JPH09103753A - ゴミの処理剤及びゴミの処理剤とゴミの攪拌・混合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 腐敗、汚水の流出、高コスト、多労働力、長
時間、悪臭等の問題を解決し得るゴミの処理剤を提供
し、ゴミの処理剤とゴミの攪拌・混合を短時間、低コス
トで行える攪拌・混合装置を提供する。 【構成】 ゴミの処理剤は生石灰４０％以上と、貝粉
と、植物粕の混合体からなる。攪拌・混合装置は第１モ
ータと１２、これにより回転する送り込みスクリュー１
８と、送り込みスクリューのケーシング２０と、ケーシ
ング２０の内部にゴミの処理剤３４を供給する手段１６
・３６・３６Ａと、ケーシング２０から前記ゴミの処理
剤３４を排出する手段２２・２４と、排出されたゴミの
処理剤とゴミを攪拌・混合するための攪拌槽３２と、そ
の中で回転自在な攪拌羽根３０と、攪拌羽根を回転させ
る第２モータ１０と、送り込みスクリューにより処理剤
の送り量を制御すべく第１モータの回転を制御する制御
手段１４とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、生ゴミ、ビール粕、生
貝、生魚等の家庭又は工場、食品加工場等で排出される
ゴミを分解させるためのゴミの処理剤及びゴミの処理剤
とゴミとの攪拌・混合を行う装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】生ゴミや生貝、生魚等の家庭又は工場、
食品加工場等から排出されるゴミの処理方法として、埋
立てや、焼却、微生物による分解、熱風での乾燥等の方
法が採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のゴミ処理方
法において、埋立ての場合、ゴミが土中で腐敗してしま
い、また降雨により汚水が流れ出すという問題がある。
さらに、焼却の場合、貝殻については完全焼却には多大
なコストが必要であるという問題がある。次に、微生物
で分解する場合は、分解できない物質、例えば、貝殻
や、豚の骨等を人手によって分別する必要があるため、
時間とコストがかかり過ぎるという問題がある。また、
熱風で乾燥させる場合は、処理過程で悪臭が発生すると
ともにコストがかかり過ぎるという問題がある。

【０００４】したがって、本発明は腐敗、汚水の流出、
高コスト、多労働力、長時間、悪臭の発生等の従来のゴ
ミ処理技術の抱える問題を解決し得るゴミの処理剤を提
供するとともに、かかるゴミの処理剤とゴミの攪拌・混
合を短時間で、かつ低コストで行うことのできる攪拌・
混合装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達
成するために、生石灰４０％以上と、貝粉と、植物粕の
混合体からゴミの処理剤を組成している。

【０００６】すなわち本発明によれば、生石灰４０％以
上と、貝粉と、植物粕の混合体からなるゴミの処理剤が
提供される。

【０００７】さらに本発明によれば、第１モータ１２
と、第１モータにより回転する送り込みスクリュー１８
と、送り込みスクリュー１８のケーシング２０と、ケー
シング２０の内部にゴミの処理剤３４を供給する手段１
６・３６・３６Ａと、ケーシング２０から前記ゴミの処
理剤３４を排出する手段２２・２４と、排出されたゴミ
の処理剤とゴミを攪拌・混合するための攪拌槽３２と、
攪拌槽内３２で回転自在な攪拌羽根３０と、攪拌羽根を
回転させる第２モータ１０と、送り込みスクリューによ
る処理剤の送り量を制御すべく第１モータの回転を制御
する制御手段１４とを、有するゴミの処理剤とゴミの攪
拌・混合装置が提供される。

【０００８】

【作用】本発明のゴミ処理剤は上記構成なので、生石灰
がゴミの水分に反応し、発熱するため乾燥が促進され、
また、生石灰及び貝粉が強アルカリ性のため殺菌効果及
び脱臭効果が期待でき、さらに、植物粕中の植物繊維が
吸水性を持っているため乾燥が促進され、植物粕中の油
脂が生石灰の反応を制御することができる。

【０００９】また、本発明のゴミの処理剤とゴミの攪拌
・混合装置の使用により、被処理物の水分に合った量の
処理剤を自動的に供給して、ゴミと攪拌・混合すること
ができる。また、この攪拌・混合装置では攪拌羽根の逆
転制御により攪拌羽根やそのアームにまとわりついた処
理物を落とし、より均一にゴミの処理剤とゴミを攪拌す
ることができる。

【００１０】

【実施例】以下表及び図面と共に本発明の好ましい実施
例について説明する。 ＜ゴミの処理剤＞本発明によるゴミの処理剤の一実施例
として次の成分のものを製造した。 １ 生石灰 ６０％（Ｃａ９７％） ２ 貝粉（主としてホタテ貝） ２０％ ３ 植物粕（乾燥オカラ） ２０％

【００１１】上記各成分は、次のような作用をもたら
す。 ４０％以上、好ましくは６０％程度の生石灰を用い
ることにより、生石灰は水分に反応し、発熱する。最高
の発熱温度は９５℃まで上昇する。この発熱により、処
理物の水分が蒸発し、乾燥が促進される。

【００１２】 貝粉（主としてホタテ貝の貝殻）を約
２０％程度混入することにより、殺菌効果が期待でき
る。これは、貝殻の持つ特性、特にＰＨ９．６乃至１０
という強アルカリ性のためである。この殺菌効果によ
り、処理物の腐敗が防止され、高い脱臭効果がもたらさ
れる。なお、ホタテ貝の他にカキ殻を用いることもでき
る。

【００１３】 植物粕（乾燥オカラ）を約２０％程度
混入することにより、生石灰による発熱の制御と、水分
の吸収、乾燥の促進が期待できる。すなわち、植物粕
（乾燥オカラ）により生石灰と水の反応による急激な温
度上昇による危険を防止することができる。これは、乾
燥オカラの原料である大豆の有する油分が程良く生石灰
に混ざり、この油脂が生石灰の発熱を抑制・制御するた
めである。したがって、反応速度を遅くすることがで
き、ゴミの分解によりゴミが固形化することなく、粉体
化することができる。また、大豆の有する植物繊維が極
めて高い吸水性を有し、処理物の水分の吸収、乾燥の促
進が行われる。なお、乾燥オカラと共に、又はこれに代
えて米ヌカ、ヤシガラを用いることができる。

【００１４】上記生石灰の成分を表１に示す。

【００１５】

【表１】

【００１６】次に上記貝粉の原料として用いることので
きるホタテ貝の貝殻の成分を表２に示す。

【００１７】

【表２】

【００１８】次に上記貝粉の原料として用いることので
きるカキ殻の成分を表３に示す。

【００１９】

【表３】

【００２０】次に上記植物粕として用いることのできる
オカラの成分を表４に示す。

【００２１】

【表４】

【００２２】＜ゴミの処理剤とゴミの攪拌・混合装置＞
図１は本発明のゴミの処理剤とゴミの攪拌・混合装置の
好ましい実施例の部分断面図である。図１に従って説明
すると、ゴミの処理剤３４を蓄えておく図示しない処理
剤タンクからゴミの処理剤３４がホッパ１６に供給され
る。ホッパ１６は上部から下部へ向かってテーパー状に
水平断面口径が小さくなる形状をしている。ホッパ１６
の下部出口は筒状の処理剤投入口３６に連通していて、
この処理剤投入口３６には処理剤３４を下部へ投入する
ための開閉自在のシャッタ３６Ａが設けられている。処
理剤投入口３６の下方にはスクリューコンベヤ（単にス
クリューという）１８のケーシング２０が略水平に配置
され、ケーシング２０の一方の端部付近の上部開口に処
理剤投入口３６の下端出口が接続されて、連通してい
る。

【００２３】ケーシング２０は円筒状で、その内部には
軸方向に複数の段を形成するスクリュー羽根を有するス
クリュー１８がケーシング２０の内部でケーシング２０
の軸を中心に回転可能に支持されている。スクリュー１
８は、ケーシング２０の図中右端外部に配置されたギヤ
ード・モータ１２により回転駆動される。また、図示し
ない操作盤を有するコントローラ１４が設けられてい
て、ギヤード・モータ１０、１２の回転が制御される。
図中、Ｐはスクリユー１８のピッチである。また、貯留
空間３８はケーシング２０内部の貯留空間である。ケー
シング２０の左端近傍の下部には、送り込みシュート２
２に連通する開口があり、送り込みシュート２２は垂直
方向、図中下方に伸長し、ケーシング２０の下方に設け
られている攪拌槽３２の上部開口を通して、攪拌槽３２
の上部空間に連通している。送り込みシュート２２の下
端にはノズル２４が取り付けられている。

【００２４】攪拌槽３２の内部には、スピンドル２８が
垂直方向に伸長し、回転可能に支持されていて、このス
ピンドル２８には複数の攪拌アーム２６が半径方向外方
へ伸長する形で取り付けられている。さらに、各攪拌ア
ーム２６の先端には攪拌羽根３０が取り付けられてい
る。図中４０は攪拌槽３２内のゴミとゴミの処理剤の混
合体である。スピンドル２８は、攪拌槽３２の外部下方
に設けられているギヤード・モータ１０に接続され、回
転駆動されるようになっている。

【００２５】図１のゴミの処理剤とゴミの攪拌・混合装
置は次のように動作する。スクリュー１８に連結された
ギヤード・モータ１２がコントローラ１４により制御さ
れ、処理の対象となるゴミである被処理物の含有水分に
見合った配合の処理剤３４がホッパ１６より送り込みシ
ュート２２へと流れ落ちる。すなわち、シャッタ３６Ａ
が所定時間開かれる。ケーシング２０内の貯留空間３８
に導入された処理剤３４は、ギヤード・モータ１２の回
転によりスクリュー１８が回転して図中右から左方向へ
送り込まれ、送り込みシュート２２と、その先端のノズ
ル２４を経て、攪拌槽３２内に適量が送り込まれる。一
方、スピンドル２８に連結されたギヤード・モータ１０
もコントローラ１４に制御され、正逆回転が交互に行わ
れる。この交互の逆転により、攪拌アーム２６や攪拌羽
根３０にまとわりついた被処理物や処理剤をほぐし、剥
離、落下させることができる。その結果、被処理物と処
理剤とが均一に混合される。また、必要に応じて、コン
トローラ１４による制御により回転速度に緩急を付けた
り、回転方向と回転速度をランダムに変化させることも
できる。

【００２６】このように、本発明のゴミの処理剤とゴミ
の攪拌・混合装置は、ゴミに混合すべき処理剤の量を簡
単に調節することができるので、例えば生ゴミの中でも
野菜等のように多量の水分を含んでいるものと、残飯等
のように比較的水分の少ないもので、脱臭効果が期待さ
れるものとによって、ギヤード・モータ１２の回転数を
制御することにより、ノズル２４からの処理剤３４の吐
出量を所望のものとすることができる。

【００２７】図２は、コントローラ１４の制御を説明す
るためのフローチャートである。すなわち、コントロー
ラ１４はＣＰＵ（中央演算処理装置）、メモリ、インタ
フェース等で構成することができ、図２は、かかるＣＰ
Ｕの動作を示すものである。ステップＳ１では、図示し
ないＲＡＭ等のメモリ内容をクリアする等のイニシャラ
イズを行う。ステップＳ２では、図示しない操作盤から
の入力情報を読み込む。この情報としては、被処理物の
量、含有水分等がある。ステップＳ３では、かかる情報
からスクリュー１８の送り量と攪拌アーム２６の回転の
態様が決められる。この決定に従って、ステップＳ４及
びステップＳ５にてギヤード・モータ１２とギヤード・
モータ１０が順次制御される。

【００２８】図１のスクリュー１８を中心とする処理剤
３４の送り機構は、処理時間の短縮、悪臭の防止等の観
点から処理剤３４を速やかに攪拌槽３２に導くことが要
求される。そこでスクリュー１８には、送りネジである
角ネジを使用している。

【００２９】以上本発明のゴミの処理剤及びゴミの処理
剤とゴミとの攪拌・混合を行う装置について説明した
が、これらは次に挙げる各種建物、工場等から排出され
るゴミの処理、特に脱臭、乾燥に利用することができ
る。 ○家庭、ビル、ホテル、病院、デパート、給食センター
等からの厨房残飯 ○養殖場、水産加工場、農産加工場、魚肉市場からの廃
棄物 ○ビール工場からのビール粕、 ○ジュース工場からのジュース粕、 ○船舶からのビルジー（船槽汚泥） ○水産加工場、電力会社からの生貝、海草 ○豆腐工場、スーパーからのオカラ ○船舶、テンプラ屋、ガソリンスタンドからの各種廃油

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴミ処理
剤は上記の成分を有するので、第１の成分である生石灰
がゴミの水分に反応し、発熱させるため乾燥が促進さ
れ、さらに、強アルカリ性のため殺菌効果が期待でき
る。また第２の成分である貝粉も同様に強アルカリ性の
ため殺菌効果が期待でき、さらに脱臭効果も期待でき
る。さらに、第３の成分である植物粕中の植物繊維が吸
水性を持っているため乾燥が促進され、植物粕中の油脂
が生石灰の反応を制御する。かかる作用により、反応速
度を制御することができ、ゴミを固形化することなく粉
体化することができ、粉体化したゴミは腐敗することな
く、長期間の保存が可能になり、土地改良剤、肥料等と
することができる。また、各成分の混合比率を変化させ
ることにより、粉の用途拡大を図ることができる。

【００３１】また、本発明のゴミの処理剤とゴミの攪拌
・混合装置の使用により、被処理物の水分に合った量の
処理剤を自動的に供給し、ゴミと攪拌・混合することが
できる。また、この攪拌・混合装置では、逆転制御によ
り攪拌羽根やそのアームにまとわりついた処理物を落と
し、より均一にゴミの処理剤とゴミを攪拌することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のゴミの処理剤とゴミの攪拌・混合装置
の好ましい実施例の部分断面図である。

【図２】図１の実施例におけるコントローラの動作を示
すフローチャートである。

【符号の説明】

１０ ギヤード・モータ（第２モータ） １２ ギヤード・モータ（第１モータ） １４ コントローラ（第１モータの回転を制御する制御
手段・第２モータを逆回転させる手段） １６ ホッパ（処理剤投入３６、シャッタ３６Ａととも
に供給する手段を構成する） １８ スクリュー（スクリューコンベヤ） ２０ ケーシング ２２ 送り込みシュート（ノズル２４とともに排出する
手段を構成する） ２４ ノズル ２６ 攪拌アーム ２８ スピンドル ３０ 攪拌羽根 ３２ 攪拌槽 ３４ 処理剤 ３６ 処理剤投入口 ３６Ａ シャッタ ３８ 貯留空間 ４０ 混合体 Ｐ スクリュー１８のピッチ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 生石灰４０％以上と、貝粉と、植物粕の
   混合体からなるゴミの処理剤。
2. 【請求項２】 前記混合体は前記生石灰が約６０％であ
   り、前記貝粉が約２０％であり、前記植物粕が約２０％
   である請求項１記載のゴミの処理剤。
3. 【請求項３】 前記貝粉の主成分はホタテ貝及び／又は
   カキであり、前記植物粕の主成分は乾燥オカラ及び／又
   は米ヌカ及び／又はヤシガラである請求項１又は２記載
   のゴミの処理剤。
4. 【請求項４】 第１モータ（１２）と、前記第１モータ
   により回転する送り込みスクリュー（１８）と、 前記送り込みスクリューのケーシング（２０）と、 前記ケーシングの内部にゴミの処理剤（３４）を供給す
   る手段（１６・３６・３６Ａ）と、 前記ケーシングから前記ゴミの処理剤を排出する手段
   （２２・２４）と、 前記排出されたゴミの処理剤とゴミを攪拌・混合するた
   めの攪拌槽（３２）と、 前記攪拌槽内で回動自在な攪拌羽根（３０）と、前記攪
   拌羽根を回転させる第２モータ（１０）と、 前記送り込みスクリューによる処理剤の送り量を制御す
   べく前記第１モータの回転を制御する制御手段（１４）
   とを、 有するゴミの処理剤とゴミの攪拌・混合装置。
5. 【請求項５】 前記送り込みスクリュー（１８）に送り
   ネジである角ネジが用いられている請求項４記載のゴミ
   の処理剤とゴミの攪拌・混合装置。
6. 【請求項６】 前記攪拌羽根（３０）に付着するゴミ及
   び前記ゴミの処理剤等を脱落させるため、前記第２モー
   タ（１０）を逆回転させる手段（１４）を更に有する請
   求項４又は５記載のゴミの処理剤とゴミの攪拌・混合装
   置。