JPH089473B2 - エスカレータ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は循環式エスカレータ装置に関するものであ
る。

従来の技術 一般、高低差のある床間で、連続的に多数の人間を搬
送するのに、多数の踏台が連続して循環移動するエスカ
レータ装置が使用されているが、このエスカレータ装置
は、上昇用および下降用がそれぞれ別個に配設されたも
のであった。

発明が解決しようとする課題 上記従来の構成によると、上昇用のエスカレータ装置
においてはその下降動作時に、また下降用のエスカレー
タの装置においてはその上昇動作時に、何も搬送してい
ないため、搬送およびスペース的に無駄が生じていると
いう問題があった、 そこで、本発明は上記課題を解消し得るエスカレータ
装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するため、本発明のエスカレータ装置
は、筒状壁面に沿って螺旋状に昇降する多数の踏台が無
端状に連結されたエスカレータ装置であって、上記踏台
の下部を案内する下部案内部材および踏台の上部を係合
部材を介して案内する上部案内部材を、その移動経路に
沿ってそれぞれ配置し。上記上部案内部材と係合部材と
の係合位置を、踏台の循環移動経路の内、頂部および底
部において、踏台側部の前部位置および後部位置のいず
れかに切り換えるための切換手段を設けたものである。

作用 上記構成によると、各踏台の上部は係合部材を介して
上部案内部材により、また各踏台の下部は下部案内部材
により、所定の移動経路に沿って昇降循環されるため、
同一のエスカレータ装置で上昇機能と下降機能とを併せ
持たすことができる。また、踏台と上部案内部材との係
合位置を、移動経路の頂部および底部において、切り換
えることができるため、常に踏台と上部案内部材との係
合位置を移動経路の床面側に最も近づけることができ、
したがって係合部材を踏台の側部に設けた場合でも、上
部案内部材の露出部を踏台の側面で覆うことができる。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図〜第５図に基づき説
明する。

第１図において、１は下部階（例えば一階）２と上部
階（例えば二階）３との間で設けられた循環式エスカレ
ータ装置で、筒状壁面４に沿って螺旋状に昇降移動自在
な多数の踏台５が無端状に連結されている。この踏台５
の本体部（以下、踏台本体という）６は、第２図〜第５
図に示すように、逆半円筒形状（かまぼこ形状を上下逆
にしたもの）に構成されるとともに、その左右の各側部
の下部には、踏台５の移動経路に沿って配置された下部
ガイドレール（下部案内部材）７に案内されるガイドロ
ーラ８が、また各側部の上部の前後位置（移動経路に沿
って前後位置）には、駆動用チェーン（上部案内部材）
９に係脱自在な係合ピン（係合部材）10がそれぞれ設け
られている。上記駆動用チェーン９は支持ガイド11上の
案内されるとともに、この駆動用チェーン９の各踏台５
に設けられた各係合ピン10に対応する位置には、係合ピ
ン10を挿入可能な穴部12aを有する係合板体12がそれぞ
れ設けられている。そして、上記係合ピン10は、左右一
対の前部係合ピン10Aと、同じく左右一対の後部係合ピ
ン10Bとが切換手段を介して選択的に駆動用チェーン９
側の穴部12aに出退して係脱できるように構成されてい
る。すなわち、各側部における前後一対の係合ピン10A
の後端部同士は、それぞれ中間部が支持ピン15により軸
支された連結棒16および連結ピン17を介して互いに連結
されており、一方の係合ピン10Aが突出すれば必ず他方
の係合ピン10Bが退入するようにされている。また、上
記踏台本体６の内部には、支持ピン18を介して略鉛直面
内（少し傾斜している）でかつ左右方向で切換棒19が揺
動自在に支持されるとともに、その揺動支持部の上下部
と前部（後部でもよい）の左右一対の係合ピン10Aとが
リンク20を介しておよび直接に長穴21を介して連結され
ている。そして、上記切換棒19の下端部は踏台本体６の
底部から突出されるとともにガイドローラ22が取り付け
られており、さらに踏台５の移動経路に沿って上記ガイ
ドローラ22を案内する切換用ガイドレール23が配設され
ている。この切換用ガイドレール23は、移動経路の頂部
および底部の水平部において、変化させられている。な
お、図示しないが、常にガイドローラ23を切換用ガイド
レール23側に押し付けるためのばね部材が設けられてい
る。勿論、上記切換用ガイドレール23を溝形状にして、
その溝内をガイドローラ22が案内されるようにしてもよ
い。すなわち、第２図に示すように、踏台５の上昇時に
おいては、前部の係合ピン10Aが突出してチェーン９に
係合されて駆動され、また踏台５の下降時においては、
後部の係合ピン10Bが突出して駆動用チェーン９に係合
されて駆動されるようにしている。第２図中、黒丸が係
合している係合ピン10を示している。したがって、この
係合の仕方によると、踏台５の駆動用チェーン９との連
結は、常に駆動用チェーン９に対して近い方で行われて
いることになる。なお、図示しないが、常にガイドロー
ラ23を切換用ガイドレール23側に押し付けるためのばね
部材が設けられている。勿論、上記切換用ガイドレール
23を溝形状にして、その溝内をガイドローラ22が案内さ
れるようにしてもよい。

また、上記移動経路の内、水平部においては、踏台本
体６が床面24の下方を通過するようにされるとともに、
この部分で人の乗り降りができるようにされている。な
お、勿論手摺25は踏台５と同調してモータにより駆動さ
れるとともに、人の乗降部分では床面24下に潜るように
されている。

上記構成によると、駆動用チェーン９の駆動によっ
て、踏台５がその移動経路に沿ってすなわち下降階２と
上部階３との間で連続して循環移動するため、同一のエ
スカレータ装置で上昇機能と下降機能とを併せ持たすこ
とができる。また、踏台５と駆動用チェーン９との係合
は、上昇時においては、前部の係合ピン10Aにより行わ
れるとともに、下降時においては、後部の係合ピン10B
により行われるため、踏台５を案内する駆動用チェーン
９を、手摺側壁部の最下部すなわち踏台５の上面より常
に下方に配置することができ、したがって外側に露出す
る手摺側壁部全体を容易に化粧板にて覆うことができる
ので、安全かつ見栄えがよい。さらに、上昇時および下
降時においても、移動面に対する踏台５の駆動用チェー
ン９との係合距離が同一であるため、踏台５同士間に隙
間が生じるのを防止することができる。

次に、他の実施例を第６図および第７図に基づき説明
する。

本実施例においては、踏台５の両側部にそれぞれ設け
られた係合ピン10の駆動用チェーン９への係合位置の前
後切り換えを押込み装置により行うようにしたものであ
る。

すなわち、第６図に示すように、移動経路の頂部およ
び底部の水平部の所定位置には現在、駆動用チェーン９
に係合している係合ピン10を踏台本体６の内部に押込む
押込み装置（例えばシリンダー装置）31が、支持台32上
で踏台５の移動に同調して移動するように設けられたも
のである。

したがって、第６図に示すように、踏台５が水平部の
所定位置に来ると、押込み装置31が踏台５の移動速度に
合わせて移動するとともに、駆動用チェーン９に係合し
ている一方の係合ピン10Aを踏台本体６の内側に押し込
む。すると、他方の係合ピン10Bが突出して駆動用チェ
ーン９に係合し駆動用チェーン９への踏台５の係合位置
が切り換えられることになる。勿論、一方の係合ピン10
Aの押し込みが終わると、押込み装置31は元の位置に戻
り、次の踏台５の切り換えに備えられる。

また、上記の構成において、係合ピン10の出退状態を
ロックするロック機構を設けるようにしてもよい。

すなわち、第７図に示すように、踏台本体６の各側部
には、係合ピン10の出退用穴6aを開閉自在な揺動レバー
35が鉛直面内に揺動自在に設けられ、また同じくその下
方の側部には上端が揺動レバー35の下面に当接するとと
もに下端にガイドローラ36が取り付けられた昇降棒37が
設けられ、さらに移動経路に沿って上記ガイドローラ36
を介して昇降棒37を昇降させるロック用レール38が設け
られている。したがって、係合ピン10の切換え箇所にお
いては、突出させられる側の揺動レバー35を上方に揺動
させて、その出退用穴6aが開放される。また、退入した
係合ピン10の出退用穴6aは昇降棒37の下降動作により揺
動レバー35が下方に揺動して閉じられる。

ところで、上記実施例においては、下部案内部材をガ
イドレールとして説明したが、例えば駆動用チェーンと
同様のチェーンを設け、このチェーンに連結される連結
金具を踏台の両側部の下部に設けるようにしてもよい。

さらに、上記実施例においては、エスカレータ装置を
一階と二階との間で設けたものとして説明したが、勿
論、二階と三階との間、三階と四階との間など、いずれ
階同士間においても設けることができる。

発明の効果 以上のように本発明の構成によれば、各踏台の上部は
係合部材を介して上部案内部材により、また各踏台の下
部は下部案内部材により、所定の移動経路に沿って昇降
循環されるため、同一のエスカレータ装置で上昇機能と
下降機能とを併せ持たすことができ、したがって従来の
ように上昇用および下降用にそれぞれ別個にエスカレー
タ装置を設けていた場合に比べて非常に経済的となる。

また、踏台と上部案内部材との係合位置を、移動経路
の頂部および底部において、切り換えることができるた
め、常に踏台と上部案内部材との係合位置を移動経路の
床面側に最も近づけることができ、したがって係合部材
を踏台の側部に設けた場合でも、上部案内部材の露出部
を踏台の側面で覆うことができるので、安全であるとと
もに見栄えがよい。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の一実施例を示すもので、第１
図は外観斜視図、第２図は頂部における概略構成を示す
側面図、第３図は踏台の外観斜視図、第４図は同水平断
面図、第５図は切換え手段の構成を示す模式図、第６図
および第７図は本発明の他の実施例を示すもので、第６
図は踏台の一部切欠平面図、第７図は同側面図である。 １……エスカレータ装置、２……下部階、３……上部
階、４……筒状壁面、５……踏台、６……踏台本体、７
……下部ガイドレール、８……ガイドローラ、９……駆
動用チェーン、10,10A,10B……係合ピン、11……支持ガ
イド、12……係合板体、12a……穴部、19……切換棒、2
2……ガイドローラ、23……切換用ガイドレール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状壁面に沿って螺旋状に昇降する多数の
   踏台が無端状に連結されたエスカレータ装置であって、
   上記踏台の下部を案内する下部案内部材および踏台の上
   部を係合部材を介して案内する上部案内部材を、その移
   動経路に沿ってそれぞれ配置し、上記上部案内部材と係
   合部材との係合位置を、踏台の循環移動経路の内、頂部
   および底部において、踏台側部の前部位置および後部位
   置のいずれかに切り換えるための切換手段を設けたこと
   を特徴とするエスカレータ装置。