JPH0898253A - 移動体通信システム - Google Patents

移動体通信システム

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JPH0898253A
JPH0898253A JP23508994A JP23508994A JPH0898253A JP H0898253 A JPH0898253 A JP H0898253A JP 23508994 A JP23508994 A JP 23508994A JP 23508994 A JP23508994 A JP 23508994A JP H0898253 A JPH0898253 A JP H0898253A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の地上局が隣接して設けられた移動体通
信システムにおいて、移動体が何れかの地上局の通信エ
リアに入った場合に、移動体に搭載された応答機がその
通信エリアの地上局と確実に通信できるようにする。 【構成】 隣接した2つの車路が存在する場合、各車路
に地上局A,Bを夫々設けて、各車路を通過する自動車
を監視するシステムにおいて、地上局A,Bからのデー
タ送信を時分割で行ない、しかも送信時には、常に、送
信データの前にパイロット信号を付加する。一方、応答
機側では、パイロット信号を受信する度に、その受信レ
ベルから何れかの地上局の通信エリアに入ったか否かを
判断し、通信エリアに入ったと判断すると、応答機が通
信エリアから脱出するまで通信装置に電源供給を行な
う。また、通信エリアに入ったと判断する度に、その後
地上局からデータが送信される一定時間だけ、通信装置
の受信動作を許可する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体が通過する領域
を複数に分割した通信エリア毎に地上局を構成する通信
装置を設け、各通信装置から時分割にて起動用のパイロ
ット信号を送信して、各通信エリアに進入した移動体に
搭載された応答機を起動させることにより、地上局側の
通信装置とその通信装置の通信エリアに入った応答機と
の間で所定のデータ通信を開始するようにした移動体通
信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、移動体通信システムの一つと
して、移動体に搭載された応答機側での電力消費量を低
減するために、地上に設置された地上局側から起動用の
パイロット信号を送信し、応答機側で、所定レベル以上
のパイロット信号を受信したときに、移動体が地上局と
の通信が可能な通信エリア内に入ったと判断して、内部
の通信回路を起動するようにしたものが知られている。
【0003】また、この種の移動体通信システムでは、
応答機側で通信回路を起動したとき、地上局側でその旨
を検知しなければ、応答機との通信を開始できない。そ
こで従来より、例えば図7(a)に示す如く、地上局側
では、上記パイロット信号と共に、通信回路を起動した
応答機側からその旨を表す応答信号(例えば応答機の種
別等を表わす情報)を送信させるための質問信号(デー
タ1)を送信し、通信回路を起動した応答機側では、こ
の質問信号を受信して、それに対応した応答信号(デー
タ2)を返信するようにされている。そして、地上局側
では、この応答信号を受信すると、この応答信号から通
信エリア内に入った応答機を識別し、この応答機との間
で所定のデータ通信(図7に示すデータ3,4,5,6
…のやり取り)を実行する。
【0004】一方、このような移動体通信システムで
は、地上局と応答機とが1対1でしか通信できなければ
問題ないのであるが、例えば、有料道路の料金課金シス
テムのように、自動車が通過するゲートが多数あり、各
ゲートを通過する自動車に対して各々課金処理を行なう
ために各ゲートに地上局を設けた場合には、各地上局の
通信エリアが重なってしまうため、各地上局と各ゲート
を通過する自動車に搭載された応答機との間で混信が生
じ、通信不能となることがある。
【0005】そこで従来より、このように複数の地上局
が隣接して配置された移動体通信システムにおいては、
各地上局からの信号の送信期間を時分割することが考え
られている。つまり、地上局からの信号の送信期間を時
分割することにより、パイロット信号を受信して通信回
路を起動した応答機側にて、パイロット信号を送信した
地上局からの質問信号のみを受信して、応答信号を送信
できるようにするのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
対策では、応答機側にて通信回路を起動した後、パイロ
ット信号を送信した地上局からの質問信号を受信できれ
ばよいが、その質問信号の受信に失敗すると、応答機は
パイロット信号を送信した地上局との通信を実行できな
くなってしまうといった問題があった。
【0007】例えば、図7(b)に示す如く、隣接する
2つの地上局A,Bが時分割でパイロット信号A,B及
び質問信号としてのデータA1,B1を送信するように
した場合、応答機が地上局Aの通信エリア内に入って、
パイロット信号Aにより通信回路を起動した後、地上局
Aからの質問信号(データA1)の受信に失敗すると、
地上局Aは、質問信号の待機状態となるため、その後、
地上局Bから送信されてくる質問信号(データB1)を
受信して、応答信号(データA2)を送信するようにな
る。
【0008】そしてこの場合、応答機からの送信電波が
強ければ、応答信号(データA2)が通信エリアの異な
る地上局Bにて受信され、応答機と地上局Bとの間で、
誤った通信が行なわれ、応答機からの送信電波が弱けれ
ば、図7(b)に示すように、応答機からの応答信号
(データA2)は、何れの地上局にも受信されず、その
後、応答機は、質問信号(データB1)の受信及び応答
信号(データA2)の送信を繰返し実行することにな
る。
【0009】なお、このような問題が生じるのは、一般
的に、地上局と応答機との間の通信可能エリアは、地上
局から応答機側への通信可能エリア(ダウンリンクエリ
ア)の方が、応答機から地上局側への通信可能エリア
(アップリンクエリア)よりもかなり広いためであり、
通常は、上記のように応答機が通信エリアの異なる地上
局Bからの質問信号(データB1)を受信して応答信号
(データA2)を送信しても、この応答信号(データA
2)が地上局Bにて受信されることはなく、図7(b)
に示すように、応答機が質問信号(データB1)の受信
及び応答信号(データA2)の送信を繰り返すようにな
る。
【0010】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、上記のように複数の地上局が隣接して設けら
れた移動体通信システムにおいて、移動体が何れかの地
上局の通信エリアに入った場合に、その移動体に搭載さ
れた応答機がその通信エリアの地上局と確実に通信でき
るようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、移動体が通過す
る領域を複数に分割した通信エリアに夫々設けられ、移
動体に搭載された移動通信手段を起動するためのパイロ
ット信号と該移動通信手段から応答信号を送信させるた
めの質問信号とが順に連続するリンク信号を送信すると
共に、該リンク信号の送信後に上記応答信号を受信する
と、該応答信号を送信した移動通信手段との間でデータ
通信を行なう複数の固定通信手段と、上記各固定通信手
段からの上記リンク信号及びデータの送信を時分割に実
行させる送信タイミング制御手段とを備えた地上局と、
上記移動体に設けられ、上記固定通信手段から送信され
てくる質問信号及びデータを受信し、該受信信号に対応
した応答信号或はデータを送信する移動通信手段と、上
記固定通信手段から送信されてくるパイロット信号を受
信し、該パイロット信号が所定レベル以上であるとき、
当該移動体が上記通信エリアに進入したことを判定する
判定手段と、該判定手段にて当該移動体が上記通信エリ
アに進入したと判定されると、上記移動通信手段を起動
させる起動手段とを備えた応答機と、により構成される
移動体通信システムにおいて、上記各固定通信手段を、
上記データ通信時に、送信すべきデータの前に上記パイ
ロット信号を付加した通信信号を送信するよう構成する
と共に、上記応答機に、上記判定手段が上記パイロット
信号を受信して当該移動体が上記通信エリアに進入した
と判定すると、その後上記固定通信手段が上記質問信号
又はデータを送信する所定時間だけ上記移動通信手段の
受信動作を許可し、所定時間経過後は、上記移動通信手
段の受信動作を禁止する受信時間制限手段を設けたこと
を特徴としている。
【0012】また請求項2に記載の発明は、上記請求項
1に記載の移動体通信システムにおいて、地上局を構成
する上記各固定通信手段は、上記パイロット信号とし
て、所定時間間隔で所定回起動用搬送波を送信し、応答
機を構成する上記判定手段は、上記起動用搬送波を検波
・増幅する信号処理手段と、該信号処理手段からの出力
信号とレベル判定用の基準値とを大小比較して、上記起
動用搬送波のレベルに対応したパルス幅のパルス信号を
生成するレベル判定手段と、該レベル判定手段にて生成
されたパルス信号を、一定パルス幅の起動判定用のパル
ス信号に変換する判定パルス生成手段と、該判定パルス
生成手段から出力されるパルス信号を積分する積分手段
と、積分手段による積分値が起動判定用の基準値以上と
なったときに、移動体が通信エリアに進入したことを判
定する起動判定手段と、を備えたことを特徴としてい
る。
【0013】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された請求項
1に記載の移動体通信システムにおいて、地上局側で
は、移動体が通過する領域を複数に分割した通信エリア
毎に固定通信手段が設けられており、送信タイミング制
御手段が、これら各固定通信手段からの送信を時分割に
実行させる。
【0014】また、各固定通信手段は、通常、送信タイ
ミング制御手段にて時分割された送信タイミング毎に、
移動体に搭載された移動通信手段を起動するためのパイ
ロット信号とこの移動通信手段から応答信号を送信させ
るための質問信号とが順に連続するリンク信号を送信す
る。
【0015】また更に、各固定通信手段は、リンク信号
の送信後に、移動通信手段側から送信されてくる応答信
号を受信すると、その後、送信タイミング制御手段にて
設定される送信タイミング毎に、パイロット信号を付加
したデータを送信することによって、応答信号を送信し
てきた移動通信手段との間でデータ通信を行なう。
【0016】一方、移動体に設けられた応答機側では、
まず判定手段が、地上局を構成する固定通信手段から送
信されてくるパイロット信号を受信し、そのパイロット
信号が所定レベル以上であるときに、当該移動体が地上
局を構成する何れかの固定通信手段の通信エリアに進入
したことを判定する。そして、この判定手段にて、当該
移動体が通信エリアに進入したと判定されると、移動通
信手段を起動させる。
【0017】移動通信手段は、起動後、固定通信手段か
ら送信されてくる質問信号及びデータを受信し、受信信
号に対応した応答信号或はデータを送信するが、質問信
号或はデータの受信時間は、受信時間制限手段によっ
て、判定手段がパイロット信号を受信して当該移動体が
通信エリアに進入したと判定した後、パイロット信号を
送信した固定通信手段が質問信号又はデータを送信する
所定時間だけに制限される。
【0018】つまり、本発明では、地上局を構成する各
固定通信手段が、質問信号やデータ通信のためのデータ
を送信するときに、常にパイロット信号を付加した信号
を送信するようにし、応答機側では、判定手段が、その
送信信号に付されたパイロット信号を受信して、地上局
との通信が可能になったと判断したときに移動通信手段
を起動するだけでなく、その後、所定時間だけ移動通信
手段の受信動作を許可して応答信号を受信させ、更に、
こうした移動通信手段の起動及び応答信号受信のための
受信動作の許可後は、判定手段がパイロット信号を受信
して地上局との通信が可能になったと判断する度に、所
定時間だけ移動通信手段の受信動作を許可することによ
り、移動通信手段が、移動体が進入した通信エリアに設
けられた固定通信手段からの送信信号のみを受信するよ
うにしているのである。
【0019】このため、本発明によれば、移動通信手段
側で、データ通信を実行すべき固定通信手段からパイロ
ット信号に続いて送信されてくる送信信号(つまり質問
信号或はデータ)の受信に失敗し、その信号に対応した
応答信号或はデータを送信できなかった場合にも、デー
タ通信を実行すべき固定通信手段から次の送信タイミン
グで送信されてくる送信信号を確実に受信することがで
きるようになる。
【0020】従って、本発明によれば、移動通信手段
が、パイロット信号に付された応答信号等の受信に失敗
したとしても、従来装置のように、移動体が進入した通
信エリアとは異なる他の固定通信手段との間で誤ったデ
ータ通信を実行してしまうとか、他の固定通信手段から
送信されてきた質問信号の受信及び応答信号の送信を繰
返し実行するようになる、といったことはなく、移動体
が進入した通信エリアの固定通信手段との間で、正確な
データ通信を実行することが可能になる。
【0021】また次に、請求項2に記載の移動体通信シ
ステムにおいては、地上局を構成する各固定通信手段
が、パイロット信号として、所定時間間隔で所定回起動
用搬送波を送信する。一方、応答機側の判定手段では、
まず、信号処理手段が、パイロット信号として地上局側
から送信されてくる起動用搬送波を検波・増幅し、レベ
ル判定手段が、この信号処理手段からの出力信号とレベ
ル判定用の基準値とを大小比較して、起動用搬送波のレ
ベルに対応したパルス幅のパルス信号を生成する。そし
て、判定パルス生成手段が、この生成されたパルス信号
を、一定パルス幅の起動判定用のパルス信号に変換し、
積分手段が、この一定パルス幅に変換された積分し、起
動判定手段が、この積分手段による積分値が起動判定用
の基準値以上となったときに、移動体が通信エリアに進
入したことを判定する。
【0022】これは、移動体が通信エリアに進入したこ
とを判定するに当たって、パイロット信号の受信レベル
を単に判定するようにした場合、パイロット信号の受信
信号にノイズ等が重畳されたときに、通信エリアへの進
入を誤判定してしまうことがあるからである。
【0023】すなわち、ノイズは、周期的に変化するよ
うなことはなく、そのレベルがいくら大きくても、上記
レベル判定手段によってパルス信号が周期的に生成され
ることはない。そこで本発明では、地上局を構成する各
固定通信装置から、パイロット信号として、所定の起動
用搬送波を複数回所定時間間隔で送信させ、応答機側で
は、起動用搬送波を検波・増幅する信号処理手段からの
出力信号を、レベル判定手段によりレベル判定し、その
結果得られたパルス信号を一定パルス幅のパルス信号に
変換して、そのパルス信号を積分することにより、レベ
ル判定手段によってパルス信号が所定時間間隔で所定個
数以上繰返し生成された場合にだけ(換言すれば固定通
信手段から送信されてきた所定レベル以上のパイロット
信号を受信している場合にだけ)、起動判定用の基準値
以上となる積分値を生成し、この積分値と起動判定用の
基準値とを比較することにより、移動体が通信エリアに
入ったか否かを判断するようにしているのである。
【0024】このため、本発明によれば、応答機におい
て、判定手段により、移動体が地上局を構成する何れか
の固定通信手段の通信エリアに入ったことを正確に判定
して、移動通信手段の起動及び移動通信手段の受信動作
を必要最小限に抑えることができる。従って、本発明に
よれば、パイロット信号を検波・増幅した信号レベルと
基準レベルとの比較のみによって通信エリアへの進入を
判定する場合に比べて、移動通信手段の電力消費量をよ
り低減することが可能になる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の実施例として、有料道路を
走行した自動車に対して通行料金を課金するための有料
道路課金システムに本発明を適用した場合について説明
する。なお、以下の説明において、図1は自動車に搭載
される応答機の構成を表し、図2は有料道路課金システ
ムを構成する地上局の構成を表している。
【0026】図2に示す如く、本実施例の地上局は、有
料道路の出・入口に形成された多数の車路L1,L2,
…,Lnの各々に設けられ、各車路L1,L2,…,L
nを通信エリアとして、対応する車路L1,L2,…,
Lnを通過する自動車に搭載された応答機との間で所定
のデータ通信を行なうための複数のアンテナ2-1,2-
2,…,2-nと、各アンテナ2-1,2-2,…,2-nを介
して応答機との間でデータ通信を行なうための固定通信
手段としての複数のデータ送・受信部4-1,4-2,…,
4-nと、これら各データ送・受信部4-1,4-2,…,4
-nから、所定時間毎に順次、応答機起動のためのパイロ
ット信号及びデータを送信させる通信制御部6とから構
成され、更に、この通信制御部6には、応答機との通信
により得られたデータに基づき、請求書の発行等を行な
うための課金装置(ホストコンピュータ)8が接続され
ている。
【0027】ここで、通信制御部6は、送信タイミング
制御手段に相当し、上記各データ送・受信部4-1,4-
2,…,4-nを所定時間毎に時分割でデータの送信動作
を実行させると共に、そのデータ送信によって各データ
送・受信部4-1,4-2,…,4-nが応答機からのデータ
を受信すると、その受信データを読み込んで、その受信
データに対応して、データを受信したデータ送・受信部
4-1,4-2,…,4-nからの送信データを制御すること
により、各データ送・受信部4-1,4-2,…,4-nとそ
れに対応する車路L1,L2,…,Lnを通過する応答
機との間でデータ通信を実行させるためのものであり、
CPU,ROM,RAM等からなる1チップのマイクロ
コンピュータにより構成されている。
【0028】そして、各データ送・受信部4-1,4-2,
…,4-nが応答機とのデータ通信を開始していないとき
には、データの送信タイミングとなっている何れかのデ
ータ送・受信部4に対して、まず、一定時間(本実施例
では1msec.)の間、10kHz(1周期:0.1mse
c.)のパルス信号を出力することにより、データ送・受
信部4から、アンテナ2を介して、このパルス信号に対
応したパイロット信号を送信させ、その後、このパイロ
ット信号を受信した応答機から応答信号を送信させるた
めの質問信号を送信させる。この結果、地上局側の各ア
ンテナ2-1,2-2,…,2-nからは、所定時間毎に、順
次、パイロット信号として、0.05msec.の間隔で合
計10回送信電波が放射されると共に、このパイロット
信号に続いて質問信号が送信されることになる。
【0029】また、こうした「パイロット信号+質問信
号」からなる信号(リンク信号)の送信によって、応答
機側から質問信号に対応した応答信号が送信され、デー
タ送・受信部4-1,4-2,…,4-nにて応答信号が受信
されると、その応答信号を読み込み、応答信号を受信し
たデータ送・受信部4から、応答信号に対応したデータ
を送信させることにより、そのデータ送・受信部4と応
答信号を送信してきた応答機との間でデータ通信を開始
させるが、このデータ通信時にも、各データ送・受信部
4-1,4-2,…,4-nからのデータの送信は、上記リン
グ信号の送信時と同様、一定時間毎に行ない、しかも、
上記と同様にパイロット信号を送信した後、データ通信
用のデータを送信させる。
【0030】なお、上記各データ送・受信部4-1,4-
2,…,4-nからパイロット信号に続いて送信させる質
問信号やデータは、100kHzの送信クロックに同期
したシリアルデータとして生成され、通信制御部6は、
この生成したシリアルデータを各データ送・受信部4-
1,4-2,…,4-nに出力することにより、アンテナ2-
1,2-2,…,2-nから、パイロット信号に比べて高速
に変化する信号をデータ信号として放射させる。
【0031】一方、自動車に搭載される応答機は、図1
に示す如く、通信用のアンテナ10と、車載バッテリを
電源として一定の電源電圧VCCを生成する電源部12
と、この電源部12から電源スイッチ14を介して電源
供給を受けることにより動作し、アンテナ10を介して
地上局との間でデータ通信を行なうための受信回路16
a及び送信回路16bからなる移動通信手段としてのデ
ータ送・受信部16と、同じく電源部12から電源スイ
ッチ14を介して電源供給を受けることにより動作し、
データ送・受信部16を制御して所定のデータを送受信
させる通信制御部18と、電源部12から直接電源供給
を受けることにより常時動作し、アンテナ10にて受信
されたパイロット信号の信号レベルに基づき、自動車
(つまり応答機)が地上局側の何れかのデータ送・受信
部4-1,4-2,…,4-nとのデータ通信が可能な通信エ
リア内に入ったか否かを判断し、通信エリア内に入った
と判断すると、起動信号VWU1 を出力して電源スイッチ
14をオンすると共に、データ送・受信部16内の受信
回路16aからの受信信号をアンドゲートANDを介し
て一定時間だけ通信制御部18に出力させる起動判別部
20とから構成されている。
【0032】なお、アンドゲートANDは、一方の入力
端に受信回路16aにて復調された地上局側からの質問
信号或はデータを受け、他方の入力端に起動判別部20
からの受信許可信号VWU2 を受けて、この受信許可信号
VWU2 がHighレベルであるときに、受信回路16aから
の出力データを通信制御部18に出力するものである。
【0033】また、通信制御部18は、地上局側の通信
制御部6と同様、CPU,ROM,RAM等からなる1
チップのマイクロコンピュータにより構成されており、
アンドゲートANDを介して入力される受信回路16a
からの出力データ(地上局側から送信されてきた質問信
号やデータ)に対応した応答用のデータをデータ送・受
信部16に出力することにより、送信回路16b及びア
ンテナ10を介して、その応答用のデータを地上局側に
送信させる。
【0034】次に、上記のように起動信号VWU1 及び受
信許可信号VWU2 を出力する起動判別部20は、本発明
の判定手段,起動手段及び受信時間制限手段を含むもの
であり、図3に示す如く構成されている。図3に示す如
く、起動判別部20は、アンテナ10からの受信信号を
検波する検波部22と、検波部22による検波後の受信
信号を増幅する増幅部24と、増幅部24にて増幅され
た受信信号とレベル判定用の基準電圧VTH1 とを比較し
て、受信信号が基準電圧VTH1 以上となったときにHigh
レベルの信号を出力するレベル判定部26と、レベル判
定部26から出力されるパルス信号の立ち上がり後、一
定時間だけHighレベルの信号(つまりパルス幅一定のパ
ルス信号)を発生する判定パルス生成部28と、この判
定パルス生成部28から出力されるパルス幅一定のパル
ス信号を積分する積分部30と、この積分部30による
パルス信号の積分値と起動判定用の基準電圧VTH2 とを
比較し、積分値が基準電圧VTH2 以上になったときに、
当該応答機が地上局との通信が可能な通信エリア内に入
ったと判断して、電源スイッチ14をオンするためのHi
ghレベルの駆動信号を発生する起動判定部32と、この
起動判定部32からの駆動信号を受けて上記電源スイッ
チ14をオンするための起動信号VWU1 を出力すると共
に、駆動信号の立ち下がり後も起動信号VWU1 を所定期
間継続して出力する起動手段としての第1出力部34
と、同じく、起動判定部32からの駆動信号を受けて受
信許可信号VWU2 を出力すると共に、駆動信号の立ち下
がり後も受信許可信号VWU2 を起動信号VWU1 よりも短
い所定時間継続して出力する受信時間制限手段としての
第2出力部36とから構成されている。
【0035】ここで、まず増幅部24は、図3に示すオ
ペアンプOP1からなる反転増幅回路を3段縦続するこ
とにより構成されている。そして各反転増幅回路は、オ
ペアンプOP1の反転入力端子に受信信号を入力するコ
ンデンサC1及び抵抗器R1と、オペアンプOP1の非
反転入力端子に電源電圧VCCを分圧した所定電圧を印加
する分圧抵抗器R4a,R4bと、オペアンプOP1の
出力端子に接続された出力抵抗器R3と、この抵抗器R
3の出力端とオペアンプOP1の反転入力端子を夫々接
続する帰還用の抵抗器R2及びコンデンサC2とによ
り、検波部22より入力される検波後の受信信号の内、
パイロット信号に対応した所定周波数帯(本実施例では
10kHz付近)の高周波信号を反転増幅して出力する
増幅回路として構成されている。
【0036】次に、増幅部24にて3段の反転増幅回路
により増幅された受信信号のレベル判定を行なうレベル
判定部26は、オペアンプOP2と、このオペアンプO
P2の反転入力端子に、電源電圧VCCを分圧した基準電
圧VTH1 を印加する分圧抵抗器R5,R6とにより構成
されたコンパレータからなっており、オペアンプOP2
の非反転入力端子に増幅部24から出力される受信信号
を受けて、この受信信号が基準電圧VTH1 以上であると
きHighレベル、受信信号が基準電圧VTH1 より小さいと
きにLow レベルとなるパルス信号を出力する。
【0037】また次に、判定パルス生成部28は、オペ
アンプOP3と、このオペアンプOP3の非反転及び反
転入力端子に夫々レベル判定部26からの出力パルスを
入力する入力抵抗器R7,R9と、オペアンプOP3の
非反転入力端子を接地する接地抵抗器R8と、オペアン
プOP3の反転入力端子に電源電圧VCCを印加する抵抗
器R10と、一端がオペアンプOP3の反転入力端子に
接続され他端が接地されたコンデンサC3とから構成さ
れている。
【0038】ここで、この判定パルス生成部28では、
レベル判定部26からの出力が安定している場合には、
オペアンプOP3の各入力端子は同レベルとなり、オペ
アンプOP3から信号は出力されない。ところが、レベ
ル判定部26からの出力がLow からHighレベルに変化す
ると(つまりパルス信号の立ち上がり時には)、コンデ
ンサC3を介して接地されたオペアンプOP3の反転入
力端子のレベルが、コンデンサC3の充電に要する時間
分だけ、非反転入力端子のレベルに対して一時的に低く
なるため、オペアンプOP3の出力は、そのレベル差に
より一定時間だけHighレベルとなる。一方、レベル判定
部26からの出力がHighからLow レベルに変化すると
(つまりパルス信号の立ち下がり時には)、コンデンサ
C3を介して接地されたオペアンプOP3の反転入力端
子のレベルが、非反転入力端子のレベルに対して一時的
に高くなるものの、オペアンプOP3からの出力はLow
レベルのまま変化せず、オペアンプOP3から信号が出
力されることはない。
【0039】従って、この判定パルス生成部28から
は、レベル判定部26からの出力パルスの立ち上がり
後、一定時間だけHighレベルの信号(パルス信号)が出
力されることになる。なお、このパルス信号の出力時間
(つまりパルス幅)は、抵抗器R9の抵抗値とコンデン
サC3の容量にて決定される時定数により決定され、常
に一定となる。
【0040】また次に、この判定パルス生成部28から
のパルス信号を受ける積分部30は、一端が判定パルス
生成部28の出力端子に接続された抵抗器R11と、こ
の抵抗器R11の他端にアノードが接続されて、判定パ
ルス生成部28側への電流の逆流を防止するダイオード
D1と、このダイオードD1のカソードに接続された接
地抵抗器R12と、この接地抵抗器R12に並列に接続
された充電用のコンデンサC4とから構成されている。
【0041】この積分部30においては、判定パルス生
成部28からHighレベルの信号(パルス信号)が出力さ
れると、この信号により、抵抗器R11を介してコンデ
ンサC4が充電され、その後、判定パルス生成部28か
らの出力がLow レベルとなると、コンデンサC4に充電
された電荷が抵抗器R12を介して放電されるが、本実
施例では、抵抗器R12の抵抗値は抵抗器R11の抵抗
値に対して、数十倍(例えば、抵抗器R11が30kΩ
であるのに対して、抵抗器R12が1MΩ)に設定され
ているため、パルス信号の立ち上がりによりコンデンサ
C4が速やかに充電され、パルス信号が立ち下がると、
その後除々に放電されることになる。従って、判定パル
ス生成部28から繰返しパルス信号が入力される場合に
は、コンデンサC4の端子電圧がそのパルス信号の入力
の度に上昇して行くことになる。
【0042】次に、起動判定部32は、オペアンプOP
4と、このオペアンプOP4の反転入力端子に、電源電
圧VCCを分圧した基準電圧VTH2 を印加する分圧抵抗器
R13,R14とにより、コンパレータとして構成され
ており、オペアンプOP4の非反転入力端子に、積分部
30からの出力電圧(つまりコンデンサC4の端子電
圧)を受けて、この電圧(換言すれば積分値)と基準電
圧VTH2 との大小判定を行なう。従って、起動判定部3
2からは、積分部30からの出力電圧が基準電圧VTH2
以上となったときにHighレベルの信号が出力されること
になる。
【0043】次に、このように起動判定部32からの出
力信号を受ける第1出力部34は、起動判定部32の出
力端子にアノードが接続された電流の逆流防止用のダイ
オードD2と、このダイオードD2のカソードと接地ラ
インとの間に設けられた比較的容量の大きいコンデンサ
C5とから構成されており、コンデンサC5の端子電圧
を、電源スイッチ14の駆動用の起動信号VWU1 として
出力する。
【0044】すなわち、第1出力部34は、起動判定部
32のオペアンプOP4からの出力信号がHighレベルと
なるったときに、この信号を電源スイッチ14をオンす
るための起動信号VWU1 として出力するだけでなく、こ
の信号により容量の大きなコンデンサC5を充電して、
オペアンプOP4の出力がLow レベルになった後も、少
なくとも地上局側の一つのデータ送・受信部4からの信
号の送信時間間隔以上の時間、起動信号VWU1 を出力し
続けるようにされている。
【0045】一方、第1制御部34と同様、起動判定部
32からの出力信号を受ける第2出力部36は、起動判
定部32の出力端子にアノードが接続された電流の逆流
防止用のダイオードD3と、このダイオードD3のカソ
ードと接地ラインとの間に設けられた比較的容量の小さ
いコンデンサC6とから構成されており、コンデンサC
6の端子電圧を、受信許可信号VWU2 として出力する。
【0046】すなわち、第2出力部36は、起動判定部
32のオペアンプOP4からの出力信号がHighレベルと
なったときに、この信号を受信許可信号VWU2 としてア
ンドゲートANDに出力するだけでなく、この信号によ
りコンデンサC5より容量の小さなコンデンサC6を充
電して、オペアンプOP4の出力がLow レベルになった
後も、地上局側からパイロット信号に続いて送信される
質問信号やデータの送信時間中だけ、受信許可信号VWU
2 を出力し続けるようにされている。
【0047】以上のように構成された本実施例の起動判
別部20においては、まず、自動車が有料道路の出・入
口に接近して、複数のデータ送・受信部4-1,4-2,
…,4-nの内の何れかのデータ送・受信部4との通信が
可能な通信エリアに入り、アンテナ10にて、そのデー
タ送・受信部4から時分割で周期的に送信されるパイロ
ット信号が受信されると、検波部22にて、その受信信
号が検波され、増幅部24からその検波後の受信信号が
3段階に反転増幅される。このため、図4に示す如く、
増幅部24からは、地上局からのパイロット信号の出力
に応じて、繰返し(本実施例では1msec.間に10回)
変化する信号が出力されることになる。
【0048】そして、レベル判定部26からは、この信
号が基準電圧VTH1 以上となったときにHighレベルとな
るパルス信号が出力され、更に判定パルス生成部28か
らは、このパルス信号の立ち上がり後、一定時間Highレ
ベルとなるパルス幅一定のパルス信号が出力されるた
め、積分部30のコンデンサC4の端子電圧は、このパ
ルス信号の入力数に応じて階段状に増加することにな
る。
【0049】一方、本実施例では、起動判定部32の基
準電圧VTH2 が、積分部30にパイロット信号所定個
(図では5個)分のパルス信号が入力されたときの積分
部30の出力電圧に略対応するように設定されており、
図4に示す如く、判定パルス生成部28から積分部30
に、パルス幅一定のパルス信号が、地上局からのパイロ
ット信号の送信周期に同期して、連続5個入力された時
点で、起動判定部32にてその旨が判定されて、起動判
定部32の出力がHighレベルとなる。
【0050】この結果、本実施例では、基準電圧VTH1
以上のパイロット信号が5個以上連続的に入力された場
合に、第1出力部34及び第2出力部36から、夫々、
起動信号VWU1 及び受信許可信号VWU2 が出力されて、
電源スイッチ14がオン状態となり、データ送・受信部
16及び通信制御部18が起動されると共に、アンドゲ
ートANDを介して、受信回路16aからの受信データ
が通信制御部18に出力されることになる。
【0051】また次に、パイロット信号は、各データ送
・受信部4-1,4-2,…,4-nから時分割にて周期的に
送信されるものであり、その送信個数が10個となった
時点で、次の送信タイミングまでの間は送信されてこな
くなるため、その後、積分部30のコンデンサC4に蓄
積された電荷は抵抗器R12を介して放電され、積分部
30からの出力電圧は基準電圧VTH2 を下回って、起動
判定部32からの出力信号はHighレベルからLow レベル
に反転する。
【0052】しかし、第1出力部34及び第2出力部3
6には、夫々、コンデンサC5,C6が設けられている
ため、コンデンサC5,C6には、起動判定部32から
の出力信号がHighレベルであるときに電荷が蓄積され、
起動判定部32からの出力信号がHighレベルからLow レ
ベルに反転しても、第1出力部34及び第2出力部36
は、その後、暫くの間は、コンデンサC5,C6に蓄積
された電荷によって起動信号VWU1 ,受信許可信号VWU
2 を夫々出力し続ける。
【0053】そして、第1出力部34のコンデンサC5
の容量は、少なくとも地上局側の一つのデータ送・受信
部4からの信号の送信時間間隔以上の時間、起動信号V
WU1を出力し続けることができるように、比較的大きい
値に設定されているため、第1出力部34からは、地上
局を構成する一つのデータ送・受信部4からのパイロッ
ト信号の出力停止によって、起動判定部32からの出力
信号がHighレベルからLow レベルに反転しても、その後
同じデータ送・受信部4から次にパイロット信号が出力
されるまでの間に、自動車がそのデータ送・受信部4と
の通信が可能な通信エリアから脱出しなければ、再び、
起動判定部32からの出力信号がHighレベルとなって、
コンデンサC5に電荷が充電されることになり、結局、
当該起動判別部20は、地上局を構成する何れかのデー
タ送・受信部4との通信が可能な通信エリアに入ると、
その後、この通信エリアから抜け出すまでは、起動信号
VWU1 を出力し続け、電源スイッチ14をオンして、デ
ータ送・受信部16及び通信制御部18の動作を継続さ
せることになる。
【0054】また、第2出力部36のコンデンサC6の
容量は、地上局側からパイロット信号に続いて送信され
る質問信号やデータの送信時間中だけ、受信許可信号V
WU2を出力し続けることができるように設定されている
ため、第2出力部36からは、地上局を構成する一つの
データ送・受信部4からのパイロット信号の出力停止に
よって、起動判定部32からの出力信号がHighレベルか
らLow レベルに反転しても、その後パイロット信号に続
いて送信されてくる質問信号やデータの送信時間中は、
第2出力部36からHighレベルの受信許可信号VWU2 が
出力されて、その時間中に受信回路16aにて受信され
たデータが、アンドゲートANDを介して通信制御部1
8に出力されることになる。
【0055】従って、本実施例によれば、応答機が地上
局を構成する何れかのデータ入・出力部4の通信エリア
に入って、応答機内のデータ送・受信部16及び通信制
御部18が起動されても、その後、データ入・出力部4
からパイロット信号と共に送信されてくる質問信号或は
データの送信期間中にだけ、受信回路16aによる受信
データが通信制御部18に入力され、それ以外の期間
は、データ送・受信部16及び通信制御部18が起動さ
れていても、受信データの通信制御部18への入力(換
言すれば応答機のデータの受信動作)が禁止されること
になる。
【0056】このため、本実施例によれば、応答機は、
通信エリアに入った地上局のデータ送・受信部4からの
送信データのみ受信して、そのデータに対応した応答用
のデータのみを送信するようになる。例えば、図5に示
す如く、地上局側のデータ送・受信部4及びアンテナ2
として、2個の地上局A,Bを備えたシステムにおい
て、応答機が地上局Aからのパイロット信号Aを受信し
て、応答機内の起動判定部20にてそのパイロット信号
Aから地上局Aの通信エリアへの進入が判定されて、起
動信号VWU1 により電源スイッチ14がオンされ、応答
機内のデータ送・受信部16及び通信制御部18が起動
された場合、データ送・受信部16及び通信制御部18
は、応答機がその通信エリアから脱出するまで電源供給
を受けて、動作可能状態になるが、アンドゲートAND
には、起動判別部20において、パイロット信号に基づ
き、地上局Aの通信エリアへの進入が判定される度に、
地上局Aからそのパイロット信号に続いて質問信号(デ
ータA1)やデータA3,データA5,…が送信されて
くる時間だけ、受信許可信号VWU2 が出力されるため、
通信制御部18は、このとき受信したデータA1,デー
タA3,データA5,…に対応した応答用のデータA
2,データA4,データA6,…のみを、送信回路16
bから送信させる。
【0057】このため、例えば、応答機側の受信回路1
6aにおいて、地上局側からパイロット信号に続いて送
信されてきたデータ(つまり質問信号或はデータ)の受
信に失敗し、その信号に対応した応答信号或はデータを
送信できなかった場合にも、応答機側で、次の送信タイ
ミングで地上局側から送信されてくるデータを受信し
て、正確なデータ通信を再開することができる。
【0058】一方、応答機において、アンテナ10や、
アンテナ10から起動判別部20への受信信号の入力経
路に、外部ノイズが入力された場合には、検波部22に
てそのノイズが受信信号として検波され、その検波され
たノイズが増幅部24にて増幅される。そして、このノ
イズは、地上局側からのパイロット信号を受信した受信
信号に比べて大きいため、従来のように、この増幅後の
信号レベルを判定するだけでは、通信エリアへの進入を
誤判定してしまう。
【0059】しかし本実施例では、上記のように、レベ
ル判定後のパルス信号を判定パルス生成部28にて一定
パルス幅のパルス信号に変換して、積分部30及び起動
判定部32の動作によって、そのパルス信号が所定個連
続して生成されたときに、通信エリアへの進入を判定す
るようにされているため、こうしたノイズによる誤判定
を防止できる。
【0060】つまり、検波部22にて、ノイズが受信信
号として検波された場合、ノイズはパイロット信号のレ
ベルに比べて大きいことから、図6に示す如く、増幅部
24内の各増幅回路は飽和してしまい、増幅部24から
は正・負に大きく変化する信号が出力されることにな
る。そして、レベル判定部26では、その信号と基準電
圧VTH1 とを大小比較してパルス信号を発生するため、
通常のパイロット信号受信時よりパルス幅の広いパルス
信号が2個生成される。しかし、本実施例では、判定パ
ルス生成部28において、この生成されたパルス信号の
立ち上がり後一定時間だけHighレベルとなるパルス幅一
定のパルス信号を生成し、積分部30にて、このパルス
幅一定のパルス信号を、積分部30において積分するよ
うにされているため、積分部30から起動判定部32へ
の入力信号レベルは、増幅部24からの出力信号レベル
がいくら大きくても、基準電圧VTH2 を越えるようなこ
とはない。この結果、起動判定部32からの出力は、ノ
イズによってHighレベルとなることはなく、出力部34
から駆動信号が出力されて、データ送・受信部16及び
通信制御部18がノイズにより不必要に起動されるのを
防止できるようになるのである。
【0061】従って、本実施例によれば、応答機側の起
動判別部20において、自動車、換言すれば応答機が、
地上局の何れかのデータ送・受信部4との通信が可能な
通信エリアに入ったことを、ノイズに影響されることな
く正確に判定して、データ送・受信部16及び通信制御
部18の起動、及び受信許可を行なうことができるよう
になり、応答機側での消費電力を極めて良好に低減する
ことができる。
【0062】また、本実施例では、パイロット信号の送
信速度を、通常のデータ通信時の通信速度(100kH
z)より低い10kHzに設定しているため、起動判別
部20において、起動判別部20の内部回路を、通常の
データ通信に使用する回路に比べて、スルーレートの遅
い、換言すれば応答性の低いオペアンプ等を用いて構成
することができ、起動判別部20を比較的安価に実現す
ることができると共に、起動判別部全体の消費電力を低
く抑えることもできる。また、起動判別部20は、オペ
アンプ、コンパレータ、ダイオード等で構成しているの
で、1チップ化することも容易であり、応答機の小型・
軽量化を図ることもできる。
【0063】なお、本実施例では、本発明を、有料道路
の課金システムに適用した場合について説明したが、本
発明は、地上に設置された固定通信装置と、自動車等の
移動体に搭載されるか使用者により持ち運びされる移動
通信装置との通信を行なうシステムであれば、どのよう
な通信システムであっても適用できるのはいうまでもな
い。例えば、本発明は、工場等において無人搬送車を通
信により制御する通信システムであっても、或は、携帯
型の電話機と地上に固定された電話回線網とを接続する
通信システムであっても、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の有料道路課金システムに使用される車
載用の応答機の構成を表すブロック図である。
【図2】実施例の有料道路課金システムの地上局の構成
を表すブロック図である。
【図3】実施例の応答機に備えられた起動判別部の構成
を表す電気回路図である。
【図4】実施例の起動判別部において地上局からのパイ
ロット信号を受信した際の動作を説明するタイムチャー
トである。
【図5】実施例の有料道路課金システムにおいて地上局
のデータ送・受信部を2個とした場合の応答機の起動及
び受信動作を説明するタイムチャートである。
【図6】実施例の起動判別部において外部からのノイズ
が入力された場合の動作を説明するタイムチャートであ
る。
【図7】従来の移動体通信システムにおける応答機の起
動及びその通信動作を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
2-1〜2-n… アンテナ(地上局側) 4-1〜4-n…データ送・受信部(地上局側:固定通信手
段) 6…通信制御部(送信タイミング制御手段) 8…課
金装置 10…アンテナ(応答機側) 12…電源部(応答
機側) 14…電源スイッチ(応答機側) 16…データ送・受信部(応答機側:移動通信手段) 16a…受信回路 16b…送信回路 AND…ア
ンドゲート 18…通信制御部(応答機側) 20…起動判別部
(応答機側:判定手段) 22…検波部,24…増幅部(信号処理手段) 26…レベル判定部(レベル判定手段) 28…判定パルス生成部(判定パルス生成手段) 30…積分部(積分手段) 32…起動判定部(起動
判定手段) 34…第1出力回路(起動手段) 36…第2出力回路(受信時間制限手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04Q 7/22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体が通過する領域を複数に分割した
    通信エリアに夫々設けられ、移動体に搭載された移動通
    信手段を起動するためのパイロット信号と該移動通信手
    段から応答信号を送信させるための質問信号とが順に連
    続するリンク信号を送信すると共に、該リンク信号の送
    信後に上記応答信号を受信すると、該応答信号を送信し
    た移動通信手段との間でデータ通信を行なう複数の固定
    通信手段と、上記各固定通信手段からの上記リンク信号
    及びデータの送信を時分割に実行させる送信タイミング
    制御手段とを備えた地上局と、 上記移動体に設けられ、上記固定通信手段から送信され
    てくる質問信号及びデータを受信し、該受信信号に対応
    した応答信号或はデータを送信する移動通信手段と、上
    記固定通信手段から送信されてくるパイロット信号を受
    信し、該パイロット信号が所定レベル以上であるとき、
    当該移動体が上記通信エリアに進入したことを判定する
    判定手段と、該判定手段にて当該移動体が上記通信エリ
    アに進入したと判定されると、上記移動通信手段を起動
    させる起動手段とを備えた応答機と、 により構成される移動体通信システムにおいて、 上記各固定通信手段を、上記データ通信時に、送信すべ
    きデータの前に上記パイロット信号を付加した通信信号
    を送信するよう構成すると共に、 上記応答機に、 上記判定手段が上記パイロット信号を受信して当該移動
    体が上記通信エリアに進入したと判定すると、その後上
    記固定通信手段が上記質問信号又はデータを送信する所
    定時間だけ上記移動通信手段の受信動作を許可し、所定
    時間経過後は、上記移動通信手段の受信動作を禁止する
    受信時間制限手段を設けたことを特徴とする移動体通信
    システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の移動体通信システムに
    おいて、 地上局を構成する上記各固定通信手段は、上記パイロッ
    ト信号として、所定時間間隔で所定回起動用搬送波を送
    信し、 応答機を構成する上記判定手段は、 上記起動用搬送波を検波・増幅する信号処理手段と、 該信号処理手段からの出力信号とレベル判定用の基準値
    とを大小比較して、上記起動用搬送波のレベルに対応し
    たパルス幅のパルス信号を生成するレベル判定手段と、 該レベル判定手段にて生成されたパルス信号を、一定パ
    ルス幅の起動判定用のパルス信号に変換する判定パルス
    生成手段と、 該判定パルス生成手段から出力されるパルス信号を積分
    する積分手段と、 積分手段による積分値が起動判定用の基準値以上となっ
    たときに、移動体が通信エリアに進入したことを判定す
    る起動判定手段と、 を備えたことを特徴とする移動体通信システム。
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