JPH089202B2 - 液晶樹脂容器及びその製造方法 - Google Patents

液晶樹脂容器及びその製造方法

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JPH089202B2
JPH089202B2 JP6556290A JP6556290A JPH089202B2 JP H089202 B2 JPH089202 B2 JP H089202B2 JP 6556290 A JP6556290 A JP 6556290A JP 6556290 A JP6556290 A JP 6556290A JP H089202 B2 JPH089202 B2 JP H089202B2
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    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/22Boxes or like containers with side walls of substantial depth for enclosing contents
    • B65D1/26Thin-walled containers, e.g. formed by deep-drawing operations
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2105/00Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
    • B29K2105/0079Liquid crystals

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は液晶樹脂容器及びその製造方法に関するもの
で、より詳細には改善された耐気体透過性を有する液晶
樹脂容器及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 樹脂成形容器は、軽量であり且つ耐衝撃性にも優れて
いることから、食品、化粧品、洗剤及び各種薬品類に対
する包装用容器として広く使用されている。
しかしながら、金属缶やガラスビン等では器壁を通し
ての気体透過は殆んどゼロであるのに対して、樹脂成形
容器の場合には、器壁を通しての気体透過が無視し得な
いオーダーで生ずることが問題である。この問題を改善
するために、耐気体透過性樹脂を容器構成材料として用
いることが既に行われており、例えばエチレン−ビニル
アルコール共重合体や塩化ビニリデン系樹脂等が容器壁
の耐気体透過性の改善の目的に使用されている。
しかしながら、エチレン−ビニルアルコール共重合体
は、関係湿度(RH)0%の条件では優れたガスバリヤー
性を示すが、高湿度条件下では気体透過係数、例えばPo
2が約2桁増大するという不都合がある。また、塩化ビ
ニリデン系樹脂は気体透過係数の湿度依存性が小さいと
いう利点があるが、その熱安定性に問題があり、容器成
形上も容器の使用上も制約を受けることが多い。
近年液晶ポリマーがその優れた機械的性質から繊維の
分野で注目されている。この液晶ポリマーには、溶液
(ドープ)の状態で液晶を形成するもの(リオトロピッ
ク)と、溶融物の状態で液晶を形成するもの(サーモト
ロピック)があり、前者はケプラー(デュポン社)に代
表される芳香族ポリアミドであり、後者はベクトラ(セ
ラニーズ社)に代表される芳香族ポリエステルである。
これらの液晶では、剛直分子が整然と並んだドメイン
が連続する所謂ポリドメイン構造を形成しており、これ
に剪断応力を加えることにより、これらの分子が剪断応
力のかかった方向に配向し、優れた強度が得られると言
われている。
液晶ポリエステルをフィルム等の延伸成形体の製造に
使用することも既に提案されており、例えば特開昭62−
187033号公報には、芳香族ジカルボン酸単位(A)、脂
肪族ジオール単位(B)及びヒドロキシ芳香族カルボン
酸単位(C)から形成される熱液晶性ポリエステルから
なる層と少くともその片面にポリエチレンテレフタレー
ト成分も含有するポリエステルからなる層を有し、且つ
少くとも一方向に配向されていることを特徴とする積層
延伸成形品が記載されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、液晶ポリエステルの立体状容器への溶
融成形は、該ポリエステル分子が剪断応力のかかる方向
に配向する傾向があるため、成形自体かなり困難である
という問題がある。即ち、液晶ポリエステルの溶融物
は、通常のプラスチックの溶融物とは異なり、溶融流動
配向性がきわめて大きいため、この溶融物は一次元状に
流動しようとする傾向があり、ダイオリフィス内に一様
に分布させることが困難で、一様な肉厚の成形品を得る
ことがむずかしい。このような傾向は、液晶ポリエステ
ルと通常のポリエステルとの多層容器への押出成形や射
出成形の場合にも同様に認められる。
液晶ポリエステル層に、このような肉厚の不均一さ
や、層そのものが欠落した部分が存在すると、液晶ポリ
エステルが本来有する強度や耐気体透過性が損なわれる
ことになる。
従って、本発明の目的は、液晶樹脂を含む容器におい
て、器壁中に液晶樹脂が全体にわたって均一且つ一様に
分布され、且つ液晶樹脂が分子配向されることにより、
耐気体透過性が顕著に向上した液晶樹脂容器及びその製
造方法を提供するにある。
本発明の他の目的は、耐気体透過性と耐熱性との組合
せを有する液晶樹脂容器及びその製造方法を提供するに
ある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、熱可塑性樹脂と液晶樹脂との溶融混
合物を、容器形成用射出型中に高剪断条件下に射出し、
熱可塑性樹脂マトリックス中の液晶樹脂に分子配向を付
与することを特徴とする耐気体透過性の改善された液晶
樹脂容器の製造方法が提供される。
本発明によればまた、熱可塑性樹脂と液晶樹脂との混
合物を射出成形して得られる容器であって、実質上未配
向の熱可塑性樹脂マトリックス樹脂と該マトリックス中
の主として一軸方向に配向された液晶樹脂とから成る液
晶樹脂容器が提供される。
本発明においては、熱可塑性樹脂がポリエチレンテレ
フタレートまたはポリカーボネートであり液晶樹脂が液
晶ポリエステルであることが好ましい。
(作 用) 本発明の容器は、熱可塑性樹脂(液晶樹脂以外の熱溶
融可能な熱可塑性樹脂)と、この熱可塑性樹脂マトリッ
クス中に主として一軸方向に分子配向されて存在する液
晶樹脂とから成ることが顕著な特徴であり、熱可塑性樹
脂マトリックス樹脂は実質上未配向の状態で存在する。
本発明の容器において、液晶樹脂は主に一軸方向に分
子配向していることにより、耐気体透過性の改善、特に
酸素透過係数の減少が最も有効に行われることになる。
一般に、熱可塑性樹脂の酸素透過係数は樹脂の分子配
向により減少することが知られており、特に、延伸ブロ
ー成形容器のように、二軸配向、即ち二軸延伸により耐
気体透過性が向上することが知られている。しかしなが
ら、液晶樹脂の場合には、二軸延伸によりかえって耐気
体透過性が低下することが認められるのである。これ
は、液晶樹脂が主配向方向と直角方向(横断方向)には
配向が極めて起こりにくく、しかも横断方向の機械的強
度が低いために、前述した面方向の連続性が維持できな
くなるためと思われる。しかも、代表的な二軸延伸成形
容器であるポリエチレンテレフタレート(PET)の場
合、未延伸のものに比して二軸延伸でな酸素透過係数
(Po2)が約半分程度に減少するにすぎないのに対し
て、液晶樹脂の場合には、一軸配向により未配向のもの
に比してワンオーダー以上低い酸素透過係数(Po2)と
なるという予想外の利点がある。
しかも、液晶樹脂を一軸配向とすることは、容器成形
時における高剪断力下での流動配向をそのまま利用し得
るため、格別の延伸配向操作や設備を必要とせず、耐気
体透過性や力学的性質の顕著な改善が行われるという利
点をももたらす。
本発明の成形容器においては、液晶樹脂が熱可塑性樹
脂マトリックス中に多数の繊維状乃至薄片状で分散する
ことにより、繊維乃至薄片のバッフル効果により気体の
透過通路が長くなり厚みを増大したのと同様な作用が得
られるためである。
本発明の容器においては、熱可塑性樹脂マトリックス
が実質上未配向であることも耐気体透過性の点で重要で
ある。例えば、熱可塑性樹脂マトリックスを二軸延伸に
より分子配向させる場合には、マトリックス中に繊維状
乃至薄片状で分散した状態で存在する液晶樹脂分散体間
の間隙が引き伸ばされて、バッフル効果が失われるが、
或いはマトリックスと分散相との間にボイドが生じ、こ
れにより耐気体透過性の低下を招くことになる。これに
対し、熱可塑性樹脂マトリックスを未配向とすることに
より、液晶樹脂の一軸配向性が保持されると共に、液晶
樹脂の薄片の層状分布構造も保持されることになる。
本発明の液晶樹脂容器の製法は、液晶樹脂と熱可塑性
樹脂との混合物を用いることが第一の特徴である。即
ち、両樹脂成分を混合物の形で用いることにより、単一
の射出機を使用すればよく、射出操作が簡便となる。
この溶融混合物を冷却された射出型中に高剪断条件下
に射出すると、液晶樹脂に剪断力が加えられ、液晶樹脂
に顕著な流動配向が与えられ、熱可塑性樹脂マトリック
ス中に液晶樹脂が多数の繊維状乃至薄片状となって分散
し、これらの薄片が少なくともこれらの端縁部で厚み方
向に重なり合った状態となる。かくして、本発明方法に
よれば、液晶樹脂が連続した層と同様の効果を有し、且
つ分子配向、特に一軸方向に分子配向しており、しかも
熱可塑性樹脂マトリックスが実質上未配向である容器が
射出型中で形成されることになる。
(発明の好適態様) 本発明の容器の一例を示す第1図において、この容器
1はトレイの形状をしており、短い筒状或いはテーパー
状の胴部2、胴部の下端に連なる閉塞底部3及び胴部の
上端に設けられたビード乃至フランジ状開口端部4から
成っている。この容器1と別個に蓋5があり、この蓋5
とビード乃至フランジ状開口端部4との間でヒートシー
ル等による密封が行われる。尚、閉塞底部3の中央に位
置する突起6は射出型のゲートに対応するものである。
容器の他の例を示す第2図において、容器1はカップ
或いはシームレスプラスチック完の形状をしており、や
はり筒状乃至テーパー状の胴部2、閉塞底部3及びビー
ド乃至フランジ状開口端部4から成っている。蓋5と容
器1との密封はヒートシールにより、或いは巻締めによ
り行われる。
これらの容器壁の断面構造を示す第3図において、容
器壁7は、実質上未配向の熱可塑性樹脂マトリックス8
の全体にわたって、分散された多数の繊維状乃至薄片状
の液晶樹脂9とから成る。液晶樹脂9の薄片は少なくと
もその端縁で重なり合っている。またこの液晶樹脂9は
一軸方向に高度に分子配向されている。
液晶樹脂が顕著に一配向している事実は、X線回折に
より確認される。第4−A図は、本発明の容器、即ち後
述する実施例1のポリエチレンテレフタレート及び液晶
樹脂から成る射出成形による容器について、胴部器壁に
対して垂直方向にX線を照射したときのX線回折写真で
ある。この写真の上下方向が容器軸方向及び水平方向が
容器の周方向に対応するが、この写真から容器軸方向へ
の分子配向に伴なう顕著な干渉スポットが表われている
こと、及びポリエチレンテレフタレートが実質上未配向
であること(これは密度測定及び蛍光偏光による配向度
測定により確認される)から、液晶樹脂が顕著に一軸配
向されていることが明らかとなる。比較として、第4−
B図は、PET単体からなる容器胴部のX線回折写真を示
す。
液晶樹脂の一軸配向の程度は、下記式 式中、I(β)は、Niフィルター下で、CuKα線を用
い、サンプルを軸方向にセットし赤道上最も強い回折ピ
ークの角度(2θ=20゜)に固定し、方位角方向にスキ
ャンさせたときの回折強度であり、βはその方位角を表
わす。
で定義される配向度(F)により評価できる。第5−A
図は、第4−A図及び第4−B図の試料ついて、2θを
15゜から40゜までスキャンさせたときのX線強度分布曲
線であり、第5−B図は、第4−A図の試料について、
2θ=20゜に固定し方位角βを0゜から360゜までスキ
ャンさせたときのX線強度分布曲線を示す。
本発明の容器について、液晶樹脂は一般に50%以上、
好適には70%以上の配向度(F)を示す。配向度(F)
が40%程度では、酸素透過係数(Po2)が1×10-12cc・
cm/cm2・sec・cmHgのオーダーにすぎないのに対して、
配向度(F)が70%以上になると、酸素透過係数(P
o2)が1×10-19cc.cm/cm2・sec・cmHg以下のオーダー
となることから、配向による酸素透過係数(Po2)の向
上が明白となろう。
本発明の多層容器において、熱可塑性樹脂は、実質上
未配向の状態であることは既に前述した通りであるが、
この熱可塑性樹脂はX線回折学的に或いは密度結晶法的
に、非晶質の状態から高度に結晶化れた状態迄種々の状
態をとり得る。一般に結晶性熱可塑性樹脂は、融点直下
の温度からガラス転移点(Tg)迄の間にその樹脂に特有
の結晶化温度域を有しているので、この温度に樹脂を加
熱処理することにより種々の程度に熱結晶化させること
が出来る。結晶性熱可塑性樹脂を熱結晶化させることに
より、その耐熱性や剛性が顕著に向上するので、この容
器をオーブントースター、電子オーブンレンジ等で再加
熱乃至調理可能な包装容器として適用することが可能と
なる。
結晶樹脂としては、芳香族ジカルボン酸成分と芳香族
ジオール成分とから重縮合により誘導されたポリエステ
ル;芳香族ヒドロキシカルボン酸の重縮合により得られ
たポリエステル;上記二つのポリエステルの共重合ポリ
エステル;及びこれらのポリエステルとポリエチレンテ
レフタレートのコポリエステル等、サーモトロピックな
ものを挙げることができる。
全エステル反復単位中の2価炭化水素基当りの2価芳
香族基の割合は、例えばポリエチレンテレフタレートで
は50%であるが、本発明に用いる液晶樹脂では50乃至10
0%の範囲にあることが望ましい。
その適当な例は、(1)式 で表わされる反復単位から成るポリエステル、例えばセ
ラニーズ社のベクトラ、 (2)式 で表わされる反復単位から成るポリエステル、例えばダ
ートコ社のザイダー、 (3)式 の反復単位から成るポリフェニルハイドロキノンテレフ
タレート、 (4)式 の反復単位からPHB/PET共重合体等であるが、これらの
例に限定されない。
本発明に使用する液晶樹脂は、フィルムを形成するに
足る分子量を有するべきであり、一般に200乃至400℃で
熱成形可能なものが好ましい。
液晶樹脂と組合わせで用いる熱可塑性樹脂は、容器へ
の溶融成形に使用される通常の熱可塑性樹脂である。こ
のような熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート等の芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールと
から誘導された熱可塑性ポリエステル;芳香族ジカルボ
ン酸とビスフェノールAの如きビスフェノール類とから
誘導されたポリアリレート;2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンカーボネート等のポリカーボネー
ト;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリメタキ
シリレンアシパミド、ポリヘキサメチレンテレフタミド
等のポリアミド;超高分子量のポリプロピレン、プロピ
レン−エチレン共重合体、ポリ4−メチルベンテン−1
等の超高分子量オレフィン樹脂等やこれらの2種以上の
ブレンド物が挙げられる。これらの内でもポリエチレン
テレフタレートが最も好ましい。
液晶樹脂と熱可塑性樹脂との配合比率は、最終容器の
耐気体透過性、容器の強度及び耐熱性並びに容器の肉厚
の均一性や外観特性に重大な影響を及ぼす。即ち、液晶
樹脂の配合比があまり少なくなると、耐気体透過性等の
改善が不十分となり、一方熱可塑性樹脂の配合比があま
り少なくなると、射出成形性が低下して容器の外観特性
等が損なわれることになる。本発明においては、二成分
基準で液晶樹脂が1乃至99重量%、特に3乃至97重量
%、最も好適には5乃至95重量%の量で、熱可塑性樹脂
は残余の量で存在するのがよい。
本発明においては、液晶樹脂と熱可塑性樹脂とを混合
物の形で射出機のホッパーに供給する。この混合物は、
両者のドライブレンドでもよいし、メルトブレンドでも
よい。ドライブレンドは、例えばリボンブレンダー、コ
ニカルブレンダー、ヘンシェルミキサーのような各種混
合機を用いて行うことができ、一方メルトブレンドは単
軸または二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、
ロール等を用いて行うことが出来る。一般には操作の簡
便さ、前述した分布構造の発現の容易さ等からドライブ
レンドを用いることが推奨される。
容器の成形に際しては、前記混合物を高剪断条件下
で、冷却された射出型中に溶融射出する。射出機として
は、射出プランジャーまたはスクリューを備えたそれ自
体公のものが使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通
して前記混合物を射出型中に射出する。これにより、樹
脂流中に前述した分布構造が形成されると共に、液晶樹
脂に顕著な流動配向が付与されて、射出型キャビティ内
に流入し、冷却固化されて本発明の容器となる。射出型
としては、容器形状に対応するキャビティを有するもの
が使用されるが、前述した流動配向を一軸配向に固定さ
せるためには、ワンゲート型の射出型を用いるのがよ
い。
射出型から型開きして取り出される容器は、これをそ
のまま包装容器としてユーザーに供給することも可能で
あるが、一般には射出成形された容器を熱処理すること
が好ましい。この熱処理には、二つの作用があり、一つ
は熱可塑性樹脂を結晶化させることであり、二つの樹脂
結晶の一軸配向層を熱固定することである。熱可塑性樹
脂を熱結晶化させることにより、容器の耐熱性が顕著に
向上し、調理時の変形防止や内容品への移行性の問題が
有効に解消される。ポリエチレンテレフタレートの場
合、密度法による結晶化度が10%以上、特に20%以上と
なるように熱結晶化させることがこの目的に有用であ
る。液晶樹脂を熱固定乃至熱処理することにより、容器
の耐酸素透過性は向上し、且つ引張り強度や弾性率等の
力学的性質が向上するのみならず、高温における強度及
び弾性率の保持率も向上する。
本発明の容器及びその製法においては、本発明の精神
を逸脱しない範囲内で多くの変更が可能である。
(発明の効果) 本発明の容器では、多数の繊維状乃至薄片状の液晶樹
脂が熱可塑性樹脂マトリックス中の全体にわたって分散
し、液晶樹脂のバッフル効果により透過通路が長くなり
厚みを増大したのと同様な作用、及び液晶樹脂が高度に
一軸配向されていることにより顕著な耐気体透過性の改
善を示す。また、この液晶樹脂の配向層は著しく高い弾
性率及び強度を有することから、ビール、炭酸飲料、或
いはエアゾール製品等を収容する耐圧容器として有用で
あり、また高湿度条件下でも優れた耐気体透過性を有す
ることから、内容物保存性にも特に優れている。更に、
この容器は耐熱性にも優れており、内容物を熱間充填
し、或いは加熱殺菌する容器として、また加熱再調理用
包装容器としても有用である。
(実施例) 次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。な
お、実施例及び比較例に記載の容器材料及び容器特性の
評価の測定方法は、それぞれ下記の方法に従って行っ
た。
(a)射出成形機 射出成形機FS−75N III型(日精樹脂工業株式会社
製) (b)射出条件 下記の成形条件(設定値)で成形を行った。
シリンダー温度 290℃ 金型温度 30℃ 射出圧力 25%から90% 射出速度 50% 金・型 肉厚0.8mmのカップ 射出時間 5sec 冷却時間 10sec (c)酸素透過度(Qo2) 酸素濃度測定装置、ヒートシール装置、及びカップ試
料を脱気箱の中に設定した後、N2を約10m/minの流速で
脱気箱の中に流し込み、余分な空気は排気管より排出す
る。酸素濃度が0.02%以下になったとき、1ccの水をい
れたカップにアルミ蓋をヒートシールする。ヒートシー
ルが終了したカップは蓋材にセプタムをシリコン系の接
着剤で接着する。恒温恒湿槽で一定期間放置した後、セ
プタムよりシリンジを挿入し、一定量の気体を取り、ガ
スクロマトグラフにかける。酸素濃度を経時的に測定
し、酸素透過量の増加が一定になったときの速度より、
酸素透過度Qo2(cc/m2・day・atm)を計算する。
(d)結晶化度(Xc) n−ヘプタン−四塩化炭素系密度勾配管(池田理化学
株式会社製)を作成し、20℃の条件下でサンプルの密度
を求めた。これより、以下の式に従い結晶化度Xc(%)
を算出した。
ρ;測定密度(g/cm3) ρam;非晶密度(1.335g/cm3) ρc;結晶密度(1.455g/cm3) ただし、ブレンドの場合、LCPが100%結晶化している
として、混合比率より、PETのみの密度を計算し、測定
密度とした。
(e)配向度 理学電機工業株式会社製のX線回折装置ガイガー・フ
レックス RED−Bのボール・フィギア法を使い、サン
プルを軸方向にセットし、Niフィルター下でCuKα線を
赤道上の最も強い回折ピークに2θの角度を固定し、方
位角方向にサンプルをβ=0゜から90゜回転させ、強度
分布曲線を求め、次のように結晶の配向度指数と配向度
を測定した。
I(β)は、赤道方向で回折ピーク2θ=20゜の位置で
方位角スキャンしたときの回折強度であり、βはその方
位角である。ベースラインは回折強度の極小ピーク強度
とした。
配向度Fが0%に近い程、配向が弱く、100%に近い
程、配向が強い。
(f)液晶分布状態の観察 容器を樹脂の流入方向とその直角方向に対し小片を採
取し、ミクロトームでその断面を薄く削取り、実体顕微
鏡にて断面を写真に取り、液晶の分布状態を観察した。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート(PETと略記、ユニチカ
製、SA−1206、極限粘度I.V.=1.07)と液晶ポリエステ
ル(LCPと略記、セラニーズ社製、A−950)を、第1表
の混合比率にてペレット形状のまま混合し、ドライブレ
ンドとした。この混合物を除湿式ホッパードライヤーに
て140℃で5時間以上乾燥し、水分を充分に除去した
後、樹脂温度が290〜310℃になるように温度設定した射
出成形機(日精樹脂工業株式会社製FS−75N III型)で
溶融射出し、第2図に示した容器の成形を行った。得ら
れた容器は、光沢があり、LCPは一様に分散された外観
を示している。
比較のために、使用したPETとLCPをそれぞれ単体で上
記実施例1と同様に溶融射出し、第2図に示した容器の
成形を行った。得られた容器の酸素透過度を測定した。
その結果は第1表に示す。また、液晶の分布状態を前記
(f)の方法により得た写真の模式図である第6−A図
に示す。液晶が一様に分散することにより、バリヤー性
が得られたものと思われる。
比較例1 実施例1と同様の材料を用い、2種3層の積層Tダイ
と押出機を使用し、積層シートを作成し、それをサーモ
フォーマーにて真空成形を行い、第2図に示した容器と
同等のカップを作成した。積層シートの構成は中間層に
実施例1と同じ混合比の液晶樹脂とPETのドライブレン
ドを、内外層にPET単体をそれぞれ投入した。
押出成形時の剪断速度は実施例1と射出成形に比べ格
段に低く、そのため中央部に位置する液晶樹脂にも剪断
はあまり掛からず、従って液晶の配向も低くなった。
押出成形時の剪断速度は約12sec-1と極めて低くその
ため液晶樹脂も低い分子配向しか得られなかった。それ
に比べ、射出成形時の剪断速度は約103から105sec-1
極めて高く、そのため液晶樹脂も高い分子配向が得られ
た。
前記実施例および比較例で成形した容器を用いて、酸
素透過度及び配向度の測定をした。測定結果は、第1表
に示す。また、比較例については液晶の分散状態を観察
した結果を写真の模式図である第6−B図に示す。ま
た、器壁厚み方向に透視したときの液晶の分散状態を観
察した結果を写真の模式図である第6−C図に示す。分
布状態についてはカップ胴壁中央部を採取し、サンプル
とした。
この表と写真の模式図により、液晶が一様に分散して
いない場合は、ガスバリヤー性が低いことが分かる。特
に、実施例に比べ比較例はLCPの分散状態が乱され、し
かも液晶樹脂の一軸配向が乱されている場合に、ガスバ
リヤー性が低いことが分かる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明の容器の側断面図である。 第3図は、第1図及び第2図の容器の器壁の断面構造の
一例を示す拡大断面図である。 第4−A図及び第4−B図は、容器胴部に垂直にX線を
照射したときのX線回折写真である。 第5−A図、第5−B図は、X線の強度分布曲線であ
る。 第6−A図、第6−B図は、それぞれ実施例1及び比較
例1で作成した容器胴部の側断面写真の模式図であり、
第6−C図の比較例1で作成した容器胴部の透視面写真
の模式図である。 引照数字1は容器、2は胴部、3は閉塞底部、4は開口
端部、5は蓋、6は突起、7は容器壁、8は熱可塑性樹
脂マトリックス、9は液晶樹脂の繊維または薄片状分散
を各々示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂と液晶樹脂との溶融混合物
    を、容器形成用射出型中に高剪断条件下に射出し、熱可
    塑性樹脂マトリックス中の液晶樹脂に分子配向を付与す
    ることを特徴とする耐気体透過性の改善された液晶樹脂
    容器の製造方法。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレー
    ト又はポリカーボネートであり、液晶樹脂が液晶ポリエ
    ステルである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】液晶樹脂が主として一軸方向に分子配向さ
    れる請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂と液晶樹脂との混合物を射出
    成形して得られる容器であって、実質上未配向の熱可塑
    性樹脂マトリックス樹脂と該マトリックス中の主として
    一軸方向に配向された液晶樹脂とから成る液晶樹脂容
    器。
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