JPH0893052A - 多層の建造物の構築法 - Google Patents

多層の建造物の構築法

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JPH0893052A
JPH0893052A JP25429394A JP25429394A JPH0893052A JP H0893052 A JPH0893052 A JP H0893052A JP 25429394 A JP25429394 A JP 25429394A JP 25429394 A JP25429394 A JP 25429394A JP H0893052 A JPH0893052 A JP H0893052A
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雄二 須藤
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博 沢田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】仮取付片の切除が不要、又は切除後の鋼管柱体
の表面仕上げが不要で、施工性がよく、工期の短縮が可
能な多層の建造物の構築法を提供すること。 【構成】下側の鋼管柱体115の上端と上側の鋼管柱体
116の下端との接合部を、設定床面FLより少々下の
梁接合部の上方にし、下側の鉄骨柱体115の上部の接
合部より下側の部分に仮取付片11cを接合し、上側の
鋼管柱体116の下部の設定床面より下側の部分に仮取
付片11fに接合し、下側の鋼管柱体の仮取付片と上側
の鋼管柱体の仮取付片とを仮接合してから、下側の鋼管
柱体の上端と上側の鋼管柱体の下側とを溶接により本接
合し、形成される床の設定床面より下方に、仮取付片の
鋼管柱体への接合部を位置させ、鋼管柱体の露出部分を
塗装仕上げする。 【効果】無耐火被覆鋼管柱を施工性よく構築できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多層の建造物の構築
法、特に、鋼管柱をコンクリート床の設定床面よりも少
々下方で溶接により本接合し、上下接合部等を露出させ
ないようにする多層の建造物の構築法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の多層の建造物の構築法には、鉄骨
柱として横断面が角形の角鋼管柱体又は横断面が円形の
円鋼管柱体を用い、建て方時に、床の表面から1m程度
の高さの位置で、下側の節の鋼管柱体の上部に溶接した
エレクションピース(この明細書においては仮取付片と
いう)と上側の節の鋼管柱体の下部に溶接した仮取付片
とをボルトナットにて仮接合してから、下側の節の鋼管
柱体の上端面と上側の節の鋼管柱体の下側面とを溶接に
より本接合し、かつ仮取付片を切除し、室空間に露出す
る鉄骨柱の周囲に耐火被覆層を設けるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の多層の建造物の
構築法は、床の表面から1m程度の高さの位置で、下側
の鋼管柱体の上端と上側の鉄骨柱体の下端とを、建て方
時に仮取付片にて仮接合してから、溶接により本接合
し、かつ仮取付片を切除し、露出する鉄骨柱体の周囲に
耐火被覆層を設けるため、仮取付片の切除後の鋼管柱体
の表面仕上げは荒い仕上げで済ますことができるが、床
の上面と天井の下面との間の露出する鋼管柱体の周囲に
塗装を施し、耐火被覆層を省略しようとすると、仮取付
片の切除後の鋼管柱体の表面仕上げを細かい仕上げにす
る必要があり、多くの手間と時間がかかり、不経済的で
ある。この発明の解決しようとする課題は、従来の多層
の建造物の構築法の上述のような欠点を有しない多層の
建造物の構築法を提供すること、換言すると、仮取付片
の切除が不要、又は仮取付片の切除後の閉鎖断面の鉄骨
柱体の表面仕上げが不要で、施工性がよく、工期の短縮
が可能な多層の建造物の構築法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するために、次の構成を採用するものである。この
発明の構成は、閉鎖型断面の鉄骨からなる複数の節の鉄
骨柱体を互いに接合して鉄骨柱を構築し、各節の鉄骨柱
体の梁接合部にそれぞれ鉄骨梁を接合し、各鉄骨梁の上
側に金属製の型板を取付け、該型板の上側にコンクリー
ト床等を形成する多層の建造物の構築法において、鉄骨
柱を塗装仕上にする階に対応する下側の節の鉄骨柱体の
上端と上側の節の鉄骨柱体の下端との上下接合部を、設
定床面より少々下の梁接合部の上方にし、下側の節の鉄
骨柱体の上部の上下接合部より下側の部分に仮取付片を
接合し、上側の節の鉄骨柱体の下部の設定床面より下側
の部分に仮取付片を接合し、下側の節の鉄骨柱体の仮取
付片と上側の節の鉄骨柱体の仮取付片とを仮接合してか
ら、下側の節の鉄骨柱体の上端と上側の節の鉄骨柱体の
下端とを溶接により本接合し、前記型板の上側に形成さ
れる床の設定床面より下方に、下側及び上側の節の鉄骨
柱体の仮取付片の鉄骨柱体への接合部を位置させること
を特徴とする多層の建造物の構築法にある。閉鎖型断面
の鉄骨としては、例えば、円鋼管や角鋼管を使用する。
好ましい実施形態においては、自動溶接装置を使って本
接合する。この場合には、前記上下接合部を手溶接によ
り仮溶接した後に、自動溶接装置による溶接作業の邪魔
になる下側及び上側の節の鋼管柱体の仮取付片の部分を
切除し、自動溶接装置により下側の節の鋼管柱体の上端
と上側の節の鋼管柱体の下端とを溶接により本接合して
から、自動溶接装置を撤去して、本接合部の周囲の型板
上にコンクリートを打設する。
【0005】自動溶接機で本接合する場合、好ましい実
施形態においては、本接合するための自動溶接機を、制
御装置を備えた主装置、移動装置、送給装置等で構成
し、本接合すべき部分の上側の鉄骨柱体の周囲にガイド
レールを取外可能に設け、該ガイドレールの上方の鉄骨
柱体の周りに送給用レールを取外可能に設け、自動溶接
装置の移動装置をガイドレールに移動できるように取付
け、送給装置を送給用レールに移動できるように取付
け、主装置と送給装置とをキャプタイヤケーブルで連結
し、送給装置と移動装置とをキャプタイヤケーブルで連
結し、かつ線状体の溶接材を送給装置から移動装置に送
給できるようにし、移動装置をガイドレールに沿って鉄
骨柱体の回りを正転及び逆転させて下側の節の鋼管柱体
の上端と上側の節の鋼管柱体の下端とを溶接により本接
合してから、前記の移動装置、送給装置、ガイドレー
ル、送給用レール等を撤去するようにする。このように
すると、移動装置の移動に連れて送給装置及びキャプタ
イヤケーブルが送給用レールに沿って移動し、キャプタ
イヤケーブルが鉄骨梁上に取付けたデッキプレート等の
金属製の枠板の凹凸面に接触することがなく、移動装置
を円滑に回動させることができる。
【0006】鉄骨柱体としては、好ましい実施形態で
は、円鋼管柱体の鉄骨梁との接合位置に一対の外ダイヤ
フラムを上下方向に間隔をおいて水平に設け、外ダイヤ
フラムの外周の間隔をおいた複数の部分を鉄骨梁の接合
部にし、対の外ダイヤフラムの各接合部間にそれぞれ配
した梁取付用ガセットを外ダイヤフラムの対向面及び円
鋼管柱体の外周面に接合して構成したものを使う。ま
た、好ましい実施形態においては、下側の節の鉄骨柱の
上端より下側の周面に角間隔をおいて複数の1字型仮取
付片を放射状に配し、各1字型仮取付片の内側縁を鉄骨
柱に接合し、各1字型仮取付片の下端縁を鉄骨柱の上側
の外ダイヤフラムに溶接する。上側の節の鉄骨柱の下端
より少々上側の周面に前記角間隔と同じ角間隔をおいて
複数のT字型仮取付片を配し、各T字型仮取付片のT字
型の垂直な板状部分を放射状に位置させ、その板状部分
を前記1字型仮取付片に対応させ、各T字型仮取付片の
T字型の水平な板状部分を鉄骨柱体の下部の外周部に接
合する。そして、各T字型仮取付片のT字型の垂直な板
状部分と各1字型仮取付片とをボルトナットにて接合し
得るようにする。なお、場合によっては、下側の節の鉄
骨柱の上端より下側の周面に角間隔をおいて複数の1字
型仮取付片を放射状に配し、各1字型仮取付片の下端縁
のみを鉄骨柱の上側の外ダイヤフラムに溶接し、又は各
1字型仮取付片の内側縁のみを鉄骨柱に接合するように
することもできる。
【0007】好ましい実施形態においては、下側の節の
鉄骨柱体の上端の内側周面に裏当金を溶接し、上側の節
の鉄骨柱体の下端の内側周面に裏当金を溶接し、建方時
に、上側の節の鉄骨柱体の下端の裏当金の下端面を下側
の節の鉄骨柱体の上端の裏当金の上端面に当接するよう
に配設し、各裏当金及び各裏当金と鉄骨柱体との溶接部
を建方時に鉄骨柱体に作用する圧縮軸力及び曲げによる
圧縮力に耐えうるように(すなわち、安全なように)設
計する。建造物の建造後に、少なくとも塗装仕上げする
部分のある鉄骨柱の内部にコンクリートを充填し、無耐
火被覆充填コンクリート閉鎖型断面柱にする。下側の節
の鉄骨柱体の上端と上側の節の鉄骨柱体の下端とを設定
床面より少々下の梁取付部の上方で接合する閉鎖型断面
の下側の節の鉄骨柱においては、その鉄骨柱体の上端よ
り少々下の内部に落下防止用格子を設ける。また、必要
に応じて、その鉄骨柱体の上端面に鉄骨柱体の上端面の
形状と略一致する形状の雨養生兼落下防止板を当て、こ
の雨養生兼落下防止板を鉄骨柱体の上端部に取付ける。
雨養生兼落下防止板は、鉄骨柱体の建起し前に取付け、
仮接合前に外す。また、外周面に耐火被覆層を設けない
節の閉鎖型断面の鉄骨柱体においては、コラムステージ
受け片を、梁取付部よりも下方で天井仕上線よりも上方
の鉄骨柱体の部分に先付けする。さらに、親綱を取付け
る必要のある耐火被覆層を設けない鉄骨柱体の部分に
は、親綱のフックを掛けうるフック掛け部が少なくとも
一つある細長いバンドを取外可能に取付けて、フック掛
け部を形成する。下側の節の閉鎖型断面の鉄骨柱体の上
端と上側の節の閉鎖型断面の鉄骨柱体の下端とを設定床
面より少々下の鉄骨梁の上側で接合して鉄骨柱とする建
造物の設計においては、長期(通常時)及び短期(地震
時)の応力に応じて安全であるように設計し、かつ、最
大級の地震がきた時でも、鉄骨柱は弾性範囲内(変形し
ても元の状態にもどる程度の応力度)にあるように、鉄
骨梁の1.2倍以上の応力で設計する。そのため、鉄骨
柱を鉄骨梁との接合部の少々上の部分で接合しても、十
分に安全である。なお、コンクリート床の上面がそのま
まで床の上面になる場合にはコンクリート床の上面が本
発明でいう「設定床面」になり、コンクリート床の上面
に敷物を敷設したり、コンクリート床の上面にスペーサ
を介して床板を敷設したりする場合には、敷物又は床板
の上面が本発明でいう「設定床面」になる。
【0008】
【実施例】実施例の多層の建造物の構築法は、図1〜図
17に示され、鉄骨柱に横断面が円形の円鋼管柱11と
横断面が角形の角鋼管柱12とを使い、鉄骨梁にH形断
面の鉄骨梁13を使い、地下2階で、地上23階の多層
の建造物10の構築に本発明を適用した例である。円鋼
管柱11及び角鋼管柱12は、図1及び図2に示すよう
に、地下2階から地上1階に亘って延びる第1節の円鋼
管柱体111及び角鋼管柱体121、地上1階から地上3
階に亘って延びる第2節の円鋼管柱体112及び角鋼管
柱体122、地上3階から地上6階に亘って延びる第3
節の円鋼管柱体113及び角鋼管柱体123、地上6階か
ら地上9階に亘って延びる第4節の円鋼管柱体114
び角鋼管柱体124、地上9階から地上12階に亘って
延びる第5節の円鋼管柱体115及び角鋼管柱体125
地上12階から地上15階に亘って延びる第6節の円鋼
管柱体116及び角鋼管柱体126、地上15階から地上
18階に亘って延びる第7節の円鋼管柱体117及び角
鋼管柱体127、地上18階から地上21階に亘って延
びる第8節の円鋼管柱体118及び角鋼管柱体128、及
び地上21階から地上23階に亘って延びる第9節の円
鋼管柱体119及び角鋼管柱体129をそれぞれ接合して
構成される。第1節〜第5節の円鋼管柱体111〜115
は、通常のやり方で接合される。すなわち、1階、3
階、6階及び9階の床の床上1m程度の高さ位置におい
て、仮取付片及びボルトナットにて仮接合し、下側の円
鋼管柱体111〜114の上端と上側の円鋼管柱体112
〜115の下端とを溶接により本接合し、かつ仮取付片
を溶断にて切除する。
【0009】第1節ないし第9節の角鋼管柱体121
129も、通常のやり方で接合される。すなわち、1
階、3階、6階、9階、12階、15階、18階及び2
1階の床の床上1m程度の高さ位置において、仮取付片
及びボルトナットにて仮接合し、下側の角鋼管柱体12
1〜128の上端と上側の角鋼管柱体122〜129の下端
とを溶接により本接合し、かつ仮取付片を溶断にて切除
する。第5節〜第9節の円鋼管柱体115〜119は、1
2階、15階、18階及び21階の床の設定床面FLよ
り少々下方の(床を支持する鉄骨梁13の梁取付部より
も上)の図3の上下接合線JLの位置で接合する。すな
わち、第5節〜第9節の円鋼管柱体115〜119は、設
定床面FLより少々下方の部分において、仮取付片11
c、11f及びボルトナットbnにて仮接合し、下側の
円鋼管柱体115〜118の上端と上側の円鋼管柱体11
6〜119の下端とを自動溶接機を使って本接合する。
【0010】各鋼管柱11、12には、まず大梁13を
取付け、それから、建造物の各階の4隅部以外の主な部
分では、図16に示すように、組立ヤードにおいて小梁
13Bの上側にデッキプレート14を取付けかつその下
側に配管P、ダクトD等の床下設備を取付けて梁床ブロ
ック40を組み立て、この梁床ブロック40を吊り揚げ
て対応する大梁13に取付ける。また、建造物の各階の
4隅部では、図17に示すように、組立ヤードで組み立
てた隅梁床ブロック50をクレーンで吊り揚げて鋼管柱
11、12等に取付ける。すなわち、組立ヤードにおい
て、H形断面の鉄骨からなる大梁13A及び小梁13B
1〜13B6を所定位置に配し、小梁13B1を大梁13
Aに接合し、小梁13B1に小梁13B3〜13B5を接
合し、かつ小梁13B2を大梁13Aに接合し、小梁1
3B2に小梁13B6を接合する。そして、大梁13A及
び小梁13B1〜13B6の上側にデッキプレート14を
取付け、かつデッキプレート14の下側に、配管P、ダ
クトD等の床下設備を取付け、隅梁床ブロック50を組
み立て、この隅梁床ブロック50をクレーンで吊り揚げ
て所定位置まで移動させ、隅梁床ブロック50の大梁1
3Aを鉄骨柱12及び鉄骨大梁13に接合し、その小梁
13B3〜13B6を大梁13等に接合する。鋼管柱1
1、12の本接合後に、デッキプレート14上にコンク
リートCを打設して、コンクリート床15を形成する。
9階以下の円鋼管柱11及び全ての角鋼管柱12の室空
間に露出する部分は、耐火被覆層で被覆し、耐火被覆層
仕上げにする。9階以上の円鋼管柱11の室空間に露出
する部分を塗装して塗装仕上げにする。第1節〜第9節
の円鋼管柱体111〜119は、建造物の建造後に、その
内部にその下部からコンクリートを押し込んで、無耐火
被覆充填コンクリート円鋼管柱にする。
【0011】次に、円鋼管柱体111〜119の構成を説
明する。図4及び図6に示すように、各円鋼管柱体11
1〜119の梁取付部に、一対の8角形の鋼板製の外ダイ
ヤフラム11aを上下方向に間隔をおいて水平に溶接
し、ダイヤフラム11aの8角形の一つおきの辺の部分
を接合部分11a1とする。該接合部分11a1はH形断
面の鉄骨梁13の上下のフランジ13aの端部を溶接で
きるように加工されている。対の外ダイヤフラム11a
の各接合部分11a1間にそれぞれ梁取付用ガセット1
1bが配され、これらのガセット11bを外ダイヤフラ
ム11aの対向面及び円鋼管柱体111〜119の外周面
に溶接する。各梁取付用ガセット11bは鉄骨梁13の
ウェブ13bの端部をボルトナットbnにて接合できる
ように加工されれている。図4〜図6に示すように、第
5節〜第8節の円鋼管柱体115〜118においては、そ
の上端よりの部分の外ダイヤフラム11aの上側の円鋼
管柱体の周囲に、4枚の鋼板製の1字型仮取付片11c
を90゜の角間隔をおいて放射状に配し、各仮取付片1
1cの下端縁を上側の外ダイヤフラム11aに溶接し、
各仮取付片11cの内側縁を円鋼管柱体115〜118
外周部に溶接する。4枚の鋼製の取付板11dを90゜
の角間隔をおいて、各仮取付片11c間に放射状に配
し、各取付板11dの下端縁を上側の外ダイヤフラム1
1aに溶接する。各取付板11dはボルトナットbnに
てガイドプレート16及び親綱取付棒17を取付け得る
ようにしてある。また、円鋼管柱体115〜119の上端
面より少々下方の内側には、鋼板製の細長い6本の棒状
体11e1を格子状に配し、各棒状体11e1の両端を円
鋼管柱体の内周面に溶接して、落下防止用格子11eが
形成してある。
【0012】図4及び図5に示すように、第6節〜第9
節の円鋼管柱体116〜119の下端面は、その下側の床
を支持する鉄骨梁13の梁取付部よりも少々上の設定床
面FLよりも少々下方の位置にあり、上記下端面より少
々上側の円鋼管柱体116〜119の周囲に、4個のT字
型仮取付片11fを90゜の角間隔をおいて配し、各仮
取付片11fのT字型の垂直な板状部11f1を放射状
に位置させ、この板状部11f1を仮取付時に前記仮取
付片11cと接触させ得るように、各仮取付片11fの
T字型の水平な板状部11f2を円鋼管柱体116〜11
9の下部の外周部に溶接し、各仮取付片11fのT字型
の垂直な板状部11f1と各1字型仮取付片11cとを
ボルトナットbnにて接合できるようにする。図7に示
すように、裏当金11g1は環状の厚い(例えば、16m
m)鋼板で構成され、この裏当金11g1を下側の円鋼管
柱体115〜118の上部の内側に嵌め、その上面が円鋼
管柱体115〜118の上端面と面一になるように、裏当
金11g1の下側の面を円鋼管柱体115〜118の内側
に隅肉溶接w1し、裏当金11g1の上側の外側の切欠部
を円鋼管柱体115〜118の上端の内側に溶接w2
る。裏当金11g2は環状の厚い(例えば16mm)鋼板
で構成され、この裏当金11g2を上側の円鋼管柱体1
6〜119の下部の内側に嵌め、その下端が円鋼管柱体
116〜119の下端より少々突出するように、裏当金1
1g2、の上側の面を円鋼管柱体116〜119の内側に
隅肉溶接w3し、裏当金11g2の下部の外側面を円鋼管
柱体116〜119の下端の内側の平面部分に隅肉溶接w
4する。この溶接w4した部分の傾斜を、例えば、45゜
にする。なお、各裏当金11g1、11g2及びそれらと
円鋼管柱体115〜119との溶接w1〜w4部等は、建方
時の円鋼管柱体に作用する圧縮軸力及び曲げによる圧縮
力に耐えうるように(すなわち、安全なように)設計す
る。円鋼管柱体116〜119の下端の内側の平面部分を
除く部分は所望の開先角度(例えば、35゜)になるよ
うに加工しておく。
【0013】図3に示すように、円鋼管柱体115〜1
9の梁取付部の下側の外ダイヤフラム11aの接合部
分11a1の中央の下側に、鋼製の梁下り止め片11h
をそれぞれ溶接により接合し、これらの梁下り止め片1
1hの下側にコラムステージ受け片11iをそれぞれ溶
接により接合してある。梁下り止め片11h及びコラム
ステージ受け片11iは天井仕上げ線CLの上側に位置
させてある。コラムステージ18は、着脱自在の支持体
18aを介してコラムステージ受け片11hに支持され
る。親綱を取付ける必要のある10階以上の円鋼管柱体
115〜119の部分には、親綱フック掛けバンド19を
取付ける。図9に示すように、鋼板製の細長いバンド1
9aを半円形に曲げ、その端部にボルト孔のある耳片1
9bを溶接し、半円部分の外側にフック掛け部19cを
溶接して、一つの親綱フック掛けバンド体を造り、対の
親綱フック掛けバンド体を円鋼管柱体11Aに当てて環
状にし、その各耳片19bのボルト孔にボルトbを通
し、このボルトのねじ部にナットをねじ込んで、親綱フ
ック掛けバンド19を構成する。なお、図8に示すよう
に、10階以上の建物の外側に位置する円鋼管柱体11
5〜119は、その長手方向に延びるビード部分11jを
建物の外側(サッシュ側)に向け、方立20により隠し
得るようにする。
【0014】第5節の円鋼管柱体115を、第4節の円
鋼管柱体114の上に建て、下側の円鋼管柱体114の上
部に上側の円鋼管柱体115の下部を通常のやり方で接
合する。円鋼管柱体115のコラムステージ受け片11
iに支持体18aを介して支持させたコラムステージ1
8に載って、円鋼管柱体115の各梁取付用ガセット1
1bと鉄骨梁13のウェブ13bの端部とをボルトナッ
トbnにて仮接合し、順次、鉄骨梁13のフランジ13
aと接合部分11a1との溶接による本接合をし、鉄骨
梁13の上側へデッキプレート14を敷設した状態にす
る。第5節の円鋼管柱体115の上に、図3〜図5に示
すように、その下端をガイドプレート16にて案内し
て、第6節の円鋼管柱体116を建て、下側の円鋼管柱
体115の上部の各I字型仮取付片11cと上側の円鋼
管柱体116の下部の各T字型仮取付片11fとをボル
トナットbnにて仮接合し、円鋼管柱116の各梁取付
用のガセット11bと鉄骨梁13のウェブ13bの端部
とをボルトナットbnにて仮接合し、順次、鉄骨梁13
のフランジ13aと接合部分11a1との溶接による本
接合し、鉄骨梁13の上側へデッキプレート14を敷設
した状態にする。同様なやり方にて、第7節〜第9節の
円鋼管柱体117〜119を建て、それらを仮接合し、円
鋼管柱体117〜119に鉄骨梁13を接合し、鉄骨梁1
3の上側へデッキプレート14を敷設した状態にする。
【0015】第5節の円鋼管柱体115の上部と第6節
の円鋼管柱体116の下部とを本接合するための準備作
業等を説明する。図10及び図11に示すように、足場
板22aの取付片21をそのボルト孔を鉄骨梁13の上
面に溶接した先付片13cのボルトに嵌め、ナットnに
て固着し、足場板22aを取付片21の受け部21a上
に載せて固着し、二つの床板22aの上にそれらを股い
で足場板22bを載設する。足場板22aの周囲に立設
した短管22a1に、手摺り枠22cの縦管の下端を嵌
め、円鋼管柱115の上部の外側に一段低い溶接用足場
22を形成する。図12及び図13に示すように、12
階に対応する円鋼管柱体116の上部に取付用バンド2
3をボルトナットbnにて着脱自在に取付け、バンド2
3に固着した4対の短管23aに、風防覆の4箇の上部
枠24の内側の垂直短管24aを嵌め、各上部枠24を
連結片24bを介して着脱自在に連結する。図10に示
すように、デッキプレート14及び足場板22a、22
bの上に多数本の伸縮可能な管柱25を建て、管柱25
の上端を上部枠24の外周部の管体24cに着脱自在に
連結する。各管柱25の外側(及び必要に応じて上部枠
24の上側)を防風シート26で覆い、風防覆を完成す
る。上部枠24の下側の円鋼管柱体116の周りに、平
面視が馬蹄形で断面がH形の送給用レール27を配し、
これを連結片27aを介して上部枠24に取付ける。
【0016】図3に示すように、12階に対応する円鋼
管柱体116の下部にガイドレール28を着脱可能に取
付け、このガイドレール28で自動溶接機29の移動装
置29Cを移動可能に支持する。自動溶接機29は、図
14に示すように、制御装置29Bを備えた主装置29
A、移動装置29C、送給装置29D等で構成され、主
装置29A及び制御装置29Bはキャスタを備え、溶接
作業を行う階よりも1階下の階のコンクリート床15上
に移動可能に設置されている。移動装置29Cは、制御
装置29Bを備えた主装置29Aからの制御信号によ
り、ガイドレール27に沿って所定速度で所定角度(例
えば、360゜)正転及び逆転するようにしてあり、移
動装置29Cに支持された溶接ヘッド29C1は、制御
装置29Bを備えた主装置29Aからの制御信号によ
り、上側の円鋼管柱体116の下端面と下側の円鋼管柱
体115の上端面とを溶接により接合しうるようにして
ある。図15に示すように、線状体の溶接材29D1が
巻かれたリールを回動可能に支持する送給装置29D
は、送給用レール27の下側のフランジ27bに案内車
29D2等を介して吊り下げられ、リールに巻いた線状
体の溶接材29D1をキャプタイヤチューブRFTをと
おして移動装置29Cに送給するようにしてある。ま
た、主装置29Aと送給装置29Dとがキャプタイヤケ
ーブルRFCで連結され、制御装置29Bを備えた主装
置29Aからの制御信号により、線状体の溶接材29D
1の送給量が制御できるようになっている。そして、送
給装置29Dと移動装置29Cとがキャプタイヤケーブ
ルRFCで連結され、キャプタイヤケーブルRFCが鉄
骨梁上に取付けたデッキプリート14の凹凸面に接触し
ないようにされ、移動装置29Cが円滑に回動できるよ
うになっている。
【0017】次に、円鋼管柱体116の下端面と円鋼管
柱体115の上端面とを溶接により本接合する方法を説
明する。まず、円鋼管柱体116の下端面と円鋼管柱体
115の上端面とを手溶接により仮溶接する。必要に応
じて、各T字型仮取付片11fの垂直な板状部11f1
と各1字型仮取付片11cとを連結するボルトナットb
n及び取付板11dとガイドプレート16及び親綱取付
棒17とを連結するボルトナットbnを外し、T字型仮
取付片11fの水平な板状部11f2、1字型仮取付片
11c及び取付板11dを自動溶接装置29の移動装置
29Cの回動の邪魔にならない程度の長さに切除する。
それから、移動装置29Cを円鋼管柱体116の周りに
おいて所定速度で所定回数にわたって正転及び逆転さ
せ、その溶接ヘッド29C1により、円鋼管柱体116
の下端面と円鋼管柱体115の上端面とを溶接Wにより
本接合する。溶接箇所の周囲が防風シート26で覆って
あるから、溶接ヘッド29C1から発せられる火花が風
によって乱されることがない。
【0018】自動溶接機28による本接合が完了した
後、ガイドレール28から移動装置29Cを外し、送給
用レール27から送給装置29Cを外し、ガイドレール
28、送給用レール27等を外し、防風シート26、管
柱25、上部枠24、取付バンド23等を外す。それか
ら、手摺り枠22c、足場板22b、22a、取付片2
1を外し、12階に対応する円鋼管柱116の外側に建
造物の外壁(腰壁)を取付ける。12階に対応するデッ
キプレート14上にコンクリートを打設して、設定床面
FLとなる12階のコンクリート床15を形成する。こ
の状態においては、上側及び下側の円鋼管柱体116
115の上下接合部、T字型仮取付片11fの水平な板
状部11f2の切断部分、1字型仮取付片11c及び取
付板11dの切断部分がコンクリト床15中に埋めら
れ、露出することがない。上記と同じやり方で、第6節
〜第8節の円鋼管柱体116〜118の上端面と第7節〜
第9節の円鋼管柱体117〜119の下端面とを接合す
る。第5節〜第9節の円鋼管柱体115〜119の10階
以上の各階の室空間に対応する外周面に塗装被覆を施し
て仕上げる。建造物の建造後に、塗装仕上げした部分の
ある円鋼管柱11を、その内部にその下部から押し込ん
でコンクリートを充填し、無耐火被覆充填コンクリート
鋼管柱にする。なお、実施例では、取付板11dにボル
トナットにて取付けた親綱取付棒17に親綱を取付け、
また、円鋼管柱体115〜119にボルトナットにて取付
けた親綱フック掛けバンド19のフック掛け部19cに
親綱のフックを掛けるから、塗装仕上げする円鋼管柱体
115〜119の表面に傷を付けることなく、親綱を取付
けることができる。また、実施例では、梁下り止め片1
1h及びコラムステージ受け片11iは天井仕上線CL
の上側にあり、歪なおし片13dは鉄骨梁に接合され、
コンクリート床15内に位置することになるから、切除
する必要がない。
【0019】
【発明の作用効果】この発明は、特許請求の範囲の欄に
記載した構成を備えることにより、次の(イ)ないし
(ト)の作用効果を奏する。 (イ)請求項1記載の建築法は、鉄骨柱を塗装仕上にす
る階に対応する下側の節の鉄骨柱体の上端と上側の節の
鉄骨柱体の下端との上下接合部を、設定床面より少々下
の梁接合部の上方にし、下側の節の鉄骨柱体の上部の上
下接合部より下側の部分に仮取付片を接合し、上側の節
の鉄骨柱体の下部の設定床面より下側の部分に仮取付片
を接合し、下側の節の鉄骨柱体の仮取付片と上側の節の
鉄骨柱体の仮取付片とを仮接合してから、下側の節の鉄
骨柱体の上端と上側の節の鉄骨柱体の下端とを溶接によ
り本接合し、鉄骨梁に取付けた型板の上側に形成される
床の設定床面より下方に、下側及び上側の節の鉄骨柱体
の仮取付片の鉄骨柱体への接合部を位置させるから、下
側及び上側の節の鉄骨柱体の仮取付片は、それを切除せ
ずに済ますことができ、又はその溶接作業の邪魔になる
部分を切除しても、その切断部を仕上げる必要がなく、
無耐火被覆鉄骨柱を備えた多層の建造物を施工性よく構
築できる。 (ロ)請求項2記載の建築法は、前記の上下接合部を手
溶接にて仮溶接し、鉄骨柱体を本接合するための自動溶
接装置を配置し、自動溶接装置による溶接作業の邪魔に
なる下側及び上側の節の鋼管柱体の仮取付片の部分を切
除し、自動溶接装置により下側の節の鋼管柱体の上端と
上側の節の鋼管柱体の下端とを溶接により本接合するか
ら、溶接し難い位置、すなわち、設定床面より少々下の
梁取付部の上方の位置で下側の鉄骨柱体の上端と上側の
鉄骨柱体の下端とを溶接により本接合しても、その接合
を自動溶接装置を使って自動的に行なうため、その作業
性を高めることができる。 (ハ)請求項3記載のようにすると、移動装置の移動に
連れて送給装置及びキャプタイヤケーブルが送給用レー
ルに沿って移動し、キャプタイヤケーブル等が鉄骨梁上
に取付けたデッキプレート等の金属製の型板の凹凸面に
接触することがなく、移動装置を円滑に回動させること
ができる。そのため、前記型板上にコンクリートを打設
する以前に、本接合を自動溶接装置を使って自動的に行
うことができ、工期の短縮が可能になる。
【0020】(ニ)請求項4記載のように、鉄骨柱体と
して、円鋼管柱体の鉄骨梁との接合位置に一対の外ダイ
ヤフラムを上下方向に間隔をおいて水平に設け、外ダイ
ヤフラムの外周の間隔をおいた複数の部分を鉄骨梁の接
合部分にし、対の外ダイヤフラムの各接合部分間にそれ
ぞれ配した梁接合用ガセットを外ダイヤフラムの対向面
及び円鋼管柱体の外周面に接合して構成したものを使う
と、その内部へのコンクリートの充填が容易になり、上
側の外ダイヤフラムに仮取付片を接合することもでき
る。 (ホ)請求項5記載のように、下側の節の鉄骨柱の上端
より下側の周面に角間隔をおいて複数の1字型仮取付片
を放射状に配し、各1字型仮取付片の内側縁を鉄骨柱に
接合し、各1字型仮取付片の下端縁を鉄骨柱の上側の外
ダイヤフラムに溶接し、上側の節の鉄骨柱の下端より少
々上側の周面に前記角間隔と同じ角間隔をおいて複数の
T字型仮取付片を配し、各T字型仮取付片のT字型の垂
直な板状部分を放射状に位置させ、その板状部分を1字
型仮取付片に対応させ、各T字型仮取付片のT字型の水
平な板状部分を鉄骨柱体の下部の外周部に接合し、各T
字型仮取付片のT字型の垂直な板状部分と各1字型仮取
付片とをボルトナットにて仮接合し得るようにすると、
下側及び上側の節の鉄骨柱体の仮取付片の鉄骨柱体の長
手方向の寸法を小さくしても、所望強度の仮取付片を容
易に得ることができ、下側及び上側の節の鉄骨柱体の仮
取付片をコンクリート床の設定床面より下方に容易に位
置させることができる。 (ヘ)請求項6記載のように、下側の節の鉄骨柱体の上
端の内側周面に裏当金を溶接し、上側の節の鉄骨柱体の
下端の内側周面に裏当金を溶接し、建方時に、上側の節
の鉄骨柱体の下端の裏当金の下端面を下側の節の鉄骨柱
体の上端の裏当金の上端面に当接するように配設し、各
裏当金及び各裏当金と鉄骨柱体との溶接部を建方時に鉄
骨柱体に作用する圧縮軸力及び曲げによる圧縮力に耐え
うるようにすると、各裏当金が前記の圧縮軸力及び曲げ
による圧縮力を受け、下側及び上側の節の鉄骨柱体に取
付けた仮取付片が建方時に鉄骨柱体に作用する横方向の
力のみを受ければよいから、仮取付片を簡単なもので済
ますことができる。
【0021】(ト)請求項7記載のように、建造物の建
造後に、少なくとも塗装仕上げする部分のある閉鎖型断
面の鉄骨柱体の内部にコンクリートを充填すると、高強
度及び高剛性の充填コンクリート閉鎖型断面鉄骨柱を容
易に得ることができる。 (チ)請求項8記載の多層の建造物用の鉄骨柱体は、鉄
骨柱体の上部の内部に落下防止用格子を設けたから、作
業者が建方時に誤って鉄骨柱体内に落下するのを防止で
き、鉄骨柱体内にコンクリートを充填することの妨げに
もならない。 (リ)請求項9記載の鉄骨柱体は、コラムステージ受け
片が鉄骨柱体の梁取付部よりも下方で天井仕上線よりも
上方の鉄骨柱体の部分に先付けしたから、コラムステー
ジ受け片を切除することなく、鉄骨柱を塗装仕上げする
ことができる。 (ヌ)請求項10記載の親綱フック掛けバンドは、細長
いバンドに親綱のフックを掛けうるフック掛け部を少な
くもとも一つ設け、細長いバンドを鉄骨柱体に取外可能
に取付けうるようにしたから、親綱を取付ける必要のあ
る鉄骨柱体の部分に親綱フック掛けバンドを取付けるこ
とにより、従来技術のようにフック掛け部を鉄骨柱体に
溶接しなくても、容易にフック掛け部を設けることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の建造物の前側の面の鋼管柱と鉄骨梁と
を示す正面図
【図2】実施例の建造物の21階の鋼管柱、鉄骨梁等の
配置を示す平面図
【図3】実施例の建造物の12階の円鋼管柱の接合部等
を示す正面図
【図4】図3の一部を拡大した正面図
【図5】実施例の下側の節の円鋼管柱体の上部及び上側
の外ダイヤフラムに溶接した取付板にガドプレート及び
親綱取付棒を取付けた状態の要部の正面図
【図6】図4に示すものをその設定床面で横断した平面
【図7】実施例の下側の円鋼管柱体と上側の円鋼管柱体
との接合部を縦断した正面図
【図8】実施例の円鋼管柱体のビード部分と建造物の方
立との関係を示す平面図
【図9】実施例の円鋼管柱体に装着する親綱フック掛け
バンドの平面図
【図10】実施例の接合作業を行う箇所の周囲の溶接用
足場、防風覆い等を示す側面図
【図11】図10に示す溶接用足場の平面図
【図12】図10に示す防風覆いの上部枠の平面図
【図13】図12の上部枠、支柱及び円鋼管柱体の関係
を示す側面図
【図14】実施例の自動溶接装置の配置等を建物躯体を
縦断して示す側面図
【図15】実施例の送給用レールと溶接材の送給装置と
の関係等を示す概略的な側面図
【図16】小梁にデッキプレート等を取付けた梁床ブロ
ックの吊り揚げ状態の斜視図
【図17】大梁及び小梁にデッキプレート等を取付けた
隅梁床ブロックの吊り揚げ状態の斜視図
【符号の説明】
10 多層の建造物 11 円鋼管柱 111〜119 第1節〜第9節の円鋼管柱体 11a 外ダイヤフラム 11a1 接合部分 11b ガセット 11c 1字型仮取付片 11d 取付板 11e 落下防止用格子 11f T字型仮取付片 11f1 垂直な板状部 11f2 水平な板状部 11g1、11g2 裏当金 11h 梁下り止め片 11i コラムステージ受け片 11j 円鋼管柱体のビード部分 12 角鋼管柱体 121〜129 第1節〜第9節の角鋼管柱体 13 鉄骨梁 13a フランジ 13b ウェブ 13c 先付片 13d 歪なおし片 13A 大梁 13B、13B1〜13B6 小梁 14 デッキプレート 15 コンクリート床 16 ガイドプレート 17 親綱取付棒 18 コラムステージ 18a 支持体 19 親綱フック掛けバンド 19a バンド 19c フック掛け部 20 方立 21 取付片 22 溶接用足場 22a、22b 足場板 22a1 短管 22c 手摺り枠 23 取付バンド 23a 短管 24 上部枠 24a 垂直短管 25 管柱 26 防風シート 27 送給用レール 28 ガイドレール 29 自動溶接機 29A 主装置 29B 制御装置 29C 移動装置 29C1 溶接ヘッド 29D 送給装置 40 梁床ブロック 50 隅梁床ブロック bn ボルトナット CL 天井仕上線 FL 設定床面 JL 上下接合線 RFC キャプタイヤケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日坂 次男 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】閉鎖型断面の鉄骨からなる複数の節の鉄骨
    柱体を互いに接合して鉄骨柱を構築し、各節の鉄骨柱体
    の梁接合部にそれぞれ鉄骨梁を接合し、各鉄骨梁の上側
    に金属製の型板を取付け、該型板の上側にコンクリート
    床等を形成する多層の建造物の構築法において、鉄骨柱
    を塗装仕上にする階に対応する下側の節の鉄骨柱体の上
    端と上側の節の鉄骨柱体の下端との上下接合部を、設定
    床面より少々下の梁接合部の上方にし、下側の節の鉄骨
    柱体の上部の上下接合部より下側の部分に仮取付片を接
    合し、上側の節の鉄骨柱体の下部の設定床面より下側の
    部分に仮取付片を接合し、下側の節の鉄骨柱体の仮取付
    片と上側の節の鉄骨柱体の仮取付片とを仮接合してか
    ら、下側の節の鉄骨柱体の上端と上側の節の鉄骨柱体の
    下端とを溶接により本接合し、前記型板の上側に形成さ
    れる床の設定床面より下方に、下側及び上側の節の鉄骨
    柱体の仮取付片の鉄骨柱体への接合部を位置させること
    を特徴とする多層の建造物の構築法。
  2. 【請求項2】下側の節の閉鎖型断面の鉄骨柱体の上部と
    上側の節の閉鎖型断面の鉄骨柱体の下部とを仮接合して
    から、それらの鉄骨柱体の梁接合部にそれぞれ鉄骨梁を
    接合し、各鉄骨梁の上側に金属製の型板を取付けてか
    ら、下側の節の鋼管柱体の上端と上側の節の鋼管柱体の
    下端とを溶接により本接合する多層の建造物の建築法に
    おいて、下側の節の鉄骨柱体の上端と上側の節の鉄骨柱
    体の下端との上下接合部を、設定床面より少々下の梁取
    付部の上方にし、下側の節の鉄骨柱体の上端より下側の
    部分に仮取付片を接合し、上側の節の鉄骨柱体の下部の
    設定床面より下側の部分に仮取付片を接合し、下側の節
    の鉄骨柱体の仮取付片と上側の節の鉄骨柱体の仮取付片
    とをボルトナットにて仮接合し、鉄骨柱体の梁接合部に
    接合した鉄骨梁の上側に金属製の型板を取付け、前記上
    下接合部を手溶接にて仮溶接し、かつ鉄骨柱体を本接合
    するための自動溶接装置を配置し、自動溶接装置による
    溶接作業の邪魔になる下側及び上側の節の鋼管柱体の仮
    取付片の部分を切除し、前記自動溶接装置により下側の
    節の鋼管柱体の上端と上側の節の鋼管柱体の下端とを溶
    接により本接合してから、自動溶接装置を撤去し、本接
    合部の周囲にコンクリートの打設等により形成される床
    の設定床面より下方に、下側及び上側の節の鋼管柱体の
    仮取付片の切断部を位置させることを特徴とする多層の
    建造物の構築法。
  3. 【請求項3】本接合するための自動溶接機を、制御装置
    を備えた主装置、移動装置、送給装置等で構成し、本接
    合すべき部分の上側の鉄骨柱体の周囲にガイドレールを
    取外可能に設け、該ガイドレールの上方の鉄骨柱体の周
    りに送給用レールを取外可能に設け、自動溶接装置の移
    動装置をガイドレールに移動できるように取付け、送給
    装置を送給用レールに移動できるように取付け、主装置
    と送給装置とをキャプタイヤケーブルで連結し、送給装
    置と移動装置とをキャプタイヤケーブルで連結し、かつ
    線状体の溶接材を送給装置から移動装置に送給できるよ
    うにし、移動装置をガイドレールに沿って鉄骨柱体の回
    りを正転及び逆転させて下側の節の鋼管柱体の上端と上
    側の節の鋼管柱体の下端とを溶接により本接合してか
    ら、前記の移動装置、送給装置、ガイドレール、送給用
    レール等を撤去することを特徴とする請求項2記載の多
    層の建造物の構築法。
  4. 【請求項4】鉄骨柱体として、円鋼管柱体の鉄骨梁との
    接合位置に一対の外ダイヤフラムを上下方向に間隔をお
    いて水平に設け、外ダイヤフラムの外周の間隔をおいた
    複数の部分を鉄骨梁の接合部にし、対の外ダイヤフラム
    の各接合部間にそれぞれ配した梁接合用ガセットを外ダ
    イヤフラムの対向面及び円鋼管柱体の外周面に接合して
    構成したものを使うことを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の多層の建造物の構築法。
  5. 【請求項5】下側の節の鉄骨柱体の上端より下側の周面
    に角間隔をおいて複数の1字型仮取付片を放射状に配
    し、各1字型仮取付片の内側縁を鉄骨柱体に接合し、各
    1字型仮取付片の下端縁を鉄骨柱体の上側の外ダイヤフ
    ラムに溶接し、上側の節の鉄骨柱体の下端より少々上側
    の周面に前記角間隔と同じ角間隔をおいて複数のT字型
    仮取付片を配し、各T字型仮取付片のT字型の垂直な板
    状部分を放射状に位置させ、その板状部分を1字型仮取
    付片に対応させ、各T字型仮取付片のT字型の水平な板
    状部分を鉄骨柱体の下部の外周部に接合し、T字型仮取
    付片のT字型の垂直な板状部分と各1字型仮取付片とを
    ボルトナットにて仮接合し得るようにしたことを特徴と
    する請求項1、2、3又は4記載の多層の建造物の構築
    法。
  6. 【請求項6】下側の節の鉄骨柱体の上端の内側周面に裏
    当金を溶接し、上側の節の鉄骨柱体の下端の内側周面に
    裏当金を溶接し、建方時に、上側の節の鉄骨柱体の下端
    の裏当金の下端面を下側の節の鉄骨柱体の上端の裏当金
    の上端面に当接するように配設し、各裏当金及び各裏当
    金と鉄骨柱体との溶接部を建方時に鉄骨柱体に作用する
    圧縮軸力及び曲げによる圧縮力に耐えうるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の多層
    の建造物の構築法。
  7. 【請求項7】建造物の建造後に、少なくとも塗装仕上げ
    する部分のある閉鎖型断面の鉄骨柱の内部にコンクリー
    トを充填することを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5又は6記載の多層の建造物の構築法。
  8. 【請求項8】下側の節の鉄骨柱体の上端と上側の節の鉄
    骨柱体の下端とを設定床面より少々下の梁取付部の上方
    で接合する閉鎖型断面の下側の節の鉄骨柱体において、
    鉄骨柱体の上部の内部に落下防止用格子を設けたことを
    特徴とする多層の建造物に使う鉄骨柱体。
  9. 【請求項9】下側の節の鉄骨柱体の上端と上側の節の鉄
    骨柱体の下端とを設定床面より少々下の梁取付部の上方
    で接合する閉鎖型断面の上側の節の鉄骨柱体において、
    コラムステージ受け片が鉄骨柱体の梁取付部よりも下方
    で天井仕上線よりも上方の鉄骨柱体の部分に先付けされ
    ていることを特徴とする多層の建造物に使う鉄骨柱体。
  10. 【請求項10】下側の節の鉄骨柱体の上端と上側の節の
    鉄骨柱体の下端とを設定床面より少々下の梁取付部の上
    方で接合する閉鎖型断面の上側の節の鉄骨柱体に取付け
    る親綱フック掛けバンドであって、細長いバンドに親綱
    のフックを掛けうるフック掛け部が少なくもとも一つ設
    けられ、細長いバンドが鉄骨柱体に取外可能に取付けう
    るようになっていることを特徴とする親綱フック掛けバ
    ンド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109487790A (zh) * 2018-12-24 2019-03-19 中水电第十工程局(郑州)有限公司 一种适用于高海拔大温差地区的混凝土保温方法
JP2022122470A (ja) * 2021-02-10 2022-08-23 株式会社北二 建築方法および建築部品

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