JPH09109498A - プリンタのインクリボンユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送時あるいは販売時にリボン巻取りスプー
ル軸がリボン供給スプール軸のケースを兼用することが
でき、コンパクトにしてインクリボンを確実に保護する
ことのできるプリンタのインクリボンユニットを得る。 【解決手段】 未使用のインクリボン２を巻付けてある
リボン供給スプール軸１と使用済みのインクリボンを巻
取るリボン巻取りスプール軸３とを有し、リボン巻取り
スプール軸３がヒンジ１１を回動部として上ケース３ａ
と下ケース３ｂの割り型式に開閉する構造であり、上，
下ケース３ａ，３ｂ内に緩衝材１２が形成され、このリ
ボン巻取りスプール軸３内にインクリボン２を巻き付け
たリボン供給スプール軸１を収納するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオ映像等の記
録画像をハードコピー、いわゆるカラー等の写真として
印画するためのプリンタに使用される２つのスプール軸
からなるインクリボンユニットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種プリンタに使用されるイン
クリボンユニットは未使用のインクリボンを巻付けてあ
るリボン供給スプール軸と、使用済みのインクリボンを
巻取るリボン巻取りスプール軸とから構成されている。
このインクリボンユニットはインクリボンカセット内に
収容された状態でプリンタに装着され、印画紙へのプリ
ント動作が行われる。上述したインクリボンユニットは
それ自体を単品として一般に販売されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したイ
ンクリボンユニットの時輸送あるいは販売するに当た
り、そのままではリボン供給スプール軸及びリボン巻取
りスプール軸が空転してインクリボンが弛み商品価値が
低下することがあるためこれを防止するために、リボン
供給スプール軸及びリボン巻取りスプール軸の結束と空
転を防止するための手段が施されている。

【０００４】この結束，空転防止の従来の方法の幾つか
を図について説明する。図７において、符号２０は未使
用のインクリボン２１が巻付けられているリボン供給ス
プール軸、２２は使用済みのインクリボンを巻取るリボ
ン巻取りスプール軸である。リボン供給スプール軸２０
及びリボン巻取りスプール軸２２の一端部にはそれぞれ
基部にフランジ２３，２４を有する駆動側軸部２５，２
６が設けられ、駆動側軸部２５，２６には駆動用軸孔２
５ａ，２６ａとその内周面に駆動爪２５ｂ，２６ｂが形
成されている。また、リボン供給スプール軸２０及びリ
ボン巻取りスプール軸２２の他端部にはそれぞれ従動側
軸部２７，２８が設けられインクリボンユニット２９を
構成している。

【０００５】因みに上述したインクリボンユニット２９
が収容されるインクリボンカセットの一例としては、図
８に示すように下ハーフ５０及び上ハーフ５１とから構
成されている。下ハーフ５０はほぼ舟型形状を有し、そ
の一端側に円形状の軸孔５２ａ，５２ａを開口した駆動
側軸受部５２，５２が設けられ、この駆動側軸受部５
２，５２にインクリボンユニット２９の駆動側軸部２
５，２６が回転自在に支承される。下ハーフ５０の他端
側にはＵ字状の軸受５３ａ，５３ａを有する従動側軸受
部５３，５３が設けられている。この従動側軸受部５
３，５３にインクリボンユニット２９の従動側軸部２
７，２８が支承される。５４は図示しない印画ヘッドが
対応する開口窓である。

【０００６】上ハーフ５１は従動側軸受部５３，５３の
ある下ハーフ５０の部分に合体され、この上ハーフ５１
には下ハーフ５０の従動側軸受部５３，５３に対応する
位置に従動側軸部２７，２８を押さえる板ばね５５，５
５が設けられている。

【０００７】さて、上述したインクリボンユニット２９
を単品として販売するにおいて、図７の場合は両駆動側
軸部２５，２６の端面に跨がって粘着テープ３０が接着
されてリボン供給スプール軸２０及びリボン巻取りスプ
ール軸２２の結束と共に空転を防止している。

【０００８】図９の場合は上述したインクリボンユニッ
ト２９を輪ゴム３１で結束することで、リボン供給スプ
ール軸２０及びリボン巻取りスプール軸２２の空転を防
止している。

【０００９】図１０の場合はインクリボンユニット２９
を透明なプラスチック等の包装袋３２に収容し、包装袋
３２を畳んだ上から粘着テープ３３で止めることで、リ
ボン供給スプール軸２０及びリボン巻取りスプール軸２
２の結束と共に空転を防止している。

【００１０】しかし、図７に示したインクリボンユニッ
ト２９の結束，空転防止方法は、リボン供給スプール軸
２０及びリボン巻取りスプール軸２２の駆動側軸部２
５，２６の端面に粘着テープ３０を正確に貼付ける作業
が難しいこと、また、従動側軸部２７，２８側がフリー
の状態であるため粘着テープ３０が剥がれやすいといっ
た問題がある。

【００１１】また、図９に示したインクリボンユニット
２９の結束，空転防止方法は、輪ゴム３１で結束したイ
ンクリボン部分に皺が発生し、このため、印画の画質が
損なわれるといった問題がある。

【００１２】また、図１０に示したインクリボンユニッ
ト２９の結束，空転防止方法は、包装経費に費用がかか
ると共に包装に手数を要しコストアップになるといった
問題がある。

【００１３】本発明は、上述したような課題を解消する
ためになされたもので、搬送時あるいは販売時にはリボ
ン巻取りスプール軸がリボン供給スプール軸のケースを
兼用することができ、コンパクトにしてインクリボンを
確実に保護することのできるプリンタのインクリボンユ
ニットを得ることを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によるプリンタのインクリボンユニットは、
未使用のインクリボンを巻付けてあるリボン供給スプー
ル軸と使用済みのインクリボンを巻取るリボン巻取りス
プール軸とを有し、リボン巻取りスプール軸がインクリ
ボンを巻付けてあるリボン供給スプール軸を収納するた
めのケースを兼用するようにしたものである。

【００１５】このように構成したインクリボンユニット
は、搬送時や販売時のときはケースを兼ねているリボン
巻取りスプール軸内にインクリボンが巻き付けてあるリ
ボン供給スプール軸を収納することができる。これによ
って、インクリボンの保護が確実にできると共に、全体
としてコンパクトにすることができ取扱いが容易とな
る。また、インクリボンユニットの使用の際はインクリ
ボン巻取り軸内からリボン供給スプール軸を取り出し、
リボン供給スプール軸とリボン巻取りスプール軸として
インクリボンカセットにセットすることができる。

【００１６】また、本発明のプリンタのインクリボンユ
ニットは、リボン巻取りスプール軸が当該スプール軸方
向に割り型式構造であり、ヒンジ手段によって開閉可能
にしたことで、搬送時や販売時のときはリボン巻取りス
プール軸を開放しその中にインクリボンが巻き付けられ
ているリボン供給スプール軸を収納することで、インク
リボンの保護と全体としてコンパクト化を図ることがで
きる。また、インクリボンユニットの使用の際はインク
リボン巻取り軸を開放してリボン供給スプール軸を取り
出し、その後、開放状態のリボン巻取りスプール軸を閉
じれば当該スプール軸の周面にインクリボンの巻き取り
が行える。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明によるプリンタのイ
ンクリボンユニットの実施例を図面を参照して説明す
る。

【００１８】図１は本例によるインクリボンユニット
で、ケースを兼用するリボン巻取りスプール軸を開放し
た状態の斜視図、図２はリボン巻取りスプール軸の開放
状態の断面図である。

【００１９】符号１が未使用のインクリボン２が巻き取
られているリボン供給スプール軸であり、３が使用済み
のインクリボンを巻き取るリボン巻取りスプール軸であ
る。リボン供給スプール軸１の一端部にはフランジ４を
介して内周面に被駆動爪５ａを有する駆動側軸部５が設
けられ、他端部にはフランジ６を介して従動側軸部７が
設けられている。

【００２０】一方、リボン巻取りスプール軸３は次のよ
うに構成されている。リボン巻取りスプール軸３は当該
スプール軸方向に２分された内部が中空状の上ケース３
ａと下ケース３ｂとの割り型から構成され、その一端部
に同じく割り型の駆動側軸部８ａ，８ｂと他端部に割り
型の従動側軸部９ａ，９ｂが設けられている。従って、
上述したリボン巻取りスプール軸３を合体することで上
ケース３ａ，下ケース３ｂ及び駆動側軸部８ａ，８ｂ、
従動側軸部９ａ，９ｂをそれぞれ円筒体形状にすること
ができ、スプール軸３内に上述したリボン供給スプール
軸１を収納することができる。尚、符号１０は駆動側軸
部８ａ，８ｂの周面に形成した被駆動爪である。

【００２１】ここで、上ケース３ａと下ケース３ｂとは
一側部の接合端部をヒンジ１１によって接続し開閉可能
になされている。リボン巻取りスプール軸３が例えばＨ
Ｉ−ＰＳ（高衝撃性ポリスチレン）やＧＰ−ＰＳ（一般
用ポリスチレン）のプラスチック材から成形されていれ
ばヒンジ１１は別部材の蝶番から構成し、また、リボン
巻取りスプール軸３がＰＰ（ポリプロピレン）のプラス
チック材から成形されていればヒンジ１１は当該スプー
ル軸部材と同一部材で一体成形された、いわゆるセルフ
ヒンジから構成することができる。尚、実施例ではセル
フヒンジ式のヒンジ１１の例を示してある。

【００２２】また、上述した上ケース３ａと下ケース３
ｂの内面にはスポンジ等の緩衝材１２，１２が接着等に
より取り付けられている。さらに、下ケース３ｂには閉
止状態の上ケース３ａの開放を行うための指掛け部１３
が形成されていると共に、上ケース３ａと下ケース３ｂ
との閉止固定手段としてこの例では駆動側軸部８ａ，８
ｂ及び従動側軸部９ａ，９ｂの接合部の一部にロック片
１４が形成されている。

【００２３】かくして、リボン巻取りスプール軸３の上
ケース３ａの内面端部にリボン供給スプール軸１に巻き
取られたインクリボン２の端部を接着剤１５等により接
着固定することで本発明のインクリボンユニットを構成
している。

【００２４】このように構成したインクリボンユニット
は、搬送時あるいは販売時にあってはメーカー側におい
て、未使用のインクリボン２が巻き取られたリボン供給
スプール軸１の部分をリボン巻取りスプール軸３の下ケ
ース３ｂ内に収納すると共に、駆動側軸部５及び従動側
軸部７を下ケース３ｂの駆動側軸部８ｂ内及び従動側軸
部９ｂ内に収納し上ケース３ａを閉止することで外見上
では図３に示すようにリボン巻取りスプール軸３のみと
なる。リボン供給スプール軸１の収納状態の断面図が図
４である。

【００２５】すなわち、リボン巻取りスプール軸３内に
リボン供給スプール軸１が収納された状態では、リボン
供給スプール軸１に巻き取られているインクリボン２が
緩衝材１２，１２に適度に接触することで、搬送時に振
動が生じてもインクリボン２が損傷から保護できると共
に、インクリボン２の巻きが緩むのを回避することがで
きる。また、搬送時あるいは販売時において外見上では
リボン巻取りスプール軸３のみとなるので、全体として
コンパクトになり取扱いが容易となる。

【００２６】次に、図３の収納状態からインクリボンユ
ニットを実使用状態にするには、リボン巻取りスプール
軸３を開放してリボン供給スプール軸１を取り出し（図
１参照）、その後、図５に示すようにリボン巻取りスプ
ール軸３を閉止して上，下ケース３ａ，３ｂを合体すれ
ばリボン巻取りスプール軸３の使用状態となる。

【００２７】そして、リボン供給スプール軸１及びリボ
ン巻取りスプール軸３は図６に示すインクリボンカセッ
トにセットされる。

【００２８】インクリボンカセットはその一例として、
ほぼ舟型形状を有するカセット本体４１の一端側に軸受
孔４２ａ，４３ａを開口した駆動側軸受部４２，４３が
設けられ、他方の駆動側軸部４３の軸受孔４３ａは大き
くなっている。

【００２９】また、カセット本体４１の他端側にはＵ字
状の軸受４５ａ，４６ａを有する従動側軸受部４５，４
６が設けられ、同様に他方の従動側軸部４６の軸受４６
ａが大きくなっている。４７は図示しないプリンタの印
画ヘッドが対応する開口窓である。

【００３０】上述したインクリボンカセットに両スプー
ル軸１，３をセットする手順は、リボン供給スプール軸
１の駆動側軸部５をカセット本体４１の駆動側軸受部４
２の軸受孔４２ａに挿着すると共に、従動側軸部７を軸
受４５ａに支持する。これと同様にリボン巻取りスプー
ル軸３の合体された駆動側軸部８ａ，８ｂを駆動側軸受
部４３の軸受孔４３ａに挿着すると共に、合体された従
動側軸部９ａ，９ｂを軸受４６ａに支持する。その後、
カセット本体４１上に図示しない上ハーフを接合する。

【００３１】その後、インクリボンユニットをセットし
たインクリボンカセットは図示しないプリンタ内に装着
されたとき、リボン供給スプール軸１の駆動側軸部５に
はその軸内にプリンタ側の駆動軸が係合されて駆動さ
れ、リボン巻取りスプール軸３の合体された駆動側軸部
８ａ，８ｂはその軸外周にプリンタ側の駆動軸が係合さ
れて駆動される。すなわち、プリンタによるプリント動
作に伴って使用後のインクリボン２はケースを兼ねてい
るリボン巻取りスプール軸３に巻き取られる。

【００３２】このように本発明のインクリボンユニット
は、搬送時あるいは販売時にあっては割り型式のケース
を兼ねるリボン巻取りスプール軸３内にリボン供給スプ
ール軸１を収納するようにしたので、インクリボン２の
保護とインクリボンの巻き緩みを防止することができ、
しかも、外見上リボン巻取り軸３のみとなり、コンパク
トになり取扱いが容易となる。

【００３３】また、リボン供給スプール軸１のインクリ
ボン２はリボン巻取りスプール軸３の内面に形成した緩
衝材１２に柔軟に接触するため、搬送時に振動が生じて
もインクリボンの損傷を防止することができ、品質を損
なうことがない。

【００３４】また、インクリボンユニットの使用時にあ
ってはリボン巻取りスプール軸３内からリボン供給スプ
ール軸１を取り出し、リボン巻取りスプール軸３を合体
することでインクリボン２の巻き取りが可能なスプール
軸となる。

【００３５】本発明は、上述しかつ図面に示した実施例
に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内
で種々の変形実施が可能である。

【００３６】実施例ではリボン巻取りスプール軸３の
上，下ケース３ａ，３ｂの内面に形成した緩衝材１２は
接着材等により張り付ける以外、スプール軸の成形時に
二次加工として柔軟性の部材を形成加工するようにして
もよい。

【００３７】また、本発明のインクリボンユニットはビ
デオプリンタやその他のプリンタのインクリボンユニッ
トにも広く適用可能である。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように本発明のプリンタの
インクリボンユニットは、未使用のインクリボンを巻付
けてあるリボン供給スプール軸と使用済みのインクリボ
ンを巻取るリボン巻取りスプール軸とを有し、リボン巻
取りスプール軸がインクリボンを巻付けてあるリボン供
給スプール軸を収納するためのケースを兼用するように
したので、搬送時や販売時において外見上リボン巻取り
スプール軸のみとなりインクリボンの保護が確実にでき
ると共に、全体としてコンパクトになり取扱いが容易と
なる。また、インクリボンユニットの使用の際はケース
がそのままリボン巻取りスプール軸となるといった効果
がある。

【００３９】また、本発明のプリンタのインクリボンユ
ニットは、リボン巻取りスプール軸が当該スプール軸方
向に割り型式構造であり、ヒンジ手段によって開閉可能
にしたことで、搬送時や販売時のときはリボン巻取りス
プール軸を開放してインクリボンが巻き付けられている
リボン供給スプール軸を収納することことができ、イン
クリボンの保護ができ、コンパクト化を図ることができ
る。また、インクリボンユニットの使用の際はインクリ
ボン巻取り軸を開放してリボン供給スプール軸を取り出
したあと、リボン巻取りスプール軸を閉じることでその
ままリボン巻取りスプール軸として使用することができ
る。

【００４０】さらに、本発明のプリンタのインクリボン
ユニットは、リボン巻取りスプール軸の内面に緩衝材を
設けたことことで、搬送時の振動が生じてもインクリボ
ンの損傷と巻き緩みが防止でき、インクリボンの品質を
高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるインクリボンユニットのリボン巻
取りスプール軸の開放状態の斜視図である。

【図２】リボン巻取りスプール軸の開放状態の断面図で
ある。

【図３】インクリボンユニットの搬送時の斜視図であ
る。

【図４】同じく搬送時の断面図である。

【図５】インクリボンユニットの使用時の斜視図であ
る。

【図６】インクリボンユニットがセットされるインクリ
ボンカセットの斜視図である。

【図７】従来のインクリボンユニットの結束，空転防止
手段の斜視図である。

【図８】従来例のインクリボンカセットの斜視図であ
る。

【図９】従来例のインクリボンユニットの結束，空転防
止手段の別の例の斜視図である。

【図１０】従来例のインクリボンユニットの結束，空転
防止手段のさらに別の例の斜視図である。

【符号の説明】

１ リボン供給スプール軸 ２ インクリボン ３ リボン巻取りスプール軸 ３ａ 上ケース ３ｂ 下ケース ５ 駆動側軸部 ７ 従動側軸部 ８ａ，８ｂ 駆動側軸部 ９ａ，９ｂ 従動側軸部 １１ ヒンジ １２ 緩衝材 １３指掛け部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 未使用のインクリボンを巻付けてあるリ
   ボン供給スプール軸と使用済みのインクリボンを巻取る
   リボン巻取りスプール軸とを有し、上記リボン巻取りス
   プール軸が上記インクリボンを巻付けてある上記リボン
   供給スプール軸を収納するためのケースを兼用すること
   を特徴とするプリンタのインクリボンユニット。
2. 【請求項２】 請求項１記載のプリンタのインクリボン
   ユニットにおいて、 上記リボン巻取りスプール軸は当該スプール軸方向に割
   り型式構造であり、ヒンジ手段によって開閉可能である
   ことを特徴とするプリンタのインクリボンユニット。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載のプリンタのインク
   リボンユニットにおいて、 上記リボン巻取りスプール軸の内面に緩衝材を設けたこ
   とを特徴とするプリンタのインクリボンユニット。