JPH089655Y2

JPH089655Y2 - 世界時計

Info

Publication number: JPH089655Y2
Application number: JP1988037676U
Authority: JP
Inventors: 肇茂木; 正桜沢
Original assignee: Casio Computer Co Ltd
Current assignee: Casio Computer Co Ltd
Priority date: 1988-03-24
Filing date: 1988-03-24
Publication date: 1996-03-21
Anticipated expiration: 2003-03-24
Also published as: JPH01141485U

Description

【考案の詳細な説明】［考案の技術分野］この考案は世界の各都市の時刻を知ることのできる指
針式の世界時計に関する。

［従来技術とその問題点］従来、指針式の世界時計は、第８図に示すように、腕
時計ケース１の内部に時計ムーブメントを備え、腕時計
ケース１の上部外周に回転ベゼル２を回転可能に取り付
け、この回転ベゼル２に世界の都市名を描いた構成とな
っている。このような世界時計は、基準都市が東京の場
合には、時針ａ、分針ｂ、秒針ｃ等の指針により指示表
示される時刻は、通常、東京の時刻（５時12分）を示
し、各都市の時刻を知る場合には、その都度、回転ベゼ
ル２を回転させて、その上面に描かれた東京「TYO」を
時針ａに合わせる。これにより、例えば、ニューヨーク
「NYC」が３時、ロンドン「LON」が８時であることが指
針とは関係なく解る。

しかしながら、上記のような世界時計では、基準都市
（東京）の時刻が進むにつれて回転ベゼル２も回転させ
なければ、世界の各都市の時刻を知ることができない。
例えば、基準都市、東京の時刻が６時になると、回転ベ
ゼル２を回転させて東京「TYO」を６時の位置に合わせ
なければならない。そのため、操作が面倒で、操作性も
悪く、しかも指針とは関係なく時刻を読み取らなければ
ならないので、世界の各都市の時刻を正確に知ることが
できないという欠点があった。

［考案の目的］この考案は上述した事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、世界の各都市の時刻を簡単かつ
容易に知ることができる世界時計を提供することにあ
る。

［考案の要点］この考案は上述した目的を達成するために、時針の位
置の時刻を示すための複数の時字が形成された時字回転
ベゼルと、時差のある複数の都市名が形成された都市名
回転ベゼルとを同心的に回転可能に設けると共に、時字
回転ベゼル及び都市名回転ベゼルのうち一方の回転ベゼ
ルを回転させた際に他方の回転ベゼルを停止させたまま
で一方の回転ベゼルのみを回転させ、他方の回転ベゼル
を回転させた際には一方の回転ベゼルを連動して一緒に
回転させるようにしたことを要点とする。

［第１実施例］以下、第１図〜第４図を参照して、この考案を腕時計
に適用した場合の一実施例について説明する。

第１図および第２図は腕時計の外観を示し、第３図は
その断面を示す。これらの図において、10は時計ケース
であり、この時計ケース10の上面中央には時計ガラス11
が装着され、その外周側には内周ベゼル12および外周ベ
ゼル13がそれぞれ回転可能に取り付けられており、時計
ケース10の内部にはアナログムーブメント14が収納さ
れ、下面には裏蓋15が取り付けられている。なお、時計
ケース10の側壁にはリューズ16が設けられており、前後
壁にはバンド取付部10a、10aが形成されている。また、
アナログムーブメント14は時計の主要部で、その上面に
は文字板14aが設けられ、この文字板14aの中心部分を指
針軸14bが通り抜けて上方へ突出し、この突出した指針
軸14bの上端に時針ａ、分針ｂ、秒針ｃ等の指針が取り
付けられ、この指針が文字板14aの上方を運針して時刻
を指示表示する。

一方、時計ガラス11の外周側に取り付けられる各ベゼ
ル12、13のうち、内周ベゼル12は断面「Ｌ」字状のリン
グで、時計ガラス11が装着される時計ケース10の段差部
10bに回転可能に取り付けられ、その上面には「１」〜
「12」の時字12a…が印刷されているとともに、これら
の間の所定箇所に手動操作用の突起12b…が形成されて
おり、その外周面における上部には摺動リング17が装着
され、その下部外周にはクリック用の係合凹部12c…が
多数（この実施例では12個）等間隔に形成されている。
また、外周ベゼル13は内周ベゼル12よりも大きな断面
「Ｌ」字状をなすリングで、時計ケース10の上部外周に
形成された外側の段差部10cに摺動リング18を介して回
転可能に取り付けられるとともに、その上部内面が内周
エゼル12の外周に設けられた摺動リング17に弾接して取
り付けられている。そして、この外周ベゼル13の上面に
は世界の各都市名、例えば東京「TYO」、ニューヨーク
「NYC」、ロンドン「LON」、パリ「PAR」等が12時間ず
れた状態で上下２段に12分割されて表示されており、こ
れら各都市名の間における外周面には凹部13a…がそれ
ぞれ形成され、内側下面には板ばね19が取り付けられて
いる。この板ばね19は第４図に示すように、内周ベゼル
12が回転するときはそれのみを独立して回転させるが、
外周ベゼル13が回転するときはこれと共に内周ベゼル12
をも同時に回転させるもので、リング状の板状をなし、
その所定箇所には外周ベゼル13の固定用ばね部19aと内
周ベゼル12の連動用のばね部19bとが対向して形成さ
れ、ビス20…により外周ベゼル13の下面に取り付けられ
ている。すなわち、固定用のばね部19aは板ばね19の下
側へ切起こされ、時計ケース10の外側の段差部10cに多
数（この実施例では12個）形成された係止凹部10d…内
にクリック感をもって係脱可能に係合する。また、連動
用のばね部19bは板ばね19の内側上部に切起こされ、内
周ベゼル12の外周に形成された係合凹部12c…にクリッ
ク感をもって係脱可能に係合する。この場合、固定用の
ばね部19aは連動用のばね部19bのばね力よりも強く設定
されている。これにより、内周ベゼル12のみが回転する
ときには、固定用のばね部19aは時計ケース10の係止凹
部10dに離脱することなく係合し、外周ベゼル13の回転
を停止させ、かつ連動用のばね部19bは係合凹部12c…か
ら離脱し、内周ベゼル12が回転可能となる。

次に、上記のように構成された世界時計を使用する場
合について説明する。

予め、基準都市を例えば東京に設定し、この東京にお
ける現在時刻に指針を合わせておく。すると、第１図に
示すように、通常、東京における現在時刻が例えば「午
後３時」と指示表示され、下段に印刷されたリオデジャ
ネーロ「RIO」の時刻は「午前３時」を示す。

このような状態で、世界の各都市、例えばニューヨー
クの時刻を知りたい場合には、外周ベゼル13を回転させ
て、その上面に表示された「NYC」を「12時」の位置に
セットする。この場合には、板ばね19の連動用のばね部
19bが内周ベゼル12の係合凹部12cに係合しているので、
外周ベゼル13と共に内周ベゼル12も回転する。そのた
め、外周ベゼル13に表示された「NYC」が「12時」の位
置にセットされ、これと同時に内周ベゼル12に印刷され
た「10」の時字12aが「12時」の位置へ移動するととも
に、「１」の時字12aが「３時」の位置へ移動する。こ
の結果、ニューヨークの時刻は「午前１時」であること
が解る。また、ロンドンの時刻を知りたい場合には、同
様に、外周ベゼル13を回転させて、「LON」を「12時」
の位置にセットすれば良い。すると、内周ベゼル12に印
刷された「３」の時字12aが「12時」の位置へ移動し、
「６」の時字12aが「３時」の位置へ移動するので、ロ
ンドンの時刻は「午前６時」であることが解る。以下、
同様にして世界の各都市の時刻を知ることができる。

また、基準都市を例えばニューヨークに設定する場合
には、まず、外周ベゼル13を回転させて、その上面に表
示された「NYC」を「12時」の位置にセットする。この
ときには、板ばね19の連動用のばね部19bが内周ベゼル1
2の係合凹部12cに係合しているので、外周ベゼル13と共
に内周ベゼル12も同時に回転し、内周ベゼル12の「10」
の時字12aが「12時」の位置に配置されるので、この
後、内周ベゼル12のみを回転させて、「12」の時字12a
を「12時」の位置にセットする。すなわち、内周ベゼル
12の上面に形成された手動用の突起12b…に指等を引っ
掛けて内周ベゼル12を回転させる。この場合には、板ば
ね19の連動用のばね部19bよりも固定用のばね部19aの方
がばね力が強いので、連動用のばね部19bにより内周ベ
ゼル12側のみの係合が外れて、内周ベゼル12のみが回転
する。これにより、「12時」の位置に外周ベゼル13の
「NYC」が位置し、かつ内周ベゼル12の「12」の時字12a
が位置する。この状態で、リューズ16を引き出して回す
ことにより、ニューヨークにおける現在時刻に指針を合
わせることができる。このように針合わせが行なわれる
と、通常、ニューヨークにおける現在時刻が指示表示さ
れる。

［第２実施例］次に、第５図〜第７図を参照して、この考案の第２実
施例を説明する。この場合、上述した第１実施例と同一
部分には同一符号を付し、その説明は省略する。

この第２実施例は内周ベゼル21を回転および上下動可
能に取り付け、通常は板ばね22により押し上げられて外
周ベゼル23と共に回転し、板ばね22に抗して押し下げら
れた際に内周ベゼル21が独立して回転するように構成さ
れている。すなわち、外周ベゼル23は上述した第１実施
例と同様に、時計ケース10の外側の段差部10cに回転可
能に取り付けられ、その内壁下部には係止溝23a…が等
間隔に多数（この実施例では12個）上下方向に形成さ
れ、この係止溝23a…と対応する下面には固定用の係止
凹部23b…が形成されており、上面には世界の都市名
（図示せず）が表示され、これらの間における外周面に
凹部23c…が形成されている。内周面ベゼル21は外周ベ
ゼル23と時計ガラス11との間における時計ケース10の内
側の段差部10bに回転および上下動可能に摺動リング24
を介して取り付けられているとともに、下側から板ばね
22により押し上げられている。そして、この内周ベゼル
21の外周面の上部には外周ベゼル23の内側面に弾接する
摺動リング25が装着され、その下部側には外周ベゼル23
の係止溝23a…に係脱可能に係合する係合突出部21a…が
多数（12個）形成されており、上面には「１」〜「12」
の時字（図字せず）が形成されているとともに、これら
の間における所定箇所に手動用の突起21b…が４個形成
されている。この場合、係合突出部21a…は板ばね22に
より内周ベゼル21が押し上げられているときに、外周ベ
ゼル23の係止溝23a…に係合し、板ばね22に抗して押し
下げられたときに、外周ベゼル23の係止溝23a…から離
脱する。なお、係合突出部21a…はその上端が係止溝23a
…の上端に当接することにより、内周ベゼル21が上方へ
抜けないようになっている。板ばね22は内周ベゼル21を
回転可能に押し上げるとともに、外周ベゼル23を係脱可
能に係止するもので、時計ケース10の各段差部10b、10c
間に形成された段差凹部10d内に配置され、その全体が
リング状の板状をなし、その内周側の所定箇所には内周
ベゼル21の下面を押し上げるばね部22a…が切起しによ
り形成され、外周側の所定箇所には外周ベゼル23の固定
用の係止凹部23b…にクリック感をもって係脱可能に係
合する固定用のばね部22b…が切起しにより形成されて
いる。

次に、上記のように構成された内周ベゼル21と外周ベ
ゼル23との動作について説明する。

通常は、板ばね22のばね部22aにより内周ベゼル21が
弾力的に押し上げられ、その下部外周に形成された係合
突出部21a…が第５図に示すように、外周ベゼル23の下
部内周に形成された係止溝23a…内に下側より係合す
る。そのため、外周ベゼル23を板ばね22の固定用のばね
部22bの係合力に抗して回転させると、これと共に内周
ベゼル21も同時に回転する。また、内周ベゼル21を独立
して回転させる場合には、内周ベゼル21の上面に形成さ
れた手動用の突起21b…に指等を当て、板ばね22のばね
部22a…に抗して押し下げると、内周ベゼル21の係合突
出部21a…が外周ベゼル23の係止溝23a…から下側へ移動
して離脱する。この状態で、内周ベゼル21を回転させる
と、外周ベゼル23はその係止凹部23b…板ばね22の固定
用のばね部22bが係合することにより固定され、回転し
ない。

しかるに、このように構成された世界時計において
も、上述した第１実施例と同様に使用することができ、
世界の各都市の時刻を簡単かつ容易に知ることができ
る。

なお、上述した各実施例では、内周ベゼルに時字を外
周ベゼルに各都市名を表示したが、内周ベゼルに各都市
名を外周ベゼルに時字を表示しても良い。

また、上述した各実施例では、内周ベゼルに印刷され
た時字、および外周ベゼルに表示された各都市名をそれ
ぞれ12分割して「12時間」表示したが、この考案はこれ
に限らず、24分割して「24時間」表示するようにしても
良い。

また、上述した各実施例ではそれぞれ板ばね19、22を
用いて内周ベゼル12、21を独立して回転させるととも
に、外周ベゼル13、23を連動させて回転させるようにし
たが、この考案はこれに限らず、各ばね部を外周ベゼル
に一体に形成しても良い。

さらに、この考案は上述した各実施例のような腕時計
に限らず、指針式の時計に広く適用することができる。

［考案の効果］以上詳細に説明したように、この発明の世界時計によ
れば、都市名回転ベゼルの基準都市名（例えば、東京
「TYO」やニューヨーク「NYC」など）が回転方向の特定
位置（例えば「12」時の位置）に位置しているときに指
針と時字回転ベゼルの複数の時字との関係から基準都市
の時刻が読み取れるように時字回転ベゼルの複数の時字
と都市名回転ベゼルの複数の都市名との対応関係を設定
することにより、基準都市の時刻を時字回転ベゼルの時
字に対する指針の指示で容易に知ることができる。そし
て、この状態で、時字回転ベゼルと都市名回転ベゼルと
を一緒に都市名回転ベゼルの所望の都市名（例えば、ロ
ンドン「LON」）が特定位置（例えば「12」時の位置）
になるまで回転させることにより、指針と時字回転ベゼ
ルの時字とにより所望の都市の時刻を知ることができ、
世界の都市の時刻を簡単かつ容易に知ることができる。
この場合、所望の都市名を特定位置に一度設定すれば、
その後は設定した都市の時刻を常に時字回転ベゼルの時
字に対する指針の指示により知ることができるととも
に、時字回転ベゼルと都市名回転ベゼルを特定位置まで
回転させればよいので、どの位置まで回転させればよい
かがわかりやすく、回転操作が簡単かつ容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの考案を腕時計に適用した場合の第
１実施例を示し、第１図はその外観正面図、第２図はそ
の側面図、第３図は第１図のＡ−Ａ断面図、第４図はベ
ゼル部分の裏面図、第５図〜第７図は第２実施例を示
し、第５図および第６図は内周ベゼルの動作状態を示す
断面図、第７図はベゼル部分の半分を示す裏面図、第８
図は従来例を示す外観正面図である。 10……時計ケース、12、21、31……内周ベゼル、12a、3
1a……時字、13、23、30……外周ベゼル、14b……指針
軸、19、22……板ばね、ａ……時針、ｂ……分針、ｃ…
…秒針。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】時針及び分針を運針するための指針駆動機
構と、前記時針の回転中心を中心に回転可能に設けられ前記時
針位置を示すための複数の時字が形成された時字回転ベ
ゼルと、この時字回転ベゼルと同心的に回転可能に設けられ時差
のある複数の都市名が前記時差が前記時字回転ベゼルの
前記複数の時字の時間差に対応するように形成された都
市名回転ベゼルと、前記時字回転ベゼル及び前記都市名回転ベゼルのうち一
方の回転ベゼルを回転させた際に他方の回転ベゼルを停
止させたままで前記一方の回転ベゼルのみを回転させ、
前記他方の回転ベゼルを回転させた際には前記一方の回
転ベゼルを連動して一緒に回転させる回転制御機構とを
具備し、前記都市名回転ベゼルの基準都市名が回転方向の特定位
置に位置しているときに前記指針と前記時字回転ベゼル
の複数の時字との関係から前記基準都市の時刻が読み取
れるように前記時字回転ベゼルの複数の時字と前記都市
名回転ベゼルの複数の都市名との対応関係を設定した
後、前記他方の回転ベゼルを回転させて、前記時字回転ベゼ
ル及び前記都市名回転ベゼルを一緒に前記都市名回転ベ
ゼルの所望の都市名が前記特定位置になるまで回転させ
た際に、前記特定位置の都市の時刻を前記指針と前記時
字回転ベゼルの複数の時字との関係から読み取れるよう
にしてなる世界時計。