に、この人力を補助するモータ駆動力の伝
達動作を説明する。
【0073】運転者が、前進方向にペダル7を漕ぐと、
クランク軸13が順方向に回転し、この人力による回転
駆動力は、クランク軸13と第1回転体14間のラチェ
ット(第1の一方向クラッチ)を介して、第1回転体1
4に伝達され、第1回転体14が順回転する。尚、この
際、運転者が、後進方向にペダル7を漕ぐと、クランク
軸13は逆方向に回転するが、クランク軸13の送りつ
め13aが、第1回転体14に係合しないので、第1回
転体14は回転駆動されない。
【0074】次に、第1回転体14が回転すると、ねじ
りコイルバネ(弾性体16)を介して、第2回転体15
が回転駆動される。この際、このコイルバネが人力駆動
力分だけねじれて駆動力を伝達するので、第1・第2回
転体14,15間に生じる進角差を、踏力検出手段30
により検出することにより人力を判別し、この人力駆動
力と走行速度等に基づいて、必要なモータの補助駆動力
を決定している。
【0075】更に、この第2回転体15は、結合されて
いるつなぎ手18を回転駆動し、このつなぎ手18に結
合されている原動スプロケット(出力歯車17)を回転
駆動する。この際、第2回転体15の外周に配設された
第3回転体28は、両者間のラチェット(第2の一方向
クラッチ)が係合しないので、第3回転体28を介して
モータ駆動系に、人力駆動力が伝達されない。
【0076】最後に、この原動スプロケット(出力歯車
17)に接続されたチェーン9を介して後輪5が回転駆
動され、電動自転車が前進走行する。
【0077】そして、このように人力が加えられるとと
もに、走行速度が規定の補助範囲内の場合には、この走
行速度及び人力駆動力等に基づき、制御部から所定のモ
ータ出力指令値が出力され、モータMが作動して、この
モータ補助出力により、人力補助動作が行われる。
【0078】すなわち、モータMが回転し、このモータ
駆動力が減速歯車列を介して、第3回転体28に伝達さ
れ、この間、適切な回転数/駆動力に変換される。そし
て、この第3回転体28の内周歯28aが、第2回転体
15の送りつめ15dに係合して、減速されたモータ駆
動力が第2回転体15に伝達され、人力駆動力にモータ
駆動力が追加補助される。そして、この状態は、人力駆
動が停止されたり、走行速度が所定範囲を越えるまで継
続される。
【0079】次に、踏力検出手段30を図示の具体例に
基づいて説明する。
【0080】この踏力検出手段30は、本例において
は、前述したねじりコイルバネを介して接続された第
1,第2回転体14,15の回転差から、人力駆動力を
判定するものである。この踏力検出手段30は、図9乃
至図11に示すように、基本的には、差動歯車機構を用
いて構成され、この差動歯車機構の二つの入力軸に前記
第1及び第2回転体14,15を連係するとともに、当
該差動歯車機構の第3軸(出力軸37)をセンサに連係
している。この差動歯車機構は、JIS規格に定められ
ているように、二つの入力軸に回転駆動を与えたとき、
第3の出力軸がそれらの作用を同時に受けて回転する歯
車装置で、遊星歯車装置が用いられるものであり、ま
た、差動を目的とするものには、太陽歯車、遊星歯車を
傘歯車にしたものが多い、とされている。本例において
も、後述するように、差動歯車機構に傘歯車を用いてい
る。
【0081】すなわち、踏力検出手段30は、前記第1
回転体14の外周に固着した第1回転部材(この例では
歯車)31と、前記第2回転体15の外周に固着した第
2回転部材(この例では歯車)32と、前記第1及び第
2回転部材31,32にそれぞれ連係する一対の傘歯車
33,34と、前記一対の傘歯車の間に噛合装着される
複数の傘歯車35と、前記傘歯車35を軸支する支持軸
36と、該支持軸に直交する出力軸37と、前記出力軸
37に接続された回転角センサ38と、を備えて構成さ
れている。
【0082】本例では、差動歯車機構の第3の軸である
出力軸37は、円弧状に形成されるとともに、互いに平
行に配設されたフレーム39間に、軸支されており、こ
の出力軸37には、第1及び第2入力歯車41,42が
回転可能に遊嵌され、また、支持軸36の基端は、出力
軸37に直交方向に向けて固定されている。この第1及
び第2入力歯車41,42は、それぞれ傘歯車33,3
4を固着し、前述したように、これらの傘歯車33,3
4の間には、傘歯車35が噛合されている。従って、傘
歯車33,34が互いに等しい速度で回転している場合
には、これら両者により回転される複数の傘歯車35
は、その位置で回転し続けるが、両者に速度差が生じた
場合には、その差に応じて、傘歯車35が出力軸37の
回りを移動し、これにより支持軸37を介して、出力軸
37自体を回転させる。
【0083】また、前記第1及び第2入力歯車41,4
2は、それぞれ径の異なる前記第1回転部材31及び第
2回転部材32と連係している。そして、第2入力歯車
42は、直接、第2回転部材32と噛合しているが、第
1入力歯車41は、小径の逆転歯車43を介して、第1
回転部材31と噛合している。これは、傘歯車33,3
4が同一回転数で且つ逆方向に回転することが必要であ
ることからである。すなわち、同方向に回転する第1回
転部材31及び第2回転部材32から分配される回転力
の回転方向のどちらかを逆方向にするために、逆転歯車
43を介在させる必要が有り、前記第1回転部材31及
び第2回転部材32の径を異ならせて、この逆転歯車を
介在させるスペースを確保している。
【0084】加えて、大径の第1回転部材31が、逆転
歯車43を介して第1入力歯車41を回転駆動し、ま
た、第2回転部材32が、小径の第2入力歯車42を回
転駆動するので、第1回転部材31及び第2回転部材3
2の回転数が、倍速化されて第1及び第2入力歯車4
1,42に入力されている。更に、同様に、出力軸37
に固着された歯車44aは、歯車44bを介在させて、
この歯車44bよりも小径な回転角センサ38(本例で
はポテンショメータ38A)の検出歯車45に接続さ
れ、出力軸37の回転角を増大させて、回転角センサ3
8に入力している。
【0085】このように、第1及び第2回転体14,1
5から前記差動歯車機構までの間と、前記差動歯車機構
から前記回転角センサ38までの間のどちらか、又は本
例のように両方に、回転を機械的に拡大する機構を付加
しているので、センサに入力される変化の絶対量が大き
くなり、検出した変化量をセンサにより電気信号に変換
する際、より高精度且つ正確な電気信号を得ることがで
きる。すなわち、まず、大径の第1回転体14の第1回
転部材31が、小径の中間歯車43を介して第1入力歯
車41を回転駆動することにより、また、同様に、大径
の第2回転体15の第1回転部材32が、小径の第2入
力歯車42を回転駆動することにより、それぞれ、原速
側の回転数を倍速化して、(例えば、本例おいては、4
倍速化。)差動歯車機構に入力している。次に、この差
動歯車機構から変換出力される両者の回転速度差を示す
回転角度を、差動歯車機構の歯車44aが、より小径の
検出歯車45を歯車44bが駆動することにより、倍角
化している。
【0086】そして、このねじりコイルバネにより生じ
た、人力駆動力分に応じた第1回転体14及び第2回転
体15の進角差は、噛合連係する傘歯車35が出力軸3
7の回りを回転移動するので、出力軸37が進角差に応
じた回転角度に回転することになる。すなわち、これら
の第1回転体14及び第2回転体15の回転速度が互い
に等しい場合には、傘歯車35は、その出力軸の初期角
度位置を維持した状態で、回転し続ける。これに対し
て、異なる場合には、相対的に一方が停止し、他方が回
転するとみなすことができ、この回転差に応じて傘歯車
35が、等速回転の初期状態から、出力軸37の回りを
一方向に回転移動することになり、傘歯車35の支持軸
36が回転差分だけの角度に回転され、これに伴ない支
持軸36が直交固定された出力軸37が、同様に回転差
に応じた回転角度となる。そして、この回転角度を、出
力軸37に固定された歯車44a、及びこれに接続され
た44bを介して、ポテンショメータ38Aの検出歯車
45に拡大伝達し、この拡大された人力駆動力を示す角
度をポテンショメータ38Aで検出することにより、人
力駆動力を正確に計測することができる。
【0087】尚、前記差動歯車機構には、前述した傘歯
車に代えて、遊星歯車を用いてよいことは勿論である。
【0088】また、ポテンショメータ38Aの検出軸3
8aの中間には、側方に突設されたアーム部材46が設
けられており、アーム部材46には、他端がフレームに
固定された付勢スプリング47の一端が接続されるとと
もに、このアーム部材46に当接するストッパ部材48
が設けられている。従って、この付勢スプリング47に
より、常時、ポテンショメータ38Aの検出軸38a
を、一方向に所定の予圧力により付勢できるとともに、
無入力の場合には、ストッパ部材48により一定の回転
位置に掛止することができる。この結果、ポテンショメ
ータ38Aのゼロ点補正を確実に確保できるとともに、
各歯車のガタツキを防止することができ、十分に人力駆
動力の計測精度を確保することができる。
【0089】次に、車両の走行速度を判定する車速セン
サ50を説明する。
【0090】この車速センサ50は、図3に示すよう
に、第1回転体14(第1回転部材31)の外周近傍箇
所に、磁気検出素子等を用いた近接センサ50Aを固定
して設けて構成され、この近接センサ50Aの出力端子
は、制御回路19に接続されている。
【0091】従って、第1回転体14の回転を、近接セ
ンサ50Aにより計測し、この検出された第1回転体1
4の回転速度をセンサ付属回路が、この第1回転体14
から後輪5までの伝達経路の合計ギア比を加味して換算
し、車両の走行速度を判別することができる。
【0092】次に、駆動力補助装置の制御に関し、図1
2及び図13を参照して説明する。
【0093】本例の駆動力補助装置の制御手段において
は、モータの出力制御が意図した通りに行われないこと
を検出し、これから障害発生と判別して、対処してい
る。すなわち、モータ出力指令値から換算されるモータ
供給電圧に対して、この値に基づき実際にモータ駆動回
路からモータに供給されるモータ供給電圧が過大な場合
に、モータ電力供給系の動作に異常が生じたと判定し、
モータ停止処理を行う安全機構が設けられている。
【0094】本例の駆動力補助装置の安全機構は、図1
2に示すように、モータ駆動回路20と、モータMとの
給電ライン上に、順次、配設された、モータ供給電力を
検出するモータ供給電力検出手段61と、障害発生時に
はモータ供給電力を遮断する異常時制御手段62と、こ
のモータ供給電力検出手段61と制御回路19に接続さ
れ、障害の発生を判定して、障害発生時には異常時制御
手段62に遮断実行信号を出力する障害判定手段63と
から構成されている。
【0095】このモータ供給電力検出手段61は、モー
タ給電ラインに、電力検出用のコイルを巻回させて構成
されるもので、前記コイルは、この給電ラインを流れる
モータ電流の電磁誘導効果により検出電流を生成する電
力検出用のコイルである。そして、このコイルの出力端
子は、障害判定手段63に接続されている。従って、こ
のモータ供給電力検出手段61により、モータ駆動回路
20から実際にモータに供給されるモータ供給電流を検
出して、障害判定手段63に出力している。
【0096】前記障害判定手段63は、論理回路素子を
主体に構成され、検出手段からの電圧検出値と、モータ
駆動回路20に入力されるモータ出力指令値とを、比較
判定して、障害の発生を判定し、異常時制御手段62に
遮断動作信号を出力している。尚、この障害判定手段6
3は、制御回路19を用いて構成することもでき、本例
では、制御回路19により障害判定手段63を実現して
いる。
【0097】また、異常時制御手段62は、モータ給電
ライン上に、障害判定手段63からの動作信号により、
モータへの供給電力を遮断動作するスイッチを配設して
構成されている。
【0098】次に、このような駆動力補助装置の安全機
構の動作制御について、図13に示すフローチャートを
参照して説明する。このフローチャートにおける前半の
ステップP101〜P105においては、モータ出力制
御の障害判定と準備手順とが行われ、後半のステップP
201以降においては、前半の障害判定に基づき、モー
タ出力動作を停止させる障害時の制御処理が実行され
る。尚、後述する各例において、ステップP101〜P
104までの処理手順は、概略同一のものが用いられて
いるので、随時説明を簡素化している。
【0099】まず、ステップP101において、メイン
キースイッチ8aがオン操作されると、電動自転車1が
モータ補助走行を開始できる状態となる。すなわち、バ
ッテリユニット8から搭載機器に電力が供給され、各機
器が動作可能状態となり、それぞれの機器で初期化処理
が行われる。すなわち、制御回路19においては、本例
の処理プログラムの初期化が行われ、このプログラムに
用いる各パラメータが、ゼロにクリアされたり、所定値
にセットされる。これは、例えば、通常のモータによる
補助走行制御用に、踏力検出手段30からの人力検出値
H、車速センサ50からの車速値S、制御回路19のモ
ータ出力指令値V0、そして、本例の障害判定制御用
に、モータ供給電力検出手段61からのモータ供給電圧
値VI等が0にクリアされる。
【0100】次に、ステップP102に処理が移行し、
このステップP102では、補助走行制御用に、踏力検
出手段30や車速センサ50等の各種検出手段から、そ
の時点で検出した検出値が、制御回路19に読込まれ、
ステップP103に処理が移行する。
【0101】そして、このステップP103において
は、まず、読込まれた車速センサ50からの車速値Sに
基づき、人力をモータ出力により補助する補助比率が演
算され、そして、この補助比率に、踏力検出手段30に
より検出した人力検出値Hを掛け合わせて、実際に必要
なモータ補助出力が決定される。更に、このモータ出力
をモータMに出力させるモータ出力指令値V0が設定さ
れ、この値V0がモータ駆動回路20に出力される。そ
して、この値V0に基づき、モータ駆動回路20が通電
制御を行って、モータMに電力を供給する。
【0102】このステップP104において、実際にモ
ータ駆動回路20からモータMに供給された供給電力
を、モータ供給電力検出手段61が検出し、この検出手
段61からのモータ供給電圧値VIが、障害判定手段6
3を実現した制御回路19に読込まれる。
【0103】そして、このステップP105において
は、制御回路19の障害判定手段63部分によって、モ
ータ出力の制御が、指令した通りに行われているかが判
別され、行われていない場合には、異常時制御手段62
により、異常な場合の対処動作を行うようにしている。
すなわち、制御回路19は、該制御回路19から出力さ
れたモータ出力指令値V0と、この値V0に基づきモー
タ駆動回路20から出力されたモータ供給電圧値VIと
を、比較判定して、障害が発生したかどうかを判定して
いる。
【0104】そして、モータ供給電圧値VIとモータ出
力指令値V0との比較値が規定値より逸脱していた場合
には、モータ駆動回路20やモータ電力供給系に、何ら
かの障害が発生したとして、ステップP201以降の異
常時制御手順に処理を移行している。他方、電圧値VI
と指令値V0との比較値が規定値以内の場合には、正常
に動作しているとして、ステップP102に処理が復帰
し、このステップP102からステップP105までの
一連の処理を繰り返し、パワーユニット11が動作を停
止するまで継続される。
【0105】更に、VI値が規定値を逸脱し障害が生じ
たと判別されたステップP201においては、モータM
への給電ラインの最後段に配設された異常時制御手段6
2により、モータ供給電力がカットされ、モータMの出
力が停止される。
【0106】尚、同図中に、破線により囲んで示した、
所定の待機時間を経過した後に、モータMの出力動作を
再開させる再始動ルーチンを追加しても良く、これは、
後述する第2,第3例にも同様に適用できる。この再始
動ルーチンは、制御回路19に内蔵されているタイマー
機能を用いて、待機時間をカウントし、この経過後に、
ステップP102に復帰させるようにしたものである。
【0107】すなわち、まず、ステップP301におい
て、このタイマー機能により、タイム・カウントが開始
され、ステップP302において、待機時間が経過した
かが判定され、未経過な場合は、ステップP302に戻
りタイムカウント継続しながら判定を繰り返すループ処
理を行い、経過した場合は、ステップP102に処理が
復帰し、一連の補助走行制御及び障害判定処理が再開さ
れる。尚、ステップP101に処理を復帰させて、初期
化処理から再開することにより、より通常動作に復帰さ
せる可能性を向上させても良い。
【0108】従って、このルーチンを追加した場合は、
障害の原因が、回路の異常加熱によるもので、待機時間
により放熱して正常動作に戻った場合や、運転者が適切
な修理や対策処理を行った場合等には、自動的に通常の
補助走行制御状態に復帰できるので、柔軟な対処が可能
となる。
【0109】また、異常時制御手段も、プログラム的に
制御回路からのモータ出力指令値を制御するように構成
したり、他の保護機構のモータ停止手段を流用したりす
ることができ、本明細書においては、これらの構成乃至
モータ停止手段を異常時制御手段に含む意味で用いてい
る。このような場合は、専用回路を不要にすることがで
きる。
【0110】従って、このように、モータ供給電力検出
手段を残存容量計で、異常時制御手段をプログラム的
に、又は、他のモータ停止手段で、障害判定手段を、制
御回路により構成する場合には、追加する回路/機器を
不要にして、本発明を実現することができるので、低コ
スト化が図れ、経済性を向上できる。
【0111】更に、モータ出力指令値から換算されるモ
ータ供給電圧と、この値に基づき実際にモータ駆動回路
からモータに供給されるモータ供給電圧とを比較してい
るが、本発明は、これに限らず、実際のモータ供給電圧
からモータ出力指令値を逆換算し、この逆換算した指令
値と、元のモータ出力指令値とを比較してもよい。ま
た、電圧値を電流値にて比較を行ってもよい。
【0112】以上説明したように、本例の駆動力補助装
置の安全機構によれば、補助駆動装置の制御手段におい
て、このモータ出力制御が意図した通りに行われないこ
とを検出し、障害発生と判別してモータ停止処理をして
いることにより、モータ電気動力系の障害に対処でき、
安全性を向上することができる。
【0113】また、所定の待機時間を経過した後に、モ
ータの出力動作を再開させる再始動ルーチンを追加した
場合には、障害が人為的に、又は、待機時間の経過によ
り自然消滅的に解消されたときに、通常の補助走行状態
に復帰できるので、柔軟な対処が可能となる。
【0114】更に、駆動力補助装置の安全機構の第2例
を、図14に基づいて説明する。
【0115】本例の駆動力補助装置の安全機構において
は、モータの出力動作が継続した場合に、これを検出
し、障害発生と判別して、対処処理している。すなわ
ち、前記特開平5−310117号の場合は、踏力検出
手段における踏力が基準値以上の状態で且つ一定時間以
上継続することを検出して対処するものであったが、本
例では、踏力を検出して行うのではなく、実際にモータ
駆動回路20からモータに供給されるモータ供給電圧
が、モータがその回転状態を無負荷状態に動作できる規
定電圧より過大な場合にモータが出力動作していると判
別するものであって、この状態を、所定期間、維持した
場合に、踏力検出手段やモータ電力供給系の動作に異常
が生じて障害が発生したと判定し、モータ停止処理を行
うものである。
【0116】また、本例においては、前記第1例と同様
に、モータ駆動回路20をモータMに接続する給電ライ
ン上に、順次、配設されたモータ供給電力検出手段61
と、異常時制御手段62と、この検出手段の出力信号が
入力され、障害の発生を判定して、発生時には異常時制
御手段62に遮断信号を出力する障害判定手段63とか
ら構成とされている。
【0117】尚、この障害判定手段63は、前例と同様
に、制御回路19を用いて実現できるが、後述するよう
に制御回路19自体の不調動作に備えて、専用の別回路
により実現することができる。
【0118】更に、本例の駆動力補助装置の安全機構に
おいては、前記の所定期間を、モータMの回転数をカウ
ントすることにより判別している。すなわち、モータM
の回転数を検出する回転数センサ55を設け、モータの
出力動作が開始された時点から、この回転数センサ55
により計測されたモータ回転数が、所定値に積算するま
での時間を、所定期間としている。
【0119】すなわち、この回転数センサ55は、図3
に示すように、モータMが有するロータ・コア22の外
周近傍箇所に、磁気検出素子等を用いた近接センサ55
Aを、ケース12側に固定して設けることにより構成さ
れ、この近接センサ55Aは、センサ付属回路に接続さ
れている。従って、ロータ・コア22の回転を、近接セ
ンサ55Aにより計測し、この検出されたロータ・コア
22の回転数を付属回路により積算することができる。
また、この付属回路の出力端子は、障害判定手段63に
接続され、積算した回転数Tnを障害判定手段63にお
いて処理している。
【0120】このような駆動力補助装置の安全機構の制
御手順について、図14に示すフローチャートに基づい
て説明する。このフローチャートにおける前半のステッ
プP101〜P108においては、モータ出力動作状態
の異常判定と準備手順とが行われ、後半のステップP2
01以降においては、前半の異常判定に基づき、モータ
出力動作を停止させる異常時の制御処理が実行される。
【0121】まず、ステップP101において、前例と
同様に、メインキースイッチ8aがオン操作されると、
初期化処理が行われ、車両が走行可能状態となる。すな
わち、電力供給が開始され、それぞれの機器で初期化処
理が行われる。また、制御回路19においては、通常の
補助走行制御プログラムの初期化が行われ、踏力検出手
段30からの人力検出値H、車速センサ50からの車速
値S、制御回路19のモータ出力指令値V0が0にクリ
アされる。同様に、障害判定手段63においては、障害
判定用プログラムの初期化が行われ、無負荷電圧値V
B、モータ回転数積算値Tn、が0にクリアされ、ま
た、モータ回転数判定値T0に所定値がセットされる。
【0122】次に、ステップP102では、通常の補助
走行制御用に各種検出手段から、その時点で検出した検
出値が、制御回路19に読込まれ、ステップP103に
処理を進める。
【0123】そして、ステップP103においては、ま
ず、読込まれた車速センサ50からの車速値Sに基づき
所定の補助比率が設定され、そして、この補助比率と、
踏力検出手段30からの人力検出値Hとから、実際に必
要なモータ補助出力が決定され、モータ出力指令値V0
が設定され、この指令値V0に基づいてモータ駆動回路
20からモータMに電力が供給される。
【0124】また、同時に、その時点の車速Hに対応し
て、モータMが無負荷状態の回転を維持できる基準電圧
VBが演算される。
【0125】次に、ステップP104において、実際に
モータ駆動回路20がモータMに供給した供給電力を、
モータ供給電力検出手段61が検出し、この検出手段6
1からのモータ供給電圧値VIが、障害判定手段63に
読込まれる。
【0126】そして、以降のステップP105〜ステッ
プP108において、モータの出力動作が正常に行われ
ていない場合はこれを判別して、モータ制御異常時の処
理動作を行うようにしている。すなわち、正常動作時に
は、間歇的な人力駆動力に追従してモータ出力が変化す
るのに対して、モータの出力動作が、所定期間、維持さ
れた場合に、何らかの障害が生じたと判別している。
【0127】まず、ステップP105において、モータ
Mが出力動作しているかが判定される。この判定は、制
御回路19から出力されたモータ出力指令値V0に基づ
き、モータ駆動回路20から出力されたモータ供給電圧
値VIが、その時点の車速に応じて、モータが無負荷状
態で回転を維持できる基準電圧VBを、越えたか否かに
より行われる。
【0128】従って、モータ供給電圧値VIが基準電圧
VBより少ない場合は、モータ補助出力が発生せずモー
タが出力動作していないとして、ステップP106に処
理が進む。他方、VI値がVB値を越えた場合は、この
状態を異常に長く継続したこととしてこれを判別して、
障害が発生したと判定するステップP107以降に処理
が進む。
【0129】そして、モータが出力動作していないと判
別されたステップP106においては、カウントされた
回転数積算値T0が0にリセットされ、ステップP10
2に処理が復帰し、このステップP102からステップ
P105までの一連の処理を繰り返す。
【0130】他方、供給電圧値VIが基準電圧VBを越
えたことにより、モータMが出力動作していると判定さ
れたステップP107においては、モータ回転数のカウ
ントが開始され、又は、既に開始されている場合には、
カウントを継続する。すなわち、モータ回転数センサ5
5により、モータMの回転数がカウントされ、カウント
された回転数積算値Tnを障害判定手段63においてモ
ータが出力動作をしていないと判別されない限り継続さ
れる。
【0131】次に、ステップP108において、この回
転数積算値Tnが、所定の基準回転数TOを越えたか
が、判定される。そして、越えない場合には、ステップ
P106と同様に、ステップP102に処理が復帰し、
このステップP102からステップP105までの一連
の処理を繰り返す。
【0132】また、回転数積算値Tnが、所定の基準回
転数TOを越えた場合には、踏力検出手段やモータ駆動
回路20、モータ電力供給系に、何らかの障害が発生し
たとして、ステップP201以降の異常時制御手順に処
理を移行している。
【0133】すなわち、モータの供給電圧VI値が基準
電圧VBより大きい状態が、ステップP102〜ステッ
プP107を繰返し経て、回転数積算値Tnが所定の基
準回転数T0を越えた場合には、人力駆動力駆動力が変
動入力されるにも拘らず、モータMが出力動作を継続さ
せていることになるので、何らかの障害が生起したとし
て判定している。また、このようにモータ作動時には、
車両の走行速度に関連したモータ回転数をカウントする
ことにより、所定期間の経過を判定しているので、走行
速度に応じた適切な所定期間が再設定されることにな
る。更に、この期間中に、急激に走行速度が変化して
も、回転数カウント式によれば、自動的に追従すること
になるので、障害判定制御の不整合を防止できる。
【0134】そして、モータの出力動作が所定期間、停
止せずに障害が生じたと判定されたステップP201に
おいては、モータMへの給電ラインの最後段に配設され
た異常時制御手段62により、モータ供給電圧がカット
され、モータMの出力が停止される。
【0135】尚、走行用モータとして、ブラシレス・タ
イプのモータを用いた場合には、このタイプのモータに
予め備えられているモータ回転制御用のロータ回転位置
検出手段を、回転数センサに兼用しても良い。すなわ
ち、この位置検出手段の出力端子を、回転数をカウント
する回路に並列接続したり、制御回路によりカウント処
理するように構成でき、専用の回転数センサを不要にで
きる。
【0136】また、同様に、車速センサを、回転数セン
サに兼用しても良い。すなわち、モータ出力が行われて
いる場合には、モータ軸と、この車速センサが設けられ
た人力駆動系の伝達部材とは、接続されていることにな
るので、この伝達部材の回転数に、両者間に介在された
減速機構の歯車比を用いて逆算して、モータ軸の回転数
を判定することができる。
【0137】更に、車速センサを、回転数センサとして
兼用する場合には、モータ停止処理した後に設けた再始
動ルーチンの待機時間処理を、人力駆動系の部材の回転
数を積算カウントすることにより、実行しても良い。
【0138】以上説明したように、本例の駆動力補助装
置の安全機構によれば、間歇的に人力が入力される補助
駆動装置の制御手段において、所定の期間、モータ出力
制御が所定値を越えて維持した場合に、これを検出し、
障害発生と判定して、モータ停止処理していることによ
り、前記例と同様な、踏力検出手段の障害だけでは無
く、モータ電気動力系の障害に対処できることに加え、
他のセンサ系や制御回路自体に障害が生じた場合にも対
処でき、また、これらが同時に障害を起こした場合や、
不調に動作しているセンサ/回路の組合せにより障害が
生起した複合的な原因による場合にも対処でき、より安
全性を向上することができる。すなわち、まず、制御回
路に起因した障害、例えば、回路自体のハード的な障害
や、内蔵プログラムのソフト的な障害等により、モータ
出力指令が出力され続けた事態にも対処して、モータを
停止処理することができる。また、人力が未入力な状態
で、踏力検出手段が僅かな検出値を出力するとともに、
制御回路が通常より拡大判定して出力指令値を設定した
ので、モータ出力動作が継続される場合にも、モータ停
止処理できる。
【0139】更に、本例においては、所定期間の経過
を、モータ回転数をカウントして判定していることによ
り、所定期間が走行速度に応じて適切に再設定され、障
害判定の正確さが十分に確保でき、良好な走行感を得る
ことができる。すなわち、モータ動作時の回転数カウン
トにより経過判定しているので、走行速度により変化す
る実際の人力入力期間と、これに応じたモータの出力動
作期間とを比較判定していることになり、常に、走行速
度との整合性を確保できる。例えば、車両の低速走行時
には、比較的に長いペダル周期に応じて、この所定時間
が長くなり、このペダル周期の途中で、モータ補助が停
止することを防止できるとともに、高速走行になるに伴
って、この所定時間が短縮され、障害判定が遅れること
無く迅速に行われることになる。
【0140】また更に、このような安全機構が、電動自
転車の一部として組込まれて構成されているので、使用
者による不法な自走化の改造行為を未然に防止すること
ができる。すなわち、この安全機構が、ソフト的には通
常の補助走行制御に、また、ハード的にはモータ電力供
給系に、一体的に組込まれているので、両者を同時に除
去又は無効化することは困難である。
【0141】駆動力補助装置の安全機構の第3例を、図
15に基づいて説明する。
【0142】本例の駆動力補助装置の安全機構は、前記
第1及び第2例を組合せて、障害発生をより確実に判定
できるようにしたものである。すなわち、まず、モータ
が出力動作していることを検出し、次に、この状態を所
定期間、維持し続けた場合には、障害発生と判定すると
ともに、同状態の所定期間を経過する前に、モータの出
力制御が意図した通りに行われない場合には、障害発生
と判定し、それぞれの場合に所定のモータ停止処理を行
っている。
【0143】尚、本例においては、回転数センサ55、
各手段61,62,63の配置及び構成は、前記第2例
と同様なものを用いている。
【0144】このような駆動力補助装置の安全機構の動
作制御について、図15に示すフローチャートに基づい
て説明する。このフローチャートにおける前半のステッ
プP101〜P106においては、通常の補助走行制御
と、モータ出力動作の判別が実行され、出力動作してい
る場合は、中間のステップP107〜P109におい
て、モータ供給電圧の状態を監視することによりモータ
出力制御の異常判定が行われ、異常時には、後半のステ
ップP201によりモータ動作を停止させる対処処理が
実行される。
【0145】まず、ステップP101において、メイン
キースイッチ8aがオン操作されると、車両が走行を開
始できる状態となる。すなわち、バッテリユニット8か
ら搭載機器に電力が供給され、各機器が動作可能状態と
なり、それぞれの機器で初期化処理が行われる。すなわ
ち、制御回路19においては、本例の制御プログラムの
初期化が行われ、このプログラムに用いる各パラメータ
が、ゼロにクリアされたり、所定値にセットされる。こ
れは、例えば、踏力検出手段30からの人力検出値H、
車速センサ50からの車速値S、制御回路19のモータ
出力指令値V0が0にクリアされる。同様に、障害判定
手段63においては、障害判定用プログラムの初期化が
行われ、無負荷電圧値VB、モータ回転数積算値Tn、
が0にクリアされ、また、モータ回転数判定値T0に所
定値がセットされる。
【0146】次に、ステップP102に処理が移行し、
通常の補助走行制御用に各種検出手段から、その時点で
検出した検出値が、制御回路19に読込まれ、ステップ
P103に処理が移行する。
【0147】そして、このステップP103において
は、まず、読込まれた車速センサ50からの車速値Sに
基づき、補助する補助比率が演算され、そして、この補
助比率に、踏力検出手段30からの検出値Hを掛け合わ
せて、実際に必要なモータ出力が決定される。更に、こ
のモータ補助出力をモータMに出力させるモータ出力指
令値V0が設定され、この値V0がモータ駆動回路20
に出力される。そして、この値V0に基づき、モータ駆
動回路20が通電制御を行って、実際にモータMに電力
を供給する。
【0148】次に、ステップP104において、モータ
駆動回路20から実際にモータMに供給された供給電力
を、モータ供給電力検出手段61が検出し、この検出手
段61からのモータ供給電圧値VIが、障害判定手段6
3に読込まれる。
【0149】そして、以降のステップP105〜ステッ
プP109において、2つの方法により、モータ出力の
制御が正常に行われていないことを判別して、モータ制
御異常時の処理動作を行うようにしている。すなわち、
第1の方法としては、正常動作時には、間歇的な人力駆
動力に追従してモータ出力が変化するのに対して、モー
タの出力動作が、所定期間、維持された場合に、何らか
の障害が生じたと判別している。また、第2の方法とし
ては、モータ出力の制御が、指令した通りに行われてい
ない場合に、障害が生じたと判別している。
【0150】まず、ステップP105において、モータ
Mが出力動作しているかが判定される。すなわち、この
判定は、制御回路19から出力されたモータ出力指令値
V0に基づきモータ駆動回路20から出力されたモータ
供給電圧値VIが、その時点の車速Sに応じて、モータ
Mが無負荷状態で回転を維持できる基準電圧VBを越え
たか否かにより行われる。
【0151】従って、モータ供給電圧値VIが基準電圧
VBより少ない場合には、モータが出力動作していない
として、ステップP106に処理が進む。他方、VI値
がVB値を越えた場合には、2つの方法により障害の発
生を判別するステップP107以降に処理が進む。
【0152】そして、モータが出力動作していないと判
別されたステップP106においては、カウントされた
回転数積算値T0が0にリセットされ、ステップP10
2に処理が復帰し、このステップP102からステップ
P105までの一連の処理を繰り返す。
【0153】他方、供給電圧値VIが基準電圧VBを越
えたことにより、モータMが出力動作していると判定さ
れたステップP107においては、モータ回転数のカウ
ントが開始され、又は、既に開始されている場合には、
カウントを継続する。すなわち、モータ回転数センサ5
5により、モータMの回転数がカウントされ、カウント
された回転数積算値T0が障害判定手段63に読込まれ
る。
【0154】次に、ステップP108において、第1の
方法に基づき、この回転数積算値Tnが、所定の基準回
転数T0を越えたか否かが、判定される。
【0155】そして、越えた場合には、踏力検出手段や
モータ駆動回路20、モータ電力供給系に、何らかの障
害が発生したとして、ステップP201以降の異常時制
御手順に処理を移行している。すなわち、モータの供給
電圧VI値が基準電圧VBより大きい状態が、ステップ
P102〜ステップP107を経て、回転数積算値Tn
が所定の基準回転数T0を越えた場合には、人力が変動
入力されることに拘らず、モータMに出力動作を継続さ
せていることになるので、何らかの障害が生起したとし
て判定している。
【0156】また、越えない場合には、ステップP10
9に処理が移行し、このステップP109においては、
第2の方法に基づき、モータ出力の制御が、指令した通
りに行われていないことを判別して、障害の発生を判定
している。
【0157】すなわち、制御回路19から出力されたモ
ータ出力指令値V0と、この値V0に基づきモータ駆動
回路20から出力されたモータ供給電圧値VIとを、比
較判定して、モータ供給電圧値VIとモータ出力指令値
V0との比較値が規定値を逸脱している場合には、モー
タ駆動回路20やモータ電力供給系に、何らかの障害が
発生したとして、ステップP201以降の異常時制御手
順に処理を移行している。
【0158】他方、電圧値VIと指令値V0との比較値
が規定値以内の場合には、正常に動作しているとして、
ステップP102に処理が復帰し、このステップP10
2からステップP105までの一連の処理を繰り返し、
パワーユニット11が動作を停止するまで継続される。
【0159】そして、モータの出力動作が所定期間、停
止しないと判別された場合、又は、モータ出力の制御が
指令した通りに行われていないと判別された場合には、
障害が生じたと判定され、ステップP201において、
モータMへの給電ラインの最後段に配設された異常時制
御手段62により、モータ供給電圧がカットされ、モー
タMの出力が停止される。
【0160】以上説明したように、本例の駆動力補助装
置の安全機構によれば、間歇的に人力駆動力が入力され
る補助駆動装置の制御方法において、この人力駆動力の
変動に拘らず、まず、モータが補助出力動作したことを
判別し、このモータ出力が、所定期間、所定値を越えて
維持された場合に、これを障害発生と判定するととも
に、この所定期間の経過前に、モータの出力制御が意図
した通りに行われない場合にも、障害発生と判定し、各
場合に、モータ停止処理していることにより、前記第
1,第2例の効果を合わせた効果を奏することができ
る。すなわち、前述した各例と同様に、踏力検出手段
系、モータ電気動力系、制御回路自体に障害が生じた場
合にも対処でき、より安全性を向上することができる。
【0161】また、これに加え、モータが補助出力動作
したことを判別してから、障害発生を判別しているの
で、障害判定をより厳密化でき、安全機構として十分な
信頼性を確保することができる。
【0162】更に、異なる障害判別方法を併用している
ので、安全性を向上させることができる。
【0163】次に、駆動力補助装置の補助走行制御手段
について説明する。
【0164】電動自転車の低速走行速度範囲において、
又は、補助比率が一定である場合、すなわち、検出した
人力駆動力に対して、一定の補助比率によって必要なモ
ータ補助出力が決定されるときに、検出された人力に応
じて、必要な出力トルクをモータが生成できるように電
流供給し、常時、このモータ消費電流が必要な出力トル
クとなるように監視し、通電制御したものである。つま
り、この制御は、モータに流れる電流を検出して、常に
モータが発生しているトルクを判別するものである。従
って、本例によれば、人力駆動力に対する補助比率を求
める演算やテーブル参照を不要にでき、また、前述した
例に用いられている車速センサを不要にすることができ
る。
【0165】すなわち、この例に用いられているモータ
Mは、一般的なブラシレスのDCモータを用いており、
このモータ出力は、モータ駆動回路20による通電制御
により、設定されている。また、この種のブラシレスモ
ータは、ロータの回転位置を検出して各相の励磁コイル
に通電制御するため、ロータ端面にロータの回転位置を
特定する被検出用の磁石片を貼着し、この被検出用磁石
片の回転軌道の近傍に磁気検出素子を設け、この磁気検
出素子によって被検出用磁石片の磁気を検知して、ロー
タの回転位置を検出するようにしている。もっともブラ
シレスモータ以外のモータを用いることもできる。
【0166】図16に示すように、モータMを通電制御
するモータ駆動回路20は、モータMに設けられた磁気
検出素子72と、これらの磁気検出素子72からロータ
・コア22の位置検出信号に基づき、ロータ22の回転
位置を検出するロータ回転位置判別回路73と、この判
別回路73からの判別信号と、制御回路19からのモー
タ出力指令信号に基づき、ステータ・コア23の各励磁
コイルの切換えタイミング及び通電時間を決定するモー
タ制御回路74と、各々還流ダイオードDa+、Db+
Dc+が接続されたP側のトランジスタTa+、Tb+
Tc+と、各々還流ダイオードDa-、Db-、Dc-が接
続されたΝ側のトランジスタTa-、Tb-、Tc-とを
備え、P側トランジスタとΝ側トランジスタとを一組組
合せたスイッチを形成し、このスイッチにより任意の励
磁コイルへの通電を、切換え動作させるスイッチング回
路75とから構成されている。そして、モータ制御回路
74が、スイッチング回路75を所定にスイッチ動作さ
せることにより、3相の直流電流を、各相の巻線のうち
選択的に2つの巻線に順次通電して、回転用の磁界を生
成し、この磁界によりロータ・コア22を回転駆動させ
ている。
【0167】すなわち、まず、各磁気検出素子72から
の検出信号に基づいて、位置判別回路73がロータ22
の回転位置を判別し、この位置判別回路73からの判別
信号に基づいて、モータ制御回路74が、各相の励磁コ
イルU、V、Wの転流タイミングを決定する。次に、各
転流タイミングに基づき、スイッチング動作信号をスイ
ッチング回路75の各トランジスタへ出力し、各U、
V、W相の励磁コイルへ適切な転流タイミングで、電流
が供給される。そして、このような繰返し動作によっ
て、常にロータ22に対して、回転方向の先に位置する
励磁コイルU、V、Wが励磁され、ロータ22の回転が
維持され、回転駆動される。
【0168】そして、本例の駆動力補助装置の補助走行
制御手段は、図17に示すように、ブラシレスモータM
の各励磁コイルU,V,Wへの通電用配線に、それぞ
れ、モータが消費する電流を検出するシャント抵抗器7
7,77を設け、この抵抗器77の出力端子を、制御回
路19に接続して構成され、この抵抗器77の検出電圧
からモータ電流値を判定している。
【0169】すなわち、このシャント抵抗器77は、消
費電力が小さい低抵抗な抵抗器を配線上に直列接続し、
この抵抗器77の両端の端子電圧を測定することによ
り、このシャント抵抗器77による配線の電力消費を最
小限にしながら、正確に配線を流れる電流値を検出でき
るようにしたものである。また、これらのシャント抵抗
器77の両検出端子は、制御回路19に接続されてい
る。
【0170】また、ロータ22の回転に伴って、通電さ
れる励磁コイルU,V,Wが切換えられるので、これに
応じて適切なシャント抵抗器77が切換え選択されて、
選択されたシャント抵抗器77の検出値が、制御回路1
9に読込まれるようにしている。
【0171】従って、各励磁コイルへの通電切換えに応
じたシャント抵抗器77の検出電圧が、制御回路19に
読込まれ、この検出電圧からモータ消費電流が判別され
る。そして、この消費電流から、制御回路19によっ
て、実際に出力されているモータ負荷トルクが判別され
る。他方、検出された人力から最終的に必要なモータ出
力トルクが算定される。そして、実際のモータ出力トル
クと、必要なモータ出力トルクとが比較判定され、従前
のモータ出力指令値が、実際のモータ出力トルクを必要
なモータ出力トルクに一致させる指令値に、再設定又は
調整される。
【0172】これは、一般にDCモータは、供給された
電流分だけのトルク出力が生成されるので、このモータ
消費電流をモニターすることによって、現時点で、どの
程度のモータ負荷があるかということを判別できる。そ
こで、検出した人力駆動力値に基づき、制御回路19か
らモータ駆動系にモータ出力指令信号を出力し、このモ
ータ出力制御のフィードバックは、全てモータ消費電流
を監視して行うことにより、別途に必要とされていた走
行速度又はモータ回転数に基づくテーブルを不要にし
た、モータの駆動制御を可能としている。
【0173】このようなDCモータの特性としては、図
18に示すように、モータが消費した電流に対しては、
モータの出力トルクが正比例し、一義的に決定されるこ
とが知られている。従って、この特性を用いて、実際に
消費したモータ電流値により、出力トルクを判別するこ
とができる。尚、同図中に破線により示す部分は、モー
タ駆動回路を含めた、一般的なブラシレス・DCモータ
の特性であり、ブラシレス駆動制御用の素子を駆動する
電流を消費するので、僅かに特性が異なり、本例のよう
に、ブラシレス・DCモータを用いる場合には、適切な
補正処理が行われている。
【0174】このようなパワーユニット11の動作制御
について、図19に示すフローチャートを参照して説明
する。
【0175】まず、ステップP101において、メイン
キースイッチ8aがオン操作されると、電力が各搭載機
器に供給され、各機器が初期化処理を行って、電動自転
車1がモータMによる人力駆動力を補助した走行を開始
できる状態となる。
【0176】次に、ステップP102において、踏力検
出手段30から検出された人力検出値Hが、制御回路1
9に読み込まれる。
【0177】そして、ステップP103の初回において
は、制御回路19により、踏力検出手段30から検出さ
れた人力検出値Hから、必要なモータ出力トルクが演算
され、モータ出力指令値V0が設定され、ステップP1
04に進む。
【0178】このステップP104において、モータの
各励磁コイルへの通電切換えに対応したシャント抵抗器
77から検出した電圧値VIが、制御回路19に読み込
まれる。
【0179】そして、ステップP102に処理が復帰
し、パワーユニット11が動作を継続する限り、ステッ
プP102〜104の一連の処理を繰り返す。
【0180】また、このようなループを一巡りした、ス
テップP103においては、シャント抵抗器77により
検出した電圧値VIから、励磁コイルに通電されている
電流値が換算され、モータMが消費している電流値が判
別される。次に、この消費電流値から、実際にモータM
から出力されているモータ出力トルクが演算される。他
方、踏力検出手段から検出された人力から、必要なモー
タ出力トルクが演算され、この必要なトルクと、実際の
モータ出力トルクとの比較判定が行われ、モータ出力指
令値V0が修正設定される。
【0181】尚、モータの極数と、ステータの一周当た
り励磁コイルの個数との組合せに対応して、シャント抵
抗器の数や検出する励磁コイルの切換え処理は、変更さ
れることになる。
【0182】以上説明したように、本例の駆動力補助装
置の制御手段によれば、モータ供給電流のフィードバッ
ク制御だけで、モータ補助の出力制御を行えるので、制
御回路が簡素になり、信頼性を向上できるとともに、低
コスト化を図ることができる。すなわち、制御回路のよ
る演算操作や、検出した人力からモータ出力値を決定す
る演算テーブルが不要となる。
【0183】次に、駆動力補助装置の補助走行制御手段
の第2例を説明する。
【0184】本例の駆動力補助装置の制御手段は、前例
と同様な処理プログラムを用いているが、モータに備え
られている個別の励磁コイルに着目してその消費電流を
監視するのではなく、モータ全体として消費される電流
を監視するようにしたものである。
【0185】すなわち、図20に示すように、バッテリ
ユニット8から給電ライン上において、モータ駆動回路
20の直前に、単一のシャント抵抗器77を直列に配設
し、このシャント抵抗器77によって、モータ駆動回路
20を含めたモータ系に供給され消費される電流値を検
出する構成とされている。
【0186】以上説明したように、本例の駆動力補助装
置の制御手段によれば、前記第1例と同様な効果を奏す
るのみならず、構成を簡素化することができ、より信頼
性の向上やコストダウンを図ることができる。すなわ
ち、電流検出用に必要なシャント抵抗器が一つで済むの
みならず、モータの回転動作に伴い通電切換えされる励
磁コイルに応じて、電圧値を読み込むシャント抵抗器を
切換える操作及び、これに必要な回路的ソフト的な構成
が不要となる。
【0187】尚、上述した各例は、互いに排除しあうも
のではなく、任意に組合せて単一の電気自転車に適用す
ることができ、安全性や経済性等を含めた電気自転車の
総合性能を向上させることができる。
【0188】また、上述した各例において、各発明を自
転車に応用した場合を例に採って説明したが、足漕ぎボ
ートや足漕ぎ4輪車等の他の人力を用いて駆動する軽車
両にも適宜適用することができるものである。
【0189】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1請求項に
記載した発明は、運転者の人力駆動力により駆動される
走行装置に設けられ、且つ、人力駆動力を検出する人力
検出手段と、走行速度を検出する速度検出手段と、両検
出手段からの検出値に基づいて補助駆動力を出力する補
助駆動手段とを備え、前記補助駆動力を人力駆動力に合
成する駆動力補助装置において、前記補助駆動手段は、
バッテリからモータに至るモータ給電経路中の任意箇所
において電力を検出する電力検出手段と、前記電力検出
値が規定値を越えた場合に前記補助駆動手段による補助
駆動力を制限する異常時制御手段と、を有する構成の駆
動力補助装置である。
【0190】従って、バッテリから出力される電力、モ
ータ駆動回路中の電力、モータに供給される電力等、い
ずれか適当な箇所において検出されたものが、規定値を
越えた場合に、つまり予定された範囲を逸脱した場合
に、例えばモータ供給電力が遮断される等、前記補助駆
動手段による補助駆動力値が制限されるので、安全性の
向上と低コスト化が可能な駆動力補助装置を得ることが
できる。
【0191】本願第2請求項に記載した発明は、運転者
の人力駆動力により駆動される走行装置に設けられ、且
つ、人力駆動力を検出する人力検出手段と、走行速度を
検出する速度検出手段と、両検出手段からの検出値に基
づいて補助駆動力を出力する補助駆動手段とを備え、前
記補助駆動力を人力駆動力に合成する駆動力補助装置に
おいて、前記補助駆動手段は、モータ供給電力を検出す
るモータ供給電力検出手段と、前記モータ供給電力検出
値との比較値が規定値を越えた場合に前記補助駆動手段
による補助駆動力を制限する異常時制御手段と、を有す
る構成の駆動力補助装置である。
【0192】従って、本請求項に記載した発明は、第1
請求項に記載したもののうち検出するものがモータ供給
電力であり、そして、このモータ供給電力検出値との比
較値が規定値を越えた場合に、例えばモータ供給電力が
遮断される等、前記補助駆動手段による補助駆動力値が
制限されるので、安全性の向上と低コスト化が可能な駆
動力補助装置を得ることができる。
【0193】本願第3請求項に記載した発明は、運転者
の人力駆動力により駆動される走行装置に設けられ、且
つ、人力駆動力を検出する人力検出手段と、走行速度を
検出する速度検出手段と、両検出手段からの検出値に基
づいて補助駆動力を出力する補助駆動手段とを備え、前
記補助駆動力を人力駆動力に合成する駆動力補助装置に
おいて、前記補助駆動手段は、モータ駆動回路に補助出
力指令値を出力する制御手段と、前記補助駆動手段によ
る補助駆動力を制限する異常時制御手段とを有し、前記
異常時制御手段は、前記補助出力指令値、又は、当該補
助出力指令値に基づいて出力される供給電力値が、設定
期間、規定値以上の場合に前記補助駆動手段による補助
駆動力を制限する構成の駆動力補助装置である。
【0194】従って、設定期間を設けているので、走行
装置の速度が早い場合と遅い場合で当該期間を長短適宜
に設定することにより、低速走行時には、比較的に長い
ペダル周期に応じて、この設定時間を長く設け、また、
高速走行になるに伴って、この設定時間を減少させる。
これにより、低速の場合に不具合なく途中でモータ補助
が停止したり、高速走行の場合にセンサの障害判定が遅
れ気味となるといった不都合を回避することができる。
【0195】本願第4請求項に記載した発明は、前記第
3請求項において、前記設定期間は、補助駆動手段の出
力軸により所定の回転回数がカウントされるまでの経過
時間である構成の駆動力補助装置である。
【0196】従って、回転数カウントにより経過判定し
ているので、走行速度により変化する実際の人力駆動力
の入力期間と、これに応じたモータの出力動作期間とを
比較判定していることになり、常に、走行速度との整合
性を確保できる。例えば、車両の低速走行時には、比較
的に長いペダル周期に応じて、この所定時間が長くな
り、このペダル周期の途中で、モータ補助が停止するこ
とを防止できるとともに、高速走行になるに伴って、こ
の所定時間が短縮され、障害判定が遅れること無く迅速
に行われることになる。
【0197】本願第5請求項に記載した発明は、前記第
3請求項において、前記設定期間は、補助駆動手段の回
転出力を伝達する伝達経路上に介在する特定部材の回転
周期である構成の駆動力補助装置である。
【0198】この場合も前記第4請求項と同様に、特定
部材の回転周期により経過判定しているので、走行速度
により変化する実際の人力駆動力の入力期間と、これに
応じたモータの出力動作期間とを比較判定していること
になり、常に、走行速度との整合性を確保できる。
【0199】本願第6請求項に記載した発明は、運転者
の人力駆動力により駆動される走行装置に設けられ、且
つ、人力駆動力を検出する人力検出手段と、走行速度を
検出する速度検出手段と、両検出手段からの検出値に基
づいて補助駆動力を出力する補助駆動手段とを備え、前
記補助駆動力を人力駆動力に合成する駆動力補助装置に
おいて、前記補助駆動手段は、モータ駆動回路に補助出
力指令値を出力する制御手段と、モータ供給電力を検出
するモータ供給電力検出手段と、前記補助出力指令値と
前記モータ供給電力検出値を比較して該比較値が規定値
を越えた場合に前記補助駆動手段による補助駆動力を制
限する異常時制御手段と、を有する構成の駆動力補助装
置である。
【0200】従って、通常あるべき補助出力指令値とモ
ータ供給電力検出値との関係が逸脱した場合に、例えば
モータ供給電力が遮断される等、前記補助駆動手段によ
る補助駆動力値が制限されるので、安全性の向上と低コ
スト化が可能な駆動力補助装置を得ることができる。
【0201】本願第7請求項に記載した発明は、運転者
の人力駆動力により駆動される走行装置に設けられ、且
つ、人力駆動力を検出する人力検出手段と、走行速度を
検出する速度検出手段と、両検出手段からの検出値に基
づいて補助駆動力を出力する補助駆動手段とを備え、前
記補助駆動力を人力駆動力に合成する駆動力補助装置に
おいて、前記補助駆動手段のモータ電流を検出するモー
タ電流検出手段を有し、前記人力検出手段により検出し
た人力駆動力に基づき、補助駆動手段のモータ出力トル
クを前記モータ電流を制御することによってトルク制御
する制御手段を設けたことを特徴とする駆動力補助装置
である。
【0202】従って、モータに流れる電流を検出して、
常にモータの出力トルクを制御するので、例えば車速よ
りモータ回転数を検出し、テーブル参照によってモータ
電圧を制御することで出力トルクを制御する等の、複雑
な動作を不要にすることができる。
【0203】このように、本発明によれば、電力系及び
制御系を含めたモータ駆動系から最終的にモータに出力
される電力供給状態を監視し、異常なモータ出力制御か
ら障害を判別して対処できるとともに、検出された人力
駆動力に応じた補助出力を得ることができる。更に、補
助出力を決定する演算やテーブル参照を不要にすること
ができるので、安全性の向上と低コスト化が可能な駆動
力補助装置を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパワーユニットを用いた電動自転車に
係り、全体概略構成を示す側面図。
【図2】本発明の電動自転車に係り、人力駆動及びモー
タ補助駆動制御の概略全体を説明するブロック図。
【図3】本発明のパワーユニットを示す横断面図。
【図4】本発明のパワーユニットを示し、ケースの一部
を外して示す平面図。
【図5】本発明のパワーユニットを示し、ケースの一部
を外して示す正面図。
【図6】本発明のパワーユニットを示し、ケースの一部
を外して示す背面図。
【図7】本発明のパワーユニットに用いる、駆動力を伝
達する主要部材を拡散分解して示す斜視図。
【図8】本発明のパワーユニットに用いる、第1回転
体、弾性体及び第2回転体を分離展開して示す斜視図。
【図9】本発明のパワーユニットに用いる人力検出手段
である踏力検出手段を示す正面図。
【図10】本発明のパワーユニットに用いる人力検出手
段である踏力検出手段を示す側面図。
【図11】本発明のパワーユニットに用いる人力検出手
段である踏力検出手段を示す左側面図。
【図12】第1発明に係る第1例を説明する概略構成を
示すブロック図。
【図13】本例に係り、通常の補助走行制御と、補助走
行制御によるモータ出力動作が異常な場合に障害発生と
判定し、対処処理する手順を示すフローチャート。
【図14】本第2発明に係る第2例を説明するフローチ
ャート。
【図15】本第3発明に係る第3例を説明するフローチ
ャート。
【図16】本第4発明に係る第4例を示し、本例に用い
られているDCモータ、及び、モータ駆動制御、電力供
給系を説明する概略回路図。
【図17】本例のモータ消費電流検出手段であるシャン
ト抵抗器の設置状態を示す概略回路図。
【図18】本第4発明に係り、一般的なDCモータの特
性を説明し、モータ消費電流と、出力トルクとの関連を
示すグラフ。
【図19】本第4発明の例に係り、全体制御を説明する
フローチャート。
【図20】本第4発明に係る第5例を示し、本例のモー
タ消費電流検出手段であるシャント抵抗器の設置状態を
示す概略回路図。
【図21】従来の電動自転車を示す全体概略構成図。
【図22】一般的な電動自転車の補助走行制御状態を説
明するグラフ。
【図23】一般的な電動自転車に用いられている人力検
出手段に生じる機械的な障害状態を説明し、(a)は、
検出機構部分が固着した状態を、(b)は、半固着した
状態を、(c)は、検出機構に異物が挟まった状態を示
すグラフ。
【符号の説明】
1 電動自転車 2 フレーム体 2a フロントフォーク 2b リヤフォーク 2c メインパイプ 2d 立パイプ 3a サドル 3b ハンドル 4 前輪 5 後輪 6 従動スプロケット 7 ペダル 7a ペダルアーム 8 バッテリユニット 8a メインキー・スイッチ 9 チェーン 10a 配線 10b コネクタ 10c 回路基板 11 パワーユニット 12 ケース 12a ケース 12b ケース 12c ケース 12d フィン 12e 開口部 12f ケース蓋 13 クランク軸 13a 送りつめ 14 第1回転体 14a 内周歯 14b 段差部 14c 突出部 14e コイル端面を受ける部位 15 第2回転体 15b 段差部 15c 突出部 15d 送りつめ 16 弾性体 16a 弾性体端面(コイルバネの両端面) 17 出力歯車(原動スプロケット) 18 つなぎ手 19 制御回路 20 モータ駆動回路 21 モータ軸 22 ロータ・コア 23 ステータ・コア 23a ステータ・コアのポール 24 ボルト 25 第1歯車ユニット 26 第2歯車ユニット 27 第3歯車ユニット 28 第3回転体 28a 内周歯 30 踏力検出手段(人力検出手段) 31 第1回転部材 32 第2回転部材 33 傘歯車 34 傘歯車 35 差動角出力用の傘歯車 36 差動角出力用傘歯車の支持軸 37 出力軸 38 回転角センサ 38A 回転角検出用のポテンショメータ 38a 回転角センサの検出軸 39 フレーム 41 第1入力歯車 42 第2入力歯車 43 逆転歯車 44a,44b 回転角の倍角用歯車 45 回転角の検出用歯車 46 アーム部材 47 付勢スプリング 48 ストッパ部材 50 車速センサ(車速検出手段) 50A 車速検出用の近接センサ 55 モータ回転数センサ 55A モータ回転数検出用の近接センサ 61 モータ供給電力検出手段 62 異常時制御手段 63 障害判定手段 71 モータ駆動回路 72 磁気検出素子(ロータ回転位置検出用) 73 ロータ回転位置判別回路 74 モータ制御回路 75 スイッチング回路 77 シャント抵抗器 M モータ J 補助駆動手段 L クリアランス H 人力検出値 S 車速値(走行速度) V0 モータ出力指令値 VI モータ供給電圧値 VB モータ無負荷電圧値 Tn 積算したモータ回転数値 T0 モータ回転数判定値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中里 博 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 宮澤 弘 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者の人力駆動力により駆動される走
    行装置に設けられ、且つ、人力駆動力を検出する人力検
    出手段と、走行速度を検出する速度検出手段と、両検出
    手段からの検出値に基づいて補助駆動力を出力する補助
    駆動手段とを備え、前記補助駆動力を人力駆動力に合成
    する駆動力補助装置において、 前記補助駆動手段は、バッテリからモータに至るモータ
    給電経路中の任意箇所において電力を検出する電力検出
    手段と、前記電力検出値が規定値を越えた場合に前記補
    助駆動手段による補助駆動力を制限する異常時制御手段
    と、を有することを特徴とする駆動力補助装置。
  2. 【請求項2】 運転者の人力駆動力により駆動される走
    行装置に設けられ、且つ、人力駆動力を検出する人力検
    出手段と、走行速度を検出する速度検出手段と、両検出
    手段からの検出値に基づいて補助駆動力を出力する補助
    駆動手段とを備え、前記補助駆動力を人力駆動力に合成
    する駆動力補助装置において、 前記補助駆動手段は、モータ供給電力を検出するモータ
    供給電力検出手段と、前記モータ供給電力検出値との比
    較値が規定値を越えた場合に前記補助駆動手段による補
    助駆動力を制限する異常時制御手段と、を有することを
    特徴とする駆動力補助装置。
  3. 【請求項3】 運転者の人力駆動力により駆動される走
    行装置に設けられ、且つ、人力駆動力を検出する人力検
    出手段と、走行速度を検出する速度検出手段と、両検出
    手段からの検出値に基づいて補助駆動力を出力する補助
    駆動手段とを備え、前記補助駆動力を人力駆動力に合成
    する駆動力補助装置において、 前記補助駆動手段は、モータ駆動回路に補助出力指令値
    を出力する制御手段と、前記補助駆動手段による補助駆
    動力を制限する異常時制御手段とを有し、 前記異常時制御手段は、前記補助出力指令値、又は、当
    該補助出力指令値に基づいて出力される供給電力値が、
    設定期間、規定値以上の場合に前記補助駆動手段による
    補助駆動力を制限するものであることを特徴とする駆動
    力補助装置。
  4. 【請求項4】 前記設定期間は、補助駆動手段の出力軸
    により所定の回転回数がカウントされるまでの経過時間
    であることを特徴とする請求項3記載の駆動力補助装
    置。
  5. 【請求項5】 前記設定期間は、補助駆動手段の回転出
    力を伝達する伝達経路上に介在する特定部材の回転周期
    であることを特徴とする請求項3記載の駆動力補助装
    置。
  6. 【請求項6】 運転者の人力駆動力により駆動される走
    行装置に設けられ、且つ、人力駆動力を検出する人力検
    出手段と、走行速度を検出する速度検出手段と、両検出
    手段からの検出値に基づいて補助駆動力を出力する補助
    駆動手段とを備え、前記補助駆動力を人力駆動力に合成
    する駆動力補助装置において、 前記補助駆動手段は、モータ駆動回路に補助出力指令値
    を出力する制御手段と、モータ供給電力を検出するモー
    タ供給電力検出手段と、前記補助出力指令値と前記モー
    タ供給電力検出値を比較して該比較値が規定値を越えた
    場合に前記補助駆動手段による補助駆動力を制限する異
    常時制御手段と、を有することを特徴とする駆動力補助
    装置。
  7. 【請求項7】 運転者の人力駆動力により駆動される走
    行装置に設けられ、且つ、人力駆動力を検出する人力検
    出手段と、走行速度を検出する速度検出手段と、両検出
    手段からの検出値に基づいて補助駆動力を出力する補助
    駆動手段とを備え、前記補助駆動力を人力駆動力に合成
    する駆動力補助装置において、 前記補助駆動手段のモータ電流を検出するモータ電流検
    出手段を有し、前記人力検出手段により検出した人力駆
    動力に基づき、補助駆動手段のモータ出力トルクを前記
    モータ電流を制御することによってトルク制御する制御
    手段を設けたことを特徴とする駆動力補助装置。
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