JPH0896788A - セパレータ及びLi二次電池 - Google Patents

セパレータ及びLi二次電池

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JPH0896788A
JPH0896788A JP6257511A JP25751194A JPH0896788A JP H0896788 A JPH0896788 A JP H0896788A JP 6257511 A JP6257511 A JP 6257511A JP 25751194 A JP25751194 A JP 25751194A JP H0896788 A JPH0896788 A JP H0896788A
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JP
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separator
electrode layer
electrolytic solution
battery
electrolyte
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JP6257511A
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Hiroshi Soejima
博 副島
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解液の保持能に優れて部分的な乾燥や電極
反応箇所の局在化が生じにくく、Li二次電池の形成に
際し過剰量の電解液を使用する必要がなく、従って同じ
サイズの電池の場合には電池内に収納する電極材等の部
材をより大型化できるセパレータを得ること。 【構成】 電解液の溶媒と親和性の高い化学構造部分を
有するポリマーからなるコーティング膜(1)を有する
多孔性絶縁膜(2)からなるセパレータ(3)、及び前
記セパレータの片側に正極層を有し、他方側に負極層を
有するLi二次電池。 【効果】 コーティング膜を設けたことによる電池性能
の低下を回避しつつ、電解液の吸収能に優れ、吸収した
電解液がコーティング膜で強く保持されて漏出しにくい
セパレータが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解液の保持能や吸収
能に優れて、信頼性に優れるLi二次電池を形成しうる
セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、Li二次電池を形成する際に正極
層と負極層の間に介在させるセパレータとしては、多孔
性ポリプロピレンフィルムやその表面に界面活性剤をコ
ートして親水性としたものなどからなる多孔性絶縁膜が
知られていた。かかるセパレータは、電解液を保持して
Liイオンがその孔を介し負極上に電析することを可能
にし、それにより正・負極間での電池反応を可能とする
ものである。
【0003】しかしながら、従来の多孔性絶縁膜からな
るセパレータにあっては、電解液を保持する能力に乏し
い問題点があった。そのためLi二次電池の形成に際し
ては過剰量の電解液を電池内に充填する必要があり、電
極材等の電池内に収納する部材の大きさが制約される問
題点があった。電池内に過剰量の電解液を充填しない場
合には、セパレータが部分的に乾燥して大きな内部抵抗
を生じたり、電極反応する箇所が局在化するなどの問題
を惹起する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電解液の保
持能に優れて部分的な乾燥や電極反応箇所の局在化が生
じにくくて、Li二次電池の形成に際し過剰量の電解液
を使用する必要がなく、従って同じサイズの電池の場合
には電池内に収納する電極材等の部材をより大型化でき
るセパレータを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、電解液の溶媒
と親和性の高い化学構造部分を有するポリマーからなる
コーティング膜を有する多孔性絶縁膜からなることを特
徴とするセパレータ、及びかかるセパレータの片側に正
極層を有し、他方側に負極層を有することを特徴とする
Li二次電池を提供するものである。
【0006】
【実施態様の例示】コーティング膜を形成するポリマー
としては、電解液の溶媒と共通の基本骨格を有するも
の、すなわち例えばプロピレンカーボネートやエチレン
カーボネートの如きカーボネート系溶媒を用いた電解液
に対するポリビニレンカーボネートの如く共通の基本骨
格(カーボネート骨格)を有するものが好ましい。
【0007】
【作用】多孔性絶縁膜を電解液の溶媒と親和性の高い化
学構造部分を有するポリマーでコーティング処理するこ
とにより、電解液の吸収性が向上すると共に、吸収され
た電解液がコーティング膜で強く保持されて多孔性絶縁
膜(セパレータ)より漏出しにくくなる。
【0008】
【実施例】本発明のセパレータは、電解液の溶媒と親和
性の高い化学構造部分を有するポリマーからなるコーテ
ィング膜を有する多孔性絶縁膜からなる。その例を図1
に示した。1がコーティング膜、2が多孔性絶縁膜であ
る。コーティング膜を形成するポリマーとしては、電解
液の溶媒と親和性の高い化学構造部分を有する適宜なも
のを用いうる。従って用いるポリマーについては、形成
目的の電池における電解液の溶媒の種類に応じて適宜に
決定することができる。
【0009】ちなみにLi二次電池等の形成に用いられ
ることのある電解液用溶媒に対するポリマーの例として
は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの如きカ
ーボネート系溶媒に対するポリビニレンカーボネート
や、N−メチルピロリドンの如きピロリドン系溶媒に対
するポリビニルピロリドン、あるいはテトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフランの如きフラン系溶媒
に対するポリビニルテトラヒドロフランや、γ−ブチロ
ラクトンの如きラクトン系溶媒に対するポリビニルγ−
ラクトンなどがあげられる。
【0010】電解液の保持能等の点より、コーティング
膜の形成に好ましく用いうるポリマーは、例えば前記し
たカーボネート系溶媒に対するポリビニレンカーボネー
トにおけるカーボネート骨格の如く、電解液の溶媒と共
通の基本骨格を有するものである。
【0011】コーティング膜の形成は、例えばコーティ
ング目的のポリマーを溶解させた溶液に多孔性絶縁膜を
浸漬してポリマーを付着ないし含浸させ、それを乾燥処
理する方法などにより行うことができる。コーティング
膜の厚さは、通例100μm以下、就中50μm以下、特
に0.1〜20μmであるが、これに限定されず使用目
的に応じて適宜な厚さとすることができる。
【0012】多孔性絶縁膜としては、例えばポリプロピ
レンやポリエチレンの如きポリオレフィン等からなる多
孔性ポリマーフィルムやガラスフィルター、不織布の如
き多孔性素材からなる、電解液を保持する能力を有する
適宜なものを用いることができる。電解液の保持能等の
点より好ましく用いうる多孔性絶縁膜は、多孔性ポリプ
ロピレンフィルムである。多孔性絶縁膜の厚さは、通例
500μm以下、就中100μm以下、特に5〜50μm
であるが、これに限定されず使用目的に応じて適宜な厚
さとすることができる。
【0013】セパレータを介した電解液の保持は、セパ
レータに電解液を含浸させたり、充填する方式、あるい
は電池缶内に電解液を充填する方式などの適宜な方式で
達成してよい。
【0014】本発明のセパレータは、種々の電池に用い
ることができ、Li二次電池の形成などに好ましく用い
ることができる。電池への適用に際しては、従来の如く
その表面を界面活性剤で処理して親水性を付与すること
もできる。またLi二次電池の形成に際しては、その負
極層側に陽イオン交換膜を配置することもできる。陽イ
オン交換膜は、負極層が電解液と接触することを防止し
てデンドライトの成長を抑制することなどを目的とす
る。
【0015】前記の陽イオン交換膜としては、リチウム
イオンを透過する適宜なものを用いることができ、例え
ばスチレン・ジビニルベンゼン共重合体系のもの、スチ
レン・ブタジエン共重合体系のもの、スチレン・ジビニ
ルベンゼン・ポリ塩化ビニル共重合体系のものなどリチ
ウムイオンを他の陽イオンよりも優位に透過させるも
の、就中リチウムイオンを選択的に透過させるものが好
ましく用いられる。
【0016】Li二次電池は、セパレータの片側に正極
層を配置し、他方側に負極層を配置することにより形成
することができ、本発明においては上記したセパレータ
を用いる点を除いて適宜に形成することができる。その
電池の例を図2、図3に示した。3がセパレータであ
り、4が正極層、5が負極層である。また6,7は、集
電体テープである。
【0017】Li二次電池の形態なども使用目的等に応
じて適宜に決定でき、例えばコイン型やボタン型、ある
いは捲回体型などのような任意な形態とすることができ
る。また正極層や負極層の形態についても、電池形態な
どに応じて適宜に決定でき、図例の如く正極層4や負極
層5が集電体6,7に付設された形態や、その集電体を
有しない形態などとすることができる。
【0018】ちなみに正極層については、カーボンや金
属系のもの、共役系ポリマー等の有機導電性物質系のも
のなどの適宜なものを用いて形成することができ、公知
物のいずれも用いうる。前記金属系正極層の例として
は、Liを含有する、Ti、Mo、Cu、Nb、V、M
n、Cr、Ni、Fe、Co、P等の金属の複合酸化
物、硫化物、セレン化物、V25などがあげられる。
【0019】前記したLi含有の金属系正極層の具体例
としては、LiMnO2、LiMn24、LiMn2-x
x4、LiNiO2、LiNiMO2、LiCoO2、L
iCrO2、LiFeO2、LiVO2、LiwCo1-x-y
xy2+z(ただし、Mは1種又は2種以上の遷移金
属、wは0<w≦2、xは0≦x<1、yは0<y<
1、zは−1≦z≦4である。)、あるいはLiないし
Li・Coのリン酸塩及び/又はCoないしLi・Coの
酸化物を成分として1モルのLiあたり0.1モル以上
のCoと0.2モル以上のPを含有するものなどを活物
質とするものがあげられる。
【0020】負極層についても、カーボン、特に黒鉛系
のものや、Li系のものなどの適宜なものを用いて形成
することができ、公知物のいずれも用いうる。そのLi
系負極層の例としては、例えばリチウム又はリチウム合
金を用いたものなどがあげられる。リチウム合金として
は、Liと、例えばAl、Pb、Sn、In、Bi、Ag、
Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Sr、Te等の金属との2
元又は3元以上の合金に、必要に応じてSi、Cd、Z
n、La等を添加したものなどがあげられる。
【0021】前記のリチウム合金からなる負極の具体例
としては、例えばAl、Bi、Sn又はIn等とLiと
の金属間化合物などからなるLi合金、LiとPbの合
金にLa等を添加して機械的特性を改善したもの、ある
いはAg、Al、Mg、Zn又はCaの少なくとも1種
からなるX成分を含むLi−X−Te系合金などを用い
たものがあげられる。リチウム合金におけるリチウム以
外の成分の含有量は、原子比に基づいて40%以下、就
中5〜30%、特に10〜20%が好ましい。
【0022】充放電のサイクル寿命、高起電力性、高放
電容量性、高エネルギー密度性などの点より特に好まし
く用いうるリチウム合金は、Li−Ag−Te系合金か
らなるLi:Ag:Teの原子比が80〜150:1〜
20:0.001〜30のものなどであり、Liを80
原子%以上含有するものである。
【0023】正極層、負極層の形成は、例えば前記活物
質等の極形成材を必要に応じてアセチレンブラックやケ
ッチェンブラック等の導電材料、及びポリテトラフルオ
ロエチレンやポリエチレン、ポリフッ化ビニリデンやエ
チレン・プロピレン・ジエン共重合体等の結着剤と共
に、キャスティング方式や圧縮成形方式、ロール成形方
式やドクターブレード方式、圧延方式や熱間押出方式な
どの適宜な方式で成形する方法や、各種の蒸着方式や溶
融メッキ方式などにより膜形成する方法などで行うこと
ができる。正極層や負極層の厚さは、500μm以下、
就中300μm以下、特に5〜200μmが一般的である
が1mmを超える厚さとするときもあり、その厚さは適宜
に決定することができる。
【0024】なお負極層がLi系のLi二次電池におい
ては、高起電力化、高充放電容量化の点より、正極活物
質の量を多くし、正極や負極の電極面積を大きくするこ
とが有利である。従って同容積の電池を基準とした場合
には、負極層を薄肉化して電極面積の維持をはかりつつ
体積を縮小化すること、ないし負極活物質の減量が有利
であり、この点よりリチウム合金の場合にはリチウムが
リッチなほど有利である。
【0025】上記したように正極層や負極層は、集電体
に付設したものなどとしてセパレータに対して配置する
ことができる。かかる正極層や負極層の形成は、例えば
テープ形態等の集電体を付設ベースに用いて極形成材を
塗布する方式などの適宜な方式で得ることができる。集
電体としては、例えば銅、アルミニウム、銀等の導電性
に優れる金属などからなる導電性支持基材が用いられ
る。集電体の厚さは、電極の使用目的等に応じて適宜に
決定され、一般には100μm以下、就中、薄型化の点
より5〜50μm、特に10〜30μmとされる。
【0026】前記した電極の大面積化や負極層の薄肉化
等を目的に溶融メッキ方式を適用する場合などには、特
に負極層を形成する場合には導電性支持基材の上に必要
に応じて拡散バリア層や濡れ促進材層等を設けたものな
ども用いられる。拡散バリア層は、溶融メッキ時にその
メッキ成分が導電性支持基材を侵食することの防止を目
的とし、その形成には例えばニッケルやコバルト、鉄な
どのメッキ成分と反応しにくい適宜な導体を用いること
ができる。
【0027】拡散バリア層の上に必要に応じて設けられ
る濡れ促進材層は、溶融メッキ時におけるメッキ液の濡
れを促進して凹凸化などの電極表面性状の悪化を防止
し、溶融メッキによる平坦かつ均一なコーティング層を
形成して良質の活物質層が形成されやすくすることを目
的とする。濡れ促進材層の形成には、メッキ成分と親和
性の適宜な導体、好ましくはメッキ成分と反応しやすく
てその化学親和性に優れるものを用いうる。その例とし
ては銀、銅、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カル
シウム、バリウム、ビスマス、インジウム、鉛、白金、
パラジウム、スズなどがあげられる。
【0028】拡散バリア層や濡れ促進材層の形成は、例
えば電気メッキ方式、無電解メッキ方式、物理的ないし
化学的蒸着方式などの適宜な方式で行うことができる。
拡散バリア層、濡れ促進材層の厚さは0.01〜5μm
が一般的である。また溶融メッキ層の形成は、例えば集
電体テープをアルゴンガスやヘリウムガス等の不活性ガ
スの雰囲気下にある溶融メッキ浴に導入してそのコーテ
ィング層を形成する方式や、コーティング層形成後その
コーティング層を急冷処理する方式などにより行うこと
ができる。
【0029】本発明のLi二次電池においては、セパレ
ータの負極層側に陽イオン交換膜を配置しうることを前
記したが、負極層については必要に応じて例えばLi
F、Li3PO4、Li2S、LiCl、Li2CO3など
のLiイオンを透過する性質を有するLiイオン透過薄
膜で被覆することもできる。Liイオン透過薄膜も、負
極層と電解液との接触を防止してデンドライトの成長等
を防止するためのものであり、その付設は例えば溶液浸
漬方式、電解液添加物方式、気相反応方式、低温蒸着方
式などにより行うことができる。
【0030】図4にLi二次電池の具体例を示した。こ
れはコイン型のものであり、21,27は電池缶、2
2,26はNi板からなる集電体、23は正極層、24
はセパレータ、25は負極層、28は絶縁封止材であ
る。シート状の正極層と負極層をセパレータを介して積
層したものを捲回したものなどからなる捲回型のLi二
次電池などについても前記コイン型電池に準じて形成す
ることができる。
【0031】Li二次電池の形成に用いる電解液として
は、セパレータに設けたコーティング膜の種類との関係
で、Liイオンを含有する適宜なものを用いることがで
きる。その例としては、エステルやエーテル等の有機溶
媒にリチウム塩を溶解させてなる非水電解液系のものな
どがあげられる。
【0032】前記した有機溶媒の代表例としては、プロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート、N−メチルピロ
リドン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロ
フラン、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエ
タン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、蟻酸
メチル、酢酸メチル、N,N−ジメチルホルムアミド、
アセトニトリル、それらの混合物などがあげられる。
【0033】またリチウム塩の代表例としては、Li
I、LiCF3SO3、Li(CF2SO22、LiB
4、LiClO4、LiAlCl4、Li2GeF6、LiP
6、LiSCN、LiAsF6などがあげられる。電解
液におけるリチウム塩濃度は0.1〜3モル/リットル
が一般的であるが、これに限定されない。なお非水溶液
系電解液の形成に際しては、寿命や放電容量、起電力等
の電池特性の向上などを目的として、必要に応じて2−
メチルフラン、チオフェン、ピロール、クラウンエーテ
ル、Li錯イオン形成剤(大環状化合物等)などの有機
添加物を添加することもできる。
【0034】なお電池に用いる電解液の溶媒が、それと
親和性の高い化学構造部分を有するポリマーからなるコ
ーティング膜を有するセパレータでない場合には、かか
るコーティング膜を形成するポリマーと親和性の高い化
学構造部分を有する溶媒を併用して混合系の溶媒とする
ことで電解液保持能向上の目的を達成することができ
る。
【0035】実施例1 ビニレンカーボネート(Aldrich社製)を水素化ホウ素
ナトリウムで還流処理して精製し、それにアゾビスイソ
ブチロニトリルを加えて窒素気流下、60℃で20時間
反応させ、生成物をメタノールで沈殿させてそれをジメ
チルホルムアミドに再溶解させる処理を繰り返して得た
ポリビニレンカーボネートの精製物(収率70%)を、
ジメチルホルムアミドに溶解させその溶液に厚さ25μ
mの多孔性ポリプロピレンフィルム(Hoechst社製、セル
ガード3501)を浸漬して含浸処理し、溶液が充分に
染み込んで多孔性ポリプロピレンフィルムが透明となっ
た状態で引上げ、それを減圧乾燥させてポリビニレンカ
ーボネートからなるコート膜付きのセパレータを得た。
【0036】実施例2 ビニルピロリドン(Aldrich社製)の60重量%水溶液
を窒素気流下、100℃に加熱して得たポリビニルピロ
リドンの水溶液に厚さ25μmの多孔性ポリプロピレン
フィルムを浸漬する方式で実施例1に準じてポリビニル
ピロリドンからなるコート膜付きのセパレータを得た。
【0037】実施例3 幅41mm、厚さ10μmのCuテープ上に厚さ2μmのN
iの電気メッキ層とその上に厚さ0.1μmのAgの電
気メッキ層を有する集電体テープを高純度アルゴン雰囲
気中にて、リチウムの溶融メッキ浴に2m/分の速度で
連続的に導入し通過させ、絞り治具にて両面におけるコ
ーティング厚をそれぞれ25μmに調節し、そのテープ
より長さ420mmのピースを切り出して負極テープを連
続的に得た。
【0038】一方、幅39mm、厚さ25μmのAlテー
プの両面に、正極層形成用のペーストをドクターブレー
ド方式で塗布して厚さ300μmの正極層を形成したの
ち、圧延機により表裏の正極層を各100μmに圧縮
し、それより長さ400mmのピースを切り出してそのピ
ースの片端における長さ20mm部分の正極層を剥離し、
その部分にリード線を溶接して、正極テープを得た。
【0039】なお前記の正極層形成用のペーストは、炭
酸リチウムと塩基性炭酸コバルトとリン酸含有率85%
のリン酸水溶液をLi:Co:P=2:1.5:0.5
の原子比で混合し、それをアルミナ製坩堝に入れて90
0℃で24時間加熱処理し、リチウムのリン酸塩とリチ
ウム・コバルトのリン酸塩とコバルト酸化物の混合物
(活物質)を形成し、それをボールミルで粉砕して分粒
したのち、その粒径20μm以下の粉末46重量部、ア
セチレンブラック4重量部、ポリフッ化ビニリデン2重
量部、リン酸水素ナトリウム0.5重量部及びN−メチ
ルピロリドン50重量部を混合して調製したものであ
る。
【0040】次に、実施例1で得たセパレータを介在さ
せた状態で前記の負極テープと正極テープを捲回して電
池缶に収納し3mlの電解液を注入して単3型の二次電池
を形成した。なお捲回物の断面積は電池缶内側の断面積
の約90%とし、電解液には1リットルのプロピレンカ
ーボネートに1モルのLiClO4を溶解させたものを用
いた。
【0041】実施例4 実施例2で得たセパレータを用いたほかは実施例3に準
じ単3型の二次電池を得た。ただし電解液には、1リッ
トルのN−メチルピロリドンに1モルのLiBF4を溶
解させたものを用いた。
【0042】比較例1 厚さ25μmの多孔性ポリプロピレンフィルムをそのま
まセパレータとして用いた。
【0043】比較例2 比較例1で得たセパレータを用いたほかは実施例3に準
じ単3型の二次電池を得た。
【0044】比較例3 比較例1で得たセパレータを用いたほかは実施例4に準
じ単3型の二次電池を得た。
【0045】評価試験 保持能 実施例1、比較例1で得たセパレータを、1リットル当
りのプロピレンカーボネートに1モルのLiClO4を溶
解させた電解液に浸漬して含浸処理し、電解液が充分に
染み込んでセパレータが透明となった状態で引上げ、そ
の後のセパレータにおける電解液の保持量の経時変化を
調べた。
【0046】前記の結果を表1に示した。なお表には、
引上げ直後の保持量を100としてその後の保持率を示
した。
【表1】
【0047】前記に準じて、実施例2、比較例1で得た
セパレータを、1リットル当りのN−メチルピロリドン
に1モルのLiBF4を溶解させた電解液に浸漬して含
浸処理し、電解液が充分に染み込んでセパレータが透明
となった状態で引上げ、その後のセパレータにおける電
解液の保持量の経時変化を調べたところ、引上げ直後の
保持量を100とした場合、120分後における保持率
は、実施例2で96%、比較例で55%であった。
【0048】電池特性 実施例3,4及び比較例2,3で得たLi二次電池につ
いて、起電力、及び100mAの充電電流及び放電電流
にて4.3V(充電)〜2.75V(放電:充電後1時
間放置)の間で充放電サイクルさせた場合における、1
サイクル目の放電容量と当該サイクルを5回繰返したの
ちの放電容量維持率を調べた。
【0049】前記の結果を表2に示した。
【表2】
【0050】表1より、本発明のセパレータは電解液の
保持能に優れていることがわかる。また表2より、コー
ティング膜を設けた本発明の場合でも、電池性能が実質
的に低下しないことがわかる。なお本発明のセパレータ
の場合、その保持能試験の際の電解液の含浸処理におい
て、比較例のセパレータよりも電解液の染み込による透
明状態の形成が速く、電解液の吸収速度が速くて吸収能
に優れることが確認できた。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、コーティング膜を設け
たことによる電池性能の低下を回避しつつ、電解液の吸
収能に優れ、吸収した電解液がコーティング膜で強く保
持されて漏出しにくく、従って電解液の保持能にも優れ
るセパレータを得ることができる。その結果、電池の形
成に際して部分的な乾燥や電極反応箇所の局在化を防止
でき、過剰量の電解液の必要を回避できて同じサイズの
電池の場合に電池内に収納する電極材等の部材をより大
型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の断面図。
【図2】他の実施例の断面図。
【図3】さらに他の実施例の断面図。
【図4】電池構造例の説明図。
【符号の説明】
3:セパレータ 1:コーティング膜 2:多孔性絶縁膜 4:正極層 5:負極層 6,7:集電体テープ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液の溶媒と親和性の高い化学構造部
    分を有するポリマーからなるコーティング膜を有する多
    孔性絶縁膜からなることを特徴とするセパレータ。
  2. 【請求項2】 コーティング膜を形成するポリマーがポ
    リビニレンカーボネート又はポリビニルピロリドンであ
    り、多孔性絶縁膜が多孔性ポリプロピレンフィルムであ
    る請求項1に記載のセパレータ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載したセパレータの片側に
    正極層を有し、他方側に負極層を有することを特徴とす
    るLi二次電池。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6461772B1 (en) 1998-12-14 2002-10-08 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Battery diaphragm
US6586138B2 (en) 2000-02-04 2003-07-01 Amtek Research International Llc Freestanding microporous separator including a gel-forming polymer
KR100530350B1 (ko) * 2003-04-17 2005-11-22 주식회사 엘지화학 양면 코팅 타입의 분리막을 포함하는 리튬 이온 이차 전지
JP2007510266A (ja) * 2003-11-03 2007-04-19 エルジー・ケム・リミテッド 電解液可溶性の高分子がコーティングされた分離膜及びこれを含む電気化学素子
JP2010212130A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Toyota Motor Corp 二次電池

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