JPH089613A - 電流遮断機付モータ - Google Patents

電流遮断機付モータ

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JPH089613A
JPH089613A JP6137450A JP13745094A JPH089613A JP H089613 A JPH089613 A JP H089613A JP 6137450 A JP6137450 A JP 6137450A JP 13745094 A JP13745094 A JP 13745094A JP H089613 A JPH089613 A JP H089613A
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Jidosha Denki Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過負荷があった際、瞬時のうちに確実にアー
マチュアに対する供給電流の遮断を行える電流遮断機付
モータを提供する。 【構成】 ブラシ5、6、7と外部回路30とのあいだ
に電気的に接続され、整流子4dおよびブラシ5、6、
7の近傍に整流子4dおよびブラシ5、6、7に対する
無蓋状態でホルダベース15上に配置された電流遮断機
16をそなえている電流遮断機付モータ1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、負荷が大きくなった
際にアーマチュアに対する供給電流を遮断するのに利用
される電流遮断機を内蔵した電流遮断機付モータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、負荷が大きくなったらアーマチュ
アに対する供給電流を遮断する電流遮断機を内蔵した電
流遮断機付モータとしては、バイメタル式の電流遮断機
を樹脂製のホルダベースに設けた孔を介して金属製のギ
ヤケーシング内に密閉状に収容しているものが知られて
いる。この電流遮断機は一方の端子がアーマチュアの整
流子に圧接される2個のブラシのうちの一方に電気的に
接続され、他方の端子が外部回路に接続され、2個のブ
ラシのうちの他方は外部回路に接続されているため、外
部回路より電流が供給されると、電流は電流遮断機を通
して一方のブラシから整流子に流れ、整流子からアーマ
チュアコイルを通って他方のブラシに流れることによっ
て負荷に結合されるアーマチュアを回転させる。
【0003】アーマチュアは回転中に負荷が極端に大き
くなると回転数も下がり、一方のブラシから整流子に流
れる電流も急激に大きくなって整流子および両ブラシが
発熱するため、発熱によって電流遮断機に備えた感熱素
子が熱変形し、一方の端子および他方の端子間を遮断し
て整流子に対する電流供給を停止することによりアーマ
チュアが過大電流の通過によって焼損しないようにして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の電流遮
断機付モータでは、電流遮断機がホルダベースに設けた
孔を介してギヤケーシング内に密閉状に収容されている
ことから、電流遮断機は樹脂製のホルダベースを介して
整流子およびブラシの熱が間接的に伝わる構造であり、
樹脂製のホルダベースは熱伝導率が低いので、アーマチ
ュアに対する負荷が極端に大きくなって電流も急激に大
きくなることによって整流子および両ブラシが発熱した
際、ホルダベースを介して電流遮断機にまで熱が伝わる
時間に遅れが生じないとは言い難く、熱伝導の時間が遅
れると、電流遮断を瞬時に行えなくなりうるという問題
点があった。
【0005】これに加え、電流遮断機はホルダベースに
設けた孔を介してギヤケーシング内に密閉状に収容され
ており、電流遮断機が接触しているギヤケーシングは金
属製のために熱伝導性が悪く、放熱性が良いため、負荷
が極端に大きくなって電流も急激に大きくなることによ
って整流子および両ブラシが発熱した際の熱エネルギー
がギヤケーシングで失われないとは言い難く、電流遮断
機に熱が伝わる時間に遅れが生じないとは言い難く、熱
伝導の時間が遅れると、電流遮断を瞬時に行えなくなり
うるという問題点があった。
【0006】
【発明の目的】この発明に係わる電流遮断機付モータ
は、大きな負荷変動があった際に、瞬時のうちに確実に
アーマチュアに対する供給電流の遮断を行える電流遮断
機付モータを提供することを目的としている。
【0007】
【発明の構成】
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
わる電流遮断機付モータは、ヨークと、ヨークの内側に
固定されたマグネットと、マグネットの内周側に回転可
能に配置され、且つ整流子を備えたアーマチュアと、ア
ーマチュアの整流子に圧接される複数個のブラシと、ブ
ラシを整流子の外側に保持しているホルダベースと、ブ
ラシと外部回路とのあいだに電気的に接続され、整流子
およびブラシの近傍に整流子およびブラシに対する無蓋
状態でホルダベース上に配置された電流遮断機とをそな
えている構成としたことを特徴としており、この発明の
請求項2に係わる電流遮断機付モータは、ホルダベース
には、中央に整流子挿通孔を設けたホルダベース本体
に、この整流子挿通孔に連通状に形成された電流遮断機
収容凹部が備えられ、電流遮断機に備えた感熱素子を電
流遮断機収容凹部内にホルダベース本体に非接触で配置
していることを特徴としており、この発明の請求項3に
係わる電流遮断機付モータは、ホルダベースには、電流
遮断機収容凹部の外側に立設された立上がり板と、この
立上がり板に連設され且つホルダベース本体の上面に対
向状に配置された端子取付け用板とが備えられ、感熱素
子に電気的に接続した電流遮断機の端子を端子取付け用
板に固定していることとしている。
【0009】
【発明の作用】この発明の請求項1に係わる電流遮断機
付モータにおいて、整流子およびブラシの近傍に整流子
およびブラシに対する無蓋状態に電流遮断機を配置して
いるホルダベースは、電流遮断機の整流子側およびブラ
シ側が開放されている。それ故、電流遮断機は、アーマ
チュアが定常状態で回転している際、アーマチュアの回
転にともなって発生した気流を直接受けて強制的に冷却
され、アーマチュアが非定常状態となった際、アーマチ
ュアが発生した熱を直接的に受けるため、ホルダベース
を介してアーマチュアの熱が間接的に伝わらず、ギヤケ
ーシングによる熱損失の影響も受けにくい。この発明の
請求項2に係わる電流遮断機付モータにおいて、電流遮
断機収容凹部内にホルダベース本体に非接触で配置され
た電流遮断機の感熱素子は、ホルダベース本体の整流子
挿通孔に連通状態となる。それ故、電流遮断機の感熱素
子は、アーマチュアが定常状態で回転している際、アー
マチュアの回転にともなって発生した気流を直接受けて
強制的に冷却され、アーマチュアが非定常状態となった
際、アーマチュアが発生した熱を直接的に受けるため、
ホルダベースを介してアーマチュアの熱が間接的に伝わ
らず、ギヤケーシングによる熱損失の影響も受けにく
い。この発明の請求項3に係わる電流手段機付モータに
おいて、感熱素子に電気的に接続した電流遮断機の端子
は、電流遮断機収容凹部の外側に立設された立上がり板
に連設され且つホルダベース本体の上面に対向状に配置
された端子取付け用板に固定されているため、電流遮断
機の感熱素子は、ホルダベース本体の整流子挿通孔に連
通状態となる。それ故、アーマチュアが定常状態で回転
している際、アーマチュアの回転にともなって発生した
気流を直接受けて強制的に冷却され、アーマチュアが非
定常状態となった際、アーマチュアが発生した熱を直接
的に受けるため、ホルダベースを介してアーマチュアの
熱が間接的に伝わらず、ギヤケーシングによる熱損失の
影響も受けにくい。
【0010】
【実施例】図1ないし図4にはこの発明に係わる電流遮
断機付モータの実施例が示されている。
【0011】図示する電流遮断機付モータ1は、主とし
て、ヨーク2、マグネット3、アーマチュア4、第1,
第2,第3ブラシ5,6,7、第1,第2,第3ブラシ
ホルダ8,9,10、第1,第2,第3,第4ターミナ
ル11,12,13,14、ホルダベース15、電流遮
断機16、減速機構17、出力軸18、ギヤケーシング
19、ギヤケーシングカバー20とから構成されてい
る。
【0012】ヨーク2は、円筒形状に形成された筒部2
aと、筒部2aの内側を塞ぐように筒部2aの一端側に
固定されたエンド2bとからなり、筒部2aの他端側が
ギヤケーシング19の一端側にビス21をねじ込むこと
によって固定されている。また、ヨーク2の円筒部2a
の内周面には半円筒形状の2個のマグネット3が夫々取
付けられており、マグネット3,3の内周側にアーマチ
ュア4が配置されている。エンド2bの中央にはヨーク
側軸受22が配置されているため、アーマチュアシャフ
ト4aの一端側が回転可能に支持されている。アーマチ
ュアシャフト4aの他端側はギヤケーシング19に装着
されたギヤケーシング側軸受23によって回転可能に支
持されている。
【0013】アーマチュア4には、マグネット3,3に
対応した部分のアーマチュアシャフト4aにアーマチュ
アコア4bが固定されており、このアーマチュアコア4
bの外側にアーマチュアコイル4cが巻回されている。
アーマチュアコイル4cは、予め定められたスロット数
に対応してアーマチュアコア4bに巻回されており、ア
ーマチュアコア4bの近傍のアーマチュアシャフト4a
に固定した整流子4dの外側に設けられた複数個の整流
子片4d1に夫々電気的に接続されている。整流子4d
の外側にはホルダベース15が配置されている。
【0014】ヨーク2の筒部2aが固定されているギヤ
ケーシング19はアルミニウム合金ダイカスト(AD
C)製であって、凹状をなす減速機構収容部19aが形
成されており、この減速機構収容部19aはギヤケーシ
ングカバー20によって密封されている。
【0015】減速機構収容部19aの内部にはアーマチ
ュアシャフト4aが延出しており、この延出部分に減速
機構17の一部を構成するウオーム17a、17bが形
成されている。ウオーム17a、17bには減速機構1
7の他の一部を構成する中間ギヤ17c、17dが噛合
っており、中間ギヤ17c、17dはウオームホイール
17eに噛合っている。中間ギヤ17c、17dおよび
ウオームホイール17eはギヤケーシング19に回転可
能に支持されており、ウオームホイール17eは同心円
上に出力軸18を取付けているため、出力軸18はアー
マチュアシャフト4aの回転力によりウオーム17a、
17bと中間ギヤ17c、17dとウオームホイール1
7eとによって減速されて回転する。出力軸18は図示
しないリンクを介してワイパに連結される。
【0016】整流子4dの外側に配置されたホルダベー
ス15は樹脂を素材として成形されており、図3に示す
ように、円環状をなすホルダベース本体15aの中央に
整流子挿通孔15a1が形成されている。
【0017】ホルダベース本体15aの上面15a2に
は、整流子挿通孔15a1の外周に第1ターミナル1
1、第2ターミナル12、第3ターミナル13、第4タ
ーミナル14が整流子挿通孔15a1の円周方向に並べ
て夫々圧入固定されている。
【0018】第1ターミナル11の一端側は第1ブラシ
ホルダ8の基端側が固定され、この第1ターミナル11
の他端側は電流遮断機16に備えられた第1の端子16
aに電気的に接続されている。第1ターミナル11に固
定された第1ブラシホルダ8の先端側には第1ブラシ5
が装着されているため、第1ブラシホルダ8によって第
1ブラシ5は整流子挿通孔15a1の中心に向けて付勢
されて整流子4dの各整流子片4d1に圧接される。
【0019】第2ターミナル12の一端側は電流遮断機
16に備えられた第2の端子16bに電気的に接続さ
れ、この第2ターミナル12の他端側はホルダベース本
体15aに貫通状に形成された外部回路接続用孔15a
3内に挿入されている。第2ターミナル12は外部回路
接続用孔15a3を介してギヤケーシングカバー20上
のコネクタ29において外部回路30に電気的に接続さ
れるため、第2ターミナル12は電流遮断機16の第2
の端子16bと、電流遮断機16の感熱素子16cと、
電流遮断機16の第1の端子16aと、第1ターミナル
11と、第1ブラシホルダ8と、第1ブラシ5とを通る
導通経路を形成している。
【0020】第3ターミナル13は第2ブラシホルダ9
の基端側が固定されているとともにホルダベース本体1
5aの外部回路接続用孔15a3を通ってコネクタ29
において外部回路30に電気的に接続されている。第3
ターミナル13に固定された第2ブラシホルダ9の先端
側には第2ブラシ6が装着されているため、第2ブラシ
ホルダ9によって第2ブラシ6は整流子挿通孔15a1
の中心に向けて付勢されて整流子4dの各整流子片4d
1に圧接される。第3ターミナル13は第2ブラシホル
ダ9と第2ブラシ6とを通る導通経路を形成している。
【0021】第4ターミナル14の一端側はホルダベー
ス本体15aの外部回路接続用孔15a3を通ってコネ
クタ29において外部回路30に電気的に接続され、こ
の第4ターミナル14の他端側は第3ブラシホルダ10
の基端側が固定されている。第4ターミナル14に固定
された第3ブラシホルダ10の先端側には第3ブラシ7
が装着されているため、第3ブラシホルダ10によって
第3ブラシ7は整流子挿通孔15a1の中心に向けて付
勢されて整流子4dの各整流子片4d1に圧接される。
第4ターミナル14は第3ブラシホルダ10と第3ブラ
シ7とを通る導通経路を形成している。
【0022】ホルダベース本体15aには、整流子挿通
孔15a1の一部に連通した電流遮断機収容凹部15a
4が形成されている。電流遮断機収容凹部15a4は、
整流子挿通孔15a1の外周に向けて矩形の凹状をなす
ものとして形成されており、幅寸法は電流遮断機16の
幅寸法よりも大きく定められている。
【0023】電流遮断機収容凹部15a4には、図3に
示すように、整流子挿通孔15a1の外周側においてホ
ルダベース本体15aの上面15a2から上方に向けて
突出した立上がり板15a5が形成されているとともに
立上がり板15a5の先端から整流子挿通孔15a1の
中心に向けてホルダベース本体15aの上面15a2に
略平行に突出した端子取付け用板15a6が形成されて
いる。立上がり板15a5は電流遮断機収容凹部15a
4の一辺に対応しているため、立上がり板15a5の整
流子4d側は無蓋状態で整流子挿通孔15a1内に連通
している。端子取付け用板15a6には電流遮断機16
が取付けられている。
【0024】電流遮断機16は、外形寸法が電流遮断機
収容凹部15a4の大きさよりも小さく定められてお
り、第1の端子16aに感熱素子16cの可動側が電気
的に接続され、第2の端子16bに感熱素子16cの固
定側が電気的に接続されている。
【0025】電流遮断機16は、感熱素子16cが電流
遮断機収容凹部15a4内に配置されて第1、第2の端
子16a、16bが端子取付け用板15a6の上側まで
突出させてあり、端子取付け用板15a6の上側で、突
出部分の第1端子16aに第1ターミナル11が電気的
に接続され、突出部分の第2の端子16bに第2ターミ
ナル12が電気的に接続されている。
【0026】また、電流遮断機16は、感熱素子16c
が電流遮断機収容凹部15a4内に配置され、電流遮断
機収容凹部15a4がホルダベース本体15aの整流子
挿通孔15a1内に連通しているため、ホルダベース1
5およびギヤケーシング19に非接触でアーマチュア4
の外側に無蓋状態で配置されている。
【0027】そして、電流遮断機16は、ホルダベース
15およびギヤケーシング19に非接触でアーマチュア
4の外周に無蓋状態で配置されているため、ホルダベー
ス15を介してアーマチュア4の熱が間接的に伝わるこ
とはなく、ギヤケーシング19による熱損失の影響を受
けにくい。
【0028】電流遮断機16は第1の端子16aから感
熱素子16cの可動側と感熱素子16cの固定側を通っ
て第2の端子16bに流れる電流値が定常値である際、
アーマチュア4の回転にともなって発生した気流を直接
受けるため強制的に冷却される。これに反して、第1の
端子16aから感熱素子16cの可動側と感熱素子16
cの固定側を通って第2の端子16bに流れる電流値が
急激に大きな値となると、アーマチュア4の整流子4d
および各ブラシ5、6、7も接触抵抗によって発熱する
ため、感熱素子16cは整流子4dおよび各ブラシ5、
6、7が発生した熱により発熱して熱変形し、可動側が
固定側から離間することによって第1の端子16aを第
2の端子16bから遮断状態として第1の端子16aお
よび第2の端子16bに接続されている外部回路30を
遮断する。電流遮断機16は感熱素子16cの可動側が
固定側から離間している状態で冷却されると、感熱素子
16cが戻り変形して第1の端子16aを第2の端子1
6bに接続して外部回路30を遮断状態から導通状態に
復帰させる。
【0029】ここで、図4に示すように、アーマチュア
4が定常状態で回転している際、電流遮断機16の感熱
素子16cは、回転しているアーマチュア4が発生する
気流を直接受けて強制的に冷却されており、アーマチュ
ア4にかかっている負荷が極端に増大して回転を拘束さ
れ、整流子4dおよび各ブラシ5、6、7が発熱した
際、樹脂製のホルダベース15を介さずに、しかも、金
属製のギヤケーシング19による熱損失の影響も受けず
に、整流子4dおよび各ブラシ5、6、7の熱を電流遮
断機収容凹部15a4内で直接受けるので、感熱素子1
6cは、ホルダベース15を介して熱を受けることによ
って熱変形したものとして図中に仮想線で表した場合の
時間t0 よりも短い時間t1 の間に熱変形して瞬時のう
ちに回路を遮断する。外部回路30が遮断されることに
よってアーマチュア4に対する電流供給は中止されるた
め、アーマチュア4は回転を停止し、感熱素子16cは
自然冷却されて戻り変形するので、外部回路30を導通
状態に復帰させてアーマチュア4の回転を許容する。こ
の状態で、アーマチュア4にかかっている負荷が増大し
たままで回転を拘束されていて、整流子4dおよび各ブ
ラシ5、6、7が再度発熱すると、感熱素子16cは樹
脂製のホルダベース15を介さずに、しかも、金属製の
ギヤケーシング19による熱損失の影響も受けずに、整
流子4dおよび各ブラシ5、6、7の熱を電流遮断機収
容凹部15a4内で直接受けて短い時間で熱変形して回
路を遮断し、負荷が取り除かれるまでの間は、これを繰
り返してアーマチュア4に大電流を流さないようにして
いる。
【0030】このような構造をなす電流遮断機付モータ
1は、ホルダベース15の外部回路接続用孔15a3を
通して電流遮断機付モータ1の外側で第2ターミナル1
2、第3ターミナル13、第4ターミナル14に外部回
路30を接続する。外部回路30は図示しないワイパス
イッチを介して電源に電気的に接続されているため、ワ
イパスイッチが低速モードに切換えられると、第2ター
ミナル12から第4ターミナル14に通電経路が形成さ
れて電流が供給される。
【0031】ワイパスイッチが低速モードに切換えられ
ることによって供給された電流は第2ターミナル12か
ら電流遮断機16の第2の端子16bと、電流遮断機1
6の感熱素子16cと、電流遮断機16の第1の端子1
6aと、第1ブラシホルダ8と、第1ブラシ5と、第1
ブラシ5が圧接している一つの整流子片4d1、この整
流子片4d1が電気的に接続されているアーマチュアコ
イル4c、アーマチュアコイル4cに電気的に接続され
ているとともに第2ブラシ6に圧接しているもう一つの
整流子片4d1、第2ブラシ6、第2ブラシホルダ9、
第3ターミナル13を通って流れるため、アーマチュア
コイル4cが励磁され、アーマチュアコイル4cが励磁
されることによって発生した磁力とヨーク2内のマグネ
ット3によって発生している磁力とによるフレミングの
左手の法則によりアーマチュア4が低速モードに対応し
た低速で回転する。
【0032】アーマチュア4が低速で回転することによ
って、出力軸18も低速で回転するため、リンクを介し
てワイパを低速作動させる。
【0033】ワイパを低速作動させている際、ワイパに
対する負荷が大きくなければ、マーマチュア4はアーマ
チュアコイル4cに定常値の電流が流れて低速で回転す
るため、電流遮断機16の感熱素子16cはアーマチュ
ア4の回転によって発生する気流を直接受けて強制的に
冷却される。
【0034】そこで、多量の降雪などによりワイパに対
する負荷が極端に大きくなっている際に、ワイパを低速
モードに切換えると、出力軸18が回転を拘束されてい
るため、アーマチュア4も回転を拘束され、供給電流に
対する接触抵抗が過大となって整流子4dおよび第1ブ
ラシ5,第2ブラシ6が発熱するので、電流遮断機16
の感熱素子16cは、整流子4dおよび第1ブラシ5,
第2ブラシ6の熱を直接受けて熱変形し、可動側が固定
側から離間することによって第1の端子16aを第2の
端子16bから遮断状態として第1の端子16aおよび
第2の端子16bに接続されている外部回路30を遮断
する。
【0035】外部回路30の遮断により電流供給が停止
されることによってアーマチュア4は回転せずに、ワイ
パを作動させない。
【0036】アーマチュア4に対する電流供給が停止さ
れると、整流子4dおよび第1ブラシ5,第2ブラシ6
は自然冷却されて感熱素子16cは戻り変形し、第1の
端子16aおよび第2の端子16bは接続状態に復帰さ
れる。
【0037】また、ワイパの負荷が過大でないときに、
ワイパスイッチが高速モードに切換えられると、第2タ
ーミナル12から第3ターミナル13に通電経路が形成
されて電流が供給される。
【0038】ワイパスイッチが高速モードに切換えられ
ることによって供給された電流は第2ターミナル12か
ら電流遮断機16の第2の端子16bと、電流遮断機1
6の感熱素子16cと、電流遮断機16の第1の端子1
6aと、第1ブラシホルダ8と、第1ブラシ5と、第1
ブラシ5が圧接している一つの整流子片4d1、この整
流子片4d1が電気的に接続されているアーマチュアコ
イル4c、アーマチュアコイル4cに電気的に接続され
ているとともに第3ブラシ7に圧接しているもう一つの
整流子片4d1、第3ブラシ7、第3ブラシホルダ1
0、第4ターミナル14を通って流れるため、アーマチ
ュアコイル4cが励磁され、アーマチュアコイル4cが
励磁されることによって発生した磁力とヨーク2内のマ
グネット3によって発生している磁力とによるフレミン
グの左手の法則によりアーマチュア4が高速モードに対
応した高速で回転し、出力軸18も高速で回転するた
め、リンクを介してワイパを高速作動させる。
【0039】ワイパを高速作動させている際に、ワイパ
に対する負荷が大きくなければ、マーマチュア4はアー
マチュアコイル4cに定常値の電流が流れて高速で回転
するため、電流遮断機16の感熱素子16cはアーマチ
ュア4の回転によって発生する気流を直接受けて強制的
に冷却される。
【0040】そして、多量の降雪などによりワイパに対
する負荷が極端に大きくなっているときに、ワイパスイ
ッチが高速モードに切換えられると、出力軸18が回転
を拘束されているため、上記と同様にして、電流遮断機
16の感熱素子16cは、整流子4dおよび第1ブラシ
5,第3ブラシ7の熱を直接受けて熱変形して可動側が
固定側から離間することによって第1の端子16aを第
2の端子16bから遮断状態として第1の端子16aお
よび第2の端子16bに接続されている外部回路30を
遮断し、外部回路30を遮断することによって電流供給
を停止してアーマチュア4を回転させない。アーマチュ
ア4に対する電流供給が停止されると、整流子4dおよ
び第1ブラシ5,第3ブラシ7は自然冷却されて電流遮
断機16の感熱素子16cは戻り変形して第1の端子1
6aおよび第2の端子16bは接続状態に復帰されるも
のとなる。
【0041】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の請
求項1に係わる電流遮断機付モータによれば、整流子お
よびブラシの近傍に整流子およびブラシに対する無蓋状
態に電流遮断機を配置しているホルダベースにより、電
流遮断機の整流子側およびブラシ側を開放しているた
め、アーマチュアが定常状態で回転している際にアーマ
チュアの回転にともなって発生した気流を電流遮断機に
直接伝えて強制的に冷却し、アーマチュアが非定常状態
となった際にアーマチュアが発生した熱を電流遮断機に
直接的に伝えるので、ホルダベースを介してアーマチュ
アの熱が間接的に伝わらず、ギヤケーシングによる熱損
失の影響も受けにくく、この発明の請求項2に係わる電
流遮断機付モータによれば、電流遮断機収容凹部内にホ
ルダベース本体に非接触で配置した電流遮断機の感熱素
子をホルダベース本体の整流子挿通孔に連通状態とする
ため、アーマチュアが定常状態で回転している際にアー
マチュアの回転にともなって発生した気流を電流遮断機
の感熱素子に直接伝えて強制的に冷却し、アーマチュア
が非定常状態となった際にアーマチュアが発生した熱を
電流遮断機の感熱素子に直接的に伝えるため、ホルダベ
ースを介してアーマチュアの熱が間接的に伝わらず、ギ
ヤケーシングによる熱損失の影響も受けにくく、この発
明の請求項3に係わる電流手段機付モータによれば、感
熱素子に電気的に接続した電流遮断機の端子を、電流遮
断機収容凹部の外側に立設された立上がり板に連設され
且つホルダベース本体の上面に対向状に配置された端子
取付け用板に固定しているため、電流遮断機の感熱素子
をホルダベース本体の整流子挿通孔に連通状態として、
アーマチュアが定常状態で回転している際、アーマチュ
アの回転にともなって発生した気流を電流遮断機の感熱
素子に直接伝えて強制的に冷却し、アーマチュアが非定
常状態となった際にアーマチュアが発生した熱を電流遮
断機の感熱素子に直接的に伝えるため、ホルダベースを
介してアーマチュアの熱が間接的に伝わらず、ギヤケー
シングによる熱損失の影響も受けにくいので、大きな負
荷変動があった際に瞬時のうちに確実にアーマチュアに
対する供給電流の遮断を行うことができるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる電流手段機付モータの実施例
の縦断正面図である。
【図2】図1に示した電流遮断機付モータにおいてのホ
ルダベースまわりの縦断側面図である。
【図3】図1に示した電流遮断機付モータにおいてのホ
ルダベースまわり外観斜視図である。
【図4】図1に示した電流遮断機付モータの電流遮断特
性図である。 1 電流遮断機付モータ 2 ヨーク 3 マグネット 4 アーマチュア 4a アーマチュアシャフト 4d 整流子 5 ブラシ 6 ブラシ 7 ブラシ 15 ホルダベース 15a ホルダベース本体 15a1 整流子挿通孔 15a4 電流遮断機収容凹部 15a5 立上がり板 15a6 端子取付け用板 16 電流遮断機 16a 端子 16b 端子 16c 感熱素子 30 外部回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨークと、 ヨークの内側に固定されたマグネットと、 マグネットの内周側に回転可能に配置され、且つ整流子
    を備えたアーマチュアと、 アーマチュアの整流子に圧接される複数個のブラシと、 ブラシを整流子の外側に保持しているホルダベースと、 ブラシと外部回路とのあいだに電気的に接続され、整流
    子およびブラシの近傍に整流子およびブラシに対する無
    蓋状態でホルダベース上に配置された電流遮断機とをそ
    なえていることを特徴とする電流遮断機付モータ。
  2. 【請求項2】 ホルダベースには、中央に整流子挿通孔
    を設けたホルダベース本体に、この整流子挿通孔に連通
    状に形成された電流遮断機収容凹部が備えられ、電流遮
    断機に備えた感熱素子を電流遮断機収容凹部内にホルダ
    ベース本体に非接触で配置している請求項1に記載の電
    流遮断機付モータ。
  3. 【請求項3】 ホルダベースには、電流遮断機収容凹部
    の外側に立設された立上がり板と、この立上がり板に連
    設され且つホルダベース本体の上面に対向状に配置され
    た端子取付け用板とが備えられ、 感熱素子に電気的に接続した電流遮断機の端子を端子取
    付け用板に固定している請求項2に記載の電流遮断機付
    モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4812774B2 (ja) * 2004-12-29 2011-11-09 ルノー・エス・アー・エス 直流電気モータの保護装置を含むウインドシールドワイパー組立体
JP2019122139A (ja) * 2018-01-05 2019-07-22 株式会社ミツバ モータ装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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