JPH0892768A - プラズマエッチング方法 - Google Patents

プラズマエッチング方法

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JPH0892768A
JPH0892768A JP22921694A JP22921694A JPH0892768A JP H0892768 A JPH0892768 A JP H0892768A JP 22921694 A JP22921694 A JP 22921694A JP 22921694 A JP22921694 A JP 22921694A JP H0892768 A JPH0892768 A JP H0892768A
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JP
Japan
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gas
etching
plasma
ratio
sio
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JP22921694A
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English (en)
Inventor
Kazuatsu Tago
一農 田子
Hideyuki Kazumi
秀之 数見
Ryoji Hamazaki
良二 濱崎
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】SiO2 エッチレートを低下させることなく、
広い制御幅で選択比を向上することができるエッチング
方法を提供することにある。 【構成】エッチングガス21にはCnm(n=1〜6,
m=4〜14)で表されるガスとNeとが含まれる。プ
ラズマ生成室3aにはマイクロ波が導入されるとともに
磁場が加えられ、エッチングガス21は電子サイクロト
ロン共鳴によりプラズマ化されて解離しプラズマ4と中
性解離種とが生成する。中性解離種はフルオロカーボン
膜としてSiO2 酸化膜上に付着し、イオン性解離種が
衝突することによってSiO2 膜表面が所定形状にエッ
チングされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマを利用して被
処理物をエッチング処理するプラズマエッチング方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】IC,LSI等の半導体装置は、表面に
SiO2 酸化膜を形成したSi基板とその基板の上に設
けられた半導体要素(ダイオード等)からなる半導体チ
ップをリードフレームの上面に搭載し、半導体チップの
端子とリードフレームのリードとの間を金属細線で接続
して構成されている。
【0003】この基板の形成にあたってはSiO2 酸化
膜をエッチングにより所定の形状に形成するが、このエ
ッチングプロセスにおいては、微細パターン形成を目的
としプラズマエッチングが行われている。
【0004】このプラズマエッチングにおいては、例え
ば処理室内にエッチングガスとしてCnm(n=1〜
6,m=4〜14)で表されるガス(以下、適宜Cnm
系ガスと略す)を導入し、電極に高電圧を印加して放電
させプラズマを生成すると共に、プラズマ中の電子との
衝突によってこのCnm系ガス分子を解離させる。この
とき原則として中性解離とイオン性解離とが生じ、中性
解離種である付着性のラジカル・分子がフルオロ膜とし
てSiO2 酸化膜上に付着するとともに、イオン性解離
によって生じたイオンがこのフルオロ膜に衝突すること
により付着した中性解離種とSiO2 とが気化し、Si
2 酸化膜を所定の形状に刻むことができる。
【0005】かかるプラズマエッチング装置には電磁波
の導入方法とプラズマの生成方法の違いにより方式の違
う装置が存在し、処理室内圧力の大きさが異なる。EC
Rマイクロ波,ICP,ヘリコン,マグネトロン,RF
の各プラズマ装置では、それぞれの処理室内圧力のおよ
その範囲は、1〜10mTorr,2〜10mTorr,10〜
100mTorr,10〜100mTorr,100〜1000
mTorrである。RFのような高圧力の装置では、主ガス
としてArを使用する。Arの励起,電離には高エネル
ギーの電子が消費されるため、導入ガス分子の解離には
低エネルギーの電子が使われる。導入ガス分子として
は、CF4 ,CHF3 が用いられる。また、マグネトロ
ンにおいても、Arを混合する場合がある。
【0006】ここ近年、高集積化の進展により、64M
DRAM以降の半導体装置におけるSiO2 酸化膜のエ
ッチングでは、アスペクト比(深さ/底辺長さ)の高い
溝又は穴を掘る技術が求められている。アスペクト比を
高くするには、エッチレート・アスペクト比の場所によ
る差異や保護膜の薄膜化をカバーするために、選択比で
ある(SiO2 のエッチレート)/(SiO2 以外のエッ
チレート)の向上が不可欠になる。
【0007】半導体チップのSi基板上のSiO2 酸化
膜のエッチングは、SiO2 酸化膜の上にレジストによ
るパターンを形成し、これをマスクとしてSiO2 酸化
膜のみを所定形状にエッチングする。したがって、選択
比の向上のためには、SiO2エッチレートと、Siエッ
チレート・レジストエッチレートとの比を大きくしなけ
ればならない。
【0008】また近年、エッチングにより極細の穴を得
ようとする場所の両側におけるSiとSiO2 酸化膜と
の中間に予めpolySiの電極を埋め込み、この後でエッ
チングを行う手法が行われており、この場合、そのpoly
Si電極の外側をSi34で覆う構造となるので、選択
比の向上を考える場合にはSi34エッチレートも考慮
に入れる必要がある。
【0009】以上から、向上すべき選択比は、(SiO
2 エッチレート)/((Siエッチレート)or(レジスト
エッチレート)or(Si34エッチレート))となる。
【0010】一方、プラズマエッチングは、イオンの衝
突エネルギーを利用して行われるので、イオンエネルギ
ーの供給よりもガス付着速度が大きいか、付着膜のスパ
ッタ抵抗が大きくてエッチングに利用できるエネルギー
が不足するか、1分子当たりのエッチングに要するエネ
ルギーが大きくエッチングに供給されるエネルギーが不
足する場合には、エッチングは進行せず、付着膜の堆積
とそのスパッタリングとイオンエネルギーの熱化のみが
生じることになる。
【0011】例えば、SiO2 エッチングの場合では、
付着膜のスパッタ抵抗や1分子当たりのエッチングに要
するエネルギーは付着膜組成によって決まり、組成のC
の割合が多い(高C/F比)ほどスパッタ抵抗が大き
く、SiやSi34の1分子当たりのエッチングに要す
るエネルギーが増加する。このとき、SiO2 に対して
は適度な付着速度で、付着膜組成が適切でスパッタ抵抗
・1分子エッチングエネルギーが十分であり、Si・レ
ジスト・Si34に対しては付着速度が大きいか、スパ
ッタ抵抗や1分子エッチングエネルギーが大きくなれ
ば、SiO2 エッチレートが大きく、Siエッチレー
ト,レジストエッチレート若しくはSi34エッチレー
トが小さくなる。
【0012】また、エッチングにより1分子気化するの
に要するエネルギーに差がある場合、エッチング気化エ
ネルギーの大きい物質の上では気化により消費される付
着膜の量が減少するので、エッチング気化エネルギーの
小さい物質の上より厚い付着膜が生じる。付着膜厚の増
加はスパッタリングと熱化に使用するエネルギーを増加
させることになり、エッチング気化エネルギーの大きい
物質のエッチングに利用できるイオンエネルギーはさら
に減少するので、エッチング気化させるのに必要なエネ
ルギーの差が大きな選択比の差を生むことになる。
【0013】フッ化炭素系ガスでエッチングする場合、
化学量論的にSiO2 ・Si・Si34のエッチングに
必要なフロロカーボン付着膜の組成を見積もると、次式
のようになる。
【0014】 SiO2 +2C+4F → SiF4+2CO …(化1) Si+4F → SiF4 …(化2) Si34+4C+12F → 3SiF4+4CN …(化3) 化1と化2からSiO2 とSiに適する組成には大きな
開きがあり、Cの存在によりSiのエッチングに要する
エネルギーがSiO2 より大きくなり、選択比を得やす
いことが判る。一方、SiO2 とSi34では、組成比
が、それぞれ、1/2と1/3になり、差が小さいため
に選択比を得ることが容易でないことが判る。Si34
に対する選択比を得るには、Si34エッチングに使用
されるエネルギーができるだけ小さくなるように流入イ
オンエネルギーに対するガス付着速度と付着膜組成を設
定しなければならい。
【0015】以上から、SiO2 エッチングの場合に特
に向上すべき選択比は、(SiO2エッチレート)/(S
34エッチレート)となる。
【0016】このような選択比の向上に関する公知技術
として、例えば、導入ガスへのCOの添加(TECHNICAL
PROCEEDINGS SEMICON/JAPAN 1993, pp.405−411)があ
る。この公知技術は、エッチングガスにCOを添加する
ことにより、付着膜の高C/F比化を生じさせて、付着
膜のスパッタリング抵抗を大きくし、1分子エッチング
エネルギーの大きいSiに供給するエネルギーを削減し
て、Si基板上のSiO2 酸化膜を選択的にエッチング
し、Siに対する選択比を向上させるものである。ま
た、CO添加により1分子エッチングエネルギーの差が
拡大されて選択比が向上する。
【0017】別の選択比の向上に関する公知技術とし
て、例えば、加熱シリコン板によるFラジカルの除去
(TECHNICAL PROCEEDINGS SEMICON/JAPAN 1993, pp.42
1−427)がある。
【0018】この公知技術は、エッチングガスの解離種
からFラジカルを部分的に除去することにより、付着膜
組成を高C/F比化し、SiO2 酸化膜と他のシリコン
や窒化シリコンとの1分子当たりのエッチングエネルギ
ーの差を拡大してプラズマエッチングすることにより、
Si基板上のSiO2 酸化膜を選択的にエッチングし、
選択比を向上させるものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術においては以下の問題点が存在する。
【0020】一般に、SiO2 酸化膜のエッチング装置
においては、付着膜組成を高C/F比化しようとする
と、処理室内の気相組成に高C/F比解離種を増加させ
ることになり、高C/F比解離種の付着率が高いため、
付着速度も増加する傾向がある。一方、プラズマ密度は
あまり変化せず、Si34とSiO2 のエッチングに適
する付着膜組成が近いため、SiO2 のエッチングに利
用できるエネルギーの減少も急激に起こりやすく、Si
34に対する選択比の得られる制御幅が狭い。そのた
め、穴内部の肩部のような選択比の得にくい部分では、
良い制御条件を得るのが難しい。
【0021】本発明の目的は、広い制御幅で選択比を向
上することができるプラズマエッチング方法を提供する
ことにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の手段では、処理室内に導入されたガスに変動
する電磁界を加えてプラズマを発生させ、処理室内に設
置された試料をエッチングするプラズマエッチング方法
において、前記ガスとして、フッ化炭素系ガス(C
nm:n=1〜6,m=4〜14)のうち少なくとも一
つと、Neとの混合ガスを用いる。
【0023】また、第2の手段では、処理室内に導入さ
れたガスに変動する電磁界を加えてプラズマを発生さ
せ、処理室内に設置された試料をエッチングするプラズ
マエッチング方法において、前記ガスとして、フッ化炭
素系ガス(Cnm:n=1〜6,m=4〜14)のうち
少なくとも一つと、Neと、COとの混合ガスを用い
る。
【0024】さらに、第3の手段では、処理室内に導入
されたガスに変動する電磁界を加えてプラズマを発生さ
せ、処理室内に設置された試料をエッチングするプラズ
マエッチング方法において、前記ガスとして、フッ化炭
素系ガス(Cnm:n=1〜6,m=4〜14)のうち
少なくとも一つと、Heと、COとの混合ガスを用い
る。
【0025】
【作用】上記第1の手段においては、フッ化炭素系ガス
の付着膜の高C/F比化と付着速度の増加に対して、N
eを添加することによりフッ化炭素系ガスの分圧を低減
して付着速度を抑えるとともに、Neからイオンを発生
させることにより、イオンエネルギー流入と解離種付着
の制御幅を拡大する。Neはイオン化のしきいエネルギ
ーが16.6eV であり、フッ化炭素系ガスのイオン化
のしきいエネルギー(14〜16eV)に近いため、プ
ラズマとして混合しやすい。これによりSiO2 のエッ
チング可能な範囲を高C/F比側に拡大してSi34
ら1分子エッチングするに必要なエネルギーをより増加
させ、付着膜厚の増加とスパッタ抵抗増加によりSi3
4エッチングに利用されるエネルギーを小さくするこ
とにより、Si34エッチレートを小さくできるエッチ
ングを実現することができる。
【0026】また第2の手段では、COの添加はより高
C/F比の付着膜を得やすくし、さらにNeの添加によ
り膜付着速度とイオンエネルギー流入の制御幅を拡大す
ることにより、より高C/F比側でのエッチングを可能
として、Si34選択比の高いエッチングを実現するこ
とができる。
【0027】さらに第3の手段では、Heはイオン化の
しきいエネルギーが19.8eV であり、Neの16.
6eV より大きいために、多量添加でプラズマ密度を
得ることにより、膜付着速度とイオンエネルギー流入の
制御幅拡大を実現することができる。
【0028】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1及び図2により
説明する。本実施例によるエッチング方法を実施するエ
ッチング装置を図2に示す。図2において、エッチング
装置100は処理室3を有し、処理室3内部には上部に
SiO2 酸化膜(図示せず)が形成されたSi基板9が配
置され、ガス導入系5を介しエッチングガス21が処理
室3に導かれてプラズマ4が生成される。
【0029】エッチングガス21には、一つ以上のガス
貯蔵容器からの管(図示しない)から合流させたCnm
(n=1〜6,m=4〜14)で表されるフッ化炭素系
ガスと、Neガスとが含まれている。処理室3には、マ
イクロ波導波管1を通して2.45GHzのマイクロ波が
導入され、処理室3の外側に設置した磁石2により1kG
auss程度の磁場が加えられる。これにより、処理室3に
導かれたエッチングガス21には変動する電磁界が加え
られることとなり、エッチングガス21は磁束密度が8
75Gauss に等しいECR位置6において電子サイクロ
トロン共鳴によりプラズマ化されて解離し、希ガスイオ
ン,イオン性解離種及び電子からなるプラズマ4と中性
解離種とが生成する。
【0030】この生成された中性解離種・希ガスイオン
・イオン性解離種は処理室3内をSi基板9方向に輸送
される。そして中性解離種がフルオロ膜としてSi基板
9のSiO2 酸化膜上に付着するとともに、その付着し
た中性解離種に希ガスイオンまたはイオン性解離種が衝
突することによってSiO2 膜表面が所定の形状にエッ
チングされる。このとき、Si基板9を支持するウェハ
支持台10は高周波電源11に接続されており、Si基
板9には高周波が印加されて自己バイアスが生成され、
これによって希ガスイオン及びイオン性解離種のイオン
エネルギーを制御することができる。自己バイアスによ
るイオンエネルギー制御は、エッチレートのウェハ面内
均一性やダメージ低減のためにも使用する。
【0031】以上のように、本実施例は、エッチングガ
ス21をプラズマ化して行うプラズマエッチング方法に
係わるものであるが、その要部は、エッチングガス21
の構成成分にある。すなわち、本実施例は、エッチング
ガス21の成分を適宜選定することによりエッチングに
おける選択比の向上を達成するものである。
【0032】以下、このエッチングガス21の成分の選
定について図1を用いて説明する。前述したように、S
i基板9上のSiO2 酸化膜のエッチングは、SiO2
酸化膜のみを所定形状にエッチングする。したがって、
選択比の向上のためには、SiO2 エッチレートと、S
iエッチレートとの比を大きくしなければならない。ま
た、エッチングにより極細の溝を得ようとする場所の両
側におけるSiとSiO2 酸化膜との中間に予めpolyS
iの電極を埋め込み、この後でエッチングを行うことに
より高いアスペクト比を得る手法を用いる場合、polyS
i電極の外側をSi34で覆う構造となるので、選択比
の向上のためにはSi34エッチレートも考慮に入れる
必要がある。
【0033】また、前述したように、Siと違って、S
34が気化する際に消費するSi基板9上のフロロカ
ーボン膜組成はSiO2 の消費する組成に近く、Si3
4に対する選択比が得られにくい。フロロカーボン膜
組成を高C/F比化しようとすると、付着速度が増加し
てイオン密度は比較的変化しないため、Si34に対す
る大きな選択比が得られる制御幅が狭い。このため、広
い制御幅でのSi34に対する選択比の向上を第一に考
えなければならない。
【0034】よって、広い制御幅での向上すべき選択比
は(SiO2 エッチレート)/(Si34 エッチレー
ト)となる。選択比を大きくするにはSi基板9上のフ
ロロカーボン付着膜組成を高C/F比化し、制御幅を拡
大するにはSiO2 をエッチングできるようにSi基板
9へのイオンエネルギー入射の制御幅を増加させれば良
い。
【0035】Si基板9上に高C/F比付着膜を得るた
めには、処理室3内のCを含む解離種が高C/F比化さ
れれば良く、Cを含む解離種を高C/F比化する方法と
しては、処理室3内1粒子当たりのプラズマ生成用変動
電磁界のパワーを増加しての解離の促進がある。Si基
板9へのイオンエネルギー入射の制御幅を拡大する方法
には、イオンと電子のみ発生する不活性ガスNeの添加
がある。
【0036】以下、高C/F比付着膜を得るための処理
室内1粒子当たりのプラズマ解離パワーの増加、及び、
イオンエネルギー入射制御幅の拡大のためのイオンと電
子のみを発生する不活性ガスNeの添加について、順次
説明する。
【0037】まず、処理室3内1粒子当たりのプラズマ
解離パワーの増加方法について説明する。増加方法とし
て次の手段を採ることができる。一つは、プラズマ生成
のための変動電磁場のパワーを増加すること、一つは、
単位時間当たりのガス21の流入量を下げて処理室3内
の滞在時間を増加させて1粒子当たりの変動電磁場のパ
ワーを増加することである。
【0038】変動電磁場のパワーを増加すると、ガス2
1に含まれるフッ化炭素系ガスの中性解離のしきいエネ
ルギーがイオン性解離のしきいエネルギーより小さいた
めに、中性解離が主に進行してCを含む解離種の高C/
F比化が進行し、Si基板9への付着膜が高C/F比化
する。また、ガス21の流量を下げると、滞在時間の増
加により導入ガス21の電子と衝突する回数が増加する
ので、Cを含む解離種の高C/F比化が進行し、Si基
板9への付着膜が高C/F比化する。この場合、プラズ
マについては処理室3の壁での消滅が密度を決めるの
で、プラズマ密度は変化させにくい。
【0039】また、ECR装置100のような波の発生
と減衰を利用した比較的低圧力で使用する装置では、粒
子密度を下げて即ち圧力を下げて1粒子当たりの変動電
磁場のパワーを増加する手段が採れる。圧力を下げる
と、粒子と粒子の衝突までの時間が増加しその間に電子
がより加速されるので、電子温度が高くなり解離が進行
してCを含む解離種の高C/F比化が進行し、Si基板
9への付着膜が高C/F比化する。また、それとともに
イオン密度も増加する。Cを含む解離種の高C/F比化
の進行は、付着膜の高C/F比化のみでなく、高C/F
比解離種の付着率が高いためにSi基板9への付着速度
の増加も生じる。
【0040】次に、イオンと電子のみ発生する不活性ガ
スNeのエッチングガス21への添加について図1によ
り説明する。
【0041】Neの電離のしきいエネルギーは16.6
eV であり、2電子励起による電離であるため断面積
が大きく、同程度のしきいエネルギーを持つフッ化炭素
系のガスより少し低いプラズマ密度を与える。Neの場
合は、ガス21に含まれるフッ化炭素系ガス(イオン性
解離のしきいエネルギー14〜16eV)としきいエネ
ルギーが近いため、添加によって解離種に対してイオン
量が増加しやすく、制御幅の拡大が大きい。
【0042】図1は、C48に対するNeの混合比を
5:0,5:10,5:70と増加させたときの解離種
量とイオン量の比を計算して示したものである。Neを
添加することによって、少なくとも1mTorr から20
mTorr の領域で中性解離種量の比率が下がり、イオン
量が増加している。このことから、エッチングガス21
へのNe添加により解離種量とイオン量を制御でき、S
i基板9上の高C/F比付着膜のSiO2 エッチングが
可能となる。
【0043】ここで、図1の計算では、Neの電離断面
積には実測値を使用し、C48の中性及びイオン性解離
には、Phys.Rev.B45(1992)p11299〜;Phys.Rev.A43(19
91)p5810〜;Int.J.Supercomp.Appl.2(1988)p58〜に
示された分子軌道計算による反結合軌道から解離形と解
離のしきいエネルギー及び断面積を評価して計算した。
図1の計算は、1994 DRY PROCESS SYMPOSIUM Session V
I−2 ANALYSIS ON PLASMA CHEMICAL REACTIONS IN DR
Y ETCHING OF SILICON DIOXIDE Fig.6 に示されるよう
に、プラズマ密度を精度良く評価できるので、Ne添加
効果を十分予測できる。
【0044】本実施例の変形例を図2を用いて説明す
る。本実施例では、エッチングガス21へ添加するイオ
ンと電子のみ発生する不活性ガスをNeとしているが、
以下の説明で示すような他の不活性ガスを使用しても良
い。
【0045】イオンと電子のみ発生する不活性ガスはH
e,Ne,Ar,Kr,Xeがあるが、それぞれの電離
のしきいエネルギーは19.8eV,16.6eV,1
1.6eV,9.9eV,8.3eVであり、2電子励起
による電離であるため断面積が大きく、同じしきいエネ
ルギーを持つフッ化炭素系のガスに近いプラズマ密度を
与える。このため、Ar以上の重い不活性元素ガスを添
加すると、プラズマ密度が約10倍以上に急増するのみ
でなく、電子温度が低下してフッ化炭素系ガスの解離進
行が抑制される。したがって、RF平行平板装置のよう
な高圧力で使用するプラズマ密度の特に小さい装置では
有効となるが、低圧力で高密度プラズマの生成可能な装
置では、0.5sccm 単位(standard cc/minute:標準
温度(0℃),標準圧力(760Torr)の1ccに相当する
ガス粒子数が毎分流れていることを示す単位)以下の低
流量供給制御の必要が生ずる。
【0046】一方、Neは、前述したように、プラズマ
密度がエッチングガス21に使用するフッ化炭素系のガ
スよりやや低いために、イオン量/中性解離種量として
は、ECR装置100のような低圧力の装置では、従来
の約2倍までの制御幅が得られる。この制御幅を拡大す
る方法としては、低流量供給制御装置(図示しない)を
用いてAr以上の重い不活性元素ガスを使用する。ま
た、好ましくは、低流量供給制御装置を用いてAr以上
の重い不活性元素ガスの1種類以上をNeに少量混合し
て使用する。さらに、好ましくは、予め、一つの貯蔵容
器(図示しない)内にAr以上の重い不活性元素ガスの
1種類以上をNeに少量混合して用意する。これによ
り、イオン量/中性解離種量の制御幅が拡大でき、従来
より、高C/F比のSi基板9への付着膜でSiO2
エッチングでき、Si34に対して高選択比が得られる
制御範囲を拡大できる。
【0047】また、Heをガス21に添加した場合は、
しきいエネルギーが高いためにガス21に含まれるフッ
化炭素系ガスの解離・電離に電子エネルギーが使われ、
添加したHeの電離に利用できる電子が不足するため、
多量に添加して初めて解離種に対するイオン量増加の効
果が現われる。真空ポンプの排気能力を大きくしないな
らば、He流量増加によってフッ化炭素系ガスの滞在時
間が削減されて解離が抑制される。逆に、He添加によ
りプラズマ温度は高くなるため解離が促進される。この
ように、He添加によりある程度解離種量に対するイオ
ン量の制御が可能となる。
【0048】さらに、上記実施例においては、ECR位
置で電子サイクロトロン共鳴によってプラズマ化を行う
エッチング装置100を用いたが、これに限られるもの
ではなく、他の方式のエッチング装置を用いても良い。
【0049】他の方式のエッチング装置を用いる変形例
を図3により説明する。第1の実施例と同じの部材には
同一の番号を付す。図3において、エッチング装置30
0は、上部にSiO2 酸化膜(図示せず)が形成された
Si基板9が内部に配置される真空容器17bと、ガス
導入系5を介しエッチングガス21が導かれる石英製の
円筒17aとを備えた処理室17を有する。
【0050】処理室17の円筒17aにはアンテナ16
が設けられており、アンテナ16には高周波電源24に
よって高周波が印加されて円筒17a内に電磁波が導入
される。また円筒17a及び真空容器17bの外側には
2重のコイル18が設置されており、これらのコイル1
8が軸方向の磁界を発生させる。円筒17aから真空容
器17bに導かれたエッチングガス21は、この電磁波
と軸方向磁界とによって変動する電磁界が加えられるこ
とによりプラズマ化されて解離・電離し、イオン性解離
種及び電子からなるプラズマ25と中性解離種とが生成
する。そして第1の実施例同様、Si基板9のSiO2
酸化膜上に付着した中性解離種にイオン性解離種が衝突
しSiO2 膜表面が所定の形状にエッチングされる。こ
のとき、第1の実施例同様、Si基板9を支持するウェ
ハ支持台10は高周波電源11に接続されており、Si
基板9には高周波が印加されて自己バイアスが生成さ
れ、これによってイオン性解離種のイオンエネルギーを
制御することができる。
【0051】本変形例によるエッチング装置300を用
いた場合も、第1の実施例と同様の効果を得る。
【0052】本発明の第2の実施例を図2により説明す
る。本実施例は、第1の実施例と同様にエッチングガス
21の成分に係わるものであるが、第1の実施例のエッ
チングガス21に解離種組成を高C/F比化するCOを
加えて、Si基板9へのフロロカーボン付着膜の組成を
高C/F比化して、Si34に対する選択比の向上を達
成するものである。
【0053】エッチングガス21へのCOの添加は気相
中のFを除去する効果を持つ。COはFと結合してFC
Oとなることができ、これにより気相中のFを除去し、
Si基板9へのフロロカーボン付着膜の組成を高C/F
比化する。また、COはCとOに中性解離して、Cがさ
らにFを取り除く。OはSi基板9上のフロロカーボン
付着膜からCを抜き取る働きをするが、COから解離し
たCも同様にSi基板9上のフロロカーボン付着膜に付
着するので、全体としてSi基板9上のフロロカーボン
付着膜が高C/F比化する。これにより、従来より高C
/F比の付着膜をNe添加によりイオン量を増してエッ
チングでき、Si34に対する選択比の向上を達成でき
る。
【0054】本発明の第2の実施例の変形例を図2によ
り説明する。Fを除去するガスとしては安定気体でFと
結合しやすいガスを用いれば良く、他に好ましくは、NC
CNを用いればよい。エッチングガス21にNCCNを添
加した場合は、解離したCNがFと結合してFCNとな
ることができ、気相中のFを除去し、Si基板9へのフ
ロロカーボン付着膜の組成を高C/F比化する。これに
より、従来より高C/F比の付着膜をNe添加によりイ
オン量を増してエッチングでき、Si34に対する選択
比の向上を達成できる。
【0055】また、本発明の第2の実施例の他の変形例
として、第1の実施例と同様に、添加する不活性ガスを
変更してもよい。既に、第1の実施例で述べたように、
Neの添加よりも制御幅を拡大する方法としては、低流
量供給制御装置(図示しない)を用いてAr以上の重い不
活性元素ガスを使用する。また、好ましくは、低流量供
給制御装置を用いてAr以上の重い不活性元素ガスの1
種類以上をNeに少量混合して使用する。さらに、好ま
しくは、予め、一つの貯蔵容器(図示しない)内にAr
以上の重い不活性元素ガスの1種類以上をNeに少量混
合して用意する。これにより、イオン量/中性解離種量
の制御幅が拡大でき、従来より高C/F比のSi基板9
への付着膜で、SiO2 をエッチングでき、Si34
対して高選択比が得られる制御範囲を拡大できる。
【0056】また、Heをガス21に添加した場合は、
しきいエネルギーが高いために、ガス21に含まれるフ
ッ化炭素系ガスの解離・電離に電子エネルギーが使わ
れ、添加したHeの電離に利用できる電子が不足するた
め、多量に添加して初めて解離種に対するイオン量増加
の効果が現われる。真空ポンプの排気能力を大きくしな
いならば、He流量増加によってフッ化炭素系ガスの滞
在時間が削減されて解離が抑制される。逆に、He添加
によりプラズマ温度は高くなるため、解離が促進され
る。このように、He添加によりある程度解離種量に対
するイオン量の制御が可能となる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、エッチングガスの備え
たフッ化炭素系ガスが、ガス1粒子当たりのプラズマ化
解離用電磁界パワーの制御、或いは、COまたはNCC
Nの添加によって、Si基板上に高C/F比のフロロカ
ーボン付着膜を生じさせて、Si34のエッチングに要
するエネルギーを増加させ、SiO2 エッチレートに対
するSi34エッチレートが小さくなる。また処理室内
の解離種またはその組成が高C/F比化して、Si基板
へのフロロカーボン膜付着速度が増加することによる、
SiO2 エッチレートの低下を、電子とイオンのみを発
生する不活性ガスの添加によってイオン量と中性解離種
量の比を増加させることにより、防ぐことができる。こ
れにより、制御幅の広い範囲で選択比((SiO2 エッ
チレート)/(Si34エッチレート))を向上すること
ができる。
【0058】したがって例えば、64MDRAM(0.
35μm)以降のプロセスで必要となる高アスペクト比
形状のエッチングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】C48とNeを混合したときの中性解離種量と
イオン量の比の圧力による変化を示す図。
【図2】本発明の第1の実施例によるエッチング方法を
実施するエッチング装置の構成を示す概念図。
【図3】第1の実施例の変形例によるエッチング装置の
構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1…マイクロ波導波管、2…磁石、3…処理室、4…プ
ラズマ、5…ガス導入系、6…ECR位置、7…磁力
線、8…マイクロ波、9…Si基板、10…ウェハ支持
台、11…高周波電源、16…アンテナ、17…処理
室、17a…円筒、17b…真空容器、18…コイル、
21…エッチングガス、25…プラズマ、100…エッ
チング装置、300…エッチング装置。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理室内に導入されたガスに変動する電磁
    界を加えてプラズマを発生させ、処理室内に設置された
    試料をエッチングするプラズマエッチング方法におい
    て、 前記ガスとして、フッ化炭素系ガス(Cnm:n=1〜
    6,m=4〜14)のうち少なくとも一つと、Neとの
    混合ガスを用いることを特徴とするプラズマエッチング
    方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のプラズマエッチング方法に
    おいて、前記試料がシリコン化合物を含むことを特徴と
    するプラズマエッチング方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のプラズマエッチング方法に
    おいて、前記シリコン化合物として、酸化シリコンもし
    くは窒化シリコンを含むことを特徴とするプラズマエッ
    チング方法。
  4. 【請求項4】処理室内に導入されたガスに変動する電磁
    界を加えてプラズマを発生させ、処理室内に設置された
    試料をエッチングするプラズマエッチング方法におい
    て、 前記ガスとして、フッ化炭素系ガス(Cnm:n=1〜
    6,m=4〜14)のうち少なくとも一つと、Neと、
    COとの混合ガスを用いることを特徴とするプラズマエ
    ッチング方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載のプラズマエッチング方法に
    おいて、前記試料がシリコン化合物を含むことを特徴と
    するプラズマエッチング方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載のプラズマエッチング方法に
    おいて、前記シリコン化合物として、酸化シリコンもし
    くは窒化シリコンを含むことを特徴とするプラズマエッ
    チング方法。
  7. 【請求項7】処理室内に導入されたガスに変動する電磁
    界を加えてプラズマを発生させ、処理室内に設置された
    試料をエッチングするプラズマエッチング方法におい
    て、 前記ガスとして、フッ化炭素系ガス(Cnm:n=1〜
    6,m=4〜14)のうち少なくとも一つと、Heと、
    COとの混合ガスを用いることを特徴とするプラズマエ
    ッチング方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載のプラズマエッチング方法に
    おいて、前記試料がシリコン化合物を含むことを特徴と
    するプラズマエッチング方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載のプラズマエッチング方法に
    おいて、前記シリコン化合物として、酸化シリコンもし
    くは窒化シリコンを含むことを特徴とするプラズマエッ
    チング方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6057247A (en) * 1997-10-29 2000-05-02 Matsushita Electronics Corporation Method for fabricating semiconductor device and method for controlling environment inside reaction chamber of dry etching apparatus
US6069092A (en) * 1997-10-27 2000-05-30 Matsushita Electronics Corporation Dry etching method and semiconductor device fabrication method
US6136722A (en) * 1997-10-15 2000-10-24 Nec Corporation Plasma etching method for forming hole in masked silicon dioxide

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