JPH0910766A - 海水の淡水化方法 - Google Patents

海水の淡水化方法

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JPH0910766A
JPH0910766A JP7186247A JP18624795A JPH0910766A JP H0910766 A JPH0910766 A JP H0910766A JP 7186247 A JP7186247 A JP 7186247A JP 18624795 A JP18624795 A JP 18624795A JP H0910766 A JPH0910766 A JP H0910766A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】海水を逆浸透膜分離モジュ−ルによりホウ素を
含めて水道法水質基準を満たす水質で淡水化できる海水
の淡水化方法を提供する。 【構成】海水を第1段目の逆浸透膜分離モジュ−ル41
に供給し、その透過水を第2段目の逆浸透膜分離モジュ
−ル42に供給する段階を有し、第1段目逆浸透膜分離
モジュ−ル41の透過水のpHを5.7以上好ましくは
6.5以上に調整して第2段目逆浸透膜分離モジュ−ル
42の透過水のホウ素含有量を0.20ppm以下とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は逆浸透膜分離モジュ−ル
で海水を淡水化して飲料水を得る海水の淡水化方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の降雨量の低下、生活レベルの向
上、産業の多様化等による水需要の増加に伴う水不足の
被害は全国的に波及し、水資源の安定供給の方法として
海水の淡水化が検討され、その中でも逆浸透膜による海
水の淡水化が、省エネルギ−、省スペ−ス、低コスト等
の有利性から最も有望視されている。逆浸透膜分離モジ
ュ−ルにより海水を淡水化するには、原水中に含まれる
懸濁物質や有機物から膜を保護するために前処理するこ
とが必要である。例えば、砂ろか、塩素や凝集剤の添
加、pH調整等が必要であり、pH調整においては、C
aCO3がpH7以上では沈殿を生じて膜面にスケ−ル
が生成するので、pHを7以下に抑えることが必要であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等においては、逆浸透膜分離モジュ−ルを使用し、海
水をそのpHを7に調整して脱塩したところ、透過水の
水質はホウ素を除き水道法水質基準(1993年12月
厚生省公示)を満足するが、ホウ素の含有量は0.2mm
p以上であり、当該水質基準を満たし得ないことが判明
した。現に、逆浸透膜分離モジュ−ルに、pH6.5の
食塩濃度3.5%の水溶液を原液として温度25℃、操
作圧力56kgf/cm2で1時間運転した後での食塩阻止率
が99%以上のものを使用して海水(ホウ素含有量4.
2ppm)を脱塩したところ、透過水のホウ素含有量は
0.8ppmであった。
【0004】そこで、本発明者等においては、ホウ素の
含有量を0.2mmp以下に抑制すべく、鋭意検討した結
果、上記透過水(pH5.7未満)をpH5.7以上、
好ましくは6.5以上に調整のうえ更に逆浸透膜分離モ
ジュ−ルで脱塩することが有効であることを知った。上
記CaCO3のスケ−ルの生成防止のためにpHをほぼ
7以上に調整した原水を逆浸透膜分離モジュ−ルに通し
たときの透過水のpHは、通常5.7未満であり、この
pH領域では、ホウ素はイオンに解離していない化合物
として存在するが、このpHよりアリカリ側のもとで
は、陰イオンに解離した状態で存在する。而るに、上記
透過水をpH5.7以上に調整して更に逆浸透膜分離モ
ジュ−ルで脱塩することがホウ素含有量の低減に有効な
理由としては、ホウ素の非イオン化合物質に較べてホウ
素イオンの方が、浸透圧差や透過係数が小である結果で
あると推定される。
【0005】本発明の目的は、上記の知見に基づき、海
水を逆浸透膜分離モジュ−ルによりホウ素を含めて水道
法水質基準を満たす水質で淡水化できる海水の淡水化方
法を提供することにある。本発明の更なる目的は、海水
を逆浸透膜分離モジュ−ルによりホウ素を含めて水道法
水質基準を満たす水質で、しかも充分に低電力コストに
て淡水化できる海水の淡水化方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明に係る海
水の淡水化方法は、海水を第1段目の逆浸透膜分離モジ
ュ−ルに供給し、その透過水を第2段目の逆浸透膜分離
モジュ−ルに供給する段階を有し、第1段目逆浸透膜分
離モジュ−ルの透過水のpHを5.7以上好ましくは
6.5以上に調整して第2段目逆浸透膜分離モジュ−ル
の透過水のホウ素含有量を0.20ppm以下とすること
を特徴とする構成であり、第1段目逆浸透膜分離モジュ
−ルには、pH6.5の食塩濃度3.5%の水溶液を原
液として温度25℃、操作圧力56kgf/cm2で1時間運
転した後での食塩阻止率が99%以上のものを使用し、
第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルには、透過流束が0.
10m3/m2・(kgf/cm2)・day以上であり、かつpH6.5
の食塩濃度0.05%の水溶液を原液として温度25
℃、操作圧力7.5kgf/cm2で30分運転した後での食
塩阻止率が99%以上のものを使用することが好まし
い。本願の第2発明に係る海水の淡水化方法は、海水を
第1段目の逆浸透膜分離モジュ−ルに供給し、その透過
水を第2段目の逆浸透膜分離モジュ−ルに供給する段階
を有し、第1段目逆浸透膜分離モジュ−ルに、pH6.
5の食塩濃度3.5%の水溶液を原液として温度25
℃、操作圧力56kgf/cm2で1時間運転した後での食塩
阻止率が99%以上のものを使用し、第2段目逆浸透膜
分離モジュ−ルに、透過流束が0.10m3/m2・(kgf/c
m2)・day以上であり、かつpH6.5の食塩濃度0.0
5%の水溶液を原液として温度25℃、操作圧力7.5
kgf/cm2で30分運転した後での食塩阻止率が99%以
上のものを使用することを特徴とする構成である。上記
第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルの逆浸透膜には、架橋
芳香族ポリアミドスキン層と多孔質支持体とからなる複
合膜を使用することができ、架橋芳香族ポリアミドスキ
ン層の平均表面粗さは55nm以上とすることが好まし
い。上記第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルの操作圧力は
第1段目逆浸透膜分離モジュ−ルの操作圧力(通常、5
6kgf/cm2といった高圧)よりも低圧とし、1〜10kgf
/cm2とすることが好ましい。
【0007】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形
態を説明する。図1は本発明において使用する海水淡水
化装置の一例を示している。図1において、1は海水タ
ンクを、2は海水の前処理槽を、31は第1段目送液ポ
ンプを、41は第1段目逆浸透膜分離モジュ−ルを、4
11は第1段目非透過水排出管を、412は第1段目透
過水流出管をそれぞれ示している。5は中間タンク例え
ば、パイプヘッダ−を、32は第2段目送液ポンプを、
42は第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルを、422は第
2段目透過水流出管を、420は第2段目非透過水配管
をそれぞれ示し、第2段目非透過水の一部が第1段目送
液ポンプ31の入口側にリタ−ン管420’によりリタ
−ンされ、残部は第2段目非透過水排出管421より排
出され、第2段目透過水が第2段目透過水流出管422
より飲料水として取り出されていく。6はアルカル液タ
ンクを、7は第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル41の透
過側にアリカリ液を注入するためのポンプをそれぞれ示
している。
【0008】上記装置を用いて本発明により海水を淡水
化するには、海水タンク1内の海水を前処理槽2で前処
理したうえで、第1段目送液ポンプ31により所定の圧
力で第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル41に供給し、海
水中の塩の通過の阻止により塩の濃縮された非透過水を
第1段目非透過水排出管411から排出し、透過側に所
定の除去率で塩を除去した透過水を発生させていく。前
処理槽2は、第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル41の膜
面を懸濁物質や有機物の付着、汚染から保護するために
使用され、それらの懸濁物質や有機物等を除去するため
の手段、例えば、砂ろか、精密濾過、塩素や凝集剤の添
加、CaCO3の沈殿防止のためのpH調整(弱酸性)
等を用いることができる。
【0009】上記第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル41
の第1段目透過水は一旦中間タンク5に貯えると共にポ
ンプ7によりアリカリ液、例えば、水酸化ナトリウムや
水酸化カリウム等を注入してその透過水のpH(5.7
未満)を5.7〜11好ましくは6.5〜11(11以
上では、膜の劣化が問題となる)のアリカリ側に調整
し、このpH調整透過水を送液ポンプ32により所定の
圧力で第2段目逆浸透膜分離モジュ−ル42に供給し、
塩の濃縮された第2段目非透過水の一部を第1段目ライ
ン側にリタ−ンさせると共に第2段目非透過水の残部を
第2段目非透過水排出管421から排出していく。第2
段目逆浸透膜分離モジュ−ル42により更に脱塩された
第2段目透過水は飲料水として使用していく。
【0010】上記において、第1段目逆浸透膜分離モジ
ュ−ル41による脱塩で、ホウ素以外については水道法
水質基準を満たす透過水を得ることができる。第1段目
逆浸透膜分離モジュ−ル41への供給原水は、CaCO
3の沈殿防止のために弱酸性にされており、ホウ素は非
イオン状態で存在している。第1段目逆浸透膜分離モジ
ュ−ル41への供給海水中のホウ素含有量は、通常4.
0〜5.0ppm程度であり、第1段目透過水中のホウ素
含有量は、0.8ppm以上であって、水道法水質基準の
0.2ppm以下を満たし得ない。しかし、第1段目透過
水のpHを充分にアルカリ性にしており、ホウ素が陰イ
オン状態で存在し、通常、逆浸透膜分離モジュ−ルのこ
のホウ素イオンに対する阻止率は非イオン化ホウ素に較
べて大であって、第2段目逆浸透膜分離モジュ−ル42
による更なる脱塩でホウ素の含有量を0.2ppm以下に
できる。
【0011】上記において、第2段目逆浸透膜分離モジ
ュ−ル42の透過水量で一度の飲料水使用量を賄えるよ
うに中間タンク5から第2段目逆浸透膜分離モジュ−ル
42への安定な原水の連続供給を保証する必要があり、
中間タンク5は、かかる条件を満たし得る容量に設定し
てある。この場合、その飲料水の使用は間歇的であり、
従って、第2段目液送ポンプ32の駆動も間歇的になさ
れ、この第2段目逆浸透膜分離モジュ−ル42の運転停
止中にも第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル41を運転し
て中間タンク5内の液面を所定のレベルに保持しておく
ことが望まれる(このため、中間タンク内に上限液面ス
イッチ及び下限液面スイッチを設け、下限液面スイッチ
で第1段目液送ポンプを駆動、上限液面スイッチで第1
段目液送ポンプを停止とすることができる)。
【0012】上記において、第2段目逆浸透膜分離モジ
ュ−ルの透過水を貯水タンクに貯水し、これを適時飲料
水として使用することもでき、この場合、中間タンクは
省略することも可能である。上記において、第2段目逆
浸透膜分離モジュ−ルの非透過水は全て排出し、第1段
目ラインへのリタ−ン量を0にすることもできる。上記
第2段目液送ポンプを省略し、図2に示すように、第1
段目逆浸透膜分離モジュ−ル41のみならず第2段目逆
浸透膜分離モジュ−ル42の操作圧力をも第1段目液送
ポンプ31で発生させることもでき、この場合、第1段
目逆浸透膜分離モジュ−ルはその透過側においても加圧
されるので、透過側もこの加圧力に対処できる耐圧構造
とされる。なお、図2において、図1と同一符号は同一
の構成要素を示している上記第1段目及び第2段目の逆
浸透膜分離モジュ−ルには、スパイラル型、中空糸型、
チュ−ブラ−型、フレ−ム&プレ−ト型等を使用でき
る。これら逆浸透膜分離モジュ−ルの膜材質としては、
アセチルセルロ−ス、ポリビニルアルコ−ル、ポリアミ
ド等を使用でき、特に、トリハロメタンやトリブロモメ
タン等の有機物の阻止機能が高いポリアミドを使用する
ことが好ましい。スパイラル型、チュ−ブラ−型、フレ
−ム&プレ−ト型等に使用する膜には、逆浸透膜のスキ
ン層と多孔性支持体とからなる複合膜が使用される。
【0013】上記において、逆浸透膜分離モジュ−ルに
は数台のモジュ−ルユニットを直列または並列に接続
し、これらのユニット群の供給側を一括して原水供給管
に接続し、透過側を一括して透過水流出管に接続したも
のも使用できる。また本発明は、上記第2段目逆浸透膜
分離モジュ−ルの後段に逆浸透膜分離モジュ−ルを接続
して2段以上の多段で実施することもできる。
【0014】膜理論で知られている通り、水(溶媒)に
一の溶質(塩)が溶けている溶液が逆浸透分離膜で分離
されるときの水の透過流束Jw、溶質の透過流束Jsは次
の、式で把握でき、水と溶質とを分離する性能は
式の塩除去率Rで把握できる。 Jw=Lp(Δp−σΔπ) Js=wΔπ+(1−σ)CsJw ただし、Lp及びwは水透過係数及び塩透過係数、Δp
は原水と透過水との圧力差、Δπは浸透圧差、Csは塩
の膜中濃度(両膜面に臨む箇所での平均濃度)、σは反
射係数である。 R=(1−Cp/Cf)×100% ただし、Cpは供給液の溶質の濃度、Cfは透過水の溶質
の濃度である。上記式、から、水の透過流束Jwを
大きくすれば、、溶質の透過流束Jsも大となり、塩の
除去率Rが低下することが明らかであり、本発明におい
て第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルには、飲料水として
の流量を賄えるように、第1段目よりも塩除去率が低い
が、透過流束の大きいものを使用することができる。
【0015】第1段目逆浸透膜分離モジュ−ルには、例
えば、pH6.5の食塩濃度3.5%の水溶液を原液と
して温度25℃、操作圧力56kgf/cm2で1時間運転し
た後での食塩阻止率が99%以上のものを使用し、第2
段目逆浸透膜分離モジュ−ルには、透過流束が0.10
m3/m2・(kgf/cm2)・day以上であり、かつpH6.5の食
塩濃度0.05%の水溶液を原液として温度25℃、操
作圧力7.5kgf/cm2で30分運転した後での食塩阻止
率が99%以上のものを使用することが好ましい。特
に、第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルには、逆浸透膜の
表面を粗面化しその表面積の増大により透過流束を高く
したものをしてあり、架橋全芳香族ポリアミドのスキン
層とこれを支持する微多孔質支持体(例えば、ポリスル
ホン)とを有し、ポリアミドスキン層表面を平均粗さ5
5nm以上の凹凸面した複合逆浸透膜を使用しようする
ことが好ましい。このスキン層の厚みは、通常、0.1
〜1.5μm以下であり、微多孔質支持体の厚みは、通
常50〜250μmである。なお、上記の平均粗さRa
は次の式によって定義され、原子力間顕微鏡、摩擦力
顕微鏡、トンネル顕微鏡、走査電子顕微鏡、透過電子顕
微鏡等により測定できる。
【0016】
【数1】 ここで、a,bは指定面(長方形)の2辺の長さ、Sは
指定面の面積、f(x,y)は指定面内での高さ、Zoは次式
で与えられる指定面の高さの平均値である。
【数2】
【0017】
【作用】 第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル41への供給海水中
のホウ素含有量は、通常4.0〜5.0ppm程度であ
り、第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル41として、通常
の高圧操作のもの(pH6.5の食塩濃度3.5%の水
溶液を原液として温度25℃、操作圧力56kgf/cm2
1時間運転した後での食塩阻止率が99%以上であり、
ホウ素以外についての水道法水質基準を充足させ得る)
を使用する以上、第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル41
の透過水中のホウ素含有量が、0.8ppm以上となっ
て、水道法水質基準のホウ素含有量0.2ppm以下を満
たし得ない。
【0018】しかし、第2段目膜分離モジュ−ル42と
して、式において、塩(ホウ素)の透過係数wや膜中濃
度Csの低い逆浸透分離膜モジュ−ルを使用すれば、ホ
ウ素の透過流束Jsを低くでき、ホウ素含有量を0.2p
pm以下にすることが可能となる。
【0019】特に、第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル
41の透過水のpHを5.7〜11にすれば、ホウ素が
陰イオン状態で存在する。而るに、上記の式におい
て、浸透圧差Δπ×塩透過係数wや膜中濃度Csがホウ
素イオンと非イオンホウ素化合物とでは異なり、ホウ素
イオンの透過流束が非イオンホウ素化合物率の透過流束
よりも高くなって、第2段目逆浸透膜分離モジュ−ル4
2の透過水中のホウ素含有量をより一層に少なくでき、
容易に0.2ppm以下にできる。
【0020】そして第2段目逆浸透膜分離モジュ−ル
42の逆浸透膜のスキン層表面積をその平均粗さを大き
くすることにより広くし、塩阻止率の低下を抑制しつつ
透過流束を充分に高くできる〔0.10m3/m2・(kgf/c
m2)・day以上〕から、飲料水としての流量を充分に賄い
得る。 従って、水道法水質基準をホウ素についても満たし得
る飲料水を海水を水源として供給できる。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〕図1に示す海水淡水化装置を使用した。第
1段目逆浸透分離膜モジュ−ルには、pH6.5の食塩
濃度3.5%の水溶液を原液として温度25℃、操作圧
力56kgf/cm2で1時間運転した後での食塩阻止率が9
9.6%であるスパイラル型逆浸透分離膜モジュ−ル
〔日東電工(株)製NTR−70SWC−S4〕を用
い、第2段目逆浸透分離膜モジュ−ルには、pH6.5
の食塩濃度0.05%の水溶液を原液として温度25
℃、操作圧力7.5kgf/cm2で30分運転した後での食
塩阻止率が99.5%であり、純水の透過流束が0.1
3m3/m2・(kgf/cm2)・dayであるスパイラル型逆浸透分離
膜モジュ−ル〔日東電工(株)製ES10-D4、スキン層が
架橋芳香族ポリアミド層でその平均表面粗さが80nm
の複合膜を使用〕を用いた。前処理した海水(pH7,
ホウ素含有量4.2ppm)を第1段目逆浸透分離膜モジ
ュ−ルで操作圧力56kgf/cm2にて脱塩し、その透過水
(pH5.7未満)のpHを水酸化ナトリウム水溶液の
注入により7.0に調整し、更に第2段目逆浸透分離膜
モジュ−ルで操作圧力7.5kgf/cm2にて脱塩した。第
1段目逆浸透分離膜モジュ−ルの透過水のホウ素含有量
は0.8ppmであり、水道法水質基準0.2ppm以下を満
たしていなかったが、他の塩については、全て水道法水
質基準を満たしていた。これに対し、第2段目逆浸透分
離膜モジュ−ルの透過水のホウ素含有量は0.19ppm
であり、水道法水質基準を満たしていた。勿論、他の塩
に対する水質基準も全て満たしていた。
【0022】〔実施例2〕実施例1に対し、第1段目逆
浸透分離膜モジュ−ルの透過水のpHを8.0に調整し
た以外、実施例1に同じとした。第2段目逆浸透分離膜
モジュ−ルの透過水のホウ素含有量は0.18ppmであ
り、水道法水質基準を満たしていた。他の塩に対する水
質基準も全て満たしていた。 〔実施例3〕実施例1に対し、第1段目逆浸透分離膜モ
ジュ−ルの透過水のpHを9.0に調整した以外、実施
例1に同じとした。第2段目逆浸透分離膜モジュ−ルの
透過水のホウ素含有量は0.14ppmであり、水道法水
質基準を満たしていた。他の塩に対する水質基準も全て
満たしていた。 〔実施例4〕実施例1に対し、第1段目逆浸透分離膜モ
ジュ−ルの透過水のpHを10.0に調整した以外、実
施例1に同じとした。第2段目逆浸透分離膜モジュ−ル
の透過水のホウ素含有量は0.03ppmであり、水道法
水質基準を満たしていた。他の塩に対する水質基準も全
て満たしていた。 〔実施例5〕実施例1に対し、第1段目逆浸透分離膜モ
ジュ−ルの透過水のpHを11.0に調整した以外、実
施例1に同じとした。第2段目逆浸透分離膜モジュ−ル
の透過水のホウ素含有量は0.02ppmであり、水道法
水質基準を満たしていた。他の塩に対する水質基準も全
て満たしていた。
【0023】〔実施例6〕実施例1に対し、第1段目逆
浸透分離膜モジュ−ルの透過水のpHを調整せずに5.
7未満のままとした以外、実施例1に同じとした。第2
段目逆浸透分離膜モジュ−ルの透過水のホウ素含有量は
0.20ppmであり、水道法水質基準を満たしていた。
他の塩に対する水質基準も全て満たしていた。 〔実施例7〕実施例1に対し、第2段目逆浸透分離膜モ
ジュ−ルとして、pH6.5の食塩濃度0.05%の水
溶液を原液として温度25℃、操作圧力7.5kgf/cm2
で30分運転した後での食塩阻止率が93%であり、純
水の透過流束が0.12m3/m2・(kgf/cm2)・dayであるス
パイラル型逆浸透分離膜モジュ−ル〔日東電工(株)製
NTR−729H第1段目−S4、スキン層が架橋芳香
族ポリアミド層でその平均表面粗さが30nmの複合膜
を使用〕を用い、かつ、第1段目逆浸透分離膜モジュ−
ルの透過水のpHを9.5に調整した以外、実施例1に
同じとした。第2段目逆浸透分離膜モジュ−ルの透過水
のホウ素含有量は0.19ppmであり、水道法水質基準
を満たしていた。他の塩に対する水質基準も全て満たし
ていた。 〔比較例〕実施例7に対し、第1段目逆浸透分離膜モジ
ュ−ルの透過水のpHを調整せずに5.7未満のままと
した以外、実施例7に同じとした。第2段目逆浸透分離
膜モジュ−ルの透過水のホウ素含有量は0.4ppmであ
り、水道法水質基準を満たしていなかった。他の塩につ
いては、全て水道法水質基準を満たしていた。 〔実施例8〕実施例3に対し、第2段目逆浸透分離膜モ
ジュ−ルの操作圧力を3.0kgf/cm2とした以外、実施
例3に同じとした。第2段目逆浸透分離膜モジュ−ルの
透過水のホウ素含有量は0.18ppmであり、水道法水
質基準を満たしていた。他の塩についても、全て水道法
水質基準を満たしていた。
【0024】上記実施例1〜5から明らかなように、海
水を第1段目逆浸透膜分離モジュ−ルで脱塩し、その透
過水をpH5.7以上(非調整の5.7の場合に対しア
ルカリ側)にして第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルで脱
塩することにより、ホウ素を含めて水道法水質基準を全
て満たす水質の飲料水を得ることができる。また、実施
例6から明らかなように、第1段目逆浸透膜分離モジュ
−ルの透過水のpHを調整しなくても、第2段目逆浸透
膜分離モジュ−ルとして高阻止性能のものを使用するこ
とにより、ホウ素を含めて水道法水質基準を満たす水質
の飲料水を得ることができる。実施例7と比較例との対
比から明らかなように、逆に、第2段目逆浸透膜分離モ
ジュ−ルの阻止率が多少低くても、第1段目逆浸透膜分
離モジュ−ルの透過水を充分に強いアルカリ性(pH9
以上)にすれば、ホウ素を含めて水道法水質基準を満た
す水質の飲料水を得ることができる。
【0025】更に、実施例8から明らかなように、第2
段目逆浸透膜分離モジュ−ルを超低圧で操作するにもか
かわらず、ホウ素を含めて水道法水質基準を満たす水質
の飲料水を得ることができ、第2段目逆浸透膜分離モジ
ュ−ルの低圧操作のために、電力コストの顕著な低減を
図ることができる(透過水1m3を製造するのに要する電
力料金は、第1段目逆浸透膜分離モジュ−ルの操作圧力
が56kgf/cm2であって、第2段目逆浸透膜分離モジュ
−ルの操作圧力が15kgf/cm2の場合に対し、特に、第
2段目逆浸透膜分離モジュ−ルの操作圧力が7.5kgf/
cm2の場合は85%に低減され、第2段目逆浸透膜分離
モジュ−ルの操作圧力が3kgf/cm2の場合は80%に低
減される)
【0026】
【発明の効果】本発明に係る海水の淡水化方法によれ
ば、ホウ素を含めて水道法水質基準を満たす水質の用水
を海水から充分な流量で、しかも低電力コストにて得る
ことができ、渇水期であっても良質の飲料水を安定に供
給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する海水淡水化装置の一例
を示す説明図である。
【図2】本発明において使用する海水淡水化装置の別例
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 海水貯水タンク 2 前処理槽 31 第1段目送液ポンプ 32 第2段目送液ポンプ 41 第1段目逆浸透膜分離モジュ−ル 42 第2段目逆浸透膜分離モジュ−ル 6 アルカリ液タンク 7 ポンプ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 71/56 B01D 71/56

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海水を第1段目の逆浸透膜分離モジュ−ル
    に供給し、その透過水を第2段目の逆浸透膜分離モジュ
    −ルに供給する段階を有し、第1段目逆浸透膜分離モジ
    ュ−ルの透過水のpHを5.7以上に調整することを特
    徴とする海水の淡水化方法。
  2. 【請求項2】第1段目逆浸透膜分離モジュ−ルに、pH
    6.5の食塩濃度3.5%の水溶液を原液として温度2
    5℃、操作圧力56kgf/cm2で1時間運転した後での食
    塩阻止率が99%以上のものを使用し、第2段目逆浸透
    膜分離モジュ−ルに、透過流束が0.10m3/m2・(kgf/c
    m2)・day以上であり、かつpH6.5の食塩濃度0.0
    5%の水溶液を原液として温度25℃、操作圧力7.5
    kgf/cm2で30分運転した後での食塩阻止率が99%以
    上のものを使用する請求項1記載の海水の淡水化方法。
  3. 【請求項3】海水を第1段目の逆浸透膜分離モジュ−ル
    に供給し、その透過水を第2段目の逆浸透膜分離モジュ
    −ルに供給する段階を有し、第1段目逆浸透膜分離モジ
    ュ−ルに、pH6.5の食塩濃度3.5%の水溶液を原
    液として温度25℃、操作圧力56kgf/cm2で1時間運
    転した後での食塩阻止率が99%以上のものを使用し、
    第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルに、透過流束が0.1
    0m3/m2・(kgf/cm2)・day以上であり、かつpH6.5の
    食塩濃度0.05%の水溶液を原液として温度25℃、
    操作圧力7.5kgf/cm2で30分運転した後での食塩阻
    止率が99%以上のものを使用することを特徴とする海
    水の淡水化方法。
  4. 【請求項4】第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルの逆浸透
    膜に、架橋芳香族ポリアミドスキン層と多孔質支持体と
    からなる複合膜を使用する請求項1乃至3記載の海水の
    淡水化方法。
  5. 【請求項5】架橋芳香族ポリアミドスキン層の平均表面
    粗さを55nm以上とする請求項4記載の海水の淡水化
    方法。
  6. 【請求項6】第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルの操作圧
    力を第1段目逆浸透膜分離モジュ−ルの操作圧力よりも
    低くし、その第2段目逆浸透膜分離モジュ−ルの操作圧
    力を1〜10kgf/cm2とする請求項1〜5記載の海水の
    淡水化方法。
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