JPH0894830A - 光干渉膜、管球、ダイクロイックミラーおよびダイクロイックミラー付き管球 - Google Patents

光干渉膜、管球、ダイクロイックミラーおよびダイクロイックミラー付き管球

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JPH0894830A
JPH0894830A JP23130894A JP23130894A JPH0894830A JP H0894830 A JPH0894830 A JP H0894830A JP 23130894 A JP23130894 A JP 23130894A JP 23130894 A JP23130894 A JP 23130894A JP H0894830 A JPH0894830 A JP H0894830A
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JP
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refractive index
index layer
silica
film
thermal expansion
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JP23130894A
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Akira Kawakatsu
晃 川勝
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高性能を有する信頼性の高い光干渉膜、およ
びこれを利用した管球などの提供を目的とする。 【構成】 光干渉膜は、シリカを主成分として成る低屈
折率層2と、酸化チタンを主成分として成る高屈折率層
1とを交互に重層して成る光干渉膜であって、前記高屈
折率層1中に、シリカよりも平均熱膨脹係数の小さい複
合酸化物の微結晶1aが析出されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリカ系の低屈折率層
と、酸化チタン系の高屈折率層とを交互に重層して成る
光干渉膜およびこの光干渉膜の応用に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばシリカ(SiO2 )を主体とした低
屈折率層と、酸化チタン(TiO2 )を主体とした高屈折率
層とを交互に重層して成る光干渉膜は、可視光を透過す
る一方、赤外線を反射する機能を有することから管球な
どの効率向上を図る一手段として利用されている。すな
わち、管形石英ガラスバルブ内のほぼ中心部に、発光用
フィラメントを配設して成るハロゲン電球において、前
記石英ガラスバルブの内壁面および外壁面の少なくとも
一方に可視光透過赤外線反射機能を有する光干渉膜を形
成することにより、前記発光用フィラメントから放射さ
れた光のうち、可視光は光干渉膜を透過して外部に放射
され、赤外線は光干渉膜で反射して発光用フィラメント
に帰還し、発光用フィラメントを加熱するので、発光用
フィラメントの発光作用が助長される。つまり、赤外線
の外部放射が低減され、その赤外線による熱が発光用フ
ィラメントの熱保持に利用されるので、ランプ効率の向
上が図られるのである。
【0003】そして、前記光干渉膜の可視光透過赤外線
反射の機能は、前記低屈折率層と高屈折率層との交互,
重層を多層化するほど向上するので、10数層から数10層
に多層化することも試みられている。なお、前記低屈折
率層および高屈折率層の交互,重層による多層化は、良
好な膜を形成し易いことから、一般的に、いわゆるディ
ップ法による塗布、加熱乾燥の繰り返しで行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記シ
リカを主体とした低屈折率層と、酸化チタンを主体とし
た高屈折率層とを交互に重層・多層化して成る光干渉膜
の場合、次ぎのような問題がある。すなわち、 500〜 6
00℃程度以下の温度領域では問題ないが、たとえばハロ
ゲン電球など 800℃以上に温度上昇する領域では、前記
光干渉膜がガラスバルブ面から剥離したり、光干渉膜に
クラックが発生したり、あるいは光干渉膜を成している
層間の剥離が生じたりして、所定の機能を十分に達成し
得ない恐れがある。そして、このような問題は、基体
(たとえばガラスバルブ)と光干渉膜との熱膨脹率差や
光干渉膜を成す低屈折率層および高屈折率層の熱膨脹率
差に起因するものといえる。なお、シリカの平均熱膨脹
係数は約 5.0×10-7であり、また酸化チタンの平均熱膨
脹係数は約 7.0×10-6である。
【0005】光干渉膜の剥離防止対策として、前記基体
面に緩衝膜を介在させることなどの手段が開発されてい
る。しかし、前記シリカを主体とした低屈折率層と、酸
化チタンを主体とした高屈折率層とを交互に、10数層か
ら数10層に程度に多層化して、さらなる可視光透過赤外
線反射機能を高める構成においては、光干渉膜を成して
いる低屈折率層と高屈折率層との層間剥離について、有
効な手段が未だ開発されておらず、したがって、多層化
数も高々10数層程度が限度であり、有効な改善策が望ま
れているのが現状である。
【0006】本発明者は、このような事情に対処して検
討を進めた結果、酸化チタンを主成分とする高屈折率層
中に、シリカよりも平均熱膨脹係数の小さい複合酸化物
微結晶を析出させると、前記光干渉膜における剥離など
容易に回避し得ることを見出した。つまり、前記光干渉
膜における剥離現象は、高・低屈折率層の熱膨脹係数差
による熱応力、膜自体の微細構造による応力、膜の結晶
構造変化による外因性応力などに起因している。そし
て、前記高屈折率層中にシリカよりも平均熱膨脹係数の
小さい複合酸化物微結晶を析出させると、高屈折率層お
よび低屈折率層の熱膨脹係数がマッチングして、前記剥
離原因が容易に解消することに着目して本発明に至った
ものである。
【0007】したがって、本発明は格別の操作なども要
さずに多層化が可能で、高性能を有する信頼性の高い光
干渉膜、およびこれを利用した管球、ダイクロイックミ
ラー、ダイクロイックミラー付き管球を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の光干渉膜の発
明は、シリカを主成分として成る低屈折率層と、酸化チ
タンを主成分として成る高屈折率層とを交互に重層して
成る光干渉膜であって、 前記少なくとも1つの高屈折
率層中に、シリカよりも平均熱膨脹係数の小さい複合酸
化物の微結晶が析出されていることを特徴とする。
【0009】請求項2の管球の発明は、可視光透過赤外
線反射膜を備えて成る管球において、 前記可視光透過
赤外線干渉膜が、シリカを主成分として成る低屈折率層
と、酸化チタンを主成分として成る高屈折率層とを交互
に重層して成り、かつ前記少なくとも1つの高屈折率層
中に、シリカよりも平均熱膨脹係数の小さい複合酸化物
の微結晶が析出されていることを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、請求項2記載の管球に
おいて、可視光透過赤外線反射膜を備えて成る管球は、
ハロゲン電球であることを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、請求項2記載の管球に
おいて、複合酸化物がチタン酸アルミニウムであること
を特徴とする。
【0012】請求項5のダイクロイックミラーの発明
は、透光性基板と、前記透光性基板面に被着形成された
可視光透過赤外線反射膜を備えて成るダイクロイックミ
ラーにおいて、前記可視光透過型干渉膜が、シリカを主
成分として成る低屈折率層と、酸化チタンを主成分とし
て成る高屈折率層とを交互に重層して成り、かつ前記少
なくとも1つの高屈折率層中に、シリカよりも平均熱膨
脹係数の小さい複合酸化物の微結晶が析出されているこ
とを特徴とする。
【0013】請求項6のダイクロイックミラーの発明
は、請求項5記載のダイクロイックミラーにおいて、複
合酸化物がチタン酸アルミニウムであることを特徴とす
る。
【0014】請求項7のダイクロイックミラー付き管球
は、可視光反射赤外線透過膜を有するダイクロイックミ
ラーと、前記ダイクロイックミラーの内部に配設された
管球とを具備し、前記管球がシリカを主成分として成る
低屈折率層と、酸化チタンを主成分として成る高屈折率
層とを交互に重層して成り、かつ前記少なくとも1の高
屈折率層中に、シリカよりも熱膨脹係数の小さい複合酸
化物の微結晶が析出されている可視光透過赤外線反射を
備えていることを特徴とする。
【0015】本発明に係る可視光透過赤外線反射膜にお
いて、酸化チタン(TiO2 )を主成分として成る高屈折率
層中に微結晶の形態で析出(分散・析出)させる複合酸
化物としては、たとえばβ−クリープタイト(Li2 O ・
Al2 O 3 ・2SiO2 ),チタン酸アルミニウム(Al2 O 3
・ TiO2 ),ライト(2MgO・Al2 O 3 ・5SiO2 ),β−
スポンジュウメント(Li2 O ・Al2 O 3 ・4SiO2 ),セ
ルンアン( BaO・Al2O 3 ・2SiO2 ),アルノサイト(
CaO・Al2 O 3 ・2SiO2 ),クリノエンスタイト( MgO
・ SiO2 ),チタン酸マグネシュウム( MgO・ Ti
O2 ),フォルステライト(2MgO・ SiO2 ),ウォラス
テライト( CaO・ SiO2 ),2ケイ酸リチウム(Li2 O
・ SiO2 )などが挙げられる。そして、これらの複合酸
化物は1種もしくは2種以上の混合系で分散・析出して
もよく、また、その微結晶は可視光の波長より小さい
nm程度以下であり、かつ一般的に分散・析出量は 5〜50
質量(重量)%程度である。ここで、前記複合酸化物を
形成する成分の混合系の分散では、本発明の作用効果は
得られない。
【0016】また、前記光干渉膜を可視光透過赤外線反
射(遮断)に利用する管球としては、一般的にハロゲン
が封入されたハロゲン電球がある。さらに、この種の管
球としては、たとえば各種の事務機などに装着される管
形のハロゲンランプ,車輛の前照灯用ハロゲン電球,高
圧蒸気放電灯などが挙げられる。
【0017】さらにまた、ダイクロイックミラーに利用
する形態としては、たとえば店舗照明用として使用さ
れ、可視光反射赤外線透過機能を有する干渉膜が形成さ
れる。
【0018】
【作用】請求項1の発明においては、酸化チタンを主体
とする高屈折率層に、シリカよりも平均熱膨脹係数の低
い複合酸化物、たとえば粒径50nm程度のチタン酸アルミ
ニウム(Al2 O 3 ・ TiO2 )を30〜50質量(重量)%程
度、分散・析出させたことにより、屈折率自体は若干低
下するが(酸化チタンの屈折率n=2.25から屈折率n=
2.16に低下)が、シリカを主体とする低屈折率層の熱膨
脹係数との差などが低減し、相互的によくマッチングす
る。つまり、高・低屈折率層の熱膨脹係数差による熱応
力、膜自体の微細構造による応力、膜の結晶構造変化に
よる外因性応力など積層された膜同士の剥離原因が解消
されて、良好な性能を呈する。
【0019】請求項2の発明においては、前記光干渉膜
がたとえば20層以上の多層に構成された場合でも、透光
性のバルブ面から剥離する恐れが解消するうえ、光干渉
膜自体におけるクラック発生や積層された膜同士の剥離
も起こらないので、赤外線反射もしくは管外への赤外線
放射を遮断する機能など確実に保持発揮されることにな
り、発光熱の再利用などによってランプ効率の向上が図
られる。
【0020】請求項3および4の発明においては、前記
請求項2の発明に係る作用・機能などがより容易に、ま
た効果的に達成される。
【0021】請求項5の発明においては、前記光干渉膜
がたとえば20層以上の多層に構成された場合でも、透光
性の支持基体面から剥離する恐れが解消するうえ、光干
渉膜自体におけるクラック発生や積層された膜同士の剥
離も起こらないので、選択的に赤外線を反射もしくは遮
断する機能が確実に保持発揮されることになり、熱的な
悪影響を回避しながら、可視光や紫外線を選択して効率
よく利用し得る。
【0022】請求項6の発明においては、前記請求項5
の発明に係る作用・機能などがより容易に、また効果的
に達成される。
【0023】請求項7の発明においては、前記光干渉膜
がたとえば20層以上の多層に構成された場合でも、透光
性のバルブ面から剥離する恐れが解消するうえ、光干渉
膜自体におけるクラック発生や積層された膜同士の剥離
も起こらず、また赤外線反射もしくは管外への赤外線放
射を遮断する機能など確実に保持発揮されることによっ
て、発光熱の再利用などによってランプ効率の向上が図
られた管球を、可視光反射赤外線透過膜を有するダクロ
イックミラーと組み合わせたので、店舗照明などでより
すぐれた機能を呈する。
【0024】
【実施例】
実施例1 先ず、エチルシリケートを有機溶媒に溶解させ、エチル
シリケート含有量 2〜10質量%、粘度約1.0 cps の溶液
を調製する一方、テトライソプロピルチタネートを有機
溶媒に溶解させ、テトライソプロピルチタネート含有量
2〜10質量%、粘度約2.0 cps の溶液を調製し、さら
に、このテトライソプロピルチタネート溶液に、チタン
酸アルミニウムの微粒子(微結晶)を質量比で30%分散
・含有させてテトライソプロピルチタネート系溶液を調
製した。
【0025】次いで、基体として石英ガラス板を用意
し、表面を脱脂,水洗して清浄化処理した。この石英ガ
ラス板を、前記テトライソプロピルチタネート系溶液に
浸漬してから所定速度で引上げ、乾燥後、空気中,約 6
00℃で 5分間焼成して、前記石英ガラス板面に、チタン
酸アルミニウムの微粒子をが析出・分散した厚さ 110nm
程度の高屈折率層を形成した。その後、前記エチルシリ
ケート溶液に浸漬してから所定速度で引上げ、乾燥後、
空気中,約 600℃で 5分間焼成して、前記高屈折率層上
にシリカから成る厚さ 175nm程度の低屈折率層を形成し
た。
【0026】この工程、つまり、前記高屈折率層の形
成、および低屈折率層の形成を順次繰り返して、16層の
高屈折率層と16層の低屈折率層とが交互に重層(積層)
した光干渉膜を形成した。そして、この多層型の光干渉
膜の形成においては、多層化の途中で屈折率層の密着性
不良なども見られず、良好な歩留まりであった。図1は
このようにして形成した光干渉膜のうち、酸化チタンを
主体とした高屈折率層1およびシリカを主体とした低屈
折率層2について、それぞれ膜(層)構造を模式敵に示
した断面図であり、3は石英ガラス板、1aは前記酸化チ
タンを主体とした高屈折率層1中に析出・分散したシリ
カよりも平均熱膨脹係数の小さいチタン酸アルミニウム
の微結晶である。
【0027】前記形成した光干渉膜(32層の多層膜)
は、石英ガラス板に対して良好な密着性を有するととも
に、光干渉膜内での剥離やクラックの発生なども認めら
れず、光学特性,耐熱性および外観なども良好で、可視
光透過赤外線反射などにすぐれた機能・性能を発揮し
た。
【0028】なお、上記においては、高屈折率層を成す
酸化チタンに、複合酸化物の微結晶としてチタン酸アル
ミニウム微結晶を析出・分散させたが、シリカよりも平
均熱膨脹係数の小さい他の複合酸化物、たとえばラィ
ト,β−スポンジュメント,セルンアン,アルノサイ
ト,クリノエンステライト,チタン酸マグネシウム,フ
ォルステライト,ウォラステライト,2ケイ酸リチウム
などの微結晶を析出・分散させた場合も、同様の作用効
果が認められた。
【0029】実施例2 図2に側面的に示すハロゲン電球を用意した。図2にお
いて、4は石英ガラスから成るバルブ、5は前記バルブ
4の圧潰封止部、6は前記圧潰封止部5に埋設された導
入リード線、7は前記導入リード線6に一端が接続する
内導体、8は前記内導体7間に装架されたタングステン
コイルフィラメント、9は前記導入リード線6に電気的
に接続しながら圧潰封止部5に装着された口金である。
【0030】前記ハロゲン電球を、実施例1の場合と同
じ組成・性状のテトライソプロピルチタネート系溶液に
浸漬してから所定速度で引上げ、乾燥後、空気中,約 6
00℃で 5分間焼成して、前記石英バルブ4外表面に、チ
タン酸アルミニウムの微粒子をが析出・分散した厚さ 1
10nm程度の高屈折率層を形成した。その後、同じく実施
例1の場合と同じ組成・性状のエチルシリケート溶液に
浸漬してから所定速度で引上げ、乾燥後、空気中,約 6
00℃で 5分間焼成して、前記高屈折率層上にシリカから
成る厚さ 175nm程度の低屈折率層を形成した。
【0031】この工程、つまり、前記高屈折率層の形
成、および低屈折率層の形成を順次繰り返して、16層の
高屈折率層と16層の低屈折率層とが交互に重層(積層)
した光干渉膜10を、前記石英バルブ4の外表面に形成し
た。また、この多層型の光干渉膜10の形成においては、
多層化の途中で屈折率層の密着性不良なども見られず、
良好な歩留まりであった。このようにして形成した光干
渉膜10について、断面を電子顕微鏡で観察したところ、
実施例1の場合と同様の膜(層)構造を成していた。
【0032】前記光干渉膜(32層の多層膜)10を石英バ
ルブ4の外表面に形成したハロゲン電球においては、光
干渉膜10が石英バルブ4の外表面に対して良好な密着性
を有するとともに、光干渉膜10内での剥離やクラックの
発生なども認められず、光学特性,耐熱性および外観な
ども良好で、可視光の透過,赤外線の反射などにすぐれ
た機能・性能を発揮した。そして、この管形ハロゲンラ
ンプは、たとえば複写機の露光光源として間欠的に点灯
・消灯を繰り返し、長期間に亘っての使用においても、
前記光干渉膜10の破損・損傷などによる機能低下は認め
られなかった。 実施例3 前記実施例で得た光干渉膜、すなわち石英ガラス板面
に、シリカよりも平均熱膨脹係数の小さい複合酸化物の
微結晶を分散・析出させた酸化チタン系の高屈折率層、
およびシリカを主体とした低屈折率層を交互に重層して
光干渉膜を設けて成る可視光反射赤外線透過のダイクロ
イックミラーにおいては、多層的に形成されている光干
渉膜の剥離、損傷なども起こらず、長期間の使用に耐え
た。
【0033】実施例4 図3は、本発明に係るダイクロイックミラー付き管球の
要部構成例を示す断面図であり、11は反射鏡12を有する
反射構体、13は前記反射構体11の反射鏡12面に形成され
た赤外線吸収膜、14は同じく反射鏡12面に積層敵に形成
されたダイクロイック膜である。また、15は前記反射構
体11の反射鏡12部に装着・配置されたハロゲン電球であ
り、このハロゲン電球15の構成は、前記図2に図示した
場合と基本的には同様である。すなわち、前記ハロゲン
電球15は、石英ガラスから成るバルブ4、前記バルブ4
のほぼ中央部に内装・配置されたタングステンコイルフ
ィラメント8、このタングステンコイルフィラメント8
に接続・装架する内導体7,前記内導体7の他端側を封
止するバルブ4の圧潰封止部5、前記圧潰封止部5に埋
設され内導体7の他端側および導入リード線6を接続す
るモリブデン箔7′で構成され、さらに前記実施例2の
場合と同じ条件で可視光透過赤外線反射膜10を前記バル
ブノ外表面に形成したものである。なお、図3におい
て、16は反射構体11とこれに装着・配置されたハロゲン
電球15との間を充填し、これらを一体化する接合材であ
る。
【0034】前記構成のダイクロイックミラー付き管球
では、組み合わせ・装着した管球の可視光透過赤外線反
射膜10がバルブ4面から剥離する恐れがないうえ、可視
光透過赤外線反射膜10自体におけるクラック発生、もし
くは積層された膜同士の剥離も起こらずに、また赤外線
反射もしくは管外への赤外線放射を遮断する機能など確
実に発揮されるので、発光熱の再利用などによってラン
プ効率の向上が図られた。一方、組み合わせた可視光反
射赤外線透過膜を有するダクロイックミラーにおいて
は、照明の機能を果たす可視光を反射しながら熱源とな
る赤外線を透過吸収するので、店舗照明などでよりすぐ
れた機能を呈する。
【0035】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変
形を採り得る。たとえば、上記では管球として管形ハロ
ゲンランプを例示したが、車輛前照灯用のハロゲン電球
やハロゲン封入型の高圧放電灯などであってもよい。
【0036】
【発明の効果】上記説明したように、請求項1の発明に
おいては、シリカを主体とする低屈折率層の熱膨脹係数
との差などが低減し、高屈折率と相互的によくマッチン
グする。つまり、高・低屈折率層の熱膨脹係数差による
熱応力、膜自体の微細構造による応力、膜の結晶構造変
化による外因性応力など積層された膜同士の剥離原因が
解消されて、良好な性能を呈する。
【0037】また、請求項2の発明においては、前記光
干渉膜がたとば20層以上の多層に構成された場合でも、
透光性のバルブ面から剥離する恐れが解消するうえ、光
干渉膜自体におけるクラック発生や積層された膜同士の
剥離も起こらないので、赤外線反射もしくは管外への赤
外線放射を遮断する機能など確実に保持発揮されること
になり、発光熱の再利用などによってランプ効率の向上
が図られる。
【0038】さらに、請求項3および4の発明において
は、前記請求項2の発明に係る作用・機能などがより容
易に、また効果的に達成される。
【0039】請求項5の発明においても、前記光干渉膜
がたとえば20層以上の多層に構成された場合でも、光干
渉膜の剥離やクラック発生など破損性が解消し、選択的
に赤外線を反射もしくは遮断する機能を長期間に亘って
十分、かつ確実に保持発揮するので、熱的な悪影響を回
避しながら、可視光や紫外線を選択して効率よく利用し
得る。
【0040】また、請求項6の発明においては、前記請
求項5の発明に係る作用・機能などがより容易に、また
効果的に達成される。
【0041】請求項7の発明においては、前記請求項2
の発明に係る効果で説明したような作用効果を呈する管
球と、可視光反射赤外線透過膜を有するダクロイックミ
ラーとの組み合わせにより、熱が巧みに使い分けられ店
舗における展示商品のスポット照明などでよりすぐれた
機能を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光干渉膜を形成する高屈折率層お
よび低屈折率層の膜構造を模式的に示す断面図。
【図2】本発明に係る管球の構成例を示す側面図。
【図3】本発明に係るダイクロイックミラー付き管球の
構成例を示す側断面図。
【符号の説明】
1……酸化チタンを主体とする高屈折率層 1a……シ
リカよりも平均熱膨脹係数の小さい複合酸化物の微結晶
2……シリカを主体とする低屈折率層 3……石英ガラス板 4……石英ガラスバルブ 5
……圧潰封止部 6……導入リード線 7……内導
線 7′……モリブデン箔 8……コイルフィラメ
ント 9……口金 10……可視光透過赤外線反射膜
11……反射構体 12……反射鏡 13……赤外線
吸収膜 14……ダイクロイック膜 15……ハロゲン
電球

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカを主成分として成る低屈折率層
    と、酸化チタンを主成分として成る高屈折率層とを交互
    に重層して成る光干渉膜であって、 前記少なくとも1の高屈折率層中に、シリカよりも熱膨
    脹係数の小さい複合酸化物の微結晶が析出されているこ
    とを特徴とする光干渉膜。
  2. 【請求項2】 可視光透過赤外線反射膜を備えて成る管
    球において、 前記可視光透過赤外線反射は、シリカを主成分として成
    る低屈折率層と、酸化チタンを主成分として成る高屈折
    率層とを交互に重層して成り、かつ前記少なくとも1の
    高屈折率層中に、シリカよりも熱膨脹係数の小さい複合
    酸化物の微結晶が析出されていることを特徴とする管
    球。
  3. 【請求項3】 可視光透過赤外線反射膜を備えて成る管
    球は、ハロゲン電球であることを特徴とする請求項2記
    載の管球。
  4. 【請求項4】 複合酸化物は、チタン酸アルミニウムで
    あることを特徴とする請求項2記載の管球。
  5. 【請求項5】 透光性基板と、前記透光性基板面に被着
    形成された可視光反射赤外線透過膜を備えて成るダイク
    ロイックミラーにおいて、 前記可視光反射赤外線透過膜が、シリカを主成分として
    成る低屈折率層と、酸化チタンを主成分として成る高屈
    折率層とを交互に重層して成り、かつ前記少なくとも1
    の高屈折率層中に、シリカよりも熱膨脹係数の小さい複
    合酸化物の微結晶が析出されていることを特徴とするダ
    イクロイックミラー。
  6. 【請求項6】 複合酸化物は、チタン酸アルミニウムで
    あることを特徴とする請求項5記載のダイクロイックミ
    ラー。
  7. 【請求項7】 可視光反射赤外線透過膜を有するダイク
    ロイックミラーと、前記ダイクロイックミラーの内部に
    配設された管球とを具備し、 前記管球がシリカを主成分として成る低屈折率層と、酸
    化チタンを主成分として成る高屈折率層とを交互に重層
    して成り、かつ前記少なくとも1の高屈折率層中に、シ
    リカよりも熱膨脹係数の小さい複合酸化物の微結晶が析
    出されている可視光透過赤外線反射膜を備えていること
    を特徴とするダイクロイックミラー付き管球。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006238093A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Sony Corp 撮像装置
CN104053546A (zh) * 2011-10-12 2014-09-17 柯尼卡美能达株式会社 近红外遮蔽膜及近红外遮蔽体

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