JPH0896450A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】２種類以上の大きさのカセットに対応してリー
ル台位置を調整するリール台移動機構を具備する磁気記
録再生装置を簡易な構成で実現することを目的とする。 【構成】磁気テープ引出機構３ａ〜３ｆは、カセットＬ
に格納された磁気テープＴを引出し、回転ドラム１に巻
回する。磁気テープＴは、キャプスタン４により供給リ
ール５から巻取りリール６へと走行する。供給リール台
５ａは供給側ラック７の一端上に、巻取りリール台６ａ
は巻取り側ラック８の一端上にそれぞれ回転自在に配設
する。供給側ラック７及び巻取り側ラック８は、リール
ベース９上に垂直に固定されたスライドピン１０ａ〜１
０ｆにより規制されており、供給リール台５ａと巻取り
リール台６ａを結ぶ直線と平行方向にのみ摺動自在に配
設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、リール間隔の異なる
複数種類の形状のカセットを装着可能な磁気記録再生装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術として、特公平４−２５６２
０に示されるような２種類のサイズのカセットを装着可
能な磁気記録再生装置があった。図１３は従来の磁気記
録再生装置を示す構成図である。図１３において、リー
ル台１２０を直線または円弧上の軌跡に沿って移動させ
るリール台移動機構を具備している。図１３は、リール
台１２０が大きいカセット使用時の広い間隔になってい
る状態を示す。小さいカセットを使用する際のリール台
移動動作について説明する。駆動モータ１２１が回転こ
とにより、ウォームギア１２２はモータ軸１２３と一体
に回転する。ウォームギア１２２は左右逆向きのねじが
切られている。この結果、ウォームギア１２２が回転す
ることにより、ウォームホイル１２４は、図１３中矢印
Ａで示すように左右で逆方向に回転力が伝達される。こ
の結果、駆動アーム１２５及び１２６で構成されるリン
クに駆動力が伝達される。摺動台１２７はガイド軸１２
８及び１２９に沿って摺動する。摺動台１２７にはリー
ルモータ１３０及びリール台１２０が配設される。これ
により、摺動台１２７、リールモータ１３０及びリール
台１２０は図１４に示す位置に移動し、小さいカセット
のリール間位置に対応してリールを駆動することができ
るしかしながら従来の磁気記録再生装置では構成が複雑
になり、小型・軽量化に不向きであり、コストも高くな
るという問題点があった。また、リール台の移動可能な
位置が直線又は円弧上の移動軌跡上に限定されるという
問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のリール台移動機構は構成が複雑になり、小型・軽量化
に不向きであり、コストも高くなるという欠点があっ
た。また、リール台の移動可能な位置が直線又は円弧上
の移動軌跡上に限定され、設計上の制約を受けるという
欠点があった。

【０００４】そこで、この発明は上記欠点を除去し、２
種類以上の大きさのカセットに対応してリール台位置を
調整するリール台移動機構を具備する磁気記録再生装置
を簡易な構成で実現することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明では、カセットに収納された磁気テープを
引出し、回転ヘッドへ当接させる磁気テープ引出し手段
と、前記カセットに設けられた巻き取り側リールと、前
記カセットに設けられた供給側リールと、前記巻き取り
側リール及び前記供給側リールに係合する第１及び第２
のリール台と、前記第１のリール台と前記第２のリール
台を結ぶ方向と平行な方向に前記第１又は第２のリール
台を移動するリール台移動手段とを具備し、前記磁気テ
ープ引出し部と前記リール台移動手段が前記第１のリー
ル台と前記第２のリール台を結ぶ方向と略垂直な方向に
相対移動することを特徴としている。

【０００６】

【作用】このように構成されたものにおいては、第１の
リール台と第２のリール台との距離を変化させるととも
に、磁気テープ引出し部とリール台移動手段とを略垂直
な方向に相対移動させることにより、異なるサイズのカ
セットに対応する磁気記録再生装置を実現できる。

【０００７】

【実施例】この発明の実施例を図面を参照し、詳細に説
明する。図１、図２及び図３はこの発明の一実施例を示
す磁気記録再生装置の構成図である。ここで図１は大き
いサイズのカセットＬをローディングした場合を示し、
図２は図１における展開図である。図３は小さいサイズ
のカセットＳをローディングした場合を示す。このとき
の記録再生動作は従来のＶＴＲと同様ヘリカルスキャン
方式によって行われる図１において、側面に磁気ヘッド
を配設した回転ドラム１は、ドラムベース２上に所定の
角度をもって配設する。磁気テープ引出機構３ａ〜３ｆ
は、カセットＬに格納された磁気テープＴを引出し、回
転ドラム１に巻回する。磁気テープＴは、キャプスタン
４により供給リール５から巻取りリール６へと走行す
る。供給リール５及び巻取りリール６は、それぞれ供給
リール台５ａ及び巻取りリール台６ａに係合する。

【０００８】供給リール台５ａは供給側ラック７の一端
上に、巻取りリール台６ａは巻取り側ラック８の一端上
にそれぞれ回転自在に配設する。供給側ラック７及び巻
取り側ラック８は、リールベース９上に垂直に固定され
たスライドピン１０ａ〜１０ｆにより規制されており、
供給リール台５ａと巻取りリール台６ａを結ぶ直線と平
行方向にのみ摺動自在に配設する。また、リールベース
９はドラムベース２上に垂直に固定されたスライドピン
１１ａ〜１１ｄにより規制されており、供給リール台５
ａと巻取りリール台６ａを結ぶ直線と垂直方向にのみ摺
動自在に配設する。

【０００９】図２に示すように、供給リール台５ａと巻
取りリール台６ａを結ぶ直線と平行方向のリールベース
９の一端部に、モータ固定部材１２を介してリール移動
用モータ１３を配設する。リール移動用モータ１３の回
転軸に係合されたモータギア１３ａは、矢印ａの方向に
回転する。モータギア１３ａは、リールベース９上に回
転自在に配設されたギヤ１４ａ及び１４ｂと歯合する。
ギヤ列１４は、巻取り側ラック８の一端に形成されたピ
ニオンギア部８ａと歯合し、矢印ｂ方向に距離ｌｈだけ
巻取り側ラック８を移動する。また、巻取り側ラック８
の中央部に設けられたピニオンギア部８ｂは、リールベ
ース９上に回転自在に配設されたラック１５と歯合す
る。ラック１５は、供給側ラック７の一端に形成された
ピニオンギア部７ａと歯合し、矢印ｃ方向に距離ｌｈだ
け供給側ラック７を移動する。

【００１０】ここで距離ｌｈは大きいサイズのカセット
Ｌと小さいサイズのカセットＳとのリール中心間距離の
差の１／２である。巻取り側ラック８及び供給側ラック
７を移動することにより、巻取りリール台６ａと供給リ
ール台５ａとの間隔が短くなり、小さいカセットＳのリ
ール間隔に適合する。

【００１１】また、モータギア１３ａは、リールベース
９上に回転自在に配設されたギヤ１６ａ及び１６ｂと歯
合する。ギヤ列１６は、ドラムベース２の側面に形成さ
れたピニオンギア部２ａと歯合し、矢印ｄ方向に距離ｌ
ｖだけリールベース９を移動する。リールベース９はド
ラムベース２上に垂直に固定されたスライドピン１１ａ
〜１１ｄにより規制されており、供給リール台５ａと巻
取りリール台６ａを結ぶ直線と垂直方向にのみ摺動自在
に配設する。ここで距離ｌｖは大きいサイズのカセット
Ｌと小さいサイズのカセットＳとの開口端１８から供給
リール台５ａと巻取りリール台６ａを結ぶ直線との距離
の差を示す。

【００１２】リールベース９を移動することにより、磁
気ドラム１との距離を近づけることにより、小さいサイ
ズのカセットＳの最適位置へ適合することができる。こ
こで、ｌｈ及びｌｖはギヤ列１４及び１６の減速比を変
更することにより、任意の大きさのカセットに対し設定
することができる。

【００１３】また、図３に示す位置から図１に示す位置
への移動は、以上に説明した図１から図３へのリール台
の移動動作の逆の動作を行うことにより実行できる。こ
の実施例においては、供給側ラック７及び巻取り側ラッ
ク８を移動することにより、巻取りリール台６ａと供給
リール台５ａとの間隔と磁気ドラム１とリールベース９
との間隔をそれぞれ制御することにより、異なるサイズ
のカセットに対応して記録再生動作をすることができ
る。

【００１４】なお、この実施例ではギヤ列１４及び１６
を同一のリール移動用モータ１３で駆動する構成である
が、ギヤ列１４及び１６をそれぞれ専用のモータで独立
して駆動制御すれば、リール台の移動可能一が２次元的
に展開することが可能になり、使用可能なカセットのサ
イズの自由度を広げることができる。

【００１５】図４及び図５は、この発明の他の実施例を
示す磁気記録再生装置の構成図である。図４は大きいサ
イズのカセットＬを使用した場合の構成図を示し、図５
は小さいサイズのカセットＳを使用した場合の構成図を
示す。

【００１６】図４及び図５において、４０は磁気記録再
生装置本体、４１はサイドカバー、４２はトップカバー
である。図４から図５への動作を実現する機構について
図６を用いて詳細に説明する。図６はトップカバー４２
及びカバーベース６０のスライド機構部分のみを示した
動作説明図である。図６においてカバーベース６０の一
端に設けられた長穴部６１ａ〜６１ｃには、図示せぬ本
体シャーシに固定されているスライドピン６２ａ〜６２
ｃが、それぞれ摺動自在に係合する。カバーベース６０
のヒンジ部６３ａ及び６３ｂにはトップカバー４２がピ
ン６４ａ及び６４ｂを介してそれぞれ回転自在に係合す
る。

【００１７】カバーベース６０の端部にはピニオンギヤ
部６５が形成されており、ギヤ６７を介して、モータ６
８に係合されたモータギヤ６９に歯合する。図示せぬＣ
ＰＵは、カセット着脱時に小さいサイズのカセットＳか
大きいサイズのカセットＬかを検出し、この検出結果に
応じてモータ６８の回転を制御する。その結果モータギ
ヤ６９はＣＰＵに支持された移動量分だけ回転し、カバ
ーベース６０を所定の位置に移動させる。

【００１８】この移動量について図７を用いて説明す
る。カバーベース６０はカセット脱着時、カセットＳ使
用時及びカセットＬ使用時の３つに応じたモードに応じ
た位置に移動する。それぞれの位置は図７に示すよう
に、カセット脱着時が最も上端に伸びた状態であり、カ
セットＳ使用時が最も下端に縮んだ状態であり、カセッ
トＬ使用時が前記２つのモードの中間位置である。ま
た、カセット脱着の際のサイドカバー４１及びトップカ
バー４２の開閉動作について図８に示す。カセットＳ又
はカセットＬを着脱する場合は、トップカバー４２を開
けてから、サイドカバー４１を開閉する構成である。

【００１９】この実施例においては、ムービーカメラな
ど携帯性が重視されてる磁気記録再生装置では使用する
サイズのカセットの大きさに合わせて本体の大きさを変
化させることが可能となり、小型軽量化に貢献すること
ができる。

【００２０】図９は、この発明のもう一つの他の実施例
を示す磁気記録再生装置の構成図である。図１０は図９
における構成図の側面展開図である。図１０において１
００は図示せぬリール台移動機構、テープローディング
機構及びテープ走行機構などからなるメインシャーシ、
１０１はカセット挿入口蓋、１０２はカセットの背ラベ
ル読取窓の透明板である。ここで図９及び図１０は大き
いサイズのカセットＬを使用した場合の構成図を示す。

【００２１】図１１及び図１２は、この実施例において
小さいサイズのカセットＳを使用した場合の構成図を示
す。ここで大きいサイズのカセットＬから小さいサイズ
のカセットＳへの動作を実現する機構について図９〜図
１２を用いて詳細に説明する。図９においてメカシャー
シ１００の端部には長穴部１００ａ〜１００ｃが設けら
れており、磁気記録再生装置の本体シャーシ１０３上に
垂直に固定されたスライドピン１０４ａ〜１０４ｃに摺
動自在に係合する。メカシャーシ１００の端部にはピニ
オンギア部１０６が形成されており、ギヤ１０７を介し
てモータ１０８に係合したモータギヤ１０９に歯合す
る。

【００２２】図示せぬＣＰＵは、カセット着脱時に小さ
いサイズのカセットＳか大きいサイズのカセットＬかを
検出し、この検出結果に応じてモータ１０８の回転を制
御する。その結果モータギヤ１０９はＣＰＵに支持され
た移動量分だけ回転し、メカシャーシ１００のフロント
パネルの透明板１０２からの距離を制御し、所定の位置
に移動させる。

【００２３】ここで図９及び図１１に示すように、カセ
ットＬの場合はメカシャーシ１００をフロントパネルの
透明板１０２から離し、カセットＳの場合はメカシャー
シ１００をフロントパネルの透明板に近づける。

【００２４】この実施例によれば大きさの異なるカセッ
トＳとカセットＬを使用した場合に、カセットの背ラベ
ル部と背ラベル読取り用の透明板１０２との距離の変化
を減少させることができ、背ラベル部を読取りやすくす
ることができる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したようにこの発明の磁気記録
再生装置によれば、巻取りリールと供給リールの距離
と、カセットと回転ヘッドの距離を可変することによ
り、異なるサイズのカセットを記録再生することができ
る。

【００２６】また、この発明によればカセットのサイズ
に応じて磁気記録再生装置全体の大きさを可変すること
で、可搬性に優れた磁気記録再生装置を実現することが
できる。

【００２７】さらに、この発明ではカセットの背ラベル
部と磁気記録再生装置のフロントパネルの透明板との距
離を可変することにより、背ラベル部を容易に読取るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す磁気記録再生装置の
構成図である。

【図２】図１における側面展開図である。

【図３】図１において小さいサイズのカセットＳをロー
ディングした場合の構成図である。

【図４】この発明の他の実施例を示す磁気記録再生装置
の構成図である。

【図５】図４において小さいサイズのカセットＳをロー
ディングした場合の構成図である。

【図６】図４における要部の動作説明図である。

【図７】図４における要部の動作説明図である。

【図８】図４における要部の動作説明図である。

【図９】この発明のもう一つの他の実施例を示す磁気記
録再生装置の構成図である。

【図１０】図９における側面展開図である。

【図１１】図９におけて小さいサイズのカセットＳをロ
ーディングした場合の構成図である。

【図１２】従来の磁気記録再生装置を示す構成図であ
る。

【図１３】従来の磁気記録再生装置を示す構成図であ
る。

【図１４】従来の磁気記録再生装置を示す構成図であ
る。

【符号の説明】

１…回転ドラム、２…ドラムベース、３ａ〜３ｆ…磁気
テープ引出機構、４…キャプスタン、５…供給リール、
６…巻取りリール、７…供給側ラック、８…巻取り側ラ
ック、９…リールベース、１０ａ〜１０ｆ…スライドピ
ン、１１ａ〜１１ｄ…スライドピン、１２…モータ固定
部材、１３…リール移動用モータ、１３ａ…モータギ
ア、１５…ラック。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カセットに収納された磁気テープを引出
   し、回転ヘッドへ当接させる磁気テープ引出し手段と、 前記カセットに設けられた巻き取り側リールと、 前記カセットに設けられた供給側リールと、 前記巻き取り側リール及び前記供給側リールに係合する
   第１及び第２のリール台と、 前記第１のリール台と前記第２のリール台を結ぶ方向と
   平行な方向に前記第１又は第２のリール台を移動するリ
   ール台移動手段とを具備し、 前記磁気テープ引出し部と前記リール台移動手段が前記
   第１のリール台と前記第２のリール台を結ぶ方向と略垂
   直な方向に相対移動することを特徴とする磁気記録再生
   装置。
2. 【請求項２】 前記磁気記録再生装置本体を使用する前
   記カセットの大きさに応じて変形させる匡体変形手段を
   具備したことを特徴とする請求項１記載の磁気記録再生
   装置。
3. 【請求項３】 カセットに収納された磁気テープを引出
   し、回転ヘッドへ当接させる磁気テープ引出し手段と、 前記カセットに設けられた巻き取り側リールと、 前記カセットに設けられた供給側リールと、 前記巻き取り側リール及び前記供給側リールに係合する
   第１及び第２のリール台と、 前記第１のリール台と前記第２のリール台を結ぶ方向と
   平行な方向に前記第１又は第２のリール台を移動するリ
   ール台移動手段と、 前記テープ引出し手段と前記リール台移動手段とを匡体
   に対して相対的に移動させる移動手段と、 前記カセットの背ラベルを読取る背ラベル読取手段とを
   具備し、 異なるサイズの前記カセットを使用する際、前記背ラベ
   ルと前記背ラベル読取手段との相対位置の変化を前記カ
   セットのサイズの違いよりも少なくすることを特徴とす
   る磁気記録再生装置。