JPH0899254A - スピンドル装置 - Google Patents

スピンドル装置

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JPH0899254A
JPH0899254A JP23923994A JP23923994A JPH0899254A JP H0899254 A JPH0899254 A JP H0899254A JP 23923994 A JP23923994 A JP 23923994A JP 23923994 A JP23923994 A JP 23923994A JP H0899254 A JPH0899254 A JP H0899254A
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JP
Japan
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workpiece
spindle device
rotary shaft
displacement
offset
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JP23923994A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Kogure
利春 小槫
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Seiko Seiki KK
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Seiko Seiki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工作物の大きさや形状に対応して正確に微小
な修正を行うことができるスピンドル装置を提供する。 【構成】 回転軸36は、磁気軸受の各電磁石381、
391等の磁力が制御部431、451によって制御さ
れることで、所定の浮上位置で保持される。修正量設定
器62、あるいは形状測定器64から工作物32を傾斜
させるべき量(修正量)dが、オフセット用第1及び第
2演算器56、60に供給されると、各演算器56、6
0はオフセット量T、Uを算出し、演算器44a、44
bにそれぞれ供給する。これにより、回転軸36の保持
位置は、オフセット量T及びU分変化し、回転軸36は
工作物32の中心を回転中心として所定角度傾斜する。
この傾斜した状態で研削を行うことで、工作物32の形
状修正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピンドル装置に係
り、詳細には、工作物の形状修正を行うことができるス
ピンドル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】平面研削や内面研削等の加工において
は、砥石の形状や加工時の砥石の移動速度、あるいは砥
石の運動経路等によって、工作物の平面度、あるいは円
筒度、真直度等が悪くなる場合がある。平面度等が悪く
なった場合、従来では、工作物を回転させるためのスピ
ンドル装置を水平方向に移動(回転)させ、砥石と工作
物との接触角度を若干変化させた状態で加工を行うこと
で、平面度等を改善していた。
【0003】図10は、従来のスピンドル装置を表した
ものであり、(A)は上方から、(B)は側方から見た
場合のスピンドル装置を表したものである。スピンドル
装置10は、4つの固定ボルト12によってテーブル1
4上に固定されている。図10(B)に示すように、ス
ピンドル装置10のフレームの前面下側には、ピン16
を有する固定部18が設けられており、ピン16は、テ
ーブル14に設けられた穴に回転自在に挿入されてい
る。また、スピンドル装置10の側方には、スピンドル
装置10を矢印a方向に移動させるための修正ネジ20
と、スピンドル装置10の移動量を計測するダイヤルゲ
ージ22が配設されている。スピンドル装置10の前方
(図10において左方)には、チャック24に固定され
た工作物26を研削するための図示しない砥石及びその
砥石軸スピンドルが配置されている。
【0004】従来のスピンドル装置10では、ピン16
を中心にスピンドル装置10を回転させ、工作物26の
被研削面を図示しない砥石に対して傾斜させることで、
その平面度等を修正していた。すなわち、固定ボルト1
2をゆるめてダイヤルゲージ22を見ながら修正ネジ2
0を所定量回すことで、スピンドル装置10を軸bを回
転中心として矢印a方向に所定角度回転させ、工作物2
6を図示しない砥石に対して傾斜させる。そして、所望
の修正量分スピンドル装置10を回転させたら、固定ボ
ルト12を締めて固定し、この傾斜した状態で工作物2
6を研削する。これにより、平面度等が修正される。
【0005】図11に示すような円筒穴28aを有する
円筒形状の工作物28の円筒度等を修正する場合も、同
様にスピンドル装置10を回転させることで行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スピンドル装
置10の回転中心は、工作物の中心とずれているため、
工作物は、砥石に対して傾斜するのみならず、全体の位
置がずれてしまう。図12(A)及び(B)は、この工
作物の位置ずれをそれぞれ表したものである。
【0007】スピンドル装置10では、ピン16がチャ
ック24の下方に位置し(図10)、軸bと工作物2
6、28との位置が離れているため、スピンドル装置1
0が軸bを中心に回転すると、工作物26、28は、そ
れぞれ図11に2点鎖線で示す位置に移動する。すなわ
ち、工作物26、28は、図示しない砥石に対して傾斜
するのみならず、その全体の位置がずれてしまう。従っ
て、正確な修正を行うことができないという問題があ
る。
【0008】図13(A)及び(B)は、工作物26、
28の位置変化の一例を表したものである。この図に示
すように、工作物26及び工作物28の中心に軸bがあ
ると、工作物26、28は、位置ずれすることなく傾斜
する。
【0009】これは、例えば、ピン16の位置が工作物
26、28の中心の直下になるように、スピンドル装置
10のフレームの一部(固定部18)を変更することで
可能となるが、大きさや形状の異なる工作物毎にフレー
ムを変更することは、実際上困難である。
【0010】また、修正ネジ20によるスピンドル装置
10の回転では、微小な修正を行うことはできないとい
う問題もある。そこで、本発明の目的は、工作物の大き
さや形状に対応して正確に微小な修正を行うことができ
るスピンドル装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、工作物と工具のいずれか一方が固定物として固定さ
れる回転軸と、この回転軸を磁力により径方向に浮上保
持するラジアル磁気軸受と、前記回転軸をその長手方向
における所定の点を回転中心として傾斜させたときの前
記ラジアル磁気軸受での変位量を算出する変位量算出手
段と、この変位量算出手段によって算出された変位量分
前記ラジアル磁気軸受が保持する前記回転軸の浮上位置
を変更する浮上位置変更手段とをスピンドル装置に具備
させて前記目的を達成する。
【0012】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
スピンドル装置において、前記固定物として円筒穴を有
する工作物が前記回転軸に固定されて内面研削される場
合に、前記浮上位置変更手段が、内面研削を行う砥石と
前記円筒穴の内周面との接触位置における接線方向及び
法線方向の少なくとも一方の方向に、前記浮上位置の変
更を行うことで前記目的を達成する。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
スピンドル装置に、前記工作物の形状を測定する形状測
定手段を具備させ、前記変位量算出手段は、前記形状測
定手段の測定値に応じて前記回転軸を傾斜させたときの
前記ラジアル磁気軸受での変位量を算出することで前記
目的を達成する。
【0014】
【作用】請求項1記載のスピンドル装置では、ラジアル
磁気軸受が、回転軸を磁力により径方向に浮上保持す
る。変位量算出手段は、前記回転軸をその長手方向にお
ける所定の点を回転中心として傾斜させたときの前記ラ
ジアル磁気軸受での変位量を算出する。浮上位置変更手
段は、変位量算出手段によって算出された変位量分、前
記ラジアル磁気軸受が保持する前記回転軸の浮上位置を
変更する。これにより、回転軸の固定物が、前記所定の
点を回転中心として傾斜する。
【0015】請求項2記載のスピンドル装置では、円筒
穴を有する工作物を回転軸に固定して内面研削する場合
に、浮上位置変更手段が、内面研削を行う砥石と円筒穴
の内周面との接触位置における接線方向及び法線方向の
少なくとも一方の方向に、前記浮上位置の変更を行う。
【0016】請求項3記載のスピンドル装置では、形状
測定手段が工作物の形状を測定し、前記変位量算出手段
は、形状測定手段の測定値に応じて回転軸を傾斜させた
ときの前記ラジアル磁気軸受での変位量を算出する。
【0017】
【実施例】以下、本発明のスピンドル装置における一実
施例を図1ないし図9を参照して詳細に説明する。図1
は、本実施例によるスピンドル装置の主要構成を表した
ものである。
【0018】スピンドル装置は、円盤形状の工作物32
がチャック34に固定された回転軸36を回転させるた
めのスピンドル本体70を備えている。この回転軸36
に対しては、図1に示した工作物32の他、例えば、図
10に示したような円筒形状の工作物28も固定される
ようになっている。
【0019】スピンドル本体70においては、回転軸3
6に対して径方向の磁力(引力)を作用させる、前側第
1電磁石381、前側第2電磁石382、及び後側第1
電磁石391、後側第2電磁石392が、回転軸36を
挟んで対向配置されている。また、回転軸36の径方向
の位置変位を検出する、前側第1変位センサ401、前
側第2変位センサ402、及び後側第1変位センサ41
1、後側第2変位センサ412が、それぞれ電磁石38
1、382、391、392と並んで配設されている。
また、本実施例では、更に、図1において紙面に垂直方
向に、回転軸36を挟んで対向する2組の電磁石及び変
位センサが設けられている。
【0020】図2は、スピンドル本体70を図1におい
て左方から見た場合の各電磁石の配置を表したものであ
る。なお、この図において、鉛直方向をY軸方向、水平
方向X軸方向とする。図2に示すように、前側第1及び
第2電磁石381、382、及び後側第1及び第2電磁
石391、392は、水平方向に対して45°の位置に
配設されている。また、本実施例では、前側第1電磁石
381及び前側第2電磁石382の位置から90°回転
した位置に、同様に回転軸36を挟んで対向する前側第
3電磁石383及び前側第4電磁石384が配設されて
いる。また、図示しないが、後側第1電磁石391、後
側第2電磁石392から90°回転した位置にも、同様
に、後側第3電磁石393及び後側第4電磁石394が
配設されている。更に、これらの電磁石383、38
4、393、394に対しても、前側第3及び第4変位
センサ403及び404、後側第3及び第4変位センサ
413及び414がそれぞれ並設されている。
【0021】なお、本実施例においては、変位センサと
して、インダクタンス変換型の変位センサを用いるが、
他の変位センサ、例えば、静電容量型変位センサ、ホー
ル素子変位センサ、渦電流変位センサ等を用いてもよ
い。スピンドル装置は、前側第1及び第2変位センサ4
01、402の検出信号をフィードバックして、前側第
1及び第2電磁石381、382の励磁電流を制御する
前側第1制御部431と、前側第3及び第4変位センサ
403、404の検出信号をフィードバックして、前側
第3及び第4電磁石383、384の励磁電流を制御す
る前側第2制御部432とを備えている。また、同様
に、後側第1及び第2電磁石391、392の励磁電流
をフィードバック制御する後側第1制御部451、及び
後側第3及び第4電磁石393、394の励磁電流をフ
ィードバック制御する後側第2制御部(図示せず)を備
えている。
【0022】各制御部431、432、451等は、同
様の構成であるので、以下前側第1制御部431を例に
その構成について説明する。前側第1制御部431は、
前側変位センサ401、402の出力信号から、回転軸
36の位置変位を示す変位信号を得るセンサ信号調整器
42aと、このセンサ信号調整器42aより演算器44
aを介して供給される変位信号から基準信号S1を減算
する演算器46aとを有している。また、前側第1制御
部431は、演算器46aから供給された信号に対して
位相を進める等の処理を行うPID補償器48aと、P
ID補償器48aから供給された信号の位相を反転させ
る等の処理を行う位相反転器50aと、この位相反転器
50aで処理された信号に応じて前側電磁石381、3
82の励磁電流を増幅する電力増幅器52a、53aと
を有している。
【0023】前側第1制御部431の演算器46aに供
給される基準信号S1は、回転軸36の浮上位置を指令
する信号であり、本実施例では、前側第1電磁石381
と前側第2電磁石382と間の中間位置(中立点)を指
令するようになっている。また、他の制御部431、4
32、451等における基準信号S2等も同様に対向す
る各電磁石間の中間位置を指令するものである。
【0024】以上の各制御部431、432、451等
は、基準信号S1、S2等に基づいてそれぞれ各電磁石
381、392等の磁力をフィードバック制御すること
で、指令された位置に回転軸36を浮上保持するように
なっている。本実施例では、以上の各電磁石381、3
82、383、384、及び391、392、393、
394と、各変位センサ401、402、403、40
4、及び411、412、413、414と、その制御
部431、432、及び451等とから、回転軸36を
径方向において4方向(4軸)で支持する4軸制御型の
ラジアル磁気軸受が構成されている。なお、図示しない
が、本実施例では、同様に磁力によって回転軸36を軸
方向に保持するスラスト磁気軸受を備えている。
【0025】図3は、円盤形状の工作物32が回転軸3
6に取り付けられた場合の、スピンドル本体70を拡大
して表したものである。なお、この図において左右方向
をZ軸方向とする。スピンドル装置において、工作物3
2を点Pを回転中心に点線で示すように傾斜(回転)さ
せたとき、前側変位センサ401、402の測定位置
で、回転軸36が中間位置から変位する量をTとし、後
側変位センサ411、412の測定位置で変位する量を
Uとすると、各変位量T、Uは、次式から求められる。
【0026】すなわち、T=d×A÷R …(1)、U
=d×C÷R …(2)となる。但し、この場合、点P
は、工作物32の表面における中心点とし、dは、工作
物32を傾斜させたときに点Pの直上方の端部Mが、Z
軸方向に変位する距離であり、図3において左方向に傾
斜したときに正(図3中のM点の実線から点線への傾斜
方向)、右方向に傾斜したときに負の値をとるものとす
る。この距離dは、工作物32の傾斜量を示すパラメー
タの一例であり、工作物32を傾斜させて形状修正を行
う際の修正量に対応している。また、点Pから前側第1
及び第2変位センサ401、402の測定位置までのZ
軸方向の距離をA、点Pから後側第1及び第2変位セン
サ411、412までの距離をC、点Pから端部Mまで
の距離(半径)をRとする。
【0027】図4は、円筒形状の工作物29を回転軸3
6に取付けた場合のスピンドル本体70を拡大して表し
たものである。円筒穴29aを有する工作物29を取り
付けた場合、工作物29をその中心点P′を回転中心と
して図4に点線で示すように傾斜させると、各変位量
T、Uは、次式で求められる。なお、図4中の点線は、
本来、点SP′QGをつなぐ線上となるが、ここでは工
作物29の傾きを強調するためずらしてある。
【0028】 T=2×d′×A′÷B…(3)、U=2×d′×C′÷B…(4) 但し、Bは円筒穴29aにおける被加工部分の長手方向
(Z軸方向)の長さ、d′は工作物29の端部における
X軸方向への変位量を示しており、図3に示した修正量
としての距離dに対応している。また、A′やC′は、
図3のAやCにそれぞれ対応している。
【0029】本実施例のスピンドル装置は、図1に示す
ように、式(1)、あるいは式(3)の演算を行うオフ
セット用第1演算器56と、式(2)、あるいは式
(4)の演算を行うオフセット用第2演算器60とを備
えている。演算器56、60は、例えば、操作者によっ
て所定の演算モードが選択されることで、回転軸36に
取付けられる工作物の形状に応じた演算式を実行するよ
うになっている。すなわち、円盤形状の工作物32が取
り付けられたときには、それぞれ式(1)と式(2)
を、円筒形状の工作物29が取り付けられたときには、
それそれ式(3)と式(4)を実行する。
【0030】演算器56、60には、修正量設定器62
と形状測定器64がそれぞれ接続されている。修正量設
定器62は、予め測定しておいた工作物32や工作物2
9の形状から求めた修正すべき量、すなわち距離d、あ
るいは距離d′の数値が、操作者によって入力されるこ
とで、これをオフセット用第1及び第2演算器56、6
0に供給するものである。この修正量設定器62として
は、例えば、パーソナルコンピュータのキーボード等を
用いる。
【0031】形状測定器64は、スピンドル装置を用い
て加工した後の工作物32における平面度や工作物29
の円筒度等を測定して、修正量としての距離dや距離
d′の値を求めてオフセット用第1及び第2演算器5
6、60に供給するものである。本実施例では、スピン
ドル装置を用いて複数の工作物を順次連続的に加工する
場合において、形状測定器64が、加工(修正)後の工
作物の形状を常時検査することで、オフセット用第1及
び第2演算器56、60に供給される距離d、d′の値
が実際の加工状態に応じた最適の値になるようになって
いる。
【0032】工作物32の平面度等の測定は、例えば、
レーザを用いて行う。また、円筒形状の工作物29の円
筒度等を測定する場合は、空気ノズルから噴出させる空
気の背圧・空気量を基にノズルと測定対象物との隙間を
測定するエアマイクロメータや、2分割された棒状の測
定子を穴の内周面に接触させることで、測定子の開閉状
態から内径を測定するボアゲージ等の測定器を用いる。
【0033】本実施例では、操作者が修正量設定器62
と、形状測定器64のいずれかを選択することで、これ
らのうちの一方から距離dあるいは距離d′の値が、オ
フセット用演算器56、60に供給されるようになって
いる。なお、スピンドル装置は、これら修正量設定器6
2と形状測定器64のいずれか一方を備えた構成であっ
てもよい。
【0034】オフセット用演算器56、60は、以上の
修正量設定器62、あるいは形状測定器64から、距離
dまたは距離d′の値が供給されることで、式(1)、
(2)または式(3)、(4)をそれぞれ実行し、求め
た変位量T、Uに対応する変位信号(以下、「オフセッ
ト信号」という)を、前側第1制御部431の演算器4
4aと、オフセット用第2演算器60は後側第1制御部
451の演算器44bとにそれぞれ供給するようになっ
ている。
【0035】演算器44aは、オフセット用第1演算器
56から供給されたオフセット信号と、センサ信号調整
器42aからの変位信号とを加算し、後側第1制御部4
51の演算器44bは、オフセット用第2演算器60か
らのオフセット信号と、センサ信号調整器42bからの
変位信号とを加算するようになっている。
【0036】これら各演算器44a、44bにおける加
算処理によって、前側第1制御部431及び後側第1制
御部451では、実際に検出される回転軸36の位置よ
りも、それぞれ変位量T、Uだけずれた位置に、回転軸
36が位置しているものとして、回転軸36の浮上位置
を制御するようになっている。すなわち、各制御部43
1、451による回転軸36の保持位置が、基準信号S
1、S2の指令位置から変位量T、U分オフセットさ
れ、回転軸36が点Pを中心に距離dまたは距離d′分
傾斜するようになっている。
【0037】また、図示しないが、本実施例では、前側
第2制御部432や後側第2制御部452に対しても、
オフセット用演算器56、60と同様に式(1)、
(2)及び(3)、(4)をそれぞれ実行する2つ演算
器(以下、これらをそれぞれ「オフセット用第3演算
器」、「オフセット用第4演算器」という)が設けられ
ている。これらオフセット用第3及び第4演算器に対し
ても、修正量設定器62、あるいは形状測定器64か
ら、工作物32の修正量(以下、これを距離d、d′と
区別するため、特に「距離e、e′」という)の値が供
給されるようになっている。従って、図1において紙面
に垂直方向にも、回転軸36の保持位置をオフセットで
き、工作物を所望の方向に傾斜させることができるよう
になっている。
【0038】但し、工作物32を傾斜させる方向に応じ
て、各軸でのオフセット量は、異なってくるので、本実
施例では、修正量設定器62、あるいは形状測定器64
が、距離d(あるいは距離d′)と距離e(あるいは距
離e′)の値を、工作物32を傾斜させる方向に応じ
て、各々独立した値としてオフセット用第1及び第2演
算器56、60とオフセット用第3及び第4演算器に供
給するようになっている。
【0039】なお、回転軸36は、図示しないモータに
よって回転駆動されるようになっている。次に、このよ
うに構成された実施例の動作について説明する。なお、
以下の説明では、図4に示したように、円筒形状の工作
物29を回転軸36に取付けた場合の動作を例に説明す
る。
【0040】図5は、チャック34に取付けられた工作
物28をZ軸方向から見た場合の、各部の位置関係を表
したものである。工作物を図10に示した円筒形状の工
作物29とした場合、回転軸36の傾斜動作をさせる軸
受位置は、一般に図5に矢印V、Wで示すように、工作
物29と砥石72が接触するX軸から45°方向の位置
になる。また、回転中心としての点P′は、図5に示す
工作物の半径方向における中心で、Z軸方向(図5の紙
面と垂直方向)の加工長さの中央に位置している。
【0041】先ず、点P′を回転中心として工作物29
を水平方向(Y軸まわりのX軸方向)に傾斜させる場合
について説明する。図6は、工作物29が円筒砥石72
に対し傾斜している場合の研削状態を表したものであ
る。
【0042】この研削は、円筒工作物29の内面を砥石
72が回転Z軸方向(図6中左右長手方向)に往復動し
ながら加工を行う内面研削の例である。この例では、工
作物の回転中心軸Jが、砥石72の回転中心Kと往復運
動軸線Iに対し傾斜している。この状態で加工を行う
と、円筒穴29aは、図6に示すような円錐状の、円筒
度の悪い形状に加工される。
【0043】そこで、この工作物29の加工後に、例え
ば、その長手方向2点の直径寸法(図6中E及びF)を
操作者が測定して修正量設定器62に入力したり、ある
いは、形状測定器64がE及びFを測定すると、本実施
例のスピンドル装置では、各オフセット用演算器56、
60等が、前述の式(3)、(4)をそれぞれ実行し、
オフセット量である変位量T、U等を算出する。
【0044】但し、修正量を示すパラメータとしての距
離d′は、この場合、d′=(F−E)÷4…(5)で
あるので、FとEを形状測定器64で測定した場合に
は、演算器56、60は、式(5)からd′をまず求め
て式(3)、(4)を実行する。一方、操作者によって
修正量設定器62にEとFの値が入力された場合には、
修正量設定器62が式(5)から距離d′を求めて、演
算器56、60に供給し、演算器56、60は、式
(3)、(4)のみを実行するようにしてもよい。ま
た、演算器56、60は、式(5)を式(3)、(4)
にそれぞれ代入して得られる、T=(F−E)×A′÷
2B、U=(F−E)×C′÷2Bを実行するように予
めプログラミングされていてもよい。
【0045】ところで、各軸受は、図2に示すようにX
軸方向に対して45°傾いた方向にあるため、実際に各
軸受に供給される変位量は、T/√2、U/√2等とな
る。このとき、前側軸受用の電磁石に供給されるオフセ
ット量は、絶対値が等しく、オフセット方向の正負は、
電磁石383と382のペアーで等しく、電磁石381
と384のペアーで等しい。また、各ペアーで正負は逆
になる。
【0046】後側電磁石も前側電磁石と同様である。演
算器56、60等で算出された変位量T、Uは、各制御
部431、432、451等の演算器44a、44b等
に供給する。これにより、各制御部431、432、4
51等では、回転軸36の保持位置がオフセットされ、
回転軸36は、各変位センサ401、403等の測定位
置において、変位T、U等の分、移動した位置に浮上保
持される。すなわち、工作物29が、点P′を中心とし
て水平方向に傾斜する(図13(B)参照)。
【0047】次に、この傾斜した状態で、図示しないモ
ータにより回転軸36を回転駆動し、更に、回転する円
筒砥石72を工作物29の円筒穴29aの内周面にX軸
方向に接触させて図5に示すように内面研削を行う。工
作物29の円筒穴29aが、図6に示すような開口側で
径を大きくする形状を有し、円筒度が悪い場合、前述し
たような回転軸36の傾斜で、図6において斜線部分が
円筒砥石72によって研削される。従って、円筒穴29
aは、最終的に図6に点線で示すような形状に修正さ
れ、円筒度が改善される。
【0048】次に、点P′を回転中心として回転軸36
を鉛直方向(Y軸方向)に傾斜させる場合について説明
する。この砥石切り込み方向に対して鉛直方向に傾斜さ
せる場合は、特に加工対象が工作物の長穴内径加工の真
直度改善に有効な手段である。
【0049】長穴内面研削加工の場合、円筒砥石72を
工作物29の内周面のX軸方向に接触させて内面研削を
行うと加工後の加工面長手方向の真直度は、開口部と最
奥部の直径が小さく、中央部で直径が大きい、たる形状
になることが知られている。そこで、この工作物29を
鉛直方向に傾斜させた状態で研削を行うと、円筒砥石7
2は、図7に示すように、その前後の斜線で示したK部
及びJ部で、円筒穴29aの内周面に接触する。但し、
K部は、円筒砥石72の図面奥側の周面であり、J部
は、手前の周面である。
【0050】これらK部及J部によって、工作物29の
円筒穴29aは、図8で示す形状になるように研削され
る。従って、工作物28の円筒穴28aが、例えば、修
正前に図9に示すようなたる形状であった場合、略点線
で示すような形状に修正され、円筒度及び真直度が改善
される。
【0051】このとき、前側軸受用の電磁石に供給され
るオフセット量は、絶対値が等しく、オフセット方向の
正負は、図2中の電磁石381と383のペアーで等し
く、電磁石382と384のペアーで等しい。また、各
ペアーで正負は逆になる。後側電磁石も前側電磁石と同
様である。
【0052】以上説明したように、本実施例のスピンド
ル装置によれば、ラジアル磁気軸受による回転軸36の
保持位置をオフセットすることで、例えば、工作物の加
工中心を回転中心として回転軸36を傾斜させることが
できるので、位置ずれすることなく工作物が傾斜する。
従って、正確な修正を行うことができる。
【0053】また、本実施例では、nm単位で回転軸3
6の位置制御を行うことができる磁気軸受を用いて工作
物を傾斜させるので、極めて微細な修正を正確に行うこ
とができる。本実施例では、形状測定器64によって、
加工後の工作物の修正状態をフィードバックするように
しているので、実際の修正状態に則した最適の値の修正
量(平面加工時の距離d(d′)、e(e′)や、円筒
内面加工時の直径寸法E、F)を得ることができる。従
って、常に正確な修正を行うことができる。
【0054】また、前側第1制御部431及び後側第1
制御部451をオフセットするためのオフセット用第1
及び第2演算器56、60と、前側第2制御部432及
び後側第2制御部をオフセットするためのオフセット用
第3及び第4演算器とを備え、これらに、修正量をそれ
ぞれ独立した値として供給するようにしたので、回転軸
36を所望の方向に傾斜させることができる。従って、
円筒形状の工作物29の内面研削をする場合において、
円筒砥石72と円筒穴29a内周面との接触位置に応じ
て、所定の方向に工作物29を傾斜させることで、円筒
度と真直度を修正することができる。
【0055】なお、以上の実施例では、式(1)、
(2)、あるいは式(3)、(4)によって磁気軸受の
オフセット量T、Uを求めるようにしたが、他の方法で
求めるようにしてもよい。例えば、修正量として、工作
物を傾斜させる角度θを用い、T=Atanθ、U=C
tanθの式で求めてもよい。
【0056】また、センサ信号調整器42a、42b等
からの変位信号にオフセット信号を加えることで、各制
御部431、432、451等による保持位置をオフセ
ットするようにしていたが、他の方法でオフセットを行
ってもよい。例えば、基準信号S1、S2等からオフセ
ット信号を減算して、基準信号S1、S2等が指令する
位置を変更することで、オフセットしてもよい。
【0057】以上の実施例では、点Pや点P′の位置を
工作物の中心としたが、修正すべき工作物の形状に応じ
て、他の位置にしてもよい。この場合、例えば、式
(1)、(2)、式(3)、(4)のAやC等の値を変
更すれば、所望の位置を回転中心とすることができる。
【0058】また、以上の実施例では、工作物を回転さ
せるためのスピンドル装置において、回転軸36を傾斜
させることで、工作物の形状修正を行うようにしていた
が、本発明は、砥石を回転させるためのスピンドル装置
においても適用可能である。
【0059】
【発明の効果】本発明のスピンドル装置によれば、工作
物の大きさや形状に対応して正確に微小な修正を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるスピンドル装置の構成
を示したも説明図である。
【図2】同装置における電磁石の配置を示した説明図で
ある。
【図3】同装置におけるスピンドル本体を拡大して示し
た説明図である。
【図4】同装置におけるスピンドル本体を拡大して示し
た説明図である。
【図5】同装置において円筒形状の工作物の形状修正を
行う場合の各部の位置関係を示した説明図である。
【図6】同装置の回転軸を傾斜させて研削を行った場合
の研削状態の一例を示した説明図である。
【図7】同装置の回転軸を傾斜させて研削を行った場合
の研削状態の他の例を示した説明図である。
【図8】図7に示した研削状態において工作物が研削さ
れる形状を示した説明図である。
【図9】工作物の形状の一例を示した図である。
【図10】(A)は、従来のスピンドル装置の平面図、
(B)は、同側面図である。
【図11】円筒穴を有する工作物の形状を示した断面図
である。
【図12】従来のスピンドル装置において工作物を傾斜
させた場合の位置変化を示した説明図である。
【図13】工作物を傾斜させたときの位置変化の一例を
示した説明図である。
【符号の説明】
32、29 工作物 34 チャック 36 回転軸 42a、42b センサ信号調整器 44a、44b 演算器 46a、46b 演算器 48a、48b PID補償器 50a、50b 位相反転器 52、53 電力増幅器 56 オフセット用第1演算器 60 オフセット用第2演算器 62 修正量設定器 64 形状測定器 70 スピンドル本体 381 前側第1電磁石 382 前側第2電磁石 383 前側第3電磁石 384 前側第4電磁石 391 後側第1電磁石 392 後側第2電磁石 393 後側第3電磁石 394 後側第4電磁石 401 前側第1変位センサ 402 前側第2変位センサ 403 前側第3変位センサ 404 前側第4変位センサ 411 後側第1変位センサ 412 後側第2変位センサ 413 後側第3変位センサ 414 後側第4変位センサ 431 前側第1制御部 432 前側第2制御部 451 後側第1制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16C 32/06 A // B23Q 17/20 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物と工具のいずれか一方が固定物と
    して固定される回転軸と、 この回転軸を磁力により径方向に浮上保持するラジアル
    磁気軸受と、 前記回転軸をその長手方向における所定の点を回転中心
    として傾斜させたときの前記ラジアル磁気軸受での変位
    量を算出する変位量算出手段と、 この変位量算出手段によって算出された変位量分、前記
    ラジアル磁気軸受が保持する前記回転軸の浮上位置を変
    更する浮上位置変更手段とを具備することを特徴とする
    スピンドル装置。
  2. 【請求項2】 前記固定物として円筒穴を有する工作物
    が前記回転軸に固定されて内面研削される場合に、前記
    浮上位置変更手段は、内面研削を行う砥石と前記円筒穴
    の内周面との接触位置における接線方向及び法線方向の
    少なくとも一方の方向に、前記浮上位置の変更を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載のスピンドル装置。
  3. 【請求項3】 前記工作物の形状を測定する形状測定手
    段を備え、 前記変位量算出手段は、前記形状測定手段の測定値に応
    じて前記回転軸を傾斜させたときの前記ラジアル磁気軸
    受での変位量を算出することを特徴とする請求項1記載
    のスピンドル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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