JPH09101538A - アクティブマトリクス型液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

アクティブマトリクス型液晶表示装置およびその製造方法

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JPH09101538A
JPH09101538A JP25736695A JP25736695A JPH09101538A JP H09101538 A JPH09101538 A JP H09101538A JP 25736695 A JP25736695 A JP 25736695A JP 25736695 A JP25736695 A JP 25736695A JP H09101538 A JPH09101538 A JP H09101538A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色色調が均一である視野角の範囲が広く、
ブラウン管並の視野角を実現でき、かつ、画質を向上さ
せることが可能となるアクティブマトリクス型液晶表示
装置を提供する。 【解決手段】 一対の基板と、前記一対の基板間に挟持
される液晶層と、前記一方の基板上にマトリクス状に形
成される複数のアクティブ素子と、前記複数のアクティ
ブ素子にそれぞれ接続される複数の画素電極と、前記一
対の基板のいずれか一方の基板上に形成され、前記画素
電極との間で基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印加す
る複数の対向電極と、前記一対の基板の液晶層を挾持す
る面と反対側の面上に形成される2枚の偏光板とを、少
なくとも有するアクティブマトリクス型液晶表示装置に
おいて、前記液晶層が、1画素内で2方向の液晶分子の
初期配向方向を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に係わ
り、特に、横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表
示装置に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタ(TFT)に代表され
るアクティブ素子を用いたアクティブマトリクス型液晶
表示装置は薄い、軽量という特徴とブラウン管に匹敵す
る高画質という点から、OA機器等の表示端末装置とし
て広く普及し始めている。
【0003】このアクティブマトリクス型液晶表示装置
の表示方式には、大別して、次の2通りの表示方式が知
られている。
【0004】1つは、2つの透明電極が形成された一対
の基板間に液晶層を封入し、2つの透明電極に駆動電圧
を印加することにより、基板界面にほぼ直角な方向の電
界により液晶層を駆動し、透明電極を透過し液晶層に入
射した光を変調して表示する方式(以下、縦電界方式と
称する)であり、現在、普及している製品が全てこの方
式を採用している。
【0005】しかしながら、前記縦電界方式を採用した
アクティブマトリクス型液晶表示装置においては、視角
方向を変化させた際の輝度変化が著しく、特に、中間調
表示を行った場合、視角方向により階調レベルが反転し
てしまう等、実用上問題があった。
【0006】また、もう1つは、一対の基板間に液晶層
を封入し、同一基板あるいは両基板上に形成された2つ
の電極に駆動電圧を印加することにより、基板界面にほ
ぼ平行な方向の電界により液晶層を駆動し、2つの電極
の隙間から液晶層に入射した光を変調して表示する方式
(以下、横電界方式と称する)であるが、この横電界方
式を採用したアクティブマトリクス型液晶表示装置は未
だ実用化されていない。
【0007】しかしながら、この横電界方式を採用した
アクティブマトリクス型液晶表示装置は、広視野角、低
負荷容量等の特徴を有しており、この横電界方式は、ア
クティブマトリクス型液晶表示装置に関して有望な技術
である。
【0008】前記横電界方式を採用したアクティブマト
リクス型液晶表示装置の特徴に関しては、特許出願公表
平5−505247号公報、特公昭63−21907号
公報、特開平6−160878号公報を参照されたい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記横電界方式を採用
したアクティブマトリクス型液晶表示装置では、液晶分
子を面内で回転させることにより光を変調し、表示を行
っている。
【0010】これにより、前記縦電界方式を採用したア
クティブマトリクス型液晶表示装置と比較して、視野角
が著しく広いという特徴を有している。
【0011】しかしながら、前記横電界方式を採用した
アクティブマトリクス型液晶表示装置においては、ある
方向に視野角を傾けた場合に、均一な色調を実現でき
ず、視野角が狭くなり、ブラウン管(CRT)等の自発
光表示装置に匹敵する視野角を達成できないという問題
点があった。
【0012】即ち、液晶分子が回転したときの、その長
軸方向に視野角を傾けると、その他の方位に視野角を傾
けた場合よりも液晶分子の複屈折異方性が変化しやす
く、その方位で、他の方位より階調が反転しやすくかつ
色調が変化しやすい。
【0013】特に、ノーマリブッラクモードで白表示を
した場合、白色の色調が、その方位で青色にシフトす
る。
【0014】また、それと90°の角度をなす液晶分子
の短軸方向では、複屈折異方性は変化しないが、視野角
の傾きにしたがって光路長が増加することにより、白色
の色調が、その方位で黄色にシフトする。
【0015】その結果、1部の方位において均一な色調
を実現できず、視野角が狭くなり、ブラウン管に匹敵す
る視野角を達成できないという問題点があった。
【0016】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、本発明の目的は、横電界
方式を採用したアクティブマトリクス型液晶表示装置に
おいて、白色色調が均一である視野角の範囲が広く、ブ
ラウン管並の視野角を実現でき、かつ、画質を向上させ
ることが可能となる技術を提供することにある。
【0017】本発明の前記目的並びにその他の目的及び
新規な特徴は、本明細書の記載及び添付図面によって明
らかにする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記の通りである。
【0019】(1)一対の基板と、前記一対の基板間に
挟持される液晶層と、前記一方の基板上にマトリクス状
に形成される複数のアクティブ素子と、前記複数のアク
ティブ素子にそれぞれ接続される複数の画素電極と、前
記一対の基板のいずれか一方の基板上に形成され、前記
画素電極との間で基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印
加する複数の対向電極と、前記一対の基板の液晶層を挾
持する面と反対側の面上に形成される2枚の偏光板と
を、少なくとも有するアクティブマトリクス型液晶表示
装置において、前記液晶層が、1画素内で2方向の液晶
分子の初期配向方向を有することを特徴とする。
【0020】(2)前記(1)の手段において、前記液
晶層が、正の誘電率異方性を有し、前記2方向の液晶分
子の初期配向方向と印加電界方向とのなす角度φLC
1、φLC2が、それぞれ90°+α、90°−αであ
るとともに、前記2枚の偏光板の偏光透過軸と印加電界
方向とのなす角度φP1、φP2が、それぞれ90°、
0°であることを特徴とする。
【0021】(3)前記(1)の手段において、前記液
晶層が、負の誘電率異方性を有し、前記2方向の液晶分
子の初期配向方向と印加電界方向とのなす角度φLC
1、φLC2が、それぞれ0°+α、180°−αであ
るとともに、前記2枚の偏光板の偏光透過軸と印加電界
方向とのなす角度φP1、φP2が、それぞれ90°、
0°であることを特徴とする。
【0022】(4)前記(2)または(3)の手段にお
いて、前記αの絶対値が、2.5°以下であることを特
徴とする。
【0023】(5)前記(1)の手段において、前記2
方向の初期配向方向と印加電界方向とのなす角度φLC
1、φLC2が、それぞれ45°、135°であるとと
もに、前記2枚の偏光板の偏光透過軸と印加電界方向と
のなす角度φP1、φP2が、それぞれ90°、0°で
あることを特徴とする。
【0024】(6)前記(1)ないし(5)の手段にお
いて、前記2方向の液晶分子の初期配向方向の境界を、
画素内の画素電極もしくは対向電極上に配置することを
特徴とする。
【0025】(7)一対の基板と、前記一対の基板間に
挾持される液晶層と、前記一方の基板上にマトリクス状
に形成される複数のアクティブ素子と、前記複数のアク
ティブ素子にそれぞれ接続される複数の画素電極と、前
記一対の基板のいずれか一方の基板上に形成され、前記
画素電極との間で基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印
加する複数の対向電極と、前記一対の基板上に形成され
前記液晶層と接する一対の配向膜と、前記一対の基板の
液晶層を挾持する面と反対側の面上に形成される2枚の
偏光板とを、少なくとも有するアクティブマトリクス型
液晶表示装置の製造方法において、前記一対の配向膜
に、1画素内で2方向のラビング処理を施すことを特徴
とする。
【0026】(8)一対の基板と、前記一対の基板間に
挾持される液晶層と、前記一方の基板上にマトリクス状
に形成される複数のアクティブ素子と、前記複数のアク
ティブ素子にそれぞれ接続される複数の画素電極と、前
記一対の基板のいずれか一方の基板上に形成され、前記
画素電極との間で基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印
加する複数の対向電極と、前記一対の基板上に形成され
前記液晶層と接する一対の配向膜と、前記一対の基板の
液晶層を挾持する面と反対側の面上に形成される2枚の
偏光板とを、少なくとも有するアクティブマトリクス型
液晶表示装置の製造方法において、液晶層にカイラル剤
を混入し、前記一対の配向膜のいずれか一方に、1画素
内で2方向のラビング処理を施すことを特徴とする。
【0027】(9)一対の基板と、前記一対の基板間に
挾持される液晶層と、前記一方の基板上にマトリクス状
に形成される複数のアクティブ素子と、前記複数のアク
ティブ素子にそれぞれ接続される複数の画素電極と、前
記一対の基板のいずれか一方の基板上に形成され、前記
画素電極との間で基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印
加する複数の対向電極と、前記一対の基板上に形成され
前記液晶層と接する一対の配向膜と、前記一対の基板の
液晶層を挾持する面と反対側の面上に形成される2枚の
偏光板とを、少なくとも有するアクティブマトリクス型
液晶表示装置の製造方法において、前記一対の配向膜の
1画素内のそれぞれ異なる領域に、2方向の所定の偏光
方向を有するレーザー光を照射することにより、前記液
晶層に、1画素内で2方向の液晶分子の初期配向方向を
付与することを特徴とする。
【0028】前記手段によれば、横電界方式を採用した
アクティブマトリクス型液晶表示装置において、1画素
内に、白表示を行っている液晶分子の角度が、互いに9
0°の角度をなす2方向存在するようにしたので、互い
に色調のシフトを相殺して、白色色調の方位による依存
性を大幅に低減することが可能となる。
【0029】例えば、複屈折性ノーマリブッラクモード
(電圧無印加時に暗、電圧印加時に明)の場合に、2枚
の偏光板の偏光透過軸は直交し(クロスニコル)、それ
ぞれの偏光透過軸と電界によって回転した液晶分子の長
軸のなす角が45°となったとき最大透過率、すなわち
白表示を得る。
【0030】その状態で、液晶分子の長軸方向の方位
(偏光透過軸から45°の角度)から白表示を見た場
合、複屈折異方性の変化し、白色の色調が、その方位で
青色にシフトする。
【0031】また、それと90°の角度をなす液晶分子
の短軸方向(偏光透過軸から−45°の角度)では、複
屈折異方性は変化しないが、視野角の傾きにしたがって
光路長が増加することにより、白色の色調が、その方位
で黄色にシフトする。
【0032】青色と黄色と色度座標で補色の関係にあ
り、その2色を混合させると白色になる。
【0033】したがって、1画素内に、白表示を行って
いる液晶分子の角度が、互いに90°の角度をなす2方
向存在すれば、互いに色調のシフトを相殺して、白色色
調の方位による依存性を大幅に低減することが可能とな
る。
【0034】また、同様に、階調反転についても、階調
反転しにくい液晶分子の短軸方向と、階調反転しやすい
液晶分子の長軸方向との特性が平均され、階調反転に弱
い方向での非階調反転視野角を拡大することができる。
【0035】それにより、階調の均一性および色調の均
一性が全方位で平均化または拡大し、ブラウン管に近い
広視野角を実現することが可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の発
明の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0038】[発明の実施の形態1]まず始めに、本発
明の実施の形態で構成した横電界方式のアクティブ・マ
トリクス方式カラー液晶表示装置の概略を説明する。
【0039】《マトリクス部(画素部)の平面構成》図
1は、本発明の一発明の実施の形態(発明の実施の形態
1)であるアクティブマトリクス方式のカラー液晶表示
装置の一画素とその周辺を示す平面図である。
【0040】図1に示すように、各画素は隣接する2本
の走査信号線(ゲート信号線または水平信号線)(G
L)と、隣接する2本の映像信号線(ドレイン信号線ま
たは垂直信号線)(DL)との交差領域内(4本の信号
線で囲まれた領域内)に配置されている。
【0041】各画素は、薄膜トランジスタ(TFT)、
蓄積容量(Cstg)、画素電極(PX)、対向電極
(CT)および対向電圧信号線(コモン信号線)(C
L)とを含んでいる。
【0042】ここで、走査信号線(GL)、対向電圧信
号線(CL)は、図1においては左右方向に延在し、上
下方向に複数本配置されている。
【0043】また、映像信号線(DL)は、上下方向に
延在し、左右方向に複数本配置されている。
【0044】また、画素電極(PX)は、薄膜トランジ
スタ(TFT)のソース電極(SD1)と接続され、さ
らに、対向電極(CT)は、対向電圧信号線(CL)と
一体に構成されている。
【0045】画素電極(PX)と対向電極(CT)とは
互いに対向し、各画素電極(PX)と対向電極(CT)
との間の電界により液晶層(LC)の光学的な状態を制
御し、表示を制御する。
【0046】画素電極(PX)と対向電極(CT)とは
櫛歯状に構成され、それぞれ、図1においては上下方向
に長細い電極となっている。
【0047】本発明の実施の形態では、画素電極(P
X)は下開きのコの字型、対向電極(CT)は対向電圧
信号線(CL)から下方向に突起した櫛歯形の形状をし
ており、画素電極(PX)と対向電極(CT)の間の領
域は1画素内で4分割されている。
【0048】《表示マトリクス部(画素部)の断面構
成》図2は、図1に示す3−3切断線における断面を示
す断面図、図3は、図1に示す4−4切断線における薄
膜トランジスタ(TFT)の断面を示す断面図、図4
は、図1に示す5−5切断線における蓄積容量(Cst
g)の断面を示す断面図である。
【0049】図2〜図4に示すように、液晶層(LC)
を基準にして下部透明ガラス基板(SUB1)側には、
薄膜トランジスタ(TFT)、蓄積容量(Cstg)お
よび電極群が形成され、上部透明ガラス基板(SUB
2)側には、カラーフィルタ(FIL)、遮光用ブラッ
クマトリクスパターン(BM)が形成されている。
【0050】また、透明ガラス基板(SUB1、SUB
2)のそれぞれの内側(液晶層(LC)側)の表面に
は、液晶の初期配向を制御する配向膜(ORI1、OR
I2)が設けられており、透明ガラス基板(SUB1、
SUB2)のそれぞれの外側の表面には、それぞれ偏光
板(POL1、POL2)が設けられている。
【0051】以下、より詳細な構成について説明する。
【0052】《TFT基板》まず、下部透明ガラス基板
(SUB1)側(TFT基板)の構成を詳しく説明す
る。
【0053】《薄膜トランジスタ(TFT)》薄膜トラ
ンジスタ(TFT)は、ゲート電極(GT)に正のバイ
アスを印加すると、ソース−ドレイン間のチャネル抵抗
が小さくなり、バイアスを零にすると、チャネル抵抗は
大きくなるように動作する。
【0054】薄膜トランジスタ(TFT)は、図3に示
すように、ゲート電極(GT)、ゲート絶縁膜(G
I)、i型(真性、intrinsic、導電型決定不
純物がドープされていない)非晶質シリコン(Si)か
らなるi型半導体層(AS)、一対のソース電極(SD
1)、ドレイン電極(SD2)を有す。
【0055】なお、ソース電極(SD1)、ドレイン電
極(SD2)は本来その間のバイアス極性によって決ま
るもので、この液晶表示装置の回路ではその極性は動作
中反転するので、ソース電極(SD1)、ドレイン電極
(SD2)は動作中入れ替わると理解されたい。
【0056】しかし、以下の説明では、便宜上一方をソ
ース電極(SD1)、他方をドレイン電極(SD2)と
固定して表現する。
【0057】なお、本発明の実施の形態では、薄膜トラ
ンジスタ(TFT)として、非晶質(アモルファス)シ
リコン薄膜トランジスタ素子を用いたが、これに限定さ
れず、ポリシリコン薄膜トランジスタ素子、シリコンウ
エハ上のMOS型トランジスタ、有機TFT、または、
MIM(Metal−Insulator−Meta
l)ダイオード等の2端子素子(厳密にはアクティブ素
子ではないが、本発明ではアクティブ素子とする)を用
いることも可能である。
【0058】《ゲート電極(GT)》ゲート電極(G
T)は、走査信号線(GL)と連続して形成されてお
り、走査信号線(GL)の一部の領域がゲート電極(G
T)となるように構成されている。
【0059】ゲート電極(GT)は、薄膜トランジスタ
(TFT)の能動領域を超える部分であり、i型半導体
層(AS)を完全に覆う(下方からみて)ように、それ
より大き目に形成されている。
【0060】これにより、ゲート電極(GT)の役割の
ほかに、i型半導体層(AS)に外光やバックライト光
が当たらないように工夫されている。
【0061】本発明の実施の形態では、ゲート電極(G
T)は、単層の導電膜(g1)で形成されており、導電
膜(g1)としては、例えば、スパッタリングで形成さ
れたアルミニウム(Al)系の導電膜が用いられ、その
上にはアルミニウム(Al)の陽極酸化膜(AOF)が
設けられている。
【0062】《走査信号線(GL)》走査信号線(G
L)は、導電膜(g1)で構成されており、この走査信
号線(GL)の導電膜(g1)は、ゲート電極(GT)
の導電膜(g1)と同一製造工程で形成され、かつ一体
に構成されている。
【0063】この走査信号線(GL)により、外部回路
からゲート電圧(VG)をゲート電極(GT)に供給す
る。
【0064】また、走査信号線(GL)上にもアルミニ
ウム(Al)の陽極酸化膜(AOF)が設けられてい
る。
【0065】なお、映像信号線(DL)と交差する部分
は、映像信号線(DL)との短絡の確率を小さくするた
め細くし、また、短絡しても、レーザートリミングで切
り離すことができるように二股にされている。
【0066】《対向電極(CT)》対向電極(CT)
は、ゲート電極(GT)および走査信号線(GL)と同
層の導電膜(g1)で構成されている。
【0067】また、対向電極(CT)上にもアルミニウ
ム(Al)の陽極酸化膜(AOF)が設けられている。
【0068】対向電極(CT)には、対向電圧(Vco
m)が印加されるように構成されている。
【0069】本発明の実施の形態では、対向電圧(Vc
om)は、映像信号線(DL)に印加される最小レベル
の駆動電圧(VDmin)と最大レベルの駆動電圧(VD
max)との中間直流電位から、薄膜トランジスタ素子
(TFT)をオフ状態にするときに発生するフィードス
ルー電圧(ΔVs分)だけ低い電位に設定されるが、映
像信号駆動回路で使用される集積回路の電源電圧を約半
分に低減したい場合は、交流電圧を印加すれば良い。
【0070】《対向電圧信号線(CL)》対向電圧信号
線(CL)は、導電膜(g1)で構成されている。
【0071】この対向電圧信号線(CL)の導電膜(g
1)は、ゲート電極(GT)、走査信号線(GL)およ
び対向電極(CT)の導電膜(g1)と同一製造工程で
形成され、かつ対向電極(CT)と一体に構成されてい
る。
【0072】この対向電圧信号線(CL)により、外部
回路から対向電圧(Vcom)を対向電極(CT)に供
給する。
【0073】また、対向電圧信号線(CL)上にもアル
ミニウム(Al)の陽極酸化膜(AOF)が設けられて
いる。
【0074】また、対向電極(CT)および対向電圧信
号線(CL)は、上部透明ガラス基板(SUB2)(カ
ラーフィルタ基板)側に形成してもよい。
【0075】《絶縁膜(GI)》絶縁膜(GI)は、薄
膜トランジスタ(TFT)において、ゲート電極(G
T)と共に半導体層(AS)に電界を与えるためのゲー
ト絶縁膜として使用される。
【0076】絶縁膜(GI)は、ゲート電極(GT)お
よび走査信号線(GL)の上層に形成されており、絶縁
膜(GI)としては、例えば、プラズマCVDで形成さ
れた窒化シリコン膜が選ばれ、1200〜2700オン
グストロームの厚さに(本発明の実施の形態では、24
00オングストローム程度)形成される。
【0077】ゲート絶縁膜(GI)は、表示マトリクス
部(AR)の全体を囲むように形成され、周辺部は外部
接続端子(DTM、GTM)が露出されるように除去さ
れている。
【0078】絶縁膜(GI)は、走査信号線(GL)お
よび対向電圧信号線(CL)と、映像信号線(DL)と
の電気的絶縁にも寄与している。
【0079】《i型半導体層(AS)》i型半導体層
(AS)は、非晶質シリコンで、200〜2200オン
グストロームの厚さに(本発明の実施の形態では、20
00オングストローム程度の膜厚)形成される。
【0080】層(d0)は、オーミックコンタクト用の
リン(P)をドープしたN(+)型非晶質シリコン半導
体層であり、下側にi型半導体層(AS)が存在し、上
側に導電膜(d1、d2)が存在するところのみに残さ
れている。
【0081】i型半導体層(AS)は、走査信号線(G
L)および対向電圧信号線(CL)と映像信号線(D
L)との交差部(クロスオーバ部)の両者間にも設けら
れている。
【0082】この交差部のi型半導体層(AS)は、交
差部における走査信号線(GL)および対向電圧信号線
(CL)と映像信号線(DL)との短絡を低減する。
【0083】《ソース電極(SD1)、ドレイン電極
(SD2)》ソース電極(SD1)、ドレイン電極(S
D2)のそれぞれは、N(+)型半導体層(d0)に接
触する導電膜(d1)とその上に形成された導電膜(d
2)とから構成されている。
【0084】導電膜(d1)は、スパッタリングで形成
したクロム(Cr)膜を用い、500〜1000オング
ストロームの厚さに(本発明の実施の形態では、600
オングストローム程度)形成される。
【0085】クロム(Cr)膜は、膜厚を厚く形成する
とストレスが大きくなるので、2000オングストロー
ム程度の膜厚を越えない範囲で形成する。
【0086】クロム(Cr)膜は、N(+)型半導体層
(d0)との接着性を良好にし、アルミニウム(Al)
系の導電膜(d2)におけるアルミニウム(Al)がN
(+)型半導体層(d0)に拡散することを防止する
(いわゆるバリア層の)目的で使用される。
【0087】導電膜(d1)として、クロム(Cr)膜
の他に、高融点金属(モリブテン(Mo)、チタン(T
i)、タンタル(Ta)、タングステン(W))膜、高
融点金属シリサイド(MoSi2、TiSi2、TaS
i2、WSi2)膜を用いてもよい。
【0088】導電膜(d2)としては、アルミニウム
(Al)系の導電膜をスパッタリングで3000〜50
00オングストロームの厚さに(本発明の実施の形態で
は、4000オングストローム程度)形成する。
【0089】アルミニウム(Al)系の導電膜は、クロ
ム(Cr)膜に比べてストレスが小さく、厚い膜厚に形
成することが可能で、ソース電極(SD1)、ドレイン
電極(SD2)および映像信号線(DL)の抵抗値を低
減したり、ゲート電極(GT)やi型半導体層(AS)
に起因する段差乗り越えを確実にする(ステップカバー
レッジを良くする)働きがある。
【0090】また、導電膜(d1)、導電膜(d2)を
同じマスクパターンでパターニングした後、同じマスク
を用いて、あるいは、導電膜(d1)、導電膜(d2)
をマスクとして、N(+)型半導体層(d0)が除去さ
れる。
【0091】つまり、i型半導体層(AS)上に残って
いたN(+)型半導体層(d0)は導電膜(d1)、導
電膜(d2)以外の部分がセルフアラインで除去され
る。
【0092】このとき、N(+)型半導体層(d0)は
その厚さ分は全て除去されるようエッチングされるの
で、i型半導体層(AS)も若干その表面部分がエッチ
ングされるが、その程度はエッチング時間で制御すれば
よい。
【0093】《映像信号線(DL)》映像信号線(D
L)は、ソース電極(SD1)、ドレイン電極(SD
2)と、同じく、導電膜(d1)と、その上に形成され
た導電膜(d2)とで構成されている。
【0094】また、映像信号線(DL)は、ソース電極
(SD1)、ドレイン電極(SD2)と同層に形成さ
れ、さらに、像信号線(DL)は、ドレイン電極(SD
2)と一体に構成されている。
【0095】《画素電極(PX)》画素電極(PX)
は、ソース電極(SD1)、ドレイン電極(SD2)
と、同じく、導電膜(d1)と、その上に形成された導
電膜(d2)とで構成されている。
【0096】また、画素電極(PX)は、ソース電極
(SD1)、ドレイン電極(SD2)と同層に形成さ
れ、さらに、画素電極(PX)は、ソース電極(SD
1)と一体に構成されている。
【0097】《蓄積容量(Cstg)》画素電極(P
X)は、薄膜トランジスタ(TFT)と接続される端部
と反対側の端部において、対向電圧信号線(CL)と重
なるように構成されている。
【0098】この重ね合わせは、図4からも明らかなよ
うに、画素電極(PX)を一方の電極(PL2)とし、
対向電圧信号(CL)を他方の電極(PL1)とする蓄
積容量(静電容量素子)(Cstg)を構成する。
【0099】この蓄積容量(Cstg)の誘電体膜は、
薄膜トランジスタ(TFT)のゲート絶縁膜として使用
される絶縁膜(GI)および陽極酸化膜(AOF)で構
成されている。
【0100】図1に示すように平面的には蓄積容量(C
stg)は、対向電圧信号線(CL)の導電膜(g1)
の幅を広げた部分に形成されている。
【0101】《保護膜(PSV)》薄膜トランジスタ
(TFT)上には、保護膜(PSV)が設けられてい
る。
【0102】保護膜(PSV)は、主に薄膜トランジス
タ(TFT)を湿気等から保護するために設けられてお
り、透明性が高く、しかも、耐湿性の良いものを使用す
る。
【0103】保護膜(PSV)は、例えば、プラズマC
VD装置で形成した酸化シリコン膜や窒化シリコン膜で
形成されており、1μm程度の膜厚に形成する。
【0104】保護膜(PSV)は、表示マトリクス部
(AR)の全体を囲むように形成され、周辺部は外部接
続端子(DTM、GTM)を露出されるように除去され
ている。
【0105】保護膜(PSV)とゲート絶縁膜(GI)
の厚さ関係に関しては、前者は保護効果を考え厚くさ
れ、後者はトランジスタの相互コンダクタンス(gm)
を考え薄くされる。
【0106】従って、保護効果の高い保護膜(PSV)
は、周辺部もできるだけ広い範囲に亘って保護するよう
ゲート絶縁膜(GI)よりも大きく形成されている。
【0107】《カラーフィルタ基板》次に、図1、図2
に戻り、上部透明ガラス基板(SUB2)側(カラーフ
ィルタ基板)の構成を詳しく説明する。
【0108】《遮光膜(BM)》上部透明ガラス基板
(SUB2)側には、不要な間隙部(画素電極(PX)
と対向電極(CT)の間以外の隙間)からの透過光が表
示面側に出射して、コントラスト比等を低下させないよ
うに遮光膜(BM)(いわゆるブラックマトリクス)が
形成される。
【0109】遮光膜(BM)は、外部光またはバックラ
イト光がi型半導体層(AS)に入射しないようにする
役割も果たしている。
【0110】すなわち、薄膜トランジスタ(TFT)の
i型半導体層(AS)は上下にある遮光膜(BM)およ
び大き目のゲート電極(GT)によってサンドイッチに
され、外部の自然光やバックライト光が当たらなくな
る。
【0111】図1に示す遮光膜(BM)の閉じた多角形
の輪郭線は、その内側が遮光膜(BM)が形成されない
開口を示している。
【0112】図1に示す上下方向の境界線は上下基板の
合わせ精度によって決まり、合わせ精度が映像信号線
(DL)に隣接する対向電極(CT)の電極幅よりも良
い場合には、対向電極の幅の間に設定すれば、より開口
部を拡大することができる。
【0113】遮光膜(BM)は、光に対する遮蔽性を有
し、かつ、画素電極(PX)と対向電極(CT)の間の
電界に影響を与えないように絶縁性の高い膜で形成され
ており、本発明の実施の形態では、黒色の顔料をレジス
ト材に混入し、1.2μm程度の厚さに形成している。
【0114】遮光膜(BM)は、各画素の周囲に格子状
に形成され、この格子で1画素の有効表示領域が仕切ら
れている。
【0115】従って、各画素の輪郭が遮光膜(BM)に
よってはっきりとする。
【0116】つまり、遮光膜(BM)は、ブラックマト
リクスとi型半導体層(AS)に対する遮光との2つの
機能をもつ。
【0117】遮光膜(BM)は、周辺部にも額縁状に形
成され、そのパターンは、ドット状に複数の開口を設け
た図1に示すマトリクス部のパターンと連続して形成さ
れている。
【0118】周辺部の遮光膜(BM)は、シール部(S
L)の外側に延長され、パソコン等の実装機に起因する
反射光等の漏れ光が表示マトリクス部に入り込むのを防
いでいる。
【0119】他方、この遮光膜(BM)は上部透明ガラ
ス基板(SUB2)の縁よりも約0.3〜1.0mm程
内側に留められ、上部透明ガラス基板(SUB2)の切
断領域を避けて形成されている。
【0120】《カラーフィルタ(FIL)》カラーフィ
ルタ(FIL)は、画素に対向する位置に赤、緑、青の
繰り返しでストライプ状に形成され、また、カラーフィ
ルタ(FIL)は、遮光膜(BM)のエッジ部分と重な
るように形成されている。
【0121】カラーフィルタ(FIL)は、次のように
して形成することができる。
【0122】まず、上部透明ガラス基板(SUB2)の
表面にアクリル系樹脂等の染色基材を形成し、フォトリ
ソグラフィ技術で赤色フィルタ形成領域以外の染色基材
を除去する。
【0123】この後、染色基材を赤色染料で染め、固着
処理を施し、赤色フィルタ(R)を形成する。
【0124】つぎに、同様な工程を施すことによって、
緑色フィルタ(G)、青色フィルタ(B)を順次形成す
る。
【0125】《オーバーコート膜(OC)》オーバーコ
ート膜(OC)は、カラーフィルタ(FIL)から染料
が液晶層(LC)へ漏洩するのを防止し、および、カラ
ーフィルタ(FIL)、遮光膜(BM)による段差を平
坦化するために設けられている。
【0126】オーバーコート膜(OC)はたとえばアク
リル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂材料で形成されて
いる。
【0127】《表示マトリクス部(AR)周辺の構成》
図5は、上下の透明ガラス基板(SUB1、SUB2)
を含む表示パネル(PNL)の表示マトリクス(AR)
部周辺の要部平面を示す図である。
【0128】また、図6は、左側に走査回路が接続され
るべき外部接続端子(GTM)付近の断面を、右側に外
部接続端子がないところのシール部付近の断面を示す図
である。
【0129】このパネルの製造では、小さいサイズであ
れば、スループット向上のため1枚のガラス基板で複数
個分のデバイスを同時に加工してから分割し、また、大
きいサイズであれば、製造設備の共用のためどの品種で
も標準化された大きさのガラス基板を加工してから、各
品種に合ったサイズに小さくし、いずれの場合も一通り
の工程を経てからガラスを切断する。
【0130】図5、図6は後者の例を示すもので、図
5、図6の両図とも上下透明ガラス基板(SUB1、S
UB2)の切断後を表しており、図5に示すLNは両基
板の切断前の縁を示す。
【0131】いずれの場合も、完成状態では外部接続端
子群(Tg、Td)および端子(CTM)(添字略)が
存在する(図で上辺と左辺の)部分は、それらが露出さ
れるように上部透明ガラス基板(SUB2)の大きさが
下部透明ガラス基板(SUB1)よりも内側に制限され
ている。
【0132】端子群(Tg、Td)は、それぞれ後述す
る走査回路接続用端子(GTM)、映像信号回路接続用
端子(DTM)とそれらの引出配線部を集積回路チップ
(CHI)が搭載されたテープキャリアパッケージ(T
CP)(図16、図17)の単位に複数本まとめて名付
けたものである。
【0133】各群の表示マトリクス部から外部接続端子
部に至るまでの引出配線は、両端に近づくにつれ傾斜し
ている。
【0134】これは、パッケージ(TCP)の配列ピッ
チ及び各パッケージ(TCP)における接続端子ピッチ
に表示パネル(PNL)の端子(DTM、GTM)を合
わせるためである。
【0135】また、対向電極端子(CTM)は、対向電
極(CT)に対向電圧(Vcom)を外部回路から与え
るための端子である。
【0136】表示マトリクス部の対向電圧信号線(C
L)は、走査回路用端子(GTM)の反対側(図では右
側)に引き出し、各対向電圧信号線(CL)を共通バス
ライン(CB)(対向電極接続信号線)で一纏めにし
て、対向電極端子(CTM)に接続している。
【0137】透明ガラス基板(SUB1、SUB2)の
間にはその縁に沿って、液晶封入口(INJ)を除き、
液晶層(LC)を封止するようにシールパターン(S
L)が設けられる。
【0138】シールパターン(SL)は、例えば、エポ
キシ樹脂から形成される。
【0139】配向膜(ORI1、ORI2)の層は、シ
ールパターン(SL)の内側に形成され、また、偏光板
(POL1、POL2)は、それぞれ下部透明ガラス基
板(SUB1)、上部透明ガラス基板(SUB2)の外
側の表面に形成されている。
【0140】液晶層(LC)は、液晶分子の向きを設定
する下部配向膜(ORI1)と上部配向膜(ORI2)
との間でシールパターン(SL)で仕切られた領域に封
入される。
【0141】下部配向膜(ORI1)は、下部透明ガラ
ス基板(SUB1)側の保護膜(PSV)の上部に形成
される。
【0142】本発明の実施の形態の液晶表示装置では、
下部透明ガラス基板(SUB1)、上部透明ガラス基板
(SUB2)を別個に種々の層を積み重ねて形成した
後、シールパターン(SL)を上部透明ガラス基板(S
UB2)側に形成し、下部透明ガラス基板(SUB1)
と上部透明ガラス基板(SUB2)とを重ね合わせ、シ
ールパターン(SL)の開口部(INJ)から液晶(L
C)を注入し、注入口(INJ)をエポキシ樹脂などで
封止し、上下基板を切断することによって組み立てられ
る。
【0143】《ゲート端子(GTM)部》図7は、表示
マトリクス部(AR)の走査信号線(GL)からその外
部接続端子であるゲート端子(GTM)までの接続構造
を示す図であり、図7(A)は、平面図であり、図7
(B)は、図7(A)に示すB−B切断線における断面
図である。
【0144】なお、図7は、図5における下方付近に対
応し、斜め配線の部分は便宜状一直線状で表した。
【0145】図7において、AOはホトレジスト直接描
画の境界線、言い換えれば選択的陽極酸化のホトレジス
トパターンである。
【0146】従って、このホトレジストは陽極酸化後除
去され、図7に示すパターン(AO)は完成品としては
残らないが、ゲート配線(GL)には断面図に示すよう
に酸化膜(AOF)が選択的に形成されるのでその軌跡
が残ることになる。
【0147】図7(A)の平面図において、ホトレジス
トの境界線(AO)を基準にして左側はレジストで覆い
陽極酸化をしない領域、右側はレジストから露出され陽
極酸化される領域である。
【0148】陽極酸化されたアルミニウム(AL)系の
導電膜(g1)は、表面にアルミニウム酸化膜(Al2
O3)が形成され下方の導電部は体積が減少する。
【0149】勿論、陽極酸化はその導電部が残るように
適切な時間、電圧などを設定して行われる。
【0150】図7において、アルミニウム(AL)系の
導電膜(g1)は、判り易くするためハッチを施してあ
るが、陽極化成されない領域は櫛状にパターニングされ
ている。
【0151】これは、アルミニウム(Al)系の導電膜
の幅が広いと表面にホイスカが発生するので、1本1本
の幅は狭くし、それらを複数本並列に束ねた構成とする
ことにより、ホイスカの発生を防ぎつつ、断線の確率や
導電率の犠牲を最低限に押さえる狙いである。
【0152】ゲート端子(GTM)は、アルミニウム
(Al)系の導電膜(g1)と、更にその表面を保護
し、かつ、TCP(Tape Carrier Pac
kege)との接続の信頼性を向上させるための透明導
電膜(g2)とで形成されている。
【0153】この透明導電膜(g2)は、スパッタリン
グで形成された透明導電膜(Indium−Tin−O
xide ITO:ネサ膜)からなり、1000〜20
00オングストロームの厚さに(本発明の実施の形態で
は、1400オングストローム程度の膜厚)形成され
る。
【0154】また、アルミニウム(Al)系の導電膜
(g1)上、および、その側面部に形成された導電膜
(d1)は、導電膜(g1)と透明導電膜(g2)との
接続不良を補うために、導電膜(g1)と透明導電膜
(g2)との両方に接続性の良いクロム(Cr)層(d
1)を接続し、接続抵抗の低減を図るためのものであ
り、導電膜(d2)は導電膜(d1)と同一マスクで形
成しているために残っているものである。
【0155】図7(A)の平面図において、ゲート絶縁
膜(GI)は、その境界線(AO)よりも右側に、保護
膜(PSV)は、その境界線(AO)よりも左側に形成
されており、左端に位置する端子部(GTM)はそれら
から露出し外部回路との電気的接触ができるようになっ
ている。
【0156】図7では、ゲート線(GL)とゲート端子
の一つの対のみが示されているが、実際はこのような対
が上下に複数本並べられて、図5に示す端子群(Tg)
が構成され、ゲート端子の左端は、製造過程では、下部
透明ガラス基板(SUB1)の切断領域を越えて延長さ
れ配線(SHg)(図示せず)によって短絡される。
【0157】製造過程におけるこのような短絡線(SH
g)は、陽極化成時の給電と、配向膜(ORI1)のラ
ビング時等の静電破壊防止に役立つ。
【0158】《ドレイン端子(DTM)部》図8は、表
示マトリクス部(AR)の映像信号線(DL)からその
外部接続端子であるドレイン端子(DTM)までの接続
を示す図であり、図8(A)はその平面図であり、図8
(B)は、図8(A)に示すB−B切断線における断面
図である。
【0159】なお、図8は、図5における右上付近に対
応し、図面の向きは便宜上変えてあるが右端方向が下部
透明ガラス基板(SUB1)の上端部に該当する。
【0160】図8において、TSTdは検査端子であ
り、ここには外部回路は接続されないが、プローブ針等
を接触できるよう配線部より幅が広げられている。
【0161】同様に、ドレイン端子(DTM)も外部回
路との接続ができるよう配線部より幅が広げられてい
る。
【0162】ドレイン端子(DTM)は複数本上下方向
に並べられ、図5に示す端子群(Td)(添字省略)を
構成し、さらに、ドレイン端子(DTM)は、下部透明
ガラス基板(SUB1)の切断線を越えて延長され、製
造過程中は静電破壊防止のためその全てが互いに配線
(SHd)(図示せず)によって短絡される。
【0163】検査端子(TSTd)は、図8に示すよう
に一本置きの映像信号線(DL)に設けられる。
【0164】ドレイン接続端子(DTM)は、透明導電
膜(g2)の単層で形成されており、ゲート絶縁膜(G
I)を除去した部分で映像信号線(DL)と接続されて
いる。
【0165】ゲート絶縁膜(GI)の端部上に形成され
た半導体層(AS)は、ゲート絶縁膜(GI)の縁をテ
ーパ状にエッチングするためのものである。
【0166】ドレイン接続端子(DTM)上では、外部
回路との接続を行うため保護膜(PSV)は勿論のこと
取り除かれている。
【0167】表示マトリクス部(AR)からドレイン端
子部(DTM)までの引出配線は、映像信号線(DL)
と同じレベルの導電膜(d1、d2)が、保護膜(PS
V)の途中まで構成されており、保護膜(PSV)の中
で透明導電膜(g2)と接続されている。
【0168】これは、電触し易いアルミニウム(Al)
系の導電膜(d2)を保護膜(PSV)やシールパター
ン(SL)でできるだけ保護する狙いである。
【0169】《対向電極端子(CTM)》図9は、対向
電圧信号線(CL)からその外部接続端子である対向電
極端子(CTM)までの接続を示す図であり、図9
(A)は、その平面図であり、図9(B)は、図9
(A)に示すB−B切断線における断面図である。
【0170】なお、図9は、図5における左上付近に対
応する。
【0171】各対向電圧信号線(CL)は、共通バスラ
イン(CB)で一纏めして対向電極端子(CTM)に引
き出されている。
【0172】共通バスライン(CB)は、導電膜(g
1)の上に導電膜(d1)、導電膜(d2)を積層した
構造となっている。
【0173】これは、共通バスライン(CB)の抵抗を
低減し、対向電圧が外部回路から各対向電圧信号線(C
L)に十分に供給されるようにするためである。
【0174】この構造によれば、特に新たに導電膜を付
加することなく、共通バスライン(CB)の抵抗を下げ
られるのが特徴である。
【0175】共通バスライン(CB)の導電膜(g1)
は、導電膜(d1)、導電膜(d2)と電気的に接続さ
れるように、陽極参加はされておらず、また、ゲート絶
縁膜(GI)からも露出している。
【0176】対向電極端子(CTM)は、導電膜(g
1)の上に透明導電膜(g2)が積層された構造になっ
ている。
【0177】このように、その表面を保護し、また、電
食等を防ぐために耐久性のよい透明導電膜(g2)で、
導電膜(g1)を覆っている。
【0178】《表示装置全体等価回路》図10は、表示
マトリクス部(AR)の等価回路とその周辺回路の結線
図を示す図である。
【0179】なお、図10は、回路図ではあるが、実際
の幾何学的配置に対応して描かれている。
【0180】図10において、ARは、複数の画素を二
次元状に配列した表示マトリクス部(マトリクス・アレ
イ)を示している。
【0181】図10中、PXは画素電極であり、添字
G、BおよびRがそれぞれ緑、青および赤画素に対応し
て付加されている。
【0182】走査信号線(GL)のy0、…、yend
は走査タイミングの順序を示している。
【0183】走査信号線(GL)は垂直走査回路(V)
に接続されており、映像信号線(DL)は映像信号駆動
回路(H)に接続されている。
【0184】回路(SUP)は、1つの電圧源から複数
の分圧した安定化された電圧源を得るための電源回路や
ホスト(上位演算処理装置)からのCRT(陰極線管)
用の情報を(TFT)液晶表示装置用の情報に交換する
回路を含む回路である。
【0185】《駆動方法》図11は、本発明の実施の形
態の液晶表示装置における駆動時の駆動波形を示す図で
あり、図11(a)、図11(b)は、それぞれ、(i
−1)番目、(i)番目の走査信号線(GL)に印加さ
れるゲート電圧(走査信号電圧)(VG)を示してい
る。
【0186】また、図11(c)は、映像信号線(D
L)に印加される映像信号電圧(VD)を示し、図11
(d)は、対向電極(CT)に印加される対向電圧(V
com)を示している。
【0187】さらに、図11(e)は、(i)行、
(j)列の画素における画素電極(PX)に印加される
画素電極電圧(Vs)を示し、図11(f)は、(i)
行、(j)列の画素の液晶層(LC)に印加される電圧
(VLC)を示している。
【0188】本発明の実施の形態の液晶表示装置の駆動
方法においては、図11(d)に示すように、対向電極
(CT)に印加する対向電圧(Vcom)を、VCHとV
CLの2値の交流矩型波にし、それに同期させてゲート電
極(GT)に印加するゲート電圧(VG)の非選択電圧
を1走査期間ごとに、VGLHとVGLLの2値で変化させ
る。
【0189】この場合に、対向電圧(Vcom)の振幅
値と、ゲート電圧(VG)の非選択電圧の振幅値とは同
一にする。
【0190】映像信号線(DL)に印加される映像信号
電圧(VD)は、液晶層(LC)に印加したい電圧か
ら、対向電圧(VC)の振幅の1/2を差し引いた電圧
(VSIG)である。
【0191】対向電極(CT)に印加する対向電圧(V
com)は直流でもよいが、交流化することで映像信号
電圧(VD)の最大振幅を低減でき、映像信号駆動回路
(信号側ドライバ)に耐圧の低いものを用いることが可
能になる。
【0192】《蓄積容量(Cstg)の働き》蓄積容量
(Cstg)は、画素に書き込まれた(薄膜トランジス
タ(TFT)がオフした後の)映像情報を、長く蓄積す
るために設ける。
【0193】本発明の実施の形態のように、電界を基板
面と平行に印加する方式では、電界を基板面に垂直に印
加する方式と異なり、画素電極(PX)と対向電極(C
T)とで構成される容量(いわゆる液晶容量(Cpi
x))がほとんど無いため、蓄積容量(Cstg)がな
いと映像情報を画素に蓄積することができない。
【0194】したがって、電界を基板面と平行に印加す
る方式では、蓄積容量(Cstg)は必須の構成要素で
ある。
【0195】また、蓄積容量(Cstg)は、薄膜トラ
ンジスタ(TFT)がスイッチングするとき、画素電極
電位(Vs)に対するゲート電位変化(ΔVG)の影響
を低減するようにも働く。
【0196】この様子を式で表すと、次のようになる。
【0197】
【数1】ΔVs={Cgs/(Cgs+Cstg+Cp
ix)}×ΔVG ここで、Cgsは薄膜トランジスタ(TFT)のゲート
電極(GT)とソース電極(SD1)との間に形成され
る寄生容量、Cpixは画素電極(PX)と対向電極
(CT)との間に形成される容量、ΔVsはΔVGによ
る画素電極電位の変化分いわゆるフィードスルー電圧を
表わす。
【0198】この変化分(ΔVs)は、液晶層(LC)
に加わる直流成分の原因となるが、保持容量(Cst
g)を大きくすればする程、その値を小さくすることが
できる。
【0199】液晶層(LC)に印加される直流成分の低
減は、液晶層(LC)の寿命を向上し、液晶表示画面の
切り替え時に前の画像が残るいわゆる焼き付きを低減す
ることができる。
【0200】前述したように、ゲート電極(GT)は、
i型半導体層(AS)を完全に覆うよう大きくされてい
る分、ソース電極(SD1)、ドレイン電極(SD2)
とのオーバラップ面積が増え、従って寄生容量(Cg
s)が大きくなり、画素電極電位(Vs)は、ゲート電
圧(走査信号電圧)(VG)の影響を受け易くなるとい
う逆効果が生じる。
【0201】しかし、蓄積容量(Cstg)を設けるこ
とによりこのデメリットも解消することができる。
【0202】《製造方法》つぎに、前記した液晶表示装
置の下部透明ガラス基板(SUB1)側の製造方法につ
いて図12〜図14を参照して説明する。
【0203】なお、図12〜図14において、中央の文
字は工程名の略称であり、左側は図3に示す薄膜トラン
ジスタ(TFT)部分、右側は図7に示すゲート端子付
近の断面形状でみた加工の流れを示す。
【0204】工程B、工程Dを除き、工程A〜工程Iは
各写真処理に対応して区分けしたもので、各工程のいず
れの断面図も写真処理後の加工が終わりフォトレジスト
を除去した段階を示している。
【0205】なお、以下の説明においては、写真処理と
は、フォトレジストの塗布からマスクを使用した選択露
光を経てそれを現像するまでの一連の作業を示すものと
し、繰返しの説明は避ける。
【0206】以下区分けした工程に従って、説明する。
【0207】(工程A、図12)ガラスからなる下部透
明ガラス基板(SUB1)上に、膜厚が3000オング
ストロームのアルミニウム(Al)−パラジウム(P
d)、アルミニウム(Al)−シリコン(Si)、アル
ミニウム(Al)−タンタル(Ta)、アルミニウム
(Al)−チタン(Ti)−タンタル(Ta)等からな
る導電膜(g1)をスパッタリングにより形成する。
【0208】写真処理後、リン酸と硝酸と氷酢酸と水と
の混酸液で導電膜(g1)を選択的にエッチングする。
【0209】それによって、ゲート電極(GT)、走査
信号線(GL)、対向電極(CT)、対向電圧信号線
(CL)、電極(PL1)、ゲート端子(GTM)、共
通バスライン(CB)の第1導電膜、対向電極端子(C
TM)の第1導電膜、ゲート端子(GTM)を接続する
陽極酸化バスライン(SHg)(図示せず)および陽極
酸化バスライン(SHg)に接続された陽極酸化パッド
(図示せず)を形成する。
【0210】(工程B、図12)直接描画による陽極酸
化マスク(AO)の形成後、3%酒石酸をアンモニアに
よりPH6.25±0.05に調整した溶液をエチレン
グリコール液で1:9に稀釈した液からなる陽極酸化液
中に下部透明ガラス基板(SUB1)を浸漬し、化成電
流密度が0.5mA/cm2 になるように調整する(定
電流化成)。
【0211】次に、所定膜厚のアルミニウム酸化膜(A
OF)が得られるのに必要な化成電圧125Vに達する
まで陽極酸化を行う。
【0212】その後、この状態で数10分保持すること
が望ましい(定電圧化成)。
【0213】これは均一なアルミニウム酸化膜(AO
F)を得る上で大事なことである。
【0214】それによって、導電膜(g1)が陽極酸化
され、ゲート電極(GT)、走査信号線(GL)、対向
電極(CT)、対向電圧信号線(CL)および電極(P
L1)上に膜厚が1800オングストロームの陽極酸化
膜(AOF)が形成される。
【0215】(工程C、図12)膜厚が1400オング
ストロームのITO膜からなる透明導電膜(g2)をス
パッタリングにより形成する。
【0216】写真処理後、エッチング液として、塩酸と
硝酸との混酸液で透明導電膜(g2)を選択的にエッチ
ングすることにより、ゲート端子(GTM)の最上層、
ドレイン端子(DTM)および対向電極端子(CTM)
の第2導電膜を形成する。
【0217】(工程D、図13)プラズマCVD装置に
アンモニアガス、シランガス、窒素ガスを導入して、膜
厚が2200オングストロームの窒化シリコン膜(Si
NX)を設け、プラズマCVD装置にシランガス、水素
ガスを導入して、膜厚が2000オングストロームのi
型非晶質シリコン(Si)膜を設けたのち、プラズマC
VD装置に水素ガス、ホスフィンガスを導入して、膜厚
が300オングストロームのN(+)型非晶質シリコン
(Si)膜を設ける。
【0218】(工程E、図13)写真処理後、ドライエ
ッチングガスとして四塩化炭素(CCl4)、六弗化硫
黄(SF6)を使用してN(+)型非晶質シリコン(S
i)膜、i型非晶質シリコン(Si)膜を選択的にエッ
チングすることにより、i型半導体層(AS)の島を形
成する。
【0219】(工程F、図13)写真処理後、ドライエ
ッチングガスとして六弗化硫黄(SF6)を使用して、
窒化シリコン膜を選択的にエッチングする。
【0220】(工程G、図14)膜厚が600オングス
トロームのクロム(Cr)からなる導電膜(d1)をス
パッタリングにより設け、さらに膜厚が4000オング
ストロームのアルミニウム(Al)−タンタル(T
a)、アルミニウム(Al)−チタン(Ti)−タンタ
ル(Ta)等からなる導電膜(d2)をスパッタリング
により設ける。
【0221】写真処理後、導電膜(d2)を、リン酸と
硝酸と氷酢酸と水とからなる混酸液でエッチングし、導
電膜(d1)を硝酸第2セリウムアンモン液でエッチン
グし、映像信号線(DL)、ソース電極(SD1)、ド
レイン電極(SD2)、画素電極(PX)、電極(PL
2)、共通バスライン(CB)の第2導電膜、第3導電
膜およびドレイン端子(DTM)を短絡するバスライン
(SHd)(図示せず)を形成する。
【0222】なお、本発明の実施の形態で用いているレ
ジスト材は、東京応化製半導体用レジストOFPR80
0(商品名)を用いた。
【0223】つぎに、ドライエッチング装置に四塩化炭
素(CCl4)、六弗化硫黄(SF6)を導入して、N
(+)型非晶質シリコン(Si)膜をエッチングするこ
とにより、ソースとドレイン間のN(+)型半導体層
(d0)を選択的に除去する。
【0224】(工程H、図14)プラズマCVD装置に
アンモニアガス、シランガス、窒素ガスを導入して、膜
厚が1μmの窒化シリコン膜を設ける。
【0225】写真処理後、ドライエッチングガスとして
六弗化硫黄(SF6)を使用した写真蝕刻技術で窒化シ
リコン膜を選択的にエッチングすることによって、保護
膜(PSV)を形成する。
【0226】《表示パネル(PNL)と駆動回路基板P
CB1》図15は、図5等に示す表示パネル(PNL)
に映像信号駆動回路(H)と垂直走査回路(V)を接続
した状態を示す平面図である。
【0227】図15において、CHIは表示パネル(P
NL)を駆動させる駆動ICチップであり、図15に示
す下側の5個は垂直走査回路側の駆動ICチップ、左の
10個は映像信号駆動回路側の駆動ICチップである。
【0228】TCPは図16、図17で後述するように
駆動用ICチップ(CHI)がテープ・オートメイティ
ド・ボンディング法(TAB)により実装されたテープ
キャリアパッケージ、PCB1は前記テープキャリアパ
ッケージ(TCP)やコンデンサ等が実装された駆動回
路基板で、映像信号駆動回路用と走査信号駆動回路用の
2つに分割されている。
【0229】FGPはフレームグランドパッドであり、
シールドケース(SHD)に切り込んで設けられたバネ
状の破片が半田付けされる。
【0230】FCは下側の駆動回路基板(PCB1)と
左側の駆動回路基板(PCB1)を電気的に接続するフ
ラットケーブルである。
【0231】フラットケーブル(FC)としては、複数
のリード線(りん青銅の素材にスズ(Sn)鍍金を施し
たもの)をストライプ状のポリエチレン層とポリビニル
アルコール層とでサンドイッチして支持したものを使用
する。
【0232】《TCPの接続構造》図16は、走査信号
駆動回路(V)や映像信号駆動回路(H)を構成する、
集積回路チップ(CHI)がフレキシブル配線基板に搭
載されたテープキャリアパッケージ(TCP)の断面構
造を示す断面図であり、図17は、それを液晶表示パネ
ル(PNL)に接続した状態(図16では、走査信号回
路用端子(GTM)に接続した状態)を示す要部断面図
である。
【0233】図16において、TTBは集積回路(CH
I)の入力端子・配線部であり、TTMは集積回路(C
HI)の出力端子・配線部であり、端子(TTB、TT
M)は、例えば、銅(Cu)から成り、それぞれの内側
の先端部(通称インナーリード)には、集積回路(CH
I)のボンディングパッド(PAD)がいわゆるフェー
スダウンボンディング法により接続される。
【0234】端子(TTB、TTM)の外側の先端部
(通称アウターリード)には、それぞれ半導体集積回路
チップ(CHI)の入力及び出力に対応し、半田付け等
によりCRT/TFT変換回路・電源回路(SUP)、
あるいは、異方性導電膜(ACF)によって液晶表示パ
ネル(PNL)が接続される。
【0235】パッケージ(TCP)は、その先端部が、
パネル(PNL)側の接続端子(GTM)が露出される
保護膜(PSV)を覆うようにパネルに接続されてお
り、従って、外部接続端子(GTM)(またはDTM)
は、保護膜(PSV)かパッケージ(TCP)の少なく
とも一方で覆われるので電触に対して強くなる。
【0236】BF1はポリイミド等からなるベースフィ
ルムであり、SRSは半田付けの際半田が余計なところ
へつかないようにマスクするためのソルダレジスト膜で
ある。
【0237】シールパターン(SL)の外側の上下ガラ
ス基板の隙間は洗浄後エポキシ樹脂(EPX)等により
保護され、パッケージ(TCP)と上部基板(SUB
2)の間には更にシリコーン樹脂(SIL)が充填され
保護が多重化されている。
【0238】《駆動回路基板(PCB2)》駆動回路基
板(PCB2)は、IC、コンデンサ、抵抗等の電子部
品が搭載されている。
【0239】この駆動回路基板(PCB2)には、1つ
の電圧源から複数の分圧した安定化された電圧源を得る
ための電源回路や、ホスト(上位演算処理装置)からの
CRT(陰極線管)用の情報を(TFT)液晶表示装置
用の情報に変換する回路を含む回路(SUP)が搭載さ
れている。
【0240】CJは外部と接続される図示しないコネク
タが接続されるコネクタ接続部である。
【0241】駆動回路基板(PCB1)と駆動回路基板
(PCB2)とはフラットケーブル(FC)により電気
的に接続されている。
【0242】《液晶表示モジュール(MDL)の全体構
成》図18は、液晶表示モジュール(MDL)の各構成
部品を示す分解斜視図である。
【0243】SHDは金属板から成る枠状のシールドケ
ース(メタルフレーム)、LCWその表示窓、PNLは
液晶表示パネル、SPBは光拡散板、LCBは導光体、
RMは反射板、BLはバックライト蛍光管、LCAはバ
ックライトケースであり、図に示すような上下の配置関
係で各部材が積み重ねられてモジュールMDLが組み立
てられる。
【0244】モジュール(MDL)は、シールドケース
(SHD)に設けられた爪とフックによって全体が固定
されるようになっている。
【0245】バックライトケース(LCA)は、バック
ライト蛍光管(BL)、光拡散板(SPB)、導光体
(LCB)、反射板(RM)を収納する形状になってお
り、導光体(LCB)の側面に配置されたバックライト
蛍光管(BL)の光を、導光体(LCB)、反射板(R
M)、光拡散板(SPB)により表示面で一様なバック
ライトにし、液晶表示パネル(PNL)側に出射する。
【0246】バックライト蛍光管(BL)にはインバー
タ回路基板(PCB3)が接続されており、バックライ
ト蛍光管(BL)の電源となっている。
【0247】《液晶層および偏向板の構成》次に、本発
明の特徴である液晶層、配向膜、偏光板等について説明
する。
【0248】《液晶層》液晶層(LC)の液晶材料とし
ては、誘電率異方性(Δε)が正で、その値が13.
2、屈折率異方性(Δn)が0.081(589nm、
20℃)のネマティック液晶を用いる。
【0249】液晶層の厚み(ギャップ)は、3.9μm
とし、リタデーション(Δn・d)は0.316とす
る。
【0250】このリタデーション(Δn・d)の値は、
バックライト光の波長特性のほぼ平均の波長の1/2と
なる様に設定され、バックライト光の波長特性との組み
合わせにより、液晶層の透過光が色調が白色(C光源、
色度座標x=0.3101、y=0.3163)となる
様に設定する。
【0251】偏光板の偏光透過軸と液晶分子の長軸方向
のなす角が45°になるとき最大透過率を得ることがで
き、可視光の範囲ないで波長依存性がほとんどない透過
光を得ることができる。
【0252】なお、液晶層の厚み(ギャップ)は、ポリ
マビーズで制御している。
【0253】また、液晶層(LC)の液晶材料は、特に
限定したものではなく、誘電率異方性Δεは負でもよ
い。
【0254】さらに、誘電率異方性(Δε)は、その値
が大きいほうが、駆動電圧が低減でき、また、屈折率異
方性(Δn)は小さいほうが、液晶層の厚み(ギャッ
プ)を厚くでき、液晶の封入時間が短縮され、かつギャ
ップばらつきを少なくすることができる。
【0255】《初期配向方向》配向膜ORIとしては、
ポリイミドを用いる。
【0256】本発明の実施の形態では、上部透明ガラス
基板(SUB2)側の上部配向膜(ORI2)と、下部
透明ガラス基板(SUB1)側の下部配向膜(ORI
1)との両方に、ラビング処理を施すことにより、液晶
分子の初期配向方向(φLC1、φLC2)を制御し、
各画素毎に(φLC1、φLC2)の2方向にラビング
が行われるようにしている。
【0257】図1にラビング領域の分割のようすを示し
ており、図1に示す領域501と領域502は、それぞ
れ異なるラビング方向(RDR1、RDR2)にラビン
グされれる。
【0258】図19は、本発明の実施の形態における下
部配向膜(ORI1)のラビング処理方法を示す図であ
る。
【0259】図19に示すように、1画素内で液晶層
(LC)の液晶分子に2方向の初期配向方向を付与すた
めに、下部配向膜(ORI1)をRDR1方向に全面に
ラビングし、その後ホトレジストプロセスで、レジスト
材(RES)を形成しマスキングして、RDR2方向に
再度ラビングする。
【0260】これにより、レジスト材(RES)でマス
クされていない部分は、RDR2方向にラビングし直さ
れる。
【0261】その後レジスト材(RES)を剥離するこ
とで、2方向のラビング処理を施すことができる。
【0262】両透明ガラス基板(SUB1,SUB2)
のラビング方向が平行配向になるようにそれぞれの方向
に、上部配向膜(ORI2)にも図19のプロセスでラ
ビング処理を施す。
【0263】図22は、本発明の実施の形態における印
加電界方向(EDR)、ラビング方向(RDR1、RD
R2)、偏光透過軸(MAX1、MAX2)の関係を示
す図である。
【0264】図22において、φLC1及びφLC2は
それぞれ領域501と502での印加電界方向(ED
R)とラビング方向(RDR1、RDR2)のなす角度
を示している。
【0265】本発明の実施の形態では、φLC1を75
度、φLC2を105度とした。
【0266】なお、ラビング方向(RDR1、RDR
2)と印加電界方向(EDR)とのなす角度は、液晶材
料の誘電率異方性Δεが正であれば、45℃以上90℃
未満または、90°を超え135°以下、誘電率異方性
Δεが負であれば、液晶分子が電界方向に直交する方向
に回転するので、0°を超え45°以下または145℃
以上180℃未満でなければならない。
【0267】したがって、本発明の実施の形態で、誘電
率異方性Δεが負の液晶の場合は、φLC1が165
(−15°)、φLC2が15度にする。
【0268】《偏光板》図22に示すように、偏光板
(POL)としては、下側の偏光板(POL1)の偏光
透過軸(MAX1)と印加電界方向(EDR)となす角
φP1=90°とし、上側の偏向板(POL2)の偏光
透過軸(MAX2)を、それに直交、即ちφP2=0°
(180°)に設定する。
【0269】これにより、領域501,502におい
て、本発明の実施の形態の画素に印加される電圧(画素
電極PXと対向電極CTの間の電圧)を増加させるに伴
い、透過率が上昇するノーマリクローズ特性を得ること
ができる。
【0270】[比較例1]本比較例の液晶表示装置は、
φLC1=φLC=75度の1方向のみであり、φP1
=φLC1=φLC=75°、φP2=φP1±90°
=165°(−15°)であることを除けば、発明の実
施の形態1と同一である。
【0271】図20は、本発明の実施の形態の液晶表示
装置、および、比較例の液晶表示装置を駆動した際の、
白色表示色調の角度依存特性を示すグラフである。
【0272】図20(a)は比較例の場合であり、図2
0(b)は本発明の実施の形態の場合である。
【0273】x座標、y座標はそれぞれCIE1931
XY座標系にもとづく色度座標である。
【0274】本図中にはX座標、y座標それぞれ4本の
曲線が引かれている。
【0275】これは、図23に定義した視角での4方向
での測定値であり、その4方向はθ=0度、40度、9
0度、150度である。またθはパネル周方向の角度を
示し、φはパネル垂直方向からの角度をそれぞれ示す。
【0276】図20(a)に示す比較例の結果では、白
色色調が視角により大きく異なることが分かる。
【0277】一方、図20(b)に示す本発明の実施の
形態では、白色色調はほとんど変化していない。
【0278】これは、2つのラビング領域での液晶分子
の回転角度は、電界印加方向の法線方向(90°)に対
し、対称となるため、互いに着色を打ち消し合う効果が
あり、白色色調が一定である角度範囲をさらに拡大する
ことができるためである。
【0279】したがって、本発明の実施の形態によれ
ば、全周方向でφが50度までの範囲で完全な色調不変
を実現できることが分かる。
【0280】これを、半球状のグラフに示したのが、図
21である。
【0281】図21(a)は比較例の場合であり、図2
1は(b)は本発明の実施の形態の場合であり、共に白
色色調の分布を示す。
【0282】なお、図21中に、色調ずれ1階調という
表示があるが、これは、色調のずれを判定する便宜的尺
度として本発明の実施の形態では用いており、白色色調
のX、Y座標が正面白色色調から+0.02以上ずれた
場合を色調ずれ1階調(黄変)、−0.02以上ずれた
場合を色調ずれ1階調(青変)として定義している。
【0283】比較例では、150度をほぼ中心とする方
向で白色が青みを帯び、また45度をほぼ中心とする方
向で黄みを帯びてしまっい、白色の色調に視角方向依存
性が生じてしまった。
【0284】一方、本発明の実施の形態では、全方位に
渡りφが50度までの範囲では完全に白色色調が均一化
でき、視角方向に対する均一性を向上できる。
【0285】また、非階調反転領域は、特性が平均化さ
れて、全方位で非階調反転領域が平均化され、特定の方
位で、特性が落ちるという問題が解決される。
【0286】これは、コントラスト比の視角依存性につ
いても同様である。
【0287】比較例では、図20(a)及び図21
(a)に示すように、白色色調に方向依存性が生じ、ま
た、階調反転に弱い方位も存在する。
【0288】以上、説明したように、本発明の実施の形
態では、色調、階調反転、コントラスト比の視角方向に
対する均一性を向上でき、ブラウン管により近い広視野
角の液晶表示装置を得ることができる。
【0289】[発明の実施の形態2]本発明の実施の形
態では、φLC1、φLC2、φP1、φP2を除け
ば、前記発明の実施の形態1と同一である。
【0290】本発明の実施の形態では、φLC1=8
8.5度、φLC2=92.5度とし、また、φP1=
90°、φP2=0°に設定する。
【0291】前記発明の実施の形態1と同様に、これに
より、2つのラビング領域での液晶分子の回転角度は、
電界印加方向の法線方向に対し、対称となるため、互い
に着色を打ち消し合う効果がさらに増大し、白色色調が
一定である角度範囲をさらに拡大することができる。
【0292】また、同様に階調反転、コントラスト比に
ついても全方位でより均一に平均化できる。
【0293】さらに、前記発明の実施の形態1では、φ
LC1、φLC2とφP1の成す角度は15度もあった
ため、電圧無印加時で黒レベルが十分に沈まず、コント
ラスト比が4に低下するという問題が生じた。
【0294】これに対し、本発明の実施の形態の構成で
は、φLC1およびφLC2とφPの成す角を0°に近
くできたため、電圧無印加時の黒レベルが十分に沈み込
み、コントラスト比を改善することができ、本発明の実
施の形態では100を達成できた。
【0295】以上、説明したように、本発明の実施の形
態では、前記発明の実施の形態1の効果に加え、コント
ラスト比100以上と大幅なコントラスト比の向上させ
ることが可能となる。
【0296】視覚的にコントラスト比が100未満であ
ると、コントラスト比の低下にともない画質の劣化を感
じるが、100以上ではコントラスト比が向上しても画
質の向上を認識し難い。
【0297】したがって、コントラスト比100を超え
ることは、画質上重要な境界である。
【0298】本発明の実施の形態では、φLC1=8
8.5度、φLC2=92.5度としたが、それぞれよ
り90°に近ければ、さらにコントラスト比を向上させ
ることができる。
【0299】また、本発明の実施の形態で、誘電率異方
性Δεが負の液晶の場合は、φLC1が177.5°
(−2.5°)、φLC2が2.5°にする。
【0300】[発明の実施の形態3]本発明の実施の形
態では、φP1、φP2を除けば、前記発明の実施の形
態1と同一である。
【0301】本発明の実施の形態では、φLC1=45
度、φLC2=135度とし、かつφP1=90度、φ
P2=0度とした。
【0302】これにより、2つのラビング方向φLC1
及びφLC2は、いずれも一方の偏向板と45度の角度
をなし、電圧無印加時に最大透過率を示す。
【0303】また、電圧印加時には、それぞれの領域の
液晶分子の長軸(光軸)は印加電圧方向に45度、−4
5度回転し、φP2と一致し黒表示を得る。
【0304】即ち、電圧印加に伴って、透過率が減少す
るノーマリホワイトの特性を得ることができる。
【0305】本発明の実施の形態では、ノーマリホワイ
トの特性でも、印加電界方向(EDR)に最終的に電極
間の全て領域の液晶分子が整列し、液晶分子の光軸が一
方の偏光板の偏光透過軸と完全に一致させることができ
るため、良好な黒レベルの表示が行え、コントラスト比
が前記発明の実施の形態2と同レベルまたはそれ以上に
なる。
【0306】この結果、本発明の実施の形態では、コン
トラスト比が前記発明の実施の形態2の同等の120を
得ることができた。
【0307】また、本発明の実施の形態では、電界印加
時に液晶分子の配列が1方向(0°)の方向にそろうた
め、着色の問題が生じるが、光をほとんど透過しない黒
レベルの着色であるため、ほとんど着色を感じることは
無い。
【0308】以上、説明したように、本発明の実施の形
態では、ノーマリホワイトの特性で、前記発明の実施の
形態2と同等の効果を得ることができる。
【0309】また、本発明の実施の形態では、電圧無印
加時に白表示を行うため、電極間領域で一様な透過率を
得ることができるため、より明るい白表示を行うことが
できる。
【0310】[発明の実施の形態4]本発明の実施の形
態では、以下の構成を除けば前記発明の実施の形態3と
同一である。
【0311】図24は、本発明の他の発明の実施の形態
(発明の実施の形態4)であるアクティブマトリクス方
式のカラー液晶表示装置の一画素とその周辺を示す平面
図である。
【0312】本発明の実施の形態は、ラビング方向の異
なる2つの領域の配置の仕方のみが図1と相違する。
【0313】図1に示すように、ラビングの境界を設け
た場合、境界付近で配向不良領域(ドメイン)が発生す
るため、コントラスト比の低下と画質の劣化を招く。
【0314】そこで、本発明の実施の形態では、ラビン
グ方向の異なる2つの領域501と502の境界を、画
素電極上に設けた。
【0315】なお、ラビング方向の異なる2つの領域5
01と502の境界を、対向電極上に設けてもよい。
【0316】これにより、ドメインが発生する領域を表
示には無関係な金属電極上とすることができたため、ド
メインによる表示品質の劣化とコントラスト比の低下を
防ぐことができた。
【0317】このため、本発明の実施の形態ではコント
ラスト比200と、さらに優れた表示品質を得ることが
できた。
【0318】以上、説明したように、本発明の実施の形
態では、前記発明の実施の形態3の効果に加え、極めて
広視野角で、色調の視角特性に優れ、200という高コ
ントラスト比を有し、表示品質にも優れた極めて高画質
の液晶表示装置を得ることができる。
【0319】また、本発明の実施の形態は、発明の実施
の形態1または2と組み合わせることも可能であり、そ
の組み合わせは、本発明の範疇である。
【0320】[発明の実施の形態5]本発明の実施の形
態では、以下の構成を除けば発明の実施の形態1と同一
である。
【0321】前記各発明の実施の形態では、上部配向膜
(ORI1)および下部配向膜(ORI2)の両方に、
ラビング処理を施すことにより、液晶分子の初期配向方
向(φLC1、φLC2)を制御した。
【0322】しかし、ラビング処理を2回行うことは、
どちらかの領域にはラビングされないようにマスクしな
ければならないため、マスク用のレジスト材の塗布やは
く離などの工程が増え、スループットの低下や直材費の
増加を招く。
【0323】したがって、本発明の実施の形態では、ラ
ビング処理が上下配向膜(ORI1,ORI2)のいず
れか一方で良いようにする。
【0324】本発明の実施の形態では、液晶層(LC)
の液晶組成物に右旋回と左旋回のカイラル剤をほぼ50
%の比率で混合させることにより、液晶分子に平行配向
の規制力を与えるようにする。
【0325】これにより、片側の配向膜の配向方向が決
まれば、もう一方の配向膜の配向方向もおのずと決ま
る。
【0326】したがって、一方の配向膜にのみラビング
処理を行えば良く、マスク用のレジスト材の塗布やはく
離などの工程が半分に低減でき、スループットの低下や
直材費の増加を抑制できる。
【0327】また、本発明の実施の形態は、前記各発明
の実施の形態に適用でき、それぞれの効果を再現でき
る。
【0328】以上、説明したように、本発明の実施の形
態では、発明の実施の形態1の効果に加え、ラビング処
理に要するレジスト材の塗布やはく離などの工程が半分
に低減でき、スループットの低下や直材費の増加を抑制
できる。
【0329】[発明の実施の形態6]本発明の実施の形
態では、以下の構成を除けば前記発明の実施の形態1と
同一である。
【0330】前記各発明の実施の形態では、上部配向膜
(ORI1)あるいは下部配向膜(ORI2)のいずれ
か一方、または、両方にラビング処理を施すことによ
り、液晶分子の初期配向方向(φLC1、φLC2)を
制御するようにしている。
【0331】しかし、ラビング処理を2回行うことは、
どちらかの領域にはラビングされないようマスクしなけ
ればならないため、マスク用のレジスト材の塗布やはく
離などの工程が増え、スループットの低下や直材費の増
加を招く。
【0332】したがって、本発明の実施の形態では、ラ
ビング処理を不要にする。
【0333】図25は、本発明の実施の形態における配
向膜(ORI)の配向方法を示す図である。
【0334】本発明の実施の形態では、偏光方向の異な
る2つの偏光レーザー光(L1、L2)を、配向方向を
変えたい2つの領域にそれぞれ照射する。
【0335】配向膜(ORI)として用いるポリイミ
ド、ポリウレタン等は、その偏光方向にしたがって、液
晶分子との界面規制力が変わるため、液晶分子はレーザ
ーの偏光方向に初期配向する。
【0336】したがって、レジスト材を塗布しなくて
も、1画素内の配向膜(ORI)に2方向の配向を行う
ことが可能である。
【0337】また、本発明の実施の形態は、前記各発明
の実施の形態に適用でき、それぞれの効果を再現でき
る。
【0338】以上、説明したように、本発明の実施の形
態では、発明の実施の形態1の効果に加え、ラビング処
理に要するレジスト材の塗布やはく離などの工程が削減
でき、スループットの低下や直材費の増加を招かない。
【0339】以上、本発明を発明の実施の形態に基づき
具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更し得ることは言うまでもない。
【0340】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0341】(1)本発明によれば、横電界方式を採用
したアクティブマトリクス型液晶表示装置において、互
いに色調のシフトを相殺して、白色色調の方位による依
存性を大幅に低減することが可能となる。
【0342】さらに、階調反転しにくい液晶分子の短軸
方向と、階調反転しやすい液晶分子の長軸方向との特性
が平均され、階調反転に弱い方向での非階調反転視野角
を拡大することが可能となる。
【0343】これにより、全方位における視野角の範囲
を向上させ、かつ、階調の均一性および色調の均一性が
全方位で平均化または拡大することが可能となる。
【0344】(2)本発明によれば、極めて広視野角
で、色調の視角特性に優れ、ブラウン管並の視野角を実
現でき、高コントラスト比を有し、表示品質にも優れた
極めて高画質の液晶表示装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一発明の実施の形態(発明の実施の形
態1)であるアクティブマトリックス型カラー液晶表示
装置の液晶表示部の一画素とその周辺を示す要部平面図
である。
【図2】図1の3−3切断線における画素の断面図であ
る。
【図3】図1の4−4切断線における薄膜トランジスタ
素子TFTの断面図である。
【図4】図1の5−5切断線における蓄積容量Cstgの
断面図である。
【図5】発明の実施の形態1の液晶表示装置における表
示パネル(PNL)のマトリクス周辺部の構成を説明す
るための平面図である。
【図6】発明の実施の形態1の液晶表示装置における左
側に走査信号端子、右側に外部接続端子のないパネル縁
部分を示す断面図である。
【図7】発明の実施の形態1の液晶表示装置における表
示マトリクス部(AR)の走査信号線(GL)からその
外部接続端子であるゲート端子(GTM)までの接続構
造を示す図である。
【図8】発明の実施の形態1の液晶表示装置における表
示マトリクス部(AR)の映像信号線(DL)からその
外部接続端子であるドレイン端子(DTM)までの接続
を示す図である。
【図9】発明の実施の形態1の液晶表示装置における対
向電圧信号線(CL)からその外部接続端子である対向
電極端子(CTM)までの接続を示す図である。
【図10】発明の実施の形態1の液晶表示装置における
表示マトリクス部(AR)の等化回路とその周辺回路を
示す図である。
【図11】発明の実施の形態1の液晶表示装置における
駆動時の駆動波形を示す図である。
【図12】発明の実施の形態1の液晶表示装置における
下部透明ガラス基板(SUB1)側の工程A〜Cの製造
工程を示す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャ
ートである。
【図13】発明の実施の形態1の液晶表示装置における
下部透明ガラス基板(SUB1)側の工程D〜Fの製造
工程を示す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャ
ートである。
【図14】発明の実施の形態1の液晶表示装置における
下部透明ガラス基板(SUB1)側の工程G〜Hの製造
工程を示す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャ
ートである。
【図15】発明の実施の形態1における液晶表示パネル
(PNL)に周辺の駆動回路を実装した状態を示す平面
図である。
【図16】発明の実施の形態1の液晶表示装置における
駆動回路を構成する集積回路チップ(CHI)がフレキ
シブル配線基板に搭載されたテープキャリアパッケージ
(TCP)の断面構造を示す断面図である。
【図17】発明の実施の形態1の液晶表示装置における
テープキャリアパッケージ(TCP)を液晶表示パネル
(PNL)の走査信号回路用端子(GTM)に接続した
状態を示す要部断面図である。
【図18】発明の実施の形態1の液晶表示装置における
液晶表示モジュールの分解斜視図である。
【図19】発明の実施の形態1における下部配向膜(O
RI1)のラビング処理方法を示す図である。
【図20】発明の実施の形態1の液晶表示装置、およ
び、比較例の液晶表示装置における、白色表示色調の角
度依存特性を示すグラフである。
【図21】発明の実施の形態1の液晶表示装置、およ
び、比較例の液晶表示装置における、視野方向よる全方
位の白色色調の均一領域を示すグラフである。
【図22】発明の実施の形態1における印加電界方向
(EDR)、ラビング方向(RDR1、RDR2)、偏
光透過軸(MAX1、MAX2)の関係を示す図であ
る。
【図23】発明の実施の形態1における視角の定義を示
す図である。
【図24】本発明の他の発明の実施の形態(発明の実施
の形態4)であるアクティブマトリックス型カラー液晶
表示装置の液晶表示部の一画素とその周辺を示す要部平
面図である。
【図25】発明の実施の形態6における配向膜(OR
I)の配向方法を示す図である。
【符号の説明】
SUB…透明ガラス基板、GL…走査信号線、DL…映
像信号線、CL…対向電圧信号線、PX…画素電極、C
T…対向電極、GI…絶縁膜、GT…ゲート電極、AS
…i型半導体層、SD…ソース電極またはドレイン電
極、POL…偏光板、ORI…配向膜、OC…オーバー
コート膜、PSV…保護膜、BM…遮光膜、FIL…カ
ラーフィルタ、LC…液晶層、TFT…薄膜トランジス
タ、g,d…導電膜、Cstg…蓄積容量、AOF…陽
極酸化膜、AO…陽極酸化マスク、GTM…ゲート端
子、DTM…ドレイン端子、CB…共通バスライン、C
TM…対向電極端子、SHD…シールドケース、PNL
…液晶表示パネル、SPB…光拡散板、LCB…導光
体、BL…バックライト蛍光管、LCA…バックライト
ケース、RM…反射板、RES…レジスト材、MAS…
ホトマスク、L…偏光レーザー光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦沢 啓一郎 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 箭内 雅弘 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 小西 信武 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板と、前記一対の基板間に挟持
    される液晶層と、前記一方の基板上にマトリクス状に形
    成される複数のアクティブ素子と、前記複数のアクティ
    ブ素子にそれぞれ接続される複数の画素電極と、前記一
    対の基板のいずれか一方の基板上に形成され、前記画素
    電極との間で基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印加す
    る複数の対向電極と、前記一対の基板の液晶層を挾持す
    る面と反対側の面上に形成される2枚の偏光板とを、少
    なくとも有するアクティブマトリクス型液晶表示装置に
    おいて、前記液晶層が、1画素内で2方向の液晶分子の
    初期配向方向を有することを特徴とするアクティブマト
    リクス型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記液晶層が、正の誘電率異方性を有
    し、前記2方向の液晶分子の初期配向方向と印加電界方
    向とのなす角度φLC1、φLC2が、それぞれ90°
    +α、90°−αであるとともに、前記2枚の偏光板の
    偏光透過軸と印加電界方向とのなす角度φP1、φP2
    が、それぞれ90°、0°であることを特徴とする請求
    項1に記載されたアクティブマトリクス型液晶表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記液晶層が、負の誘電率異方性を有
    し、前記2方向の液晶分子の初期配向方向と印加電界方
    向とのなす角度φLC1、φLC2が、それぞれ0°+
    α、180°−αであるとともに、前記2枚の偏光板の
    偏光透過軸と印加電界方向とのなす角度φP1、φP2
    が、それぞれ90°、0°であることを特徴とする請求
    項1に記載されたアクティブマトリクス型液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記αの絶対値が、2.5°以下である
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載された
    アクティブマトリクス型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記2方向の初期配向方向と印加電界方
    向とのなす角度φLC1、φLC2が、それぞれ45
    °、135°であるとともに、前記2枚の偏光板の偏光
    透過軸と印加電界方向とのなす角度φP1、φP2が、
    それぞれ90°、0°であることを特徴とする請求項1
    に記載されたアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記2方向の液晶分子の初期配向方向の
    境界を、画素内の画素電極もしくは対向電極上に配置す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか
    1項に記載されたアクティブマトリクス型液晶表示装
    置。
  7. 【請求項7】 一対の基板と、前記一対の基板間に挾持
    される液晶層と、前記一方の基板上にマトリクス状に形
    成される複数のアクティブ素子と、前記複数のアクティ
    ブ素子にそれぞれ接続される複数の画素電極と、前記一
    対の基板のいずれか一方の基板上に形成され、前記画素
    電極との間で基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印加す
    る複数の対向電極と、前記一対の基板上に形成され前記
    液晶層と接する一対の配向膜と、前記一対の基板の液晶
    層を挾持する面と反対側の面上に形成される2枚の偏光
    板とを、少なくとも有するアクティブマトリクス型液晶
    表示装置の製造方法において、前記一対の配向膜に、1
    画素内で2方向のラビング処理を施すことを特徴とする
    アクティブマトリクス型液晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 一対の基板と、前記一対の基板間に挾持
    される液晶層と、前記一方の基板上にマトリクス状に形
    成される複数のアクティブ素子と、前記複数のアクティ
    ブ素子にそれぞれ接続される複数の画素電極と、前記一
    対の基板のいずれか一方の基板上に形成され、前記画素
    電極との間で基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印加す
    る複数の対向電極と、前記一対の基板上に形成され前記
    液晶層と接する一対の配向膜と、前記一対の基板の液晶
    層を挾持する面と反対側の面上に形成される2枚の偏光
    板とを、少なくとも有するアクティブマトリクス型液晶
    表示装置の製造方法において、液晶層にカイラル剤を混
    入し、前記一対の配向膜のいずれか一方に、1画素内で
    2方向のラビング処理を施すことを特徴とするアクティ
    ブマトリクス型液晶表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 一対の基板と、前記一対の基板間に挾持
    される液晶層と、前記一方の基板上にマトリクス状に形
    成される複数のアクティブ素子と、前記複数のアクティ
    ブ素子にそれぞれ接続される複数の画素電極と、前記一
    対の基板のいずれか一方の基板上に形成され、前記画素
    電極との間で基板面にほぼ平行な電界を液晶層に印加す
    る複数の対向電極と、前記一対の基板上に形成され前記
    液晶層と接する一対の配向膜と、前記一対の基板の液晶
    層を挾持する面と反対側の面上に形成される2枚の偏光
    板とを、少なくとも有するアクティブマトリクス型液晶
    表示装置の製造方法において、前記一対の配向膜の1画
    素内のそれぞれ異なる領域に、2方向の所定の偏光方向
    を有するレーザー光を照射することにより、前記液晶層
    に、1画素内で2方向の液晶分子の初期配向方向を付与
    することを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示
    装置の製造方法。
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