JPH0892343A - 一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂の製造方法

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JPH0892343A
JPH0892343A JP6254815A JP25481594A JPH0892343A JP H0892343 A JPH0892343 A JP H0892343A JP 6254815 A JP6254815 A JP 6254815A JP 25481594 A JP25481594 A JP 25481594A JP H0892343 A JPH0892343 A JP H0892343A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の良好な貯
蔵安定性等の長所を維持し、また、二成分系の樹脂と同
等の優れた物性を有し、且つ従来の熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂では困難であった注型による成形が可能である一
成分系の加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 ポリブチレンアジペートジオール100重量
部と、ウレトジオン基含量5.94%、ウレトジオン基
と活性水素基との当量比が0.54のポリウレタン前駆
体20.0重量部とを70℃で混合し、その後、1,4
−ブタンジオール9.01重量部及び酸化防止剤0.5
重量部を添加し、乾燥窒素を導入しながら攪拌、混合
し、次いで、4,4’−MDI、50.5重量部を加え
て65℃で30分反応させた。その後、反応生成物を6
5℃で30分加熱し、更に90℃で24時間反応させて
一成分系熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一成分系加熱硬化型ポリ
ウレタン樹脂組成物(以下、一成分系PU組成物とい
う。)及びポリウレタン樹脂(以下、PU樹脂とい
う。)の製造方法に関する。本発明の一成分系PU組成
物は、注型による成形が可能であり、大型製品の成形も
容易であり、注型の他、射出成形、押出成形、ブロー成
形等の成形加工法により、フィルム、パイプ、ホース、
パッキング材、ローラー及びベルト等、各種製品の製造
に利用できる。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタン樹脂(以下、TP
Uという。)は、従来、長鎖ポリエステルジオール及び
/又はポリエーテルジオール、ジイソシアネート、架橋
剤としてのグリコール類等の他、酸化防止剤、加水分解
防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤及び充填剤等
を、ニーダー或いは二軸押出機などを用いて、所定のイ
ソシアネート基と活性水素基の当量比の下、90〜12
0℃で混練、反応させて得られており、末端活性水素基
のみを有する完全TPUの他、末端活性水素基と末端イ
ソシアネート基いずれをも有する部分架橋TPUがあ
る。これらはペレットとされ、押出、射出、ブロー等の
成形加工法により上記各種製品の製造に利用されてい
る。
【0003】完全TPUは射出成形、押出成形等の成形
技術において、寸法精度に優れた成形品を得ることがで
き、熱硬化性ポリウレタン樹脂に比べて成形品のバリが
少ないという特長がある。一方、部分架橋型TPUは貯
蔵安定性に劣り、一年以上の貯蔵では、ゲル化すること
もある。その他、完全TPU、部分架橋型TPUとも
に、他の熱可塑性エラストマーに比べて成形時の粘度の
温度依存性が著しく大きく、そのため、注型、圧縮成形
等が困難であり、射出成形及び押出成形にしても容易で
はない。特に、大型で複雑な形状を有する製品の成形に
おいては、他の熱可塑性エラストマーに比べて多くの問
題点を有しており適当な素材であるとは言えない。
【0004】また、完全TPUは一般に架橋構造を有し
ておらず、たとえ有していても僅かであるため、耐熱
性、圧縮永久歪等に劣る。特に低硬度TPUでは、軟化
点が低く、耐熱性に乏しく、とりわけJIS硬度Aが6
0以下では、成形品の表面にベとつきを生じ汚染性を有
することもある。一方、高硬度TPU、特にJIS硬度
Dが45以上では、弾性及び伸び特性が低下して、剛直
な樹脂製品になり易く、ゴム的性質が乏しくなる。これ
らを改善するため、可塑剤及び/又はPVC、ABS等
の樹脂を配合して変性したTPUも市販されているが、
それらは何れもTPUそのものの反応性、分子構造等の
変化などを伴うものではなく、性能の向上は不十分であ
る。
【0005】他方、熱硬化性ポリウレタン樹脂は、二成
分(特殊なものは多成分)の液を混合、撹拌した後、注
型法にて型取りし、通常90〜150℃で数分〜数時間
以上加熱して架橋、硬化させるものである。熱硬化性ポ
リウレタン樹脂は、架橋構造を有するため、一般にTP
Uでは発現し難い高いゴム弾性、反発弾性及び軟化点を
有し、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性並びに機械的強度等
に優れ、圧縮永久歪の小さい製品が得られる。また、二
成分系システムは常態で粘度が低く、混合撹拌、吐出及
び注型が容易で、特に大型の注型が可能であり、経済的
にも優れているが、押出成形、射出成形等には通常採用
し難い。
【0006】更に、二成分系システムは二成分混合後の
可使時間に限度があるとともに、特定の設備により成形
しなければならない。即ち、二成分系システムでは均一
な混合を必要とするのみならず、各成分の計量配合を正
確に行わなければならず、この計量精度が不正確になる
と物性が低下し、満足なものは得られない。また、ジア
ミン化合物を硬化剤として用いる二成分系システムで
は、得られる製品の性能は優れているものの、健康及び
環境上の問題に対して充分な配慮を必要とする。更に、
熱硬化性ポリウレタン樹脂は、系内に僅かではあるが未
反応のポリイソイアネートモノマーを含有し、成形加工
時の条件によっては作業現場に悪影響があるため局所排
気装置等の設置が必要な場合が多い。また、硬化時間が
著しく短かく、且つ室温で成形でき、通常吹付工法によ
って床材等として広く利用されているものもあるが、反
応が極端に早すぎ、注型には適用し難い。
【0007】このようにTPU、熱硬化性ポリウレタン
樹脂ともに各々欠点を有しながらも、耐薬品性、耐摩耗
性及びゴム弾性等に優れるため、それぞれの特長を生か
してゴム分野、特に電気・電子機器、工作機械、印刷
機、建材、スポーツ用品及び医用機器等のローラー、ベ
ルト、ブレード、スキージ、パッキング材、パイプ、コ
ーティング材、ブラシ等に広く用いられている。しか
し、それら各々の欠点をどのように解決するかが今後の
大きな課題となっている。尚、ウレトジオン基を有する
ポリイソシアネートを原料化合物の一つとするポリウレ
タン樹脂組成物は下記の文献等により知られている(岩
田敬治著「ポリウレタン樹脂」日刊工業新聞社、昭和4
4年初版、Kunststoffhandbuch V
olum VII 、1966、特公昭57−46447号
公報、特開昭58−37022号公報等)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のTP
U組成物が有する長所は維持しつつ、各問題点を解決
し、以下に示すように作業性等に優れた一成分系PU組
成物及び物性等に優れたPU樹脂の製造方法を提供する
ことを目的とする。 (1) 従来のTPU組成物の成形法、即ち、射出成形、押
出成形、ブロー成形、圧縮成形等の成形技術に加えて、
熱硬化性ポリウレタン樹脂において採用されている注型
の他、回転成形、真空成形等にも適用できる。 (2) 配合、加熱等の操作時に未反応のポリイソシアネー
トの発生、飛散がなく、環境汚染がない。
【0009】(3) 低硬度のPU樹脂であっても、特に6
0℃以上の高温時にも、その耐汚染性が熱硬化性ポリウ
レタン樹脂と同等以上であり、べとつきが発生しない。 (4) 加熱成形加工時の硬化反応で形成される架橋、鎖延
長構造等のウレタン特有のネットワークの形成によっ
て、TPUに比べて物性が大きく改良され、特にゴム弾
性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、耐摩耗性及び圧縮永
久歪等が向上したPU樹脂を得られる。 (5) 従来のTPUに比べて、同じ硬度の製品、特にJI
S硬度Aが60以下の製品において、成形時の粘度の温
度依存性が著しく改善される。 (6) 加熱硬化型であっても、完全TPU樹脂と同等の半
永久的な貯蔵安定性を有する。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1発明の一成分系PU
組成物は、ポリウレタン前駆体と、分子量が18〜20
000であって、分子内に少なくとも2個の活性水素基
を有する化合物と、ポリイソシアネート化合物(b)
と、を含有させ、反応させてなるポリウレタン樹脂組成
物において、上記ポリウレタン前駆体は、少なくともウ
レトジオン基を有するポリイソシアネートを含むポリイ
ソシアネート化合物(a)と、分子量が18〜2000
0であって、分子内に少なくとも2個の活性水素基を有
する化合物とからなり、上記ポリイソシアネート化合物
(a)のイソシアネート基に対する上記活性水素基を有
する化合物の活性水素基の当量比が1.0を越える条件
で反応され、且つ上記ポリウレタン前駆体中及び上記ポ
リウレタン樹脂組成物中の活性水素基に対するウレトジ
オン基の当量比が、いずれも0.25〜1.0であり、
上記ポリイソシアネート化合物(b)は少なくとも2個
のイソシアネート基を有し、上記ポリウレタン前駆体
と、上記活性水素基を有する化合物と、上記ポリイソシ
アネート化合物(b)とは、上記ポリウレタン前駆体と
上記活性水素基を有する化合物の活性水素基の合計量に
対する上記ポリイソシアネート化合物(b)のイソシア
ネート基の当量比が、1.06以下の範囲で反応される
ことを特徴とする。
【0011】また、第2発明は、熱可塑性ポリウレタン
樹脂に、上記ポリウレタン前駆体を配合して一成分系P
U組成物とすることを特徴とし、第3発明は、第2発明
の熱可塑性ポリウレタン樹脂は、上記ポリウレタン前駆
体製造時に使用する特定の活性水素基を有する化合物と
ポリイソシアネートとを、特定の量比で反応させて得ら
れるものであることを特徴とする。更に、第4発明は、
第1〜2発明において、上記ポリイソシアネート化合物
(a)が、イソシアネート基から誘導されるウレトジオ
ン基及びイソシアヌレート基を有するものであることを
特徴とする。
【0012】第5及び第7発明は、一成分系PU組成物
に、開環触媒として1,5−ジアザ−ビシクロ(4,
3,0)ノネン−5(以下、DBNという。)及び/又
はその塩を添加したことを特徴とし、第6発明は、一成
分系PU組成物に発泡剤を配合したことを特徴とする。
また、第8〜9発明は、第1〜7発明の一成分系PU組
成物を用いて、PU樹脂を製造する方法に関するもので
あり、第8発明は、一成分系PU組成物を、ウレトジオ
ン基が開環する温度未満で加熱した後、開環温度以上に
加熱して反応、硬化させることを特徴とし、第9発明
は、ウレトジオン基が開環する温度以上に加熱した後成
形することを特徴とする。
【0013】上記「ポリイソシアネート化合物(b)」
は、分子内に少なくとも2個のイソシアネート基を有す
るポリイソシアネートである。ポリイソシアネート化合
物(b)としては1種を用いてもよいし、2種以上を併
用してもよい。また、「ポリイソシアネート化合物
(a)」は、分子内に少なくともウレトジオン基を有す
るポリイソシアネートの1種又は2種以上を含むポリイ
ソシアネート化合物であり、例えばウレトジオン基を有
するポリイソシアネート、ウレトジオン基及びイソシア
ヌレート基を有するポリイソシアネート、又はこれらの
混合物を含むものである。また、これに更に実質的にイ
ソシアネート基のみを含む、例えばポリイソシアネート
化合物(b)と同様のものを併用してもよい。
【0014】また、所望によりポリイソシアネート化合
物(b)及び/又はポリイソシアネート化合物(a)
は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリ
イソシアネートモノマーの1種又は2種以上を含んでい
てもよい。尚、このポリイソシアネートモノマーは後記
の二量化反応において反応せずそのまま残るものの他
に、ポリイソシアネート化合物の平均官能基数を低下さ
せ、活性水素基を有する化合物との反応によるポリウレ
タン前駆体製造時のゲル化を更に抑えるため、適宜追加
添加されたものであっても良い。
【0015】上記各ポリイソシアネート化合物を構成す
るポリイソシアネートは、ポリイソシアネートモノマー
の他にそのポリメリック体を含む。ポリイソシアネート
モノマーとしては、2,4−トリレンジイソシアネート
(以下、TDIという)、2,6−トリレンジイソシア
ネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレ
ン−1,3−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート(以下、MDIという)、2,
2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル
−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニル
プロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジ
メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’
−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート
等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、H
DIという)、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化ト
リレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネ
ート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、テト
ラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシ
アネート等のジイソシアネートが挙げられる。また、こ
れらジイソシアネートの重合体や2官能以上のポリオー
ル等と上記のジイソシアネート或いはそのポリメリック
体との反応で得られるポリイソシアネートも使用でき
る。
【0016】本発明において必須成分であるウレトジオ
ン基を有するポリイソシアネート、及び併用しても良い
イソシアヌレート基等他の基をも有するポリイソシアネ
ートは、一般に、ウレトジオン化触媒を使用したポリイ
ソシアネートモノマーの二量化反応(ウレトジオン化反
応)、或いは三量化反応(イソシアヌレート化反応)等
によって得られ、具体的には例えば以下のようにして製
造できる。
【0017】ウレトジオン化触媒、例えばトリエチルホ
スフィン、ジブチルエチルホスフィン、トリ−n−プロ
ピルホスフィン、トリアミルホスフィン、トリベンジル
メチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類或いは
ピリジン等の存在下、通常0〜90℃の反応温度で、溶
剤不存在下或いは不活性溶剤、例えばトルエン、キシレ
ンその他の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル系溶剤、プロピレングリコールメチ
ルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオ
ネート等のグリコールエーテルエステル系溶剤等の存在
下、及び場合によっては、上記反応温度において液状の
ポリオール又はジオクチルフタレート等の可塑剤存在下
に製造することができる。
【0018】上記反応は、20〜50モル%のイソシア
ネート基が反応した時点で、反応液に例えばリン酸、パ
ラトルエンスルホン酸メチル、硫黄等の溶液を加えてウ
レトジオン化触媒を不活性化し停止させる。使用するポ
リイソシアネートの種類によっては、この反応過程で結
晶となり析出するものもある。特に、芳香族ポリイソシ
アネートは結晶化し易く、反応系から分離する。このよ
うな方法によって、ウレトジオン基を有するポリイソシ
アネート(即ち、二量体及びポリウレトジオン体)、及
びウレトジオン基とイソシアヌレート基両者、場合によ
っては更に他の基をも有するポリイソシアネート、並び
に原料であるポリイソシアネートモノマーを含む混合物
が生成する。この混合物をこのまま用いても良いし、混
合物から未反応のモノマーを薄膜蒸留等により除去した
ものを用いても良い。
【0019】上記の二量化反応においては、製造時の反
応温度が高いほど、また、反応停止時にポリイソシアネ
ートモノマーの含量が少ないほど、イソシアヌレート基
の生成比率が高くなる。更に、トリエチルホスフィン等
の触媒量が多いほど、ウレトジオン基の生成比率が高く
なる。これらの反応条件を制御することにより、特定比
率のウレトジオン基とイソシアヌレート基とを有するポ
リイソシアネートを得ることもできる。また、市販のウ
レトジオン基及び/又はイソシアヌレート基を有するポ
リイソシアネートを所要量配合して、ポリイソシアネー
ト化合物(a)とすることもできる。
【0020】本発明で使用するポリイソシアネート化合
物(a)中に、ウレトジオン基の他に、一定比率のイソ
シアヌレート基及び/又はその他の重合体を含む場合
は、従来のポリウレタン樹脂に比較して耐熱性、耐溶剤
性や圧縮永久歪特性が更に向上し、低硬度においてもブ
リード性の少ない良質の樹脂が得られる。即ち、本発明
の一成分系PU組成物において、ポリイソシアネート化
合物(a)中にウレトジオン基の他に、一定比率のイソ
シアヌレート基及び/又はその他の重合体を含む場合に
は、このイソシアヌレート基等によりポリウレタン前駆
体にゲル化には達しない程度の分岐点を導入できる。そ
のため、従来公知のウレトジオン基含有ポリウレタン組
成物から得られる樹脂に比較して、短時間かつ低反応率
でより優れた物性のものが得られる。
【0021】上記「活性水素基を有する化合物」は、分
子内に少なくとも2個の活性水素基を有する、分子量1
8〜20000のものである。活性水素基を有する化合
物としては、水の他に、ポリオール、アミノ基等を有す
るポリアミン、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂及びポリビニルアルコール等の中から選択
した1種または2種以上を使用することができる。尚、
ポリオール以外の化合物を用いる場合、ウレタン結合を
有しない一成分系PU組成物或いはPU樹脂が生成し得
るが、本願では、このような組成物、樹脂もポリウレタ
ン樹脂組成物又はポリウレタン樹脂に含める。
【0022】上記ポリオールとしては公知のポリオール
類を用いることができ、ポリイソシアネート化合物
(a)のイソシアネート基が2官能以上であるため、ポ
リウレタン前駆体製造時のゲル化防止のうえで、2官能
等の低官能基数のポリオール類が適している。ポリオー
ルの例としては、ポリエステルポリオール、ポリエステ
ルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエ
ーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール等が挙げられる。
【0023】ポリエステルポリオール、ポリエステルア
ミドポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、乳酸、リンゴ酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ヘキサヒドロイソフタル酸等のジカルボン酸、それらの
酸エステル及び酸無水物等と、エチレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレング
リコール(以下、1,2−PGという。)、1,4−ブ
チレングリコール(以下、1,4−BGという。)、
1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコ
ール(以下、1,6−HGという。)、3−メチル−
1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオ
ール、ジエチレングリコール、、シクロヘキサン−1,
4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパン(以
下、TMPという。)、グリセリン、ヘキサントリオー
ル、N,N,N’N’−テトラキス(2−ヒドロキシプ
ロピル)エチレンジアミン或いはビスフェノールAのエ
チレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加
物等のグリコール、ヘキサメチレンジアミン、キシレン
ジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミ
ン、イソプロパノールトリアミン等のジアミン、トリア
ミン又はアミノアルコール等単独、或いはこれらの混合
物との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオール
及びポリエステルアミドポリオールが挙げられる。更
に、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラク
トン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラ
クトン等の環状エステル(即ち、ラクトン)モノマーの
開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオ
ール等のポリエステルポリオールも使用できる。
【0024】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンエーテル
ポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等
が挙げられる。また、ポリエーテル・エステルポリオー
ルとしては、上記のポリエーテルポリオールとジカルボ
ン酸又は酸無水物とから製造されるポリエーテル・エス
テルポリオールが挙げられる。更に、ポリカーボネート
ポリオールは、例えば、1,6−HG、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等とジエチルカーボネート、ジフェニルカー
ボネートとの反応から得られ、具体的な商品としては、
日本ポリウレタン工業株式会社製の商品名「N−98
0」、「N−981」等が挙げられる。
【0025】また、前記ポリエステルポリオールの原料
として挙げた単分子ジオール及びトリオール類、即ちエ
チレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,2−PG、1,4−BG、1,5−ペンタングリコ
ール、1,6−HG、3−メチル−1,5−ペンタング
リコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタン
グリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリ
コール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、
TMP、グリセリン、ヘキサントリオール、N,N,
N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エ
チレンジアミン或いはビスフェノールAのエチレンオキ
サイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等も上記
ポリオールとして本発明において用いることができる。
【0026】更に、アミノ基等含有ポリアミンとして
は、単分子ジアミン、トリアミン、芳香族ジアミン、及
びポリエーテルの末端がアミノ基となったポリエーテル
ポリアミン等が挙げられ、また、尿素樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール
等は、少なくとも2個の活性水素基を有するものであれ
ば、本発明の活性水素基を有する化合物の全部又は一部
として使用できる。
【0027】以上例示した活性水素基を有する化合物の
分子量は、18〜20000、特に、水(分子量18)
と400〜12000のものが好ましい。分子量が20
000を越えると、ウレトジオン基、イソシアヌレート
基、ウレタン基等を含むことによる効果が減殺されて、
得られるPU樹脂の強靭性や強い凝集力が減少し好まし
くない。また、鎖延長剤等として用いられる水及び低分
子量グリコール等を除いて、分子量が400未満では、
樹脂が脆くなるため好ましくない。
【0028】上記分子量は用途により適当に選択する必
要があり、低分子量化合物と高分子量化合物を併用して
もよい。PU樹脂の耐熱性や凝集エネルギーを高めるに
は低分子量のものを用いることが好ましいが、熱可塑性
に重点をおいた樹脂を得る際には、ある程度高分子量の
ものを用いてもよい。また、良質のPU樹脂を得るため
には、分子量分布の狭いものが好ましい。尚、活性水素
基を有する化合物として水、ポリアミン等を使用した場
合は、尿素結合を持った化合物が生成する。
【0029】上記「ポリウレタン前駆体」は、上記のポ
リイソシアネート化合物(a)と活性水素基を有する化
合物とを、イソシアネート基に対する活性水素基の当量
比が1.0を越える活性水素基過剰条件で反応させて得
られ、且つ活性水素基に対するウレトジオン基の当量比
が0.25〜1.0、好ましくは0.35〜0.75の
範囲の前駆体である。この反応系では活性水素基が過剰
であるため、得られるポリウレタン前駆体中にイソシア
ネート基は実質的に残存せず、活性水素基のみを有する
ものが得られる。上記活性水素基に対するウレトジオン
基の当量比は重要であり、この比が0.25未満である
と鎖延長、架橋の量が減少し、得られるPU樹脂の物性
が低下する。また。、1.0を越えるとポリウレタン前
駆体製造時、ゲル化し易くなるため好ましくない。
【0030】活性水素基に対するウレトジオン基の当量
比を上記の範囲とするためには、イソシアヌレート基等
の含有量を考慮したポリイソシアネート化合物(a)の
平均官能基数と、トリオール導入等を考慮した活性水素
基を有する化合物の平均官能基数、及びそれら官能基の
反応性等を勘案した配合比とし、ウレトジオン基が開環
する温度以下に保持し反応させればよい。それによって
前駆体はゲル化することなく製造できる。尚、上記前駆
体には、使用するポリイソシアネート化合物によりウレ
トジオン基及び活性水素基以外に、イソシアヌレート
基、ウレタン基、ウレア基、カルボジイミド基、ウレト
ンイミン基、オキサゾリドン基、ヒダントイン基等のイ
ソシアネート基から誘導される基が存在してもよい。
【0031】次に、ポリウレタン前駆体の製造について
詳しく述べる。ポリウレタン前駆体は、溶融状態、バル
ク状態、または必要に応じて不活性溶剤、例えばトルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、エチレングリコー
ルエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメ
チルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピ
オネート等のグリコールエーテルエステル系溶剤、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、及び
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトン、N−メチル
ピロリドン、フルフラール等の極性溶剤の1種または2
種以上を使用して、ウレトジオン基が開環しない温度、
好ましくは100℃以下(例えば90℃以下、好ましく
は25〜90℃)で、上記の配合範囲で各成分を均一に
混合し前記の条件に従って反応させて製造することがで
きる。
【0032】上記の溶剤を用いた系では、反応終了後、
薄膜蒸留により溶剤等を分離、回収し、ポリウレタン前
駆体を得ることができる。上記反応温度は、より好まし
くは60〜90℃であり、この場合は、ウレトジオン基
の開環を生じさせないとともに、十分な反応を短時間に
行わせることができる。尚、イソシアネート化合物のダ
イマーからなるウレトジオン化合物の、ウレトジオン基
の開環開始温度は約100℃である。反応装置として
は、上記の均一反応が達成できればいかなる装置でも使
用でき、例えば撹拌装置の付いた反応釜やニーダー、一
軸又は多軸押出反応機等の混合混練装置が挙げられる。
また、反応速度を高めるため、ジブチル錫ジラウレート
等の金属触媒やトリエチルアミン等の三級アミン触媒を
用いてもよい。
【0033】上記「一成分系PU組成物」は、第1発明
では、前駆体、前記特定の活性水素基を有する化合物及
びポリイソシアネート化合物(b)を、前駆体と特定の
活性水素基を有する化合物との活性水素基の合計量に対
するイソシアネート基の当量比が、1.06を越えない
条件で反応させて得られ、上記前駆体を、例えば架橋
剤、鎖延長剤、活性水素化合物の一部または全部として
用いるものであり、前駆体の他に更に特定の活性水素基
を有する化合物を配合することにより、広範囲の硬度及
びその他物性を有するPU樹脂を得ることができる。
【0034】上記第1発明及び熱可塑性ポリウレタン樹
脂に前駆体を配合した第2発明いずれの場合も、一成分
系PU組成物中の活性水素基に対するウレトジオン基の
当量比が、前駆体と同様0.25〜1.0、好ましくは
0.35〜0.75の範囲の組成物であり、活性水素基
に対するウレトジオン基の当量比を上記のように特定す
る意味は、良好なPU樹脂の物性及び加工性(合成時ゲ
ル化しない範囲)を両立させる点にある。また、活性水
素基に対するウレトジオン基の当量比を上記の範囲とす
るためには、前駆体の組成及びポリイソシアネート化合
物(b)の平均官能基数、更にはそれら官能基の反応性
等を勘案した配合比とし、上述の前駆体製造時と同様
に、ウレトジオン基の開環温度以下の温度で反応させれ
ばよい。それによってゲル化することなく一成分系PU
組成物が得られる。
【0035】第1発明の一成分系PU組成物は、分子量
800〜20000のポリエステルジオール、ポリエー
テルジオール、カプロラクトンジオール、ポリカーボネ
ートジオール等の2個の活性水素基を含有するポリオー
ル系成分及び/又は特殊な場合にゲル化しない範囲で3
個以上の活性水素基を含有するポリオール系成分と、前
記の前駆体の他、鎖延長剤として分子量18〜800の
少なくとも2個の活性水素基を有する単量体のポリオー
ル系成分と、ポリイソシアネート化合物(b)の1種又
は2種以上とを、前駆体中の活性水素基に対するイソシ
アネート基の当量比が1.06を越えない条件で、ウレ
トジオン基が開環しない温度、好ましくは60℃〜90
℃に加熱し混合、反応して得られる。本発明では、この
ように高分子量のポリオール系成分と、鎖延長剤として
作用する低分子量のポリオール系成分とを併用すること
ができ、このような組成とすることが好ましい。
【0036】尚、ウレトジオン基の開環触媒、例えばD
BN及び/又はその塩類等を添加している場合は、その
許容される上限温度以下で、加熱し混合、反応すること
が必要である。また、第2発明では、熱可塑性ポリウレ
タン樹脂に前駆体を配合して一成分系PU組成物とす
る。この熱可塑性ポリウレタン樹脂と前駆体とは、通
常、そのままでは反応しないものであるが、ある程度反
応するものであってもよい。この場合も、活性水素基と
イソシアネート基との当量比、及びウレトジオン基が開
環しない温度に加熱して混合、反応せさる等の製造条件
は第1発明の場合と同様である。
【0037】こうして得られた一成分系PU組成物は、
そのまま又はペレット、粉末或いは粒状にして、公知の
成形法、即ち射出成形、押出成形、ブロー成形等の方法
によって成形される。上記反応温度が60℃以下の場合
は、反応完結のために長時間を要し、90℃以上の場合
は、ウレトジオン基が開環してしまうことがある。ま
た、バッチ混合、ニーダー混合、押出混練等の混合方
法、その手段、条件及び使用した原料の配合条件等によ
って最適温度を見いだすことが必要である。また、反応
中は湿分を避け、必要に応じ機器、原料何れも乾燥窒素
パージすることが好ましい。
【0038】本発明の一成分系PU組成物は常態で液
体、固体または粉体等何れであってもよい。また、生成
後、60〜90℃の乾燥空気中で24〜48時間熟成し
た後、再度ペレタイザーによって粒状に仕上げるか、或
いは熟成生成物を液体窒素を用いて凍結後粉砕し粉状に
仕上げる。特に微粉砕の場合は、上記固体操作の代わり
に、原材料に水に相溶する溶剤例えば、ジメチルホルム
アミド、テトラヒドロフラン等を加えて、溶液状態とし
たものを水中に投入して分散させ、樹脂分を分離析出さ
せて微粉とすることもできる。この溶液操作の場合はイ
ソシアネート基が完全に消失していることを確認してお
く必要がある。
【0039】更に、第2発明の一成分系TPU組成物
は、例えば市販のTPUペレット等を押出機に投入して
加熱溶融して押出す際、このTPUペレット等に前駆体
を添加混合して製造することもできる。この場合、双方
の溶融温度と溶融粘度が近似しているほど混合は容易で
ある。また、第9発明のように、ウレトジオン基の開環
温度以上に加熱し、混合する場合は、吐出物を直接金型
に注入し、成形加工して製品を得ることもできる。これ
らの混合の際、ウレトジオン基の開環温度を下げる開環
触媒、貯蔵時のゲル化を防止するエステル・ウレタン交
換反応防止剤等のゲル化防止剤、その他酸化防止剤、紫
外線吸収剤、加水分解防止剤、着色剤、充填剤、強化
剤、難燃剤、粘度調製剤、流れ改良剤、可塑剤、導電性
付与剤、及び揺変剤等を加え、一成分系PU組成物に仕
上げてもよい。
【0040】また、第1〜2発明の一成分系PU組成物
に、塩化メチレン、空気、窒素、フロン化合物、ペンタ
ン等の物理発泡剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾ
ジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン等の有機発泡剤及び重炭酸アンモニウム、
炭酸アンモニアム、水素化ホウ素ナトリウム等の無機発
泡剤を単独使用或いは併用し、またはフロス法によって
発泡させ、発泡PUを得ることもできる。尚、発泡PU
を得るために、必要に応じて発泡促進剤、整泡剤、シリ
コーン、有機界面活性剤等を使用することができる。更
に、ステアリン酸アルミニウム、シリコン離型剤等を添
加して、自己離型性のあるものとして用いることもでき
る。
【0041】上記一成分系PU組成物からPU樹脂を得
る方法は、成形製品のデザイン、性能特性、硬化条件等
によって選択すればよい。本発明の特徴である注型によ
る成形の他に、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮
成形、真空成形、プリプレグ成形等によって、注入した
後又は金型に散布、塗布等によってコーティングした
後、加熱して反応、硬化させるか、加熱した後、これを
金型に注型他上記の成形法等によって注入し、反応、硬
化させるか、何れの方法であってもよい。
【0042】上記加熱温度及び時間はウレトジオン基が
開環する条件であることが必要であり、160℃〜22
0℃で数分〜数十分が適当であるが、製品の形状、デザ
イン等により異なる。この温度が160℃未満では、十
分に開環及び反応しないし、220℃を越える場合は、
得られるPU樹脂の物性低下が顕著となる。尚、ウレト
ジオン基を有するポリマーの、ウレトジオン基の開環開
始温度は約160℃である。また、PU樹脂は、必要に
応じて90℃〜120℃で数時間熟成することによっ
て、より強度の大きい製品とすることもでき、最終的に
鎖延長、架橋が完了し弾性を有するPU樹脂が得られ
る。
【0043】尚、一成分系PU組成物は、活性水素基に
対するウレトジオン基の当量比が0.5を越え1.0ま
での範囲ではウレトジオン基が過剰となり、組成物は環
境中の水分との反応による鎖延長、架橋やウレタン基、
ウレア基との反応によるアロファネートやビューレット
化反応、及びイソシアネート単独での重合反応、例えば
カルボジイミド化、イソシアヌレート化等により鎖延長
及び/又は架橋させることもでき、組成物は熱硬化的に
挙動する。尚、得られるPU樹脂の物性等が良好であれ
ば、全てのウレトジオン基を開環させる必要はない。ま
た、当量比が0.25以上、0.5未満では、活性水素
基が過剰となり、組成物は熱可塑的に挙動する。
【0044】
【作用】本発明の一成分系PU組成物には、常温では未
反応のポリイソシアネートモノマーを含めてイソシアネ
ート基が実質的に存在せず、所定温度以上に加熱された
時にウレトジオン基の開環によって複数の活性なイソシ
アネート基が再生される。そのため所定温度以下では、
二成分系ポリウレタン組成物のような可使時間の制限が
なく、半永久的な貯蔵安定性を有している。また、再生
されたイソシアネート基は、開環した分子の末端に付い
ているため、未反応のポリイソシアネートモノマーの発
生及び飛散がなく、作業環境上取り扱いが安全である。
【0045】また、一成分系であるにもかかわらずウレ
トジオン基が開環する温度以上では、あたかも二成分系
ポリウレタン樹脂組成物のごとく、再生されたイソシア
ネート基と末端活性水素基との反応により鎖延長及び/
又は架橋が進んで硬化し、均一な反応生成物を得ること
ができる。更に、TPUは通常他の熱可塑性樹脂に比べ
て粘度の温度依存性が大きいため、注型法によって大型
成形品を成形することが難しく、主に小型製品の成形に
向けられているが、本発明の一成分系PU組成物の場
合、加熱時、樹脂の流動する温度範囲が広く、ウレトジ
オン基が開環する温度以下に保って、金型に注型する注
型法によって成形することが可能である。
【0046】また、本発明の一成分系PU組成物はウレ
トジオン基の開環、鎖延長及び/又は架橋反応により硬
化するため、低分子量の未反応化合物等が製品上に析出
(ブルーム)して結晶化したり、にじみ出たり(ブリー
ド)することがなく、汚染性のない製品として幅広く用
いることができる。特にJIS硬度Aが60以下の低硬
度製品でも、従来のTPUに比べて耐汚染性に優れ、且
つべとつきのない、更に、良好な機械的強度、耐摩耗
性、耐候性、耐薬品性等を有する製品が得られる。特
に、従来のTPUに比べて良好な圧縮永久歪特性を有す
るものが得られ、OA機器、医療機材、精密機械用部品
等の用途向けのローラー類、ベルト類、ブレード類、バ
ックアップ材、コネクター、プロテクター、パッキン
等、また、防振材、吸音材シート、フィルム、パイプ、
ホース、スポーツ・アスレチック用品、コーティング処
理材等の他、緩衝材、防振材、吸音材等に幅広く応用す
ることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例等により本発明を更に詳細に説
明する。以下の実施例等において「部」はすべて「重量
部」を意味し、「%」はすべて「重量%」を意味する。 (1) ウレトジオン基を有するポリイソシアネート化合物
の合成 攪拌機、温度計及び冷却器の付いた反応器に、HDI
(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート基
含量=49.9%、固形分=100%)3000部と、
触媒としてトリオクチルホスフィン6.0部を仕込み、
攪拌しながら65〜70℃に加熱し同温度で6時間反応
させ、その後、リン酸3.5部を加えて反応を停止し、
イソシアネート基含量が31.0%の淡黄色の反応生成
液を得た。この反応生成液から、未反応HDIを120
℃、0.1Torrで薄膜蒸留により除去した。
【0048】生成物のイソシアネート含量は21.1%
であり、FT−IR(赤外線吸収スペクトル)及びC13
−NMR(核磁気共鳴スペクトル)から、この生成物に
はイソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレ
ート基が存在することが確認された。高沸点溶剤である
プロピレングリコールメチルエーテルアセテートの沸点
でジブチルアミンと反応させ、塩酸水溶液で逆滴定して
求めたイソシアネート基含量は37.5%であり、よっ
てウレトジオン基の開環で生成するイソシアネート基含
量は16.4%であった。また、イソシアヌレート基含
量は24.6%であった。
【0049】(2) ポリウレタン前駆体の合成例 撹拌機、温度計及び冷却器の付いた反応器に、上記(1)
で合成したウレトジオン基を有するポリイソシアネート
化合物100部と、ポリ(ブチレンアジペート)ジオー
ル(分子量=500)176部とを仕込み、80℃で5
時間反応させた。反応が進むにつれて粘度が高くなった
が液状を保ったままであった。反応生成物のFT−IR
を測定したところ、ウレトジオン基及びイソシアヌレー
ト基の吸収は反応開始時と変化なく、イソシアネート基
の吸収は消滅しウレトン化の終了が確認された。
【0050】ポリウレタン前駆体である反応生成物は常
温において高粘度液体であり、70℃加熱下でB型粘度
計で測定した粘度は10600cpsであった。反応生
成物中には未反応のポリイソシアネートモノマーは検出
されず、水酸基価=73.5mgKOH/g、ウレトジ
オン基含量=5.94%であり、ウレトジオン基と活性
水素基との当量比は0.54であった。
【0051】(3) 一成分系PU組成物の製造 実施例1 撹拌機、温度計、加熱装置、窒素導入装置及び減圧装置
の付いた反応器に、ポリ(ブチレンアジペート)ジオー
ル(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「N−4
009」、分子量=1000)100部と、上記(2) で
合成した前駆体20.0部を仕込み、70℃で混合した
後同温度を保ったまま18mmHgに減圧し、2.5時
間脱泡、乾燥した。その後、1,4−BG、9.01部
と酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名「イルガノッ
クス1010」)0.5部を加え、乾燥窒素を導入しな
がら撹拌、混合した。次いで、4,4’−MDI(日本
ポリウレタン工業株式会社製、商品名「ミリオネートM
T」)50.5部を仕込み、撹拌しながら65℃で30
分反応させた。
【0052】反応が進むにつれて粘度が高くなった。そ
の後、減圧して反応生成物中の空気等を除去した後、反
応生成物を適当な容器に流し込み、65℃に設定された
加熱オーブン中で30分間加熱し、更に90℃で未反応
のポリイソシアネートモノマーが検出されなくなるまで
24時間反応させた。反応生成物のFT−IRを測定し
たところ、ウレトジオン基とイソシアヌレート基の吸収
は反応開始時と変化がなかった。一成分系PU組成物で
ある反応生成物は、常温において固体状であった。反応
生成物中のウレトジオン基と活性水素基の当量比は0.
51であった。
【0053】実施例2 1,4−BGを6.76部、4,4’−MDIを44.
5部とした以外は実施例1と同様にした反応させた。反
応生成物のFT−IRを測定したところ、ウレトジオン
基とイソシアヌレート基の吸収は反応開始時と変化がな
く、未反応のポリイソシアネートモノマーは検出されな
かった。一成分系PU組成物である反応生成物は、常温
において固体状であった。反応生成物中のウレトジオン
基と活性水素基の当量比は0.52であった。
【0054】実施例3 1,4−BGを4.50部、4,4’−MDIを38.
0部とした以外は実施例1と同様にした反応させた。反
応生成物のFT−IRを測定したところ、ウレトジオン
基とイソシアヌレート基の吸収は反応開始時と変化がな
く、未反応のポリイソシアネートモノマーは検出されな
かった。一成分系PU組成物である反応生成物は、常温
において固体状であった。反応生成物中のウレトジオン
基と活性水素基の当量比は0.53であった。
【0055】実施例4 1,4−BGを2.70部、4,4’−MDIを33.
0部とした以外は実施例1と同様にした反応させた。反
応生成物のFT−IRを測定したところ、ウレトジオン
基とイソシアヌレート基の吸収は反応開始時と変化がな
く、未反応のポリイソシアネートモノマーは検出されな
かった。一成分系PU組成物である反応生成物は、常温
において固体状であった。反応生成物中のウレトジオン
基と活性水素基の当量比は0.54であった。
【0056】実施例5 前駆体を30部、1,4−BGを2.25部及び4,
4’−MDIを31.5部とした以外は実施例1と同様
にした反応させた。反応生成物のFT−IRを測定した
ところ、ウレトジオン基とイソシアヌレート基の吸収は
反応開始時と変化がなく、未反応のポリイソシアネート
モノマーは検出されなかった。一成分系PU組成物であ
る反応生成物は、常温において固体状であった。反応生
成物中のウレトジオン基と活性水素基の当量比は0.5
5であった。
【0057】実施例6及び製造例6(第3発明) 撹拌機、温度計、加熱装置、窒素導入装置及び減圧装置
の付いた反応器に、ポリ(ブチレンアジペート)ジオー
ル(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「N−4
009」、分子量=1000)100部を入れ、70℃
で混合した後、18mmHgに減圧し、70℃で2.5
時間脱泡、乾燥した。その後、酸化防止剤(チバガイギ
ー社製、商品名「イルガノックス1010」)0.5部
及び1,4−BG4.5部を加え、乾燥窒素を導入しな
がら撹拌、混合した。次いで、4,4’−MDI(日本
ポリウレタン工業株式会社製、商品名「ミリオネートM
T」)38.0部を仕込み、90℃で30分反応させ
た。
【0058】反応が進むにつれて粘度が高くなった。そ
の後、減圧して反応生成物中の空気等を除去した。次い
で、反応生成物を適当な容器に流し込み、65℃に設定
した加熱オーブン中で30分間加熱し、更に120℃で
未反応のポリイソシアネートモノマーが検出されなくな
るまで24時間反応させた。次に、生成物を60℃の乾
燥空気中で30時間熟成し、ペレタイザーによって粒状
にした。得られたペレットを押出機に投入し加熱、溶
融、押出す一方、押出しの途中において上記(2) で合成
したポリウレタン前駆体を、ペレット7.0部に対して
1.0部投入、190℃で10分間混練した。得られた
混合物を直接金型に注入し、成形した。この成形物を、
更に200℃で10分間キュアしポリウレタン樹脂の成
形物を得た。
【0059】また、比較例1〜4として下記の製品(比
較品1〜4)に上記の酸化防止剤(イルガノックス10
10)を0.5部配合したものを用いた。 比較品1 後記比較製造例1の二成分系組成物 比較品2 後記比較製造例2の二成分系組成物 比較品3 後記比較製造例3の二成分系組成物 比較品4 後記比較製造例4の熱可塑性エラストマー
【0060】(4) PUシートの製造 上記実施例1〜5の一成分系PU組成物を用いて、下記
のようにしてPUシートを製造した。 製造例1〜4 実施例1〜4の組成物を用い、ラボプレスを用いた圧縮
成形により、200℃で、5〜25分間キュアして、厚
さ1mmのPUシートを作製した。 製造例5 実施例5の組成物を用い、注型法によりシートを成形
し、200℃で、20分間キュアし、厚さ1mmのポリ
ウレタン樹脂シートを作製した。
【0061】比較製造例1[上記比較品1を用いた比較
例1の組成物を使用] TDI−ポリエステル系NCO末端プレポリマー(イソ
シアネート基含量=4.2%、粘度=1600cSt/
75℃)100部を80℃に加熱し、これに120℃に
加熱した3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン(以下、MOCAという)を10.7部添
加して良く混合した。この混合液を金型に注入し、12
0℃で6時間硬化させ、厚さ1mmのポリウレタン樹脂シ
ートを作製した。
【0062】比較製造例2[上記比較品2を用いた比較
例2の組成物を使用] TDI−ポリエステル系NCO末端プレポリマー(イソ
シアネート基含量=3.8%、粘度1400cSt/7
5℃)100部を80℃に加熱し、これに120℃に加
熱したMOCAを11.2部添加して良く混合した。こ
の混合液を金型に注入し、120℃で10時間硬化さ
せ、厚さ1mmのシートを作製した。
【0063】比較製造例3[上記比較品3を用いた比較
例3の組成物を使用] MDI−ポリエステル系NCO末端プレポリマー(イソ
シアネート基含量=6.2%、粘度1600cSt/7
5℃)100部を80℃に加熱し、これに1,4−ブタ
ンジオールを6.3部添加して良く混合した。この混合
液を金型に注入し、120℃において10時間硬化さ
せ、厚さ1mmのシートを作製した。
【0064】比較製造例4 市販の熱可塑性ポリウレタン樹脂(日本ミラクトラン株
式会社製、商品名「ミラクトランE394POTA」)
を用い、ラボプレスを用いた圧縮成形により、200℃
で成形して、厚さ1mmのTPUシートを作製した。
【0065】(5) 一成分系PU組成物及び得られたPU
シートの性能評価 (a)一成分系PU組成物の安定性 時間の経過とともにゲル化していく様子を目視で観察
し、次の判定基準により評価した。 <判定基準> ×:1日以内にゲル化 ○:21日以上安定
【0066】(b)作業環境 組成物の成形加工時の雰囲気を同一条件でサンプリング
し、雰囲気中に含まれるフリーのポリイソシアネートモ
ノマーの量をガスクロマトグラフィーによって測定し、
評価した。 (c)物性 硬さ、引張強度、破断伸び、引裂強度並びに25%圧縮
永久歪(70℃、22時間加熱後)はJIS K630
1に、メルトインデックス(MI)はJISK7210
に準じて測定した。実施例1〜6及び比較例1〜4の一
成分系PU組成物他の性能を表1に示す。更に、製造例
1〜6及び比較製造例1〜4のTPU等の物性を表2に
示す。また、実施例5及び比較例4のTPUの各温度に
おけるMIを表3に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】表1の結果から、本発明の一成分系PU組
成物は25℃では勿論のこと、50℃というかなり高温
においてもゲル化することなく極めて貯蔵安定性に優れ
ており、また、組成物の硬化時において未反応のポリイ
ソシアネートモノマーはまったく検出されず、作業環境
の面からも優れたものであることが分かる。更に、表2
の結果によれば、得られるPU樹脂の物性は、二成分系
組成物から得られるエラストマーには及ばない点もある
ものの、十分な実用物性を備えたものであることが分か
る。
【0071】一方、比較例1〜3の組成物では、物性的
には25%圧縮永久歪においてやや劣っている他は優れ
ているものの、すべて1日以内にゲル化を生じ貯蔵安定
性に劣り、更にフリーのイソシアネートモノマーも検出
され、作業環境の点においても劣っていることが分か
る。また、比較例4では、貯蔵安定性及び作業環境の面
では何ら問題はないものの、25%圧縮永久歪において
大きく劣っている。更に、表3の結果から、本発明の一
成分系PU組成物は加熱時の安定性においても問題ない
が、比較例4の市販のTPUでは、加熱時の安定性も非
常に劣っていることが分かる。
【0072】尚、本発明においては、目的、用途に応じ
て本発明の範囲内で、種々変更したものとすることがで
き、例えば、実施例1等においては、分子内に少なくと
も2個の活性水素基を有する化合物として、分子量10
00のジオールと1,4−BGとを併用しているが、反
応条件等を適宜調整することにより、長鎖の活性水素基
を有する化合物(例えば、分子量1000のジオール)
と、短鎖の活性水素基を有する化合物(例えば、1,4
−BG)のいずれか一方のみを使用し、前駆体と反応さ
せて鎖延長することにより、同様の優れた性能を有する
一成分系PU組成物を製造することができる。
【0073】また、ポリウレタンの製法としては、一般
によく知られているように、ワンショット法とプレポリ
マー法とがあるが、前記各実施例では、ワンショット法
に近い方法が採られている。しかし、ポリウレタン前駆
体と活性水素基を有する化合物の活性水素基の合計量に
対するポリイソシアネート化合物(b)のイソシアネー
ト基の当量比が、1.06以下の範囲で反応されると
の、条件が満たされる限り、プレポリマー法的な合成も
可能である。
【0074】例えば、先ず、ポリ(ブチレンアジペー
ト)ジオール及び前駆体の半分量と、4,4’−MDI
の全量を反応させ(上記活性水素基の合計量に対するポ
リイソシアネート基の当量比は1.06を越える。)、
その後、残りのジオールと前駆体とを反応させる(上記
当量比は1.06以下となる。)ことにより、前記各実
施例と同等の性能を有する一成分系PU組成物を得るこ
ともできる。以上述べたように、本発明の各成分及びそ
の当量比等の要件が満たされる限り、具体的な合成方法
は、要求される物性或いは用途等によって種々変更する
ことができる。
【0075】本発明では、前駆体、分子内に少なくとも
2個以上の活性水素基を有する化合物及びポリイソシア
ネートの、3成分を必須として、特定の優れた性能を有
する一成分系PU組成物を得ているが、この分子内に少
なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物を含有し
ない場合であっても、各成分の調製方法或いは反応条件
等を広く調整することにより、本発明の一成分系PU組
成物と同等の性能を有する組成物を得ることができる。
例えば、実施例1において、ポリ(ブチレンアジペー
ト)ジオール及び1,4−BGを使用しない場合、前駆
体そのものが適宜結合して鎖延長されたものと、ポリイ
ソシアネートとの反応により、同様の性能を有する一成
分系PU組成物が得られ、この組成物を用いて本発明の
方法により同様の優れた性能を有するPU樹脂を得るこ
とができる。
【0076】
【発明の効果】本第1〜3発明の一成分系PU組成物
は、熱可塑性ポリウレタン樹脂が持つ使用時の取り扱い
易さとポットライフ或いは貯蔵安定性等の長所を有し、
また、得られるPU樹脂は、従来の二成分系ポリウレタ
ン樹脂の長所である強靭な物性を備えたものであり、従
来のTPUに比べて粘度の温度依存性が小さく、注型、
射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、プリプレ
グ成形等の幅広い成形法を選ぶことができ、フリーのイ
ソシアネートモノマーの発生が実質的になく、良好な作
業環境で安全に取り扱うことができる。
【0077】また、第4発明のウレトジオン基の他にイ
ソシアヌレート基をも有するポリイソシアネートを使用
すれば、より優れた物性のPU樹脂が得られ、第5及び
第7発明のようにウレトジオン基の開環触媒を使用すれ
ば、PU樹脂成形の温度を低下させることができ、第6
発明のように発泡剤を配合すれば上記各発明の優れた性
質を有する発泡PU樹脂を得ることができる。更に、第
8及び第9発明のように、成形後加熱或いは加熱後成形
いずれの方法によっても優れた性能のPU樹脂成形品を
得ることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン前駆体と、分子量が18〜
    20000であって、分子内に少なくとも2個の活性水
    素基を有する化合物と、ポリイソシアネート化合物
    (b)と、を含有させ、反応させてなるポリウレタン樹
    脂組成物において、 上記ポリウレタン前駆体は、少なくともウレトジオン基
    を有するポリイソシアネートを含むポリイソシアネート
    化合物(a)と、分子量が18〜20000であって、
    分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する化合物と
    からなり、上記ポリイソシアネート化合物(a)のイソ
    シアネート基に対する上記活性水素基を有する化合物の
    活性水素基の当量比が1.0を越える条件で反応され、
    且つ上記ポリウレタン前駆体中及び上記ポリウレタン樹
    脂組成物中の活性水素基に対するウレトジオン基の当量
    比が、いずれも0.25〜1.0であり、 上記ポリイソシアネート化合物(b)は少なくとも2個
    のイソシアネート基を有し、上記ポリウレタン前駆体
    と、上記活性水素基を有する化合物と、上記ポリイソシ
    アネート化合物(b)とは、上記ポリウレタン前駆体と
    上記活性水素基を有する化合物の活性水素基の合計量に
    対する上記ポリイソシアネート化合物(b)のイソシア
    ネート基の当量比が、1.06以下の範囲で反応される
    ことを特徴とする一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリウレタン樹脂にポリウレタ
    ン前駆体を配合してなるポリウレタン樹脂組成物におい
    て、 上記ポリウレタン前駆体は、少なくともウレトジオン基
    を有するポリイソシアネートを含むポリイソシアネート
    化合物(a)と、分子量が18〜20000であって、
    分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する化合物と
    からなり、上記ポリイソシアネート化合物(a)のイソ
    シアネート基に対する上記活性水素基を有する化合物の
    活性水素基の当量比が1.0を越える条件で反応され、
    且つ上記ポリウレタン前駆体中及び上記ポリウレタン樹
    脂組成物中の活性水素基に対するウレトジオン基の当量
    比が、いずれも0.25〜1.0であることを特徴とす
    る一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記熱可塑性ポリウレタン樹脂は、分子
    量が18〜20000であって、分子内に少なくとも2
    個の活性水素基を有する化合物と、少なくとも2個のイ
    ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
    (b)とからなり、上記活性水素基を有する化合物の活
    性水素基に対する上記ポリイソシアネート化合物(b)
    のイソシアネート基の当量比が1.06以下の範囲で反
    応されるものである請求項2記載の一成分系加熱硬化型
    ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記少なくともウレトジオン基を有する
    ポリイソシアネートが、イソシアネート基から誘導され
    るウレトジオン基及びイソシアヌレート基を有するもの
    である請求項1又は2記載の一成分系加熱硬化型ポリウ
    レタン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 開環触媒として1,5−ジアザ−ビシク
    ロ(4,3,0)ノネン−5及び/又はその塩を添加し
    た請求項1又は2記載の一成分系加熱硬化型ポリウレタ
    ン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 発泡剤を配合した請求項1又は2記載の
    一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 開環触媒として1,5−ジアザ−ビシク
    ロ(4,3,0)ノネン−5及び/又はその塩を添加し
    た請求項4記載の一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂
    組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載の一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物を、ウ
    レトジオン基が開環する温度未満で成形した後、ウレト
    ジオン基が開環する温度以上に加熱して反応、硬化させ
    ることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載の一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物を、ウ
    レトジオン基が開環する温度以上に加熱した後、成形す
    ることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
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