JPH09105431A - 軸方向制動装置 - Google Patents

軸方向制動装置

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JPH09105431A
JPH09105431A JP26323895A JP26323895A JPH09105431A JP H09105431 A JPH09105431 A JP H09105431A JP 26323895 A JP26323895 A JP 26323895A JP 26323895 A JP26323895 A JP 26323895A JP H09105431 A JPH09105431 A JP H09105431A
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JP
Japan
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pair
pistons
braking
compression coil
coil spring
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Pending
Application number
JP26323895A
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English (en)
Inventor
Genichi Nakayama
元一 中山
Makoto Chikasawa
誠 近沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KIYOUHOU SEISAKUSHO KK
Kyoho Machine Works Ltd
Original Assignee
KIYOUHOU SEISAKUSHO KK
Kyoho Machine Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KIYOUHOU SEISAKUSHO KK, Kyoho Machine Works Ltd filed Critical KIYOUHOU SEISAKUSHO KK
Priority to JP26323895A priority Critical patent/JPH09105431A/ja
Publication of JPH09105431A publication Critical patent/JPH09105431A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隔壁を挟んで配設された一対のピストンが圧
縮コイルスプリングの付勢力によって離間させられるこ
とにより制動力を発生する軸方向制動装置において、制
動状態を手動で解除できるようにする。 【解決手段】 ピストン32a,32bの後端に手動解
除ピン50a,50bを立設するとともに、隔壁28に
その手動解除ピン50a,50bの侵入を許容する逃げ
孔54a,54bを形成する一方、その逃げ孔54a,
54bと略直角に交差するように取付孔56を設けて解
除操作部材58を配設し、その解除操作部材58が解除
操作されることにより、上記手動解除ピン50a,50
bを介して一対のピストン32a,32bが圧縮コイル
スプリング36の付勢力に抗して後退させられ、制動状
態が解除されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軸方向制動装置に係
り、特に、その制動状態を手動で解除する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】軸方向に移動する軸部材を所定の位置で
停止させたり、軸部材に沿って移動する物体をその軸部
材上の所定の位置で停止させたりするための制動装置と
して、(a) 軸部材が軸方向の相対移動可能に挿通させら
れるとともに、内径がその軸部材の外径と略等しい隔壁
を挟んで一対のシリンダボアを形成するシリンダ本体
と、(b) 前記一対のシリンダボア内に、それぞれ後部を
前記隔壁に向けて軸方向の摺動可能に嵌合された一対の
環状のピストンと、(c) 前記隔壁を軸方向に貫通するよ
うに設けられた貫通孔に配設されるとともに、両端部が
前記一対のピストンの後端に当接させられてその一対の
ピストンを互いに離間する前進方向へ付勢する圧縮コイ
ルスプリングと、(d) 前記シリンダ本体内に配設され、
前記軸部材の外周面に押圧されることにより摩擦力によ
ってその軸部材とシリンダ本体との相対移動を阻止する
一対の制動部材と、(e) 前記一対のピストンがそれぞれ
前進させられるのに伴って前記一対の制動部材をそれぞ
れ前記軸部材の外周面に押圧する一対の押圧機構とを備
え、前記圧縮コイルスプリングの付勢力に従って前記一
対のピストンが前進させられることにより制動状態に保
持されるとともに、前記一対のピストンの前方に形成さ
れる一対の前部圧力室内にそれぞれ圧力流体が供給され
ることにより、その圧縮コイルスプリングの付勢力に抗
してその一対のピストンがそれぞれ後退させられて制動
状態が解除される軸方向制動装置が知られている。
【0003】実公平1−38354号公報に記載されて
いる装置はその一例であり、このような軸方向制動装置
においては、圧縮コイルスプリングの付勢力によって常
には制動状態に保持されるため、圧力流体の供給装置や
電気系統の故障時などに軸部材とシリンダ本体とが急に
相対移動し始める恐れがなく、十分な安全性が得られ
る。また、一対のピストン間に隔壁を有するため、実公
平1−37238号公報や実公平3−38487号公報
等に記載の装置に比較して後部圧力室の容積が小さく、
制動時にピストンと隔壁との間の後部圧力室内に圧力流
体を供給する場合でも優れた応答性が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな隔壁を備えた軸方向制動装置においては、上記実公
平1−37238号公報や実公平3−38487号公報
に記載の装置のように、圧縮コイルスプリングの付勢力
による制動状態を手動で解除する手動解除装置を設ける
ことができないため、常に圧縮コイルスプリングによっ
てピストンが前進側へ押圧され、組立や部品交換、修
理、分解などの作業性が悪いという問題があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、内径が軸部材の外径
と略等しい隔壁が一対のピストン間に設けられた軸方向
制動装置において、圧縮コイルスプリングの付勢力によ
る制動状態を手動で解除できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、前記(a) シリンダ本体と、(b) 一対の
環状のピストンと、(c) 圧縮コイルスプリングと、(d)
一対の制動部材と、(e) 一対の押圧機構とを備え、前記
圧縮コイルスプリングの付勢力に従って前記一対のピス
トンが前進させられることにより制動状態に保持される
とともに、前記一対のピストンの前方に形成される一対
の前部圧力室内にそれぞれ圧力流体が供給されることに
より、その圧縮コイルスプリングの付勢力に抗してその
一対のピストンがそれぞれ後退させられて制動状態が解
除される軸方向制動装置において、(f) 前記一対のピス
トンの後端であって前記圧縮コイルスプリングと干渉し
ない位置にそれぞれ立設され、前記隔壁に軸方向に形成
された逃げ孔内に挿入されるとともに、それぞれ第1係
合部が設けられた一対の手動解除部材と、(g) 前記逃げ
孔と略直角に交差するように前記シリンダ本体の側面か
ら設けられた取付孔に配設されるとともに、解除操作さ
れることにより先端の第2係合部が前記一対の第1係合
部にそれぞれ係合させられ、前記一対のピストンを共に
後退させる共通の解除操作部材とを有することを特徴と
する。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、内径が軸部材の外径
と略等しい隔壁の存在に拘らず、解除操作部材を解除操
作することにより、手動解除部材を介して一対のピスト
ンをそれぞれ圧縮コイルスプリングの付勢力に抗して後
退させることができるため、圧力流体を供給する回路の
故障時等に制動部材による制動状態を容易に解除できる
とともに、組立や部品交換、修理、分解などの作業性が
向上する。また、ピストンには第1係合部を有する手動
解除部材を立設するだけで良いため、構造が簡単で安価
に構成されるとともに、隔壁を有する既存の軸方向制動
装置に対しても容易に適用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】ここで、前記解除操作部材は、例
えば雄ねじ部を有して雌ねじが形成された取付孔に螺合
され、ねじ込まれて軸方向へ前進させられることにより
第2係合部を第1係合部に押圧し、カムの作用でピスト
ンを後退させるように構成される。その場合は、解除状
態を保持するために、上記雄ねじ部にロックナットを螺
合させておくことが望ましい。また、解除操作部材を、
取付孔に軸心まわりの回動可能に配設するとともに、第
1係合部および第2係合部を、常には制動および制動解
除に伴うピストンの前進後退移動を許容する退避位置に
位置決めされるが、解除操作部材の半回転以内の回動操
作によってカムの作用で一対のピストンを共に後退させ
るように構成することもできる。その場合も、解除操作
部材に雄ねじ部を設けて雌ねじが形成された取付孔に螺
合するとともに、その雄ねじ部にロックナットを螺合し
て解除操作部材の回転位置を位置決めできるようにする
ことが望ましい。
【0009】前記一対の手動解除部材は同一の軸線上に
配設され、共通の逃げ孔内に挿入されるようになってい
ても良いが、軸部材の軸心すなわちシリンダ本体の中心
線まわりにずれた2位置にそれぞれ配設され、別々の逃
げ孔内に挿入されるようにすることもできる。但し、共
通の解除操作部材の第2係合部と係合可能である必要が
あるため、近接して設けることが望ましい。また、一対
の手動解除部材および解除操作部材は、シリンダ本体の
中心線まわりの1箇所に設けられるだけでも良いが、そ
の中心線まわりに複数、例えば対称位置に一対配設する
ことも可能である。
【0010】前記貫通孔は、シリンダ本体の中心線を中
心とする一円周上に等角度間隔で複数設けられ、それぞ
れ圧縮コイルスプリングが配設されるようにすることが
望ましい。制動部材は、例えば円筒形状を成していると
ともに、軸方向に1本のスリットが設けられることによ
って縮径可能とされ、軸部材に摺動可能に嵌合されると
ともにシリンダ本体に軸方向の相対移動不能に配設され
るが、軸部材の外周に周方向に分割して配設される複数
の摩擦部材にて構成することもできる。また、押圧機構
は、例えばピストンの前進に伴って軸方向に圧縮される
ことによりその内周縁が縮径させられ、制動部材を軸部
材に押圧する皿ばねを含んで構成されるが、ピストンの
前進に伴って楔作用により制動部材を軸部材に押圧する
カム機構を含んで構成されても良い。
【0011】前記圧力流体としては圧力エアが好適に用
いられるが、油などの液体を用いることも可能である。
圧力流体は、少なくとも制動解除時に前部圧力室内に供
給されるが、制動時に、ピストンと隔壁との間の後部圧
力室内に供給され、圧縮コイルスプリングによる付勢力
と共にピストンを速やかに前進させるようになっていて
も良い。
【0012】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例である軸方向
制動装置10の中心線Oより上半分を断面とした正面図
で、図2は図1におけるII−II断面図、図3は図2にお
ける III− III断面図である。この軸方向制動装置10
は、図1における右側に位置する図示しないエアシリン
ダに一体的に配設されて、そのピストンロッド12を任
意の位置で停止させるもので、本実施例では断面円形の
ピストンロッド12が軸部材に相当する。軸方向制動装
置10の本体部分を成すシリンダ本体14は、外形が略
四角形を成す筒状の本体ハウジング16と、その本体ハ
ウジング16の両端部を覆蓋する一対の蓋部材18とを
有して構成されており、その中心線O上をピストンロッ
ド12が軸方向の移動可能に挿通させられる状態で、上
記エアシリンダのロッドカバー20に着脱可能に取り付
けられている。シリンダ本体14の先端側すなわち図1
における左側にはロッドカバー22が嵌合されており、
それらを貫通して配設された複数のボルト24にナット
26が締め付けられることにより、軸方向制動装置10
がエアシリンダの先端側に一体的に固定されている。
【0013】上記シリンダ本体14の本体ハウジング1
6には、内径がピストンロッド12の外径と略等しい内
向きフランジ状の隔壁28が軸方向の中間位置に一体に
設けられており、その両側においてピストンロッド12
との間に一対の環状のシリンダボア30a,30bを形
成している。シリンダボア30a,30bは、一対の蓋
部材18、ロッドカバー20,22の各部に配設された
Oリング等によって気密にシールされているとともに、
そのシリンダボア30a,30b内には、それぞれ円環
状を成す一対のピストン32a,32bがOリングによ
って気密にシールされ、且つ後部を隔壁28側に向けた
姿勢で軸方向の摺動可能に嵌合されている。隔壁28に
は、中心線Oまわりに等角度間隔すなわち120°間隔
で、中心線Oと平行に3個の貫通孔34が設けられ、そ
れぞれ両端部が一対のピストン32a,32bの後端面
に当接させられるように圧縮コイルスプリング36が配
設されており、一対のピストン32a,32bは互いに
離間する方向、すなわち前進方向へ常時付勢されてい
る。なお、図1の断面部分は、上記貫通孔34が設けら
れた部分を示したものである。また、隔壁28の内側に
はガイドブッシュ38が配設されている。
【0014】図1から明らかなように、シリンダ本体1
4の内部においては、各部品が軸方向の中央すなわち上
記隔壁28を挟んで略対称に配設されており、以下、そ
の両側のそれぞれについて特に区別することなく説明す
る。上記シリンダボア30a,30b、ピストン32
a,32bについても、特に区別しない場合には単にシ
リンダボア30、ピストン32という。
【0015】前記一対の蓋部材18の内周側には、略円
筒形状を成すととに軸方向にスリットが設けられて縮径
可能とされた制動部材40が軸方向の相対移動不能に配
設されており、その内側を前記ピストンロッド12が軸
方向の移動可能に挿通させられているとともに、制動部
材40が縮径されてピストンロッド12の外周面に押圧
されると、摩擦力によってピストンロッド12の移動が
阻止される。制動部材40の一端部はシリンダボア30
内に突き出しており、その制動部材40とピストン32
とに跨がって、押圧機構として機能する一対の皿ばね4
2が配設されている。皿ばね42は、全体として円錐形
状を成しているとともに、その外周縁および内周縁には
それぞれ放射状に多数のスリットが設けられており、ピ
ストン32の前進に伴って軸方向に圧縮されることによ
り、その内周縁が縮径させられて制動部材40をピスト
ンロッド12に押圧する。
【0016】前記本体ハウジング16の上面には、圧力
流体としての圧力エアを供給するエア回路を切り換える
ための切換弁装置44が配設されており、図示しない圧
力エア供給源から供給される圧力エアを一対のピストン
32の前側に形成される前部圧力室46内に供給すると
ともに、一対のピストン32の後側に形成される後部圧
力室48を大気に開放する制動解除状態に切り換えられ
ると、そのエア圧により圧縮コイルスプリング36の付
勢力に抗して一対のピストン32が隔壁28側へ後退さ
せられ、制動部材40による制動状態が解除されてピス
トンロッド12の自由な移動が許容される。また、後部
圧力室48内に圧力エアを供給するとともに前部圧力室
46を大気に開放する制動状態に切り換えられると、そ
のエア圧および圧縮コイルスプリング36の付勢力によ
り一対のピストン32が前進させられ、皿ばね42を介
して制動部材40がピストンロッド12に押圧されるこ
とにより、そのピストンロッド12が任意の位置で停止
させられる。
【0017】ここで、本実施例の軸方向制動装置10
は、圧縮コイルスプリング36の付勢力によってピスト
ン32が常時前進方向へ付勢されているため、上記切換
弁装置44の故障などで圧力エアの供給が停止したり電
気系統が故障したりしても、その圧縮コイルスプリング
36の付勢力によって制動状態に保持され、ピストンロ
ッド12が急に動き出すことがなく、高い安全性が得ら
れる。また、一対のピストン32間に、内径がピストン
ロッド12の外径と略等しい隔壁28が設けられ、その
隔壁28を貫通して形成された3つの貫通孔34に上記
圧縮コイルスプリング36が配設されているため、ピス
トンロッド12と同心に単一の圧縮コイルスプリングを
配設する実公平1−37238号公報や実公平3−38
487号公報等に記載の装置に比較して、小型且つコン
パクトに構成できるとともに、貫通孔34を含む後部圧
力室48の容積が小さいため優れた応答性が得られ、速
やかに制動状態に切り換えられる。
【0018】一方、一対のピストン32a,32bの後
端面には、前記圧縮コイルスプリング36と干渉しない
位置であって且つ中心線Oまわりにおいて近接する位
置、具体的には図2において右側に位置する本体ハウジ
ング16の前側の側壁部分であって、上下に位置する一
対の貫通孔34の中間位置において、上下に僅かに離間
してそれぞれ手動解除ピン50a,50bが立設されて
いる。これらの手動解除ピン50a,50bは手動解除
部材に相当し、中間部が小径とされた円柱形状を成して
おり、中心線Oと平行となる姿勢でねじによりピストン
32a,32bに一体的に固設されているとともに、中
間部より先端側の大径部との間のテーパ状の段部52
a,52bが第1係合部として機能するようになってい
る。前記隔壁28には、これ等の手動解除ピン50a,
50bが挿入される一対の逃げ孔54a,54bが軸方
向に貫通して設けられているとともに、本体ハウジング
16の前側の側面からは、隔壁28の中間位置において
それ等の逃げ孔54a,54bと略直角に交差するよう
に単一の取付孔56が設けられ、解除操作部材58が配
設されている。
【0019】解除操作部材58は、取付孔56の開口側
に設けられた雌ねじに螺合される雄ねじ部60と、先端
に向かうに従って先細となるテーパ部62とを同軸上に
一体に備えており、取付孔56にねじ込まれて軸方向へ
前進させられることにより、先端のテーパ部62が前記
段部52a,52bと係合させられ、カムの作用でピス
トン32a,32bをそれぞれ後退させ、前記制動部材
40による制動を解除するが、常には制動および制動解
除に伴うピストン32a,32bの前進後退移動を許容
する退避位置に保持される。解除操作部材58を退避位
置からねじ込む操作が解除操作に相当し、テーパ部62
が第2係合部に相当する。上記雄ねじ部60にはロック
ナット64が螺合され、解除操作部材58を固定して退
避位置や制動解除位置に保持できるようになっていると
ともに、雄ねじ部60とテーパ部62との間の中間部に
はOリング等のシール部材が配設され、取付孔56との
間を気密にシールしている。
【0020】このような本実施例の軸方向制動装置10
によれば、内径がピストンロッド12の外径と略等しい
隔壁28の存在に拘らず、解除操作部材58を解除操作
することにより、手動解除ピン50a,50bを介して
一対のピストン32a,32bをそれぞれ圧縮コイルス
プリング36の付勢力に抗して後退させることができる
ため、エア回路の故障時等に制動部材40による制動状
態を容易に解除できるとともに、組立や部品交換、修
理、分解などの作業性が向上する。
【0021】例えば、上記手動解除ピン50a,50b
および解除操作部材58を備えていない場合、エアシリ
ンダに組み付ける前の状態すなわちボルト24およびナ
ット26によりロッドカバー20に固設する前の状態に
おいては、蓋部材18が抜け止め用のスナップリング6
6に当接する状態に保持されるため、圧縮コイルスプリ
ング36の付勢力に抗して蓋部材18を本体ハウジング
16内に押し込みながらボルト24を挿し通してナット
26を螺合する必要があるが、蓋部材18が押し込まれ
るのに伴って制動部材40がピストンロッド12に押圧
されるようになるため、一対の蓋部材18を図1に示す
組付位置まで押し込む作業は極めて面倒である。これに
対し、本実施例では、ピストンロッド12を挿通させる
前に一対の蓋部材18を組付位置まで押し込み、上記解
除操作部材58によって一対のピストン32a,32b
を後退側に位置決めしておけば、ピストンロッド12を
挿通させてエアシリンダに組み付ける際に制動部材40
がピストンロッド12に押圧されることがなく、容易に
組み付けることができる。
【0022】一方、ピストン32a,32bには段部5
2a,52bを有する手動解除ピン50a,50bを立
設するだけで良いため、構造が簡単で安価に構成される
とともに、隔壁28を有する既存の軸方向制動装置に対
しても容易に適用できる。また、解除操作部材58は比
較的短くて済むとともに、段部52a,52bに係合さ
せられるテーパ部62は取付孔56によって位置決めさ
れているため高い機械的強度が得られ、解除操作を安定
して行うことができる。
【0023】また、制動部材40の摩耗に伴ってピスト
ン32は前進させられるため、前記手動解除ピン50
a,50bに目印を付けておくことにより、制動部材4
0の摩耗状態を知ることができる。予め設定された一定
の退避位置から、テーパ部62が段部52aまたは52
bに係合する係合初期位置までの解除操作部材58のね
じ込み量により、上記制動部材40の摩耗状態を判断す
ることも可能である。
【0024】なお、このように逃げ孔54a,54bや
取付孔56が設けられても、逃げ孔54a,54b内に
は手動解除ピン50a,50bが挿入され、取付孔56
内には解除操作部材58が配設されるため、後部圧力室
48に連通する部分の容積の増加は非常に少なく、制動
応答性能には殆ど影響しない。
【0025】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前記実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0026】図4の実施例において、手動解除部材とし
ての手動解除ピン70a,70bは、軸心と略直角な段
部72a,72bが第1係合部として設けられているも
ので、図5に示すように断面が長方形状の第2係合部7
4を先端に一体に備えた解除操作部材76が軸心まわり
に回動操作されることにより、第2係合部74の両端部
がそれぞれ段部72a,72bに係合させられ、ピスト
ン32a,32bをそれぞれ後退させて制動状態を解除
する。解除操作部材76は、前記解除操作部材58と同
様に取付孔56に螺合され、ロックナット64によって
位置決め固定されるようになっており、例えば第2係合
部74が図4において横向きとなる退避位置に位置決め
された状態では、通常の制動および制動解除に伴うピス
トン32a,32bの前進後退移動が許容されるととも
に、シリンダ本体16のシリンダボア30a,30b内
にピストン32a,32bを組み付けることができる一
方、その退避位置から半回転以下の所定角度だけ左まわ
りに回動操作されることにより制動状態が解除される。
このように解除操作部材76を退避位置から半回転以下
の所定角度だけ左まわりに回動操作することが解除操作
である。なお、上記解除操作部材76の代わりに、図6
に示すように第2係合部として先端に一対の係合ピン7
8が立設された解除操作部材80を用いることも可能で
ある。
【0027】図7の実施例において、手動解除部材とし
ての手動解除ピン82a,82bは、軸心と略直角(紙
面に垂直)に第1係合部としての係合ピン84a,84
bが立設されたもので、断面が長方形状の第2係合部8
6を先端に一体に備えた解除操作部材が、前記解除操作
部材76と同様に、図7において第2係合部86が略横
向きとなる退避位置から左まわりに半回転以下の所定角
度だけ回動操作されることにより、第2係合部86の両
端部がそれぞれ係合ピン84a,84bに係合させら
れ、ピストン32a,32bをそれぞれ後退させて制動
状態を解除する。
【0028】図8の実施例において、手動解除部材とし
ての手動解除ピン90a,90bは同一の軸線上に配設
され、共通の逃げ孔92内に挿入されるようになってい
るとともに、先端部には先端側程大径となるテーパ部9
4a,94bが第1係合部として一体に設けられてお
り、図9に示すように、先端に向かうに従って離間する
二股状の係合部材96が軸心まわりの回転可能に取り付
けられた解除操作部材98が前記取付孔56内にねじ込
まれて軸方向に前進させられることにより、先端の係合
部材96がテーパ部94a,94bと係合させられ、カ
ムの作用で両者を互いに接近させてピストン32a,3
2bをそれぞれ後退させ、制動状態を解除する。係合部
材96は第2係合部に相当する。この実施例では、一対
の手動解除ピン90a,90bが共通の逃げ孔92内に
挿入されるため、装置が一層簡単且つ安価に構成され
る。
【0029】図10の(a) 〜(c) は、それぞれ上記図9
に対応する図で、第1係合部および第2係合部の別の形
態を示す図であり、(a) は図の下方へのみ三角形状に突
き出すように第1係合部100a,100bが設けられ
ている場合である。(b) は一対の手動解除部材102
a,102bの先端部に貫通した係合孔104a,10
4bが設けられ、前記係合部材96と同様な係合部材1
06がそれ等の係合孔104a,104b内に挿入さ
れ、先端側の開口部に係合させられることにより、カム
の作用で両者を互いに接近させてピストン32a,32
bをそれぞれ後退させる。係合孔104a,104bの
うち、係合部材106が係合させられる先端側の下側角
部が第1係合部に相当する。(c) は、一対の手動解除部
材108a,108bの先端部に傾斜面を有する係合孔
110a,110bが設けられ、コの字形状の係合部材
112がそれ等の係合孔110a,110b内に挿入さ
れて傾斜面に係合させられることにより、カムの作用で
両者を互いに接近させてピストン32a,32bをそれ
ぞれ後退させる。係合孔110a,110bのうち、係
合部材112が係合させられる傾斜面の部分が第1係合
部に相当する。なお、上記係合孔104a,104b、
110a,110bは、溝や切欠であっても良い。
【0030】図11の軸方向制動装置120は、汎用性
を持たせるために単体で構成されているもので、前記図
1の軸方向制動装置10に比較して、ロッドカバー2
0,22の代わりに取付用ブラケット122を一体に備
えた一対のロッドカバー124を本体ハウジング16の
両側に配設し、複数のボルト126およびナット128
によって一体的に組み付けたものである。すなわち、従
来は蓋部材18を図1や図11に示す組付位置に完全に
位置決め固定すると、圧縮コイルスプリング36の付勢
力により皿ばね42を介して制動部材40が縮径され、
前記ピストンロッド12等の軸部材を挿入することがで
きなくなるため、軸部材を挿通させる前に蓋部材18を
完全に組み付けることはできなかったが、本実施例では
解除操作部材58によって一対のピストン32a,32
bを後退側に位置決めし、制動状態を解除することによ
り、制動部材40の内側に軸部材を挿入できるため、軸
部材のない状態で単体で構成することが可能なのであ
る。
【0031】このような軸方向制動装置120は、例え
ば図12に示すように、リードスイッチ付きエアシリン
ダ130で移動部材132を往復移動させる場合に、そ
のピストンロッド134に上記軸方向制動装置120を
配設することにより、リードスイッチによって検出され
る任意の位置でピストンロッド134の移動を停止さ
せ、移動部材132を所定位置に位置決め固定すること
ができる。その場合に、複数の軸方向制動装置120を
用いることにより大きな制動力を発生させることも可能
である。なお、両端に連結部が設けられたロッドを軸方
向制動装置120に予め装着しておき、そのロッドにピ
ストンロッド134などを連結して使用するようにして
も差し支えない。
【0032】また、解除操作部材58によって一対のピ
ストン32a,32bを後退側に位置決めし、制動状態
を解除できるので、上記軸方向移動装置120において
は、一対の蓋部材18に雄ねじ18sを設け、本体ハウ
ジング16に直接螺合して固定する構造としてある。こ
れにより、蓋部材18の軸方向(厚さ方向)長さの加工
精度をラフにできると共に、装置の組付作業を容易且つ
迅速に行うことができる。また、図13に示すようにス
ナップリング138によって蓋部材18を組付位置に位
置決め固定するようにしても良い。なお、前記図1の軸
方向制動装置10においても、ピストンロッド12の挿
入前にねじ手段やスナップリングを用いて蓋部材18を
組付位置に位置決め固定することができる。
【0033】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0034】例えば、前記実施例では軸方向制動装置1
0,120が位置固定に配設され、ピストンロッド1
2,134を任意の位置で停止させる場合であったが、
軸方向制動装置10,120がピストンロッド12等の
位置固定の軸部材に沿って移動させられるとともに、軸
部材に相対移動不能に固定されて任意の位置で停止させ
られるものでも良い。
【0035】また、前記実施例においては、制動時に圧
力エアを後部圧力室48内に供給するようになっていた
が、圧縮コイルスプリング36の付勢力のみで制動する
ようにしても良い。
【0036】また、前記実施例では等角度間隔で3つの
貫通孔34が設けられて圧縮コイルスプリング36が配
設されていたが、例えば図2においてボルト24に対応
する4箇所に貫通孔34を設けてそれぞれ圧縮コイルス
プリング36を配設するとともに、図2における左右両
側に手動解除ピン50a,50bや解除操作部材58な
どから成る手動解除装置を設けることも可能である。
【0037】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である軸方向制動装置の上半
分を断面で示した正面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図2における III− III断面図である。
【図4】本発明の他の実施例の要部を示す断面図で、図
3に相当する図である。
【図5】図4の実施例における解除操作部材の先端部分
を示す斜視図である。
【図6】図4の実施例に用いられる解除操作部材の別の
例を示す斜視図である。
【図7】本発明の更に別の実施例の要部を示す断面図
で、図3に相当する図である。
【図8】本発明の更に別の実施例の要部を示す断面図
で、図3に相当する図である。
【図9】図8の実施例における解除操作部材と手動解除
ピンとの係合部分を示す図である。
【図10】図8の実施例に用いられる解除操作部材およ
び手動解除部材の別の幾つかの態様を説明する図であ
る。
【図11】本発明の更に別の実施例の上半分を断面で示
した正面図である。
【図12】図11の実施例の使用態様の一例を説明する
図である。
【図13】図11の実施例において蓋部材を組付位置に
位置決め固定する別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10,120:軸方向制動装置 12,134:ピストンロッド(軸部材) 14:シリンダ本体 28:隔壁 30a,30b:シリンダボア 32a,32b:ピストン 34:貫通孔 36:圧縮コイルスプリング 40:制動部材 42:皿ばね(押圧機構) 50a,50b,70a,70b,82a,82b,9
0a,90b:手動解除ピン(手動解除部材) 52a,52b,72a,72b:段部(第1係合部) 54a,54b,92:逃げ孔 56:取付孔 58,76,80,98:解除操作部材 62:テーパ部(第2係合部) 74,86:第2係合部 78:係合ピン(第2係合部) 84a,84b:係合ピン(第1係合部) 94a,94b:テーパ部(第1係合部) 96,106,112:係合部材(第2係合部) 100a,100b:第1係合部 102a,102b,108a,108b:手動解除部
材 104a,104b,110a,110b:係合孔(第
1係合部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部材が軸方向の相対移動可能に挿通さ
    せられるとともに、内径が該軸部材の外径と略等しい隔
    壁を挟んで一対のシリンダボアを形成するシリンダ本体
    と、 前記一対のシリンダボア内に、それぞれ後部を前記隔壁
    に向けて軸方向の摺動可能に嵌合された一対の環状のピ
    ストンと、 前記隔壁を軸方向に貫通するように設けられた貫通孔に
    配設されるとともに、両端部が前記一対のピストンの後
    端に当接させられて該一対のピストンを互いに離間する
    前進方向へ付勢する圧縮コイルスプリングと、 前記シリンダ本体内に配設され、前記軸部材の外周面に
    押圧されることにより摩擦力によって該軸部材と該シリ
    ンダ本体との相対移動を阻止する一対の制動部材と、 前記一対のピストンがそれぞれ前進させられるのに伴っ
    て前記一対の制動部材をそれぞれ前記軸部材の外周面に
    押圧する一対の押圧機構とを備え、前記圧縮コイルスプ
    リングの付勢力に従って前記一対のピストンが前進させ
    られることにより制動状態に保持されるとともに、前記
    一対のピストンの前方に形成される一対の前部圧力室内
    にそれぞれ圧力流体が供給されることにより、該圧縮コ
    イルスプリングの付勢力に抗して該一対のピストンがそ
    れぞれ後退させられて制動状態が解除される軸方向制動
    装置において、 前記一対のピストンの後端であって前記圧縮コイルスプ
    リングと干渉しない位置にそれぞれ立設され、前記隔壁
    に軸方向に形成された逃げ孔内に挿入されるとともに、
    それぞれ第1係合部が設けられた一対の手動解除部材
    と、 前記逃げ孔と略直角に交差するように前記シリンダ本体
    の側面から設けられた取付孔に配設されるとともに、解
    除操作されることにより先端の第2係合部が前記一対の
    第1係合部にそれぞれ係合させられ、前記一対のピスト
    ンを共に後退させる共通の解除操作部材とを有すること
    を特徴とする軸方向制動装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014061499A1 (ja) * 2012-10-18 2014-04-24 藤倉ゴム工業株式会社 落下防止機構を備えたエアシリンダ装置及びエアシリンダ装置の落下防止機構

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WO2014061499A1 (ja) * 2012-10-18 2014-04-24 藤倉ゴム工業株式会社 落下防止機構を備えたエアシリンダ装置及びエアシリンダ装置の落下防止機構
JP2014080138A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Fujikura Rubber Ltd 落下防止機構を備えたエアシリンダ装置
US9982692B2 (en) 2012-10-18 2018-05-29 Fujikura Rubber Ltd. Air cylinder apparatus equipped with fall prevention mechanism, and fall prevention mechanism for air cylinder apparatus

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