JPH089658B2 - エポキシ樹脂用硬化促進剤及びその硬化剤組成物ならびにエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化促進剤及びその硬化剤組成物ならびにエポキシ樹脂組成物

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JPH089658B2
JPH089658B2 JP1275367A JP27536789A JPH089658B2 JP H089658 B2 JPH089658 B2 JP H089658B2 JP 1275367 A JP1275367 A JP 1275367A JP 27536789 A JP27536789 A JP 27536789A JP H089658 B2 JPH089658 B2 JP H089658B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は酸無水物系硬化剤やエポキシ樹脂等との溶解
性に優れた有機カルボン酸亜鉛系硬化促進剤に関し、さ
らには該硬化促進剤を含有し、光学的用途、例えば光学
レンズ、プリズム、透明平板等の光学機材、発光ダイオ
ード封止材等の発光素子、光ディスク基板等に適したエ
ポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤組成物ならびにエポキシ
樹脂組成物に関する。
(従来の技術) エポキシ樹脂は機械的、電気的、熱的ならびに化学的
性質が優れているので、注射材料、封止材等の多方面に
使用されている。エポキシ樹脂の使用方法としては、一
液型が作業性の面で優れているが、エポキシ樹脂に酸無
水物等の硬化剤、硬化促進剤を配合した一液型は、貯蔵
期間が短いため、一般にはエポキシ樹脂等からなる主剤
(I)と、酸無水物、硬化促進剤等からなる硬化剤(I
I)を別々にし、硬化時に(I)と(II)を混合する二
液型配合が使用されている。
近年では、光学レンズ、プリズム、発光ダイオード、
光ディスク基板等の光学用途に、酸無水物系硬化剤で硬
化したエポキシ樹脂硬化物が使用されるようになった。
このような光学用途に対するエポキシ樹脂硬化物は、
無色で透明性が強く要求されることから、この用途で使
用される硬化促進剤についても厳しい性能が課されてい
る。
酸無水物系の硬化促進剤としては、第三級アミン類
若しくはイミダゾール類等及び/又はそれらの有機カル
ボン酸塩、第三級アミン類若しくはイミダゾール類等
及び/又はそれらの有機カルボン酸塩と、有機カルボン
酸亜鉛等の有機カルボン酸金属塩併用系が一般的に使用
されているが、その硬化物は第三級アミン等にその硬化
物は第三級アミン等に起因して透明ではあるが着色して
おり、光学的用途を十分に満たすものではない。
(本発明が解決しようとする課題) 硬化促進剤としては有機カルボ酸亜鉛を用いたエポキ
シ樹脂硬化物は、無色透明であることは既に知られてい
る(27th National SAMPE Symposium,MAY,4−6,198
2)。しかし、有機カルボン酸亜鉛は硬化剤である酸無
水物及びエポキシ樹脂への溶解性が悪いという欠点があ
る。このため酸無水物と混合した硬化剤組成物は均一液
状とならず、有機カルボン酸亜鉛の相分離やそれに基づ
く白濁が生じる。さらに、エポキシ樹脂及び酸無水物な
どに有機カルボン酸亜鉛を配合したエポキシ樹脂組成物
においても、有機カルボン酸亜鉛のエポキシ樹脂及び酸
無水物への溶解性が悪いため、硬化むらができたり、作
業性に劣るなどの問題があった。
本研究者らの予備検討においても、有機カルボン酸亜
鉛を用いたエポキシ樹脂硬化物は、無色透明で、特に12
0℃以上での高温速硬化条件下においても、優れた無色
透明性を有することを確認しているが、同時に酸無水物
又はエポキシ樹脂への溶解性が悪いこと、硬化むらがあ
ることも認めている。
従って、硬化促進剤として有機カルボン酸亜鉛を単独
で用いることは実用上困難であり、第三級アミン類やイ
ミダゾール類等を使用するか、又はこれらに有機カルボ
ン酸亜鉛を少量併用し、有機カルボン酸亜鉛が酸無水物
やエポキシ樹脂等に溶解しうる少量の範囲でのみ使用し
ているのが実情である。
本発明者らはこのような問題点に鑑み、120℃以上、
好ましくは130℃以上の速硬化条件においても無色透明
の均一な硬化物を与え、かつ酸無水物系硬化剤及び/又
はエポキシ樹脂組成物への溶解性、さらに保存安定性に
優れた硬化促進剤を開発すべく、鋭意検討を加え、本発
明を完成した。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは酸無水物の一種又は二種以上と下記
(B)の一般式で表されるモノフェノール類の一種又は
二種以上の存在下、有機カルボン酸亜鉛を一定条件で加
熱変性すれば、有機カルボン酸亜鉛の硬化促進機能を損
なわず、エポキシ樹脂や酸無水物等に容易に溶解しうる
ことを見い出した。
(R3は水素原子又はC1〜C16の直鎖若しくは分岐のアル
キル基を示し、R4は水素原子、メチル基、メトキシ基、
エトキシ基、メトキシエチル基、メトキシカルボニル
基、メトキシカルボニルメチル基を示す) 有機カルボン酸亜鉛の変性に用いられる(B)式で示
されるモノフェノール類と有機カルボン酸亜鉛との比率
(以下、フェノール亜鉛比という)は、(C)式で示さ
れ、該比は2〜9、好ましくは3〜7である。2未満で
あると、有機カルボン亜鉛の フェノール亜鉛比=Y/X …(C) (Xは有機カルボン酸亜鉛のモル数、Yはモノフェノー
ル類のモル数である。
酸無水物やエポキシ樹脂への溶解性が乏しく、9を越
える場合は溶解性は良好であるが、エポキシ樹脂硬化物
の透明性以外の諸特性、例えば、ガラス転移温度、耐湿
性などが低下し、実際上使用することが困難となる。
また、有機カルボン酸亜鉛の変性に用いられる酸無水
物と有機カルボン酸亜鉛との比率(以下、酸無水物亜鉛
比という)は、(D)式で示され、その範囲は2〜9、
好ましくは3〜7である。
酸無水物亜鉛比=Z/X …(D) (Xは(C)式で示すフェノール亜鉛比の場合と同じく
有機カルボン酸亜鉛のモル数、Zは酸無水物のグラム当
量数) 諸比が2未満であると、有機カルボン酸亜鉛の溶解性
が乏しく、実際上使用することが困難となり、逆に9を
越える場合は酸無水物が未反応で残存する結果となる。
但し、後述するように一段で酸無水物系硬化剤組成物
を製造する場合は、酸無水物亜鉛比は、9以上で行う。
本発明で用いられる有機カルボン酸亜鉛としては、下
記一般式(A)で例示されるものが有効である。
(R1、R2は同一又は異なって、フェニル基、C1〜C10
アルキル基を有する核置換フェニル基、ナフテン酸残
基、C1〜C21の直鎖若しくは分岐のアルキル基又はアル
ニケル基、水酸基を有する直鎖又は分岐のアルキル基又
はアルニケル基を示す) 具体的には、酢酸亜鉛、ヘキサン酸亜鉛、2−エチル
ヘキサン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、
ステアリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、安息香酸亜鉛、
炭素数6〜20の単環又は二環、三環のナフテン酸亜鉛等
が例示される。これらは単独又は2種以上併用すること
ができる。
本発明に用いられるモノフェノール類としては、
(B)式に相当するモノフェノール類の一種又は二種以
上が用いられる。具体的には、フェノール、p−クレゾ
ール又はm−クレゾール、o−クレゾール、p−エチル
フェノール、m−エチルフェノール、o−エチルフェノ
ール、p−イソプロピルフェノール、m−イソプロピル
フェノール、o−イソプロピルフェノール、p−tert−
ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、m−ブチル
フェノール、o−ブチルフェノール、p−オクチルフェ
ノール、p−ラウリルフェノール等のアルキルフェノー
ル類、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノー
ル、グアヤコール、p−エトキシフェノール、グエトー
ル等のアルコキシフェノール類、p−メトキシエチルフ
ェノール、p−オキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ
フェノール酢酸メチルエステルなどである。
本発明に用いられる酸無水物は、多塩基酸カルボン酸
無水物の一種又は二種以上で、具体的には無水物フタル
酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタ
ル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチルヘ
キサヒドロフタル酸、1−イソプロピル−4−メチル−
ビシクロ[2.2.0]オクタン−5−エン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物及びその水素化物、無水3,6−エンドメチレ
ンテトラヒドロフタル酸、マレイン化アロオシメン及び
その水素化物、マレイン化ミルセン及びその水素化物、
メチルナジック酸無水物及びその水素化物、無水ピロメ
リット酸、無水ドデセルニルコハク酸及びその水素化
物、無水ポリ(エチルオクタデカン二酸)、無水ポリ
(フェニルヘキサデカン二酸)、無水ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロ
トリメリテート)、グリセロールトリストリメリテート
無水物、無水ヘット酸、無水テトラベロモフタル酸など
が例示される。
変性有機カルボン酸亜鉛からなる硬化促進剤の製造方
法は、有機カルボン酸亜鉛に酸無水物とモノフェノール
類を所定量加え、好ましくはチッソガス等の不活性ガス
存在下、60〜200℃で、好ましくは70〜150℃で、0.5時
間〜10時間かけて撹拌する。このような操作で、変性有
機カルボン酸亜鉛からなる硬化促進剤を容易に得ること
ができる。本発明により得られた変性有機カルボン酸亜
鉛の硬化促進剤としての機能は良好で、かつ該硬化促進
剤の40℃の保存安定性試験では3ケ月以上経過しても、
相分離などの現象は認められず、また硬化促進機能の低
下も見られない。
変性有機カルボン酸亜鉛からなる硬化促進剤の構造は
明確ではないが、酸無水物やエポキシ樹脂に容易に溶解
すること、例えば、オクチル酸亜鉛、メチルヘキサヒド
ロフタル酸、p−エチルフェノールを用い、(C)式に
示すフェノール亜鉛比を3、(D)式に示す酸無水物亜
鉛比を3の比率にして、チッソガス中、100℃で1時間
撹拌して変性した場合、その1Rスペクトルは変性前と比
較して、フェノールの水酸基に基づく3340cm-1の吸収の
減少、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物の酸無水物基
に基づく1790cm-1の吸収の減少、遊離カルボキシ基に基
づく1708cm-1の吸収の出現、オクチル酸亜鉛に基づく15
54cm-1と1632cm-1の吸収強度の逆転などから判断して、
有機カルボン酸亜鉛と酸無水物及び/又はモノフェノー
ル類が、コンプレックス又はオルゴマーのようなものを
形成しているものと推定される。
次に、本発明により生成した変性有機カルボン酸亜鉛
からなる硬化促進剤を酸無水物に配合することにより、
酸無水物系硬化剤組成物を得ることができる。酸無水物
としては、前述の酸無水物の一種又は二種以上が使用で
きる。配合方向は室温〜150℃程度の任意の温度で行う
ことができ、変性有機カルボン酸亜鉛と酸無水物を、
(E)式に示す配合比率が12.5〜250程度になるように
攪拌しながら混合する。
配合比率=(T+U)/S …(E) (Sは変性するために用いた有機カルボン酸亜鉛のモル
数、Tは変性有機カルボン酸亜鉛硬化促進剤に用いた酸
無水物のグラム当量数、Uは硬化剤組成物を製造するた
めに変性有機カルボン酸亜鉛硬化促進剤に加えた酸無水
物のグラム当量数) 該配合比率が12.5程度未満の場合は、硬化物の機械的
特性、耐湿性などが低下し、250程度を越える場合は、
エポキシ樹脂の硬化反応速度が遅く、不適当である。
さらに変性有機カルボン酸亜鉛を含む酸無水物硬化剤
組成物を得る他の方法として、前述の変性有機カルボン
酸亜鉛硬化促進剤を製造する際に、多量の酸無水物を用
いることにより、即ち(D)式で示される酸無水物亜鉛
比が12.5〜250程度になるように用いることによって、
一段で酸無水物系硬化剤組成物を得ることができる。本
方法によれば、一段の操作で硬化剤組成物を得ることが
できるので、工程が簡略化されるという利点を有する。
該比率が12.5程度未満の場合、及び250程度を越える
ときは、前述の場合と同様なエポキシ樹脂硬化物の特性
劣化をもたらす。
変性有機カルボン酸亜鉛硬化促進剤を酸無水物に配合
した硬化剤組成物、酸無水物を多量に用いて一段で生成
せしめた硬化剤組成物のいずれも、硬化剤としての機
能、保存安定性は良好であり、40℃での保存安定性試験
においても、3ケ月以上経過しても、相分離などの現象
は認められない。
エポキシ樹脂と、上記の両方法のいずれかで得られた
酸無水物系硬化剤組成物、その他の添加剤を適宜混合し
て、エポキシ樹脂組成物を得ることができる。また、場
合によっては、エポキシ樹脂及び酸無水物硬化剤、変性
有機カルボン酸亜鉛硬化促進剤、その他の添加剤を適
宜、同時に混合してエポキシ樹脂組成物を得ることもで
きる。
このようにして得たエポキシ樹脂組成物を100〜170℃
程度の温度下に加熱硬化することで、透明性は良好で、
かつ硬化むらのない硬化物が得られる。またこの硬化物
は、125℃程度の長時間加熱エージングテストを行って
も、透明性の劣化は非常に少ない。
本発明に使用されるエポキシ樹脂は、本発明の所定の
効果を有する限り、いずれのタイプのものでも使用でき
る。具体的にはビスフェノールAやビスフェノールFと
エピハロヒドリンより得られるビスフェノールタイヴの
エポキシ樹脂、3,4エポキシシクロヘキシルメチル−
3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートな
どの脂環型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブチ
ルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルな
どのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、Versatic 5や
Versatic 10{シェル化学(株)製}等のカルボン酸の
グリシジルエステルであるネオ酸グリシジルエステル、
ヘキサヒドロフタル酸やテトラヒドロフタル酸のジグリ
シジルエステルなどのグリシジルエステル型エポキシ樹
脂などが例示される。これらは、一種又は二種以上を併
用して使用することができる。
エポキシ樹脂に、本発明の変性有機カルボン酸亜鉛を
含んだ酸無水物系硬化剤組成物、さらに必要に応じて亜
鉛以外の有機カルボン酸金属塩、金属アセチルアセトナ
ート、第三級アミン、イミダゾールなどの硬化促進剤、
可撓性付与剤、変性剤、染料、顔料、ブルーイング剤、
光拡散剤などの無機及び/又は有機充填剤、消泡剤、カ
ップリング剤、酸化防止剤や還元剤などの着色防止剤、
難燃剤、離型剤等の添加剤を含ませることができる。
本発明により得られたエポキシ樹脂用硬化促進剤、エ
ポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物は、光学的用
途、例えば光学レンズ、プリズム、透明平板等の光学機
材、発光ダイオード封止材等の発光素子、光ディスク基
板、光変調素子や光ファイバー等の接着剤、フォトダイ
オードやフォトトランジスター等の受光素子封止剤、紫
外線消去型EP−ROM型のLSIやICの封止、タッチパネルや
太陽電池表面等に用いる光学用被覆材、フォトカプラー
等の発光・受光素子の封止などに使用することができ
る。
次に実施例により、本発明を詳細に説明する。
(実施例) 実施例1 攪拌装置、冷却管、チッソガス導入管、温度計を備え
た1000mlの四ツ口フラスコに、2−エチルヘキサン酸亜
鉛{商品名:オクトープ亜鉛、ホープ製薬(株)製}10
7g、無水メチルヘキサヒドロフタル酸{商品名:リカシ
ッドMH−700、新日本理化(株)製、以下Me−HHPAと略
記する}164g{(D)式で示す酸無水物亜鉛比は3.
3}、P−ノニルフェノール264g{(C)式で示すフェ
ノール亜鉛比は4}を加え、100℃で1時間、チッソガ
ス流通下に攪拌した後、室温まで冷却し無色で透明均一
な変性有機カルボン酸亜鉛硬化促進剤を得た。該硬化促
進剤10重量部は、Me−HHPA50重量部及びビスフェノール
Aジグリシジルエーテル{商品名:エピコート828、油
化シェルエポキシ(株)製、以下DGEBAと略記する}100
重量部のいずれにも容易に溶解した。また、該硬化促進
剤をガラスビンに密封して、40℃、40日保存した後の性
状を観察したが、無色で均一透明な液状であった。
該硬化促進剤10重量部、Me−HHPA90重量部、DGEBA100
重量部を混合し、激しく1分間攪拌した後、減圧下脱泡
して、そのときの溶解性を評価した。その後、所定温度
で5時間硬化して、5×20×40mmの硬化物を作成し、外
観の硬化むらと、400nm、800nmの光線透過率測定{JIS
−K7105に準拠して行う。島津製作所(株)製紫外線可
視分光光度形UV−2100使用、本発明において以下同様}
による着色性を評価した。硬化物は125℃、300時間加熱
して、再度、光線透過率を測定した。その結果を表2に
示す。
実施例2 実施例1のp−ノニルフェノール264gの代りに、p−
クレゾール130g{(C)式で示すフェノール亜鉛比は
4}で用いた以外は実施例1と同様に行い、無色で透明
均一な変性有機カルボン酸亜鉛硬化促進剤を得た。該硬
化促進剤10重量部は、Me−HHPA50重量部、又はDGEBA100
重量部のいずれにも容易に溶解した。
該硬化促進剤組成物をガラスビンに密閉して、40℃、
40日保存した後の性状を観察したが、無色で均一透明な
液状であった。
実施例3 実施例1のMe−HHPA164gの代わりに、Me−HHPA328g
{(D)式で示す酸無水物亜鉛比は6.6}、p−ノニル
フェノール264gの代わりに396g{(C)式で示すフェノ
ール亜鉛比は6}を用いた以外は、実施例1と同様に行
い、無色で透明均一な変性有機カルボン酸亜鉛硬化促進
剤を得た。該硬化促進剤10重量部は、Me−HHPA50重量
部、又はDGEBA100重量部のいずれにも容易に溶解した。
該硬化促進剤組成物をガラスビンに密封して、40℃、4
日保存した後の性状を観察したが、無色で均一透明な液
状であった。
実施例4 撹拌装置、冷却管、チッソガス導入管、温度計を備え
た300mlの四ツ口フラスコに、2−エチルヘキサン酸亜
鉛10.7g、Me−HHPA16.4g{(D)式で示す酸無水物亜鉛
比は3.3}、p−ノニルフェノール26.4g{(C)式で示
すフェノール亜鉛比は4}を加え、100℃で1時間、チ
ッソガス流通下に攪拌して、変性有機カルボン酸亜鉛硬
化促進剤を得た。この硬化促進剤を60℃まで冷却してMe
−HHPA147.6g{(E)式で示す配合比率は33.3}を加
え、無色で透明均一な硬化剤組成物を得た。該硬化剤組
成物100重量部は、DGEBA100重量部に容易に溶解した。
該硬化剤組成物をガラスビンに密閉して、40℃、40日
保存した後の溶解性を観察したが、無色で均一透明な液
状であった。
実施例5 実施例4と同じ装置に、Me−HHPA164g{(D)式で示
す酸無水物亜鉛比は33.3}、2−エチルヘキサン酸亜鉛
10.7g、P−ノニルフェノール26.4g{(C)式で示すフ
ェノール亜鉛比は4}を加え、100℃、1時間チッソガ
ス流通下で攪拌した後、室温まで冷却し、無色で透明均
一な硬化剤組成物を得た。該硬化剤組成物100重量部
は、DGEBA100重量部に容易に溶解した。
該硬化剤組成物をガラスビンに密閉して、40℃、40日
保存した後の溶解性を観察したが、無色で均一透明な液
状であった。その結果を表1に示す。
実施例6〜13 有機カルボン酸亜鉛、モノフェノール類又は酸無水物
の種類、フェノール亜鉛比、酸無水物亜鉛比、攪拌温度
を変えたほかは、実施例5と同様に行った。但し、酸無
水物にテトラヒドロフタル酸無水物(以下、THPAと略記
する)を使用したときは、融点が102℃と高いため、溶
解性の試験は105℃で評価した。その結果を表1に示
す。
実施例14〜23 実施例1〜13で得た硬化剤組成物100重量部とDGEBA10
0重量部を、激しく1分間攪拌した後、減圧下脱泡し
て、そのときの溶解性を評価した。その後、所定温度で
5時間硬化して、5×20×40nmの硬化物を作成し、外観
の硬化むらの、400nm、800nmの光線透過率測定による着
色性を評価した。硬化物は、125℃、300時間加熱エージ
ングして、再度、光線透過率を測定した。
但し酸無水物にTHPAを使用した実施例22の硬化剤組成
物については、室温で固体であるため、105℃で1分間D
GEBAと混合して、以下、同様に評価した。その結果を表
2に示す。
比較例1〜3 有機カルボン酸亜鉛を酸無水物の存在下、加熱した以
外は、実施例5と同様にして硬化剤組成物を製造した。
但し、THPAを使用した比較例4の溶解性評価のみ、105
℃で行った。配合及び溶解性結果を表1に示す。
比較例4 有機カルボン酸亜鉛をモノフェノール類の存在下、加
熱した以外は、実施例5と同様にして硬化剤組成物を製
造した。配合及び溶解性結果を表1に示す。
比較例5 室温でかきまぜた以外は、実施例5と同様にして硬化
剤組成物を製造した。配合及び溶解性結果を表1に示
す。
比較例6〜9 実施例5と同様の装置を用いて、Me−HHPA164gに対
し、2−エチル−4−メチルイミダゾール(以下、2E4E
Zと略記する)1.0g、又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデセン−7(以下、DBUと略記する)1.0gを添加
し、80℃、1時間混合溶解して得た硬化剤100重量部とD
GEBA100重量部を室温下混合し、実施例14〜23の項に示
したと同様に硬化させて、透明性を評価した。その結果
を表3に示す。
比較例10 実施例5と同様の装置を用いて、THPA152gに、DBU1.0
gを添加し、110℃、1時間混合溶解して得た硬化剤100
重量部とDGEBA100重量部を105℃、1分間激しく混合
し、減圧脱泡後、実施例14〜23の項で記載したと同様の
方法で硬化し、透明性を評価した。その結果を表3に示
す。
比較例11〜15 比較例1〜5で得た硬化剤組成物100重量部とDGEBA10
0重量部を室温混合し、実施例14〜23の項で示したと同
様の方法で硬化物を作成し、溶解性、硬化物の均一性及
び透明性を評価した。但し、THPAを使用した比較例14に
ついては、105℃で混合した。その結果を表3に示す。
(発明の効果) 本発明で得られた変性有機カルボン酸亜鉛硬化促進剤
は、酸無水物及びエポキシ樹脂に容易に溶解し、長期保
存においても相分離等の変質を生ぜず、また変性有機カ
ルボン酸亜鉛硬化促進剤を含む酸無水物系硬化剤組成物
は、長期保存においても相分離等の変質を生ぜず、さら
に該酸無水物系硬化剤で、120℃以上の高温速硬化条件
で硬化したエポキシ樹脂硬化物は、硬化むらなく無色透
明である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−185528(JP,A) 特開 昭61−120824(JP,A) 特開 昭60−123526(JP,A) 特開 昭54−29398(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(A)で示される有機カルボン酸亜
    鉛に、酸無水物の一種又は二種以上及び一般式(B)で
    示されるモノフェノール類の一種又は二種以上を混合し
    て加熱変性して得られる変性有機カルボン酸亜鉛からな
    るエポキシ樹脂用の硬化促進剤。 (R1、R2は同一又は異なって、フェニル基、C1〜C10
    アルキル基を有する核置換フェニル基、ナフテン酸残
    基、C1〜C21の直鎖若しくは分岐のアルキル基又はアル
    ニケル基、水酸基を有するC1〜C21の直鎖若しくは分岐
    のアルキル基又はアルニケル基を示す) (R3は水素原子又はC1〜C16の直鎖若しくは分岐のアル
    キル基を示し、R4は水素原子、メチル基、メトキシ基、
    エトキシ基、メトキシエチル基、メトキシカルボニル基
    又はメトキシカルボニルメチル基を示す)
  2. 【請求項2】請求項第1項の(A)式で示される有機カ
    ルボン酸亜鉛に、酸無水物類の一種又は二種以上及び請
    求項第1項の(B)式で示されるモノフェノール類の一
    種又は二種以上を混合して加熱変性して得られる変性有
    機カルボン酸亜鉛を必須成分として含む酸無水物系エポ
    キシ樹脂用硬化組成物。
  3. 【請求項3】請求項第1項の(A)式で示される有機カ
    ルボン酸亜鉛に、酸無水物類の一種又は二種以上及び請
    求項第1項の(B)式で示されるモノフェノール類の一
    種又は二種以上を混合して加熱変性して得られる変性有
    機カルボン酸亜鉛を必須成分として含むエポキシ樹脂組
    成物。
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