JPH089634B2 - アミジノフェニルアラニン誘導体およびそれらの製法 - Google Patents

アミジノフェニルアラニン誘導体およびそれらの製法

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JPH089634B2
JPH089634B2 JP4115555A JP11555592A JPH089634B2 JP H089634 B2 JPH089634 B2 JP H089634B2 JP 4115555 A JP4115555 A JP 4115555A JP 11555592 A JP11555592 A JP 11555592A JP H089634 B2 JPH089634 B2 JP H089634B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はアミジノフェニルアラニン誘導
体、これら化合物の合成、それらの使用、およびこれら
化合物を含む薬剤に関する。
【0002】多くの病理生理学的条件が血漿中の主たる
トロンビン阻害剤であるアンチトロンビンIII(AT II
I)の消費を招くことは知られている。AT IIIの減少は
血栓症の危険を増大し、またとりわけ先天性AT III欠
乏症にみられる。その値が正常の75%を下回ると血栓
塞栓性合併症を招く。これらの合併症は往々にして手術
後播種性血管凝固の形で、およびショック状態で生じ
る。多くの場合、これには生命にかかわる血餅発生を伴
う。血栓症障害の治療および予防医学においては様々な
作用様式の抗凝固剤が今日までに用いられている。血栓
症の危険に急速に対応するのに用いられる物質は、例え
ばAT III、ヘパリンであり、最近ではヒルジンも用い
られている。クマリンおよびインダンジオン誘導体を用
いた長期的予防も行われる。しかしながら、前述の抗凝
固剤には相当な欠点を伴うことがある。
【0003】例えば、ヘパリンの場合にはそのポリサッ
カライド構造の故に非経口投与しか可能でなく、またそ
の効果は機能性アンチトロンビンIIIレベルに依存もす
る。クマリンはタンパク生合成を直接妨げるが、これは
ビタミンK依存性凝固因子II、VII、IXおよびXがもは
や十分な量で利用し得なくなり、そのために凝固ポテン
シャルが低下するためである。このため、得られる効果
はタイムラグのあるものとなる。知られている副作用は
出血性皮膚壊死、悪心および脱毛である。
【0004】これに対し、低分子量トロンビン阻害剤に
は、補助因子とは無関係に直接活性中心に結合する、従
っていわば酵素をブロックすることによってトロンビン
に直接作用するという長所がある。これら物質の化学構
造は、経口投与の可能性があることを意味している。
【0005】特によく知られているのは、アルギニンに
基づく、およびアミジノフェニルアラニンに基づくアミ
ノ酸誘導体である。第1の群には、D−フェニルアラニ
ル−L−プロリル−アルギニンアルデヒドおよび(2R,
4R)−4−メチル−1−〔N2−(3−メチル−1,2,
3,4−テトラヒドロ−8−キノリンスルホニル)−L−
アルギニル〕−2−ピペリジンカルボン酸一水和物
(“MD805”)などの化合物が含まれる。MD 8
05は治療にも用いられる拮抗性特異的トロンビン阻害
剤である。もう一つの知られているアミジノフェニルア
ラニン誘導体はβ−ナフチルスルホニル−グリシル−
R,S−4−アミジノフェニルアラニルピペリジン(N
APAP)である。NAPAPの誘導体はEP 023
6 163およびEP 0236 164に記載されてい
る。これらにおいては、グリシン(NH2−CH2−CO
OH)がNH2−CHR1−COOH(式中R1は低級ア
ルキル基、低級ヒドロキシアルキル基、フェニル基また
は4−ヒドロキシフェニル基である)なる構造の別のア
ミノ酸によって置き換えられている。4−アミジノフェ
ニルアラニン(Aph)はメチル化してN−メチル−A
phとすることができる。
【0006】さらに、NAPAPをアリールスルホニ
ル、“ブリッジ”グリシンおよびピペリジン環について
様々に誘導体化することも記載されている。これによる
場合最適なのはN−末端のα−またはβ−ナフチルスル
ホニル基であるのに対し、ヘテロアリールスルホニル基
例えば8−キノリンスルホニルは10の何乗も劣る。こ
れら化合物のもう一つの欠点(これは特にNAPAP構
造に関係するが)は、許容度が低い、薬剤動態挙動が好
ましくない、そして場合によっては特異性が低すぎる
(この点については特に過度の抗トリプシン活性を挙げ
るべきであろう)点である。p−アミジノフェニルアラ
ニン含有物質の経口投与は、腸内酵素および肝酵素に対
する安定性が至適でないために該物質があまりにも急速
に腸内および肝臓内で代謝されてしまうことによって妨
げられる。NAPAPのピペリジンとプロリンで置き換
えて許容度を向上しより好ましい薬剤動態を得ることが
できる。しかしながら、プロリン化合物の極めて重大な
欠点はトロンビン阻害作用がNAPAPに比べ100倍
も失われ望ましくない点である。さらに、今のところ、
置換分を導入することによりこれら化合物のトロンビン
およびトリプシンに対する特異性を顕著に向上させるこ
とはできない。
【0007】従って、本発明の目的は、アミジノフェニ
ルアラニンに基づく、かつ抗血栓症活性について既知化
合物よりも優れそして高い酵素耐性、改善された許容
度、改善された特異性および改善された薬剤動態を有す
る新規化合物を提供することにある。
【0008】本発明は、従って、式I
【化2】 (式中、R′はαまたはβ位で結合されそして3個以下
の炭素原子を有するアルキル基および/または各々3個
以下の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されていて
もよいナフタレン環であるか、またはαまたはβ位で結
合されそして3個以下の炭素原子で構成されるアルキル
基および/または各々3個以下の炭素原子を有するアル
コキシ基で置換されていてもよいテトラリン環もしくは
インダン環であるか、または4個以下の炭素原子を含む
アルキル基でおよび/または3個以下のO−X(式中/
は酸素でありそしてXは水素、メチル、エチル、n−プ
ロピル、i−プロピルまたはtert.−ブチルであ
る)なる構造の基でおよび/または1個の−COOY
(式中Yは水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−
プロピル、tert.−ブチル、i−ブチル、i−ペン
チルまたはネオ−ペンチルである)なる構造の基で置換
されていてもよいフェニル環であるか、または3個以下
の炭素原子を含む好ましくは5個以下のアルキル基で誘
導体化されたクロマン系であり、RはA−B(式中A
は−(CH−であり、nは1〜4でありそしてB
は所望によりエステル化(該エステルは17個以下の炭
素原子を有するアルコールを含む)されていてもよい、
またはアミド形態にあるカルボキシ官能基およびスルホ
ン酸官能基より成る群より選ばれる酸官能基である)な
る構造の基であるか、またはA−B−C(式中Aは前記
の意味を有し、Bはカルボニルまたはスルホニルであ
り、そして基CはNに結合したα、β、γまたはδアミ
ノ酸からまたはN−グリコシド的に連結したウロン酸の
基から誘導される)なる構造の基であり、そしてR
よびRは同一であるかまたは異なってもよく、そして
4個以下の炭素原子を有するアルキル基であるか、また
は一緒になって、8個以下の環員を有しそしてヒドロキ
シル基または3個以下の炭素原子を有するヒドロキシア
ルキル基で誘導体化されていてもよい複素環を形成し、
またこのヒドロキシル基は所望によりエステル化(相当
する酸は17個以下の炭素原子を含むカルボン酸であ
る)された形であり、そして式中、*印を付した炭素原
子はRまたはS構造をとるがR構造をとるのが好まし
い)で示される化合物に関する。
【0009】これらの新規化合物は、式Iにおけるアミ
ノ酸R1が酸性アミノ酸であるという特徴を有する。酸
性アミノ酸の例は、タンパクに存在するアミノ酸、グル
タミン酸およびアスパラギン酸またはシステイン酸のほ
か非天然アミノ酸例えばアミノアジピン酸または3−ホ
スホノアラニンまたは2−アミノ−3−ボロプロピオン
酸などである。非対称置換炭素原子の結果としてこれら
のアミノ酸はカイラル物質なので、これらのアミノ酸を
用いて調製される新規化合物も異なる活性を有するとこ
ろ、より高い活性の最終化合物を与えるのは主として相
当するアミノ酸のL体である。
【0010】R1の構造において特定された基Aは好ま
しくはnが1または2という数のものであって、1とい
う数が格別に好ましい。基Cがアミノ酸の場合、これは
好ましくはα、β、γ、またはδ−アミノ酸を意味す
る。かかるアミノ酸の例は、α−アミノアジピン酸、α
−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、4−アミノ安息香酸、
2−アミノ安息香酸、ε−アミノカプロン酸、1−アミ
ノシクロヘキサンカルボン酸、2−アミノシクロヘキサ
ンカルボン酸、3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、
4−アミノシクロヘキサンカルボン酸、1−アミノシク
ロペンタンカルボン酸、2−アミノ−4,5−ジメチル
−3−フェノキサゾン−1,8−ジカルボン酸、2−ア
ミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、α−アミ
ノ−イソ酪酸、アミノヒドロキシ酪酸、β−アミノイソ
酪酸、アラニン、β−アラニン、デヒドロアラニン、C
−アリルグリシン、アリイン、2−アミノ−3−メチル
ブチル−1,3−チアゾリン−5−カルボン酸、6−ア
ミノペニシラン酸、α−アミノピメリン酸、1−アミノ
シクロプロパンカルボン酸、アスパラギン、アスパラギ
ン酸、α−アミノスベリン酸、アゼチジンカルボン酸、
アジリジンカルボン酸、バイキアイン(baikiaine)、
C−ベンジルフェニルアラニン、カナバニン、シトルリ
ン、システイン、シスタチオン、ジエンコリック酸(dj
enkolic acid)、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニ
ン、4−スルホニルフェニルアラニン、2,2−ジメチ
ル−1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸、フェリニ
ン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヘキサヒド
ロニコチン酸、ホモシステイン、ヒスチジン、ホモセリ
ン、δ−ヒドロキシリジン、γ−ヒドロキシプロリン、
β−ヒドロキシプロリン、イソロイシン、イソセリン、
イソバリン、キノレニン(kynorenine)、ランチオニ
ン、ロイセニン、ロイシン、リセルギン酸、メチオニ
ン、ミモシン、ミナリン(minaline)、ノルロイシン、
ノルバリン、パントニン、ピペコリック酸、ペニシラミ
ン、フェニルアラニン、C−フェニルグリシン、ピコリ
ン酸、プロリン、デヒドロプロリン、β−フェニルセリ
ン、2−ピリジルアラニン、5−ピロリドン−2−カル
ボン酸、3−ピラゾリルアラニン、キノキサリン−2−
カルボン酸、ロゼオニン、サルコシン、セレノシステイ
ン、セレノメチオニン、セリン、スタチン、1,3−チ
アゾール−2−イルアラニン、β−(1,3−チアゾール
−2−イル)アラニン、トレオニン、チロニン、チロキ
シン、1,3−チアゾリン−2−カルボン酸、ter−ロイ
シン、トリプトファン、トリプタチオニン、チロシン、
バリンである。これらのアミノ酸は、光学活性がある場
合にはDまたはL体であってよい。
【0011】Cが例えばD−またはL−グルタミン酸ま
たはアスパラギン酸を包含するアミジノジカルボン酸で
ある場合、これらカルボキシル基の一方は誘導体化され
ていてもよく、またαカルボキシル基が誘導体化されて
いるのが好ましい。このタイプの誘導体は好ましくは例
えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ベン
ジルアミン、ピペリジンまたはモルホリンから誘導され
たアミドである。
【0012】基CがN−グリコシド的に連結したウロン
酸である場合には、このタイプの化合物は次式により表
わすことができる:
【化3】 式中X1=−H, −OH, −CH3, O−アセチル X2=−H, −OH, −CH3, O−アセチル X3=−H, −OH, −CH3, O−アセチル
【0013】驚くべきことに、これら新規化合物は極め
て強力なトロンビン阻害剤である。腸および肝ホモジネ
ートに対する、およびトリプシンおよびキモトリプシン
に対する安定性が既知化合物に比べ決定的に向上すると
いうことも驚くべきことである。
【0014】驚くべきことに、本発明による化合物の活
性および特異性が基R′により大きく影響されることも
見出された。R′がβ−ナフチルスルホニルおよびR1
がAspである化合物はトロンビンおよびトリプシンの
阻害について酷似した活性、すなわち低特異性を有す
る。対トロンビン特異性は、スルホン酸残基R′にアル
キル基および/またはアルコキシ基および/またはヒド
ロキシル基および/またはカルボキシル基(これらには
好ましくは3個以下の炭素原子を有する基、特に好まし
くはメチルおよび/またはメトキシ基が包含される)を
導入することにより著しく高めることができる。すなわ
ち、このタイプの一以上の基により置換することによっ
て特にそして驚くべきことに、増大したトロンビン阻害
と同時に低下したトリプシン阻害を示す性質をもった物
質が得られる。
【0015】すなわち、ここに記載される優れた化合物
を与える誘導化パターンによりトロンビン阻害剤として
興味あるこの物質群の物質の性質に決定的に影響を与え
ることができる。
【0016】k値より明白となるところの格別な活性
を有する本発明による構造は、R′=フェニルおよびR
1=−CH2−COOH(すなわちL−Asp)を基本と
するもの、およびR′が4個以下の炭素原子を含むアル
キル基またはO−X(式中O=酸素および、X=水素、
メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルまたはte
rt.−ブチル)なる構造の基または−COOY(式中Y
=水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ル、tert.−ブチル、i−ブチル、i−ペンチルまたは
ネオ−ペンチル)なる構造の基を有するそれらより導か
れる化合物である。
【0017】より狭い意味において、かつ以下の例に限
定されるものではないとの前提において、R′として適
切かつ好ましいのは以下の基である: 6,7−ジメトキシナフチル− (β−Dmn) 5−メトキシナフチル− (β−Mns) 2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン− (Pmc) 5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン− (Thn) 5,6,7,8−テトラメチルナフチル− (Tmn) フェニル− (Phl) 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニル− (Mtr) 2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル− (Pme) 4−メトキシ−2,3,4,5,6−テトラメチルフェニル− (Mte) 4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル− (Htr) 4−カルボキシフェニル− (Cph)
【0018】Mtr基はこのは関連で極めて特別な活性
を有する、すなわちこれは4−メトキシ−2,3,6−ト
リメチルベンゼンスルホニルクロライドから導かれる構
造形態をとる。
【0019】基Cとして適しているのはα−、β−、γ
−またはδ−アミノ酸およびそれらの誘導体、およびN
−グリコシド的に連結したウロン酸例えばβ−D−アミ
ノグルクロン酸である。
【0020】驚くべきことに、本発明化合物は、改善さ
れた許容度をも有し、それ故従来技術の化合物よりも優
れている。すなわち、例えば、LD50(ラット、i.
v.)は化合物β−ナフチルスルホニル−L−Asp−
D,L−Aph−Pipについては約120mg/kgと測
定されたのに対し、NAPAPについてのこの値は約2
0mg/kgである。さらに、基R′のもう一つのカルボキ
シル基が本発明化合物の許容度を更に改善しているとい
うことも見出した。
【0021】酸性基による本発明の阻害剤の許容度向上
は、ヒスタミン放出の低下および血圧降下の低下となっ
て現われる。
【0022】これらの化合物は、強力なアンチトロンビ
ン活性、特異性およびより好ましい許容度のほかに、酵
素、例えばトリプシンやキモトリプシン、および肝臓お
よび腸ホモジネートに対する改善された安定性を有して
いるため、興味ある抗凝固剤群である。
【0023】述べるべき本発明化合物のもう一つの長所
は、これらの化合物を格別に魅力的にしている経口バイ
オアベイラビリティである。
【0024】本発明化合物は、血餅形成を防止するため
の治療用抗血栓症剤として、あるいは診断に用いること
ができる。
【0025】さらに本発明はこれらの物質の誘導体の提
供、特にエステル化合物の提供にも関する。これらは、
アミノ酸R1のカルボキシル基が17個以下の炭素原子
を有する脂肪族アルコールでエステル化されるという特
徴を有する。従って、このタイプのエステルはメチル、
エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ヘキ
サデシルまたはヘプタデシルアルコールなどのアルコー
ルから誘導される。アルコールによる誘導体化により本
発明物質の脂溶性が向上するが、これは好ましい腸吸収
性に反映される。
【0026】ラジカルR2およびR3にヒドロキシル官能
基が存在する場合には、それらは所望によりカルボン酸
でエステル化されていてもよい。かかるカルボン酸の例
は酢酸、コハク酸、ピバリン酸、ヘキサンカルボン酸、
オクタンカルボン酸、デカンカルボン酸、ドデカンカル
ボン酸またはヘキサデカンカルボン酸である。
【0027】アミジノ官能基は塩基作用の故に、通常塩
の形をとるので、本発明によるトロンビン阻害剤は様々
な塩の形でも存在し得る。さらに塩の形は、化合物の溶
解度および治療投与時の吸収性に相当な効果を有する。
塩の形としては、ホルメート、アセテート、カプロエー
ト、オレエートまたは16個以下の炭素原子を有するカ
ルボン酸の塩、クロライド、ブロマイド、ヨーダイド、
10個以下の炭素原子を有するアルカンスルホネート、
ジカルボン酸の塩およびトリカルボン酸例えばシトレー
トまたはタータレートなどを挙げることができる。
【0028】以下のものが特に好ましい:式I(式中
R′はβ−ナフチルであり、R1は−CH2−COOX
(Xは水素である)でありそしてR2およびR3は一緒に
なってピペリジンを表わす)の化合物。
【0029】式I(式中R′はβ−6,7−ジメトキシ
ナフチルであり、R1は−CH2−COOX(Xは水素で
ある)でありそしてR2およびR3は一緒になってピペリ
ジンを表わす)の化合物。
【0030】式I(式中R′はβ−テトラリンであり、
1は−CH2−COOX(Xは水素である)でありそし
てR2およびR3は一緒になってピペリジンを表わす)の
化合物。
【0031】式I(式中R′は4−メトキシ−2,3,6
−トリメチルフェニルであり、R1は−CH2−COOX
(Xは水素である)であり、そしてR2およびR3は一緒
になってピペリジンを表わす)の化合物。
【0032】式I(式中R′は4−カルボキシフェニル
であり、R1は−CH2−COOX(Xは水素である)で
ありそしてR2およびR3は一緒になってピペリジンを表
わす)の化合物。
【0033】式I(式中R′は4−ヒドロキシ−2,3,
6−トリメチルフェニルであり、R 1は−CH2−COO
X(Xは水素である)でありそしてR2およびR3は一緒
になってピペリジンを表わす)の化合物。
【0034】式I(式中R′は2,2,5,7,8−ペンタ
メチルクロマンであり、R1は−CH2−COOX(Xは
水素である)でありそしてR2およびR3は一緒になって
ピペリジンを表わす)の化合物。
【0035】式I(式中Xは17個以下の炭素原子を有
するアルコール残基である)の化合物。
【0036】式I(式中R1は−(CH2)n−SO3H(n
=1〜4)なる構造を有する)の化合物。
【0037】式I(式中R1は−(CH2)n−PO(OH)2
(n=1〜4)なる構造を有する)の化合物。
【0038】式I(式中R2およびR3は一緒になって3
−ヒドロキシメチルピペリジンを表わす)の化合物。
【0039】式I(式中ヒドロキシ官能は17個以下の
炭素原子を含むカルボン酸でエステル化されている)の
化合物。
【0040】さらに本発明は、保護された(protectiv
e)酸性アミノ酸をそのα位カルボキシル基を介してシ
アノフェニルアラニンアミド誘導体のα−アミノ官能基
に結合させ、N−α保護基を除去し、スルホニルクロラ
イドをこの窒素基に結合させ、シアノ基をアミジノ官能
基に変え、そして適切な場合には前記酸性アミノ酸の第
三官能基に存在する保護基を除去することより成る、式
Iの化合物の製造方法に関する。
【0041】酸性アミノ酸(これには特にアスパラギン
酸(Asp)またはグルタミン酸(Glu)というアミ
ノ酸が包含される)の取込みは保護されたアミノ酸の使
用による必要がある。これとの関係ではN−α官能基を
保護基でブロックすることが必要である。このために好
ましいものとして用いられる保護基はウレタン型の基、
例えば tert.−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベ
ンジルオキシカルボニル(ZまたはCbo)、ビフェニ
ルイソプロピルオキシカルボニル(Bpoc)、ジメト
キシジメチルベンジルオキシカルボニル(Ddz)また
は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmo
c)などである。これとの関連で側鎖官能基におけるカ
ルボキシル基をマスクするように特に留意する必要があ
る。
【0042】この目的に好ましいものとして用いられる
のは、合成後必要に応じて除去できるエステルである。
側鎖基マスキングを合成後に除去することを意図する場
合には、tert.−ブチルエステルを用いるのが好まし
い。適当なN−αの保護基は例えば、塩基で除去し得る
Fmoc基、または極めて酸に不安定なBpocまたは
Ddz基などである。最終化合物における酸性アミノ官
能基中の側鎖官能基をエステル化されたままにしておく
ためには、相当するN−α−Z−保護アミノ酸α−ter
t.−ブチルエステルを必要とされるアルコールでエステ
ル化するのが好ましく、そのZ基は水素添加分解により
除去し、適当なスルホニルクロライドをそのアミノ酸誘
導体と反応させ、tert.−ブチルエステルを加水分解に
より除去しそして単離生成物をシアノフェニルアラニン
誘導体のアミノ官能に結合させる。スルファミド結合の
生成は、一般に、標準方法により、適切なスルホニルク
ロライドを酸性アミノ酸のアミノ基に結合させることに
よって行われる。R′にフェノール基を含む化合物は、
相当する保護されたフェノールエステル、特に好ましく
は tert.−ブチルエーテル、を介して製造されるが、そ
れはスルホニルクロライドへの転化およびスルファミド
結合の生成の後に、酸分解により除去されて必要な最終
化合物を与える。
【0043】遊離フェノール基はさらに他の既知の方法
によって、例えば脱メチル化剤、特に好ましくは有機溶
媒中の三臭化硼素、を用いて製造することができ、また
ジクロロメタンを好ましいものとして挙げることができ
る。
【0044】第二の可能性は、まず酸性アミノ酸へのス
ルファミド結合を生成させそして次にそれをp−シアノ
フェニルアラニン誘導体に縮合させることである。アリ
ールスルホニルアミノ酸 tert.−ブチルエステルまたは
ヘテロアリールスルホニルアミノ酸 tert.−ブチルエス
テルの製造には、相当するスルホニルクロライドとアミ
ノ酸 tert.−ブチルエステルα−メチルエステルを塩基
例えばN−メチルモルホリンまたはジイソプロピルエチ
ルアミンを添加したジメチルホルムアミド中で反応させ
る。メチルエステルはアルカリで加水分解され、そして
Aphまたはシアノフェニルアラニン誘導体への結合は
カルボジイミド反応によって行われる。スルホン酸基
(B=SO3H)、好ましくはシステインスルホン酸を
有する本発明化合物は、N−α−保護システインスルホ
ン酸を用いて製造することができた。このためには、B
oc基をアミノ酸の窒素に結合し、そしてこの化合物を
シアノフェニルアラニンピペリジンに結合させる。保護
基を除去した後、必要なスルホニルクロライドをそれと
反応させる。さらに、遊離スルフヒドリル官能基を有す
る相当するシステイン化合物を製造し、次にそれを酸化
剤、例えば過蟻酸、を用いてスルホン酸に転化すること
も適切である。このためにBoc−Cys(SStB
u)またはBoc−Cys(Trt)を用いるのが好ま
しい。それら酸化反応は硫黄保護基の除去後に行われ
る。
【0045】α−、β−、γ−またはδ−アミノ酸の基
に由来する基Cを有する本発明化合物は、自体知られた
方法により製造される。N−保護された酸性アミノ酸、
例えばアスパラギン酸(最後的なスルホンアミド構造は
保護基として導入するのが好ましい)をカルボキシル−
保護アミノ酸に結合するのが好ましい。α−カルボキシ
ル官能基はこの場合好ましくはメチルエステルとして保
護される。その結合は、好ましくは、カルボジイミド型
の縮合剤、好ましくはジシクロヘキシルカルボジイミド
を用いて行われる。ヒドロキシベンゾトリアゾールをそ
の反応に加えることができる。ジメチルホルムアミドを
溶媒して用いるのが好ましい。
【0046】物質単離後、α−位のカルボキシル基を脱
保護するが、これはメチルエステルの場合には加水分解
によって行われる。
【0047】これら前駆体を次に、既述の方法を用いて
シアノフェニルアラニンのアミノ官能基に結合させそし
てさらに反応させる、すなわちアミジノ官能基を作る。
基CがN−グリコシド的に連結したウロン酸である本発
明化合物の製造には、まずN−αおよびC−α保護酸性
アミノ酸を適切に保護された炭水化物部分に連結させ
る。その製造は文献、例えば A. Klemer et al.; J. Ca
rbohydrate Chemistry,7 (4), 785〜797 (1988)または
T. Takeda et al.; Carbohydrate Research, 207, 71〜
79 (1990)または L. Urge et al.; Tetrahedron Letter
s, 32 (9), 3445〜3448 (1991)または R. Walczyna et
al.; Carbohydrate Research;180, 147〜151 (1988)
から自体知られた方法により行われる。アミノ酸の窒素
保護基を除去した後、スルホニルクロライドを前述の如
く結合させ、そしてC−αカルボキシル基を除去する。
次いでC−末端部分のアミノ基に結合させるが、これに
は好ましくはアミジノフェニルアラニンアミド、特に好
ましくはD−4−アミジノフェニルアラニンピペリダイ
ドを用いる。ウロン酸の脱保護後、物質を常法、例えば
ゲル浸透クロマトグラフィーまたはイオン交換クロマト
グラフィーにより精製される。
【0048】アミジノ官能基を生成させるには、p−シ
アノフェニルアラニン化合物をピリジンおよびトリエチ
ルアミンに溶解しそして硫化水素を飽和させる。2〜3
日後その溶液を希塩酸に撹拌添加し、そして沈殿を単離
する。メチル化剤、好ましくは沃化メチルでメチル化
し、そしてアルコール例えばメタノール中でアンモニウ
ム塩例えば酢酸アンモニウムと反応させるとアミジノ官
能基を有するペプチド誘導体が生成する。酸分解のため
に酢酸中のHClまたはトリフルオロ酢酸で処理すると
目的物が得られる。次いでメタノール中 RSephadex L
H−20でのゲル浸透クロマトグラフィーにかけると純
物質が得られる。最終化合物を同定についてはNMRお
よび質量分析により、そして純度についてはHPLCお
よび薄層クロマトグラフィーにより検査する。目的とす
る塩の形に変えるにはイオン交換クロマトグラフィーを
用いるのが好ましい。これは、適切な化合物をカルボキ
シメチル化イオン交換樹脂、例えばCM−RFractogelに
結合させ、そして目的の酸で溶出させることによって行
われる。最終生成物は凍結乾燥により結晶の形で得られ
る。目的とする他の塩の形のものは酢酸塩から得られ
る。
【0049】本発明阻害剤を様々な基準に従って活性評
価のためにテストするが、これらは好ましくは、K
よびIC50およびインビボおよびインビトロ部分トロン
ボプラスチン時間(PTT)の測定である。特異性のテ
ストのために、各種セリンプロテアーゼ、特にトロンビ
ンおよびトリプシンについてのIC50値を測定する。本
発明物質の安定性は該物質のサンプルを純粋酵素、好ま
しくはトリプシン、キモトリプシンまたはパパインと、
あるいは肝臓または腸ホモジネートとインキュベート
し、そしてそれら溶液から時間間隔をおいてサンプルを
採取しそしてそれらを好ましくはHPLCにより測定す
ることにより測定される。このようにして、従来技術に
比べ特許請求の範囲に記載された化合物の方が安定であ
りかつ分解も緩慢であることを示すことができる。特許
請求の範囲に記載された化合物は、従来より記載されて
いる低分子量阻害剤を上回る相当な抗血栓症ポテンシャ
ルを有する特異的でかつ高活性のトロンビン阻害剤であ
り、またそれらは、場合によっては、化合物Mtr−L
−Asp−D−Aph−Pipに対して示すことができ
たように、経腸投与が可能であるという点でも優れてい
る。
【0050】さらに本発明は式Iの化合物を含む診断剤
または治療剤に関する。
【0051】さらに本発明は、式Iの化合物を診断助剤
の、あるいは抗血栓症作用を有する医薬の製造方法に用
いることに関する。
【0052】省略形: Aph アミジノフェニルアラニン NAPAP β−ナフチルスルホニル−グリシル−
D,L−p−アミジノフェニルアラニン−ピペリダイド Asp アスパラギン酸 Asn アスパラギン Glu グルタミン酸 Cys(SO2H) システインスルホン酸 β−Dmn 6,7−ジメトキシナフチル β−Mns 5−メトキシナフチル Pmc 2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン Thn 5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン Tmn 5,6,7,8−テトラメチルナフチル Phl フェニル− Mtr 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニ
ル−4−メチルフェニル Pme 2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル
− Mte 4−メトキシ−2,3,5,6−テトラメ
チルフェニル− Htr 4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチル
フェニル− Cph 4−カルボキシフェニル− Z(Cbo) ベンジルオキシカルボニル− Boc tert.−ブチルオキシカルボニル Bpoc ビフェニルイソプロピルオキシカルボニ
ル− Ddz ジメトキシジメチルベンジルオキシカル
ボニル Fmoc フルオレニルメチルオキシカルボニル Pip ピペリジン OtBu tert.−ブチルエステル OMe メチルエステル OEt エチルエステル OiBu iso−ブチルエステル(sec−ブチルエ
ステル) OiPr iso−プロピルエステル OnPe neo−ペンチルエステル TLC 薄層クロマトグラフィー DCCI ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF ジメチルホルムアミド FAB−MS 高速原子衝撃質量分析 DIPEA ジイソプロピルエチルアミン HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
【0053】以下の実施例により本発明をより詳しく説
明する。β−ナフチルスルホニル−L−アスパラギン酸
D−p−アミジノフェニル−アラニル−ピペリダイド
【0054】1. Boc−D−p−シアノフェニルア
ラニル−ピペリダイド 50g(255ミリモル)のp−シアノベンジルブロマ
イド、55g(255ミリモル)のジエチルアセトアミ
ドマロネートおよび2gの沃化カリウムを無水ジオキサ
ン250ml中で加熱沸騰させた。これに3時間かけてナ
トリウム6g(260ミリモル)の用時調製エタノール
溶液を滴加した。さらに3時間還流後、混合物を80°
まで冷却し、そして3時間かけて170mlの3N水酸化
ナトリウム溶液を添加した。その混合物を95°に4時
間加熱した。冷却後、pHを6NHClで1に調節し、そ
してジオキサンを蒸発させた。析出した沈殿を濾別し
た。pHを水酸化ナトリウム溶液で9に調節し、そして酢
酸エチルで2回抽出した。水性相を再び塩酸でpH1に調
節するとN−アセチル−シアノフェニルアラニンが晶析
した。結晶を集め、数回水洗しそして高度真空下に乾燥
した。 収量:47g(理論の79.2%) 純度検査:TLC Rf=0.5(クロロホルム 50/
メタノール10/氷酢酸 2.5//容量部)
【0055】24gのこの生成物を3リットルの水に3
N水酸化ナトリウム溶液の添加により溶解し、そしてpH
を6〜6.5に調節した。これに500mgのアシラーゼ
を添加し、そしてその混合物を37°に4日間インキュ
ベートした。この後、溶液を限外濾過にかけてアシラー
ゼを除去し、次いで1リットル容量となるまで濃縮し
た。pH1に調節後、酢酸エチルで数回抽出した。有機相
を少量の濃縮ブラインで洗浄しそして硫酸ナトリウムで
乾燥し、そして溶媒を蒸発させた。8.2gのN−アセ
チル−D−シアノフェニルアラニン(理論の68%)を
得た。22mlの氷酢酸および4.3mlの濃塩酸を40ml
の水と共に8gのこの化合物に添加し、そしてその混合
物を24時間加熱沸騰させた。脱離(elimination)溶
液を蒸発させ、そして付着痕跡量の酸をメタノールを用
いて伴出した後、メタノール/ジエチルエーテルを用い
て再沈殿を行った。収量:6.6g(理論の85%)
【0056】5gの塩酸D−シアノフェニルアラニンを
7.5mlのジイソプロピルエチルアミンを添加した14m
lの水に溶解した。これに6gの tert.−ブチルオキシ
カルボニル−オキシイミノ−2−フェニルアセトニトリ
ルのジオキサン17ml中の溶液を添加し、そしてその混
合物を一夜撹拌した。40mlの水および50mlの酢酸エ
チルを添加した。水性相を分離し、そして有機相をもう
一度1M重炭酸カリウムで抽出した。合一した水性相を
もう一度10mlのジエチルエーテルで洗浄し、次いで塩
酸でpH3に調節した。酢酸エチルで3回抽出し、そして
有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄しそして硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を蒸発除去して5.6g(78
%)のBoc−D−シアノフェニルアラニンを得た。
3.26g(10ミリモル)のBoc−D−シアノフェ
ニルアラニン、1.49g(11ミリモル)のHOBt
および2.42g(12ミリモル)のDCCIを50ml
のDMFに溶解しそして1時間撹拌した。1mlのピペリ
ジンを添加し、そしてその混合物を一夜撹拌した。沈殿
したジシクロヘキシル尿素を濾去し、DMFを留去し、
そして残留物を酢酸エチルにとった。重炭酸カリウムで
3回、1M重硫酸カリウムおよび飽和ブラインで3回洗
浄を行った。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥しそして溶
媒を留去して3.16g(80%)のBoc−D−シア
ノフェニルアラニルピペリダイドを得た。 純度検査:TLC Rf=0.27(クロロホルム)
【0057】2. D−シアノフェニルアラニル−ピペ
リジン塩酸塩 このBoc−保護化合物3gを氷酢酸中1.2N HCl
50mlに溶解し、そして室温で30分間乾燥した。脱
離試薬を真空留去し、次いでトルエンと共に伴出させ、
そして残留物を少量のジエチルエーテルと共に磨砕し
た。結晶を集めて真空乾燥した。 収量:2.2g(理論の90%)
【0058】3. Ddz−Asp(tBu)−D−シア
ノフェニルアラニルピペリダイド 2.88g(7ミリモル)のDdz−Asp(tBu)、
1.04gのHOBt、1.73gのDCCIおよび2.
06g(7ミリモル)のシアノフェニルアラニルピペリ
ダイド塩酸塩を50mlのDMFに溶解した。2.4ml
(14ミリモル)のジイソプロピル−エチルアミンを添
加後、室温、暗所で1日撹拌した。溶媒を真空留去し、
残留物を酢酸エチルにとり、そして1M重硫酸カリウム
溶液で3回、重炭酸カリウム溶液で3回、そして濃縮ブ
ラインで2回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥
し、そして溶媒を蒸発除去した。残留物をジイソプロピ
ルエーテルで磨砕し、そして結晶を集めそして乾燥し
た。3.86g(理論の85%)のDdz−Asp(t
Bu)−D−シアノフェニルアラニルピペリダイドを得
た。
【0059】4. β−ナフチルスルホニル−Asp(t
Bu)−D−シアノフェニルアラニルピペリダイド 3.25g(5ミリモル)のDdz−Asp(tBu)−
D−シアノフェニルアラニルピペリダイドを200mlの
ジクロロメタン中5%強度トリフルオロ酢酸に溶解し、
そして室温で30分間撹拌した。その混合物を2M重炭
酸ナトリウム溶液に注加し、そして有機相を重炭酸ナト
リウム溶液で2回、そして濃縮ブラインで1回洗浄し
た。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を蒸発除去し、そし
て油状残留物をジイソプロピルエーテルで3回抽出し
た。その油状残留物を1.71ml(10ミリモル)を添
加したジクロロメタンに溶解し、そして1.13g(5
ミリモル)のβ−ナフチルスルホニルクロライドをこれ
に撹拌しながら添加した。その混合物を室温で一夜撹拌
し、次いで有機相を各々NaHCO3溶液、重硫酸カリ
ウム溶液および塩化ナトリウム溶液を用いて3回洗浄し
た。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を留
去し、そして生成物質をそれ以上精製することなく以後
の反応に用いた。
【0060】5. β−ナフチルスルホニル−Asp(t
Bu)−D−アミジノフェニルアラニルピペリダイド 4. で得られた化合物を30mlの乾燥ピリジンを溶解
し、そして1mlのトリエチルアミンを添加後、気体状硫
化水素を3時間通じた。その混合物を室温に3日間放置
し、次に100gの氷と50mlの濃塩酸の混合物に添加
した。その沈殿を吸収濾取しそして水洗した。そのチオ
アミドを乾燥し、次いで50mlのアセトンにとり、そし
て1.5mlの沃化メチルを添加した。その混合物を30
分間還流沸騰させた。冷却後、ジエチルエーテルを用い
て沈殿を誘導した。沈殿をジクロロメタンに溶解し、そ
して2回水洗した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、
そして溶媒を除去し、次いで残留物を30mlの乾燥メタ
ノールにとり、そして200mgの酢酸アンモニウムを添
加した。その混合物を60°に3時間加熱した。溶媒を
真空蒸発除去した。生成物をメタノール中Sephadex L
H−20でのクロマトグラフィーによる精製に付した。 収量:630mg 純度検査:TLC:Rf=0.55(クロロホルム 50
/メタノール 10/氷酢酸 2.5//容量) FAB−MS:M+H 636
【0061】6. β−ナフチルスルホニル−Asp−
D−アミジノ−フェニルアラニルピペリダイド 5. で単離された物質500mgを氷酢酸中1.2N HC
l 5mlに溶解しそして室温で1時間撹拌した。溶媒を
蒸発除去後、残留物をジエチルエーテルを用いて磨砕し
そしてフィルターフリット上に集めた。生成物を五酸化
燐で高度真空下に乾燥した。粗製物質を水に溶解し、そ
してCM−Fractogelイオン交換体に結合した。5%強
度酢酸を用いて溶出を行った。凍結乾燥により290mg
の酢酸塩を得た。13C−NMR分光法により正しい構造
であることを確認した。 FAB−MS:M+H 580
【0062】6,7−ジメトキシ−β−ナフタレンスル
ホニル−L−Asp−D−p−アミジノ−フェニルアラ
ニルピペリダイド 前記の例と同様に製造を行った。β−ナフタレン−スル
ホニルクロライドに代えて6,7−ジメトキシ−β−ナ
フタレン−スルホニルクロライドを用いた。 FAB−MS:M+H 640
【0063】5,6,7,8−テトラヒドロ−β−ナフタ
レンスルホニル−L−Asp−D−p−アミジノフェニ
ルアラニルピペリダイド 5,6,7,8−テトラヒドロ−β−ナフタレンスルホニ
ルクロライドおよび前記方法を用いて5,6,7,8−テ
トラヒドロ−β−ナフタレンスルホニル−L−Asp−
D−p−アミジノフェニルアラニルピペリダイドを製造
した。 FAB−MS:M+H 584
【0064】4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェ
ニルスルホニル−L−Asp−D−p−アミジノフェニ
ルアラニルピペリダイド 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニルスルホニ
ルクロライドおよび前記方法を用いて4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルフェニルスルホニル−L−Asp
−D−p−アミジノフェニルアラニルピペリダイドを製
造した。 FAB−MS:M+H 602
【0065】4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェ
ニルスルホニル−L−Cys(SO3H)−D−p−アミ
ジノフェニルアラニルピペリダイド 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニルスルホニ
ルクロライドおよび前記方法を用いて4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルフェニルスルホニル−L−Cys
(SO3H)−D−p−アミジノフェニルアラニルピペリ
ダイドを製造した。 FAB−MS:M+H 638
【0066】4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェ
ニルスルホニル−L−アスパラギニル−N−〔β−D−
グルコピラノシル)ウロン酸〕−D−p−アミジノフェ
ニルアラニルピペリダイド (Mtr−L−Asp(β−D−アミノグルクロン酸)−
D−Aph−pip) 1. メチル(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−
グルコピラノシルアミン)−ウロネート 2gのメチル(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D
−グルコピラノシルアジド)ウロネートを200mlの酢
酸エチル/メタノール(2:1;V:V)に溶解し、2
gのパラジウム/チャコールを添加し、トリエチルアミ
ンでpH7.5に調節しそして1時間水素を通じて処理し
た。反応混合物を濾過し、そして溶媒を蒸発除去させ
た。 収量:1.9g 純度検査:TLC Rf=0.35(ジクロロメタン:
アセトン/2:1)
【0067】2. 2−N−(Z)−4−N−〔メチル
(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラ
ノシル)ウロネート〕−L−アスパラギン tert.ブチル
エステル 1.26gのZ−アスパラギン酸α−tert.−ブチルエス
テル、0.9gのHOBtおよび1.4gのジシクロヘキ
シルカルボジイミドを100mlのTHFに溶解し、そし
て0℃で第1段階で得たもの1.4gを添加した。その
混合物を室温で一夜撹拌し、そして溶媒を真空蒸発除去
した。残留物をクロロホルムにとり、水洗し、硫酸ナト
リウムで乾燥し、そして溶媒を留去した。残留物をクロ
ロホルム/アセトン(6:1/V:V)を用いてシリカ
ゲルで精製した。 収量:1.7g 純度検査:TLC Rf=0.72(クロロホルム:ア
セトン/6:1)
【0068】3. 4−N−〔メチル(2,3,4−トリ
−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)ウロネー
ト〕−L−アスパラギン tert.ブチルエステル 第2段階で得たもの0.9gを20mlのメタノールに溶
解し、スパーテル先端一杯のパラジウム/チャコールを
添加し、そしてその混合物を5時間水素添加した。触媒
を濾去後溶媒を留去し、そして残留物(0.75g)を
それ以上精製することなく次の反応に用いた。
【0069】4. 2−N−(4−メトキシ−2,3,6−
トリメチルベンゼンスルホニル)−4−N−〔メチル
(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラ
ノシル)ウロネート〕−L−アスパラギン tert.ブチ
ルエステル 前段階で得たもの1.73g、1.2mlのジイソプロピル
エチルアミンおよび0.8gのMtrクロライドを80m
lのDMFに溶解しそして室温で一夜撹拌した。溶媒を
真空蒸発除去し、そして残留物を酢酸エチルにとり、3
回水洗した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥しそして真
空下に蒸発させた。ジクロロメタン/アセトン(3:1
/V:V)を用いたシリカゲルでのクロマトグラフィー
により更に精製した。 収量:1.57g 純度検査:TLC Rf=0.87(ジクロロメタン:
メタノール/10:1)
【0070】5. 2−N−(4−メトキシ−2,3,6−
トリメチルベンゼンスルホニル)−4−N−〔メチル
(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラ
ノシル)ウロネート〕−L−アスパラギン 第4段階で得られたもの2.2gを50mlのトリフルオ
ロ酢酸/ジクロロメタン(1:1/V:V)に溶解しそ
して室温で1時間撹拌した。その酸性混合物を真空留去
しそして付着痕跡量の酸をトルエンを用いて真空蒸発除
去した。生成物をそれ以上精製することなく次の反応に
用いた。 収量:1.2g 純度検査:TLC Rf=0.7(クロロホルム:メタ
ノール/3:1)
【0071】6. 2−N−(4−メトキシ−2,3,6−
トリメチルベンゼンスルホニル)−4−N−〔メチル
(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラ
ノシル)ウロネート〕−L−アスパラギニル−D−4−
アミジノフェニルアラニンピペリダイド 前段階で得られたもの1.0g、0.23gのHOBtお
よび0.37gのDCCIを50mlのDMFに溶解しそ
して4℃で30分間撹拌した。次に0.4gのD−4−
アミジノフェニルアラニン−ピペリジンおよび0.5ml
のN−メチルモルホリンを添加した。その混合物を室温
で一夜撹拌し、濾過し、そして溶媒を真空蒸発除去し
た。粗製生成物をクロロホルム/メタノール(5:1)
を用いたシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。 収量:1.2g 純度検査:TLC Rf=0.7(クロロホルム:メタ
ノール/3:1)
【0072】7. 2−N−(4−メトキシ−2,3,6−
トリメチルベンゼンスルホニル)−4−N−〔メチル
(β−D−グルコピラノシル)ウロネート〕−L−アス
パラギニル−D−4−アミジノフェニルアラニンピペリ
ダイド 前段階で得られたもの1.1gを50mlのメタノールに
溶解しそして1N 水酸化ナトリウム溶液でpH9に調節
した。pH8.5〜9で2時間後、その混合物をメタノー
ル性HClで中和しそして溶媒を真空蒸発除去した。残
留物をメタノール中SephadexR LH−20でのクロマト
グラフィーにかけた。 収量:0.9g 純度検査:TLC Rf=0.34(クロロホルム:メ
タノール:水/40:20:1)
【0073】8. 2−N−(4−メトキシ−2,3,6−
トリメチルベンゼンスルホニル)−4−N−(β−D−グ
ルコピラノシル)ウロネート〕−L−アスパラギニル−
D−4−アミジノフェニルアラニンピペリダイド 最終段階で得られたもの0.9gを100mlのクロロホ
ルム:メタノール:水(40:20:1/V:V:V)
にとり、そして0.2gの水酸化バリウムを添加した。
その混合物を室温で3時間撹拌し、メタノール中HCl
でpH3.5に調節し、そして溶媒を蒸発除去した。残留
物をメタノール中 SephadexR LH−20でのクロマト
グラフィーにかけた。 収量:0.72g 純度検査:TLC Rf=0.32(クロロホルム:メ
タノール:水/8:6:1) FAB−MS:777
【0074】4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベン
ゼンスルホニル−L−アスパラギン酸(γ−アミノ酪酸)
−D−Aph−ピペリダイド 1. 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンス
ルホニル−L−アスパラギン酸(tert.−ブチル γ−ア
ミノブチレート)−D−シアノフェニルアラニンピペリ
ダイド 1gのMtr−Asp−D−シアノフェニルアラニンピ
ペリダイドを30mlのDMFに溶解し、そして0.34m
lのジイソプロピルエチルアミン、0.39gのHOB
t、0.42gの tert.−ブチルγ−アミノブチレート
および0.66gのジシクロヘキシルカルボジイミドを
添加した。その混合物をまず氷浴中で1時間撹拌し次い
で室温で一夜撹拌した。析出したジシクロヘキシル尿素
を濾去しそして溶媒を真空蒸発除去した。油状残留物を
酢酸エチルにとりそして各々水、1M重炭酸カリウム溶
液、1M重硫酸カリウム溶液および飽和ブラインで2回
洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。 収量:1.1g 純度検査:TLC Rf=0.89(クロロホルム:メ
タノール/9:1)
【0075】2. 4−メトキシ−2,3,6−トリメチ
ルベンゼンスルホニル−L−アスパラギン酸(tert.−
ブチル γ−アミノブチレート)−D−Aph−ピペリダ
イド そのシアノ基を第1の例の第5段階におけると同様にア
ミジノ基に転化した。 収量:500mg 純度検査:TLC Rf=0.4(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸/50:10:2.5)
【0076】3. 4−メトキシ−2,3,6−トリメチ
ルベンゼンスルホニル−L−アスパラギン酸(γ−アミ
ノ酪酸)−D−Aph−ピペリダイド 前段階で得られたもの400mgを15mlの1.2N HC
l/酢酸にとりそして室温で90分撹拌した。その酸性
混合物を留去しそしてトルエンと2回混合しそしてトル
エンを蒸発除去した。その粗製生成物を3mlのメタノー
ルに溶解しそして50mlのジエチルエーテルに滴加する
ことによって晶析した。沈殿を集めそして真空乾燥し
た。 収量:320mg 純度検査:TLC Rf=0.25(クロロホルム:メ
タノール:酢酸/50:10:2.5) FAB−MS:686
【0077】第1段階でアシラーゼによるラセミ体分割
を省略して、相当するラセミ体D,L−シアノフェニル
アラニンピペリダイドを同様に本発明化合物に転化した
ところ、それらも同様に極めて強力なトロンビン阻害剤
である。
【0078】本発明化合物* リスト β−ナフチルスルホニル−L−Glu−D−Aph−P
ip β−ナフチルスルホニル−L−Asp−D−Aph−P
ip β−ナフチルスルホニル−D−Asp−D,L−Aph
−Pip β−ナフチルスルホニル−L−Asp−D,L−Aph
−Pip β−ナフチルスルホニル−L−Asp−D,L−Aph
−3−ヒドロキシメチルピペリダイド β−ナフチルスルホニル−L−Asp(OtBu)−D−
Aph−Pip β−ナフチルスルホニル−L−Asp(OMe)−D−A
ph−Pip β−ナフチルスルホニル−L−Asp(OEt)−D−A
ph−Pip β−ナフチルスルホニル−L−Asp(OiBu)−D−
Aph−Pip Mtr−D−Asp−D,L−Aph−Pip Mtr−L−Asp(OtBu)−D−Aph−Pip Mtr−L−Asp(OMe)−D−Aph−Pip Mtr−L−Asp(OEt)−D−Aph−Pip Mtr−L−Asp(OiBu)−D−Aph−Pip Mtr−L−Asp(OiPr)−D−Aph−Pip Mtr−L−Asp−D−Aph−Pip Mte−L−Asp−D−Aph−Pip Mte−L−Asp(OiBu)−D,L−Aph−Pi
【0079】Htr−L−Asp(OtBu)−D−Ap
h−Pip Htr−L−Asp−D−Aph−Pip Mtr−L−Glu−D,L−Aph−Pip Mtr−L−Asn−D−Aph−Pip Mtr−D−Asn−D,L−Aph−Pip Thn−L−Asn−D−Aph−Pip Pme−L−Asp(OtBu)−D−Aph−Pip Pme−L−Asp−D−Aph−Pip Pme−L−Asp(OtBu)−D,L−Aph−Pi
p Phl−L−Asp(OtBu)−D−Aph−Pip Phl−L−Asp−D−Aph−Pip β−Dmn−L−Asp(OtBu)−D−Aph−Pi
p β−Dmn−L−Asp−D−Aph−Pip Tos−L−Asp(OtBu)−D−Aph−Pip Tos−L−Asp−D−Aph−Pip Pmc−L−Asp(OtBu)−D−Aph−Pip Pmc−L−Asp−D−Aph−Pip
【0080】β−Mns−L−Asp(OnPe)−D−
Aph−Pip β−Mns−L−Asp−D−Aph−Pip Cph−L−Asp(OtBu)−D,L−Aph−Pi
p Cph−L−Asp−D,L−Aph−Pip Phl−L−Cys(SO3H)−D−Aph−Pip Mtr−L−Cys(SO3H)−D,L−Aph−Pip Mtr−L−Cys(SO3H)−D−Aph−Pip Mtr−L−Asp(γ−アミノ酪酸)−D−Aph−P
ip Mtr−L−Asp(L−トレオニン)−D−Aph−P
ip Mtr−L−Asp(L−フェニルアラニン)−Aph−
Pip Mtr−L−Asn〔(β−D−グルコピラノシル)ウ
ロネート〕−D−Aph−Pip * アミジノ官能基についての塩の形のものは特定され
ていない。
【0081】トロンビンに対する阻害定数の測定 前記物質についての阻害測定(Ki)を既知の酵素動態
法により測定した。使用したヒトトロンビンの純度は活
性部位滴定により87%であると測定された。Ki測定
用のアッセイ溶液は、緩衝液(50mM tris−HCl、
75mM NaCl、pH7.8、37℃)、100pM トロ
ンビン、0.1mM 基質S2238(Kabi)および0〜
0.2μMの範囲の阻害剤から構成した。阻害剤と酵素を
10分間予めインキュベートし、そして発色原性基質S
2238を添加することにより反応を開始させた。非直
線回帰によりKi値(表1)および阻害のタイプを与え
る堅固結合に対する数式を用いて動態を評価した。阻害
のタイプはすべての阻害剤に対して90%以上拮抗的で
あることがわかった。
【0082】阻害剤の特異性の測定 トロンビンおよびトリプシンに対する阻害剤の特異性を
測定した。特異性は、トリプシンおよびトロンビンに対
するKi値の比(表1)として定義される。酵素活性の
約50%阻害をひきおこす阻害剤濃度をIC50と呼んだ
(100%は非阻害酵素に相当する)。トリプシンに対
するIC50は次のようにして測定した:ウシ膵臓からの
トリプシンを25mM tris−HCl、10mM CaC
2、pH7.8中の漸増濃度の阻害剤と共に37℃で10
分間予めインキュベートした。基質である Chromozym
TRY(7.1×10-5M)を添加することにより酵素
反応を開始させた。pNAの放出を1時間後に405nm
で測定した。トロンビンに対するIC50値を、ヒトトロ
ンビン、緩衝液(50mM tris−HCl,50mM NaC
l,pH7.8)および5×10-5M S2238を用いた
ほかは同様の方法により測定した。トロンビンおよびト
リプシンに対するIC50値からKi値を算出した(Ki
IC50/S+KM)。トリプシンおよびトロンビン値の
比から特異性が明らかとなった。結果を表1にまとめ
る。
【0083】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G01N 33/53 L (72)発明者 ライナー・コチンスキー ドイツ連邦共和国デー−3575キルヒハイ ン.アム・ハイドヴオルフ18 (72)発明者 ツエネツク・コーラル ドイツ連邦共和国デー−3550マルブルク. ドイチユハウスシユトラーセ20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I 【化1】 (式中、 R′はαまたはβ位で結合されそして3個以下の炭素原
    子を有するアルキル基および/または各々3個以下の炭
    素原子を有するアルコキシ基で置換されていてもよいナ
    タレン環であるか、またはαまたはβ位で結合されそ
    て3個以下の炭素原子で構成されるアルキル基および
    /または各々3個以下の炭素原子を有するアルコキシ基
    で置換されていてもよいテトラリン環もしくはインダン
    環であるか、または4個以下の炭素原子を含むアルキル
    基でおよび/または3個以下のO−X(式中Oは酸素で
    ありそしてXは水素、メチル、エチル、n−プロピル、
    i−プロピルまたはtert.−ブチルである)なる構
    造の基でおよび/または1個の−COOY(式中Yは水
    素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t
    ert.−ブチル、i−ブチル、i−ペンチルまたはネ
    オ−ペンチルである)なる構造の基で置換されていても
    よいフェニル環であるか、または3個以下の炭素原子を
    含む好ましくは5個以下のアルキル基で誘導体化された
    クロマン系であり、 RはA−B(式中Aは−(CH−であり、nは
    1〜4でありそしてBは所望によりエステル化(該エス
    テルは17個以下の炭素原子を有するアルコールを含
    む)されていてもよい、またはアミド形態にあるカルボ
    キシ官能基およびスルホン酸官能基より成る群より選ば
    れる酸官能基である)なる構造の基であるか、またはA
    −B−C(式中Aは前記の意味を有し、Bはカルボニル
    またはスルホニルであり、そして基CはNに結合した
    α、β、γまたはδアミノ酸からまたはN−グリコシド
    的に連結したウロン酸の基から誘導される)なる構造の
    基であり、そして RおよびRは同一であるかまたは異なってもよく、
    そして4個以下の炭素原子を有するアルキル基である
    か、または一緒になって、8個以下の環員を有しそして
    ヒドロキシル基または3個以下の炭素原子を有するヒド
    ロキシアルキル基で誘導体化されていてもよい複素環を
    形成し、またこのヒドロキシル基は所望によりエステル
    化(相当する酸は17個以下の炭素原子を含むカルボン
    酸である)された形であり、そして 式中、*印を付した炭素原子はRまたはS構造をとるが
    R構造をとるのが好ましい) で示される化合物。
  2. 【請求項2】 保護された酸性アミノ酸をそのα位カル
    ボキシル基を介してp−シアノフェニルアラニンアミド
    誘導体のα−アミノ官能基に結合させ、N−α保護基を
    除去し、スルホニルクロライドをこの窒素基に結合さ
    せ、シアノ基をアミジノ官能基に変え、そして適切な場
    合には前記酸性アミノ酸の第三官能基に存在する保護基
    を除去することより成る請求項1記載の式Iの化合物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化合物を含有する抗血栓
    症治療剤。
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