JP2001264809A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2001264809A
JP2001264809A JP2000077080A JP2000077080A JP2001264809A JP 2001264809 A JP2001264809 A JP 2001264809A JP 2000077080 A JP2000077080 A JP 2000077080A JP 2000077080 A JP2000077080 A JP 2000077080A JP 2001264809 A JP2001264809 A JP 2001264809A
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electrode
liquid crystal
signal line
pixel
video signal
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Masuyuki Ota
益幸 太田
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Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透過率を向上させ、かつ残像の発生の低減を
図る。 【解決手段】 液晶層を介して対向配置される各基板の
うち一方の基板の液晶側の画素領域に、互いに離間され
て形成された一対の電極が備えられ、これら電極の間に
発生させる前記基板と平行な成分の電界によって前記液
晶層の光透過率を制御させるものであって、前記電極は
少なくともその一方が透明電極で形成されているとも
に、前記液晶層の層厚をd、前記電極の幅をw、各電極
の間隔をLとした場合に、d≧L、およびd≧wの関係
を有するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に係
り、いわゆる横電界方式と称される液晶表示装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】横電界方式と称される液晶表示装置は、
液晶を介して対向配置される各透明基板の一方の透明基
板の液晶側の各画素領域に、画素電極とこの画素電極と
の間に透明基板と平行な電界(横電界)を発生せしめる
対向電極とが形成されて構成されている。
【0003】画素電極と対向電極の間の領域を透過する
光に対して、その量を前記電界が印加された液晶の駆動
によって、制御するようになっている。
【0004】このような液晶表示装置は、表示面に対し
て斜めの方向から観察しても表示に変化のない、いわゆ
る広視野角特性に優れたものとして知られいる。
【0005】そして、これまで、前記画素電極と対向電
極は光を透過させることのない導電層で形成されてい
た。
【0006】しかし、近年、画素領域の周辺を除く領域
の全域に透明電極からなる対向電極を形成し、この対向
電極上に絶縁膜を介して一方向に延在し該一方向に交差
する方向に並設させた透明電極からなる帯状の画素電極
を形成した構成のものが知られるに到った。
【0007】このような構成の液晶表示装置は、横電界
が画素電極と対向電極との間に発生し、依然として広視
野角特性に優れるとともに、開口率が大幅に向上するよ
うになる。
【0008】なお、この技術はたとえばSID(Societ
y for Information Display) 99 DIGEST:
P202〜P205、あるいは特開平11−20235
6号公報に記載がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た液晶表示装置は、開口率の減少を憂えることなく、電
極の配置密度を大きくできるようになるが、それによ
り、部分的に電界の集中が起きやすく残像の発生が生じ
易いという不都合が指摘されるようになった。
【0010】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、その目的は、残像の発生を抑制し、表示品
質の良好な液晶表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明において開示され
る発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれ
ば、以下のとおりである。
【0012】すなわち、液晶層を介して対向配置される
各基板のうち一方の基板の液晶側の画素領域に、互いに
離間されて形成された一対の電極が備えられ、これら電
極の間に発生させる前記基板と平行な成分の電界によっ
て前記液晶層の光透過率を制御させるものであって、前
記電極は少なくともその一方が透明電極で形成されてい
るともに、前記液晶層の層厚をd、前記電極の幅をw、
各電極の間隔をLとした場合に、d≦L、およびd≧w
の関係を有するように構成されていることを特徴とする
ものである。
【0013】このように構成された液晶表示装置は、残
像の発生を大幅に抑制させたものを得ることができるよ
うになる。
【0014】仮に、画素電極と対向電極の間の距離に対
して液晶の層厚を大きくした場合、それら電極が形成さ
れている透明基板側に強力な横電界が発生し易くなり、
該電極が形成されている透明基板側の配向膜のみによっ
て初期配向の状態に復元させなければならないことか
ら、残像が極めて生じ易くなってしまう。
【0015】また、液晶の層厚に比較して電極の幅を大
きくした場合、それら電極が形成されている透明基板と
対向する他の透明基板側に強力な横電界が発生し易くな
り、該透明基板側の配向膜のみによって初期配向の状態
に復元されなければならないことから、残像が極めて生
じ易くなってしまう。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の更に他の目的及び本発明
の更に他の特徴は図面を参照した以下の説明から明らか
となるであろう。
【0017】(実施例1) 《アクティブ・マトリクス液晶表示装置》以下、アクテ
ィブ・マトリクス方式のカラー液晶表示装置に本発明を
適用した実施例を説明する。なお、以下説明する図面
で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。
【0018】《マトリクス部(画素部)の平面構成》図
1は本発明のアクティブ・マトリクス方式カラー液晶表
示装置の一画素とその周辺を示す平面図である(図の斜
線部分は透明導電膜g2を示す)。
【0019】図1に示すように、各画素は走査信号線
(ゲート信号線または水平信号線)GLと、対向電圧信
号線(対向電極配線)CLと、隣接する2本の映像信号
線(ドレイン信号線または垂直信号線)DLとの交差領
域内(4本の信号線で囲まれた領域内)に配置されてい
る。各画素は薄膜トランジスタTFT、蓄積容量Cst
g、画素電極PXおよび対向電極CTを含む。走査信号
線GL、対向電圧信号線CLは図では左右方向に延在
し、上下方向に複数本配置されている。映像信号線DL
は上下方向に延在し、左右方向に複数本配置されてい
る。画素電極PXは薄膜トランジスタTFTと接続さ
れ、対向電極CTは対向電圧信号線CLと一体になって
いる。
【0020】映像信号線DLに沿って上下に隣接する2
画素では、図1(a)線で折曲げたとき、平面構成が重
なり合う構成となっている。これは、対向電圧信号線C
Lを映像信号線DLに沿って上下に隣接する2画素で共
通化し、対向電圧信号線CLの電極幅を拡大することに
より、対向電圧信号線CLの抵抗を低減するためであ
る。これにより、外部回路から左右方向の各画素の対向
電極CTへ対向電圧を十分に供給することが容易にな
る。
【0021】画素電極PXと対向電極CTは互いに対向
し、各画素電極PXと対向電極CTとの間の電界により
液晶LCの光学的な状態を制御し、表示を制御する。画
素電極PXと対向電極CTは櫛歯状に構成され、それぞ
れ、図の上下方向に長細い電極となっている。
【0022】1画素内の対向電極CT1の本数O(櫛歯
の本数)は、画素電極PXの本数(櫛歯の本数)PとO
=P−1の関係を必ず持つように構成する(本実施例で
は、O=1、P=2)。これは、対向電極CTと画素電
極PXを交互に配置し、かつ、対向電極CT2を映像信
号線DLに必ず隣接させるためである。これにより、対
向電極CTと画素電極PXの間の電界が、映像信号線D
Lから発生する電界から影響を受けないように、対向電
極CT2で映像信号線DLからの電気力線をシールドす
ることができる。対向電極CT2は、後述の対向電圧信
号線CLにより常に外部から電位を供給されているた
め、電位は安定している。そのため、映像信号線DLに
隣接しても、電位の変動がほとんどない。また、これに
より、画素電極PXの映像信号線DLからの幾何学的な
位置が遠くなるので、画素電極PXと映像信号線DLの
間の寄生容量が大幅に減少し、画素電極電位Vsの映像
信号電圧による変動も抑制できる。これらにより、上下
方向に発生するクロストーク(縦スミアと呼ばれる画質
不良)を抑制することができる。
【0023】図41および図42は、電極の幅Wと画素
電極PXと対向電極CTの間の距離(最短距離)Lを液
晶の層厚dとの関係を示す平面図である。
【0024】すなわち、L≧dおよびW≦dの関係とす
るにより、透過率を向上させ、かつ残像の発生を大幅に
抑制できる効果を得ることができる。
【0025】なお、ここで、液晶の層厚dとは、液晶セ
ルの(平均)リタデーションΔn・dを液晶材料の屈折
率異方性Δnで割った値として定義する。
【0026】液晶の層厚dに比較して電極の幅Wが大き
い場合、図41(a)に示すように、それらの電極上の
電界の横方向成分が少なくなり、電極上の透過光が得ら
れにくくなるためであり、図43に示すように電極幅W
の増加にともなって透過率が減少するためである。
【0027】したがって、図41(b)に示すように、
Wをdより小さくすることで、電極上の横方向電界を発
生させることで電極上の透過率を向上する。
【0028】しかしながら、図42(a)、(b)に示
すように、画素電極PXと対向電極CT1の間の距離L
に対して液晶の層厚dが大きい場合、それら電極が形成
されている透明基板側に強力な横電界が発生しやすくな
り、該電極が形成されている透明基板側の配向膜のみに
よって初期配向の状態に復元させなければならないこと
から、残象が極めて生じ易くなってしまうからである。
【0029】図44にd=4μmの時のLに対する残像
強度を示す。同図からd=4μmの場合、W≦dの範囲
では4μm以上で残像が落ち着くことがわかる。
【0030】したがって、液晶の層厚dを基準として電
極の幅Wと画素電極PXと対向電極CTの間の距離(最
短距離)Lを上述のように設定するか、あるいは電極の
幅Wと画素電極PXと対向電極CTの間の距離(最短距
離)Lを基準として液晶の層厚dを上述のように設定す
ることによって、透過率を向上させ、かつ残像の発生を
大幅に低減させることができるようになる。
【0031】また、図70は上述した構成においてセル
ギャップ(液晶の層厚)を変動させた場合の液晶分子の
挙動を従来(IPS方式)の場合と比較して示してい
る。そして、中間調20%輝度(真白の輝度を100%
としたときの20%の輝度)において、セルギャップ変
動量に対する輝度変動を示したグラフを同図に示してい
る。
【0032】このグラフから明らかなように、前記一方
の基板に対する他方の基板のギャップの変動が±0.3
μmに対して、輝度の変動が10%以下になっているこ
とが確認され、W>dの時よりも変動が緩やかであり、
むらが少なくなることがわかる。
【0033】また、映像信号線DLの電極幅は画素電極
PXと対向電極CT1と同じ幅以上とする。また、断線
を防止するために、画素電極PXと対向電極CTに比較
して若干広くした方が好ましい。
【0034】ここで、映像信号線DLの電極幅が、隣接
する対向電極CT2の電極幅の2倍以下になるように設
定する。
【0035】または、映像信号線DLの電極幅が歩留り
の生産性から決まっている場合には、映像信号線DLに
隣接する対向電極CT2の電極幅を映像信号線DLの電
極幅の1/2を超えるようにする。これは、映像信号線
DLから発生する電気力線をそれぞれ両脇の対向電極C
Tで吸収するためであり、ある電極幅から発生する電気
力線を吸収するには、それと同一幅以上の電極幅を持つ
電極が必要である。したがって、映像信号線DLの電極
の半分(4μmずつ)から発生する電気力線をそれぞれ
両脇の対向電極CTが吸収すればよい。また、画素電極
PXからの電気力線も終端させる必要があるため、画素
電極の半分(3μm)も必要である。したがって、映像
信号線DLに隣接する対向電極CTの電極幅は映像信号
線の1/2に隣接する画素電極の幅の1/2を加えた幅
以上とする。これにより、映像信号の影響により、クロ
ストークが発生する、特に上下方向(縦方向)のクロス
トークを防止する。
【0036】走査信号線GLは末端側の画素(後述の走
査電極端子GTMの反対側)のゲート電極GTに十分に
走査電圧が印加するだけの抵抗値を満足するように電極
幅を設定する。また、対向電圧信号線CLも末端側の画
素(後述の共通バスラインCBの反対側)の対向電極C
Tに十分に対向電圧が印加できるだけの抵抗値を満足す
るように電極幅を設定する。
【0037】一方、画素電極PXと対向電極CTの間の
電極間隔は、用いる液晶材料によって変える。これは、
液晶材料によって最大透過率を達成する電界強度が異な
るため、電極間隔を液晶材料に応じて設定し、用いる映
像信号駆動回路(信号側ドライバ)の耐圧で設定される
信号電圧の最大振幅の範囲で、最大透過率が得られるよ
うにするためである。
【0038】《マトリクス部(画素部)の断面構成》図
2は図1の3−3切断線における断面を示す図、図3は
図1の4−4切断線における薄膜トランジスタTFTの
断面図、図4は図1の5−5切断線における蓄積容量C
stgの断面を示す図である。図2〜図4に示すように、
液晶層LCを基準にして下部透明ガラス基板SUB1側
には薄膜トランジスタTFT、蓄積容量Cstgおよび電
極群が形成され、上部透明ガラス基板SUB2側にはカ
ラーフィルタFIL、遮光用ブラックマトリクスパター
ンBMが形成されている。
【0039】また、透明ガラス基板SUB1、SUB2
のそれぞれの内側(液晶LC側)の表面には、液晶の初
期配向を制御する配向膜ORI1、ORI2が設けられ
ており、透明ガラス基板SUB1、SUB2のそれぞれ
の外側の表面には、偏光軸が直交して配置された(クロ
スニコル配置)偏光板が設けられている。
【0040】《TFT基板》まず、下側透明ガラス基板
SUB1側(TFT基板)の構成を詳しく説明する。
【0041】《薄膜トランジスタTFT》薄膜トランジ
スタTFTは、ゲート電極GTに正のバイアスを印加す
ると、ソース−ドレイン間のチャネル抵抗が小さくな
り、バイアスを零にすると、チャネル抵抗は大きくなる
ように動作する。
【0042】薄膜トランジスタTFTは、図3に示すよ
うに、ゲート電極GT、ゲート絶縁膜GI、i型(真
性、intrinsic、導電型決定不純物がドープされていな
い)非晶質シリコン(Si)からなるi型半導体層A
S、一対のソース電極SD1、ドレイン電極SD2を有
す。なお、ソース、ドレインは本来その間のバイアス極
性によって決まるもので、この液晶表示装置の回路では
その極性は動作中反転するので、ソース、ドレインは動
作中入れ替わると理解されたい。しかし、以下の説明で
は、便宜上一方をソース、他方をドレインと固定して表
現する。
【0043】《ゲート電極GT》ゲート電極GTは走査
信号線GLと連続して形成されており、走査信号線GL
の一部の領域がゲート電極GTとなるように構成されて
いる。ゲート電極GTは薄膜トランジスタTFTの能動
領域を超える部分であり、i型半導体層ASを完全に覆
うよう(下方からみて)それより大き目に形成されてい
る。これにより、ゲート電極GTの役割のほかに、i型
半導体層ASに外光やバックライト光が当たらないよう
に工夫されている。本例では、ゲート電極GTは、単層
の導電膜g1で形成されている。導電膜g1としては例
えばスパッタで形成されたアルミニュウム(Al)膜
が、または、クロム(Cr)膜、Ti、Ta、W等およ
びそれらの合金が用いられる。また、Al等の場合はそ
の表面に陽極酸化膜が形成される場合もある。さらには
二層以上の積層構造にしてもよい。
【0044】《走査信号線GL》走査信号線GLは導電
膜g1で構成されている。この走査信号線GLの導電膜
g1はゲート電極GTの導電膜g1と同一製造工程で形
成され、かつ一体に構成されている。この走査信号線G
Lにより、外部回路からゲート電圧Vgをゲート電極G
Tに供給する。なお、映像信号線DLと交差する部分は
映像信号線DLとの短絡の確率を小さくするため細く
し、また、短絡しても、レーザートリミングで切り離す
ことができるように二股にしている。
【0045】《対向電極CT》対向電極CT2はゲート
電極GTおよび走査信号線GLと同層の導電膜g1で構
成されている。また対向電極CT1は後述の画素電極P
Xと同一工程で形成され、透明導電膜g2で形成されて
おり、また対向電圧信号線CLと接続をゲート絶縁膜G
IのスルホールPHを介してとっている。また、画素電
極PXと対向電極CTを同一マスクで同時に形成するこ
とにより、実施例4で2回行っている工程Fが1回にな
り、生産性も向上する。対向電極CTには対向電圧Vco
mが印加されるように構成されている。本実施例では、
対向電圧Vcomは映像信号線DLに印加される最小レベ
ルの駆動電圧Vdminと最大レベルの駆動電圧Vdmaxと
の中間直流電位から、薄膜トランジスタ素子TFTをオ
フ状態にするときに発生するフィードスルー電圧△Vs
分だけ低い電位に設定されるが、映像信号駆動回路で使
用される集積回路の電源電圧を約半分に低減したい場合
は、交流電圧を印加すれば良い。
【0046】《対向電圧信号線CL》対向電圧信号線C
Lは導電膜g1で構成されている。この対向電圧信号線
CLの導電膜g1はゲート電極GT、走査信号線GLお
よび対向電極CT2の導電膜g1と同一製造工程で形成
され、かつ対向電極CT2と一体に構成されている。こ
の対向電圧信号線CLにより、外部回路から対向電圧V
comを対向電極CTに供給する。なお、映像信号線DL
と交差する部分は、走査信号線GLと同様に映像信号線
DLとの短絡の確率を小さくするため細くし、また、短
絡しても、レーザートリミングで切り離すことができる
ように二股にしている。対向電圧信号線CLの抵抗を低
減することにより、対向電極間の電圧の伝わりを円滑に
し、電圧の歪を低減することにより、水平方向に発生す
るクロストーク(横スミア)を低減できる。
【0047】《絶縁膜GI》絶縁膜GIは、薄膜トラン
ジスタTFTにおいて、ゲート電極GTと共に半導体層
ASに電界を与えるためのゲート絶縁膜として使用され
る。絶縁膜GIはゲート電極GTおよび走査信号線GL
の上層に形成されている。絶縁膜GIとしては例えばプ
ラズマCVDで形成された窒化シリコン膜が選ばれ、1
200〜2700Åの厚さに(本実施例では、2400
Å程度)形成される。ゲート絶縁膜GIは、マトリクス
部ARの全体を囲むように形成され、周辺部は外部接続
端子DTM,GTMを露出するよう除去されている。絶
縁膜GIは走査信号線GLおよび対向電圧信号線CLと
映像信号線DLの電気的絶縁にも寄与している。
【0048】《i型半導体層AS》i型半導体層AS
は、非晶質シリコンで、100〜3000Åの厚さに
(本実施例では、2000Å程度の膜厚)で形成され
る。層d0はオーミックコンタクト用のリン(P)をド
ープしたn(+)型非晶質シリコン半導体層であり、下側
にi型半導体層ASが存在し、上側に導電層d1(d
2)が存在するところのみに残されている。
【0049】i型半導体層ASは走査信号線GLおよび
対向電圧信号線CLと映像信号線DLとの交差部(クロ
スオーバ部)の両者間にも設けられている。この交差部
のi型半導体層ASは交差部における走査信号線GLお
よび対向電圧信号線CLと映像信号線DLとの短絡を低
減する。
【0050】《ソース電極SD1、ドレイン電極SD
2》ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のそれぞれ
は、n(+)型半導体層d0に接触する導電膜d1とその
上に形成された導電膜d2とから構成されている。
【0051】導電膜d1はスパッタで形成したクロム
(Cr)膜を用い、500〜1000Åの厚さに(本実
施例では、600Å程度)で形成される。Cr膜は膜厚
を厚く形成するとストレスが大きくなるので、2000
Å程度の膜厚を越えない範囲で形成する。Cr膜はn
(+)型半導体層d0との接着性を良好にし、導電膜d2
のAlがn(+)型半導体層d0に拡散することを防止す
る(いわゆるバリア層の)目的で使用される。導電膜d
1として、Cr膜の他に高融点金属(Mo、Ti、T
a、W)膜、高融点金属シリサイド(MoSi2、Ti
Si2、TaSi2、WSi2)膜を用いてもよい。
【0052】導電膜d2はAlのスパッタリングで30
00〜5000Åの厚さに(本実施例では、4000Å
程度)形成される。Al膜はCr膜に比べてストレスが
小さく、厚い膜厚に形成することが可能で、ソース電極
SD1、ドレイン電極SD2および映像信号線DLの抵
抗値を低減したり、ゲート電極GTやi型半導体層AS
に起因する段差乗り越えを確実にする(ステップカバー
レッジを良くする)働きがある。
【0053】導電膜d1、導電膜d2を同じマスクパタ
ーンでパターニングした後、同じマスクを用いて、ある
いは導電膜d1、導電膜d2をマスクとして、n(+)型
半導体層d0が除去される。つまり、i型半導体層AS
上に残っていたn(+)型半導体層d0は導電膜d1、導
電膜d2以外の部分がセルフアラインで除去される。こ
のとき、n(+)型半導体層d0はその厚さ分は全て除去
されるようエッチングされるので、i型半導体層ASも
若干その表面部分がエッチングされるが、その程度はエ
ッチング時間で制御すればよい。また、本実施例ではd
1、d2の2層構造としたが、d1のみの単層構造とし
てもよいことはもちろんである。
【0054】《映像信号線DL》映像信号線DLはソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2と同層の第2導電膜
d2、第3導電膜d3で構成されている。また、映像信
号線DLはドレイン電極SD2と一体に形成されてい
る。また、本実施例ではd1、d2の2層構造とした
が、d1のみの単層構造としてもよいことはもちろんで
ある。
【0055】《画素電極PX》画素電極PXは、透明導
電層g2で形成されている。この透明導電膜g2はスパ
ッタリングで形成された透明導電膜(Indium-Tin-Oxide
ITO:ネサ膜)からなり、100〜2000Åの厚
さに(本実施例では、1400Å程度の膜厚)形成され
る。
【0056】画素電極PXが本実施例のように透明にな
ることにより、その部分の透過光により、白表示を行う
時の最大透過率が向上するため、画素電極PXが不透明
な場合よりも、より明るい表示を行うことができる。こ
の時、後述するように、電圧無印加時には、液晶分子は
初期の配向状態を保ち、その状態で黒表示をするように
偏向板の配置を構成する(ノーマリブラックモードにす
る)にしているので、画素電極PXを透明にしても、そ
の部分の光を透過することがなく、良質な黒を表示する
ことができる。これにより、最大透過率を向上させ、か
つ充分なコントラスト比を達成することができる。
【0057】《蓄積容量Cstg》画素電極PXは、薄膜
トランジスタTFTと接続される端部と反対側の端部に
おいて、対向電圧信号線CLと重なるように形成されて
いる。この重ね合わせは、図4からも明らかなように、
画素電極PXを一方の電極PL2とし、対向電圧信号C
Lを他方の電極PL1とする蓄積容量(静電容量素子)
Cstgを構成する。この蓄積容量Cstgの誘電体膜は、薄
膜トランジスタTFTのゲート絶縁膜として使用される
絶縁膜GIおよび陽極酸化膜AOFで構成されている。
【0058】図1に示すように平面的には蓄積容量Cst
gは対向電圧信号線CLの導電膜g1の幅を広げた部分
に形成されている。
【0059】《保護膜PSV1》薄膜トランジスタTF
T上には保護膜PSV1が設けられている。保護膜PS
V1は主に薄膜トランジスタTFTを湿気等から保護す
るために形成されており、透明性が高くしかも耐湿性の
良いものを使用する。保護膜PSV1はたとえばプラズ
マCVD装置で形成した酸化シリコン膜や窒化シリコン
膜で形成されており、0.1〜3μm程度の膜厚で形成
する。また、この保護膜PSV1として、アクリル樹
脂、ポリイミド等の有機膜およびそれらとの積層構造に
してもよい。
【0060】保護膜PSV1は、マトリクス部ARの全
体を囲むように形成され、周辺部は外部接続端子DT
M,GTMを露出するよう除去されている。保護膜PS
V1とゲート絶縁膜GIの厚さ関係に関しては、前者は
保護効果を考え厚くされ、後者はトランジスタの相互コ
ンダクタンスgmを考え薄くされる。従って、保護効果
の高い保護膜PSV1は周辺部もできるだけ広い範囲に
亘って保護するようゲート絶縁膜GIよりも大きく形成
されている。
【0061】《カラーフィルタ基板》次に、図1、図2
に戻り、上側透明ガラス基板SUB2側(カラーフィル
タ基板)の構成を詳しく説明する。
【0062】《遮光膜BM》上部透明ガラス基板SUB
2側には、不要な間隙部(画素電極PXと対向電極CT
の間以外の隙間)からの透過光が表示面側に出射して、
コントラスト比等を低下させないように遮光膜BM(い
わゆるブラックマトリクス)を形成している。遮光膜B
Mは、外部光またはバックライト光がi型半導体層AS
に入射しないようにする役割も果たしている。すなわ
ち、薄膜トランジスタTFTのi型半導体層ASは上下
にある遮光膜BMおよび大き目のゲート電極GTによっ
てサンドイッチにされ、外部の自然光やバックライト光
が当たらなくなる。
【0063】図1に示す遮光膜BMの閉じた多角形の輪
郭線は、その内側が遮光膜BMが形成されない開口を示
している。この輪郭線のパターンは、1例であり、より
開口部分を大きくすることもできる。たとえば電界方向
は乱れるが、その部分の表示は、画素内の映像情報に1
対1で対応し、かつ、黒の場合には黒、白の場合には白
になる領域は、表示の一部として利用することが可能で
ある。また、図の上下方向の境界線は上下基板の合わせ
精度によって決まり、合わせ精度が映像信号線DLに隣
接する対向電極CTの電極幅よりも良い場合には、対向
電極の幅の間に設定すれば、より開口部を拡大すること
ができる。
【0064】遮光膜BMは光に対する遮蔽性を有し、か
つ、画素電極PXと対向電極CTの間の電界に影響を与
えないように絶縁性の高い膜で形成されている。このよ
うにすることにより、基板面に平行な電界が有効に液晶
層に印加され、液晶を駆動する電圧の上昇を抑制でき
る。この遮光膜BMの材料として、たとえば、クロム
(Cr)等の金属膜や、黒色の顔料をレジスト材に混入
し、1.2μm程度の厚さで形成したものがある。
【0065】遮光膜BMは各画素の周囲に格子状に形成
され、この格子で1画素の有効表示領域が仕切られてい
る。従って、各画素の輪郭が遮光膜BMによって明確に
なる。つまり、遮光膜BMはブラックマトリクスとi型
半導体層ASに対する遮光との2つの機能をもつ。
【0066】遮光膜BMは周辺部にも額縁状に形成さ
れ、そのパターンはドット状に複数の開口を設けた図1
に示すマトリクス部のパターンと連続して形成されてい
る。周辺部の遮光膜BMは、シール部SLの外側に延長
され、パソコン等の実装機に起因する反射光等の漏れ光
がマトリクス部に入り込むのを防いでいる。他方、この
遮光膜BMは基板SUB2の縁よりも約0.3〜1.0
mm程内側に留められ、基板SUB2の切断領域を避け
て形成されている。
【0067】《カラーフィルタFIL》カラーフィルタ
FILは画素に対向する位置に赤、緑、青の繰り返しで
ストライプ状に形成される。カラーフィルタFILは遮
光膜BMのエッジ部分と重なるように形成されている。
【0068】カラーフィルタFILは次のように形成す
ることができる。まず、上部透明ガラス基板SUB2の
表面に赤、緑、青のそれぞれの顔料を混入したアクリル
系樹脂を形成し、フォトリソグラフィ技術で縦ストライ
プ状にパターン形成する。
【0069】《オーバーコート膜OC》オーバーコート
膜OCはカラーフィルタFILの染料の液晶LCへの漏
洩の防止、および、カラーフィルタFIL、遮光膜BM
による段差の平坦化のために設けられている。オーバー
コート膜OCはたとえばアクリル樹脂、エポキシ樹脂等
の透明樹脂材料で形成されている。
【0070】《液晶層および偏向板》次に、液晶層、配
向膜、偏光板等について説明する。
【0071】《液晶層》液晶材料LCとしては、誘電率
異方性△εが正でその値が13.2、屈折率異方性△n
が0.075(589nm、20℃)のネマティック液晶
を用いる。
【0072】液晶層の厚み(ギャップ)は、3.9μm
とし、リタデーション△n・dは0.293とする。
【0073】このリタデーション△n・dの値により、後
述の配向膜と偏光板と組合せ、液晶分子がラビング方向
から電界方向に45°回転したとき最大透過率を得るこ
とができ、可視光の範囲内で波長依存性がほとんどない
透過光を得ることができる。なお、液晶層の厚み(ギャ
ップ)は、ポリマビーズやカラーフィルタ基板、または
TFT基板に形成したパターニングスペーサで制御す
る。
【0074】なお、液晶材料LCは、特に限定したもの
ではなく、誘電率異方性△εは負でもよい。また、誘電
率異方性△εは、その値が大きいほうが、駆動電圧を低
減できる。Δεは10以上が好ましい。また、屈折異方
性Δnは小さいほうが、液晶層の厚み(ギャップ)を厚
くでき、液晶の封入時間が短縮され、かつギャップばら
つきを少なくすることができる。Δnは0.1以下が好
ましい。また、粘度は応答速度を早くするため低いほう
が好ましい。80mpa・s以下なら尚よい。
【0075】また、液晶材料の材料物性と透明導電膜の
対向電極部分あるいは画素電極部分での透過光強度の関
係を調べると、液晶材料のツイスト弾性定数K22に大き
く依存することが判った。これは電極間の開口部におい
て光透過をもたらす横電界による面内ツイスト変形の、
透明導電膜の電極上部での減衰が、上記の液晶材料のツ
イスト弾性定数K22に応じた固有の極率で生じるためで
ある。したがって、透明導電膜の電極部分での光透過を
より大きくして、この透明導電膜の電極を含んだ開口部
全体の輝度を向上させるには、ツイスト弾性定数K22
小さな液晶材料を用いて、上記の減衰曲率を小さくすれ
ばよい。ツイスト弾性定数K22の効果については、実施
例11で更に説明する。
【0076】本実施例1では、ツイスト弾性定数K22
して、室温で、5.1×10-12N(ニュートン)を使
用している。K22は1×10-11N以下が好ましい。な
お、ツイスト弾性定数K22の測定方法は、文献として岡
野 光治、小林 俊介共編 液晶・基礎編p216〜2
20(培風館、1985年)に記載があり、ツイストし
た液晶セルのしきい値電圧測定から求めることができ
る。
【0077】《配向膜》配向膜ORIとしては、ポリイ
ミドを用いる。ラビング方向RDRは上下基板で互いに
平行にし、かつ印加電界方向EDRとのなす角度は75
°とする。図19にその関係を示す。
【0078】なお、ラビング方向RDRと印加電界方向
EDRとのなす角度は、液晶材料の誘電率異方性△εが
正であれば、45℃以上90℃未満、誘電率異方性△ε
が負であれば、0°を超え45°以下でなければならな
い。
【0079】さらに、本実施例では、ラビング方向を配
向膜OR11、OR12で互いに平行とすることで、電
極間及び電極上の表示に寄与する液晶層の上下界面の液
晶分子の初期プレチルト角が、スプレイ状態となり、液
晶分子が互いに光学特性を補償する効果を出し、広い視
野角特性が得られる。
【0080】また、ラビング方向を配向膜OR11、O
R12で互いに反平行とすることで、液晶層の上下界面
の液晶分子のプレチルト角がパラレル状態となり、平均
の液晶層内のチルト角は、より増加するが、10度以下
にプレチルト角を設定することで、本発明の同様な効果
が得られる。
【0081】《偏光板》偏光板POLとしては、日東電
工社製G1220DUを用い、下側の偏光板POL1の
偏光透過軸MAX1をラビング方向RDRと一致させ、
上側の偏向板POL2の偏光透過軸MAX2を、それに
直交させる。図19にその関係を示す。これにより、本
発明の画素に印加される電圧(画素電極PXと対向電極
CTの間の電圧)を増加させるに伴い、透過率が上昇す
るノーマリクローズ特性を得ることができ、また、電圧
無印加時には、良質な黒表示ができる。
【0082】また、偏光板POL2自体には、外部から
の静電気の影響を防止するため、その比抵抗値を低減す
る目的で、透明導電膜が一面に形成されている。この透
明導電膜は、上基板SUS2と上偏光板POL2との間
に形成してもよい。
【0083】《マトリクス周辺の構成》図5は上下のガ
ラス基板SUB1,SUB2を含む表示パネルPNLの
マトリクス(AR)周辺の要部平面を示す図である。ま
た、図6は、左側に走査回路が接続されるべき外部接続
端子GTM付近の断面を、右側に外部接続端子が無いと
ころのシール部付近の断面を示す図である。
【0084】このパネルの製造では、小さいサイズであ
ればスループット向上のため1枚のガラス基板で複数個
分のデバイスを同時に加工してから分割し、大きいサイ
ズであれば製造設備の共用のためどの品種でも標準化さ
れた大きさのガラス基板を加工してから各品種に合った
サイズに小さくし、いずれの場合も一通りの工程を経て
からガラスを切断する。図5、図6は後者の例を示すも
ので、図5、図6の両図とも上下基板SUB1,SUB
2の切断後を表しており、LNは両基板の切断前の縁を
示す。いずれの場合も、完成状態では外部接続端子群T
g,Tdおよび端子CTMが存在する(図で上辺と左辺
の)部分はそれらを露出するように上側基板SUB2の
大きさが下側基板SUB1よりも内側に制限されてい
る。端子群Tg,Tdはそれぞれ後述する走査回路接続
用端子GTM、映像信号回路接続用端子DTMとそれら
の引出配線部を集積回路チップCHIが搭載されたテー
プキャリアパッケージTCP(図16、図17)の単位
に複数本まとめて名付けたものである。各群のマトリク
ス部から外部接続端子部に至るまでの引出配線は、両端
に近づくにつれ傾斜している。これは、パッケージTC
Pの配列ピッチ及び各パッケージTCPにおける接続端
子ピッチに表示パネルPNLの端子DTM,GTMを合
わせるためである。また、対向電極端子CTMは、対向
電極CTに対向電圧を外部回路から与えるための端子で
ある。マトリクス部の対向電極信号線CLは、走査回路
用端子GTMの反対側(図では右側)に引き出し、各対
向電圧信号線を共通バスラインCBで一纏めにして、対
向電極端子CTMに接続している。
【0085】また、対向電圧信号線CLは走査回路用端
子CTM側(図では左側)に引出し、同じく共通バスラ
インCBで一まとめにして対向電極端子に引き出しても
よい。この場合、共通バスラインCBは映像信号線と同
一材料(d1、d2)で構成し、スルホールを介して対
向電圧信号線と接続しなければならない。さらには対向
電圧の供給を充分にするために対向電圧信号線CLを両
側に引き出してもよい。
【0086】対向電極端子CTMは独立に形成してもよ
いが、外部接続端子群Tg、Tdの一部に構成すると端
子GTM、DTMと共に接続がとれ、実装の手間が簡略
される。
【0087】透明ガラス基板SUB1、SUB2の間に
はその縁に沿って、液晶封入口INJを除き、液晶LC
を封止するようにシールパターンSLが形成される。シ
ール材は例えばエポキシ樹脂から成る。
【0088】配向膜ORI1、ORI2の層は、シール
パターンSLの内側に形成される。偏光板POL1、P
OL2はそれぞれ下部透明ガラス基板SUB1、上部透
明ガラス基板SUB2の外側の表面に構成されている。
液晶LCは液晶分子の向きを設定する下部配向膜ORI
1と上部配向膜ORI2との間でシールパターンSLで
仕切られた領域に封入されている。下部配向膜ORI1
は下部透明ガラス基板SUB1側の保護膜PSV1の上
部に形成される。
【0089】この液晶表示装置は、下部透明ガラス基板
SUB1側、上部透明ガラス基板SUB2側で別個に種
々の層を積み重ね、シールパターンSLを基板SUB2
側に形成し、下部透明ガラス基板SUB1と上部透明ガ
ラス基板SUB2とを重ね合わせ、シール材SLの開口
部INJから液晶LCを注入し、注入口INJをエポキ
シ樹脂などで封止し、上下基板を切断することによって
組み立てられる。
【0090】本実施例では注入口INJを走査回路用端
子GTMの反対側に設けたが、映像信号回路接続用端子
DTMの反対側に設けてもよい。
【0091】《ゲート端子部》図7は表示マトリクスの
走査信号線GLからその外部接続端子GTMまでの接続
構造を示す図であり、(a)は平面であり(b)は
(a)のB−B切断線における断面を示している。な
お、同図は図7下方付近に対応し、斜め配線の部分は便
宜状一直線状で表した。
【0092】図中導電層g1は、判り易くするためハッ
チを施してあるが、櫛状にパターニングされている。こ
れは、導電層の幅が広いと表面にホイスカが発生するの
で、1本1本の幅は狭くし、それらを複数本並列に束ね
た構成とすることにより、断線の確率や導電率の犠牲を
最低限に押さえる狙いである。
【0093】ゲート端子GTMは導電層g1と、更にそ
の表面を保護し、かつ、TCP(Tape Carri
er Packege)との接続の信頼性を向上させる
ための透明導電層g2とで構成されている。この透明導
電膜g2はスパッタリングで形成された透明導電膜(I
ndium−Tin−Oxide ITO:ネサ膜)か
らなり、1000〜2000Åの厚さに(本実施例で
は、1400Å程度の膜厚)形成される。また導電層g
1上及びその側面部に形成された導電層d1及びd2
は、導電層と透明導電層g2との接続不良を補うため
に、導電層と透明導電層g2の両方に接続性の良いCr
層d1を接続し、接続抵抗の低減を図るためのものであ
り、導電層d2は導電層d1と同一マスク形成している
ために残っているものである。
【0094】平面図において、ゲート絶縁膜GIはその
境界線よりも右側に、保護膜PSV1もその境界線より
も右側に形成されており、左端に位置する端子部GTM
はそれらから露出し外部回路との電気的接触ができるよ
うになっている。図では、ゲート線GLとゲート端子の
一つの対のみが示されているが、実際はこのような対が
図7に示すように上下に複数本並べられ端子群Tg(図
5)が構成され、ゲート端子の左端は、製造過程では、
基板の切断領域を越えて延長され配線SHg(図示せ
ず)によって短絡される。製造過程におけるこのような
短絡線SHgは陽極化成時の給電と、配向膜ORI1の
ラビング時等の静電破壊防止に役立つ。
【0095】《ドレイン端子DTM》図8(a)は映像
信号線DLからその外部接続端子DTMまでの接続を示
す平面図を示し、図8(b)は図8(a)のB−B切断
線における断面を示す。なお、同図は図5右上付近に対
応し、図面の向きは便宜上変えてあるが右端方向が基板
SUB1の上端部に該当する。
【0096】TSTdは検査端子でありここには外部回
路は接続されないが、プローブ針等を接触できるよう配
線部より幅が広げられている。同様に、ドレイン端子D
TMも外部回路との接続ができるよう配線部より幅が広
げられている。外部接続ドレイン端子DTMは上下方向
に配列され、ドレイン端子DTMは、図5に示すように
端子群Td(添字省略)を構成し基板SUB1の切断線
を越えて更に延長され、製造過程中は静電破壊防止のた
めその全てが互いに配線SHd(図示せず)によって短
絡される。検査端子TSTdは図8に示すように一本置
きの映像信号線DLに形成される。
【0097】ドレイン接続端子DTMは透明導電層g2
単層で形成されており、ゲート絶縁膜GIを除去した部
分で映像信号線DLと接続されている。ゲート絶縁膜G
Iの端部上に形成された半導体層ASはゲート絶縁膜G
Iの縁をテーパ状にエッチングするためのものである。
端子DTM上では外部回路との接続を行うため保護膜P
SV1は勿論のこと取り除かれている。
【0098】マトリクス部からドレイン端子部DTMま
での引出配線は、映像信号線DLと同じレベルの層d
1,d2が保護膜PSV1の途中まで構成されており、
保護膜PSV1の中で透明導電膜g2と接続されてい
る。これは、電触し易いAl層d2を保護膜PSV1や
シールパターンSLでできるだけ保護する狙いである。
【0099】《対向電極端子CTM》図9(a)は対向
電極信号線CLからその外部接続端子CTMまでの接続
を示す平面図を示し、図9(b)は図9(a)のB−B
切断線における断面を示す。なお、同図は図5左上付近
に対応する。
【0100】各対向電圧信号線CLは共通バスラインC
Bで一纏めして対向電極端子CTMに引き出されてい
る。共通バスラインCBは導電層g1の上に導電層d
1、導電層d2を積層した構造となっている。これは、
共通バスラインCBの抵抗を低減し、対向電圧が外部回
路から各対向電圧信号線CLに十分に供給されるように
するためである。これにより、対向電極CTが末端の画
素まで充分に伝達され、これら各対向電極CTの映像信
号線DLに供給される映像信号に応じた歪みによるクロ
ストーク(特に画面の左右方向のクロストーク)の発生
を低減できる。本構造では、特に新たに導電層を負荷す
ることなく、共通バスラインの抵抗を下げられるのが特
徴である。共通バスラインCBの導電層g1は導電層d
1、導電層d2と電気的に接続されるように、ゲート絶
縁膜GIからも露出している。
【0101】また、対向電圧信号線CLは走査回路用端
子CTM側(図では左側)に引出し、同じく共通バスラ
インCBで一まとめにして対向電極端子に引き出しても
よい。この場合、共通バスラインCBは映像信号線と同
一材料(d1、d2)で構成し、スルホールを介して対
向電圧信号線と接続しなければならない。さらには対向
電圧の供給を充分にするために対向電圧信号線CLを両
側に引き出してもよい。
【0102】対向電極端子CTMは、導電層g1の上に
透明導電層g2が積層された構造になっている。この透
明導電層g2は他の端子の時と同様に画素電極PXと同
一工程で形成された透明導電膜ITOを用いている。透
明導電層g2により、その表面を保護し、電触等を防ぐ
ために耐久性のよい透明導電層g2で、導電層g1を覆
っている。
【0103】対向電極端子CTMは独立に形成してもよ
いが、外部接続端子群Tg、Tdの一部に構成すると端
子GTM、DTMと共に接続がとれ、実装の手間が簡略
される。
【0104】《表示装置全体等価回路》表示マトリクス
部の等価回路とその周辺回路の結線図を図10に示す。
同図は回路図ではあるが、実際の幾何学的配置に対応し
て描かれている。ARは複数の画素を二次元状に配列し
たマトリクス・アレイである。
【0105】図中、Xは映像信号線DLを意味し、添字
G、BおよびRがそれぞれ緑、青および赤画素に対応し
て付加されている。Yは走査信号線GLを意味し、添字
1,2,3,…,endは走査タイミングの順序に従って
付加されている。
【0106】走査信号線Y(添字省略)は垂直走査回路
Vに接続されており、映像信号線X(添字省略)は映像
信号駆動回路Hに接続されている。
【0107】SUPは1つの電圧源から複数の分圧した
安定化された電圧源を得るための電源回路やホスト(上
位演算処理装置)からのCRT(陰極線管)用の情報を
TFT液晶表示装置用の情報に交換する回路を含む回路
である。
【0108】《駆動方法》図11に本発明の液晶表示装
置の駆動波形を示す。実施例1では、対向電圧信号線C
Lが、アルミニウムという低抵抗金属の導電膜g1から
形成されているため、負荷インピーダンスが好くなく、
対向電圧の波形変形が少なくなる。このため、対向電圧
を交流化でき、信号線電圧を低減できる利点がある。
【0109】すなわち、対向電圧をVchとVclの2
値の交流矩形波にし、それに同期させて走査信号Vg
(i−1)、Vg(i)の非選択電圧を1走査線ごと
に、VglhとVgllの2値で変化させる。対向電圧
の振幅値と非選択電圧の振幅値は同一にする。映像信号
電圧は、液晶層に印加したい電圧から、対向電圧の振幅
の1/2を差し引いた電圧である。
【0110】対向電圧は直流でもよいが、交流化するこ
とで映像信号電圧の最大振幅を低減でき、映像信号駆動
回路(信号側ドライバ)に耐圧の低いものを用いること
が可能になる。後述する実施例2、3では、対向電圧信
号線CLが、透明導電膜g2から形成されているため、
比較的抵抗が高くなり、対向電圧は直流方式、たとえば
ドッド反転駆動や列毎反転駆動が好ましい。
【0111】《蓄積容量Cstgの働き》蓄積容量Cstg
は、画素に書き込まれた(薄膜トランジスタTFTがオ
フした後の)映像情報を、長く蓄積するために設ける。
本発明で用いている電界を基板面と平行に印加する方式
では、電界を基板面に垂直に印加する方式と異なり、画
素電極と対向電極で構成される容量(いわゆる液晶容
量)がほとんど無いため、蓄積容量Cstgが映像情報を
画素に蓄積することができない。したがって、電界を基
板面と平行に印加する方式では、蓄積容量Cstgは必須
の構成要素である。
【0112】また、蓄積容量Cstgは、薄膜トランジス
タTFTがスイッチングするとき、画素電極電位Vsに
対するゲート電位変化△Vgの影響を低減するようにも
働く。この様子を式で表すと、次のようになる。
【0113】
【数1】 △Vs={Cgs/(Cgs+Cstg+Cpix)}×△Vg ここで、Cgsは薄膜トランジスタTFTのゲート電極G
Tとソース電極SD1との間に形成される寄生容量、C
pixは画素電極PXと対向電極CTとの間に形成される
容量、△Vsは△Vgによる画素電極電位の変化分いわゆ
るフィードスルー電圧を表わす。この変化分△Vsは液
晶LCに加わる直流成分の原因となるが、保持容量Cst
gを大きくすればする程、その値を小さくすることがで
きる。液晶LCに印加される直流成分の低減は、液晶L
Cの寿命を向上し、液晶表示画面の切り替え時に前の画
像が残るいわゆる焼き付きを低減することができる。
【0114】前述したように、ゲート電極GTはi型半
導体層ASを完全に覆うよう大きくされている分、ソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2とのオーバラップ面
積が増え、従って寄生容量Cgsが大きくなり、画素電極
電位Vsはゲート(走査)信号Vgの影響を受け易くなる
という逆効果が生じる。しかし、蓄積容量Cstgを設け
ることによりこのデメリットも解消することができる。
【0115】《製造方法》つぎに、上述した液晶表示装
置の基板SUB1側の製造方法について図12〜図14
を参照して説明する。なお同図において、中央の文字は
工程名の略称であり、左側は図3に示す薄膜トランジス
タTFT部分、右側は図7に示すゲート端子付近の断面
形状でみた加工の流れを示す。工程B、工程Dを除き工
程A〜工程Iは各写真処理に対応して区分けしたもの
で、各工程のいずれの断面図も写真処理後の加工が終わ
りフォトレジストを除去した段階を示している。なお、
写真処理とは本説明ではフォトレジストの塗布からマス
クを使用した選択露光を経てそれを現像するまでの一連
の作業を示すものとし、繰返しの説明は避ける。以下区
分けした工程に従って、説明する。
【0116】工程A、図12 AN635ガラス(商品名)からなる下部透明ガラス基
板SUB1上にAl、Pd、Si、Cr、Ti、Ta、
W、Moおよびその合金またはそれらの積層巻くおよび
合金の積層膜や合金との組合せ等からなる導電膜g1を
スパッタリングにより設ける。写真処理後、混酸液で導
電膜g1を選択的にエッチングする。それによって、ゲ
ート電極GT、走査信号線GL、対向電極CT、対向電
圧信号線CL、電極PL1、ゲート端子GTM、共通バ
スラインCBの第1導電層、対向電極端子CTMの第1
導電層、Al、Taの場合は陽極化成し、陽極酸化膜A
23、TaOxを表面に形成する場合もある。
【0117】工程B、図12 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、窒化Si膜を設け、プラズマCVD
装置にシランガス、水素ガスを導入して、i型非晶質S
i膜を設けたのち、プラズマCVD装置に水素ガス、ホ
スフィンガスを導入して、n(+)型非晶質Si膜を設け
る。
【0118】工程C、図13 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6、CC
4を使用してn(+)型非晶質Si膜、i型非晶質Si
膜を選択的にエッチングすることにより、i型半導体層
ASの島を形成する。
【0119】工程D、図13 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6を使用
して、窒化Si膜を選択的にエッチングする。
【0120】工程E、図13 膜厚が1400ÅのITO膜からなる透明導電膜g2を
スパッタリングにより設ける。写真処理後、エッチング
液として塩酸と硝酸との混酸液で透明導電膜g2を選択
的にエッチングすることにより、ゲート端子GTMの最
上層ねドレイン端子DTMおよび対向電極端子CTMの
第2導電膜を形成する。
【0121】工程F、図14 Al、Pd、Si、Cr、Ti、Ta、W、Moおよび
その合金またはそれらの積層膜および合金の積層膜や合
金との組合せ等からなる導電膜d1、d2をスパッタリ
ングにより設ける。写真処理後、導電膜d2を工程Bと
同様な液でエッチングし、導電膜d1を工程Aと同様な
液でエッチングし、映像信号線DL、ソース電極SD
1、ドレイン電極SD2、画素電極PX、電極PL2、
共通バスラインCBの第2導電層、第3導電層およびド
レイン端子DTMを短絡するバスラインSHd(図示せ
ず)を形成する。つぎに、ドライエッチング装置にCC
4、SF6を導入して、n(+)型非晶質Siをエッチ
ングすることにより、ソースとドレイン間のn(+)型
半導体層d0を選択的に除去する。
【0122】工程G、図14 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、窒化Si膜を設ける。写真処理後、
ドライエッチングガスとしてSF6を使用した写真蝕刻
技術で窒化Si膜を選択的にエッチングすることによっ
て、保護膜PSV1を形成する。
【0123】《表示パネルPNLと駆動回路基板PCB
1》図15は、図5等に示した表示パネルPNLに映像
信号駆動回路Hと垂直走査回路Vを接続した状態を示す
上面図である。
【0124】CHIは表示パネルPNLを駆動させる駆
動ICチップ(下側の5個は垂直走査回路側の駆動IC
チップ、左の10個ずつは映像信号駆動回路側の駆動I
Cチップ)である。TCPは図16、図17で後述する
ように駆動用ICチップCHIがテープ・オートメイテ
ィド・ボンディング法(TAB)により実装されたテー
プキャリアパッケージ、PCB1は上記TCPやコンデ
ンサ等が実装された駆動回路基板で、映像信号駆動回路
用と走査信号駆動回路用の2つに分割されている。FG
Pはフレームグランドパッドであり、シールドケースS
HDに切り込んで設けられたバネ状の破片が半田付けさ
れる。FCは下側の駆動回路基板PCB1と左側の駆動
回路基板PCB1を電気的に接続するフラットケーブル
である。フラットケーブルFCとしては図に示すよう
に、複数のリード線(りん青銅の素材にSn鍍金を施し
たもの)をストライプ状のポリエチレン層とポリビニル
アルコール層とでサンドイッチして支持したものを使用
する。
【0125】《TCPの接続構造》図16は走査信号駆
動回路Vや映像信号駆動回路Hを構成する、集積回路チ
ップCHIがフレキシブル配線基板に搭載されたテープ
キャリアパッケージTCPの断面構造を示す図であり、
図17はそれを液晶表示パネルの、本例では走査信号回
路用端子GTMに接続した状態を示す要部断面図であ
る。
【0126】同図において、TTBは集積回路CHIの
入力端子・配線部であり、TTMは集積回路CHIの出
力端子・配線部であり、例えばCuから成り、それぞれ
の内側の先端部(通称インナーリード)には集積回路C
HIのボンディングパッドPADがいわゆるフェースダ
ウンボンディング法により接続される。端子TTB,T
TMの外側の先端部(通称アウターリード)はそれぞれ
半導体集積回路チップCHIの入力及び出力に対応し、
半田付け等によりCRT/TFT変換回路・電源回路S
UPに、異方性導電膜ACFによって液晶表示パネルP
NLに接続される。パッケージTCPは、その先端部が
パネルPNL側の接続端子GTMを露出した保護膜PS
V1を覆うようにパネルに接続されており、従って、外
部接続端子GTM(DTM)は保護膜PSV1かパッケ
ージTCPの少なくとも一方で覆われるので電触に対し
て強くなる。
【0127】BF1はポリイミド等からなるベースフィ
ルムであり、SRSは半田付けの際半田が余計なところ
へつかないようにマスクするためのソルダレジスト膜で
ある。シールパターンSLの外側の上下ガラス基板の隙
間は洗浄後エポキシ樹脂EPX等により保護され、パッ
ケージTCPと上側基板SUB2の間には更にシリコー
ン樹脂SILが充填され保護が多重化されている。
【0128】《駆動回路基板PCB2》駆動回路基板P
CB2は、IC、コンデンサ、抵抗等の電子部品が搭載
されている。この駆動回路基板PCB2には、1つの電
圧源から複数の分圧した安定化された電圧源を得るため
の電源回路や、ホスト(上位演算処理装置)からのCR
T(陰極線管)用の情報をTFT液晶表示装置用の情報
に変換する回路を含む回路SUPが搭載されている。C
Jは外部と接続される図示しないコネクタが接続される
コネクタ接続部である。
【0129】駆動回路基板PCB1と駆動回路基板PC
B2とはフラットケーブルFCにより電気的に接続され
ている。
【0130】なお、本実施例ではTCPによる接続をし
たが、ガラス上に直接ドライバICを接続するCOG
(Chip On Glass)を用いてもよい。
【0131】《液晶表示モジュールの全体構成》図18
は、液晶表示モジュールMDLの各構成部品を示す分解
斜視図である。
【0132】SHDは金属板から成る枠状のシールドケ
ース(メタルフレーム)、LCWその表示窓、PNLは
液晶表示パネル、SPBは光拡散板、LCBは導光体、
RMは反射板、BLはバックライト蛍光管、LCAはバ
ックライトケースであり、図に示すような上下の配置関
係で各部材が積み重ねられてモジュールMDLが組み立
てられる。
【0133】モジュールMDLは、シールドケースSH
Dに設けられた爪とフックによって全体が固定されるよ
うになっている。
【0134】バックライトケースLCAはバックライト
蛍光管BL、光拡散板SPB光拡散板、導光体LCB、
反射板RMを収納する形状になっており、導光体LCB
の側面に配置されたバックライト蛍光管BLの光を、導
光体LCB、反射板RM、光拡散板SPBにより表示面
で一様なバックライトにし、液晶表示パネルPNL側に
出射する。バックライト蛍光管BLにはインバータ回路
基板PCB3が接続されており、バックライト蛍光管B
Lの電源となっている。
【0135】以上、本実施例では、画素電極を透明にす
ることにより、白表示を行うときの最大透過率が約30
%(本実施例では31.8%)向上できる。
【0136】具体的には、本実施例では、不透明な画素
電極を採用した場合の約3.8%から透明な画素電極を
採用した場合の約5.0%に透過率が向上した。
【0137】また、端子の信頼性を向上するためのIT
O膜も同時に形成することができ、信頼性と生産性を両
立することができる。
【0138】(実施例2)本実施例は下記の構成を除け
ば、実施例1と同一である。図20に画素の平面図を示
す。図の斜線部分は透明導電膜g2を示す。
【0139】《対向電極CT》本実施例では、対向電極
CTを透明導電膜g2で構成する。この透明導電膜g2
は実施例1と同様にスパッタリングで形成された透明導
電膜(Indium-Tin-oxide ITO:ネサ膜)からなり、
100〜2000Åの厚さに(本実施例では、1400
Å程度の膜厚)形成される。
【0140】《対向電圧信号線CL》対向電圧信号線C
Lは透明導電膜g2で構成されて、かつ対向電極CTと
一体に構成されている。
【0141】《製造方法》本実施例では、実施例1の工
程Bと工程Cの間に工程Fが追加される順番になる。工
程の順序としては図12から図15の工程の順序が、A
⇒B⇒F⇒C⇒D⇒E⇒F⇒G⇒Hの順になる。マスク
パターンは、走査信号線GL、走査電極GTと対向電圧
信号線CLのパターンが独立したマスクに形成される。
【0142】本実施例では、画素電極と対向電極の両方
を透明にすることにより、実施例1または実施例2以上
に、白表示を行うときの最大透過率を約50%(本実施
例では47.7%)向上させることができ、液晶表示パ
ネルPNLの透過率が約5.6%になる。
【0143】対向電圧信号線CLの抵抗を低減すること
により、対向電極間の電圧の伝わりを円滑にし、電圧の
歪を低減することにより、水平方向に発生するクロスト
ーク(横スミア)を低減できる。
【0144】また、画素電極PXと対向電極CTを同一
マスクで同時に形成することにより、実施例4で2回行
っている工程Fが1回になり、生産性も向上する。
【0145】(実施例3)本実施例は下記の構成を除け
ば、実施例1および実施例2と同一である。
【0146】《対向電極CT》本実施例では、中央の対
向電極CT1だけを透明導電膜g2で構成するが、実施
例1と異なり実施例2の製造方法で工程Bと工程Cの間
の工程Fで対向電極CT1を形成する。これにより、工
程数は増えるがスルホールPHによる接続不良がなくな
り、点欠陥が減少する。
【0147】(実施例4)上述した実施例2は、そのい
ずれにおいても対向電極CTとともに対向電極信号線C
Lが透明導電層g2で構成されたものである。
【0148】この場合において、本実施例は21(a)
ないし(b)に示す構成によって該対向電極信号線CL
の抵抗値を大幅に低減させるようにしたものである。
【0149】図24(a)は、図20の対向電極信号線
CLの1部分を示す平面図であり、図24(b)は同図
(a)のb−b線における断面図である。
【0150】同図において、図20と異なる点は、対向
電極信号線CLは2層構造からなり、その下層として抵
抗値が小さい導電層が10が形成され、この導電層10
の上面に該導電層10を完全に被覆してITO膜11が
形成されている。そして、対向電極CTは前記ITO膜
11の一部を延在させた延在部で構成したものとなって
いる。
【0151】このようにした場合、対向電極信号線CL
の低抵抗化を図れるとともに、たとえば導電層10にA
lを用いた場合に発生するいわゆるホイスカと称される
ひげ状の突起による層間絶縁膜を介した他の導電層(た
とえば映像信号線DL)との電気的短絡を防止できるよ
うになる。
【0152】すなわち、Alはその上層に映像信号線D
Lに対する層間絶縁膜を形成する際にホイスカが発生し
上述した弊害をもたらすことが知られているが、このA
lを完全に被覆するようにしてITO膜を形成するとに
よって該ホイスカが発生しないことが確かめられてい
る。
【0153】(実施例5) 《アクティブ・マトリックス液晶表示装置》以下、アク
ティブ・マトリックス方式のカラー液晶表示装置に本発
明を適用した実施例を説明する。なお、以下説明する図
面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰
返しの説明は省略する。
【0154】《マトリックス部(画素部)の平面構成》
図22は本発明のアクティブ・マトリックス方式のカラ
ー液晶表示装置の一画素とその周辺を示す平面図である
(図の斜線部分は透明導電膜i1を示す。)。
【0155】図22に示すように、各画素は、走査信号
線(ゲート信号線または水平信号線)GLと、対向電圧
信号線(対向電極配線)CLと、隣接する2本の映像信
号線(ドレイン信号線または垂直信号線)DLとの交差
領域内(4本の信号線で囲まれた領域内)に配置されて
いる。各画素は薄膜トランジスタTFT、蓄積容量Cs
tg、画素電極PXおよび対向電極CTを含む。走査信
号線GL、対向電圧信号線CLは図では左右方向に延在
し、上下方向に複数本配置されている。映像信号線DL
は上下方向に延在し、左右方向に複数本配置されてい
る。画素電極PXは透明導電膜i1で形成され、ソース
電極SD1を介して薄膜トランジスタTFTと電気的に
接続され、対向電極CTも透明導電膜i1で形成され、
対向電圧信号線CLと電気的に接続されている。
【0156】画素電極PXと対向電極CTは互いに対向
し、各画素電極PXと対向電極CT1、CT2との間の
電界により液晶LCの光学的な状態を制御し、表示を制
御する。画素電極PXと対向電極CT1、CT2は櫛歯
状に構成され、それぞれ、図の上下方向に長細い電極と
なっている。
【0157】1画素内の対向電極CT1の本数O(櫛歯
の本数)は、画素電極PXの本数(櫛歯の本数)PとO
=P−1の関係を必ず持つように構成する(本実施例で
は、O=1、P=2)。これは、対向電極CT1と画素
電極PXを交互に配置し、かつ、対向電極CT2を映像
信号線DLに必ず隣接させるためである。これにより、
対向電極CT1、CT2と画素電極PXの間の電界が、
映像信号線DLから発生する電界から影響を受けないよ
うに、対向電極CT2で映像信号線DLからの電気力線
をシールドすることができる。対向電極CT2は、後述
の対向電圧信号線CLにより常に外部から電位を供給さ
れているため、電位は安定している。そのため、映像信
号線DLに隣接しても、電位の変動がほとんどない。ま
た、これにより、画素電極PXの映像信号線DLからの
幾何学的な位置が遠くなるので、画素電極PXと映像信
号線DLの間の寄生容量が大幅に減少し、画素電極電位
Vsの映像信号電圧による変動も抑制できる。これらに
より、上下方向に発生するクロストーク(縦スミアと呼
ばれる画質不良)を抑制することができる。
【0158】図41および図42は、電極の幅Wと画素
電極PXと対向電極CTの間の距離(最短距離)Lを液
晶の層厚dとの関係を示す平面図である。
【0159】すなわち、L≧dおよびW≦dの関係とす
るにより、透過率を向上させ、かつ残像の発生を大幅に
抑制できる効果を得ることができる。
【0160】なお、ここで、液晶の層厚dとは、液晶セ
ルの(平均)リタデーションΔn・dを液晶材料の屈折
率異方性Δnで割った値として定義する。
【0161】液晶の層厚dに比較して電極の幅Wが大き
い場合、図41(a)に示すように、それらの電極上の
電界の横方向成分が少なくなり、電極上の透過光が得ら
れにくくなるためであり、図43に示すように電極幅W
の増加にともなって透過率が減少するためである。
【0162】したがって、図41(b)に示すように、
Wをdより小さくすることで、電極上の横方向電界を発
生させることで電極上の透過率を向上する。
【0163】しかしながら、図42(a)、(b)に示
すように、画素電極PXと対向電極CT1の間の距離L
に対して液晶の層厚dが大きい場合、それら電極が形成
されている透明基板側に強力な横電界が発生しやすくな
り、該電極が形成されている透明基板側の配向膜のみに
よって初期配向の状態に復元させなければならないこと
から、残象が極めて生じ易くなってしまうからである。
【0164】図44にd=4μmの時のLに対する残像
強度を示す。同図からd=4μmの場合、W≦dの範囲
では4μm以上で残像が落ち着くことがわかる。
【0165】したがって、液晶の層厚dを基準として電
極の幅Wと画素電極PXと対向電極CTの間の距離(最
短距離)Lを上述のように設定するか、あるいは電極の
幅Wと画素電極PXと対向電極CTの間の距離(最短距
離)Lを基準として液晶の層厚dを上述のように設定す
ることによって、透過率を向上させ、かつ残像の発生を
大幅に低減させることができるようになる。
【0166】また、図70は上述した構成においてセル
ギャップ(液晶の層厚)を変動させた場合の液晶分子の
挙動を従来(IPS方式)の場合と比較して示してい
る。そして、中間調20%輝度(真白の輝度を100%
としたときの20%の輝度)において、セルギャップ変
動量に対する輝度変動を示したグラフを同図に示してい
る。
【0167】このグラフから明らかになるように、前記
一方の基板に対する他方の基板のギャップの変動が±
0.3μmに対して、輝度の変動が10%以下になって
いることが確認され、W>dの時よりも変動が緩やかで
あり、むらが少なくなることがわかる。
【0168】また、映像信号線DLの電極幅は画素電極
PXと対向電極CT1と同じ幅以上とする。また、断線
を防止するために、画素電極PXと対向電極CTに比較
して若干広くした方が好ましい。
【0169】ここで、映像信号線DLの電極幅が、隣接
する対向電極CT2の電極幅の2倍以下になるように設
定する。
【0170】または、映像信号線DLの電極幅が歩留り
の生産性から決まっている場合には、映像信号線DLに
隣接する対向電極CT2の電極幅を映像信号線DLの電
極幅の1/2を超えるようにする。これは、映像信号線
DLから発生する電気力線をそれぞれ両脇の対向電極C
Tで吸収するためであり、ある電極幅から発生する電気
力線を吸収するには、それと同一幅以上の電極幅を持つ
電極が必要である。したがって、映像信号線DLの電極
の半分(4μmずつ)から発生する電気力線をそれぞれ
両脇の対向電極CTが吸収すればよい。また、画素電極
PXからの電気力線も終端させる必要があるため、画素
電極の半分(3μm)も必要である。したがって、映像
信号線DLに隣接する対向電極CTの電極幅は映像信号
線の1/2に隣接する画素電極の幅の1/2を加えた幅
以上とする。これにより、映像信号の影響により、クロ
ストークが発生する、特に上下方向(縦方向)のクロス
トークを防止する。
【0171】走査信号線GLは末端側の画素(後述の走
査電極端子GTMの反対側)のゲート電極GTに充分に
走査電圧が印加するだけの抵抗値を満足するように電極
幅を設定する。また、対向電圧信号線CLも末端側の画
素(後述の共通バスラインCB1およびCB2から最も
遠い画素すなわちCB1とCB2の中間の画素)の対向
電極CTに充分に対向電圧が印加できるだけの抵抗値を
満足するように電極幅を設定する。
【0172】一方、画素電極PXと対向電極CTの間の
電極間隔は、用いる液晶材料によって変える。これは、
液晶材料によって最大透過率を達成する電界強度が異な
るため、電極間隔を液晶材料に応じて設定し、用いる映
像信号駆動回路(信号側ドライバ)の耐圧で設定される
信号電圧の最大振幅の範囲で、最大透過率が得られるよ
うにするためである。
【0173】《マトリックス部(画素部)の断面構成》
図23は図22の6−6切断面における断面図、図24
は図22の7−7切断面における薄膜トランジスタTF
Tの断面図、図25は図22の8−8切断面における蓄
積容量Cstgの断面図である。
【0174】図23〜図25に示すように、液晶層LC
を基準にして下部透明ガラス基板SUB1側には薄膜ト
ランジスタTFT、蓄積容量Cstgおよび電極群が形
成され、上部透明ガラス基板SUB2側にはカラーフィ
ルタFIL、遮光用ブラックマトリクスパターンBMが
形成されている。
【0175】また、透明ガラス基板SUB1、SUB2
のそれぞれの内側(液晶LC側)の表面には、液晶の初
期配向を制御する配向膜ORI1、ORI2が設けられ
ており、透明ガラス基板SUB1、SUB2のそれぞれ
の外側の表面には、偏光軸が直交して配置された(クロ
スニコル配置)偏光板が設けられている。
【0176】《TFT基板》まず、下側透明ガラス基板
SUB1(TFT基板)側の構成を詳しく説明する。
【0177】《薄膜トランジスタTFT》薄膜トランジ
スタTFTは、ゲート電極GTに正のバイアスを印加す
ると、ソース−ドレイン間のチャネル抵抗が小さくな
り、バイアスを零にすると、チャネル抵抗は大きくなる
ように動作する。
【0178】薄膜トランジスタTFTは、図24に示す
ように、ゲート電極GT、絶縁膜GI、i型(真性、in
trinsic、導電型決定不純物がドープされていない)非
晶質シリコン(Si)からなるi型半導体層AS、一対
のソース電極SD1、ドレイン電極SD2を有す。な
お、ソース、ドレインは本来その間のバイアス極性によ
って決まるもので、この液晶表示装置の回路ではその極
性は動作中反転するので、ソース、ドレインは動作中入
れ替わると理解されたい。しかし、以下の説明では、便
宜上一方をソース、他方をドレインと固定して表現す
る。
【0179】《ゲート電極GT》ゲート電極は走査信号
線GLと連続して形成されており、走査信号線GLの一
部の領域がゲート電極GTとなるように構成されてい
る。ゲート電極GTは薄膜トランジスタTFTの能動領
域を超える部分である。本例では、ゲート電極GTは、
単層の導電膜g3で形成されている。導電膜g3として
は例えばスパッタで形成されたクロムーモリブデン合金
(Cr−Mo)膜が用いられるがそれに限ったものでは
ない。
【0180】《走査信号線GL》走査信号線GLは導電
膜g3で構成されている。この走査信号線GLの導電膜
g3はゲート電極GTの導電膜g3と同一製造工程で形
成され、かつ一体に形成されている。この走査信号線G
Lにより、外部回路からゲート電圧Vgをゲート電極G
Tに供給する。本例では、導電膜g3としては例えばス
パッタで形成されたクロムーモリブデン合金(Cr−M
o)膜が用いられる。また、走査信号線GLおよびゲー
ト電極GTは、クロム−モリブデン合金のみに限られた
ものではなく、たとえば、低抵抗化のためにアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金をクロム−モリブデンで包み
込んだ2層構造としてもよい。さらに、映像信号線DL
と交差する部分は映像信号線DLとの短絡の確率を小さ
くするため細くし、また、短絡しても、レーザートリミ
ングで切り離すことができるように二股にしてもよい。
【0181】《対向電圧信号線CL》対向電圧信号線C
Lは導電膜g3で構成されている。この対向電圧信号線
CLの導電膜g3はゲート電極GT、走査信号線GLお
よび対向電極CTの導電膜g3と同一製造工程で形成さ
れ、かつ対向電極CTと電気的に接続できるように構成
されている。この対向電圧信号線CLにより、外部回路
から対向電圧Vcomを対向電極CTに供給する。
【0182】また、対向電圧信号線CLは、クロム−モ
リブデン合金のみに限られたものではなく、たとえば低
抵抗化のためにアルミニウムまたはアルミニウム合金を
クロム−モリブデンで包み込んだ2層構造としてもよ
い。
【0183】さらに、映像信号線DLと交差する部分は
映像信号線DLとの短絡の確率を小さくするため細く
し、また、短絡しても、レーザートリミングで切り離す
ことができるように二股にしてもよい。
【0184】《絶縁膜GI》絶縁膜GIは、薄膜トラン
ジスタTFTにおいて、ゲート電極GTと共に半導体層
ASに電界を与えるためのゲート絶縁膜として使用され
る。絶縁膜GIはゲート電極GTおよび走査信号線GL
の上層に形成されている。絶縁膜GIとしては例えばプ
ラズマCVDで形成された窒化シリコン膜が選ばれ、2
500〜4500Åの厚さに(本実施例では、3500
Å程度)形成される。また、絶縁膜GIは走査信号線G
Lおよび対向電圧信号線CLと映像信号線DLの層間絶
縁膜としても働き、それらの電気的絶縁にも寄与してい
る。また、絶縁膜GIは後述の保護膜PSV1と同一の
ホトマスクでパターニングされ、一括で加工される。
【0185】《i型半導体層AS》i型半導体層AS
は、非晶質シリコンで、100〜3000Åの厚さ(本
実施例では、1200Å)で形成される。
【0186】層d0はオーミックコンタクト用のリン
(P)をドープしたN(+)型非晶質シリコン半導体層
であり、下側にi型半導体層ASが存在し、上側に導電
層d3が存在するところのみに残されている。
【0187】i型半導体層ASおよび層d0は、走査信
号線GLおよび対向電圧信号線CLと映像信号線DLと
の交差部(クロスオーバ部)の両者間にも設けられてい
る。この交差部のi型半導体層ASは交差部における走
査信号線GLおよび対向電圧信号線CLと映像信号線D
Lとの短絡を低減する。
【0188】《ソース電極SD1、ドレイン電極SD
2》ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のそれそれ
は、N(+)型半導体層d0に接触する導電膜d3から
構成されている。
【0189】導電膜d3はスパッタで形成したクロム−
モリブデン合金(Cr−Mo)膜を用い、500〜30
00Åの厚さ(本実施例では、2500Å程度)で形成
される。Cr−Mo膜は低応力であるので、比較的膜厚
を厚く形成することができ配線の低抵抗化に寄与する。
また、Cr−Mo膜はN(+)型半導体層d0との接着
性も良好である。導電膜d3として、Cr−Mo膜の他
に高融点金属(Mo、Ti、Ta、W)膜、高融点金属
シリサイド(MoSi2、TiSi2、TaSi 2、WS
2)膜を用いてもよく、また、アルミニウム等との積
層構造にしてもよい。
【0190】導電膜d3をマスクパターンでパターンニ
ングした後、導電膜d3をマスクとして、N(+)型半
導体層d0が除去される。つまり、i型半導体層AS上
に残っていたN(+)型半導体層d0は導電膜d1、導
電膜d2以外の部分がセルフアラインで除去される。こ
のとき、N(+)型半導体層d0はその厚さ分は全て除
去されるようエッチングされるので、i型半導体層AS
も若干その表面部分がエッチングされるが、その程度は
エッチング時間で制御すればよい。
【0191】《映像信号線DL》映像信号線DLはソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2と同層の導電膜d3
で構成されている。また、映像信号線DLはドレイン電
極SD2と一体に形成されている。本例では、導電膜d
3はスパッタで形成したクロム−モリブデン合金(Cr
−Mo)膜を用い、500〜3000Åの厚さ(本実施
例では、2500Å程度)で形成される。Cr−Mo膜
は低応力であるので、比較的膜厚を厚く形成することが
でき配線の低抵抗化に寄与する。また、Cr−Mo膜は
N(+)型半導体層d0との接着性も良好である。導電
膜d3として、Cr−Mo膜の他に高融点金属(Mo、
Ti、Ta、W)膜、高融点金属シリサイド(MoSi
2、TiSi2、TaSi2、WSi2)膜を用いてもよ
く、また、アルミニウム等との積層構造にしてもよい。
【0192】《蓄積容量Cstg》導電膜d3は、薄膜
トランジスタのソース電極SD2の部分において、対向
電圧信号線CLと重なるように形成されている。この重
ね合わせは、図28からも明らかなように、ソース電極
SD2(d3)を一方の電極とし、対向電圧信号線CL
を他方の電極とする蓄積容量(静電容量素子)Cstg
を構成する。この蓄積容量Cstgの誘電体膜は、薄膜
トランジスタTFTのゲート絶縁膜として使用される絶
縁膜GIで構成される。
【0193】図22に示すように平面的には蓄積容量C
stgは対向電圧信号線CLの一部分に形成されてい
る。
【0194】《保護膜PSV1》薄膜トランジスタTF
T上には保護膜PSV1が設けられている。保護膜PS
V1は主に薄膜トランジスタTFTを湿気から保護する
ために形成されており、透明性が高くかも耐湿性の良い
ものを使用する。保護膜PSV1はたとえばプラズマC
VD装置で形成した酸化シリコン膜や窒化シリコン膜で
形成されており、0.1〜3μm程度の膜厚で形成す
る。
【0195】保護膜PSV1は、外部接続端子DTM、
GTMを露出するよう除去されている。保護膜PSV1
と絶縁膜GIの厚さ関係に関係しては、前者は保護効果
を考え厚くされ、後者はトランジスタの相互コンダクタ
ンスgmを考え薄くされる。また、保護膜PSV1は保
護膜GIと同一ホトマスクでパターンニングし、一括で
加工する。また、画素部では、対向電圧信号線CLと後
述の対向電極CTとの電気的接続、および、ソース電極
SD2と画素電極PXとの電気的接続のために、スルー
ホールTH2およびTH1を設けている。スルーホール
TH2では、保護膜PSV1と絶縁膜GIが一括で加工
されるのでg3層までの孔があき、スルホールTH1で
はd3でブロックングされるのでd3層までの孔があ
く。
【0196】《画素電極PX》画素電極PXは、透明導
電層i1で形成されている。この透明導電層i1はスパ
ッタリングで形成された透明導電膜(Indium-Tin-Oxide
ITO:ネサ膜)からなり、100〜2000Åの厚
さ(本実施例では、1400Å)で形成される。また、
画素電極PXはスルーホールTH1を介して、ソース電
極SD2に接続されている。
【0197】画素電極が本実施例のように透明になるこ
とにより、その部分の透過光により、白表示を行う時の
最大透過率が向上するため、画素電極が不透明な場合よ
りも、より明るい表示を行うことができる。このとき、
後述するように、電圧無印加時には、液晶分子は初期の
配向状態を保ち、その状態で黒表示をするように偏光板
の配置を構成する(ノーマリブラックモードにする)よ
うにしているので、画素電極を透明にしても、その部分
の光を透過することがなく、良質な黒を表示することが
できる。これにより、最大透過率が向上され、かつ充分
なコントラスト比を達成することができる。
【0198】《対向電極CT1、CT2、CT3》対向
電極CT1、CT2、CT3は透明導電層i1で形成さ
れている。この透明導電層i1はスパッタリングで形成
された透明導電膜(Indium-Tin-Oxide ITO:ネサ
膜)からなり、100〜2000Åの厚さ(本実施例で
は、1400Å)で形成される。また、画素電極PXは
スルーホールTH2を介して、対向電圧信号線CLに接
続されている。
【0199】対向電極CT1、CT2、CT3またCT
は抵抗をできるだけ下げるため上下の行に接続する部分
CT3をも被っており、マトリクス状に接続され、対向
電圧Vcomが印加されるように構成されている。本実
施例では、対向電圧Vcomは映像信号線DLに印加さ
れる最小レベルの駆動電圧Vdminと最大レベルの駆
動電圧Vdmaxとの中間直流電位から、薄膜トランジ
スタTFTをオフ状態にするときに発生するフィールド
スルー電圧ΔVsだけ低い電位に設定されるが、映像信
号駆動回路で使用される集積回路の電源電圧を約半分に
低減したい場合には、交流電圧を印加すればよい。
【0200】《カラーフィルタ基板》次に、図22、図
23に戻り、上側透明ガラス基板SUB2側(カラーフ
ィルタ基板)の構成を詳しく説明する。
【0201】《遮光膜》上部透明ガラス基板SUB2側
には、不要な間隙部(画素電極PXと対向電極CTの間
以外の隙間)からの透過光が表示面側に出射して、コン
トラスト比等を低下させないように遮光膜BM(いわゆ
るブラックマトリクス)を形成している。遮光膜BM
は、外部光またはバックライト光がi型半導体層ASに
入射しないようにする役割も果たしている。すなわち、
薄膜トランジタTFTのi型半導体層ASは上下にある
遮光膜BMおよび大きめのゲート電極GTによってサン
ドイッチにされ、外部の自然光やバックライト光が当た
らなくなる。
【0202】図22に示す遮光膜BMは、薄膜トランジ
スタTFTの上部に左右方向に線状に延在した構成であ
る。このパターンは一例であり、開口部を孔状にあけた
マトリクス状のようにすることもできる。櫛歯電極端部
等の電界方向が乱れる部分においては、その部分の表示
は、画素内の映像情報に1対1で対応し、かつ、黒の場
合には黒、白の場合には白になるため、表示の一部とし
て利用することも可能である。また、図の上下方向にお
ける対向電極CTと映像信号DLとの間隙部は、ゲート
電極GTと同一工程で形成した遮光層SHで遮光する。
これにより左右方向、上下方向の遮光は、TFT工程の
アライメント精度で高精度に遮光できるので、映像信号
線DLの隣接する対向電極CTの電極間に遮光層SHの
境界を設定でき、上下基板のあわせ精度に依存する遮光
膜BMによる遮光よりも、より開口部を拡大することが
できる。
【0203】遮光膜BMは光に対する遮光性を有し、か
つ、画素電極PXと対向電極CTの間の電界に影響を与
えないように絶縁性の高い膜で形成されており、本実施
例では黒色の顔料をレジスト材に混入し、1.2μm程
度の厚さで形成している。
【0204】遮光膜BMは各行の画素に左右方向に線状
に形成され、この線で各行の有効表示領域が仕切られて
いる。従って、各行の画素の輪郭が遮光膜BMによって
はっきりとする。つまり、遮光膜BMは、ブラックマト
リクスとi型半導体層ASに対する遮光との2つの機能
をもつ。
【0205】遮光膜BMの周辺部にも額縁状に形成さ
れ、そのパターン図22に示すマトリクス部のパターン
と連続して形成されている。周辺部の遮光膜BMは、シ
ール部SLの外側に延長され、パソコン等の実装機に起
因する反射光等の漏れ光がマトリクス部に入り込むのを
防ぐとともに、バックライト等の光が表示エリア外に漏
れるのも防いでいる。他方、この遮光膜BMは基板SU
B2の縁よりも約0.3〜1.0nm程内側に留めら
れ、基板SUB2の切断領域を避けて形成されている。
【0206】《カラーフィルタFIL》実施例1と同
じ。
【0207】《オーバーコート膜OC》実施例1と同
じ。
【0208】《液晶層、配向膜および偏光板》実施例1
と同じ。
【0209】《マトリクス周辺の構成》実施例1と同
じ。
【0210】《ゲート端子部》図26(a)は表示マト
リクスの走査信号線GLからその外部接続端子GTMま
での接続構造を示す平面図であり、図26(b)は図2
6(a)のB−B切断線における断面図を示している。
なお、同図は図5右中央付近に対応し、斜め配線の部分
は便宜上一直線状で示した。
【0211】図中Cr−Mo層g3は、判り易くするた
めハッチを施してある。ゲート端子GTMは、Cr−M
o層g3と、さらにその表面を保護し、かつ、TCP
(TapeCarrier Package)の信頼性を向上させるための
透明導電層i1とで構成されている。
【0212】この透明導電層i1は画素電極PXと同一
工程で形成された透明導電膜ITOを用いている。
【0213】平面図において、絶縁膜GIおよび保護膜
PSV1はその境界線よりも右側に形成されており、左
端に位置する端子部GTMはそれらから露出し外部回路
との電気的接触ができるようになっている。図では、ゲ
ート信号線GLとゲート端子の一つの対のみが示されて
いるが、実際はこのような対が図26(a)に示すよう
に上下に複数並べられ端子群Tg(図5)が構成され、
ゲート端子の左端は、製造過程では、基板の切断領域を
超えて延長され配線SHg(図示せず)によって短絡さ
れる。製造過程における配向膜ORI1のラビング時等
の静電破壊防止に役立つ。
【0214】《ドレイン端子DTM》図27(a)は映
像信号線DLからその外部接続端子DTMまでの接続を
示す平面図を示し、図27(b)は、図27(a)のB
−B切断線における断面図を示す。なお、同図は図5右
上付近に対応図面の向きは便宜上変えてあるが右端方向
が基板SUB1の上端部に該当する。
【0215】TSTdは検査端子でありここには外部回
路は接続されないが、プローブ針等を接触できるように
配線部より幅が広げられている。同様に、ドレイン端子
DTMも外部回路との接続ができるよう配線部より幅が
広げられている。外部接続ドレイン端子DTMは上下方
向に配列され、ドレイン端子DTMは図5に示すように
端子群Td(添字省略)を構成し基板SUB1の切断線
を超えて更に延長され、製造過程中は静電破壊防止のた
めその全てが互いに配線SHd(図示せず)によって短
絡される。検査端子TSTdは図8に示すように一本置
きの映像信号線DLに形成される。
【0216】ドレイン接続端子DTMは透明導電層i1
で形成されており、保護膜PSV1を除去した部分で映
像信号線DLと接続されている。この透明導電膜i1は
ゲート端子GTMの時と同様に画素電極PXと同一工程
で形成された透明導電膜ITOを用いている。
【0217】マトリックス部からドレイン端子部DTM
までの引出配線は、映像信号線DLと同じレベルの層d
3が構成されている。
【0218】《対向電極端子CTM》図28(a)は対
向電圧信号線CLからその外部接続端子CTMまでの接
続を示す平面図を示し、図28(b)は図28(a)の
B−B切断線における断面図を示す。なお、同図は図5
右上付近に対応する。
【0219】各対向電圧信号線CLは、共通バスライン
CB1で一まとめして対向電極端子CTMに引き出され
ている。共通バスラインCB1は導電層g3の上に導電
層3を積層し、透明導電層i1でそれらを電気的に接続
した構造となっている。これは、共通バスラインCBの
抵抗を低減し、対向電圧が外部回路から各対向電圧信号
線CLに充分に供給されるようにするためである。本構
造では、特に新たに導電層を付加することなく、共通バ
スラインの抵抗を下げられるのが特徴である。
【0220】対向電極端子CTMは、導電層g3の上に
透明導電層i1が積層された構造になっている。この透
明導電膜i1は他の端子の時と同様に画素電極PXと同
一工程で形成された透明導電膜ITOを用いている。透
明導電層i1により、その表面を保護し、電食等を防ぐ
ために耐久性のよい透明導電層i1で、導電層g3を覆
っている。また透明導電層i1と導電層g3および導電
層d3との接続は保護膜PSV1および絶縁膜GIにス
ルーホールを形成し導通をとっている。
【0221】一方、図29(a)は対向電圧信号線CL
のもう一方の端からその外部接続端子CTM2までの接
続を示す平面図を示し、図29(b)は図29(a)の
B−B切断線における断面図を示す。なお、同図は図5
右上付近に対応する。ここで、共通バスラインCB2で
は各対向電圧信号線CLのもう一方の端(ゲート端子G
TM側)を一まとめにして対向電極端子CTM2に引き
出されている。共通バスラインCB1と異なる点は、走
査信号線GLとは絶縁されるように、導電層d3と透明
導電層i1で形成していることである。また、走査信号
線GLとの絶縁は絶縁膜GIで行っている。
【0222】《表示装置全体等価回路》表示マトリクス
部の等価回路とその周辺回路の結線図を図30に示す。
同図は回路図ではあるが、実際の幾何学的配置に対応し
て描かれている。ARは複数の画素を二次元的に配列し
たマトリクス・アレイである。
【0223】図中、Xは映像信号線DLを意味し、添字
G、BおよびRがそれぞれ緑、青および赤画素に対応し
て付加されている。Yは走査信号線GLを意味し、添字
1、2、3、…、endは走査タイミングの順序に従っ
て付加されている。
【0224】走査信号線Y(添字省略)は垂直走査回路
Vに接続されており、映像信号線X(添字省略)は映像
信号駆動回路Hに接続されている。
【0225】SUPは1つの電圧源から複数の分圧した
安定化された電圧源を得るための電源回路やホスト(上
位演算処理装置)からのCRT(陰極線管)用の情報を
TFT液晶表示装置用の情報に変換する回路を含む回路
である。
【0226】《駆動方法》図31に本実施例の液晶表示
装置の駆動波形を示す。対向電圧Vcは一定電圧とす
る。走査信号Vgは1走査期間ごとに、オンレベルをと
り、その他はオフレベルをとる。映像信号電圧は、液晶
層に印加したい電圧の2倍の振幅で正極と負極を1フレ
ーム毎に反転して1つの画素に伝えるように印加する。
ここで、映像信号電圧Vdは1列毎に極性を反転し、1
行毎にも極性を反転する。これにより、極性が反転した
画素が上下左右にとなりあう構成となり、フリッカ、ク
ロストーク(スミア)を発生しにくくすることができ
る。また、対向電圧Vcは映像信号電圧の極性反転のセ
ンター電圧から、一定量さげた電圧に設定する。これ
は、薄膜トランジスタ素子がオンからオフに変わるとき
に発生するフィードスルー電圧を補正するものであり、
液晶に直流成分の少ない交流電圧を印加するために行
う。これは、液晶は直流が印加されると、残像、劣化等
が激しくなるためである。
【0227】また、この他に、対向電圧は交流化するこ
とで映像信号電圧の最大振幅を低減でき、映像信号駆動
回路(信号側ドライバ)に耐圧の低いものを用いること
も可能である。
【0228】《蓄積容量Cstgの働き》実施例1と同
じ。
【0229】《製造方法》つぎに、上述した液晶表示装
置の基板SUB1側の製造方法について図32〜図34
を参照して説明する。なお、同図において、中央の文字
は工程名の略称であり、左側は図24に示す薄膜トラン
ジスタTFT部分、右側は図26に示すゲート端子付近
の断面形状でみた加工の流れを示す。工程B、工程Cを
除き工程A〜工程Iは各写真処理に対応して区分けした
もので、各工程のいずれの断面図も写真処理後の加工が
終わりフォトレジストを除去した段階を示している。な
お、写真処理とは本説明ではフォトレジストの塗布から
マスクを使用した選択露光を経てそれを現像するまでの
一連の作業を示すものとし、繰返しの説明は避ける。以
下、区分けした工程に従って、説明する。
【0230】工程A、図32 AN635ガラス(商品名)からなる下部透明ガラス基
板SUB1上に膜厚が2000ÅのCr−Mo等からな
る導電膜g3をスパッタリングにより設ける。写真処理
後、硝酸第2セリウムアンモンで導電膜g3を選択エッ
チングする。それによって、ゲート電極GT、走査信号
線GL、対向電圧信号線CL、ゲート端子GTM、共通
バスラインCB1の第1導電層、対向電極端子CTM1
の第1導電層、ゲート端子GTMを接続するバスライン
SHg(SHg)を形成する。
【0231】工程B、図32 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が3500Åの窒化Si膜を設
け、プラズマCVD装置にシランガス、水素ガスを導入
して、膜厚が1200Åのi型非晶質Si膜を設けたの
ち、プラズマCVD装置に水素ガス、ホスフィンガスを
導入して、膜厚が300Åのn(+)型非晶質Si膜を
設ける。
【0232】工程C、図32 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6、CC
4を使用してn(+)型非晶質Si膜、i型非晶質S
i膜を選択的にエッチングすることにより、i型半導体
層ASの島を形成する。
【0233】工程D、図33 膜厚が300ÅのCrからなる導電膜d3をスパッタリ
ングにより設ける。写真処理後、導電膜d3を工程Aと
同様な液でエッチングし、映像信号線DL、ソース電極
SD1、ドレイン電極SD2、共通バスラインCB2の
第1導電層、およびドレイン端子DTMを短絡するバス
ラインSHd(図示せず)を形成する。つぎに、ドライ
エッチング装置にCCl4、SF6を導入して、n(+)
型非晶質Si膜をエッチングすることにより、ソースと
ドレイン間のn(+)型半導体層d0を選択的に除去す
る。
【0234】工程E、図33 ブラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が0.4μmの窒化Si膜を設
ける。写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6
を使用して窒化Si膜を選択的にエッチングすることに
よって、保護膜PSV1および絶縁膜GIをパターニン
グする。
【0235】工程F、図34 膜厚が1400ÅのITO膜からなる透明導電膜i1を
スパッタリングにより設ける。写真処理後、エッチング
液として塩酸と硝酸との混酸液で透明導電膜i1を選択
的にエッチングすることにより、ゲート端子GTMの最
上層、ドレイン端子DTMおよび対向電極端子CTM1
およびCTM2の第2導電層を形成する。
【0236】《表示パネルPNLと駆動回路基板PCB
1》実施例1と同じ。
【0237】《TCPの接続構造》実施例1と同じ。
【0238】《駆動回路板PCB2》実施例1と同じ。
【0239】《液晶表示モジュールの全体構成》実施例
1と同じ。
【0240】以上、本実施例では、実施例2と同様に櫛
歯電極を透明にすることにより、白表示を行うときの最
大透過率が約50%向上させることができ、液晶表示パ
ネルPNLの透過率が約5.7%になる。
【0241】また、端子の信頼性を向上するためのIT
O膜も同時に形成することができ、信頼性と生産性を両
立することができる。
【0242】また、本実施例では、実施例1〜4と異な
り、ITOを保護膜PSVの上層に形成するプロセスを
用いているので、対向電極を最上層に持ってくることが
でき、映像信号線からの漏洩電界のシールド効果も良好
であり、クロストークを低減できる。
【0243】更に、電極間の液晶を駆動する電気力線の
経路に保護膜PSVが介在しないため、保護膜PSVで
の電圧低減がなく、液晶を駆動するための最大駆動電圧
値を実施例1の7.5Voltから本例では5.0Vo
ltに低減できた。
【0244】本方式のような基板面に略平行な電界を印
加して液晶を駆動する方式では、電極間の電気力線の経
路に2回保護膜が入るため、また、プロセスを簡略化す
ることができ、生産性も向上する。
【0245】(実施例6)本実施例は下記の構成を除け
ば、実施例5と同一である。図35に画素の平面図を示
す。図の斜線部分は透明導電膜i1を示す。
【0246】《遮光膜BM》上部透明ガラス基板SUS
2側には、不要な間隙部(画素電極PXと対向電極CT
の間以外の隙間)からの透過光が表示面側に出射して、
コントラスト比等を低下させないように遮光膜BM(い
わゆるブラックマトリックス)を形成している。遮光膜
BMは、外部光またはバックライト光がi型半導体層A
Sに入射しないようにする役割も果たしている。すなわ
ち、薄膜トランジスタTFTのi型半導体層ASは上下
にある遮光膜BMおよび大きめのゲート電極GTによっ
てサンドイッチにされ、外部の自然光やバックライト光
が当たらなくなる。
【0247】図40に示す遮光膜BMは、薄膜トランジ
スタTFT上部に上下左右方向に延在した構成であり、
開口部に孔をあけたマトリックス状の形状を有する。櫛
歯電極端部等の電界方向が乱れる部分においては、その
部分の表示は画素内の映像情報に1対1で対応し、か
つ、黒の場合には黒、白の場合には白になるため、表示
の一部として利用することが可能である。
【0248】また、本実施例では、実施例5と異なり、
遮光膜BMは光に対する遮光性を有し、かつ、映像信号
線DLからの電界が画素電極PXと対向電極CTの間の
電界に影響しないように導電性の高い膜で形成されてお
り、本実施例では対向基板SUB1面からクロム酸化物
(CrOx)、クロム窒化物(CrNx)、クロム(C
r)の3層構造を0.2μm程度の厚さで形成してい
る。このときクロム酸化物(CrOx)は、表示面の反
射を抑えるために用いている。また、クロム(Cr)は
遮光膜BMに外部から電圧を与えられるよう遮光膜BM
の最上層に設ける。
【0249】遮光膜BMは各行の画素に左右方向に線状
に形成され、この線で各行の有効表示領域が仕切られて
いる。従って、各行の画素の輪郭が遮光膜BMによって
はっきりとする。つまり、遮光膜BMは、ブラックマト
リックスとi型半導体層ASに対する遮光との2つの機
能をもつ。
【0250】遮光膜BMは周辺部にも額縁状に形成さ
れ、そのパターンは図35に示すマトリックス部のパタ
ーンと連続して形成されている。周辺部の遮光膜BM
は、シール部SLの外側に延長され、パソコン等の実装
機に起因する反射光等の漏れ光がマトリックス部に入り
込むのを防ぐとともに、バックライト等の光が表示エリ
ア外に漏れるのも防いでいる。他方、この遮光膜BMは
基板SUB2の縁よりも約0.3〜1.0mm程内側に
留められ、基板SUB2の切断領域を避けて形成されて
いる。
【0251】《オーバーコート膜OC》実施例1と同
じ。ただし、遮光膜BMに電位を与えられるようにスル
ーホールを形成してもよい。電位としては、対向電圧V
cに接続することが好ましい。
【0252】本実施例では、実施例5の効果に加え、遮
光膜BMが映像信号線DLからの電界の影響をシールド
するため、それにより画素電極PXと対向電極CT1、
CT2との電界が影響されなくなる。したがって、映像
信号線DLとのクロストークがなくなり、画面に筋を引
くような画質不良(スミア)を解消できる。また、映像
信号線DLの両脇に配置される透明な対向電極CT2を
遮光層SHで遮光する領域も小さくでき、より高透過率
を達成することができる。
【0253】(実施例7)図36は他の実施例の画素の
平面図、図37は図36の6−6線における断面図を示
す。本実施例では、対向電極CTを実施例2と同様に工
程を追加し、画素電極PXと別工程で異なる層に形成し
た。これにより、対向電極CT1、CT2と画素電極P
Xをいくら近付けてもショートすることがないので、点
欠陥を大幅に減少させることができる。
【0254】(実施例8)図38は、本実施例のアクテ
ィブ・マトリックス型カラー液晶表示装置の開口率向上
の原理を示す図で、図38(a)は、電極に電圧を印加
した時の液晶層内の電位分布を示す特性図、図38
(b)は、液晶層の中央部付近の液晶分子の再配向状態
を示す平面図、図38(c)は、図38(b)に示す液
晶分子の回転角αを示す特性図、図38(d)は、上下
偏光板、上下基板、電極上および電極間の液晶層を透過
する光の透過率分布を示す特性図の一例である。
【0255】ここで、下記の構成を除けば、実施例5と
同一である。本実施例では、液晶層のツイスト弾性定数
22として約2×10-12N(ニュートン)を使用し
た。
【0256】ツイスト弾性定数K22として、例えば、約
10×10-12N(ニュートン)の比較的大きな値を使
用すると、図39(b)に示すように、電極上中央部の
液晶分子は、ほとんど回転角αが零であり、この結果、
電極上中央部の透過率はほぼ黒表示の値となる。
【0257】一方、本実施例では、電極上中央部の液晶
分子までも回転し、電極間のA部分の透過率の平均透過
率の50%以上が、電極上でのB部分の透過率の平均値
透過率となることが判った。
【0258】したがって、全体部分の平均透過率は、A
+B部分の透過率の平均値透過率となり、大幅に引き上
げられる。
【0259】(実施例9)図40に他の実施例の画素の
平面図を示す。本実施例では、画素電極PXおよび対向
電極CT1、CT2をくの字状にした。これにより、方
向の違う再配向状態をもつ2つの領域(ドメイン)が形
成され、斜め方向の着色、階調反転をそれぞれが補償し
あい、より広視野角が得られる。
【0260】図41および図42は、電極の幅Wと画素
電極PXと対向電極CTの間の距離(最短距離)Lを液
晶の層厚dとの関係を示す平面図である。
【0261】すなわち、L≧dおよびW≦dの関係とす
ることにより、透過率を向上させ、かつ残像の発生を大
幅に抑制できる効果を得ることができる。
【0262】なお、ここで、液晶の層厚dとは、液晶セ
ルの(平均)リタデーションΔn・dを液晶材料の屈折
率異方性Δnで割った値として定義する。
【0263】しかしながら、図42(a)、(b)に示
すように、画素電極PXと対向電極CT1の間の距離L
に対して液晶の層厚dが大きい場合、それら電極が形成
されている透明基板側に強力な横電界が発生し易くな
り、該電極が形成されている透明基板側の配向膜のみに
よって初期配向の状態に復元させなければならないこと
から、残像が極めて生じ易くなってしまうからである。
【0264】図44にd=4μmの時のLに対する残像
強度を示す。同図からd=4μmの場合、W≦dの範囲
では4μm以上で残像が落ち着くことがわかる。
【0265】液晶の層厚dに比較して電極の幅Wが大き
い場合、図41(a)に示すように、それらの電極上の
電界の横方向成分が少なくなり、電極上の透過光が得ら
れにくくなるためであり、図43に示すように電極幅W
の増加にともなって透過率が減少するためである。
【0266】したがって、図41(b)に示すように、
Wをdより小さくすることで、電極上の横方向電界を発
生させることで電極上の透過率を向上する。
【0267】したがって、液晶の層厚dを基準として電
極の幅Wと画素電極PXと対向電極CTの間の距離(最
短距離)Lを上述のように設定するか、あるいは電極の
幅Wと画素電極PXと対向電極CTの間の距離(最短距
離)Lを基準として液晶の層厚dを上述のように設定す
ることによって、透過率を向上させ、かつ残像の発生を
大幅に低減させることができるようになる。
【0268】(実施例10)図55(b)の図56中の
画素仕様12〜22は上述の画素構成において、電極
数、電極幅、電極間隔、電極の配置位置を異ならしめて
構成した場合の例である。
【0269】(実施例11)本実施例は下記を除き、実
施例1と同一である。これにより、本実施例では画素電
極PXおよび対向電極CTは、そのうちの一方の電極
(下層に位置づけられる電極)を画素領域のほぼ全域に
形成したものである。
【0270】図45(a)、図46(a)、図46
(b)、図55(a)はそ実施例の画素の平面図を示
す。図56の画素仕様1〜11では、実施例10と同様
に電極数、電極幅、電極間隔、電極を形成する層を異な
らしめてある。
【0271】また、図70は、上述した構成においてセ
ルギャップ(液晶の層厚d)を変動させた場合の液晶分
子の挙動を従来(IPS方式)の場合と比較して示して
いる。そして、中間調20%輝度(真白の輝度を100
%としたときの20%の輝度)において、セルギャップ
変動量に対する輝度変動を示したグラフを同図に示して
いる。
【0272】このグラフから明らかになるように、前記
一方の基板に対する他方の基板のギャップの変動が±
0.3μmに対して、輝度の変動が10%以下になって
いることが確認され、W>dの時よりも変動が緩やかで
あり、むらが少なくなることがわかる。
【0273】本実施例では、下層の電極が画素領域のほ
ぼ全域にあるため、L=0となり、実施例1〜10まで
の構成をとることができない。したがって、次の方法で
残像を対策した。TFT基板側の配向膜近傍に電界が集
中しないように画素電極と対向電極の層間膜の厚みを厚
くする。また、それらの電極の上に保護膜を厚く形成す
る。
【0274】さらには、保護膜、層間膜の誘電率を高く
する。たとえば層間膜の厚みは0.5μm以上、保護膜
の厚みは0.5μm以上、誘電率は5以下が好ましい。
なお、これらは単独でも効果を有する。
【0275】また、これらの図では、各電極群のそれぞ
れの電極はそれぞれの走行方向において複数の屈曲部を
有するジグザグ形状となっており、その屈曲部を境にし
て一方は図中y方向に対してθの角度を、他方は180
°−θの角度を有している。
【0276】これにより、一画素内に、画素電極と対向
電極との間の電界の方向を異ならしめた領域を形成し、
異なる方向から表示面を観察した際に生じる色調の相違
を相殺されるいわゆるマルチドメイン方式を採用してい
る。
【0277】(実施例12)図45(b)、図47
(a)、(b)は下層のITO電極にスリットを設け、
上層のITO電極と平面的に重なる領域を減らしたもの
である。これにより、画素電極と対向電極の間に形成さ
れる容量が少なくなり、横スミアが減少する。
【0278】(図45〜47の補足説明)図45ないし
図47は上述した各画素の構成において、電極の数、電
極幅、隣接する電極との間隔、一方の電極の構成等を異
ならしめて構成した場合の開口率、および透過率を示し
たものである。
【0279】なお、各図において、電極幅および隣接す
る電極との間隔を示す寸法は、たとえば図中6.0
(4.0)とあるのは前者がマスクにおける寸法6.0
μmで後者が実際に形成される寸法4.0μmを示して
いる。また、形成した薄膜トランジスタのチャネル幅お
よびチャネル長(W/L)、容量素子Cstgの容量を
も示している。
【0280】図45は画素電極と対向電極との間の電界
の方向を映像信号線と交差する方向に構成し、図46お
よび図47は画素電極と対向電極との間の電界の方向を
映像信号線に沿った方向に構成したものである。
【0281】図45(a)は、画素電極が6本、対向電
極が画素領域の全域に形成した場合を示したもので、開
口率として50.4%、透過率として3.8%を得るこ
とができた。
【0282】図45(b)は、画素電極が6本、対向電
極が一つ置きの画素電極と重畳されているともに、その
幅を画素電極の幅よりも大きく形成した場合を示したも
ので、開口率として50.4%、透過率として3.8%
を得ることができた。
【0283】図45(a)と比較すると、容量素子Cs
tgの容量を400fFと小さくできる。
【0284】図46(a)は、対向電極を画素領域のほ
ぼ全域に形成し、画素電極の幅を5(3.8)、隣接す
る画素電極の間隔を5(6.2)としたもので、開口率
として50.3、透過率として4.3を得ることができ
た。
【0285】図46(b)は、対向電極を画素領域のほ
ぼ全域に形成し、画素電極の幅を4(2.8)、隣接す
る画素電極の間隔を4(5.2)としたもので、開口率
として50.3、透過率として4.8を得ることができ
た。
【0286】図47(a)は、画素電極の幅が5(3.
8)、隣接する画素電極との間隔が5(6.2)、対向
電極が一つ置きの画素電極と重畳されているともに、そ
の幅を画素電極の幅よりも大きく形成した場合を示した
もので、開口率として50.3%、透過率として4.3
%を得ることができた。
【0287】図47(b)は、図54(a)と同様の構
成を採用し、画素電極の幅が4(2.8)、隣接する画
素電極との間隔が4(5.2)としたもので、開口率と
して50.3%、透過率として4.8%を得ることがで
きた。
【0288】図48は、このように構成された液晶表示
装置の電圧−透過率特性を示したグラフである。比較の
ために従来(IPSで示している)のそれも示してい
る。このグラフから、少ない電圧で透過率の向上が図れ
ることが明らかとなる。
【0289】図49は、上述した各液晶表示装置におい
て、それに用いられる液晶の材料、セルギャップ等に対
して、最大透過率、応答時間、他の測定値を示した表で
ある。
【0290】なお、同表において、画素3、画素4、画
素1で示される画素構造は、それぞれの図46(a)、
図46(b)、図45(a)に示すものに対応してい
る。
【0291】図50は、上述した各液晶表示装置におい
て、その表示面における正面特性を示した表である。
【0292】なお、同表において、画素1、画素2、画
素3、画素4、画素5、および画素6は、それぞれ図4
5(a)、図45(b)、図46(a)、図46
(b)、図47(a)、図47(b)に示すものに対応
している。
【0293】図51は、上述した液晶表示装置におい
て、その応答速度を示したグラフである。図中左側の各
グラフはNp液晶を用いた画素1(図45(a))の構
成のものを示し、右側の各グラフはNn液晶を用いた画
素4(図46(b))の構成のものを示している。
【0294】また、前段の各グラフは明るい側の階調か
ら暗い側の階調へ移行させた場合の応答速度の結果を示
し、中段の各グラフは暗い側の階調から明るい側の階調
に移行された場合の応答速度の結果を示し、後段の各グ
ラフはそれらの合計を示した応答速度の結果を示してい
る。
【0295】この後段の各グラフから全体的にほぼ均一
化された応答速度を有することが判る。
【0296】図52および図53は、上述した液晶表示
装置において、画素1ないし画素6の構成のものにおい
てスミアの発生の度合いを測定した表である。
【0297】図54は、上述した液晶表示装置におい
て、表示部に同心円状の黒白ストライプパターンを焼き
付けて残像を観察した結果を示す表である。
【0298】画素1および画素2の構成においてポジ型
液晶(比抵抗:7.5×10-12)を用い、また、画素
3ないし画素6の構成においてネガ型液晶(比抵抗:
8.8×1012)を用いたものを観察した。
【0299】《図55から図60までの補足説明》図5
6は、特に、各画素領域において画素電極と対向電極と
の間の電界方向が映像信号線に沿った場合の構成におけ
る各特性を評価した表である。
【0300】評価対象とした液晶表示装置は、図55
(a)に示すように、対向電極(共通電極)を画素領域
のほぼ全域に形成したのもの、および、図55(b)に
示すように、対向電極を画素電極と同様電極群として形
成のものである。
【0301】ここで、図56の表中の画素仕様1から2
5は、図55(a)の構成において、画素電極の幅W1
の値をどのくらいにしたか、隣接する画素電極との間隔
L1をどのくらいにしたか、電極をどの層に形成したか
等によって特定でき、さらに、図55(b)の構成にお
いて、画素電極の幅W2、対向電極の幅W3をどのくら
いにしたか、画素電極と対向電極との間隔L2をどのく
らいにしたか、電極をどの層に形成したか等によって特
定できるようになっている。
【0302】また、図57から図60は、上記各画素仕
様に対して、電圧に対する透過率を示したグラフを示し
ている。
【0303】ここで、各図において図中左側のグラフは
図55(a)に示す構成のもの、右側のグラフは図55
(b)に示す構成のものを対象としている。
【0304】また、図61から図66は、それらをまと
めたもので、それぞれのパラメータ(シェブロン角度
θ、電極幅W、電極間隔L、電極のレイヤ配置)につい
ての傾向を示している。
【0305】図61(a)からすると透過率を最大に
し、かつ安定させるには、θは10°以上が好ましい。
また、図61(d)から画素電極は保護膜PSV1上で
かつ対向電極はゲート信号線と同層であることが透過率
が最大となり、図65(d)に示すようにより青いので
好ましい。
【0306】(実施例13)図67(b)は、本発明に
よる液晶表示装置の他の実施例を示す平面図であり、こ
の図は映像信号線DLを中心としたその近傍を示した図
となっている。
【0307】図67(b)において、映像信号線DLの
両脇に位置づけられる画素との間の液晶が、該映像信号
線に供給される映像信号からのノイズによって、動作す
るのを解消させた構成となっている。
【0308】すなわち、前記画素領域には、該映像信号
線DLに交差する方向に延在する画素電極PXと対向電
極CTが形成されている。
【0309】画素電極PXと対向電極CTとの間に発生
する電界の方向は、この場合、映像信号線に沿った方向
となりこの電界によって液晶はその透過率が制御される
ようになる。
【0310】なお、この場合における各透明基板に形成
された配向膜の初期配向を決定するラビング方向は該映
像信号線DLに沿った方向に一致づけられて形成されて
いる。
【0311】一方、映像信号線DLから画素側へのノイ
ズは該映像信号線と交差する方向の電界であることから
して、その方向に初期配向されている液晶は動作しない
ことになる。
【0312】すなわち、映像信号線DLと対向電極CT
(詳しくは、該映像信号線DLからのノイズを吸収する
ために形成された部分で電極群として形成された各対向
電極CTを接続する部分)との間の隙間を通して光が透
過することがなくなる。
【0313】このことは、これら電極が形成された透明
基板と液晶を介して対向配置される他の透明基板側に前
記隙間を被うブラックマトリックスが形成されていると
しても、該他の透明基板の配置の位置ずれによっていわ
ゆる縦スミアを発生させるようなことはなくなる。
【0314】また、前記ブラックマトリックスのうち、
少なくとも該映像信号線に沿って形成される部分を形成
しなくてもよくなるという効果も奏する。
【0315】上述した構成は、ネガ型に限らずボジ型の
液晶を用いた場合においても適用できることはいうまで
もない。
【0316】図67はネガ型液晶の場合であるが、ポジ
型液晶の場合にはそのラビング方向をネガ型の場合と直
交する方向にすればよい。
【0317】配向膜によって初期配向が決定された液晶
が前記映像信号線DLと交差する方向の電界によって動
作しないよう(画素電極と対向電極との間に発生する電
界によって動作する範囲よりも小さい動作を含む)にす
ればよいからである。
【0318】このためには、液晶の型によって適当な配
向膜による初期配向が決定され、また、実質的な画素領
域において画素電極と対向電極との間に発生する電界の
方向が決定されることになる。
【0319】(実施例14)図68は、本発明による液
晶表示装置の画素の他の実施例を示す平面図である。同
図は、画素電極PXおよび対向電極CTが互いに噛み合
う電極群から構成され、それらは、映像信号線に交差す
る方向へ延在されている。
【0320】この場合においても、電極の幅Wと画素電
極PXと対向電極CTの間の距離(最短距離)Lを液晶
の層厚dとの関係で上述したと同様に規定している。
【0321】そして、各電極群のそれぞれの電極はそれ
ぞれの中央において屈曲され、その屈曲点を境にして一
方は図中x方向に対してθの角度を、他方は180°−
θの角度を有している。
【0322】また、映像信号線DLに供給される映像信
号は隣接する映像信号線DLに供給する映像信号に対し
て反転させており(これは同図では明らかにされていな
い)、これにともない各対向電極CTを共通に接続させ
る電極接続部は、画素の上方で図中左側の映像信号線D
Lに隣接させ、画素の下方で図中右側の映像信号線に隣
接させるようにし、これら各電極接続部は画素の中央で
互いに接続されているともに、対向電圧信号線CLに重
ね合わされて形成された構成となっている。
【0323】これにより、各画素において、映像信号線
DLと対向電極CT(それらの接続部も含む)との間の
容量結合が左右対称となって相殺される効果を有するよ
うになる。
【0324】このことから、前記対向電極はたとえば一
番上のそれと二番面のそれを一方の映像信号線側で接続
させ、三番目のそれと四番目のそれを他方の映像信号線
側で接続させ、五番目のそれと六番目のそれを一方の映
像信号線側で接続させるようにして順次繰り返すような
パターンとしても同様の効果を有するようになる。
【0325】また、前記電極接続部は、その下層にある
対向電圧信号線CLを被うようにして形成されていると
ともに、その上辺を該対向電圧信号線で画される上方の
画素領域の対向電極CTの形状に合わせ(対向電極との
距離(画素電極と対向電極との距離に一致づけている)
を一定)、下辺を下方の画素領域の対向電極CTの形状
に合わせるように構成している。
【0326】このように構成することによって、画素の
有効領域が広くなる効果を有するようになり、対向電圧
信号線CLも該接続部に合わせたパターンとすることに
よって、幅を広く形成できその低抵抗化を図ることがで
きるようになる。
【0327】また、対向電圧信号線CLに重ね合わされ
て形成される電極接続部は対向電極と一体に形成された
ITO膜から構成されるため、該対向電圧信号線の図中
x方向の各辺には切欠きが形成され、この切欠きによっ
て該電極接続部の該対向電圧信号線の乗り越え部におけ
る段差切れの発生の確率を低減させている。
【0328】(実施例15)図69は本発明による液晶
表示装置の製造方法の一実施例を示したものである。こ
れら断面図は走査信号線(ゲート配線)GLと対向電圧
信号線(コモン配線)CLを交差する線における断面図
を示したものである。
【0329】また、透明電極(ITO)からなる対向電
極CTおよび画素電極PXの各パターンは同図では明ら
かにされていないが、図45〜47、図55等に示すパ
ターンとして形成することができる。
【0330】ここでは、ゲート信号線、コモン信号線に
lを用いることで低抵抗化を図り、かつ、電極間の短絡
不良を軽減するために陽極酸化している。また、ここで
は透明導電膜としてIZO(Indium-Zin-Oxide)を用い
る。これは下層透明電極のエッチングの際、そのエッチ
ング液でAlがエッチングされパターンがなくなってし
まうことを防ぐためである。
【0331】ITOに使うHBrはAlを溶かしてしま
うため、同層にはAlとITO(ポリの場合)をもって
くることはできない。したがって、弱酸である蓚酸でエ
ッチング可能なIZOを用いることによってAlと透明
導電膜の同層形成が可能になる。この場合でもAlの形
成工程がIZOの形成工程より先にくる必要がある。
【0332】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による液晶表示装置によれば、透過率を大幅に向
上させ、残像の発生を大幅に低減等でき、表示品質の良
好なものを得ることができる。
【0333】また、ギャップ変動に対するむらのマージ
ン拡大、上下基板の合わせずれマージンの拡大ができ、
コントラスト比が向上し、応答速度を速くすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブ・マトリクス型カラー液晶
表示装置の液晶表示部の一画素とその周辺を示す要部平
面図である。
【図2】図1の3−3切断線における画素の断面図であ
る。
【図3】図1の4−4切断線における薄膜トランジスタ
素子TFTの断面図である。
【図4】図1の5−5切断線における蓄積容量Cstgの
断面図である。
【図5】表示パネルのマトリクス周辺部の構成を説明す
るための平面図である。
【図6】左側に走査信号端子、右側に外部接続端子の無
いパネル縁部分を示す断面図である。
【図7】ゲート端子GTMとゲート配線GLの接続部近
辺を示す平面と断面の図である。
【図8】ドレイン端子DTMと映像信号線DLとの接続
部付近を示す平面と断面の図である。
【図9】共通電極端子CTM、共通バスラインCBおよ
び共通電圧信号線CLの接続部付近を示す平面と断面の
図である。
【図10】本発明のアクティブ・マトリクス型カラー液
晶表示装置のマトリクス部とその周辺を含む回路図であ
る。
【図11】本発明のアクティブ・マトリクス型カラー液
晶表示装置の駆動波形を示す図である。
【図12】基板SUB1側の工程A〜Bの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図13】基板SUB1側の工程C〜Eの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図14】基板SUB1側の工程F〜Gの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図15】液晶表示パネルに周辺の駆動回路を実装した
状態を示す上面図である。
【図16】駆動回路を構成する集積回路チップCHIが
フレキシブル配線基板に搭載されたテープキャリアパッ
ケージTCPの断面構造を示す図である。
【図17】テープキャリアパッケージTCPを液晶表示
パネルPNLの走査信号回路用端子GTMに接続した状
態を示す要部断面図である。
【図18】液晶表示モジュールの分解斜視図である。
【図19】印加電界方向、ラビング方向、偏光板透過軸
の関係を示す図である。
【図20】本発明による液晶表示装置の画素の他の実施
例を示す平面図である。
【図21】本発明による液晶表示装置の画素の他の実施
例を示す構成図である。
【図22】本発明による液晶表示装置の画素の他の実施
例を示す平面図である。
【図23】図25の6−6線における断面図である。
【図24】図25の7−7線における断面図である。
【図25】図25の8−8線における断面図である。
【図26】ゲート端子GTMとゲート配線GLの接続部
近辺を示す平面と断面の図である。
【図27】ドレイン端子DTMと映像信号線DLとの接
続部付近を示す平面と断面の図である。
【図28】共通電極端子CTM、共通バスラインCBお
よび共通電圧信号線CLの接続部付近を示す平面と断面
の図である。
【図29】共通電極端子CTM、共通バスラインCBお
よび共通電圧信号線CLの接続部付近を示す平面と断面
の図である。
【図30】本発明のアクティブ・マトリクス型カラー液
晶表示装置のマトリクス部とその周辺を含む回路図であ
る。
【図31】本発明のアクティブ・マトリクス型カラー液
晶表示装置の駆動波形を示す図である。
【図32】基板SUB1側の工程A〜Cの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図33】基板SUB1側の工程D、Eの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図34】基板SUB1側の工程Fの製造工程を示す画
素部とゲート端子部の断面図のフローチャートである。
【図35】本発明の画素の他の実施例を示す平面図であ
る。
【図36】本発明の画素の他の実施例を示す平面図であ
る。
【図37】図39の6−6線における断面図である。
【図38】本発明の画素領域における液晶分子の様子等
を示した説明図である。
【図39】本発明の他の実施例の画素領域における液晶
分子の様子を示したグラフである。
【図40】本発明の画素の他の実施例を示す平面図であ
る。
【図41】本発明による液晶表示装置の画素領域におけ
る等電位線および透過率を示す説明図である。
【図42】残像が生じる理由を示した説明図である。
【図43】電極の加工寸法と透過率の関係を示した説明
図である。
【図44】本発明の画素領域における液晶層の厚み、電
極幅、画素電極と対向電極との間隔に対する残像強度を
示したグラフである。
【図45】本発明による液晶表示装置の画素の他の実施
例を示す平面図である。
【図46】本発明による液晶表示装置の画素の他の実施
例を示す平面図である。
【図47】本発明による液晶表示装置の画素の他の実施
例を示す平面図である。
【図48】本発明による液晶表示装置の印加電圧に対す
る透過率の特性を示したグラフである。
【図49】本発明による液晶表示装置の最大透過率等を
示す表である。
【図50】本発明による液晶表示装置の正面特性を示す
表である。
【図51】本発明による液晶表示装置の画素の応答速度
を示したグラフである。
【図52】本発明による液晶表示装置のスミアの発生率
を示した表である。
【図53】本発明による液晶表示装置のスミアの発生率
を示した表である。
【図54】本発明による液晶表示装置の残像を評価した
表である。
【図55】図64の特性評価の対象となった液晶表示装
置の画素を示す平面図である。
【図56】本発明による液晶表示装置の種々の特性を評
価した表である。
【図57】本発明の各画素仕様における印加電圧に対す
る透過率の特性を示したグラフである。
【図58】本発明の各画素仕様における印加電圧に対す
る透過率の特性を示したグラフである。
【図59】本発明の各画素仕様における印加電圧に対す
る透過率の特性を示したグラフである。
【図60】本発明の各画素仕様における印加電圧に対す
る透過率の特性を示したグラフである。
【図61】本発明の透過率のシェブロン角度依存性等を
示す図である。
【図62】本発明のしきい値電圧のシェブロン角度依存
性等を示す図である。
【図63】本発明の駆動電圧のシェブロン角度依存性等
を示す図である。
【図64】本発明の色度特性を示す図である。
【図65】本発明の色度特性のシェブロン角度依存性等
を示す図である。
【図66】本発明の残像のシェブロン角度依存性等を示
す図である。
【図67】本発明の画素の他の実施例を示す説明図であ
る。
【図68】本発明による画素の他の実施例を示す平面図
である。
【図69】本発明による液晶表示装置の製造方法の一実
施例を示した工程図である。
【図70】本発明による液晶表示装置とセルギャップと
輝度変動の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
SUB…透明ガラス基板、GL…走査信号線、DL…映
像信号線、CL…対向電圧信号線、PX…画素電極、C
T…対向電極、GI…絶縁膜、GT…ゲート電極、AS
…i型半導体層、SD…ソース電極またはドレイン電
極、PSV…保護膜、BM…遮光膜、LC…液晶、TF
T…薄膜トランジスタ、g,d…導電膜、Cstg…蓄積
容量、GTM…ゲート端子、DTM…ドレイン端子、C
B…共通バスライン、DTM…共通電極端子、SHD…
シールドケース、PNL…液晶表示パネル、SPB…光
拡散板、LCB…導光体、BL…バックライト蛍光管、
LCA…バックライトケース、RM…反射板、(以上添
字省略)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/35 G02F 1/136 500 Fターム(参考) 2H090 HA03 HB08X HC03 HD07 HD14 KA04 KA18 LA04 MA02 MA07 MA17 MB02 2H092 GA13 GA14 JA26 JA29 JA33 JA35 JA38 JA42 JA43 JA44 JA46 JA47 JB11 JB13 JB23 JB27 JB32 JB33 JB36 JB38 JB51 JB57 JB63 JB69 KA05 KA07 KA16 KA18 MA05 MA08 MA14 MA15 MA16 MA18 MA19 MA20 MA27 MA35 MA37 MA41 NA04 NA25 NA27 PA02 QA06 QA18 5C094 AA09 AA10 BA03 BA44 CA19 EA04 EA05 EB02 ED14 ED15 JA01 JA08 JA11

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶層を介して対向配置される各基板の
    うち一方の基板の液晶側の画素領域に、互いに離間され
    て形成された一対の電極が備えられ、これら電極の間に
    発生させる前記基板と平行な成分の電界によって前記液
    晶層の光透過率を制御させるものであって、 前記電極は少なくともその一方が透明電極で形成されて
    いるともに、 前記液晶層の層厚をd、前記電極の幅をw、各電極の間
    隔をLとした場合に、d≦L、およびd≧wの関係を有
    するように構成されていることを特徴とする液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】 対向配置される各基板の間に介在され層
    厚がdで該基板と平行な成分を有する電界によって光透
    過率が制御される液晶層と、 前記基板のうち一方の基板の液晶側の画素領域に画素電
    極とこの画素電極に対してLの間隔で離間され該画素電
    極との間に電界を発生せしめる対向電極とを備え、 前記画素電極および対向電極は少なくともその一方が透
    明導電層で形成され、かつ、前記画素電極および対向電
    極の幅wは前記液晶層の層厚dより小さく設定されてい
    るともに、この液晶層の層厚dは前記画素電極と対向電
    極との間隔Lより小さく設定されていることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 基板の間に介在され該基板と平行な成分
    を有する電界によって光透過率が制御される層厚dの液
    晶層と、 前記基板のうち一方の基板の液晶側の画素領域に、 一方向に延在され該一方向に交差する方向に並設される
    幅w1(≦d)の第1電極と、これら第1電極の間に該
    第1電極と間隔L(≧d)を有して配置され該第1電極
    との間に電界を発生せしめる幅w2(≦d)の第2電極
    とを備え、 前記第1電極と第2電極のうちいずれかが透明電極で構
    成されていることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 基板の間に介在され該基板と平行な成分
    を有する電界によって光透過率が制御される層厚dの液
    晶層を備え、 前記基板のうち一方の基板の液晶側の面の信号線によっ
    て囲まれる画素領域に、 ゲート信号線からの走査信号の供給によって駆動される
    スイッチング素子を介してドレイン信号線からの映像信
    号が供給される幅w1の画素電極と、 この画素電極に対してLの距離を隔てて配置され該画素
    電極の間に電界を発生せしめる幅w2の対向電極とが形
    成され、 前記画素電極および対向電極の一方が透明導電層で形成
    されているとともに、 d≦L、およびd≧w1、w2の関係を有するように構成
    されていることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 液晶を介して対向配置される各基板のう
    ち一方の基板の液晶側の面に画素電極と対向電極を有
    し、前記画素電極と前記対向電極の間の基板面に略平行
    な電界成分により、ツイスト可能な液晶層の液晶分子を
    制御し、表示を行うアクティブマトリクス型液晶表示装
    置において、 前記画素電極および対向電極の少なくとも一方が透明電
    極から構成されているともに、 前記一方の基板に対する他方の基板のギャップの変動が
    ±0.3μmに対して、真白の輝度を100%としたと
    きの20%の輝度の変動が10%以下になっていること
    を特徴とする液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 画素電極および対向電極は絶縁膜を介し
    て配置され、一方の電極は一方向に延在し該方向に交差
    する方向に延在された電極群から構成されているととも
    に、他方の電極は少なくとも前記電極群の各電極と絶縁
    膜を介して重畳されていることを特徴とする請求項5に
    記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 画素電極および対向電極は、それぞれ一
    方向に延在し該方向に交差する方向に延在された電極群
    から構成されているとともに、一方の電極が他方の電極
    の間に隙間を有して配置された櫛歯状電極となっている
    ことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 一対の映像信号線の間に画素領域を有
    し、この画素領域に画素電極と複数の電極群からなる対
    向電極が形成され、 前記一対の映像信号線にはそれぞれ反転された映像信号
    が供給されるともに、 前記対向電極の各電極をそれぞれ接続させる接続部は、
    映像信号線の延在方向に沿って形成され、かつ、前記一
    対の映像信号線のそれぞれの映像信号線に隣接して割り
    振られていることを特徴とする液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 前記画素領域は映像信号線に交差して走
    行する対向電圧信号線によって分割され、その一方の画
    素領域の対向電極の各電極の接続部は前記一対の映像信
    号線のうち一方の映像信号線に隣接され、他方の画素領
    域の対向電極の各電極の接続部は他方の映像信号線に隣
    接されて配置され、かつ、これらの接続部は前記対向電
    圧信号線上で接続されていることを特徴とする請求項8
    に記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 対向電極およびそれらの接続部は透明
    電極からなり、かつ、前記対向電圧信号線上の接続部は
    前記対向電圧信号線を一部被って形成されているととも
    に、該対向電圧信号線の前記接続部によって被われた部
    分には切欠きが形成されていることを特徴とする請求項
    9に記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 液晶を介して対向配置される各基板の
    うち一方の基板の液晶側の面に映像信号線とこの映像信
    号線に隣接した画素を有し、 この画素には前記映像信号線からの映像信号がスイッチ
    ング素子を介して供給される画素電極とこの画素電極と
    の間に前記基板に平行な成分を有する電界を発生せしめ
    る対向電極が設けられ、 前記各基板の液晶側の面に配向膜が形成され、この配向
    膜によって初期配向が決定される液晶が前記映像信号線
    と交差する方向の電界によって動作しないことを特徴と
    する液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 画素電極と対向電極のうち少なくとも
    一方の電極が前記映像信号線と交差する方向に延在し該
    映像信号線に沿った方向に並設される電極群からなるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 液晶を介して対向配置される各基板の
    うち一方の基板の液晶側の画素領域に絶縁膜を介して画
    素電極と対向電極とが形成され、 これら各電極のうち一方の電極が該画素領域の大部分の
    領域に形成された透明電極からなるとともに、 他方の電極が一方向に延在され該方向と交差する方向に
    並設される電極群からなり、 前記電極群の各電極は屈曲部を有し、その屈曲部におけ
    る広がり角が180°−2θであり、θは10°以上で
    あることを特徴とする液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 θは40°未満であることを特徴とす
    る請求項13に記載の液晶表示装置。
  15. 【請求項15】 前記絶縁膜はその膜厚が0.5μm以
    上であることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示
    装置。
  16. 【請求項16】 前記各電極のうち上層に位置づけられ
    る電極をも被うようにして他の絶縁膜が形成され、その
    膜厚が0.5μm以上であることを特徴とする請求項1
    3に記載の液晶表示装置。
  17. 【請求項17】 前記絶縁膜の誘電率は6以上であるこ
    とを特徴とする請求項16に記載の液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 液晶を介して対向配置される各基板の
    うち一方の基板の液晶側の画素領域に対向電極上に絶縁
    膜を介して画素電極が形成され、 前記対向電極は該画素領域の大部分の領域に形成された
    透明電極からなるともに、 画素電極はゲート信号線からの走査信号の供給によって
    駆動されるスイッチング素子を介して映像信号が供給さ
    れる電極群からなり、かつ前記スイッチング素子をも被
    って形成される絶縁膜の上層に形成され、 さらに、前記対向電極と接続される対向電圧信号線と前
    記ゲート信号線とが同層となっていることを特徴とする
    液晶表示装置。
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