JPH09104063A - カール加工した口元部を有するスチレン系樹脂発泡シート製容器及びその製造方法 - Google Patents

カール加工した口元部を有するスチレン系樹脂発泡シート製容器及びその製造方法

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JPH09104063A
JPH09104063A JP26191095A JP26191095A JPH09104063A JP H09104063 A JPH09104063 A JP H09104063A JP 26191095 A JP26191095 A JP 26191095A JP 26191095 A JP26191095 A JP 26191095A JP H09104063 A JPH09104063 A JP H09104063A
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container
opening flange
opening
foam sheet
resin foam
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JP26191095A
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Yuji Fujiwara
裕士 藤原
Shigeru Kobayashi
茂 小林
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のカール装置を用いて開口鍔を折り曲げ
カール加工を施すことで、シール蓋のシール面積を確保
しつつ口当りが良く且つ安全なスチレン系樹脂発泡シー
ト製容器を提供する。 【解決手段】 スチレン系樹脂発泡シートを加熱成形し
て容器本体11と、該容器本体の開口部12の外周に容
器本体底面と平行に張り出した部分を有する開口鍔14
を形成し、該開口鍔をカール加工して口元部23を形成
した容器10であって、口元部23の上面に少なくとも
幅2mm以上の平坦なシール面25を形成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品包装あるいは
内容物を食べる場合には食器として使用できるスチレン
系樹脂発泡シート製容器に係わり、更に詳しくはカール
加工した口元部を有し、口元部で唇等を傷付けることの
ない安全な容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常スチレン系樹脂発泡シート製の容器
では、発泡シートを加熱成形して得られた容器成形部
を、その口元部を残して剰余発泡シートから打ち抜いて
製造するが、この打ち抜き切断面の鋭利なエッジによっ
て受傷する可能性がある。特に、スチレン系樹脂発泡シ
ートに非発泡の熱可塑性樹脂フィルムを積層した発泡シ
ート積層体を用いて成形した容器においては、口元部に
おいて比較的堅い樹脂フィルムのエッジが形成されて受
傷の可能性が更に高くなる。また、容器高さ/容器口元
直径で示される絞り比が0.8以上の深型容器では、口
元部が大きく延伸されており、セルが破断され、切断面
よりささくれが起こり見苦しい外観状態となる。また、
口元部の上面に形成されたシール面に貼ったシール蓋を
剥離する時に、表面セルが破れ、ささくれ立ち見苦しい
ばかりか、ささくれが食品に混入する恐れもある。
【0003】この問題点を解決するためには、スチレン
系樹脂発泡シート製容器の口元部を下方へ折り込んで成
形するいわゆるカール処理が提案できる。このカール処
理は、一般には非発泡であり比較的薄い樹脂シートない
しは紙容器(以下、「ソリッド容器」と呼ぶ)で用いら
れている技術である。本カール処理は、代表的にはドイ
ツ国イリッヒ社の製造になるカール装置等によって達成
できる。
【0004】しかし比較的肉厚が厚く、しかも発泡層を
構成するセル自体の樹脂膜の厚みが比較的薄い発泡容器
では、ソリッド容器と同様なカール処理をしようとして
も、多くの場合カール処理中に容器の開口鍔が破壊し、
カール処理することはできなかった。また、カール処理
ができる場合でも開口鍔の湾曲部分の内側に皺が寄り仕
上り外観が悪いばかりか、均一形状に仕上がらない。ま
た、口元部が大きな円弧状にしか成形できず、後工程で
シール蓋を貼る場合のシール面積が確保できない等の不
都合を招いていた。
【0005】かかる欠点を解決するためには開口鍔の厚
みを加熱圧縮などにより事前にカールに適するように薄
くする方法が提案されるが、容器の他の部分に変形など
を生じる熱的影響を全く及ぼさずに前記ソリッド容器様
まで圧縮するのは非常に困難であり、達成できる厚みに
は限界がある。従って十分なカールを達成することはで
きない状況であった。
【0006】前述の不都合は特にスチレン系樹脂発泡シ
ートに、非発泡の熱可塑性樹脂フィルムを片面又は両面
に積層した積層発泡シート体では、樹脂フィルム層が堅
く曲がりにくい場合に顕著に観察される。また意匠的に
開口鍔幅が広く取れない場合等は短い区間に折れ曲がり
が連続することになり更に屈曲性が悪化する。特に前述
のイリッヒ社型のカール装置では、容器外面側に熱可塑
性樹脂フィルムを積層した場合、堅い樹脂フィルム層の
加熱を行わないため、屈曲性が極めて悪くカールが困難
であった。
【0007】この不都合を解決するために例えば特公昭
62−28731号公報により、成形機金型でスチレン
系樹脂発泡シートを噛合し形状を付与する際に容器口端
部を既に下方へ折り曲げた状態で成形しておき、その後
切り出し機で容器をスチレン系樹脂発泡シートから抜き
出した後、カッターナイフ等で容器外壁に屈曲用の切れ
目を入れ、次いで特公昭62−28732号公報等に記
載のカール装置によりカール処理を行う方法が提案され
ている。
【0008】しかし、前述の公報記載の方法は、水平切
り出しおよび水平切れ目入れということを特徴としてい
る点で通常は一連の成形の流れの中で上下方向から押圧
式のいわゆるパンチャーで連続的に金型部の配列毎に抜
き出し処理ができるという利点が失われコストの増大を
招くほか、特に容器高さ/容器口元直径で示される絞り
比が0.8より大であるような高絞り比容器の場合、口
元部のシートが非常に延伸されているため、カール加工
時に外壁に入れた屈曲用の切れ目よりシートが破れる等
の著しい問題を生じることがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる欠点を改良する
方法を鋭意検討の結果、容器本体の開口部の外周に形成
した開口鍔を容器底面に平行な部分を有するように成形
し、該開口鍔の下面側(カールする内面側)に事前に全
厚みの1/10〜1/2のノッチを入れて口元部を成形
すると、工程増加やセルの破れを招かないでカール加工
性が著しく向上することを見い出して本発明に至った。
【0010】即ち、本発明が解決しようとするところ
は、スチレン系樹脂発泡シートを加熱成形し、容器本体
の開口部の外周に形成した容器口元部となる開口鍔の下
方面に、前述の深さのノッチを口元部の内側角部となる
位置に事前に形成し、従来のカール装置を用いて開口鍔
を折り曲げカール加工を施すことで、シール蓋のシール
幅を安定的に確保しつつ容器の外径を一定に保つととも
に、仕上り状態の良い美麗なカールを施し口当りが良く
且つ安全なスチレン系樹脂発泡シート製容器とその製造
方法を提供する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題解決
のために、スチレン系樹脂発泡シートを加熱成形して容
器本体と、該容器本体の開口部の外周に容器本体底面と
平行に張り出した部分を有する開口鍔を形成し、該開口
鍔をカール加工して口元部を形成した容器であって、口
元部の上面に少なくとも幅2mm以上の平坦なシール面
を形成してなることを特徴とするカール加工した口元部
を有するスチレン系樹脂発泡シート製容器を構成した。
【0012】更に、前記口元部の平坦なシール面の外周
側に対応する下面側のカール角部にノッチを有してなる
こと、前記ノッチの深さを、開口鍔の全厚みの1/10
〜1/2に設定してなることがより好ましい実施態様で
ある。ここで、スチレン系樹脂発泡シートの少なくとも
容器外面側に対応する面に熱可塑性樹脂フィルムを積層
した積層スチレン系樹脂発泡シートを用いてなることも
好ましい。更に、本発明は容器高さ/開口部直径で示さ
れる絞り比が0.8以上である場合にも好適である。
【0013】また、スチレン系樹脂発泡シートを加熱成
形して容器本体と、該容器本体の開口部の外周に容器本
体底面と平行に張り出した部分を有する開口鍔を形成し
た後、該開口鍔を残し切断し、それから開口鍔をカール
加工して口元部を形成した容器の製造方法であって、前
記容器本体と開口鍔の屈曲部から所定距離だけ外周側の
開口鍔の下面側に該開口鍔の全厚みの1/10〜1/2
の深さの環状ノッチを、開口鍔の加熱成形時又は開口鍔
の切断時又は開口鍔の切断後に形成し、該ノッチを内側
中心として開口鍔の先端側をカール加工して屈曲させ、
上面に少なくとも幅2mm以上の平坦なシール面を有す
る口元部を形成してなることを特徴とするカール加工し
た口元部を有するスチレン系樹脂発泡シート製容器の製
造方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るスチレン系樹脂発泡
シート製容器とは、スチレン系樹脂発泡シートを加熱成
形して容器本体と、該容器本体の開口部の外周に容器本
体底面と平行に張り出した部分を有する開口鍔を形成
し、該開口鍔をカール加工して口元部を形成した容器の
ことである。また、スチレン系樹脂発泡シートと非発泡
の熱可塑性樹脂フィルムとを積層した積層スチレン系樹
脂発泡シートを用いて形成した容器も同様である。
【0015】本発明において使用するスチレン系樹脂発
泡シートとは、ポリスチレン及びスチレンと無水マレイ
ン酸、メタクリル酸等との共重合体、並びにこれらのス
チレン系樹脂とポリフェニレンオキサイド等との混合樹
脂等のスチレン系樹脂をブタン、フロン等の発泡剤と押
し出し機で混練後、押し出し発泡させた発泡シートであ
る。シート厚みは1〜3mm、シート坪量は150〜5
50g/m2 が一般に使用され、発泡倍率3〜5倍が好
ましいが、この範囲に限定されるものではない。また、
前述のスチレン系樹脂発泡シートに非発泡の熱可塑性樹
脂フィルムを貼り合わせ片面又は両面に積層して複合化
した積層スチレン系樹脂発泡シートも同様に使用でき
る。
【0016】スチレン系樹脂発泡シートに貼り合わせ積
層して複合する非発泡の熱可塑性樹脂フィルムとして
は、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン等のス
チレン系樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のオレフィン系樹脂フィルム、あるいはポリ塩化ビニ
リデン、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリ
エステル、ポリアミド等の各種ガスバリヤーフィルムの
単独及び複合フィルムが挙げられる。両面に樹脂フィル
ムを積層する場合、両面とも同一樹脂フィルムでも、別
々の樹脂フィルムでも良い。
【0017】スチレン系樹脂発泡シートに熱可塑性樹脂
フィルムを貼り合わせ積層・複合する方法としては、ス
チレン系樹脂発泡シート上へフィルム樹脂を垂れ流し積
層する方法、熱にて樹脂フィルムを直接積層する方法及
び接着剤を介して樹脂フィルムを積層する方法等があ
る。本実施形態では、スチレン系樹脂発泡シートと積層
スチレン系樹脂発泡シートとを特に区別する必要がない
場合には共にスチレン系樹脂発泡シートと称して説明す
る。
【0018】このような方法で得られたスチレン系樹脂
発泡シートから容器10を製造する方法を図1〜図8に
基づき説明する。先ず、図1に示すように、ロール状に
巻かれたスチレン系樹脂発泡シート1を加熱炉2を通し
て加熱、2次発泡させた後、雌雄金型3で容器本体11
を成形するとともに、該容器本体11の開口部12の外
周に底面13と平行な水平部分14Aを有する開口鍔1
4を成形する。この開口鍔14は、容器10の成形に関
与しない剰余発泡シート15に連続している。この成形
の際に雌雄金型3の内部を真空排気手段4で減圧し、金
型形状の転写性を高めている。この容器本体11と開口
鍔14を成形後、スチレン系樹脂発泡シート1からパン
チング刃又はトムソン刃等の抜型を備えた自動パンチン
グ機5で前記開口鍔14を残して打ち抜き、個々の容器
10となる中間成形品10Aを得る。得られた容器の肉
厚は金型形状等により支配され特に限定しないが、1.
5〜2mmが一般的である。
【0019】このようにして得られた中間成形品10A
の一例を図2、二例を図3にそれぞれ示している。図4
は図2に示した中間成形品10Aの開口鍔14の部分を
拡大して示したものであり、開口鍔14の全部が底面1
3と平行な水平部分14Aとなっている。また、図5は
図3に示した中間成形品10Aの開口鍔14の部分を拡
大して示したものであり、開口鍔14の内周側が底面1
3と平行な水平部分14Aとなり、先端部分14Bは底
面13側へ傾斜している。そして、前記開口鍔14の先
端部分14Bの先端は、自動パンチング機5で垂直に打
ち抜かれた切断面14Cとなっている。尚、図4及び図
5中、16はスチレン系樹脂発泡シート層、17は非発
泡の熱可塑性樹脂フィルム層である。
【0020】前記開口鍔14は、後述のカール加工によ
って口元部となる部分であり、図2及び図4に示したも
のは、開口鍔14の全幅を下方へ巻き込む長さを見込ん
で設定し、図3及び図5に示したものは、水平部分14
Aの幅を要求されるシール面の幅に設定するとともに、
先端部分14Bの幅はカール加工に必要十分な幅に設定
してある。また、前記開口部12側に面する容器本体1
1と該開口鍔14の屈曲部18の曲率半径は可及的に小
さくすることが口元部の上面に十分なシール面積を確保
する上で望ましい。
【0021】そして、前記開口鍔14をカール加工する
カール装置は、特に限定しないが、最も普及しているイ
リッヒ社製で例示すると、図6〜図8に示すように、3
本のスクリュー19,…をその回転軸20が平行になる
ように正三角形の頂点位置に配設し、該スクリュー19
には一端側から他端側へ向かう従って直径が漸増し且つ
断面形状が変化する螺旋溝21が形成され、該螺旋溝2
1とその前後の突条部22で前記中間成形品10Aの開
口鍔14を嵌合し、各スクリュー19,…の回転に伴っ
て該中間成形品10Aを自転させながら該スクリュー1
9の一端側から他端側へ連続的に繰り送り、その送り途
中において前記螺旋溝21の断面形状に応じて開口鍔1
4をカール加工して口元部23を成形するものである。
ここで、前記開口鍔14を所望形状にカール加工するに
当たり、該開口鍔14を加熱するが、これには直接的に
開口鍔14を加熱する方法、又はスクリュー19の螺旋
溝21の部分を加熱して間接的に開口鍔14を加熱する
方法とがある。こうしてカール装置を通過させることに
よってカール加工した口元部23を有する容器10が製
造されるのである。この場合、前記中間成形品10Aを
多数個スタッキングした状態で、カール装置に連続的に
供給することが、中間成形品10Aの安定に保持するた
めには好ましい。
【0022】しかし、前述のカール装置で図2及び図4
に示した開口鍔14をカール加工する場合、螺旋溝21
の断面形状を工夫しても得られる口元部23の断面形状
は全体が湾曲した円弧状のものしか成形できず、口元部
23の上面に平坦なシール面を形成することは前述の公
報に示されている通り不可能である。そのため、本発明
では、図9(a) 及び(b) に示すように、前記容器本体1
1と開口鍔14の屈曲部18から所定距離だけ外周側の
開口鍔14の下面側に該開口鍔14の全厚みの1/10
〜1/2の深さの環状ノッチ24を付与し、前述のカー
ル装置によって該ノッチ24を内側中心として開口鍔1
4の先端側をカール加工して屈曲させ、上面に少なくと
も幅2mm以上の平坦なシール面25を有する口元部2
3を成形するのである。図10(a) はノッチ24が一箇
所の場合、図10(b) はノッチ24が二箇所の場合にお
いて成形される口元部23を示し、また平坦なシール面
25の幅はWで示している。尚、ノッチ24の本数は成
形後の口元部23の屈曲数に併せて決定する。
【0023】また、図3及び図5に示した開口鍔14を
有する場合には、前述の図2及び図4に示したような全
体が底面13と平行な水平部分14Aを有するものより
は、カール加工性が改善されるが、それでも十分ではな
い。そのため、図11に示すように、図5の開口鍔14
の水平部分14Aと先端部分14Bとの屈曲部内側に、
成形時に雌型駒3aの外周部に突設した環状突起(図示
せず)によって、あるいは成形後に刃物等で切れ目を入
れてノッチ14Dを形成する。そして、この水平部分1
4A、先端部分14B及びノッチ14Dを形成した開口
鍔14をカール加工すると、図12に示すようにシール
面25となる水平部分14Aに対して、先端部分14B
はノッチ14Dの存在によって容易にカール加工するこ
とができ、しかも切断面14Cの鋭利なエッジは容器本
体11の外周面に近接するので唇等に触れる可能性はな
くなるのである。
【0024】前記ノッチ24は、スチレン系樹脂発泡シ
ート1を金型3で噛合して容器形状を成形する工程と同
時又は後工程のカール加工前であれば何れでも達成でき
る。前記ノッチ24を形成する方法は特に限定するもの
ではないが、容器本体11と開口鍔14の加熱成形時に
ノッチ24を形成する場合は、くさび形状をなす突起2
6を雌型駒3aに突設するか(図9(a) 参照)又は突起
26をインコア27に形成し(図9(b) 参照)、金型3
の移動ないしは金型噛合後のバネ28等による突き出し
などによってスチレン系樹脂発泡シート1に押し込む方
法が好適である。尚、図中3bは雄型駒である。また、
開口鍔14の切断時又は開口鍔14の切断後に刃物等で
切り欠き形成することが可能であるが、工程数を増やさ
ないためには、開口鍔14の切断後の形成は好ましくな
い。
【0025】また、前記ノッチ24の深さについては、
深い場合には口元部23の強度が低下すること、また浅
い場合は屈曲(カール加工)への貢献が小さいことか
ら、開口鍔14の全厚みに対して1/10以上で1/2
以下にする設定することが好適である。また、2層以上
の積層シートを用いており表面に比較的堅い熱可塑性樹
脂フィルム層17を有する場合は、該樹脂フィルム層1
7を貫通したノッチ24を形成する方が屈曲性は良好と
なる。
【0026】更に、前記ノッチ24、14Dの角度(内
角)は、90度が好適であるが概ね40度以上で容易に
屈曲できる。また、ノッチ24は鋭利に切断せずともへ
こみ状に加工するだけでも十分な効果が得られる。
【0027】また、開口鍔14のカール加工を容易にす
るために、前記ノッチ24を形成する前に、該開口鍔1
4を圧縮などで基本肉厚を薄く強くしておくと更に良好
なカール加工性が得られる。
【0028】このように、口元部23となる開口鍔14
の下面側にノッチ24、14Dを形成すると、曲げカー
ル性は著しく向上し、例えば開口鍔14のみを加熱でき
ない場合や開口鍔14の下面側に熱可塑性樹脂フィルム
層17が存在して該開口鍔14の下面を加熱できない場
合にも容易に達成できる。
【0029】
【実施例】
(実施例1)坪量400g/m2 、厚み2.2mmの発
泡スチレンシート上に、ハイインパクトポリスチレン
(HIPS)樹脂を溶融押し出しし、190μmのHI
PSフィルムを積層した積層スチレン系樹脂発泡シート
を用いて、HIPSフィルムが容器の外面になるように
し、図2及び図4に示すような開口部12の直径が10
0mm、底面13の直径が60mm、高さ100mmの
絞り比約1で、基本肉厚が2mmの中間成形品10Aを
成形した後、該中間成形品10Aの開口鍔14をドイツ
国イリッヒ社製のカール装置を用いてカール加工を試み
た。
【0030】中間成形品10Aは、成形金型において成
形中に開口鍔14が約1.2mmになるまで圧縮成形し
た。開口鍔14の外直径は110mmとした(開口鍔1
4の幅は5mm)。
【0031】雌型駒3aには、直径103、106mm
の二箇所に鋭利な円周状の突起26を設け、成形中に開
口鍔14にノッチ24を形成した。このノッチ24の角
度は45度とし、深さは開口鍔14の全肉厚の1/3と
なるように約0.4mmとした。尚、前記開口鍔14の
部分で熱可塑性樹脂フィルム層17の厚さは、約0.1
5mmである。
【0032】前述の中間成形品10Aの開口鍔14に対
して前記カール装置を用いてカール加工を行った。口元
部23の成形結果は次の通りである。
【0033】
【表1】
【0034】ノッチ処理してない場合、カール部上下面
に折れ皺が発生し、カール状態も容器全周の部分でバラ
ツキがあり、平坦なシール面幅も全周にわたって一定で
ない。それに対して、ノッチ処理した場合は、ノッチ部
から折れ曲がりが起こり、皺の発生がなく、曲率半径の
小さいカールが得られ、幅3mmの平坦なシール面を全
周にわたり均一に有し、仕上り外観の優れた容器が得ら
れた。
【0035】(実施例2)実施例1に用いた積層スチレ
ン系発泡シートの容器内面側にポリプロピレンフィルム
50μmとHIPSフィルム25μmをウレタン系接着
剤で貼った複合フィルムを、HIPSフィルムが発泡ス
チレン側になるようにして熱ロールで加熱積層した積層
スチレン系樹脂発泡シートを用いて、図3に示すような
開口部12の直径が100mm、底面13の直径が60
mm、高さ約100mmの絞り比約1で、基本肉厚が2
mmの中間成形品10Aを成形した後、該中間成形品1
0Aの開口鍔14をドイツ国イリッヒ社製のカール装置
を用いてカール加工を試みた。
【0036】前記中間成形品10Aの開口鍔14は、成
形中に厚さが約1.2mmになるまで圧縮成形してあ
る。更に、開口鍔14は、図11に示すように、底面と
平行な水平部分14Aを約3mm設けた後、この水平部
分14Aの端部から下方80度方向に約3mmのスカー
ト状の先端部分14Bを設けている。また、水平部分1
4Aと先端部分14Bとの屈曲部内側(下面)には、雌
型駒に突起を設けて図に示すような幅1.5mm、深さ
0.6mmの切り欠き(ノッチ14D)を成形中に加工
してあるものを用意し、ノッチがないものと比較を行っ
た。尚、先端部分14Bの厚みは約0.8mmとした。
【0037】この中間成形品10Aの開口鍔14を前記
カール装置を用いてカール処理を行った。その結果は次
の通りである。
【0038】
【表2】
【0039】ノッチ処理しない場合、カール部の仕上り
が断面が円状となり、平坦なシール面の確保面積が減少
した。また、外観上も幅の不均一さを露呈しており、良
好な性能を有した容器とは言い難いものであった。それ
に対して、ノッチ処理した場合、容器の口元部はノッチ
部で折れたような形でカールが達成され、シール面の面
積が十分に確保された外観も円周部に凹凸のない優れた
容器の口元部が得られた。
【0040】
【発明の効果】以上にしてなる本発明によれば、シール
蓋のシール面積を確保しつつ口当りが良く且つ安全な口
元部を有するスチレン系樹脂発泡シート製容器を提供で
きる。また、容器本体の開口部の外周に形成した容器口
元部となる開口鍔の下面側に、開口鍔の全厚みの1/1
0〜1/2の深さのノッチを口元部の内側角部となる位
置に事前に形成することにより、従来のカール装置を用
いて開口鍔にカール加工を施して所望の口元部を容易に
成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る容器の製造装置の一部を示した簡
略配置図である。
【図2】カール加工前の中間成形品の一例を示し、(a)
は一部破断して示した側面図、(b) は平面図をそれぞれ
示している。
【図3】カール加工前の中間成形品の二例を示し、(a)
は一部破断して示した側面図、(b) は平面図をそれぞれ
示している。
【図4】図2の開口鍔の部分の拡大断面図である。
【図5】図3の開口鍔の部分の拡大断面図である。
【図6】カール装置を軸方向から見た簡略説明図であ
る。
【図7】同じくカール装置を側方から見た簡略説明図で
ある。
【図8】同じくカール装置によって開口鍔をカール加工
する状態を示した部分拡大断面図である。
【図9】開口鍔の下面側にノッチを形成する工程を示
し、(a) は雌型駒に突起を形成した部分断面図、(b) は
雌型駒のインコアに突起を形成した部分断面図をそれぞ
れ示す。
【図10】カール加工によって形成された口元部を示
し、(a) はノッチが一箇所の場合の口元部の部分断面
図、(b) はノッチが二箇所の場合の口元部の部分断面図
である。
【図11】図5に示した開口鍔の水平部分と先端部分の
境界部下面にノッチを形成したものを示す部分拡大断面
図である。
【図12】図11の開口鍔をカール加工して形成した口
元部の部分断面図である。
【符号の説明】
1 スチレン系樹脂発泡シート 2 加熱炉 3 金型 3a 雌型駒 3b 雄型駒 4 真空排気手段 5 自動パンチング機 10 容器 10A 中間成形品 11 容器本体 12 開口部 13 底面 14 開口鍔 14A 水平部分 14B 先端部分 14C 切断面 14D ノッチ 15 剰余発泡シート 16 スチレン系樹脂発泡シート層 17 熱可塑性樹脂フィルム層 18 屈曲部 19 スクリュー 20 回転軸 21 螺旋溝 22 突条部 23 口元部 24 ノッチ 25 シール面 26 突起 27 インコア 28 バネ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂発泡シートを加熱成形し
    て容器本体と、該容器本体の開口部の外周に容器本体底
    面と平行に張り出した部分を有する開口鍔を形成し、該
    開口鍔をカール加工して口元部を形成した容器であっ
    て、口元部の上面に少なくとも幅2mm以上の平坦なシ
    ール面を形成してなることを特徴とするカール加工した
    口元部を有するスチレン系樹脂発泡シート製容器。
  2. 【請求項2】 前記口元部の平坦なシール面の外周側に
    対応する下面側のカール角部にノッチを有してなる請求
    項1記載のカール加工した口元部を有するスチレン系樹
    脂発泡シート製容器。
  3. 【請求項3】 前記ノッチの深さを、開口鍔の全厚みの
    1/10〜1/2に設定してなる請求項2記載のカール
    加工した口元部を有するスチレン系樹脂発泡シート製容
    器。
  4. 【請求項4】 スチレン系樹脂発泡シートの少なくとも
    容器外面側に対応する面に熱可塑性樹脂フィルムを積層
    した積層スチレン系樹脂発泡シートを用いてなる請求項
    1又は2又は3記載のカール加工した口元部を有するス
    チレン系樹脂発泡シート製容器。
  5. 【請求項5】 容器高さ/開口部直径で示される絞り比
    が0.8以上である請求項1又は2又は3又は4記載の
    カール加工した口元部を有するスチレン系樹脂発泡シー
    ト製容器。
  6. 【請求項6】 スチレン系樹脂発泡シートを加熱成形し
    て容器本体と、該容器本体の開口部の外周に容器本体底
    面と平行に張り出した部分を有する開口鍔を形成した
    後、該開口鍔を残し切断し、それから開口鍔をカール加
    工して口元部を形成した容器の製造方法であって、前記
    容器本体と開口鍔の屈曲部から所定距離だけ外周側の開
    口鍔の下面側に該開口鍔の全厚みの1/10〜1/2の
    深さの環状ノッチを、開口鍔の加熱成形時又は開口鍔の
    切断時又は開口鍔の切断後に形成し、該ノッチを内側中
    心として開口鍔の先端側をカール加工して屈曲させ、上
    面に少なくとも幅2mm以上の平坦なシール面を有する
    口元部を形成してなることを特徴とするカール加工した
    口元部を有するスチレン系樹脂発泡シート製容器の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 容器高さ/開口部直径で示される絞り比
    が0.8以上である請求項6記載のカール加工した口元
    部を有するスチレン系樹脂発泡シート製容器の製造方
    法。
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