JPH089160B2 - 気泡噴流式バリ取り方法およびその装置 - Google Patents

気泡噴流式バリ取り方法およびその装置

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JPH089160B2
JPH089160B2 JP62008297A JP829787A JPH089160B2 JP H089160 B2 JPH089160 B2 JP H089160B2 JP 62008297 A JP62008297 A JP 62008297A JP 829787 A JP829787 A JP 829787A JP H089160 B2 JPH089160 B2 JP H089160B2
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由紀夫 長山
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株式会社芝浦製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、液槽内の常に所定の深さに保持された液
体中に工作物を浸漬し、この液体中に液槽の液面の上方
より所定の空隙を介して圧力流体を噴射し、液面と流体
が衝突する際周囲の空気を巻込むことと、キャビテーシ
ョンにより液体中に発生する多量の気泡を前記圧力流体
により圧縮し圧縮気泡とし、この圧縮気泡を含んだ気泡
噴流を工作物に衝突させて工作物のバリを除去する気泡
噴流式バリ取り方法およびその装置に関するものであ
る。
「従来の技術」 従来のバリ取り方法およびその装置としては、主とし
て湿式ブラスト式バリ取り方法およびその装置と超高圧
水ジエット直射式バリ取り方法およびその装置とが用い
られていた。
そして、湿式ブラスト式バリ取り方法およびその装置
は、工作物のバリを除去するのに、例えば第2図に示
す、金属のフレーム1と、このフレーム1に取付けられ
た半導体を樹脂でモールドしたモールド部2とから成る
半導体リードフレーム(以下、リードフレームと略記す
る)3のフレーム1とモールド部2の接合部に発生した
樹脂のバリ4を除去するのに、研磨材を混入した圧力水
をバリ4の発生部に吹き付けてバリ4を除去する方法お
よびその装置がある。
また、超高圧水ジエット直射式バリ取り方法およびそ
の装置は、工作物のバリを除去するのに、例えばリード
フレーム3のバリ4を除去するのに、直径0.1〜0.4mmの
ノズルをモールド部2の周辺に沿って高速偏心回転させ
ながら移動させ、最高圧力2,000kg/cm2の超高圧水を毎
分1〜2l、ノズルより噴射させたときに発生する超高圧
水ジエットを、バリ4の発生部を狙って直射してバリ4
を除去する方法およびその装置である。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、前記の湿式ブラスト式バリ取り方法お
よび装置は、リードフレーム3のモールド部2のバリ4
の発生部に研磨材を混入した圧力水を吹付けるために、
研磨材がモールド部2に喰込み、製品を不良にしたり、
また、研磨材がモールド部2に喰込まないようにするた
めには、モールド部2を鉄板等でマスキングしなければ
ならず、それには多くの工数を要し、また、フレーム1
に研磨材が喰込み、次工程で半田メッキ処理する際、半
田ヌレ性(リードフレームと半田の密着性)が低下する
等の問題点があった。
また、超高圧水ジエット直射式バリ取り装置では、超
高圧水とリードフレームとの接触は点接触に近いのでノ
ズルをリードフレーム3のモールド部2の周辺にそって
高速偏心回転させながら移動させても、除去効率が低
く、除去のし残し等の問題点があり、バリ4の発生部を
狙ってノズルより超高圧水ジエットを直射するため、リ
ードフレーム3の強度が小さい場合にはこれを変形させ
たり、最高圧力2,000kg/cm2の超高圧水を使用するた
め、ポンプ装置等が大型となり装置自体も大型化する。
しかもノズルやポンプ装置の騒音が大きく、かつ超高圧
部に使用するノズル、ホース、パッキング等の寿命が短
い等の問題点があり、保守の間隔が短く、また、保守に
要する時間も長くがなる。
この発明は、これらの問題点を解決するためになされ
たものである。
「問題点を解決するための手段」 前記の問題点を解決するための手段として、この発明
は、液槽内の常に所定の深さに保持された液体中に工作
物を浸漬して配置し、液槽の液面より上方に所定の空隙
を介して噴射ノズルを配置して、この噴射ノズルと工作
物を相対的に移動させながら、噴射ノズルより工作物を
浸漬した液体中に流体を噴射し、液体の液面と流体が衝
突する際周囲の空気を巻込むことと、キャビテーション
により前記液体中に発生する多量の気泡を前記圧力流体
により圧縮し圧縮気泡とし、この圧縮気泡を含んだ噴射
流体の循環流すなわち気泡噴流を工作物に衝突させて、
工作物のバリを除去するようにする。
「作用」 本発明の気泡噴流式バリ取り方法おいては、液槽の液
体中に液面の上方の噴射ノズルより流体を噴射すると、
液面と流体が衝突する際周囲の空気を巻込むことと、キ
ャビテーションにより液槽の液体中には多量の気泡が発
生する。一方、噴射ノズルより液槽の液体中に噴射され
た噴射流体は、液体との接触により減速され、かつ液体
中に拡散しながら液体中を下降し、液槽の底面に衝突す
ると反転して上昇する循環流を形成し、この循環流に巻
込まれた気泡は下降する噴射流体により圧縮されて圧縮
気泡となる。そして、液槽の底面に配置された工作物
に、この圧縮気泡を含んだ噴射流体の循環流すなわち気
泡噴流が衝突すると、その噴射流体の衝突エネルギーと
圧縮気泡の破裂による衝撃作用の相乗効果により、工作
物のバリを有効に除去することができる。
また、本発明の気泡噴流式バリ取り装置においては、
常に所定の深さに液体を保持する液槽と、この液槽の液
面の上方に所定の空隙を介して配置さた圧力流体を噴射
する噴射ノズルと、前記液槽の液体中に浸漬して配置さ
れた工作物とからなり、この工作物と前記噴射ノズルを
相対的に動かすことにより、工作物のバリを有効に除去
することができる。
「実施例」 以下に、この発明の気泡噴流式バリ取り方法およびそ
の装置の一実施例を図面について説明する。
第1図はこの発明の気泡噴流式バリ取り方法の実施に
使用する装置の一実施例の要部断面正面図である。
第1図および第2図において同一参照番号は同一部材
を示す。
第1図に示すように、オーバフローポート5を有する
液槽6内に、オーバフローポート5を介して常に所定の
深さhを保持するように供給される液体7中に、工作
物、例えば前記リードフレーム3を浸漬して配置すると
ともに、液槽6の液面より上方に所定の空隙Aを介して
噴射ノズル8を配置し、リードフレーム3を送り装置
(図示せず)により矢印9の方向に移動させながら、か
つ、噴射ノズル8を定位置で偏心回転させるかまたは矢
印9に直角な水平方向(リードスレームの表面)に対し
往復動や揺動させながら、噴射ノズル8よりホース10を
介して圧力流体を液槽6の液体7中に噴射する。しかる
ときは、液体7中には液面と流体が衝突する際周囲の空
気を巻込むことと、キャビテーションにより多量の気泡
が発生する。一方、噴射ノズル8より液体7中に噴射さ
れた噴射流体11は、液体7との接触により減速され、か
つ液体7中に拡散しながら液体7中を下降し、液槽6の
底面12に衝突すると反転して液体7中を上昇する循環流
を形成し、この循環流に巻込まれた気泡は下降する噴射
流体11により圧縮されて圧縮気泡13を形成する。そし
て、この圧縮気泡13を含んだ噴射流体11の循環流すなわ
ち気泡噴流が、液槽6の底面12に配置されたリードフレ
ーム3のバリ4に衝突すると、噴射流体11の衝突エネル
ギーと、圧縮気泡13の破裂による衝撃作用の相乗効果に
より、リードフレーム3のバリ4を有効に除去すること
ができる。
また、バリ取り効果を高めるために、液槽6内の液体
7または噴射ノズル8より噴射する噴射流体11の一方に
研磨材を混入してもよい。
また、液体7を水、噴射流体11を空気または水とすれ
ば一番経済的である。そして、噴射流体11を水とした場
合、例えば、圧力500〜600kg/cm2の圧力水を毎分約0.6l
噴射ノズル8より噴射すれば十分である。
また、液体7をアルカリ電解液、噴射流体11を空気ま
たはアルカリ電解液とすれば、アルカリ電解液は樹脂を
軟化させる作用があるので、リードフレーム3のモール
ド部2のバリ取り効果を更に高めることができる。
また、オーバフローポート5により液槽6内の液面を
液槽6の上端面に対して常に一定にしているので、液面
と噴射ノズル8の間隔Aは常に一定に保たれるので均一
なバリ取りができる。
さらに、バリ取り以外にも洗浄や剥離等の処理方法や
その装置に応用することも可能である。
「発明の効果」 以上述べたように、この発明の気泡噴流式バリ取り方
法は、液槽内に所定の深さに保持された液体中に工作物
を浸漬して配置するとともに、液槽の液面より上方に所
定の空隙Aを介して噴射ノズルを配置し、この噴射ノズ
ルと工作物を相対的に移動させながら、液体中に噴射ノ
ズルより圧力流体を噴射し、液面と流体が衝突する際周
囲の空気を巻込むことと、キャビテーションにより液体
中に発生する多量の気泡を圧力流体により圧縮し圧縮気
泡とし、この圧縮気泡を含んだ噴射流体の循環流すなわ
ち気泡噴流を、工作物に衝突させて、工作物のバリを除
去するものである。従って、従来の湿式ブラスト式バリ
取り方法のように、研磨材を混入した圧力水を工作物に
直接吹き付けないので、工作物が研磨材の喰込み易い材
質でできていても研磨材が工作物に喰込むことがないの
で、工作物を不良品にすることはなく、また研磨材の喰
込みを防止するために工作物をマスキングする必要もな
い。また、フレームに研磨材が喰込まないので、次工程
で半田メッキ処理する際、半田ヌレ性が向上する。
また、この発明の気泡噴流式バリ取り装置は、超高圧
水ジエット直射式バリ取り装置のように、超高圧水ジエ
ットを工作物のバリの発生部を狙って直射しないので、
工作物の強度が低くてもこれを変形させることがなく、
噴射ノズルより噴射される圧力流体は圧力が低く、噴射
量が少ないため、ポンプ装置等を小型化することができ
装置自体も小型化できるとともに、噴射ノズルやポンプ
装置の騒音を低減することができ、かつ噴射ノズル、ホ
ース、パッキング等の寿命を延ばすことができるので保
守の間隔を長くでき、保守に要する時間も短くできる等
の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の気泡噴流式バリ取り方法の実施に使
用する装置の一実施例の要部断面正面図。 第2図は半導体リードフレームの斜視図である。 1…フレーム、2…モールド部、3…半導体リードフレ
ーム、4…バリ、5…オーバフローポート、6…液槽、
7…液体、8…噴射ノズル、11…噴射流体、13…圧縮気
泡。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液槽内の常に所定の深さに保持された液体
    中に工作物を浸漬して配置するとともに、前記液槽の液
    面より上方に所定の空隙を介して噴射ノズルを配置し、
    この噴射ノズルと前記工作物を相対的に移動させなが
    ら、前記液体中に前記噴射ノズルより圧力流体を噴射
    し、このとき液面と流体が衝突する際周囲の空気を巻込
    むことと、キャビテーションにより前記液体中に発生す
    る気泡を、前記圧力流体により圧縮し圧縮気泡とし、こ
    の圧縮気泡を含んだ噴射流体の循環流すなわち気泡噴流
    を前記工作物に衝突させて、前記工作物のバリを除去す
    ることを特徴とする気泡噴流式バリ取り方法。
  2. 【請求項2】常に所定の深さに液体を保持する液槽と、
    この液槽の液面の上方に所定の空隙を介して配置さた圧
    力流体を噴射する噴射ノズルと、前記液槽の液体中に浸
    漬して配置された工作物とからなり、この工作物と前記
    噴射ノズルを相対的に動かすことを特徴とする気泡噴流
    式バリ取り装置。
JP62008297A 1987-01-19 1987-01-19 気泡噴流式バリ取り方法およびその装置 Expired - Lifetime JPH089160B2 (ja)

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JPS5542734A (en) * 1978-09-19 1980-03-26 Inoue Japax Res Inc Barrel grinding method
JPS60168554A (ja) * 1984-02-13 1985-09-02 Sugino Mach:Kk 液中ジエツト噴射用ノズル

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