JPH09103827A - 管状部材の横孔形成方法 - Google Patents

管状部材の横孔形成方法

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JPH09103827A
JPH09103827A JP28659195A JP28659195A JPH09103827A JP H09103827 A JPH09103827 A JP H09103827A JP 28659195 A JP28659195 A JP 28659195A JP 28659195 A JP28659195 A JP 28659195A JP H09103827 A JPH09103827 A JP H09103827A
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孫年 山田
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哲男 矢島
Makoto Terahira
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NAGANO SEIKO KINZOKU KK
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Yamada Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管状部材に横孔を形成する方法において、管
状部材を切断する必要なく、フランジ部を備えた強度の
高い横孔を少ない工程数で低コストかつ容易に形成す
る。 【解決手段】 ステンレス管20の周面に略楕円形状の
開口部21を形成し、ステンレス管20の内部に、上部
の横断面形状が開口部21に挿通され得る類似形状とな
っており、下部の横断面形状が所望の横孔の開口形状に
形成されて、上部から下部にかけて円滑な曲面状に連続
形成された周面を備えた型体40を収容し、牽引軸4
2、43等を介して型体40を開口部21から外部へ引
き出す。開口部21の開口縁は型体40の上昇とともに
引き上げられ、外側へ突出したフランジ部22が形成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管状部材の横孔形成
方法に係り、特に、金属製パイプ等の管状部材の周面
に、その周縁部が外側に突出した形状の横孔を塑性変形
を利用して形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、図1に示すように消防用
の給水栓の部品として形成された双口送水管10を製造
する場合、双口送水管10の上部に形成される送水口1
1には突出したフランジ部12を形成する必要があり、
このような形状を形成する場合には、通常は当該形状に
応じた鋳型を形成し、この鋳型を用いて鋳造により形成
している。
【0003】しかし近年、国内においては製造コストの
低減に対する要求が厳しく、また、鋳造によって形成さ
れた送水管では、鋳造材料の腐食等に起因した劣化が問
題となっており、送水管として充分な強度を確保しつ
つ、送水管の製造コストの低減や耐久性の向上を図る必
要が生じている。これらの製造コストの低減、耐久性の
向上等を図るためには、例えば管状部材を素材として使
用し、これを加工することによって、上記のような双口
送水管10を製造する方法が考えられる。
【0004】管状部材に上記送水口11のような横孔を
形成する場合には、管状部材の周面を切断機を用いて単
に切断することにより開口させるか、管状部材の内部に
ダイを挿入した状態で、管状部材の外部からプレスで型
抜きをすることによって周面を開口させる方法等が考え
られる。
【0005】ここで、上記送水口11にはその周縁部が
外側に突出した形状のフランジ部12を形成する必要が
あり、このフランジ部12を形成するには、上記工程の
後にリング状の短管を溶接する等の作業が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の横孔形成方法では、フランジ部12を溶接によって
取り付ける必要があるため、管状部材の素材によって、
例えばステンレス管を使用する場合には溶接が困難であ
り、加工コストが高くなるとともに、溶接部は強度劣化
を来す可能性が高く、溶接部の強度を安定的に確保する
ことが困難であるという問題点がある。
【0007】また、プレスにより横孔を形成する場合に
は、プレス加工に必要なダイ等の型部材を管状部材の内
部に収容する必要があり、そのために開放された端部を
横孔形成部の近傍に設ける必要があることから、管状部
材を短く切断して、横孔加工を施した後に再び溶接等に
より接続する等の作業が必要になり、却って製造時の手
間やコストがかかるという問題点もある。
【0008】そこで、本発明は上記問題点を解決するも
のであり、その課題は、管状部材を切断する必要なく、
フランジ部(突出した開口縁部)を備えた強度の高い横
孔を低コストかつ容易に形成できる新規の加工方法を実
現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた手段は、管状部材の周面に該管状部材
の軸線方向に長軸を有する略長円形状若しくは略楕円形
状の開口部を形成し、前記管状部材の内部に、上部の横
断面形状を前記開口部の形状に類似し前記開口部に挿通
され得る略長円形状若しくは略楕円形状とし、下部の横
断面形状を前記開口部の前記軸線方向の長さよりも大き
い直径を備えた所望の孔形状に一致させ、上部から下部
に至るまで円滑な曲面形状に仕上げられた表面を備えた
下広形状の型体を収容し、前記開口部を通して外部に引
き出された牽引部材を該型体の上端に接続して前記型体
を前記牽引部材を介して引き出すことにより、前記管状
部材の周面に所望の開口形状を備え、周縁部が外側に突
出した横孔を開孔することを特徴とする管状部材の横孔
形成方法である。
【0010】この方法によれば、管状部材の略長円形状
若しくは略楕円形状の開口部から型体を引き出すことに
よって、開口部の周縁部を外側へ引き出しながら最終的
に型体の下部の横断面形状に合致した所望の開口断面を
持つ横孔を形成することができる。この場合に、開口部
は略長円形状若しくは略楕円形状に形成されているの
で、開口部における軸線方向の端縁部よりも周回方向の
端縁部の方が変形幅が大きく、外側ヘ引き出される肉の
量は多いが、一方、管状部材の周面形状により軸線方向
の端縁部の方が周回方向の端縁部よりも外側へ出ている
ため、結果としては外側へ突出形成される横孔の開口縁
部の端面をほぼ平坦に形成することができる。
【0011】この方法では、管状部材に形成した横孔の
開口縁部の塑性変形量を全周にわたってほぼ均一にし、
開口縁部の厚さも管壁の厚さとほぼ同様にすることがで
きるため、横孔近傍の強度を確保することができる。ま
た、型体を開口部の外側へ引き抜くようにして加工する
ため、長管や端部の閉鎖した管でも支障なく横孔を形成
できる。例えば、一つの横孔の加工が終了したら型体を
管の軸線方向に移動させて次の横孔の加工ができるの
で、管に複数の横孔を連続して形成することも可能であ
る。
【0012】ここで、前記開口部を、前記軸線方向の両
端に存在する一対の端縁部と、前記軸線方向とは直交す
る前記管状部材の周回方向の両端に存在する一対の端縁
部との間に、長円形状若しくは楕円形状よりも前記開口
部の中心寄りに張出した張出部を有する開口形状に形成
することが好ましい。
【0013】この方法によれば、開口部の開口縁に4箇
所の張出部を設けることによって、外側へ突出形成され
る横孔の開口縁部の端面をさらに平坦に形成することが
できるとともに、開口縁の部分に負担をかけることなく
円滑に塑性変形を施すことができるため、開口縁部の強
度をさらに向上させることができる。ここで、張出部の
張出量は、管状部材の径や肉厚、形成しようとする横孔
の径等によって適宜調節するべきである。
【0014】また、前記型体を、前記牽引部材に牽引さ
れて引き出される際に、前記開口部における前記軸線方
向の両端に存在する一対の端縁部よりも、前記軸線方向
とは直交する前記管状部材の周回方向の両端に存在する
一対の端縁部に対して先行して開孔変形作用を与える形
状に形成することが好ましい。
【0015】このようにすると、最初に型体によって変
形を受けるのは大きな変形幅を有する周回方向の端縁部
であり、この端縁部が変形を受けて後に、変形幅の少な
い軸線方向の端縁部が変形を受けることとなる。このた
め、変形幅の少ない軸線方向の端縁部のみ最初に変形さ
せられることによって端縁部が割れたり、肉厚が不均一
になったりすることが防止される。
【0016】さらに、前記型体の下部周面には、上記所
望の孔形状に形成された横断面形状の部分に続いて形成
された拡径部を設けることが好ましい。
【0017】この場合には、型体により、外側に突出形
成された開口縁部を備えた横孔が形成された後に、横孔
の内側縁部に拡径部が当接し、横孔の内面側が拡径部に
対応した形状に成形されるため、横孔の内側縁部を所望
形状に成形することができるとともに、開口縁部の剛性
を高めることができる。
【0018】また、前記牽引部材を可撓性の条体で構成
することが好ましい。この場合には可撓性の条体で牽引
することによって、横孔及びその開口縁部の形成方向を
牽引方向に精度良く規定することができるので、牽引方
向を設定するだけで高精度の加工を施すことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る管状部材の横孔形成方法の実施形態を説明する。
図2及び図3は本実施形態の加工工程を示す説明断面
図、図4(a)は本実施形態に用いるステンレス管の表
面に予め形成した開口部を示す平面図、図4(b)は、
図2及び図3に示す加工工程に使用する支持体の構造を
示す縦断面図である。
【0020】本実施形態では、まず、図4(a)に示す
ように、ステンレス管20の表面に開口部21をプラズ
マ切断機、レーザ加工機等の金属カッタにより形成す
る。この開口部21は以下のようにして形成される。最
初に、形成すべき横孔の形状を示す横孔予定枠Pの内部
に包含される基準枠Hを決定する。この基準枠Hは、ス
テンレス管20の軸線方向に長軸Lを有し、ステンレス
管20の周回方向に短軸Sを有する略長円形状若しくは
略楕円形状である。
【0021】基準枠Hの大きさや長軸と短軸の比率は、
ステンレス管の径及び肉厚、形成する横孔の径、形成す
る予定の上記フランジ部12の突出長さ等に応じて調整
するべきであるが、この場合、基準枠Hの長軸Lは例え
ば横孔予定枠Pの直径の約70〜90%程度に、基準枠
Hの短軸Sは横孔予定枠Pの直径の30〜60%程度に
設定される。これらの値は、後述する塑性加工工程にお
いて、形成されたフランジ部12の端部がほぼ平坦に形
成されるように試行錯誤によって調整される。
【0022】上記開口部21を基準枠Hのまま形成し
て、後述する塑性加工を行ってもよいが、フランジ部1
2の強度を確保し、フランジ部12の端部をより平坦に
形成するためには、以下のように開口部21の周縁部に
張出部21cを設ける必要がある。この張出部21c
は、基準枠Hの短軸Sに沿った端縁部21aと、同長軸
Lに沿った開口部21の端縁部21bとの間の周縁部4
か所に設けられる。
【0023】例えば、3.5mmの肉厚で外径4インチ
のステンレス管に内径80mmの横孔を形成する場合に
は、図4(a)に示す基準枠Hは、平面に投影した形状
を長軸L=65mm、短軸S=35mmの楕円とし、張
出部21cの先端部を基準枠Hの線上よりも中心点寄り
に3〜4mmだけ突出させ、張出部21cの先端部及び
根本部の曲率を共に半径65mmとする。
【0024】この開口形状は、横孔の内径が50mm〜
90mmの範囲内にある場合には、そのまま横孔の内径
の比率により拡縮した相似形とすればよい。上記開口形
状は、横孔の内径を100%とした場合、長軸Lが約8
1%、短軸Sが約44%、張出部の先端部の曲率が約8
1%である。なお、横孔の内径はステンレス管の内径以
下の任意の形状に設定することが可能であるが、加工の
容易な範囲は、横孔の内径がステンレス管の外径の約8
5%程度までである。
【0025】次に、上述のように形成した開口部21を
有するステンレス管20を、図4(b)に示すように、
ステンレス管20の外径とほぼ一致する内径の円筒面を
備えた断面馬蹄形の支持体30の内部に挿通する。この
支持体30の中央部には、上記横孔予定枠Pよりもやや
大きい径の円孔31が形成されている。ステンレス管2
0の上記開口部21は、この円孔31の中心部に来るよ
うに位置決めされる。
【0026】図2は、ステンレス管20の塑性加工工程
の初期状態を示す縦断面図である。ステンレス管20を
支持体30の内部に収容して、支持体30を図示しない
基台に固定した状態とする。そして、ステンレス管20
の内部に型体40を配置し、型体40の上部40aから
下部40bまで穿設された中心孔40c内に牽引軸42
を挿入し、牽引軸42の下端に形成されたネジ部42a
を中心孔40cの下端に形成されたザグリ部40d内に
収容されたナット41に螺合させてある。
【0027】牽引軸42は牽引軸43と自在継手構造に
より連結され、牽引軸43はさらに牽引軸44と自在継
手構造により連結されている。これらの牽引軸42、4
3、44は全体として可撓性の牽引部材を構成し、その
上端部に図示しない油圧シリンダが取り付けられ、型体
40を牽引部材を介して上方へ引き上げることができる
ようになっている。なお、牽引部材は、上記のように強
度が充分であり全体として見た場合に可撓性のある条体
で構成されることが好ましく、例えば、金属製のチェー
ン、鋼線を束ねたワイヤ等を使用することもできる。
【0028】図3は、上記型体40を油圧シリンダによ
って引き上げた状態を示すものである。型体40を油圧
によりゆっくりと引き上げると、ステンレス管20は支
持体30により支持されているので、型体40はステン
レス管20の開口部21から外側に抜け出ようとして、
開口部21の周縁部を押し広げながら上昇する。型体4
0を徐々に引き上げて、図3に示す状態で引き上げを停
止するか、或いはそのまま型体40を外側に引き出して
しまうことにより、開口部21は型体40の下部40b
の横断面形状とほぼ一致した開口形状に成形され、同時
に管肉の一部が上方へと突出してフランジ部22が形成
される。
【0029】図5は、型体40の最も好ましい形状を示
すものである。型体40としてはなるべく硬度の高い鋼
材を適宜加工して形成される。なお、図5内には参考と
して成形前のステンレス管20の開口部21の形状を点
線で示してある。図5に示すように、型体40は上部4
0aの横断面形状が開口部21内に包含されるように、
すなわち上部40aが完全に開口部21に挿通可能にな
るように形成されているとともに、その横断面形状が開
口部21の開口形状と類似するように長円形状若しくは
楕円形状に成形されている。
【0030】一方、型体40の下部40bの横断面形状
は、最終的にステンレス管20に形成される横孔の開口
形状と一致する形状に形成されている。そして、上記の
上部40aの横断面形状部と下部40bの横断面形状部
との間は、両断面形状部を円滑に繋げるように、滑らか
な曲面状の表面状態に仕上げられている。
【0031】このような型体40を用いることによっ
て、開口部21は当初の略長円形状から最終的に所望の
横孔の開口形状(図5に示す型体を使用する場合には円
形)に滑らかに変形されるとともに、フランジ部22の
端面部22aがほぼ全周囲にわたって平坦になるように
形成される。
【0032】型体40は、特に図5に示すように、ステ
ンレス管20の軸線方向に沿って、すなわち開口部21
の長軸Lに沿って切断した場合(図5(b))の周面の
輪郭線Xと、ステンレス管20の周回方向に沿って、す
なわち開口部21の短軸Sに沿って切断した場合(図5
(c))の周面の輪郭線Yとを異なる傾向の曲線で構成
して、型体40を引き上げる際に、開口部21の周縁部
のうち端縁部21aが先に型体40の周面に当接して塑
性変形し、その後、端縁部21bが型体40の周面に当
接して塑性変形するようにすることが好ましい。
【0033】このようにするには、例えば、型体40の
周面を輪郭線Xの部分では上部40a近傍では比較的急
傾斜に形成し、下部40bに進むに従って周面の傾斜が
緩やかになるように構成し、一方、輪郭線Yの部分では
上部40a近傍から周面を比較的緩やかに傾斜させれば
よい。このようにするのは、開口部21の端縁部21b
の部分を先に変形させると、開口部21の端縁部21b
と横孔予定枠Pの枠線との間隔は端縁部21aと横孔予
定枠Pの枠線との間隔よりも小さいため、急激な変形に
より当該端縁部21bが割れてしまったり、端縁部21
bの部分が薄肉になってしまうためである。端縁部21
aの方を先に変形させることによって、変形幅に余裕が
ある端縁部21aが先に上方へ突出するため、その後の
塑性変形によっても端縁部21bの部分に肉が足りなく
なるという事態は回避され、端縁部の割れや薄肉化が防
止される。
【0034】上記のように、本実施形態では、ステンレ
ス管20の内部に収容した型体40を引き上げることに
よって、予め形成した開口部21を塑性変形させるの
で、容易に所望の開口断面を備えた開口部21で構成さ
れる横孔を形成することができるとともに、同時にフラ
ンジ部22を形成することができる。ここで、フランジ
部22の端面部22aの平坦性は開口部21の図4に示
す当初の開口形状によってほぼ確保される。
【0035】また、この型体40の引き上げ時には、牽
引部材42,43,44のように可撓性のある部材を用
いることにより、牽引部材の形状等に拘わらず、常に牽
引方向を設定するだけで、開口形状及びフランジ部の形
状を牽引方向に対して真っ直ぐに成形できる。
【0036】図6及び図7は本発明の別の実施形態を示
すものである。この実施形態では、図6に示すように、
型体50を用いる他は上記の実施形態と同様である。型
体50は上部50aから下部50bまで上記型体40と
同様の形状を有し、下部50bの断面形状は最終的に形
成される横孔の開口形状にほぼ一致した形状となってい
る。この型体50においては、下部50bの更に下方に
新たな下端構造を形成している。この下端構造には、下
部50bの表面に続いて下方に裾広がり状に形成され、
垂直面に対して所定の傾斜角(例えば30度〜60度)
を備えた傾斜面部50eが設けられている。
【0037】上述の実施形態と同様に、油圧シリンダに
より型体50を上方へ引き上げてゆくと、図6に示すよ
うにステンレス管20の開口部21が塑性変形され、所
望の開口形状に成形されるとともに、フランジ部22が
突出形成される。この状態からさらに型体50を上方へ
引き上げると、図7に示すように傾斜面部50eが開口
部21の内側縁部に当接し、内側縁部を傾斜面部50e
に合致した形状に成形する。
【0038】上記傾斜面部50eが開口部21の内側に
圧接されると、必要とされる油圧シリンダの引き上げ圧
力は、それ以前に必要とした引き上げ圧力よりも急激に
増大する。この場合、油圧シリンダの油圧制御を定圧制
御方式とすれば、図7に示す状態で型体50の引き上げ
が停止するように、制御圧力を所定の圧力値に予め設定
すればよい。また、油圧シリンダの油圧制御を、型体5
0の引き上げ速度を一定とする制御方式とした場合も、
図7に示す状態で油圧は急激に増大するため、上限圧力
を予め決めておき、その上限圧力に達した時点で引き上
げを終了するように設定すればよい。
【0039】このように、傾斜面部50eにより開口部
21の内側縁部を成形することによって、フランジ部2
2の内側縁部は傾斜面部50eの表面に合致した形状に
リング状に成形されるため、横孔の内側寸法を精度良く
出すことができるとともに、フランジ部22の基部の構
造的均一性を得ることができ、特に軸線と交差する端縁
部2か所と、周回方向の線分と交差する端縁部2か所と
の間の塑性変形量の相違に基づく強度的な相違を低減す
ることができ、全体として横孔近傍の強度を向上させる
ことができる。また、傾斜面部50eによる成形によっ
て、フランジ部22の内側縁部に、送水弁を取り付ける
際の所望の段差部を横孔形成工程において同時に設ける
ことができるという利点もある。
【0040】なお、上記の傾斜面部50eは所定の角度
で傾斜したテーパ面として形成されているが、横孔の開
口縁部の形状を整えるとともに剛性を高めるには、例え
ば段差状に径が不連続に大きくなっていてもよいなど、
型体の下部周面に続いて径の拡大した拡径部が形成され
ていれば同様の効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、管
状部材の略長円形状若しくは略楕円形状の開口部から型
体を引き出すことによって、開口部の周縁部を外側へ引
き出しながら最終的に型体の下部の横断面形状に合致し
た所望の開口断面を持つ横孔を形成することができると
同時に、その周囲に外側へ突出した開口縁部を形成で
き、その開口縁部の端面をほぼ平坦に形成することがで
きる。ここで、管状部材に形成した横孔の開口縁部の塑
性変形量を全周にわたってほぼ均一にし、開口縁部の厚
さも管壁の厚さとほぼ同様にすることができるため、横
孔近傍の強度を十分に確保することができる。また、型
体を開口部の外側へ引き抜くようにして加工するため、
長管や端部の閉鎖した管でも支障なく横孔を形成できる
など、低コストかつ容易に横孔加工ができるという顕著
な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いて加工する場合に好適な加工対象
物としての送水管の形状を示す斜視図である。
【図2】本発明の塑性加工工程の初期状態を示す縦断面
図である。
【図3】同工程の塑性加工中の状態を示す縦断面図であ
る。
【図4】ステンレス管の開口部形状を示す平面図(a)
及びステンレス管を支持する支持体の構造を示す縦断面
図(b)である。
【図5】型体の形状を示す平面図(a)、縦断面図
(b)及び(b)の断面と直交する面で切断した状態を
示す縦断面図(c)である。
【図6】異なる実施形態の塑性加工工程の初期状態を示
す縦断面図である。
【図7】異なる実施形態の塑性加工中の状態を示す縦断
面図である。
【符号の説明】 20 ステンレス管 21 開口部 22 フランジ部 22a 端面部 30 支持体 31 円孔 40、50 型体 40a,50a 上部 40b,50b 下部 42,43,44 牽引軸 50e 傾斜面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢島 哲男 長野県茅野市ちの2764番地7 長野精工金 属株式会社内 (72)発明者 寺平 誠 長野県上伊那郡飯島町飯島260番地 有限 会社南原工業内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状部材の周面に該管状部材の軸線方向
    に長軸を有する略長円形状若しくは略楕円形状の開口部
    を形成し、前記管状部材の内部に、上部の横断面形状を
    前記開口部の形状に類似し前記開口部に挿通され得る略
    長円形状若しくは略楕円形状とし、下部の横断面形状を
    前記開口部の前記軸線方向の長さよりも大きい直径を備
    えた所望の孔形状に一致させ、上部から下部に至るまで
    円滑な曲面形状に仕上げられた表面を備えた下広形状の
    型体を収容し、前記開口部を通して外部に引き出された
    牽引部材を該型体の上端に接続して前記型体を前記牽引
    部材を介して引き出すことにより、前記管状部材の周面
    に所望の開口形状を備え、周縁部が外側に突出した横孔
    を開孔することを特徴とする管状部材の横孔形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記開口部は、前記
    軸線方向の両端に存在する一対の端縁部と、前記軸線方
    向とは直交する前記管状部材の周回方向の両端に存在す
    る一対の端縁部との間に、長円形状若しくは楕円形状よ
    りも前記開口部の中心寄りに張出した張出部を有する開
    口形状に形成することを特徴とする管状部材の横孔形成
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記型体は、前記牽
    引部材に牽引されて引き出される際に、前記開口部にお
    ける前記軸線方向の両端に存在する一対の端縁部より
    も、前記軸線方向とは直交する前記管状部材の周回方向
    の両端に存在する一対の端縁部に対して先行して開孔変
    形作用を与える形状に形成されていることを特徴とする
    管状部材の横孔形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記型体の下部周面
    には、上記所望の孔形状に形成された横断面形状の部分
    に続いて形成された拡径部を設けたことを特徴とする管
    状部材の横孔形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記牽引部材は、可
    撓性の条体で構成されていることを特徴とする管状部材
    の横孔形成方法。
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