JPH09104209A - 車両の車輪減圧判定装置 - Google Patents

車両の車輪減圧判定装置

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JPH09104209A
JPH09104209A JP7262684A JP26268495A JPH09104209A JP H09104209 A JPH09104209 A JP H09104209A JP 7262684 A JP7262684 A JP 7262684A JP 26268495 A JP26268495 A JP 26268495A JP H09104209 A JPH09104209 A JP H09104209A
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隆 西原
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Shiyuuji Shiraishi
修士 白石
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修 山本
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C23/00Devices for measuring, signalling, controlling, or distributing tyre pressure or temperature, specially adapted for mounting on vehicles; Arrangement of tyre inflating devices on vehicles, e.g. of pumps or of tanks; Tyre cooling arrangements
    • B60C23/06Signalling devices actuated by deformation of the tyre, e.g. tyre mounted deformation sensors or indirect determination of tyre deformation based on wheel speed, wheel-centre to ground distance or inclination of wheel axle
    • B60C23/061Signalling devices actuated by deformation of the tyre, e.g. tyre mounted deformation sensors or indirect determination of tyre deformation based on wheel speed, wheel-centre to ground distance or inclination of wheel axle by monitoring wheel speed

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従動輪及び駆動輪の減圧を駆動輪のスリップ
状態に係わらず的確に判定する。 【解決手段】 駆動輪スリップ率算出手段M1において
駆動輪スリップ率λL,λRを算出するとともに、駆動
輪トルク算出手段M2において駆動輪トルクTQDWを
算出する。駆動輪スリップ率推定手段M4において駆動
輪トルクTQDWの変化に対する駆動輪スリップ率λ
L,λRの変化特性を最小2乗法を用いて推定する。回
転数比算出手段M5において前記変化特性のグラフの駆
動輪トルク=0における駆動輪スリップ率λL,λRの
切片として、駆動輪がスリップしていない状態での従動
輪及び駆動輪の回転数比CVWL,CVWRを算出す
る。車輪減圧判定手段M6において前記回転数比CVW
L,CVWRを基準値と比較することにより、従動輪及
び駆動輪の直径差から減圧を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤの減圧を従
動輪及び駆動輪の直径差に基づいて判定するための車両
の車輪減圧判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のトラクションコントロール装置や
アンチロックブレーキ装置は、車輪のスリップ率算出等
に使用する従動輪速度及び駆動輪速度を検出すべく、従
動輪及び駆動輪にそれぞれ回転数センサを備えている。
しかしながら、タイヤが減圧によって小径化すると、回
転数センサで検出した従動輪及び駆動輪の回転数が従動
輪速度及び駆動輪速度に正しく対応しなくなる。
【0003】そこで従来は、従動輪及び駆動輪の回転数
比を基準値と比較することにより従動輪及び駆動輪の直
径差を判定し、この直径差に基づいてタイヤの減圧を検
出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手法では、駆動輪がスリップ状態にあると従動輪及
び駆動輪の回転数比を正確に求めることができないた
め、その回転数比に基づいて求めた従動輪及び駆動輪の
直径差に誤差が発生し、タイヤの減圧を的確に検出でき
ない問題があった。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、駆動輪のスリップ状態に関わらず従動輪及び駆動輪
の減圧を的確に判定することが可能な車両の車輪減圧判
定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、従動輪速度及び駆動
輪速度に基づいて駆動輪スリップ率を算出する駆動輪ス
リップ率算出手段と、エンジントルクに基づいて駆動輪
トルクを算出する駆動輪トルク算出手段と、駆動輪スリ
ップ率及び駆動輪トルクに基づいて駆動輪トルクに対す
る駆動輪スリップ率の変化特性を推定する駆動輪スリッ
プ率推定手段と、駆動輪スリップ率推定手段により推定
した前記変化特性から、駆動輪トルクが0のときの駆動
輪スリップ率として従動輪及び駆動輪間の回転数比を算
出する回転数比算出手段と、回転数比算出手段により算
出した回転数比を所定の基準値と比較することにより従
動輪及び駆動輪の減圧を判定する車輪減圧判定手段とを
備えたことを特徴とする。
【0007】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、左右一方の従動輪速度及び駆動輪速
度に基づいて左右一方の従動輪及び駆動輪間の回転数比
を算出することにより、該左右一方の従動輪及び駆動輪
の減圧を判定することを特徴とする。
【0008】また請求項3に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、駆動輪スリップ率推定手段は、駆動
輪トルクに対する駆動輪スリップ率の前記変化特性を推
定するためのデータを駆動輪トルクの大きさに応じて区
分した複数のトルク領域の各々において取得するととも
に、駆動輪トルクが0の状態を含むトルク領域のデータ
量を他のトルク領域のデータ量よりも多く取得すること
を特徴とする。
【0009】また請求項4に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、駆動輪スリップ率推定手段が前記変
化特性を推定するためのデータを取り込むトルク領域を
路面摩擦係数に応じて制限する駆動輪トルク領域制限手
段を備えたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は車輪減圧判定装置を備えた車両の概略構成
図、図2は制御系のブロック図、図3は車輪減圧判定装
置のブロック図、図4は車輪減圧判定のフローチャート
の第1分図、図5は車輪減圧判定のフローチャートの第
2分図、図6は駆動輪スリップ率の変化特性を示すグラ
フである。
【0012】図1に示すように、この車両は後輪駆動車
であって、エンジンEによって駆動される左右一対の駆
動輪WRL,WRRと、操舵可能な左右一対の従動輪WFL
FRとを備えており、各駆動輪WRL,WRRには駆動輪速
度検出手段1RL,1RRが設けられるとともに、各従動輪
FL,WFRには従動輪速度検出手段1FL,1FRが設けら
れる。
【0013】エンジンEの吸気通路2にはパルスモータ
3に接続されて開閉駆動されるスロットル弁4が設けら
れており、スロットル弁4の開度θTHがスロットル開
度検出手段5により検出される。エンジンEには、エン
ジン回転数Neを検出するエンジン回転数検出手段6が
設けられ、またトランスミッションMにはシフトポジシ
ョンSPを検出するシフトポジション検出手段7が設け
られ、更にステアリングハンドル8には舵角δを検出す
る舵角検出手段9が設けられる。
【0014】前記駆動輪速度検出手段1RL,1RR、従動
輪速度検出手段1FL,1FR、スロットル開度検出手段
5、エンジン回転数検出手段6、シフトポジション検出
手段7及び舵角検出手段9はマイクロコンピュータを備
えた電子制御ユニットUに接続される。更に、電子制御
ユニットUには、減圧により車輪に直径差が発生した場
合に警報を発すべく、ランプ、ブザー、チャイム等の警
報手段11が接続される。
【0015】図2は、車輪に減圧が検出された場合に警
報を発すべく、各検出手段からの信号を制御プログラム
に基づいて演算処理し、前記警報手段11を作動させる
ための電子制御ユニットUを示している。この電子制御
ユニットUは、前記演算処理を行うための中央処理装置
(CPU)21と、前記制御プログラムや各種マップ等
のデータを格納したリードオンリーメモリ(ROM)2
2と、前記各検出手段の出力信号や演算結果を一時的に
記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)23と、前
記各検出手段、即ち駆動輪速度検出手段1RL,1RR、従
動輪速度検出手段1FL,1FR、スロットル開度検出手段
5、エンジン回転数検出手段6、シフトポジション検出
手段7及び舵角検出手段9が接続される入力部24と、
前記警報手段11が接続される出力部25とから構成さ
れている。而して、上記電子制御ユニットUは、入力部
14から入力される各種信号とリードオンリーメモリ2
2に格納されたデータ等を後述する制御プログラムに基
づいて中央処理装置21で算出処理し、最終的に出力部
25を介して警報手段11を作動させる。
【0016】図3に示すように、車輪減圧判定装置は、
駆動輪スリップ率算出手段M1と、駆動輪トルク算出手
段M2と、駆動輪トルク領域制限手段M3と、駆動輪ス
リップ率推定手段M4と、回転数比算出手段M5と、車
輪減圧判定手段M6とを備える。
【0017】駆動輪スリップ率算出手段M1は、駆動輪
速度検出手段1RL,1RRで検出した駆動輪速度VWD
L,VWDR及び従動輪速度検出手段1FL,1FRで検出
した従動輪速度VWNL,VWNRに基づいて左右の駆
動輪スリップ率λL,λRを算出する。駆動輪トルク算
出手段M2は、スロットル開度検出手段5で検出したス
ロットル開度θTH、エンジン回転数検出手段6で検出
したエンジン回転数Ne及びシフトポジション検出手段
7で検出したシフトポジションSPに基づいて駆動輪ト
ルクTQDWを算出する。駆動輪トルク領域制限手段M
3は、車両の前後加速度FGに基づいて路面摩擦係数μ
に応じた駆動輪リミットトルクKTQDWを算出する。
【0018】駆動輪スリップ率推定手段M4は、駆動輪
スリップ率λL,λR及び駆動輪トルクTQDWに基づ
いて、駆動輪トルクTQDWに対する駆動輪スリップ率
λL,λRの変化特性を推定する。回転数比算出手段M
5は、前記駆動輪トルクTQDWに対する駆動輪スリッ
プ率λL,λRの変化特性に基づいて従動輪WFL,W FR
及び駆動輪WRL,WRRの回転数比CVWL,CVWRを
算出する。車輪減圧判定手段M6は、前記従動輪WFL
FR及び駆動輪WRL,WRRの回転数比CVWL,CVW
Rを所定の基準値と比較することにより、従動輪WFL
FR及び駆動輪WRL,WRRの減圧を判定する 次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用を、図
4及び図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0019】先ず、駆動輪スリップ率算出手段M1にお
いて、左駆動輪速度VWDL及び左従動輪速度VWNL
に基づいて、左駆動輪WRLの駆動輪スリップ率λL[λ
L=(VWDL−VWNL)/VWNL)]を算出する
とともに、右駆動輪速度VWDR及び右従動輪速度VW
NRに基づいて、右駆動輪WRRの駆動輪スリップ率λR
[λR=(VWDR−VWNR)/VWNR)]を算出
する(ステップS1)。
【0020】次に、駆動輪トルク算出手段M2におい
て、スロットル開度検出手段5により検出したスロット
ル弁4の開度θTHとエンジン回転数検出手段6により
検出したエンジン回転数Neとからエンジントルクを求
め、このエンジントルクの一次フィルター値にシフトポ
ジション検出手段7により検出したシフトポジションS
Pのギヤ比を乗算することにより駆動輪トルクTQDW
を算出する(ステップS2)。尚、駆動輪トルクTQD
Wは、エンジンブレーキの作動中等に負値を取ることも
ある。
【0021】次に、駆動輪トルク領域制限手段M3にお
いて、前記駆動輪トルクTQDWに基づいて算出した車
両の前後加速度FG、或いは図示せぬ前後加速度センサ
により検出した車両の前後加速度FGと、駆動輪軸荷重
Wtと、駆動輪動荷重半径DLRとに基づいて、駆動輪
リミットトルクKTQDW[KTQDW=FG×Wt×
DLR]を算出する(ステップS3)。駆動輪リミット
トルクKTQDWは路面摩擦係数μに応じて変化する値
であり、その値は低μ路では小さくなり、高μ路では大
きくなる。
【0022】次に、駆動輪スリップ率推定手段M4にお
いて、車輪減圧の判定を行うための以下の安定条件が成
立しているか否かを判定する(ステップS4)。即ち、
4つの車輪速度VWDL,VWDR,VWNL,VWN
Rが何れも所定の範囲内にあり、所定時間内における駆
動輪速度VWDL,VWDRの変化量及び従動輪速度V
WNL,VWNRの変化量が所定の範囲内にあり、前後
加速度及び横加速度が所定の範囲内にあり、エンジン回
転数Neが所定の範囲内にあり、駆動輪トルクTQDW
が所定の範囲内にあり、舵角δの変化率が所定の範囲内
にあり、ブレーキ作動中でなく、トラクションコントロ
ール作動中でなく、シフトチェンジ中でなく、悪路走行
中でなく、左右の駆動輪速度VWDL,VWDRの差及
び左右の従動輪速度VWNL,VWNRの差が所定の範
囲内にあり、所定時間内におけるヨーレート及び車速の
変化量が所定の範囲内にあるか否かを判定し、これらの
条件が全て成立している場合に車両が安定した走行状態
にあるとして車輪減圧の判定が実行される。
【0023】次に、ループ毎に算出される駆動輪トルク
TQDWと左右の駆動輪スリップ率λL,λRとを、以
下の(1) 式〜(6) 式に基づいて安定時間(nループが実
行される時間)が経過するまで順次加算してゆき、6種
類の加算値TVWL,TVWR,TCV,TWL,TW
R,TCを算出する(ステップS5,S6)。
【0024】 TVWL(n) =TQDW(1)・λL(1)+TQDW(2)・λL(2) +…+TQDW(n)・λL(n) …(1) TVWR(n) =TQDW(1)・λR(1)+TQDW(2)・λR(2) +…+TQDW(n)・λR(n) …(2) TCV(n)=TQDW(1)2 +TQDW(2)2 +…+TQDW(n)2 …(3) TWL(n)=λL(1)+λL(2)+…+λL(n) …(4) TWR(n)=λR(1)+λR(2)+…+λR(n) …(5) TC(n)=TQDW(1)+TQDW(2)+…+TQDW(n) …(6) 次に、前記(6) 式により算出した駆動輪トルクTQDW
の加算値TCをnで除算し、駆動輪トルクTQDWの平
均値を算出する(ステップS7)。
【0025】次に、ステップS7で算出した駆動輪トル
クTQDWの平均値とステップS3で算出した駆動輪リ
ミットトルクKTQDWとを比較し、駆動輪トルクTQ
DWの平均値が駆動輪リミットトルクKTQDWを越え
ていない場合、即ち駆動輪トルクと駆動輪スリップ率と
の間の関係に線型性が保たれる領域にあるときに、ステ
ップS9以降の処理を実行する(ステップS8)。これ
により、後述する駆動輪トルクTQDWの変化に対する
駆動輪スリップ率λL, λRの変化の特性を正確に推定
することが可能となる。
【0026】駆動輪トルクTQDWの平均値は、その大
きさに応じて例えば8つのトルク領域[1]、[2]、
[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]に分
類される。[1]は最小トルク領域(負値)、[8]は
最大トルク領域(正値)であり、[3]は0トルク領域
(駆動輪トルクがゼロ近傍のトルク領域)である。前記
8つのトルク領域[1]〜[8]は左駆動輪WRL及び右
駆動輪WRRにそれぞれ対応して設定されるとともに、各
トルク領域にはそれぞれ対応するカウンタが設けられ
る。
【0027】次に、ステップS7で算出した駆動輪トル
クTQDWの平均値が前記0トルク領域[3]に当ては
まらない場合には、その当てはまるトルク領域の
[1]、[2]、[4]、[5]、[6]、[7]、
[8]のカウンタにMAX値である1が加算される(ス
テップS9,S10)。一方、ステップS7で算出した
駆動輪トルクTQDWの平均値が前記0トルク領域
[3]に当てはまる場合には、0トルク領域[3]のカ
ウンタに、係数K(K<1)が加算される。例えば、K
=0.1の場合に0トルク領域[3]のカウンタに0.
1が加算される(ステップS11,S10)。
【0028】続いて、6種類の加算値TVWL,TVW
R,TCV,TWL,TWR,TCの移動平均を、以下
の(7) 式に基づいて算出する(ステップS12)。
【0029】 T?(m)=(1/m)・T?+(m−1/m)・T?(m−1) …(7) 但し、T?=TVWL,TVWR,TCV,TWL,T
WR,TC かくして、8つのトルク領域[1]〜[8]の各々につ
いて6種類の加算値TVWL,TVWR,TCV,TW
L,TWR,TCの移動平均が算出されるが、そのとき
各トルク領域[1]〜[8]のカウンタ値がMAX値で
ある1になると、そのトルク領域[1]〜[8]におけ
る6種類の加算値TVWL,TVWR,TCV,TW
L,TWR,TC及びその移動平均の算出を中止する。
即ち、0トルク領域[3]以外のトルク領域の[1]、
[2]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]にお
いては、1回の安定時間の間だけデータの取得を行い、
また0トルク領域[3]においては、係数Kに応じた複
数回の安定時間の間(例えば、K=0.1であれば10
回)データの取得を行う。
【0030】次に、回転数比算出手段M5において、4
種類の加算値TVWL,TCV,TWL,TCの移動平
均に基づいて傾きKVWLを(8) 式から算出するととも
に、4種類の加算値TVWR,TCV,TWR,TCの
移動平均に基づいて傾きKVWRを(9) 式から算出する
(ステップS13)。
【0031】 KVWL={n・TVWL−TWL・TC}/{n・TCV−TC2 }…(8) KVWR={n・TVWR−TWR・TC}/{n・TCV−TC2 }…(9) 即ち、駆動輪トルクTQDWの変化に対する駆動輪スリ
ップ率λL, λRの変化の最も確からしい関係を与える
特性曲線を最小2乗法を用いて推定すると(図6参
照)、(8) 式による傾きKVWLは左側の前後輪WFL
RLの特性曲線の駆動輪トルクTQDW=0における傾
きに対応し、また(9) 式による傾きKVWRは右側の前
後輪WFR,WRRの特性曲線の駆動輪トルクTQDW=0
における傾きに対応する。
【0032】前記傾きKVWL,KVWRが所定範囲内
にあるとき、その傾きKVWL,KVWRを使用するこ
とにより、また前記傾きKVWL,KVWRが所定範囲
外にあるとき、代替値KVWDをKVWL,KVWRと
して使用することにより、図6の特性曲線における縦軸
切片に対応する切片CVWL,CVWRを、以下の(10)
式及び(11)式に基づいて算出する(ステップS14〜S
16)。
【0033】 CVWL=(TWL−KVWL・TC)/n …(10) CVWR=(TWR−KVWR・TC)/n …(11) 前記切片CVWLは、左駆動輪WRLがスリップ状態にな
いときの左従動輪WFL及び左駆動輪WRLの回転数比を表
しており、また前記切片CVWRは、右駆動輪WRRがス
リップ状態にないときの右従動輪WFR及び右駆動輪WRR
の回転数比を表している。
【0034】而して、切片CVWLと学習により記憶し
た基準値との差、或いは切片CVWLと予め設定した基
準値との差を算出し、その差が所定の敷居値よりも大き
ければ左側の駆動輪WRL或いは左側の従動輪WFLに減圧
に起因する小径化が発生したと判定し(ステップS1
7)、警報手段11を作動させてドライバーに警報を発
する(ステップS18)。このとき、切片CVWLと基
準値との大小関係に基づいて、左側の駆動輪WRL及び従
動輪WFLの何れが小径化したかを判定することができ
る。
【0035】同様にして、切片CVWRと基準値との差
を算出し、その差が所定の敷居値よりも大きければ右側
の駆動輪WRR或いは右側の従動輪WFRに小径化が発生し
たと判定して警報手段11を作動させる(ステップS1
7,S18)。このとき、切片CVWRと基準値との大
小関係により、右側の駆動輪WRR及び従動輪WFRの何れ
が小径化したかを判定することができる。
【0036】このように、駆動輪トルクTQDWが極め
て小さいときの駆動輪スリップ率λL, λRを推定し、
この駆動輪スリップ率λL, λRに基づいて従動輪
FL,W FR及び駆動輪WRL,WRRの回転数比CVWL,
CVWRを求めているので、駆動輪WRL,WRRのスリッ
プの影響を排除して従動輪WFL,WFR及び駆動輪WRL
RRの減圧を的確に判定することができる。
【0037】しかも、左側の従動輪WFL及び駆動輪WRL
の回転数比CVWLと、右側の従動輪WFR及び駆動輪W
RRの回転数比CVWRとを別個に算出しているので、従
動輪WFL,WFRの小径化、或いは駆動輪WRL,WRRの小
径化を判定するに止まらず、左右の従動輪WFL,WFR
何れが小径化したのか、或いは左右の駆動輪WRL,W RR
の何れが小径化したのかを的確に判定することができ
る。
【0038】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0039】例えば、実施例では左側の従動輪WFL及び
駆動輪WRLの回転数比CVWLと、右側の従動輪WFR
び駆動輪WRRの回転数比CVWRとを別個に算出してい
るが、請求項1に記載された発明においては、従動輪速
度として左右の従動輪速度VWNL,VWNRの平均値
を用い、且つ駆動輪速度として左右の駆動輪速度VWD
L,VWDRの平均値を用いて従動輪WFL,WFR及び駆
動輪WRL,WRRの回転数比を算出しても良い。この場
合、小径化が発生した車輪を一輪まで厳密に判定するこ
とはできないが、従動輪WFL,WFRに小径化が発生した
か、駆動輪WRL,WRRに小径化が発生したかを判定する
ことができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、駆動輪トルクに対する駆動輪スリップ率の変
化特性を推定し、この変化特性における駆動輪トルクが
0の状態の駆動輪スリップ率として従動輪及び駆動輪の
回転数比を求めているので、駆動輪のスリップ状態の影
響を受けない正確な従動輪及び駆動輪の減圧を判定する
ことができる。
【0041】また請求項2に記載された発明によれば、
左右一方の従動輪速度及び駆動輪速度に基づいて左右一
方の従動輪及び駆動輪間の回転数比を算出して減圧を判
定するので、四輪車両において四輪の何れが小径化した
のかを一輪まで正確に判定することができる。
【0042】また請求項3に記載された発明によれば、
複数のトルク領域の各々においてデータを取得すること
により、駆動輪トルクに対する駆動輪スリップ率の変化
特性を正確に推定することが可能になる。また、駆動輪
トルクが0の状態を含むトルク領域のデータを他のトル
ク領域のデータよりも多く取得しているので、駆動輪ト
ルクが0の状態の駆動輪スリップ率として回転数比を求
める際の精度を向上させることが可能となる。
【0043】また請求項4に記載された発明によれば、
駆動輪トルクに対する駆動輪スリップ率の変化特性を推
定するためのデータを取り込むトルク領域を路面摩擦係
数に応じて制限するので、駆動輪トルクと駆動輪スリッ
プ率との間に線型性が保たれるトルク領域においてデー
タを取り込んで前記変化特性を正確に推定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車輪減圧判定装置を備えた車両の概略構成図
【図2】制御系のブロック図
【図3】車輪減圧判定装置のブロック図
【図4】車輪減圧判定のフローチャートの第1分図
【図5】車輪減圧判定のフローチャートの第2分図
【図6】駆動輪スリップ率の変化特性を示すグラフ
【符号の説明】
M1 駆動輪スリップ率算出手段 M2 駆動輪トルク算出手段 M3 駆動輪トルク領域制限手段 M4 駆動輪スリップ率推定手段 M5 回転数比算出手段 M6 車輪減圧判定手段 CVWL 切片(回転数比) CVWR 切片(回転数比) TQDW 駆動輪トルク VWNL 左従動輪速度 VWNR 右従動輪速度 VWDL 左駆動輪速度 VWDR 右駆動輪速度 WFL 左従動輪 WFR 右従動輪 WRL 左駆動輪 WRR 右駆動輪 λL 左駆動輪スリップ率 λR 右駆動輪スリップ率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 修 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 従動輪速度(VWNL,VWNR)及び
    駆動輪速度(VWDL,VWDR)に基づいて駆動輪ス
    リップ率(λL,λR)を算出する駆動輪スリップ率算
    出手段(M1)と、 エンジントルクに基づいて駆動輪トルク(TQDW)を
    算出する駆動輪トルク算出手段(M2)と、 駆動輪スリップ率(λL,λR)及び駆動輪トルク(T
    QDW)に基づいて駆動輪トルク(TQDW)に対する
    駆動輪スリップ率(λL,λR)の変化特性を推定する
    駆動輪スリップ率推定手段(M4)と、 駆動輪スリップ率推定手段(M4)により推定した前記
    変化特性から、駆動輪トルク(TQDW)が0のときの
    駆動輪スリップ率(λL,λR)として従動輪(WFL
    FR)及び駆動輪(WRL,WRR)間の回転数比(CVW
    L,CVWR)を算出する回転数比算出手段(M5)
    と、 回転数比算出手段(M5)により算出した回転数比(C
    VWL,CVWR)を所定の基準値と比較することによ
    り従動輪(WFL,WFR)及び駆動輪(WRL,W RR)の減
    圧を判定する車輪減圧判定手段(M6)と、を備えたこ
    とを特徴とする車両の車輪減圧判定装置。
  2. 【請求項2】 左右一方の従動輪速度(VWNL,VW
    NR)及び駆動輪速度(VWDL,VWDR)に基づい
    て左右一方の従動輪(WFL,WFR)及び駆動輪(WRL
    RR)間の回転数比(CVWL,CVWR)を算出する
    ことにより、該左右一方の従動輪(WFL,WFR)及び駆
    動輪(WRL,WRR)の減圧を判定することを特徴とす
    る、請求項1記載の車両の車輪減圧判定装置。
  3. 【請求項3】 駆動輪スリップ率推定手段(M4)は、
    駆動輪トルク(TQDW)に対する駆動輪スリップ率
    (λL,λR)の前記変化特性を推定するためのデータ
    を駆動輪トルク(TQDW)の大きさに応じて区分した
    複数のトルク領域の各々において取得するとともに、駆
    動輪トルク(TQDW)が0の状態を含むトルク領域の
    データ量を他のトルク領域のデータ量よりも多く取得す
    ることを特徴とする、請求項1記載の車両の車輪減圧判
    定装置。
  4. 【請求項4】 駆動輪スリップ率推定手段(M4)が前
    記変化特性を推定するためのデータを取り込むトルク領
    域を路面摩擦係数に応じて制限する駆動輪トルク領域制
    限手段(M3)を備えたことを特徴とする、請求項1記
    載の車両の車輪減圧判定装置。
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