JPH089980A - 百日咳菌由来感染防御成分の分離取得方法 - Google Patents

百日咳菌由来感染防御成分の分離取得方法

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JPH089980A
JPH089980A JP7105090A JP10509095A JPH089980A JP H089980 A JPH089980 A JP H089980A JP 7105090 A JP7105090 A JP 7105090A JP 10509095 A JP10509095 A JP 10509095A JP H089980 A JPH089980 A JP H089980A
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】百日咳菌由来感染防御成分を効率よく分離取得
する方法を確立する。 【構成】百日咳菌培養物中に、過剰のリン酸イオン存在
下でカルシウムイオンを添加して生成せしめるカルシウ
ムゲルへの吸着性の違いにより、百日咳菌培養物から該
菌由来感染防御成分を分離取得する。 【効果】従来、各百日咳菌由来感染防御成分の分離取得
の際、各成分それぞれに全く異なった精製法を使わざる
を得なかったのに対し、本発明によれば、共通の精製手
段を用いることにより、各成分を効率的にかつ収率よく
精製することが可能となり、工業的生産上極めて有利で
ある。また、百日咳線維状赤血球凝集素、百日咳外膜蛋
白、百日咳線毛および百日咳毒素の各コンポーネントを
有効に組み合わせた改良精製百日咳コンポーネントワク
チンの効率的な製造が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、百日咳菌由来感染防御
成分の分離取得方法に関する。本発明方法により得られ
る該感染防御成分を所望の比率で混合し、百日咳ワクチ
ンを製造することができる。
【0002】
【従来の技術】伝染病の疾患の予防のためワクチンが広
く用いられている。百日咳は百日咳菌(Bordetella pert
ussis)による感染が原因となって生ずる呼吸器系伝染病
である。この感染症は、特に乳幼児の場合には、無呼吸
発作の咳が生じ、痙攣を伴うことがあり重症になりやす
い。そのため百日咳菌を培養し、得られた全菌体を不活
化して利用(不活化ワクチン)してきたが、ワクチン接種
部位における局所反応、発熱などの副反応が報告され、
これを改善することは社会的急務であった。その方策と
して、百日咳菌から該菌由来感染防御成分を取り出しワ
クチン化する多くの試みが報告されている。例えば、百
日咳菌体から百日咳毒素(PT)、百日咳線維状赤血球凝集
素(FHA)、百日咳外膜蛋白(パータクチン:Pertactin、P
RNまたは69K-OMPと呼ばれることもある)、百日咳線毛(F
IM)などの感染防御蛋白を取り出し、内毒素(ET)を除去
した精製百日せきワクチン(Acellular pertussis vacci
ne:ACPワクチン)も実用化されつつはあるが、後述
するような問題があり、十分満足できるまでには至って
いない。百日咳の感染防御成分として既に有効性が証明
され実用化されている百日咳毒素、百日咳線維状赤血球
凝集素、百日咳外膜蛋白および百日咳線毛をそれぞれ分
離取得するためには各感染防御成分により異なった方法
が行われている。百日咳毒素に関しては、ヒトハプトグ
ロビンをリガンドとして用いるアフィニティークロマト
グラフィー〔バイオケミカ・バイオフィジカ・アクタ(B
iochimica et Biophysica acta)、第580巻、175頁、(19
79)〕があるが、ヒトハプトグロビンは人血液から採取
されるため肝炎ウイルス混入などの恐れがあり、これは
動物血清を用いる場合も同様である。また、変性セルロ
プラスミンをリガンドとして用いるアフィニティークロ
マトグラフィー(特開昭62-62135号公報)があり、ウイ
ルス混入の問題は解決できるがワクチン中へのセルロプ
ラスミンの混入や、溶出剤として用いられるチオシアン
酸ナトリウムなどは蛋白変性効果があり、毒性も強く体
内に残留する恐れなどの問題がある。百日咳線維状赤血
球凝集素に関しては、ハイドロキシアパタイトを用いる
精製法〔インフェクション・アンド・イミュニティー(I
nfection and Immunity)第41巻313頁(1983)、特開昭62-
234031号公報、特開平3-169893号公報、特開平4-368337
号公報〕があるが、これらの方法はすべて調製済みの市
販のハイドロキシアパタイトゲルを用いている。また、
カラム操作にも長時間を要し、ハイドロキシアパタイト
が高価であるため経済的な面からも、工業生産に用いる
には不適当である。百日咳外膜蛋白に関しては、マウス
血清をリガンドとして用いるアフィニティークロマトグ
ラフィー〔インフェクション・アンド・イミュニティー
(Infectionand Immunity)、第56巻、3189頁、(1988)〕
があるが、前記と同様の問題がある。百日咳線毛に関し
ては、百日咳菌体から抽出した材料を硫酸アンモニウム
と塩化マグネシウムによる塩析法〔インフェクション・
アンド・イミュニティー(Infection and Immnity)、第4
8巻、442頁、(1985)〕で精製しているが、収量が少な
くワクチン製造には効率が悪い。グラム陰性菌ワクチン
を製造する際、水酸化アルミニウムゲル処理を行った例
(国際特許出願公開番号WO93/10216)があるが、これは
多量の水酸化アルミニウムゲルを用い、百日咳菌由来感
染防御成分および内毒素を吸着し、これを希釈して使用
するため生体内で遊離する内毒素により発熱やエンドト
キシン・ショック等の副反応を引き起こす危険性があ
る。個々の百日咳菌由来感染防御成分を分離せず該成分
の混合物としての百日咳菌ワクチンを製造する際、リン
酸カルシウムゲル処理を行った例(特開昭64-52726号公
報)があるが、これは1M塩化ナトリウム存在下で該ゲ
ルを生成せしめ、内毒素の吸着除去を行う処理であり、
該感染防御有効成分は吸着されない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように百日咳菌
由来感染防御成分の取得にあたっては、各成分それぞれ
に全く異なった精製法を使わざるを得ないのが現状であ
り、操作上繁雑でワクチンを製造するための大量生産に
適した方法とはいえず、実用に供しがたいものである。
また、従来の分離方法には、使用する素材や試薬が病原
性または毒性を有している等の問題点もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる技
術的背景のもとに、百日咳菌由来感染防御成分を効率よ
く分離取得する方法を検討した結果、百日咳菌培養物中
に、過剰のリン酸イオン存在下でカルシウムイオンを添
加して生成せしめるリン酸カルシウムゲルへの吸着性の
違いにより、百日咳菌培養物から該菌由来感染防御成分
の効率的分離取得が可能であることを見いだし、これら
の知見に基づいてさらに研究した結果、リン酸カルシウ
ムゲル処理に、塩溶出、加温抽出を組み合わせてなる該
感染防御成分の効率的かつ安全な分離取得法である本発
明を完成するに至った。すなわち本発明は、 (1)百日咳菌培養物に、リン酸イオン存在下にカルシ
ウムイオンを添加して生成せしめたリン酸カルシウムゲ
ルを接触させることを特徴とする、百日咳繊維状赤血球
凝集素、百日咳外膜蛋白、百日咳線毛または百日咳毒素
の少なくとも1種を分離取得する方法、 (2)百日咳菌培養物を菌体と培養液とに分離し、
(A)該分離菌体を塩溶液で溶出後、その上清に請求項
1記載のリン酸カルシウムゲルを接触させ百日咳繊維状
赤血球凝集素を分離する工程、(B)上記工程(A)の
溶出処理後の菌体残渣に塩溶液を加えて加温後、請求項
1記載のリン酸カルシウムゲルを接触させて得られる上
清から百日咳外膜蛋白を分離する工程、(C)上記工程
(A)の溶出処理後の菌体残渣に塩溶液を加えて加温
後、その上清に請求項1記載のリン酸カルシウムゲルを
接触させ、塩溶液で溶出後の上清から百日咳線毛を分離
する工程、(D)該培養物または該分離培養液を請求項
1記載のリン酸カルシウムゲルに接触後、その上清から
百日咳毒素を分離する工程、の少なくとも1工程を実施
することを特徴とする、百日咳繊維状赤血球凝集素、百
日咳外膜蛋白、百日咳線毛または百日咳毒素の少なくと
も1種を分離取得する方法、 (3)工程(A)において、上清にリン酸カルシウムゲ
ルを接触後、塩溶液で処理し、百日咳繊維状赤血球凝集
素を溶出分離する請求項2記載の分離取得方法、 (4)工程(B)において、リン酸カルシウムゲル接触
後の上清をイオン交換ゲルと接触させ、百日咳外膜蛋白
を分離する請求項2記載の分離取得方法、 (5)工程(C)において、リン酸カルシウムゲル接触
後、その上清を除去した残渣を塩溶液で処理し、百日咳
線毛を溶出分離する請求項2記載の分離取得方法、 (6)工程(D)において、上清にイオン交換ゲルを接
触させて、百日咳毒素を分離取得する請求項2記載の分
離取得方法、 (7)工程(A)および(C)において、塩溶液がアル
カリ金属塩含有緩衝液である請求項2記載の分離取得方
法、 (8)塩溶液が0.01〜1.0M塩化ナトリウム含有
緩衝液である請求項7記載の分離取得方法、 (9)リン酸カルシウムゲルを、リン酸イオン存在下の
pH7〜9の培養物またはその上清中に、カルシウムイ
オンを添加して生成せしめる請求項1または2記載の分
離取得方法、 (10)リン酸イオンとカルシウムイオンとの当量比
が、カルシウムイオン1当量に対してリン酸イオンが
1.25〜30当量である請求項9記載の分離取得方
法、 (11)リン酸カルシウムゲルが、0.05〜0.1M
リン酸イオン存在下の培養物またはその上清中に、カル
シウムイオン源として酢酸カルシウムを0.1〜2W/V
%添加して生成されるものである請求項9記載の分離取
得方法、 (12)百日咳毒素、百日咳繊維状赤血球凝集素、百日
咳外膜蛋白または百日咳線毛の少なくとも1種を分離
後、硫酸アンモニウム存在下、内毒素を水酸化アルミニ
ウムゲルで吸着除去する、請求項1または2記載の分離
取得方法、 (13)百日咳毒素、百日咳繊維状赤血球凝集素、百日
咳外膜蛋白または百日咳線毛の少なくとも1種を分離
後、ゾーナル遠心法により内毒素を除去する、請求項1
または2記載の分離取得方法、 (14)百日咳毒素、百日咳繊維状赤血球凝集素および
百日咳線毛を4〜6:8〜10:1の組成比で混合して
なる百日咳ワクチン、および、 (15)百日咳毒素、百日咳繊維状赤血球凝集素、百日
咳外膜蛋白および百日咳線毛を2〜6:4〜10:1〜
2:1の組成比で混合してなる百日咳ワクチン、に関す
るものである。
【0005】本発明に用いられる百日咳菌〔ボルデテラ
パターシス(Bordetella pertussis)〕としては、百日
咳菌由来感染防御成分である百日咳繊維状赤血球凝集
素、百日咳外膜蛋白、百日咳線毛または百日咳毒素を、
1種または2種以上産生し得るものであれば特に限定さ
れない、例えば、百日咳I相菌東浜株〔インフェクショ
ン・アンド・イミュニティー(Infection and Immunit
y)、第6巻、89頁、(1972)〕(当該株は国立予防衛生研
究所において保管され(NIHJ 1052)、昭和55年8月13日
より財団法人発酵研究所においても受託番号 IFO 14073
として寄託されている)、百日咳I相菌山口株、百日咳
I相菌18-323株、百日咳I相菌165株など公知の株が挙
げられるが、なかでも百日咳I相菌東浜株(IFO 14073)
が生産性の面で好都合に用いられる。百日咳菌の培養は
公知の方法に従って実施すればよい。例えば、培地とし
ては公知の基本培地、例えばコーエンウイラー培地(Coh
en-Wheeler Medium)、ステイナーショルト培地(Stainer
-Scholte Medium)等の液体培地を用いることができる
が、なかでもステイナーショルト培地が好ましい。感染
防御成分および内毒素含有液としては静置培養またはタ
ンク培養して得られる培養物を用いることができる。本
発明における培養物とは、前述の百日咳菌を培養して得
られる菌体および/またはその培養液を意味する。ま
た、本発明における上清とは、培養上清の他、百日咳菌
培養菌体または後述の感染防御成分を吸着したリン酸カ
ルシウムゲルを塩溶液処理もしくは加温処理により溶出
して得られる上清を意味する。該菌体は、菌体および菌
体残渣を含む。本発明において、百日咳菌培養物を菌体
と培養液とに分離する方法は、遠心沈降や濾過など公知
の方法が適用できる。
【0006】本発明で用いられるリン酸カルシウムゲル
は、出来合いのゲルではなく、処理対象とする培養物や
上清に、過剰のリン酸イオン存在下、カルシウムイオン
を添加して、該溶液中に生成せしめたリン酸カルシウム
ゲル(以下、内ゲル法と称することがある)が好ましく
用いられる。本発明方法のリン酸カルシウムゲル処理の
場合、前述の出来合いのハイドロキシアパタイトゲルを
用いる場合(以下、外ゲル法と称することがある)に比
べ、後述するように百日咳繊維状赤血球凝集素および百
日咳線毛の吸着効率が良く、また該ゲルからの回収率も
高い。また、ゲルの前処理および再生工程が不要である
などの点で作業効率もよく、コスト的にも有利である。
さらにまた、リン酸イオンとカルシウムイオンとの量比
を適宜選択することにより、目的とする百日咳菌由来の
各感染防御成分を選択的に吸着させることができる。リ
ン酸カルシウムゲル処理を行う対象とする培養物や上清
に、充分量のリン酸イオンが存在しない場合には、適当
な濃度のリン酸緩衝液を添加することにより、リン酸イ
オンを共存させた後カルシウムイオンを添加すればよ
い。例えば1Mリン酸緩衝液などを添加することによ
り、リン酸イオンの最終濃度を0.02〜0.2M、より好ま
しくは0.05〜0.1Mとする。添加するカルシウムイオン
源としては、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カ
ルシウムなどの可溶性のカルシウム塩が挙げられるが、
なかでも酢酸カルシウム由来のカルシウムイオンが好ま
しい。リン酸イオンとカルシウムイオンの割合としては
リン酸イオンがカルシウムイオンに対し過剰である条件
がよく、その割合は後述するように目的とする百日咳菌
由来の各感染防御成分ごとに適宜選択される。
【0007】上記の工程(A)において、百日咳繊維状
赤血球凝集素の分離取得は、次のように実施される。遠
心沈降や濾過など公知の方法により該菌培養物から培養
液即ち培養上清を除去後の菌体に、培養液量に対し1/10
〜1/20容量の(すなわち、菌体濃度が500〜1000億個/m
lとなるように)塩溶液を加え該凝集素を溶出する。こ
の場合の塩溶液としては、アルカリ金属塩またはアルカ
リ土類金属塩を添加した緩衝液が好ましく、中でも0.25
〜1.0Mのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を
添加した0.04〜0.08Mのリン酸緩衝液が好ましく、特に
0.5〜1.0Mのアルカリ金属塩を添加した0.05Mのリン酸
緩衝液がより好ましい。緩衝液に添加するアルカリ金属
塩またはアルカリ土類金属塩としては、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムまたは塩化マグネシウムなどが挙げら
れる。例えば、培養液量に対し1/10〜1/20容量の0.5〜
1.0M塩化ナトリウムを添加した0.04〜0.08Mリン酸緩
衝液(pH7〜9)、とりわけ1M塩化ナトリウムを添加し
た0.05Mリン酸緩衝液(pH8)を採取菌体に加え、4℃〜
室温、好ましくは8〜15°Cで、1〜60分、好ましくは1
〜30分間撹拌し、1〜2日間放置し、該凝集素を溶出する
のが好ましい。溶出された該百日咳繊維状赤血球凝集素
含有液を、次に遠心沈降や濾過など公知の方法により上
清を回収する(この処理で同時に得られる菌体残渣は、
百日咳外膜蛋白および百日咳線毛の単離に使用され
る)。こうして得られる上清に、次にリン酸カルシウム
ゲルを接触させる。リン酸イオンとカルシウムイオンの
割合としてはリン酸イオンがカルシウムイオンに対し過
剰である条件がよく、例えば当量比としては、カルシウ
ムイオン1当量に対してリン酸イオンが1.25〜30当量、
なかでも1.5〜7.5当量となるのが好ましい。この量比を
モル比で表すと、リン酸イオン対カルシウムイオンが0.
8〜20M対1M、より好ましくはリン酸イオン対カルシウ
ムイオンが1〜5M対1Mに相当する。例えば、前記濃度
(0.02〜0.2M、より好ましくは0.05〜0.1M)のリン酸
イオン存在下の溶液(pH7〜9)に、カルシウム塩を最終濃
度が4〜70mM、好ましくは8〜50mM(例えば、酢酸カルシ
ウムを最終濃度が0.1〜0.8W/V%、好ましくは0.2〜0.6W/
V%)となるよう添加し、4℃〜室温、好ましくは8〜15°
Cで、1〜4時間、好ましくは1〜2時間ゆるやかに反応さ
せてリン酸カルシウムゲルを生成せしめる。添加する酢
酸カルシウムは最終濃度が0.8W/V%以上となる量であれ
ば、百日咳繊維状赤血球凝集素は該リン酸カルシウムゲ
ルに吸着されるが、百日咳繊維状赤血球凝集素のみを選
択的に吸着させるためには上記の濃度域となるように添
加することが好ましい。反応終了後、上清を遠心沈降や
濾過など公知の方法により除去し、生じたゲル沈殿を採
取する。この沈殿に、培養液量に対し1/10〜1/20量の塩
溶液を加え該百日咳繊維状赤血球凝集素を溶出する。こ
の場合、塩溶液としては、前記菌体から百日咳繊維状赤
血球凝集素の溶出に用いたものと同様のものを用いるこ
とができ、上記ゲル沈殿に、例えば、1/10〜1/20容量の
1〜2M塩化ナトリウムを添加した0.05〜0.1Mリン酸緩
衝液(pH7〜9)、とりわけ1〜1.5M塩化ナトリウムを添
加した0.1Mリン酸緩衝液(pH8)を加え、4℃〜室温で
ゆるやかに1〜2時間撹拌し、該凝集素を溶出するのが好
ましい。撹拌終了後、遠心沈降や濾過など公知の方法に
より沈殿を除去すると、百日咳線維状赤血球凝集素を上
清として回収することができる。該上清は、必要に応じ
て、公知の硫酸アンモニウム塩析法あるいは限外濾過膜
法により濃縮できる。上記処理によって得られる上清
に、後述する水酸化アルミニウムゲル処理、またはゾー
ナル遠心処理を付すことにより、選択的に内毒素が除去
された百日咳線維状赤血球凝集素をほとんど損失するこ
となく分離取得することができる。
【0008】上記、工程(B)または(C)において、
百日咳外膜蛋白および百日咳線毛の分離取得は、次のよ
うに実施される。百日咳線維状赤血球凝集素含有液を溶
出した後の菌体残渣を、培養液量に対し1/10〜1/20容量
の(すなわち、菌体濃度が500〜1000億個/mlとなるよ
うに)塩溶液を加え加温することにより、該百日咳外膜
蛋白および百日咳線毛を抽出する。この場合、塩溶液
は、上記工程(A)の場合と同様のものを用いることが
できるが、例えば、培養液量に対し1/10〜1/20容量の0.
15〜0.25M塩化ナトリウムを添加した0.01〜0.05Mリン
酸緩衝液(pH7〜9)、とりわけ0.15〜0.25M塩化ナトリ
ウムを添加した0.01Mリン酸緩衝液(pH7)がより好ま
しい。加温は、40〜80°C、好ましくは50〜60°Cの温
水中で、60〜120分間、好ましくは80〜90分間行うのが
よい。加温抽出された該百日咳外膜蛋白および百日咳線
毛は、遠心沈降や濾過など公知の方法により上清として
回収される。こうして得られる上清に、次にリン酸カル
シウムゲルを接触させる。この場合、リン酸カルシウム
ゲル処理は、上記の工程(A)に準じて実施できるが、
好ましくは次に示す濃度域で行われる。例えば、必要に
応じて1Mリン酸緩衝液などを添加することによりリン
酸イオンの最終濃度を0.05〜0.1M、より好ましくは0.1
Mに調整したリン酸イオン存在下の溶液(pH7〜9)に、
カルシウム塩を最終濃度が40〜180mM、好ましくは55〜1
50mM(例えば、酢酸カルシウムを最終濃度が1〜2W/V%、
好ましくは1.3〜1.7W/V%)となるよう添加し、4℃〜室
温、好ましくは8〜15°Cで、1〜4時間、好ましくは1〜
2時間ゆるやかに反応させてリン酸カルシウムゲルを生
成せしめる。反応終了後、生じた沈殿と上清を公知の分
離法例えば濾過、遠心分離などにより分離すると、ほと
んど損失することなく上清中に百日咳外膜蛋白を、ゲル
残渣中に百日咳線毛をそれぞれ回収することができる。
【0009】上記処理によって得られる百日咳外膜蛋白
粗精製物は、さらに公知の方法により精製することがで
きるが、とりわけ、イオン交換ゲル処理が好ましく用い
られる。該イオン交換ゲル処理前に、公知の硫酸アンモ
ニウム塩析あるいは限外濾過膜法により濃縮および脱塩
しておくのが好ましい。本発明におけるイオン交換ゲル
としては、陰イオン交換ゲル法、陽イオン交換ゲルなど
が挙げられるが、なかでも陽イオン交換ゲルがより好ま
しく、イオン交換ゲルとの接触はカラムクロマトグラフ
ィー法またはバッチ法のいずれかを実施してもよい。こ
の処理により百日咳外膜蛋白粗精製物中の百日咳外膜蛋
白以外の夾雑物を吸着させ、素通りした部分を採取して
百日咳外膜蛋白含有液を得る。カラムクロマトグラフィ
ー法ではカラムにイオン交換ゲルを充填し、出発材料の
百日咳外膜蛋白粗精製物を流速100〜500ml/cm2/hrで通
液させて素通りさせる。バッチ法では容器中に百日咳外
膜蛋白粗精製物を入れ、これにイオン交換ゲルを直接添
加し、30分〜3時間程度、好ましくは1時間程度撹拌し
て百日咳外膜蛋白以外の夾雑物を吸着させる。該夾雑物
の吸着には、pH5.0〜6.0、伝導度100〜300umho(0.1〜
0.3mS)の緩衝液、例えば、0.01〜0.02Mのリン酸緩衝
液(pH5.5〜pH6.0)が用いられる。上記処理によって得
られる上清に、後述する水酸化アルミニウムゲル処理、
またはゾーナル遠心処理を付すことにより内毒素が除去
された百日咳外膜蛋白をほとんど損失することなく分離
取得することができる。上記処理によって得られる粗百
日咳線毛を含んだゲル残渣は、培養液量に対し1/10〜1/
20容量の塩溶液を加え該百日咳線毛を溶出する。この場
合においても塩溶液は、上記工程(A)の場合と同様の
ものを用いることができ、例えば、培養液量に対し1/10
〜1/20容量の1〜2M塩化ナトリウムを添加した0.05〜0.
1Mリン酸緩衝液(pH7〜9)、とりわけ1〜1.5M塩化ナ
トリウムを添加した0.1Mリン酸緩衝液(pH8)を加え、
4℃〜室温でゆるやかに1〜2時間撹拌し、該百日咳線毛
を溶出するのが好ましい。撹拌終了後、遠心沈降や濾過
など公知の方法により沈殿を除去すると、百日咳線毛を
上清として回収することができる。上記処理によって得
られる上清に、前述のように水酸化アルミニウムゲル処
理、またはゾーナル遠心処理を付すことにより、選択的
に内毒素が除去された百日咳線毛をほとんど損失するこ
となく分離取得することができる。
【0010】上記の工程(D)において、百日咳毒素の
分離取得は、次のように実施される。本工程において
は、百日咳菌培養物を培養菌体と培養液即ち培養上清と
に分離しないで使用することも可能であるが、遠心沈降
や濾過など公知の方法によって該菌培養物から培養上清
を回収し、限外濾過膜などで10〜20倍程度濃縮後、遠心
沈降などの方法によって予め培養上清を集液しておく方
が効率の点からは好ましい。該培養物またはその培養上
清に、次にリン酸カルシウムゲルを接触させる。この場
合、リン酸カルシウムゲル処理は、上記の工程(A)の
場合と同様に実施できるが、次に示す濃度域で好ましく
実施される。例えば、必要に応じて1Mリン酸緩衝液な
どを添加することによりリン酸イオンの最終濃度を0.05
〜0.1M、より好ましくは0.1Mに調整したリン酸イオン
存在下の溶液(pH7〜9)に、カルシウム塩を最終濃度が
40〜180mM、好ましくは55〜150mM(例えば、酢酸カルシ
ウムを最終濃度が1〜2W/V%、好ましくは1.3〜1.7W/V%)
となるよう添加し、4℃〜室温、好ましくは8〜15°C
で、1〜4時間、好ましくは1〜2時間ゆるやかに反応させ
てリン酸カルシウムゲルを生成せしめる。反応終了後、
生じた沈殿と上清を遠心沈降や濾過など公知の方法によ
り分離すると、ほとんど損失することなく上清中に百日
咳毒素を回収することができる。上記処理によって得ら
れる百日咳毒素粗精製物は、さらに、イオン交換ゲル処
理による精製に供されるが、予め硫酸アンモニウム塩析
あるいは限外濾過膜により濃縮および脱塩しておくのが
好ましい。ここで用いられるイオン交換ゲルとしては、
陰イオン交換ゲル法、陽イオン交換ゲルなどが挙げられ
るが、なかでも陽イオン交換ゲルがより好ましく、イオ
ン交換ゲルとの接触はカラムクロマトグラフィー法また
はバッチ法のいずれを採用してもよい。この処理によ
り、百日咳毒素粗精製物中の百日咳毒素をゲルに吸着さ
せ、ついで適当な緩衝液で洗浄して夾雑物を溶出除去し
たのち、pHやイオン強度を適宜に選択した緩衝液で百日
咳毒素を溶出単離する。カラムクロマトグラフィー法に
よる場合、カラムにイオン交換ゲルを充填し出発材料の
百日咳毒素粗精製物を流速100〜500ml/cm2/hrで通液し
吸着させる。バッチ法の場合、容器中に百日咳毒素粗精
製物を入れ、これにイオン交換ゲルを直接添加し、30分
〜3時間程度、好ましくは1時間程度撹拌して吸着させ
る。百日咳毒素粗精製物の吸着は、pH5.0〜6.0、電導度
100〜300umho(0.1〜0.3mS)の緩衝液、例えば、0.01〜
0.02Mのリン酸緩衝液(pH5.5〜6.0)が用いられる。該
百日咳毒素を吸着したイオン交換ゲルからの溶出には、
pH7.0〜7.5、電導度1000〜2000umho(1〜2mS)の緩衝
液、例えば、0.1〜0.2Mのリン酸緩衝液(pH7.0〜7.5)
が用いられる。上記処理によって得られる溶出液に、後
述する水酸化アルミニウムゲルによる処理、またはゾー
ナル遠心処理に付し、選択的に内毒素が除去された百日
咳毒素をほとんど損失することなく分離取得することが
できる。
【0011】本発明において、内毒素を除去するための
水酸化アルミニウムゲル処理は、硫酸アンモニウム共存
下で予め調製した水酸化アルミニウムゲルと対象物とを
接触させることにより内毒素のみを選択的に吸着除去す
るものである。しかし、国際特許出願公開番号WO93/102
16の方法と異なり、使用するゲルの量が約10分の1以下
であり、該ゲルには百日咳菌由来感染防御成分はほとん
ど吸着されない。本発明においては通常、硫酸アンモニ
ウム塩析法あるいは限外濾過膜法など公知の方法による
濃縮後にこの処理を行うのが好ましい。予め調製した水
酸化アルミニウムゲルに供されるアルミニウムイオンと
しては、硫酸アルミニウムや塩化アルミニウムなどの可
溶性のアルミニウムイオンが挙げられるが、なかでも塩
化アルミニウムのアルミニウムイオンが好ましい。水酸
化アルミニウムゲルの調製は、25〜190mMのアルミニウ
ム塩溶液に対し(例えば、0.9〜4.5%の塩化アルミニウ
ム塩溶液に対し)、pH7.0〜7.5になるよう2M水酸化ナト
リウム溶液を添加し、4℃〜室温でゆるやかに1時間〜3
時間反応させて、水酸化アルミニウムゲルを生ぜしめる
のがよい。上記処理によって得られた水酸化アルミニウ
ムゲルは、反応終了後遊離のアルミニウムイオンを除去
するために、生じたゲル沈殿を濾過、遠心沈降法など公
知の方法により回収する。硫酸アンモニウム塩析など公
知の方法により濃縮した百日咳菌由来感染防御成分を遠
沈法により回収し、沈殿を0.25M塩化ナトリウムを添加
した0.25Mリン酸緩衝液(pH7.0〜7.5)に溶解する。該
百日咳菌由来感染防御成分に飽和硫酸アンモニウム溶液
を最終濃度が2.0V/V%〜8.0V/V%となるよう添加し、さら
に、これに、予め調製し回収しておいた水酸化アルミニ
ウムゲルを最終濃度が0.1〜1.0mg/ml好ましくは0.2〜~
0.5mg/mlとなるよう添加し、4℃〜室温でゆるやかに30
分〜1時間反応させる。反応終了後、水酸化アルミニウ
ムゲルを、濾過、遠心分離など公知の方法により除去す
ると、内毒素が除去された百日咳菌由来感染防御成分を
ほとんど損失することなく分離取得することができる。
本発明におけるゾーナル遠心法による処理は、内毒素除
去の目的で行われるものであり、硫酸アンモニウム塩析
など公知の方法による濃縮後に行うのが好ましい。ゾー
ナル遠心法としては、例えば、ショ糖密度勾配遠心法、
セシウムクロライド密度勾配遠心法、酒石酸カリウム密
度勾配遠心法などが挙げられるが、なかでもショ糖密度
勾配遠心法が好ましい。例えば、ショ糖密度勾配遠心
を、ショ糖濃度0〜30w/v%のグラジエント、Rmax 60,00
0〜122,000Gで、約10〜24時間の条件で行うと、内毒素
が除去された該百日咳菌由来感染防御成分を分離取得で
きる。
【0012】本発明により得られる百日咳毒素は、公知
の方法、例えば、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・
エクスペリメンタル・パソロジー〔(Brit. J. Exp. Pa
thol.)、第44巻、177頁(1963)〕に記載の方法により、
トキソイド化(無毒化)してワクチンとして用いること
ができる。また、本発明により得られる百日咳繊維状赤
血球凝集素、百日咳外膜蛋白および百日咳線毛は、特開
昭64-52726号公報に記載の方法により、不活性化してワ
クチンとして用いることができる。本発明により得られ
る百日咳菌由来感染防御成分を任意の所望の比率で混合
し、従来の百日咳ワクチンよりも優れた、改良精製百日
咳コンポーネントワクチンを製造することができる。即
ち、全細胞百日咳ワクチンまたは各成分を分取すること
なく同時精製した無細胞百日咳ワクチンでは、各成分の
組成比が一定で変えることができないのに対し、本発明
では各成分を効率良く分離取得しているため、百日咳ワ
クチンとしてヒト投与する際最適の免疫原性を与える抗
原比率を選択することができる。個々の精製した百日咳
菌由来感染防御成分は、可能な限り少ない蛋白量でより
効果的な免疫原性を与えるよう混合することが望まし
い。例えば、後述の実施例に例示した組成比などが挙げ
られる。本発明における精製百日咳コンポーネントワク
チンは、百日咳線維状赤血球凝集素、百日咳線毛および
百日咳毒素を混合してなるものが好ましい。また、百日
咳外膜蛋白など副作用を与えない生理学的に許容し得る
百日咳菌由来の他の成分を含むことも可能である。例え
ば、後述の実施例中に例示した組成比などが挙げられ
る。本発明においては、百日咳毒素20〜30μg蛋白/ml、
百日咳繊維状赤血球凝集素40〜50μg蛋白/mlおよび百日
咳線毛5〜10μg蛋白/mlの蛋白含量で、百日咳毒素:百
日咳繊維状赤血球凝集素:百日咳線毛が、4〜6:8〜1
0:1の組成比、とりわけ百日咳毒素25〜30μg蛋白/ml、
百日咳繊維状赤血球凝集素40〜50μg蛋白/mlおよび百日
咳線毛5μg蛋白/mlの蛋白含量で、百日咳毒素:百日咳
繊維状赤血球凝集素:百日咳線毛が、5〜6:8〜10:1の
組成比からなるコンポーネントワクチンがより好まし
い。さらに、上記したコンポーネントワクチンに百日咳
外膜蛋白5〜10μg蛋白/mlとなるよう加えてもよく、こ
の場合、百日咳毒素:百日咳繊維状赤血球凝集素:百日
咳外膜蛋白:百日咳線毛が、2〜6:4〜10:1〜2:1の組
成比、とりわけ百日咳毒素25〜30μg蛋白/ml、百日咳繊
維状赤血球凝集素40〜50μg蛋白/ml、百日咳外膜蛋白10
μg蛋白/mlおよび百日咳線毛5μg蛋白/mlの蛋白含量
で、百日咳毒素:百日咳繊維状赤血球凝集素:百日咳外
膜蛋白:百日咳線毛が、5〜6:8〜10:2:1の組成比か
らなるコンポーネントワクチンがより好ましい。以上述
べたように、本発明の効果は、以下のようにまとめられ
る。各百日咳菌由来感染防御成分に対し、共通の精製手
段を用いることを特徴としており、このため、従来のよう
に各成分ごとによって異なる繁雑な操作を行う必要な
く、各成分を効率的にかつ収率よく精製することが初め
て可能となり、工業的生産上極めて有利である。また、
リムラス試験法により内毒素含量を測定した場合、本発
明により得られる各百日咳菌由来感染防御成分の内毒素
含量は、総蛋白100μg当たり1ng以下であり、実用的価
値も極めて高い。また、百日咳線維状赤血球凝集素、百
日咳外膜蛋白、百日咳線毛および百日咳毒素などの各コ
ンポーネントを有効に組み合わせた改良精製百日咳コン
ポーネントワクチンの製造も可能となる。
【0013】
【実施例】以下に実施例および参考例により、本発明を
具体的に説明するが、本発明の範囲がこれらに限定され
るものでないことは言うまでもない。以下、百日咳毒素
をPT、百日咳線維状赤血球凝集素をFHA、百日咳外膜蛋
白(パータクチン:pertactin)を69K-OMP(またはPR
N)、百日咳線毛をFIMおよび内毒素をET、のようにそれ
ぞれ略称することもある。 実施例1 百日咳菌I相東浜株を最終濃度が20億個/mlになるよう
接種し、ステナーショルト培地を用い、ルー瓶静置培養
(450ml、35℃、5日間)とタンク撹拌培養(40l、35
℃、2日間)を行い該菌培養物を得た。該菌培養物を限
外濾過膜で10分の1に濃縮後、遠心分離により上清と菌
体を得た。上清に1Mリン酸緩衝液(pH8.0)を最終濃度が
0.1Mになるよう添加後、酢酸カルシウム溶液を最終濃度
が1.6w/v%になるよう添加し、室温で1時間撹拌を行っ
た。このカルシウムゲル溶液を濾過し濾過液を採取し
た。濾過液を限外濾過膜で電導度が200umhoになるよう
濃縮と脱塩を行い、スルフォプロピル陽イオン交換クロ
マトグラフィー(東ソー製)に流し、0.01Mリン酸緩衝液
(pH6.0)で洗浄後、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で溶出して
PTを得た。次に菌体を培養液量に対し10分の1量の1M塩
化ナトリウムを添加した0.05Mリン酸緩衝液(pH8.0)に分
散後、遠心分離により上清と菌体を得た。上清に酢酸カ
ルシウム溶液を最終濃度が0.5w/v%になるよう添加し、
室温で1時間撹拌を行った。このカルシウムゲル溶液を
濾過し、ゲル層を採取した。ゲル層を1M塩化ナトリウム
を添加した0.1Mリン酸緩衝液(pH8.0)で溶出してFHA含有
液を得た。 更に、菌を培養液量に対し10分の1量に相当
する0.15M塩化ナトリウムを添加した0.01Mリン酸緩衝液
(pH7.0)に分散後、60℃の温水中で90分加温した後、遠
心分離により上清を得た。上清に1Mリン酸緩衝液(pH8.
0)を最終濃度が0.1Mになるよう添加後、酢酸カルシウム
溶液を最終濃度が1.6w/v%になるよう添加し、室温で1時
間撹拌を行った。このカルシウムゲル溶液を濾過し、濾
過液とゲル層を採取した。濾過液を限外濾過膜で電導度
が200umhoになるよう濃縮と脱塩を行い、スルフォプロ
ピル陽イオン交換クロマトグラフィー(東ソー製)に流
し、素通り部分を採取して69K-OMP含有液を得た。一
方、ゲル層を1M塩化ナトリウムを添加した0.1Mリン酸緩
衝液(pH8.0)で溶出してFIM含有液を得た。
【0014】対照群の調製は、培養液1リッター当たり2
20gの硫酸アンモニウムを添加し、充分撹拌した後4℃に
て静置した。約14日後遠心分離を行い、上清を捨て沈殿
を集めた。得られた沈殿に、培養液量に対し10分の1量
に相当する1M塩化ナトリウムを添加した0.05Mリン酸緩
衝液(pH8.0)を加え、充分撹拌した。4℃にて4日間放置
後、再び遠心分離を行い上清を採取して、PT、FHA、69K
-OMPおよびFIMを含む溶液を得た。各検体中のPT、FHA、
69K-OMPおよびFIMの測定はELISA法により精製した
PT、FHA、69K-OMPおよびFIMを標準として算出した。単
位はμg蛋白/ml。 蛋白含量の測定:牛血清アルブミン(和光純薬 フラクシ
ョンV)を標準として加熱トリクロル酢酸によって沈殿す
る蛋白質をローリー法によって測定した。単位はμg蛋
白/ml。ルー瓶培養液の結果を〔表1〕、タンク培養液
の結果を〔表2〕にそれぞれ示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】 これらの表から明らかなように、回収率良く各感染防御
成分が単離されている。また、特にタンク培養液では産
生の少なかった百日外膜蛋白およびFIMが多量回収され
ている。
【0017】参考例1 実施例1に記載の方法で得られた対照群溶液に酢酸カル
シウムを最終濃度が0.5w/v%になるよう添加し、室温で1
時間撹拌した。このカルシウム溶液を濾過して得られる
濾液に飽和硫酸アンモニウム溶液を2分の1量添加して4
℃にて7日間静置した。この硫酸アンモニウム塩析物を
遠心分離して、沈殿を集め0.25M塩化ナトリウムを添加
した0.025Mリン酸緩衝液(pH7.0)で再浮遊したものを材
料とした。この材料に対し、最終濃度が0.4mg/mlになる
よう予め調製した水酸化アルミニウムゲルを採取し、遠
心分離により回収した水酸化アルミニュウムゲルに硫酸
アンモニウムを最終濃度が、0、 2、 4、 8w/v%になる
よう添加し室温でゆるやかに30分撹拌させた。反応終了
後、水酸化アルミニュウムゲルを遠心分離により除去し
上清を得た。各上清について、赤血球凝集活性および内
毒素含量を下記の方法に従って測定した。その結果を
〔表3〕に示す。赤血球凝集活性の測定:検体を0.01M
リン酸緩衝液で2倍段階希釈後、0.6v/v%のヒヨコ固定化
血球を添加混合し、赤血球凝集反応を行った。凝集を起
こした検体の最高希釈倍数を赤血球凝集活性(Haemagglu
tinin Titer:HA)として測定した。内毒素(ET)の
測定:大腸菌(Difico 055 - B5)を標準としてリムラス
試験法(和光純薬キット)により測定した。単位はng/m
l。この表から明らかなように、硫酸アンモニウム共存
下で予め調製した水酸化アルミニウムゲル処理を行うこ
とにより、有効成分を損失することなく、選択的に内毒
素を除去することができる。
【0018】
【表3】
【0019】実施例2 実施例1で得られたPT、FHA、69K-OMPおよびFIMに対
し、それぞれ飽和硫酸アンモニウム溶液を2分の1量添加
し、充分撹拌した。4℃にて1週間放置後、再び遠心分離
を行い、沈殿を採取した。次いでこの沈殿に0.25M塩化
ナトリウムを添加した0.025Mリン酸緩衝液(pH7.0)を添
加し溶解して、PT溶液、FHA溶液、69K-OMP溶液およびFI
M溶液を調製した。これら各溶液に対し、それぞれに飽
和硫酸アンモニウム溶液を最終濃度が4.0V/V%となるよ
う添加し、さらに、これに、予め調製し回収しておいた
水酸化アルミニウムゲルを最終濃度が0.4mg/mlとなるよ
う添加し、室温でゆるやかに30分撹拌させた。反応終了
後、水酸化アルミニウムゲルを遠心分離により除去し、
PT、FHA、69K-OMPおよびFIMを調製した。PT、FHA、69K-
OMPおよびFIMを実施例1、内毒素含量を参考例1と同様
な方法で測定した。その結果を〔表4〕に示す。
【0020】
【表4】 この表から明らかなように、各感染防御成分をほとんど
損失することなく、選択的に内毒素が除去されおり、い
ずれの成分も蛋白含量100μg/ml当たりの内毒素含量は1
ng/ml以下であった。
【0021】実施例3 実施例1で得られたPT、FHA、69K-OMPおよびFIMに対
し、それぞれ飽和硫酸アンモニウム溶液を2分の1量添加
し、充分撹拌した。4℃にて1週間放置後、再び遠心分離
を行い、沈殿を採取した。次いでこの沈殿に1M塩化ナト
リウムを添加した0.05Mリン酸緩衝液(pH8.0)を添加し溶
解後、外液に1M塩化ナトリウムを添加した0.05Mリン酸
緩衝液(pH8.0)を用いてチューブ法で透析して、PT溶
液、FHA溶液、69K-OMP溶液およびFIM溶液を調製した。
透析後の濃縮液を、ショ糖密度勾配1〜30w/w%、Rmax 6
4900Gで約18時間ショ糖密度勾配遠心処理した。遠心終
了後、、低速回転で34w/w%ショ糖をローター内に送入し
て画分採取を行った。PT、FHA、69K-OMPおよびFIMを実
施例1、内毒素含量を参考例1と同様な方法で測定し
た。その結果を〔表5〕に示す。
【0022】
【表5】 この表から明らかなように、各感染防御成分をほとんど
損失することなく、内毒素が除去されおり、いずれの成
分も蛋白含量100μg/ml当たりの内毒素含量は、1ng/ml
以下であった。
【0023】実施例4 実施例3で得られたPTに、リジンなどのアミノ酸を添加
し、さらにホルマリンを最終濃度0.4v/v%になるよう添
加した後、充分に混合し、39℃で21〜35日保持した。ま
た、FHA、69K-OMPおよびFIMにそれぞれホルマリンを最
終濃度0.4v/v%になるよう添加した後、39℃で7日保持し
た。これらを0.15M塩化ナトリウムを添加した4mMリン
酸緩衝液(pH7.0)に透析してホルマリンを除去し、無
毒化PT、不活化FHA、不活化69K-OMPおよび不活化FIMを
得た。無毒化および不活化有効成分を〔表6〕および
〔表7〕に示す組成で混合し、それぞれ最終濃度0.2mg/
mlになるよう塩化アルミニウム溶液を添加し、ワクチン
を調製した。これらワクチンを用いたマウス脳内力価試
験を実施し、その結果を〔表6〕および〔表7〕に示
す。マウス脳内力価試験は、生物学的製剤基準(厚生省
薬務局監修、社団法人細菌製剤協会発行)に従い測定し
た。
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】 これらの表から明らかなように、不活化69K-OMPおよび
不活化FIMのマウス脳内力価に与える影響はすくなく、
無毒化PT 25μg蛋白/ml以上の蛋白含量で力価に差は認
められず、無毒化PT 25μg蛋白/mlおよび不活化FHA 25
〜50μg蛋白/mlで力価は保持されている。
【0026】実施例5 実施例4で調製したワクチンを用い、マウス噴霧感染防
御試験を実施した。マウス噴霧感染防御試験は、4週令
のマウスの皮下に3倍段階希釈したワクチンを各々マウ
ス当たり0.2ml接種する。接種4週間後に百日咳1相菌18
-323株を噴霧感染器を用いて気道感染させ、感染10日後
にマウスから気管および肺臓を摘出し、ホモジナイザー
ですりつぶした組織を Bordet-Gengou 培地に植え付
け、35℃で5日間培養してコロニー数をカウントする。
非免疫群のコロニー数をもとに、感染防御量を算出す
る。気管の場合は75%感染防御量、肺臓の場合は50%感染
防御量をμg蛋白で表した。また、高濃度免疫群におけ
る増殖阻止率を算出した。増殖阻止率の算出法は以下の
通り。
【数1】 結果を〔表8〕に示す。
【表8】 この表から明らかなように、マウス脳内力価で認められ
なかった不活化69K-OMPおよび不活化FIMの感染防御効果
が示されている。
【0027】試験例1. リン酸カルシウムゲル(内ゲ
ル法)とハイドロキシアパタイト(外ゲル法)のFHAお
よびFIMに対する吸着力の違い 実施例1の方法と同様にルー瓶静置培養で得た百日咳菌
培養物を限外濾過膜で10分1に濃縮後、遠心分離により
培養上清(試料a)および菌体を得た。この菌体を培養
液量に対し10分の1量の1M塩化ナトリウムを添加した0.
05Mリン酸緩衝液(pH8.0)を加え、充分撹拌した。4°
Cで4日間放置後、再び遠心分離により上清を採取し
て、PT、FHA、69K-OMPおよびFIMを含む菌体からの抽出
液(試料b)を得た。上記培養上清(試料a)および抽出
液(試料b)を下記の1)または2)の方法で処理した。 1) リン酸カルシウムゲル(内ゲル法)処理 1Mリン酸緩衝液(pH8.0)でリン酸濃度を補正した材料
に、25%酢酸カルシウム溶液を最終濃度が0.5w/v%,1.0w
/v%,2.0w/v%になるように添加後、それぞれ室温で1時
間ゆっくり撹拌後、1000rpm、10分間の遠心分離により
上清を得、ゲル残渣を1M塩化ナトリウムを添加した0.1
Mリン酸緩衝液(pH8.0)による抽出処理で得られた抽出
液と併せて処理試料とした。 2) ハイドロキシアパタイトゲル(外ゲル法)処理 0.01Mリン酸緩衝液で平衡化したハイドロキシアパタイ
トゲル(BDH Chemicals Ltd. 製)を材料液量に対し、
2.0w/v%,10w/v%,50w/v%となるように添加後、それぞ
れ室温で1時間ゆっくり撹拌後、1000rpm、10分間の遠
心分離により上清を得、ゲル残渣を1M塩化ナトリウム
を添加した0.1Mリン酸緩衝液(pH8.0)による抽出処理で
得られた抽出液と併せて処理試料とした。FHAおよびFIM
は、精製したFHAおよびFIMを標準としてELISA法により
測定し算出した。単位はμg蛋白/ml。 蛋白含量の測定:牛血清アルブミン(和光純薬 フラクシ
ョンV)を標準として加熱トリクロル酢酸によって沈殿す
る蛋白質をローリー法によって測定した。単位はμg蛋
白/ml。FHAおよびFIMのゲルに対する吸着率および吸着
後のゲルからの回収率は、それぞれ次式によって求め
た。
【数2】
【数3】 この結果を〔表9〕および〔表10〕に示す。
【0028】
【表9】
【0029】
【表10】 リン酸カルシウムゲル(内ゲル法)は、FHAおよびFIMを
強く吸着するのに対し、ハイドロキシアパタイトはFIM
に対する吸着力が弱い。また、ハイドロキシアパタイト
はリン酸カルシウムゲルに比べ、FHAに対する吸着力も
弱くハイドロキシアパタイトの添加量に大きく影響され
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法は、各百日咳菌由来感染防
御成分に対し、共通の精製手段を用いることを特徴とし
ており、このために各成分を効率的にかつ収率よく精製
することが可能となり、工業的生産上極めて有利であ
る。また、本発明方法により得られる百日咳繊維状赤血
球凝集素、百日咳外膜蛋白、百日咳線毛および百日咳毒
素の各コンポーネントを有効に組み合わせた改良精製百
日咳コンポーネントワクチンの効率的な製造が可能とな
る。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】百日咳菌培養物に、リン酸イオン存在下に
    カルシウムイオンを添加して生成せしめたリン酸カルシ
    ウムゲルを接触させることを特徴とする、百日咳繊維状
    赤血球凝集素、百日咳外膜蛋白、百日咳線毛または百日
    咳毒素の少なくとも1種を分離取得する方法。
  2. 【請求項2】百日咳菌培養物を菌体と培養液とに分離
    し、(A)該分離菌体を塩溶液で溶出後、その上清に請
    求項1記載のリン酸カルシウムゲルを接触させ百日咳繊
    維状赤血球凝集素を分離する工程、(B)上記工程
    (A)の溶出処理後の菌体残渣に塩溶液を加えて加温
    後、請求項1記載のリン酸カルシウムゲルを接触させて
    得られる上清から百日咳外膜蛋白を分離する工程、
    (C)上記工程(A)の溶出処理後の菌体残渣に塩溶液
    を加えて加温後、その上清に請求項1記載のリン酸カル
    シウムゲルを接触させ、塩溶液で溶出後の上清から百日
    咳線毛を分離する工程、(D)該培養物または該分離培
    養液を請求項1記載のリン酸カルシウムゲルに接触後、
    その上清から百日咳毒素を分離する工程、の少なくとも
    1工程を実施することを特徴とする、百日咳繊維状赤血
    球凝集素、百日咳外膜蛋白、百日咳線毛または百日咳毒
    素の少なくとも1種を分離取得する方法。
  3. 【請求項3】工程(A)において、上清にリン酸カルシ
    ウムゲルを接触後、塩溶液で処理し、百日咳繊維状赤血
    球凝集素を溶出分離する請求項2記載の分離取得方法。
  4. 【請求項4】工程(B)において、リン酸カルシウムゲ
    ル接触後の上清をイオン交換ゲルと接触させ、百日咳外
    膜蛋白を分離する請求項2記載の分離取得方法。
  5. 【請求項5】工程(C)において、リン酸カルシウムゲ
    ル接触後、その上清を除去した残渣を塩溶液で処理し、
    百日咳線毛を溶出分離する請求項2記載の分離取得方
    法。
  6. 【請求項6】工程(D)において、上清にイオン交換ゲ
    ルを接触させて、百日咳毒素を分離取得する請求項2記
    載の分離取得方法。
  7. 【請求項7】工程(A)および(C)において、塩溶液
    がアルカリ金属塩含有緩衝液である請求項2記載の分離
    取得方法。
  8. 【請求項8】塩溶液が0.01〜1.0M塩化ナトリウ
    ム含有緩衝液である請求項7記載の分離取得方法。
  9. 【請求項9】リン酸カルシウムゲルを、リン酸イオン存
    在下のpH7〜9の培養物またはその上清中に、カルシ
    ウムイオンを添加して生成せしめる請求項1または2記
    載の分離取得方法。
  10. 【請求項10】リン酸イオンとカルシウムイオンとの当
    量比が、カルシウムイオン1当量に対してリン酸イオン
    が1.25〜30当量である請求項9記載の分離取得方
    法。
  11. 【請求項11】リン酸カルシウムゲルが、0.05〜
    0.1Mリン酸イオン存在下の培養物またはその上清中
    に、カルシウムイオン源として酢酸カルシウムを0.1
    〜2W/V%添加して生成されるものである請求項9記載
    の分離取得方法。
  12. 【請求項12】百日咳毒素、百日咳繊維状赤血球凝集
    素、百日咳外膜蛋白または百日咳線毛の少なくとも1種
    を分離後、硫酸アンモニウム存在下、内毒素を水酸化ア
    ルミニウムゲルで吸着除去する、請求項1または2記載
    の分離取得方法。
  13. 【請求項13】百日咳毒素、百日咳繊維状赤血球凝集
    素、百日咳外膜蛋白または百日咳線毛の少なくとも1種
    を分離後、ゾーナル遠心法により内毒素を除去する、請
    求項1または2記載の分離取得方法。
  14. 【請求項14】百日咳毒素、百日咳繊維状赤血球凝集素
    および百日咳線毛を4〜6:8〜10:1の組成比で混
    合してなる百日咳ワクチン。
  15. 【請求項15】百日咳毒素、百日咳繊維状赤血球凝集
    素、百日咳外膜蛋白および百日咳線毛を2〜6:4〜1
    0:1〜2:1の組成比で混合してなる百日咳ワクチ
    ン。
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