JPH0899389A - 積層シートの製造法 - Google Patents

積層シートの製造法

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JPH0899389A
JPH0899389A JP23699894A JP23699894A JPH0899389A JP H0899389 A JPH0899389 A JP H0899389A JP 23699894 A JP23699894 A JP 23699894A JP 23699894 A JP23699894 A JP 23699894A JP H0899389 A JPH0899389 A JP H0899389A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 m−アラミド紙層とポリエステルフィルム層
とが緊密に接合一体化した積層シートを製造する。 【構成】 m−アラミド紙層とポリエステルフィルム層
とを積層し一体化させたシートを製造するに際し、特定
の透気度を持つm−アラミド紙層と固有粘度0.6以上
のポリエステルフィルム層とを重ね合わせ、m−アラミ
ド紙層側を高温にポリエステルフィルム層側を低温にし
たカレンダーロールで加熱加圧し、直ちにポリエステル
のガラス転移点以下の温度に急冷することにより、積層
面でm−アラミド紙層の表層部のみにポリエステルを溶
融含浸させ、両層の強固な接合を実現するとともに、m
−アラミド紙層とポリエステルフィルム層の特性も維持
した積層シートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はm−アラミドフィブリッ
ドと耐熱性繊維とを湿式抄造した合成紙層及びポリエス
テルフィルム層からなる積層シートを製造する方法に関
するものである。さらに詳しくは、m−アラミドフィブ
リッドと耐熱性繊維とを湿式抄造した合成紙層とポリエ
ステルフィルム層とを積層して特殊な条件でカレンダー
加工することによって合成紙層とポリエステルフィルム
層とを強固に結合させ一体化した積層シートを製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アラミド紙は、主として電気絶縁材料や
薄葉構造材料として使用されており、実質的にアラミド
繊維のみからなるいわゆる不織布型と、アラミドのフィ
ブリッドやフィブリル化繊維を湿式抄造するか又はこれ
らと強化用繊維とを湿式抄造した合成紙型とがある。後
者の合成紙型アラミド紙は、さらに、アラミドフィブリ
ッドと強化用繊維とからなる透気度の大きなものと、実
質的にアラミドフィブリッドのみからなる透気度の小さ
なものとに分けられる。
【0003】透気度の大きなアラミド紙は、絶縁油、樹
脂等の含浸性に富み、複合化に好都合という長所があ
り、一方、透気度の小さなアラミド紙は絶縁欠陥等が少
ないという長所がある。
【0004】両方の長所を兼ね備えた絶縁紙として、上
記の2つの層を熱融着した多層構造紙、すなわち、アラ
ミドフィブリッドと繊維とを湿式抄造した層とアラミド
フィブリッドのみを湿式抄造した層とを積層し、加熱加
圧してアラミドフィブリッドのみの層を溶融させてフィ
ルム状にした積層シートが提案されている(特開昭 61-
174497号)。また、アラミドフィブリッドとアラミド繊
維とを湿式抄造した合成紙とアラミドフィルムとを熱圧
着させた積層シートも提案されている(特開昭58-17735
0号)。
【0005】このような積層シートを構成するアラミド
紙層とアラミドフィルム層とは比較的容易に融着させる
ことが可能であるが、アラミド紙層とポリエステルフィ
ルム層とは融着し難いため接着剤を用いずに良好な積層
体を得ることが難しい。しかし、接着剤を用いると、コ
ストが高くなるばかりでなく、後の樹脂含浸等が行い難
く、また使用できる樹脂の種類も制限される等の問題が
ある。
【0006】このような問題を解決する方法として、最
近、(1) アラミド紙とポリエステルフィルムとを特定条
件で加熱加圧する方法(特願平 5-175311 号)、(2) ア
ラミド紙にポリエステルを予め溶融含浸させておき、こ
の含浸面側にポリエステルフィルムを融着させる方法
(特願平 6-94339号)、が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近提案されたこれら
の方法は、アラミド紙層とポリエステルフィルム層との
積層シートを製造する上で有用な方法と考えられるが、
工業的に実施しようとすると、上記(1) のアラミド紙と
ポリエステルフィルムとを熱融着させる方法は、両層の
接着強度と生産に際しての作業性に問題があり、また上
記(2) の方法は、ポリエステルの溶融含浸時に溶融樹脂
がアラミド紙の中心部に浸透して凝集する傾向があり、
ポリエステルをアラミド紙の表層部に均一にとどめるこ
とが難しいという問題があることが判った。
【0008】本発明は、先に提案されたアラミドフィブ
リッド及び繊維とを湿式抄造した合成紙層とポリエステ
ルフィルム層とを積層したシートを製造する方法を、さ
らに改良し、合成紙層の表層部にポリエステルフィルム
層の一部が溶融含浸して合成紙層と強固に融着させた積
層シートを、良好な生産性にて製造する方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、m−アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とを抄
造した合成紙層及びポリエステルフィルム層からなる積
層シートを製造するに際し、合成紙層とポリエステルフ
ィルム層とを積層し、合成紙層の温度がポリエステルフ
ィルム層の温度より高温になる条件でカレンダー加工を
施し、その後速やかに冷却することを特徴とする積層シ
ートの製造法によって達成される。
【0010】ここで「m−アラミド」とは、ポリ−m−
フェニレンイソフタラミド又はこれを主成分とする共重
合体もしくは混合重合体を言う。ポリ−m−フェニレン
イソフタラミドに共重合又は混合し得る成分や割合は、
m−アラミドとしての特性を損なわない限りとくに制限
されないが、例えば、共重合成分として少量(例えば2
0モル%以下)のテレフタル酸、p−フェニレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシルジアミン
等を共重合したものも使用可能である。なお、このm−
アラミドには無機塩、添加剤、充填剤等を含んでも差支
えない。
【0011】また、「フィブリッド」とは、m−アラミ
ド、ポリエステル等の繊維形成能を有する重合体をアミ
ド系溶媒等に溶解し、その溶液を水等の沈殿剤中で剪断
力下に凝固沈殿させて得られる抄紙性を有するパルプ状
粒子を意味し、その構造、性質及び製法等については特
公昭 35-11851 号、特公昭 37-5732号公報等に詳細に記
載されている。
【0012】m−アラミドのフィブリッドと混合して抄
造する耐熱性繊維は、同様のm−アラミドからなる延伸
繊維が好ましいが、他の耐熱性繊維、例えばp−アラミ
ド繊維、耐熱性ポリエステル繊維、アリレート繊維、芳
香族ポリエーテルケトン(PEEK)繊維、ガラス繊
維、獣毛繊維、木綿等でもよい。繊維長は1〜10mm
程度、繊維の太さ(繊度)は0.5〜5de程度のもの
が適当である。これらの繊維は単独で用いてもよいが、
2種以上併用してもよい。
【0013】m−アラミドフィブリッドと耐熱性繊維と
の混合比は重量比にして20/80〜80/20が好ま
しい。m−アラミドフィブリッドが多すぎると透気性す
なわち樹脂含浸性が損なわれ、少なすぎると紙としての
基本特性が損なわれる。なお、本発明では、m−アラミ
ドフィブリッドとm−アラミド繊維の合計が合成紙層を
構成する全抄紙成分の80重量%以上を占める割合にす
るのが好ましい。
【0014】本発明では、上記のm−アラミドフィブリ
ッドとm−アラミド繊維等の耐熱性繊維とを混合した水
性スラリーから公知の抄紙法で抄造して合成紙(以下、
「m−アラミド紙」と言うことがある)を作成し、この
合成紙の抄造段階で又は抄造後に、1層又は2層以上の
ポリエステルフィルム層とを積層する。
【0015】ポリエステルフィルム層を形成するポリエ
ステルは、通常ポリエチレンテレフタレートフィルムが
用いられるが、イソフタル酸等の他のジカルボン酸成分
や、ブチレングリコール等のエチレングリコール以外の
ジオール成分を共重合したものでもよい。また、ポリエ
チレン- 2,6-ナフタレートも使用可能である。これらの
ポリエステルはガラス転移点がm−アラミドよりも少な
くとも50℃好ましくは100℃程度低いことが望まし
い。ポリエステルとm−アラミドのガラス転移点が近接
していると良好なポリエステル含浸状態を得ることが難
しく、したがって合成紙層との良好な接着を期待し難
い。
【0016】なお、ポリエステルフィルム層は、延伸ポ
リエステルフィルムでも未延伸ポリエステルフィルムで
もよく、あるいはポリエステルフィブリッド及び/又は
ポリエステル繊維のウェブを軟化温度以上で加熱加圧し
て緻密なフィルム状にした層であってもよいが、いずれ
の場合も、該ポリエステルフィルム層がo−クロロフェ
ノール溶液にして35℃で測定した固有粘度が0.6以
上、特に0.7〜1.0の比較的高重合度のポリエステ
ルで構成されていることが好ましい。固有粘度が0.6
より小さいポリエステルは溶融粘度が低く後述のカレン
ダー加工によって軟化溶融したポリエステルが合成紙層
の中心部まで浸透して凝集し点在化しやすいため、本発
明の目的が達成し難い。
【0017】一方、合成紙層は、ガーレー法で測定した
透気度が5分/100ml〜1000分/100mlで
あるものが好ましい。透気度の値が1000分/100
mlを越える低い透気性を持つものは、溶融ポリエステ
ルが浸透し得る気孔が少なくカレンダー加工時の含浸が
不良となり、透気度の値が5分/100ml未満の高い
透気性を有するものは溶融ポリエステルが合成紙層の中
心部まで浸透し凝集して点在化しやすい。
【0018】したがって、本発明では、ポリエステルフ
ィルムとして固有粘度が0.6以上のポリエステルから
なるものを用い、合成紙として透気度が5分/100m
l〜1000分/100mlのものを用いることが推奨
される。
【0019】本発明では、上記の合成紙層とポリエステ
ルフィルム層とを重ね合わせてカレンダー加工を施すこ
とにより、ポリエステルを軟化溶融させその一部をポリ
エステルフィルム層と接する合成紙層の表層部分に含浸
固化させることによって積層一体化を行うが、この際、
カレンダー加工を合成紙層側が250℃以上となりポリ
エステルフィルム層側がそれより50℃以上低くかつ該
ポリエステルのガラス転移点より50℃以上高い温度と
なる条件で行うことが好ましい。特に、ポリエステルフ
ィルム層側は、該ポリエステルのガラス転移点より50
℃以上高く融点より10℃以上低い温度となるようにす
ることが好ましい。
【0020】このようにすれば、ほとんどの場合、カレ
ンダー加工時におけるポリエステルの溶融粘度が100
00ポイズ以上となり、溶融軟化したポリエステルが合
成紙層の中心部までは浸透せず、一部が合成紙の表層部
分のみに浸透し、大部分が表面にフィルム状に残留す
る。
【0021】カレンダー加工の圧力は、線圧にして50
kg/cm以上、特に100〜500kg/cmが好ま
しい。
【0022】上述のごとく合成紙層とポリエステルフィ
ルム層との界面を溶融接着させた合成紙層/ポリエステ
ルフィルム層の積層体は、不必要な事後の加圧を極力避
け、速やかに積層シートを冷却固化させることが必要で
ある。このためカレンダー加工装置は、加熱加圧後速や
かに除圧できるのが好ましく、したがって平板プレスよ
りカレンダーロールの使用が適当である。
【0023】冷却条件は、ポリエステルの粘度、加熱加
圧条件等によって多少相違するが、一般にカレンダー加
工後約10秒以内に少なくともポリエステルフィルム層
側を該ポリエステルのガラス転移点以下の温度に冷却す
れば、その状態で固定され、該ポリエステルフィルム層
を構成するポリエステルの一部が合成紙層の界面付近の
みに溶融浸透して固化し大部分は表面にフィルム状とし
て残ることになり、良好な積層シートが形成される。
【0024】工業的に実施するには、表面温度の異なる
1対のカレンダーロールにて加熱加圧処理した後、その
すぐ下流側に冷却ロールを設けて少なくともポリエステ
ル側を冷却ロールに接触させて上記の条件で冷却するの
が適当である。冷却ロールとしては内部に冷却水を通水
しているロールが好ましい。また、カレンダー加工装置
に供給する合成紙は、予熱するのが好ましく、例えば、
合成紙を250〜340℃のロールにより予熱して供給
し、カレンダー加工装置において合成紙側のロールは表
面温度を150〜250℃となしポリエステルフィルム
側のロールは非加熱とするか或いは200℃以下に設定
すると、実質的に上記の温度条件で加熱加圧加工するこ
とができる。
【0025】以上の説明は、合成紙層の片面にポリエス
テルフィルム層を積層融着した2層構造の積層シートを
製造する場合について述べたが、本発明は2層の合成紙
層の間に1層又は2層以上のポリエステルフィルム層を
挟み込んだ多層積層シートを製造する場合にも適用可能
である。
【0026】後者の場合は、ポリエステルフィルム層は
合成紙層を介して加熱されることになるので、予め実験
によって各ロールの設定温度と各層の温度との関係を検
証しておくのが好ましい。
【0027】以下、本発明の方法を具体的に実施する例
を図面により詳細に説明する。
【0028】図1は、それぞれ別個に製造したm−アラ
ミド紙2層とポリエステルフィルム1層とを本発明方法
によって積層シートにする例を示す。
【0029】図1において、上下2枚のm−アラミド紙
(1)(2)は、それぞれ予熱ロール(11)(12)
で所定温度に予熱し、これらの予熱したm−アラミド紙
の間に、加熱していないポリエステルフィルム(3)を
挟み込むように供給し、m−アラミド紙/ポリエステル
フィルム/m−アラミド紙の積層物を、1対のカレンダ
ーロール(13)(14)により加熱加圧する。この
際、予熱ロール(11)(12)の温度とカレンダーロ
ール(13)(14)の温度を調整することによって、
m−アラミド紙を介して加熱加圧されるポリエステルフ
ィルムの温度を、上述の条件を満足するように設定す
る。通常、予熱ロール(11)(12)の温度は250
〜340℃、カレンダーロール(13)(14)の温度
は150〜250℃の範囲内で適宜選定する。
【0030】カレンダーロール(13)(14)で加熱
加圧され各層が互いに融着した積層物は、直ちに冷却ロ
ール(15)(16)と接触し、ポリエステルが流動し
ない温度すなわちポリエステルのガラス転移点以下の温
度まで降温する。この冷却ロール(15)(16)は内
部に常温(5〜40℃)の冷却水を循環して可及的に低
い温度に維持されている。そして、冷却後、目的とする
m−アラミド紙層/ポリエステルフィルム層/m−アラ
ミド紙層が一体に結合した積層シート(4)として巻き
取られる。
【0031】図2は、m−アラミド紙層の片面にポリエ
ステルフィルム層を融着させた積層シートを製造する例
である。この例では、m−アラミド紙(6)は、予熱ロ
ール(17)で所定温度に予熱し、この予熱したm−ア
ラミド紙の片面に、加熱していないポリエステルフィル
ム(7)を沿わせて供給して重ね合わせ、得られたm−
アラミド紙/ポリエステルフィルムの積層物を、温度の
異なる1対のカレンダーロール(18)(19)により
加熱加圧する。このカレンダーロールは、m−アラミド
紙側が高温ロール(18)、ポリエステルフィルム側が
低温ロール(19)となっている。この場合も加熱加圧
時のポリエステルフィルムの温度が上述の条件を満足す
るよう各ロールの温度を調整する。通常、予熱ロール
(17)の温度は250〜340℃、高温ロール(1
8)の温度は150〜250℃、低温ロール(19)は
非加熱とするか200℃以下の温度に抑える。このカレ
ンダー加工に引き続き、内部に常温(5〜40℃)の冷
却水を通水している冷却ロール(20)により少なくと
もポリエステル側をポリエステルの流動化温度以下に冷
却する。この冷却により、m−アラミド紙層の表層部へ
均一ににポリエステルが含浸した状態で固定され、製品
のm−アラミド紙層/ポリエステルフィルム層が一体に
結合した積層シート(8)として巻き取られる。
【0032】図3及び図4は、いわゆる抄き合わせ法に
よって、本発明方法で中間素材となるm−アラミド紙層
とポリエステルフィルム層との多層紙(抄き合わせ紙)
を作成する例を示し、図5は、このような抄き合わせに
よる多層紙同士をそれぞれのポリエステル層を突き合わ
せて重ね合わせ、加熱加圧することにより、m−アラミ
ド紙層/ポリエステルフィルム層が緊密に融着した積層
シートを製造する例を示す。
【0033】図3は、2組の円網抄紙部を有する抄紙機
で2層抄き合わせ紙を製造する例を示し、最初の円網抄
紙部(21)では矢印Aのごとく供給されるm−アラミ
ドフィブリッドと耐熱性繊維との水性スラリー(22)
から合成紙層を抄き上げ、次の円網抄紙部(23)で矢
印Bのごとく供給されるポリエステルフィブリッド又は
ポリエステル繊維のみの水性スラリー(24)からポリ
エステル層を抄き上げ、そのまま湿紙状態で積層し、こ
の積層物(25)を乾燥工程(図示せず)に送り、2層
抄き合わせ紙とする。
【0034】図4は、2組のヘッドボックスを備えた長
網抄紙機で2層抄き合わせ紙を製造する例であり、第1
ヘッドボックス(26)からm−アラミドフィブリッド
と耐熱性繊維との水性スラリーを抄き、この上に第2ヘ
ッドボックス(27)からポリエステルフィブリッド又
はポリエステル繊維のみの水性スラリーを抄き重ね、得
られた積層物(28)は乾燥工程(図示せず)に送り、
乾燥させて2層抄き合わせ紙とする。なお、上記の各ヘ
ッドボックス(26)(27)には矢印のごとくそれぞ
れ上記スラリーが供給される。
【0035】図5は、例えば図2、図3等の方法で抄き
合わせて得た2層抄き合わせ紙(乾燥紙)を中間素材と
して使用し、これらをカレンダー加工して本発明の目的
とする各層が一体に結合した積層シートを製造する一例
を示す。図5において中間素材の2層抄き合わせ紙(3
1)はそのm−アラミド紙層側(31a)を温度250
〜340℃の予熱ロール(32)にて予熱しポリエステ
ルフィルム層側(31b)は予熱せずに、m−アラミド
側ロール(34)を高温(150〜250℃)に加熱し
ポリエステル側ロール(33)を非加熱か又は200℃
以下の温度にした1対のカレンダーロール(33)(3
4)で加熱加圧した後、常温の冷却水を通水している冷
却ロール(35)(36)にて急冷し、m−アラミド紙
層とポリエステルフィルム層とがm−アラミド紙層表層
部へ溶融含浸したポリエステルによって一体に結合した
積層シート(37)として巻き取られる。
【0036】図6及び図7は、抄き合わせによりm−ア
ラミド紙層/ポリエステルフィルム層/m−アラミド紙
層の3層抄き合わせ紙を製造する例を示す。
【0037】図6は3つの円網抄紙部を組み合わせた抄
紙機で3層抄き合わせ紙を製造する例であり、第1円網
抄紙部(41)でm−アラミドフィブリッドと耐熱性繊
維との水性スラリー(42)から合成紙層を抄き上げ、
第2円網抄紙部(43)でその上にポリエステルフィブ
リッド又はポリエステル繊維のみの水性スラリー(4
4)からポリエステル層を抄き上げ、第3円網抄紙部
(45)でさらにその上にm−アラミドフィブリッドと
耐熱性繊維との水性スラリー(46)から合成紙層を抄
き上げ、そのまま湿紙状態で積層し、得られた3層抄き
合わせ紙(47)は乾燥工程(図示せず)に送られ、乾
燥されて3層抄き合わせ紙となる。図6においても各抄
紙部に矢印のごとく所定のスラリーが供給される。
【0038】図7は2つの円網部とこれらの間に1つの
長網部を持つコンビーネーションマシンで3層抄き合わ
せ紙を製造する例であり、第1の円網部(51)でm−
アラミドフィブリッドと耐熱性繊維との水性スラリー
(52)を抄き、長網部のヘッドボックス(53)から
ポリエステルフィブリッド又はポリエステル繊維のみの
水性スラリー(54)を抄き重ね、さらに第2の円網部
(55)でm−アラミドフィブリッドと耐熱性繊維との
水性スラリー(56)を抄いて、得られた3層抄き合わ
せ湿紙(57)をヤンキードライヤー(58)で乾燥
し、3層抄き合わせ紙とす。この図7においても各抄紙
部に矢印のごとく所定のスラリーが供給される。
【0039】図8は、例えば先に述べた図6、図7に示
す方法で製造した3層抄き合わせ紙を中間素材として使
用し、これをカレンダー工程によって本発明の目的とす
る積層シートとする例であり、中間素材の3層抄き合わ
せ紙(61)は、まず250〜340℃の予熱ロール
(62)(63)で両表面(m−アラミド層)を加熱し
た後、続いて150〜250℃の1対のカレンダーロー
ル(64)(65)間で加熱加圧加工した後、直ちに冷
却ロール(66)(67)でポリエステルが流動しない
温度まで冷却し、製品の3層積層シート(68)として
巻き取る。
【0040】このような方法でカレンダー加工して得ら
れる積層シートは、図1、図8に示す例では、基本的に
m−アラミド紙層/ポリエステルフィルム層/m−アラ
ミド紙層の3層サンドイッチ構造紙であってそれぞれの
界面ではm−アラミド紙層の表層部へポリエステルが溶
融含浸し強固な結合を形成している。また、図2、図5
の例では、基本的にm−アラミド紙層とポリエステルフ
ィルム層からなる2層構造紙であって両層の界面ではm
−アラミド紙層の表層部へポリエステルが溶融含浸しm
−アラミド紙層とポリエステルフィルム層とが強固な結
合を形成している。
【0041】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
る。ただし、これらは本発明の具体例を説明するもので
あって、本発明を限定するものではない。
【0042】なお、本実施例におけるポリ−m−フェニ
レンイソフタラミドの固有粘度はN−メチル−2−ピロ
リドン溶液で25℃にて測定した値であり、ポリエステ
ルの固有粘度はo−クロロ−フェノール溶液で35℃に
て測定した値である。
【0043】また、積層シートの絶縁破壊抵抗(BD
V)はJIS C−211に基づき測定した値である。
【0044】[実施例1] (m−アラミド紙の製造)特公昭 47-10863 号記載の界
面重合法により製造した、無機塩を含有しない固有粘度
1.35のポリ−m−フェニレンイソフタラミドを特公
昭 48-17551 号に記載の湿式紡糸法によって繊維とし
た。この繊維の強度は4.5g/de、伸度は18%で
あった。この繊維を繊維長6mmに切断して使用した。
【0045】同じポリマーを用い、特公昭 52-151621号
記載のステータとロータとを組み合わせた直径150m
mの沈殿装置(パルプ状粒子製造装置)を用いて、フィ
ブリッドを製造した。得られたフィブリッドの濾水度は
カナダ標準濾水度で90mlであった。
【0046】このフィブリッドを工業用のパルパーで水
に分散させ、さらにディスクリファイナーと高速離解機
で処理し、フィブリッドのスラリーを得た。一方、上記
の繊維を専用の工業用パルパーで水に分散させ、上記の
フィブリッドスラリーと混合した。混合比は繊維/パル
プ(重量比)=60/40とした。
【0047】この混合スラリーを長網抄紙機で抄造し、
抄き上がり脱水後に乾燥して坪量40g/m2 のm−ア
ラミド紙を得た。得られた紙は、乾燥後で、密度0.3
01g/cm3 、強度はMD(縦)方向1.6kg/m
2 、CD(横)方向1.1kg/mm2 、透気度はガ
ーレー法で10分/100mlであった。 (ポリエステルフィルムの製造)テレフタル酸ジメチル
とエチレングリコールから得たポリエチレンテレフタレ
ートを、溶融押し出し法でフィルム化し、2軸延伸して
厚み0.05mmの延伸フィルムとした。このフィルム
を構成するポリエステルの固有粘度は0.7であり、こ
のポリエステルの溶融粘度は、220℃において550
00ポイズであった。
【0048】(2層積層シートの製造)上記のm−アラ
ミド紙とポリエステルフィルムとを用い、図2に示した
方法に準じて積層・カレンダー加工を行った。すなわ
ち、得られたm−アラミド紙を十分に乾燥した後、表面
温度280℃の予熱ロールで予熱後、上記のポリエステ
ルフィルムと重ね合わせて、高温ロール(m−アラミド
紙側)が220℃、低温ロール(ポリエステルフィルム
側)が170℃、冷却ロールが50℃の条件で、加熱加
圧及び急冷を行った。
【0049】得られた積層シートの断面を採り、顕微鏡
で観察したところ、ポリエステルフィルム層とm−アラ
ミド紙層とが密着し、かつ、両層の界面においてm−ア
ラミド紙層の表層部分へほぼ均一な厚みでポリエステル
が溶融含浸しているのが観察された。 (3層積層シートの製造)上記の2層積層シートを中間
素材として用い、図1に示す方法に準じて、この中間素
材と上記のポリエステルフィルムから3層構造の積層シ
ートを製造した。すなわち、中間素材を2層用意し、そ
れぞれを表面温度200℃の予熱ロールで予熱後、上下
の中間素材のポリエステル層を突き合わせ、その間に上
記のポリエステルフィルムを挟み込むように重ね合わせ
て、表面温度が220℃のカレンダーロールにより線圧
200kg/cmで加熱加圧加工し、引き続き水冷して
いる冷却ロールで冷却した。
【0050】得られた積層シートは、坪量が260g/
2 、引張り強度はMD(長さ)方向が6.6kg/m
2 、CD(幅)方向が4.3kg/mm2 であり、伸
度はMD(長さ)方向が13%CD(幅)方向が9%で
あった。この積層シートの絶縁破壊電圧は35.2kV
/mmで、表面に絶縁油を垂らしたところよく浸透し
た。
【0051】得られた積層シートの断面を採り、顕微鏡
で観察したところ、上下のm−アラミド紙層の間にポリ
エステルフィルム層が存在する3層構造を形成してお
り、かつ上下のm−アラミド紙層とポリエステル層が緊
密に結合しているのが観察された。
【0052】[比較例1]実施例1と同様のm−アラミ
ド紙とポリエステルフィルムとを積層し、上下同温度の
平板プレスで加熱加圧した。この際、温度を180〜2
30℃にわたって圧力を10〜100kg/cm2 にわ
たって変更し、種々検討を行ったが、いずれの場合もm
−アラミド紙全面にわたってポリエステルが含浸されて
いる良好な積層シートは得られなかった。
【0053】[比較例2]ポリエステルの製造におい
て、ジカルボン酸としてテレフタル酸60モルとイソフ
タル酸40%の混合物を使用しグリコール成分としてエ
チレングリコール100%を使用して共重合ポリエステ
ルを製造し、これをフィルム化し延伸した共重合ポリエ
ステルフィルムを得た。この共重合ポリエステルフィル
ムの厚みは0.050mm、固有粘度は0.54であっ
た。
【0054】このフィルムを比較例1と同様の方法でm
−アラミド紙と重ねて加熱加圧したところ、溶融ポリエ
ステルがm−アラミド紙の中心部にまで浸透し局部的に
凝集した部分が発生した。
【0055】[比較例3]実施例1において、m−アラ
ミド紙の代わりに特公平 2-15654号記載の方法で製造さ
れたm−アラミド繊維の不織布を用いた。この不織布は
密度1.03g/cm3 、MD(縦)方向の引張り強度
は4.0kg/15mm、透気度はガーレー法で35秒
/100mlであった。
【0056】この不織布と実施例1と同じポリエステル
フィルムを比較例1と同様にして加熱加圧した。この加
圧加熱加工で溶融ポリエステルはm−アラミド繊維不織
布内部へ全般的に浸透し良好な積層体にならなかった。
【0057】[実施例2] (2層抄き合わせ紙の製造)実施例1と同様にm−アラ
ミド繊維とm−アラミドフィブリッドとを用いて、繊維
/フィブリッド(重量比)=60/40の混合スラリー
を調製した。
【0058】一方、実施例1と同じポリマーから製造し
たポリエステル繊維(繊度4de,繊維長6mm)を工
業用のパルパーで水に分散させ、さらにディスクリファ
イナーと高速離解機により処理し、ポリエステル繊維ス
ラリーを得た。
【0059】これらの2種のスラリーを抄き合わせるた
めに、図3に示す装置を一部改造した(一方の円網を長
網に変更)円網と長網とを備えたコンビーネーションマ
シンを用いて、m−アラミドフィブリッドとm−アラミ
ド繊維の混合スラリーを長網で、ポリエステル繊維のみ
のスラリーを円網で抄造し、抄き上がり脱水後に重ね合
わせて、坪量80g/m2 の2層抄き合わせ紙を得た。
この紙におけるm−アラミドフィブリッドとm−アラミ
ド繊維の混合層の坪量は40g/m2 でポリエステル繊
維層の坪量は40g/m2 であった。この紙の物性は、
乾燥後において、密度0.298g/cm3 、引張り強
度はMD(縦)方向1.5kg/mm2、CD(横)方
向1.0kg/mm2 であった。また、同様にしてm−
アラミドフィブリッドとm−アラミド繊維の抄造物(4
0g/m2 )を作成し、乾燥したものの透気度はガーレ
ー法で8.5分/100mlであった。
【0060】(積層シートの製造)この抄き合わせ紙
を、図5に示した方法に準じてカレンダー加工した。す
なわち、表面温度220℃の予熱ロールでm−アラミド
側から加熱し、続いて、m−アラミド側が250℃でポ
リエステル側は非加熱のロールを用いて線圧200kg
/cmでカレンダー加工し、カレンダー加工後直ちに常
温の冷却水を通水した冷却ロールに接触させて急冷し
た。この時の加工速度は30m/分とした。
【0061】得られた積層シートの引張り強度はMD
(長さ)方向9.2kg/mm2 、CD(幅)方向6.
1kg/mm2 、伸度はMD(長さ)方向14%、CD
(幅)方向12%であった。この積層シートの絶縁破壊
電圧(BDV)は48.2kV/mmで良好な絶縁性を
示し、表面に絶縁油を垂らしたところよく浸透した。
【0062】[実施例3]本実施例は、図1に示した方
法に準じて、実施例2で得た積層シートに実施例1と同
じポリエステルフィルムを挟んで積層一体化したシート
を製造した例である。
【0063】実施例2で得た2層積層シート2枚を、2
20℃の予熱ロールにm−アラミド側を沿わせて昇温
し、この2枚のシートをポリエステル層を互いに突き合
わせるように配置し、その間に実施例1と同じポリエス
テルフィルムを挟んで、温度245℃、線圧200kg
/cm、加工速度20m/分の条件でカレンダー加工し
た。
【0064】かくしてm−アラミド紙層/ポリエステル
フィルム層/m−アラミド紙層からなる良好な3層積層
シートが得られた。この積層シートの引張り強度はMD
(長さ)方向9.3kg/mm2 、CD(幅)方向6.
2kg/mm2 、伸度はMD(長さ)方向14%、CD
(幅)方向13%であった。この積層シートの絶縁破壊
電圧(BDV)は58.2kV/mmで良好な絶縁性を
示し、表面に絶縁油を垂らしたところよく浸透した。
【0065】[実施例4] (ポリエステルフィブリッドの製造)ジカルボン酸とし
てテレフタル酸60%とイソフタル酸40%の混合物を
使用しグリコール成分としてエチレングリコール100
%を使用して固有粘度0.60の共重合ポリエステルを
製造し、これをN−メチル−2−ピロリドンに溶解して
重合体濃度20重量%の溶液となし、凝固浴液としてN
−メチル−2−ピロリドンの20重量%の水溶液を使用
して特公昭 52-151621号に記載の沈殿装置を用いてポリ
エステルフィブリッドを製造した。得られたポリエステ
ルフィブリッドは濾水度がショッパーリーグラー法で2
0°SRであった。これはカナダ標準濾水度で600m
lに相当する。
【0066】(抄き合わせ紙の製造)実施例1と同様に
m−アラミド繊維とm−アラミドフィブリッドとを用い
て、繊維/フィブリッド(重量比)=60/40の混合
スラリーを調製した。
【0067】一方、上記ポリエステルフィブリッドを工
業用のパルパーで水に分散させ、さらにディスクリファ
イナーと高速離解機により処理し、ポリエステルフィブ
リッドスラリーを得た。
【0068】これらの2種のスラリーと抄き合わせるた
めに、図3に示す装置を一部改造した(一方の円網を長
網に変更)円網と長網と備えたコンビーネーションマシ
ンを用い、m−アラミドフィブリッドとm−アラミド繊
維の混合スラリーを長網で、ポリエステルフィブリッド
のスラリーを円網で抄造し、抄き上がり脱水後に重ね合
わせて、坪量80g/m2 の2層抄き合わせ紙を得た。
この紙におけるm−アラミドフィブリッドとm−アラミ
ド繊維との混合層の坪量は40g/m2 でポリエステル
フィブリッドのみの層の坪量は40g/m2 であった。
この紙は乾燥後で、密度0.300g/cm3 、強度は
MD(長さ)方向1.6kg/mm2 、CD(幅)方向
1.2kg/mm2 であった。また、同様にしてm−ア
ラミドフィブリッドとm−アラミド繊維の抄造物(40
g/m2 )を作成し、乾燥したものの透気度はガーレー
法で9分/100mlであった。
【0069】(積層シートの製造)この抄き合わせ紙2
枚を、実施例3と同様のポリエステルフィルム1枚と積
層して一体のシートとした。すなわち、図5に示すよう
に、上記の抄き合わせ紙を表面温度180℃の予熱ロー
ルでm−アラミド層側から加熱し、続いて、この紙のポ
リエステルフィブリッド層側を互いに突き合わせて、そ
の間にポリエステルフィルムを挟み込み、温度250
℃、線圧200kg/cmの条件でカレンダー加工し、
ただちに冷却ロールで冷却した。この時のカレンダー加
工速度は30m/分とした。
【0070】得られたm−アラミド紙層/ポリエステル
フィルム層/m−アラミド紙層の積層シートの引張り強
度はMD(長さ)方向4.8kg/mm2 、CD(幅)
方向3.2kg/mm2 、伸度はMD(長さ)方向18
%、CD(幅)方向17%であった。また、この積層シ
ートの絶縁破壊電圧(BDV)は45.5kV/mmで
良好な絶縁性を示し、この表面に絶縁油を垂らしたとこ
ろよく浸透した。
【0071】[実施例5]実施例1と同様にしてm−ア
ラミドフィブリッドとm−アラミド繊維の混合スラリー
を調製した。この混合物の濾水度は約35°SR(カナ
ダ標準濾水度350ml)であった。一方、実施例6と
同様のポリエステルフィブリッドを高速離解機で処理し
て水中に分散させてスラリーとした。この分散処理後の
ポリエステルフィブリッドの濾水度はショッパーリーグ
ラー法で約30°SR(カナダ標準濾水度450ml)
であった。
【0072】図7に示すような2つの円網抄紙部とその
間に長網抄紙部を持つコンビネーショマシン(試験用抄
紙機)を用い、m−アラミドフィブリッドとm−アラミ
ド繊維の混合スラリーを2つの円網抄紙部に供給し、ポ
リエステルフィブリッドのスラリーを長網抄紙部に供給
して抄造した。すなわち、それぞれの円網抄紙部で20
g/m2 の湿紙を、長網抄紙部で40g/m2 の湿紙を
抄き、これらの3層を重ね合わせて搾水し、ヤンキード
ライヤーで乾燥した。
【0073】得られた抄き合わせ紙の引張り強度はMD
方向2.4kg/15mm、CD方向1.7kg/15
mmであり、伸度はMD方向3.5%、CD方向2.5
%であった。円網抄紙部で抄き上げたm−アラミドのウ
エブを採取して乾燥したものの透気度は7分/100m
lであった。
【0074】これを180℃の予熱ロールで加熱し、温
度240℃、線圧200kg/cmの条件でカレンダー
加工し、続いて内部に常温の水を循環させている冷却ロ
ール(水冷ロール)で急冷し、巻き取った。
【0075】かくして得られた積層シートの引張り強度
はMD方向25.2kg/15mm、CD方向141.
8kg/15mm、伸度はMD方向8.9%、CD方向
7.8%であり、絶縁破壊抵抗(BDV)は35.2K
Vであった。この積層シート表面に絶縁油を垂らしたと
ころ、よく吸収した。
【0076】[実施例6]実施例1において試作したm
−アラミド紙と実施例1と同じポリエステルフィルムを
素材として図1の方法で3層構造シートを作成した。
【0077】すなわち、実施例1の試作m−アラミド紙
2枚を表面温度300℃の予熱ロールに沿わせて昇温
し、これらの間にポリエステルフィルムを挟んで、温度
240℃、線圧200kg/cmの条件でカレンダー加
工し、引き続き水冷ロールで冷却した後、引き取った。
【0078】かくしてm−アラミド紙層の間にポリエス
テルフィルム層が緊密に接合した良好な積層シートが得
られた。この積層シートの強度はMD方向9.0kg/
15mm、CD方向6.0kg/15mm、伸度はMD
方向12%、CD方向11%であり、絶縁破壊抵抗(B
DV)は38.1KVであった。この積層シート表面に
絶縁油を垂らしたところ、よく吸収するのが観察され
た。
【0079】
【発明の効果】本発明方法によれば、m−アラミド紙層
の表層部のみにポリエステルがほぼ均一に含浸し、この
部分が接着効果を発揮してm−アラミド紙とポリエステ
ルフィルム層とが緊密に接合し一体化した良好な積層シ
ートが得られる。そして、カレンダー加工時に、溶融ポ
リエステルがm−アラミド紙層の全般に浸透したり、m
−アラミド紙中で凝集することがないので、m−アラミ
ド紙層は本来の浸透性、透気性を維持し、かつポリエス
テルフィルム層による良好な電気特性、力学特性を発揮
する。
【0080】したがって、本発明方法による積層シート
は、樹脂や電気絶縁油を含浸させて使用する電気絶縁材
料としてとくに好適であるが、複合構造材料としても有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】それぞれ別個に製造したm−アラミド紙2層と
ポリエステルフィルム1層とを用い、本発明方法によっ
てm−アラミド紙層/ポリエステルフィルム層/m−ア
ラミド紙からなる3層積層シートを製造する例を示す簡
略化した断面見取り図
【図2】m−アラミド紙層の片面にポリエステルフィル
ム1層を重ね合わせ本発明方法によって2層積層シート
を製造する例を示す簡略化した断面見取り図
【図3】円網抄紙機を使用した抄き合わせによって本発
明方法の中間素材となし得る2層構造抄き合わせ紙を製
造する例を示す簡略化した断面見取り図
【図4】長網抄紙機を使用した抄き合わせによって本発
明方法の中間素材となし得る2層構造抄き合わせ紙を製
造する例を示す簡略化した断面見取り図
【図5】中間素材の2層構造抄き合わせ紙を用いて本発
明方法により2層積層シートを製造する例を示す簡略化
した断面見取り図
【図6】円網抄紙機を使用した抄き合わせによって本発
明方法の中間素材となし得る3層構造抄き合わせ紙を製
造する例を示す簡略化した断面見取り図
【図7】円網抄紙機と長網抄紙機を組み合わせたコンビ
ネーションマシンを使用し抄き合わせ法によって本発明
方法の中間素材となし得る3層構造抄き合わせ紙を製造
する例を示す簡略化した断面見取り図
【図8】中間素材の3層構造抄き合わせ紙を用いて本発
明方法により積層シートを製造する例を示す簡略化した
断面見取り図
【符号の説明】
1,2,6:m−アラミド紙 3,7:ポリエステルフィルム 4,68:製品積層シート(3層構造シート) 8,37:製品積層シート(2層構造シート) 11,12,17,32,62,63:予熱ロール 13,14,18,19,33,34,64,65:カ
レンダーロール 15,16,20,35,36,66,67:冷却ロー
ル 21,23,41,43,45:円網抄紙機の円網抄紙
部 26,27:長網抄紙機のヘッドボックス 51,55:コンビネーションマシンの円網抄紙部 53:コンビネーションマシンの長網抄紙部ヘッドボッ
クス 22,42,46,52,56:m−アラミドフィブリ
ッドと耐熱性繊維との混合スラリー 24,44,54:ポリエステルフィブリッド(又はポ
リエステル繊維)のスラリー 25,28,47,57:抄き合わせ紙 58:ヤンキードライヤー
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 13/26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 m−アラミドフィブリッドと耐熱性繊維
    とを抄造した合成紙層及びポリエステルフィルム層から
    なる積層シートを製造するに際し、合成紙層とポリエス
    テルフィルム層とを積層し、合成紙層の温度がポリエス
    テルフィルム層の温度より高温になる条件でカレンダー
    加工を施し、その後速やかに冷却することを特徴とする
    積層シートの製造法。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルム層が延伸又は未延
    伸のポリエステルフィルムであることを特徴とする請求
    項1記載の積層シートの製造法。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフィルム層がポリエステ
    ルフィブリッドを加熱加圧した層であることを特徴とす
    る請求項1記載の積層シートの製造法。
  4. 【請求項4】 積層するポリエステルフィルム層がo−
    クロロフェノール溶液で35℃にて測定した固有粘度が
    0.6以上のポリエステルで構成されていることを特徴
    とする請求項2又は請求項3記載の積層シートの製造
    法。
  5. 【請求項5】 積層する合成紙層がガーレー法で測定し
    た透気度が5分/100ml〜1000分/100ml
    であることを特徴とする請求項1記載の積層シートの製
    造法。
  6. 【請求項6】 カレンダー加工を、合成紙層側が250
    ℃以上となり、ポリエステルフィルム層側をそれより5
    0℃以上低くかつ該ポリエステルのガラス転移点より5
    0℃以上高い温度となる条件で行うことを特徴とする請
    求項1〜請求項5のいずれかに記載の積層シートの製造
    法。
  7. 【請求項7】 カレンダー加工におけるポリエステル層
    側の温度をポリエステルの溶融粘度が10000ポイズ
    以上となる温度に設定することを特徴とする請求項1〜
    請求項6のいずれかに記載の積層シートの製造法。
  8. 【請求項8】 カレンダー加工後10秒以内に積層シー
    トをポリエステルのガラス転移温度以下の温度に冷却す
    ることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記
    載の積層シートの製造法。
  9. 【請求項9】 積層シートが合成紙層の片面にポリエス
    テルフィルム層を積層した2層積層シートであることを
    特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の積層
    シートの製造法。
  10. 【請求項10】 積層シートが2層の合成紙層の間にポ
    リエステルフィルム層を挟み込んだ3層積層シートであ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記
    載の積層シートの製造法。
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