JPH09100295A - 新規トリテルペノイドサポニン類およびそれを有効成分とする神経突起伸展作用を有する治療剤 - Google Patents
新規トリテルペノイドサポニン類およびそれを有効成分とする神経突起伸展作用を有する治療剤Info
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- JPH09100295A JPH09100295A JP8151245A JP15124596A JPH09100295A JP H09100295 A JPH09100295 A JP H09100295A JP 8151245 A JP8151245 A JP 8151245A JP 15124596 A JP15124596 A JP 15124596A JP H09100295 A JPH09100295 A JP H09100295A
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- Japan
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- rha
- xyl
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Abstract
(57)【要約】
【目的】神経突起伸展作用を有する新規生理活性物質、
すなわち、アルツハイマ−型老年痴呆などの抗痴呆薬お
よび脳卒中後遺症の治療薬を提供する。 【構成】下記式(I) 【化1】 で代表される新規トリテルペノイドサポニン類およびそ
れを有効成分とする神経突起伸展作用を有する治療剤。
すなわち、アルツハイマ−型老年痴呆などの抗痴呆薬お
よび脳卒中後遺症の治療薬を提供する。 【構成】下記式(I) 【化1】 で代表される新規トリテルペノイドサポニン類およびそ
れを有効成分とする神経突起伸展作用を有する治療剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規トリテルペノ
イドサポニリン類およびそれを有効成分とする神経突起
伸展作用を有する治療剤に関する。
イドサポニリン類およびそれを有効成分とする神経突起
伸展作用を有する治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年増えつつあるアルツハイマ−型老年
痴呆においては、記憶や思考を司る神経細胞であるマイ
ネルト核のコリン作動性ニュ−ロンの多くが死滅し、失
われていることが、多数の症例で確認されているが、こ
の神経細胞の生存や分化に神経成長因子(以下、NGF
と称する)が必須であることが明らかにされている[フ
ァルマシア、22、147(1986)]。NGFは試
験管内で神経細胞を分化させて神経突起の伸長を促した
り、神経細胞の生存を維持している。NGFは繊維切断
によるアセチルコリン作動性神経の変性、脱落を抑制す
ること[S.Korsching等、ニュ−ロサイエン
スレタ−(Neuroscience Lett.),
第66巻、第175頁(1986)]および老齢ラット
の迷路学習障害を改善すると共にアセチルコリン作動性
神経細胞の萎縮を抑制することが報告されている[茂野
卓等、医学のあゆみ、第145巻、第579頁(198
6年)]。これらのことから、NGFがアルツハイマ−
型老年痴呆の治療薬となり得ることが示唆される。ま
た、NGFは脳虚血スナネズミの海馬神経細胞の脱落を
防ぐことも確かめられており、脳卒中後遺症治療薬とし
ても有用であると考えられる。
痴呆においては、記憶や思考を司る神経細胞であるマイ
ネルト核のコリン作動性ニュ−ロンの多くが死滅し、失
われていることが、多数の症例で確認されているが、こ
の神経細胞の生存や分化に神経成長因子(以下、NGF
と称する)が必須であることが明らかにされている[フ
ァルマシア、22、147(1986)]。NGFは試
験管内で神経細胞を分化させて神経突起の伸長を促した
り、神経細胞の生存を維持している。NGFは繊維切断
によるアセチルコリン作動性神経の変性、脱落を抑制す
ること[S.Korsching等、ニュ−ロサイエン
スレタ−(Neuroscience Lett.),
第66巻、第175頁(1986)]および老齢ラット
の迷路学習障害を改善すると共にアセチルコリン作動性
神経細胞の萎縮を抑制することが報告されている[茂野
卓等、医学のあゆみ、第145巻、第579頁(198
6年)]。これらのことから、NGFがアルツハイマ−
型老年痴呆の治療薬となり得ることが示唆される。ま
た、NGFは脳虚血スナネズミの海馬神経細胞の脱落を
防ぐことも確かめられており、脳卒中後遺症治療薬とし
ても有用であると考えられる。
【0003】またタンパク以外の化合物も種々知られて
いる。例えば、特開平5−271081号には神経成長
因子様剤としてガングリオシド化合物が、特開平6−9
396号には神経成長因子産生促進剤としてオキサゾピ
ロロキノリン類が、特開平6−128264号にはNG
F作用増強因子が、特開平6−157338号には神経
成長因子の産生促進剤としてジアシル型グリセロリン脂
質が、特開平6−157419号には神経突起伸展作用
を有する生理活性物質が、また特開平6−157512
号には神経成長因子産生促進作用を有するチオフェン化
合物がそれぞれ記載されている。
いる。例えば、特開平5−271081号には神経成長
因子様剤としてガングリオシド化合物が、特開平6−9
396号には神経成長因子産生促進剤としてオキサゾピ
ロロキノリン類が、特開平6−128264号にはNG
F作用増強因子が、特開平6−157338号には神経
成長因子の産生促進剤としてジアシル型グリセロリン脂
質が、特開平6−157419号には神経突起伸展作用
を有する生理活性物質が、また特開平6−157512
号には神経成長因子産生促進作用を有するチオフェン化
合物がそれぞれ記載されている。
【0004】一方、斎藤、粕谷[Japan J.Ph
armacol,27,114(Supplemen
t)(1977),同誌、27,445(1977)]
は、鶏胚脊髄後根神経節および交感神経節の器官培養下
でサポニン類のNGF介在神経繊維のニュ−ライト生長
促進作用を検討し、人参のジンセノシド類の中でジンセ
ノシドRb1とRdが顕著な増強作用を有すること、チ
クセツサポニン(chikusetsusaponi
n) III ,ジュジュボシド(jujuboside)
B、グリコシド(glycoside)K,H1H2な
どに強力なNGF増強効果が認められることを報告して
いる。これらのサポニンはすべてステロイドサポニン類
である。
armacol,27,114(Supplemen
t)(1977),同誌、27,445(1977)]
は、鶏胚脊髄後根神経節および交感神経節の器官培養下
でサポニン類のNGF介在神経繊維のニュ−ライト生長
促進作用を検討し、人参のジンセノシド類の中でジンセ
ノシドRb1とRdが顕著な増強作用を有すること、チ
クセツサポニン(chikusetsusaponi
n) III ,ジュジュボシド(jujuboside)
B、グリコシド(glycoside)K,H1H2な
どに強力なNGF増強効果が認められることを報告して
いる。これらのサポニンはすべてステロイドサポニン類
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、これまで
に様々な物質が提案されてきているが、未だ満足できる
薬剤は見出だされていない。
に様々な物質が提案されてきているが、未だ満足できる
薬剤は見出だされていない。
【0006】そこで本発明の目的は、NGF様の神経突
起伸展作用を有する新規な生理活性物質、即ち、アルツ
ハイマ−型老年痴呆などの抗痴呆薬および脳卒中後遺症
の治療薬を提供することにある。
起伸展作用を有する新規な生理活性物質、即ち、アルツ
ハイマ−型老年痴呆などの抗痴呆薬および脳卒中後遺症
の治療薬を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
達成のために多数の中国薬用植物からの抽出、その分画
および精製を進めて、各々について神経突起伸展作用を
種々検討した結果、ある種の植物が、神経突起伸展作用
を有する新規な生理活性物質を含有することを見出だし
本発明を完成するに至った。
達成のために多数の中国薬用植物からの抽出、その分画
および精製を進めて、各々について神経突起伸展作用を
種々検討した結果、ある種の植物が、神経突起伸展作用
を有する新規な生理活性物質を含有することを見出だし
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明によれば、式(I)
【化2】 [Rはオレアノ−ル酸配糖体の糖鎖]であり、オレアノ
−ル酸配糖体の糖鎖がAra,Rha,Xylから構成
される新規トリテルペノイドサポニン類を提供すること
ができる。
−ル酸配糖体の糖鎖がAra,Rha,Xylから構成
される新規トリテルペノイドサポニン類を提供すること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の化合物は、主として中国
四川省に自生する植物、雙參(マツムシソウ科Trip
lostegia grandifora Gagne
p.)に含有される。その全草を乾燥、ついで95%エ
タノ−ルで抽出し、溶媒を留去して得られた粗抽出物を
カラムクロマトグラフィ−などのような適当な分離法を
用いて、分離・精製することによって式(I)の化合物
を得ることができる。このようにして得られた本発明の
生理活性物質Triplostegia A〜EはNM
Rスペクトル、MSスペクトル,糖分析等の解析結果よ
りそれぞれの構造が決定された。例えば、Triplo
stegia Eは次のような構造をもつ。
四川省に自生する植物、雙參(マツムシソウ科Trip
lostegia grandifora Gagne
p.)に含有される。その全草を乾燥、ついで95%エ
タノ−ルで抽出し、溶媒を留去して得られた粗抽出物を
カラムクロマトグラフィ−などのような適当な分離法を
用いて、分離・精製することによって式(I)の化合物
を得ることができる。このようにして得られた本発明の
生理活性物質Triplostegia A〜EはNM
Rスペクトル、MSスペクトル,糖分析等の解析結果よ
りそれぞれの構造が決定された。例えば、Triplo
stegia Eは次のような構造をもつ。
【化3】
【0010】なお、Triplostegia A〜D
は次のような糖鎖をもつ。 Triplostegia A:Ara−Rha−Xy
l Triplostegia B:Ara−Rha−Xy
l−Rha Triplostegia C:Ara−Rha−Xy
l−Rha−Xyl Triplostegia D:Ara−Rha−Xy
l−Rha−Xyl−Xyl
は次のような糖鎖をもつ。 Triplostegia A:Ara−Rha−Xy
l Triplostegia B:Ara−Rha−Xy
l−Rha Triplostegia C:Ara−Rha−Xy
l−Rha−Xyl Triplostegia D:Ara−Rha−Xy
l−Rha−Xyl−Xyl
【0011】本発明の化合物を医薬品として用いるため
には、本発明の化合物をそのまま、またはこれに医薬的
に許容される添加物を添加した医薬製剤として投与され
る。あるいは、それらの混合物、それらを含有する雙參
の抽出エキスまたは抽出物(抽出エキスから抽出溶媒を
除いたもの)として投与される。該医薬製剤は、経口ま
たは非経口のいずれの投与形態も可能である。経口投与
の場合は、カプセル剤、錠剤、粉剤などの通常の方法で
投与することもできる。また非経口投与の場合には、注
射剤、液剤などの剤形で投与される。さらに徐放剤も効
果的である。また、他の薬剤との併用も行うことができ
る。製剤化は慣用の方法によってできる。本発明の化合
物は、成人の患者に対して0.01〜500mg/日を
数回に分けて投与される。この投与量は疾病の種類、患
者の年齢、体重、症状により適宜増減することができ
る。
には、本発明の化合物をそのまま、またはこれに医薬的
に許容される添加物を添加した医薬製剤として投与され
る。あるいは、それらの混合物、それらを含有する雙參
の抽出エキスまたは抽出物(抽出エキスから抽出溶媒を
除いたもの)として投与される。該医薬製剤は、経口ま
たは非経口のいずれの投与形態も可能である。経口投与
の場合は、カプセル剤、錠剤、粉剤などの通常の方法で
投与することもできる。また非経口投与の場合には、注
射剤、液剤などの剤形で投与される。さらに徐放剤も効
果的である。また、他の薬剤との併用も行うことができ
る。製剤化は慣用の方法によってできる。本発明の化合
物は、成人の患者に対して0.01〜500mg/日を
数回に分けて投与される。この投与量は疾病の種類、患
者の年齢、体重、症状により適宜増減することができ
る。
【0012】
【実施例】以下に式(I)で表されるトリテルペノイド
サポニン類の製造実施例および本発明に関わる化合物の
薬理作用は実施例に示す。本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。 実施例1 トリテルペノイドサポニン類の調製:中国四川省に自生
しているマツムシソウ科の雙參(Triplosteg
iagrandifora Gagnep.)の全草を
乾燥してから、95%エタノ−ルで抽出し、抽出液の溶
媒を留去すると黒褐色の固体が得られた。この抽出物
3.5gをクロロホルム/メタノ−ル/イソプロピルア
ルコ−ル/水(4/3/1/2)からなる溶媒を用い
て、遠心液々分配クロマトグラフィ−(CPC)を行
い、8フラクションを得る。活性のあるフラクションと
してB(201mg)とC(305mg)が見出だされ
た。ついでフラクションBをロ−バ−RP−18(サイ
ズA)を用いて、メタノ−ル/水(3/7−8/2),
ついでイソプロパノ−ル/水(3/2),さらにメタノ
−ル/水(6/4−7/3)でクロマト分離を行い、活
性フラクションとして104mg得られた。これをシリ
カゲル60(70〜230メッシュ,1.2×18.0
cm),溶媒としてクロロホルム/メタノ−ル/水
(4:1:0.1)を用いてカラムクロマトを行い、活
性成分Triplostegia A(3.4mg)が
純粋にフラクションBとして得られた。フラクションD
〜F(44mg)を再クロマトし、活性成分としてTr
iplostegia B(35.5mg)が純粋に得
られた。フラクションH〜I(34.2mg)も再度カ
ラムクロマト分離を行い活性成分としてTriplos
tegia C(8.8mg)とD(3.0mg)が得
られた。先のCPCのフラクションC(305mg)か
ら同様にロ−バ−カラムクロマト、シリカゲルカラムク
ロマト分離を行い、Triplostegia E(2
0.4mg)が活性成分として純粋に得られた。
サポニン類の製造実施例および本発明に関わる化合物の
薬理作用は実施例に示す。本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。 実施例1 トリテルペノイドサポニン類の調製:中国四川省に自生
しているマツムシソウ科の雙參(Triplosteg
iagrandifora Gagnep.)の全草を
乾燥してから、95%エタノ−ルで抽出し、抽出液の溶
媒を留去すると黒褐色の固体が得られた。この抽出物
3.5gをクロロホルム/メタノ−ル/イソプロピルア
ルコ−ル/水(4/3/1/2)からなる溶媒を用い
て、遠心液々分配クロマトグラフィ−(CPC)を行
い、8フラクションを得る。活性のあるフラクションと
してB(201mg)とC(305mg)が見出だされ
た。ついでフラクションBをロ−バ−RP−18(サイ
ズA)を用いて、メタノ−ル/水(3/7−8/2),
ついでイソプロパノ−ル/水(3/2),さらにメタノ
−ル/水(6/4−7/3)でクロマト分離を行い、活
性フラクションとして104mg得られた。これをシリ
カゲル60(70〜230メッシュ,1.2×18.0
cm),溶媒としてクロロホルム/メタノ−ル/水
(4:1:0.1)を用いてカラムクロマトを行い、活
性成分Triplostegia A(3.4mg)が
純粋にフラクションBとして得られた。フラクションD
〜F(44mg)を再クロマトし、活性成分としてTr
iplostegia B(35.5mg)が純粋に得
られた。フラクションH〜I(34.2mg)も再度カ
ラムクロマト分離を行い活性成分としてTriplos
tegia C(8.8mg)とD(3.0mg)が得
られた。先のCPCのフラクションC(305mg)か
ら同様にロ−バ−カラムクロマト、シリカゲルカラムク
ロマト分離を行い、Triplostegia E(2
0.4mg)が活性成分として純粋に得られた。
【0013】Triplostegia A〜Eの13
Cおよび1HNMRスペクトルデ−タ、MSデ−タ、糖
分析を総合して構造決定を行った。いずれの化合物もア
グリコン部分は、式III のオレアノ−ル酸(C30H4
8O3)であり、糖部分が各々異なっていた。なおNM
Rの炭素番号は式(III) に従って付けられた。
Cおよび1HNMRスペクトルデ−タ、MSデ−タ、糖
分析を総合して構造決定を行った。いずれの化合物もア
グリコン部分は、式III のオレアノ−ル酸(C30H4
8O3)であり、糖部分が各々異なっていた。なおNM
Rの炭素番号は式(III) に従って付けられた。
【0014】(1)各化合物のNMRデ−タ:アグリコ
ン部分[ケミカルシフトδ(ppm)]
ン部分[ケミカルシフトδ(ppm)]
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】 (2)各化合物のNMRデ−タ:糖部分[ケミカルシフ
トδ(ppm)]
トδ(ppm)]
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】 (3)各化合物の旋光度[α]D
【表11】 (4)各化合物の質量分析(FAB−MS法/正イオン
検出)
検出)
【表12】 実施例2 トリテルペノイドサポニンの合成:市販のL−アラビノ
ース15g,酢酸ナトリウム8.6gを無水酢酸84m
lに懸濁させ、2時間加熱還流する。反応溶液を氷水中
に注ぎ、エーテルで抽でする。有機層を水、炭酸水素ナ
トリウム、水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
て溶媒を留去する。得られる黄色油状物をシリカゲルカ
ラムにより精製し、24gのテトラアセチル体を得る。
この化合物をそのまま糖供与体とし、以下の方法でオレ
アノール酸とのカップリングを行った。過塩素酸銀25
7mgと塩化スズ(IV)73μlをエーテル6ml中に
懸濁させ、室温で1時間攪拌する。反応溶液を0℃に冷
却し、テトラアセチルアラビノース及びオレノール酸の
エーテル溶液6mlを加える。5時間攪拌し、炭酸水素ナ
トリウム水を加え、エーテルで抽出、有機層を硫酸マグ
ネシウムで乾燥して溶媒を留去し、糖部分としてアラビ
ノースを有するオレアノース酸の配糖体を得た。
ース15g,酢酸ナトリウム8.6gを無水酢酸84m
lに懸濁させ、2時間加熱還流する。反応溶液を氷水中
に注ぎ、エーテルで抽でする。有機層を水、炭酸水素ナ
トリウム、水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
て溶媒を留去する。得られる黄色油状物をシリカゲルカ
ラムにより精製し、24gのテトラアセチル体を得る。
この化合物をそのまま糖供与体とし、以下の方法でオレ
アノール酸とのカップリングを行った。過塩素酸銀25
7mgと塩化スズ(IV)73μlをエーテル6ml中に
懸濁させ、室温で1時間攪拌する。反応溶液を0℃に冷
却し、テトラアセチルアラビノース及びオレノール酸の
エーテル溶液6mlを加える。5時間攪拌し、炭酸水素ナ
トリウム水を加え、エーテルで抽出、有機層を硫酸マグ
ネシウムで乾燥して溶媒を留去し、糖部分としてアラビ
ノースを有するオレアノース酸の配糖体を得た。
【0015】得られた配糖体のα、βの比はほぼ1:1
であった。この配糖体を混合物のままメタノール中でナ
トリウムメトキシドを作用させ、糖の部分の脱保護を行
った。α、βの混合物は、メルク社の逆相の分取用TL
Cで、メタノール:水=9:1の溶媒で展開を行うこと
により分離し、それぞれを単体として得た。各化合物の
NMRの結果を表13〜16に示した。
であった。この配糖体を混合物のままメタノール中でナ
トリウムメトキシドを作用させ、糖の部分の脱保護を行
った。α、βの混合物は、メルク社の逆相の分取用TL
Cで、メタノール:水=9:1の溶媒で展開を行うこと
により分離し、それぞれを単体として得た。各化合物の
NMRの結果を表13〜16に示した。
【0016】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】 実施例3 本発明の化合物の神経突起伸展作用:ラット副腎髄質褐
色細胞腫PC12(大日本製薬(株))からクロ−ニン
グして得たNGF反応性の良い細胞群を滅菌済み細胞培
養用、96ウエルのコラ−ゲンコ−トプレ−ト(住友ベ
−クライト(株)製)上に5×103個/ウエルで播種
し、10%ウマ血清および5%ウシ胎児血清添加RPM
I1640(ニッスイ(株)製)メディウムを用いて3
7C,5%炭酸ガスインキュベ−タ−中で2〜3時間培
養後、PVPを加えた水に溶解した被験物質をウエルに
加え、全量で200ul/ウエルとした。さらに4日間
インキュベ−タ−中で培養した。被験物質の濃度が5u
g/ml,10ug/mlで神経突起伸展活性が見られ
たものに対して++,+で表示した。なお比較対照とし
て用いたNGFは、5ng/mlで神経突起伸展活性が
認められた。結果を表1に示した。本発明に関わる化合
物はNGF非存在下に突起伸展活性を示した。
色細胞腫PC12(大日本製薬(株))からクロ−ニン
グして得たNGF反応性の良い細胞群を滅菌済み細胞培
養用、96ウエルのコラ−ゲンコ−トプレ−ト(住友ベ
−クライト(株)製)上に5×103個/ウエルで播種
し、10%ウマ血清および5%ウシ胎児血清添加RPM
I1640(ニッスイ(株)製)メディウムを用いて3
7C,5%炭酸ガスインキュベ−タ−中で2〜3時間培
養後、PVPを加えた水に溶解した被験物質をウエルに
加え、全量で200ul/ウエルとした。さらに4日間
インキュベ−タ−中で培養した。被験物質の濃度が5u
g/ml,10ug/mlで神経突起伸展活性が見られ
たものに対して++,+で表示した。なお比較対照とし
て用いたNGFは、5ng/mlで神経突起伸展活性が
認められた。結果を表1に示した。本発明に関わる化合
物はNGF非存在下に突起伸展活性を示した。
【表17】
【0017】
【発明の効果】本発明による神経突起伸展作用を有する
化合物をアルツハイマ−型老年痴呆などの抗痴呆薬およ
び脳卒中後遺症の治療薬として提供すること。
化合物をアルツハイマ−型老年痴呆などの抗痴呆薬およ
び脳卒中後遺症の治療薬として提供すること。
フロントページの続き (72)発明者 戸上 泰彦 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内 (72)発明者 徳田 昌彦 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内 (72)発明者 石塚 千尋 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内 (72)発明者 兪 文勝 中国四川省成都市人民南路4段9号 (72)発明者 丁 立生 中国四川省成都市人民南路4段9号
Claims (5)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 [Rはオレアノ−ル酸配糖体の糖鎖]で示される新規ト
リテルペノイドサポニン類。 - 【請求項2】 オレアノ−ル酸配糖体の糖鎖がAra,
Rha,Xylから構成される請求項1記載の新規トリ
テルペノイドサポニン類。 - 【請求項3】 Ara,Rha,Xylから構成される
糖鎖がAra−Rha−Xyl、Ara−Rha−Xy
l−Rha、Ara−Rha−Xyl−Rha−Xy
l、Ara−Rha−Xyl−Rha−Xyl−Xy
l、Ara−Rha−Xyl−Rha−Xyl−Xyl
−Xylである請求項2記載の新規トリテルペノイドサ
ポニン類。 - 【請求項4】 請求項1、2または3記載の新規トリテ
ルペノイドサポニン類を有効成分とする神経突起伸展作
用を有する治療剤。 - 【請求項5】 神経突起伸展作用を有する治療剤がアル
ツハイマ−型老人性痴呆もしくは脳卒中後遺症である請
求項4記載の治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8151245A JPH09100295A (ja) | 1995-06-13 | 1996-06-12 | 新規トリテルペノイドサポニン類およびそれを有効成分とする神経突起伸展作用を有する治療剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-146542 | 1995-06-13 | ||
JP14654295 | 1995-06-13 | ||
JP8151245A JPH09100295A (ja) | 1995-06-13 | 1996-06-12 | 新規トリテルペノイドサポニン類およびそれを有効成分とする神経突起伸展作用を有する治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09100295A true JPH09100295A (ja) | 1997-04-15 |
Family
ID=26477352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8151245A Pending JPH09100295A (ja) | 1995-06-13 | 1996-06-12 | 新規トリテルペノイドサポニン類およびそれを有効成分とする神経突起伸展作用を有する治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09100295A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004009521A1 (ja) * | 2002-07-18 | 2004-01-29 | Takara Bio Inc. | 治療剤 |
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1996
- 1996-06-12 JP JP8151245A patent/JPH09100295A/ja active Pending
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