JPH0889924A - 飛灰等の溶融装置 - Google Patents

飛灰等の溶融装置

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JPH0889924A
JPH0889924A JP6227064A JP22706494A JPH0889924A JP H0889924 A JPH0889924 A JP H0889924A JP 6227064 A JP6227064 A JP 6227064A JP 22706494 A JP22706494 A JP 22706494A JP H0889924 A JPH0889924 A JP H0889924A
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JP
Japan
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fly ash
furnace
melting
electrode rod
electrode
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Application number
JP6227064A
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English (en)
Inventor
Junya Nishino
順也 西野
Tetsuya Watanabe
哲也 渡辺
Takeo Kobayashi
武男 小林
Jujiro Umeda
十次郎 梅田
Takeshi Sakurai
健士 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 飛灰等の溶融装置に係るもので、溶融炉の運
転の安定と熱効率の向上とを図り、電極部分の消耗を低
減し、溶融炉の起動時に、投入物を速やかに溶融状態に
導くとともに、溶融炉からの排出ガス中への二次飛灰の
混入を低減する。 【構成】 飛灰等を溶融炉に投入して加熱することによ
り溶融状態に導く装置として、炉壁の天井部分に配され
る電極棒昇降手段と、該電極棒昇降手段に支持され炉内
に挿入される電極棒と、電極棒と対向状態に配される炉
底電極と、電極棒及び炉底電極に給電を行なう給電手段
とを具備する構成が採用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飛灰等の溶融装置に係
り、特に、ごみや産業廃棄物等を焼却した際に生成され
る飛灰等の溶融処理を、効率よく行なう技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ等の被焼却物を焼却するための
焼却炉の例として、実開平3−56027号「流動床式
焼却炉」が提案されている。また、飛灰(ダスト)を溶
融炉で溶融処理する関連技術例として、以下の提案がな
されている。 特開昭58−030382号「ダストの処理方法」 特開昭58−040791号「出滓方法」 特開昭60−053780号「直接通電式溶融処理炉
の電極挿入制御装置」 特開昭60−054780号「ダストの溶融処理炉」 特公昭63−051755号「ダストの処理方法」 特開昭63−315187号「焼却炉排ガスの処理
法」 特開平02−099184号「重金属含有ダストの無
害化処理方法」 これらの技術では、都市ごみ等の焼却炉から排出される
飛灰(ダスト)を溶融炉で溶融処理してダストの溶融固
化を行なう際に、溶融時に生じる諸問題を解決するよう
にしている。
【0003】例えば従来技術例にあっては、炉内に水
平方向に対向状態の一対の電極を配しておいて、電極間
に介在している溶融物に通電して温度を上昇させ、炉内
に投入したダストの溶融を促進させるとともに、比重差
に基づいて、水に可溶性成分の上層の溶滓と、水に難溶
性成分の下層の溶滓とに分離させて出滓し、ダストの減
容化及び無害化を図るようにようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのダス
トの溶融処理技術であると、以下のような解決すべき課
題が残される。 a)飛灰(ダスト)が微粒子状態であるため、供給した
飛灰が溶融炉の内部で飛散して排ガスへの混入量が大き
くなり易く、溶融炉からの排ガスの処理施設が複雑化す
る。 b)電極配置に基づいて水平方向に加熱されるため、溶
融物中に比重差により分離した塩層やスラグ層の一部の
みが加熱され、溶融効率が低下し易い。 c)上記により塩層やスラグ層の状態によって、抵抗値
が変動し溶融炉の安定運転性が低下する。 d)溶融炉の起動時に、投入物を溶融状態に導くまでの
時間が長くなり易い。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、以下の目的を達成しようとしている。 溶融炉の運転時の制御を容易にし、安定な運転状態を
得ること。 電極部分の消耗を低減すること。 溶融炉の熱効率を向上させ、小型化を図ること。 溶融炉の起動時に、投入物を速やかに溶融状態に導く
こと。 溶融炉からの排出ガス中への二次飛灰の混入を低減す
ること。 飛灰とともに溶融炉に混入した金属の処理を簡単にす
ること。
【0006】
【課題を解決するための手段】ごみや産業廃棄物等を焼
却した際に生成される飛灰等を溶融炉に投入して加熱す
ることにより溶融状態に導く飛灰等の溶融装置として、
溶融炉の天井部分に配される電極棒昇降手段と、該電極
棒昇降手段に支持され炉内に挿入した状態で昇降させら
れる電極棒と、溶融炉における炉底部に電極棒と対向状
態に配される炉底電極と、電極棒及び炉底電極に接続さ
れ給電を行なう給電手段とを具備する構成を採用してい
る。給電手段にあっては、直流電源とされ、電極棒が正
極に設定される。電極棒昇降手段にあっては、立設状態
の垂直ガイドと、該垂直ガイドに昇降可能に支持され電
極棒を上下移動させる昇降アームと、該昇降アームに駆
動力伝達系を介して接続される駆動源とを具備する構成
が採用される。溶融炉の天井部分に、飛灰投入口が配さ
れ、該飛灰投入口に飛灰の供給を行なう飛灰供給手段が
接続される構成が付加される。電極棒の中心に、飛灰供
給手段に接続状態の中心供給穴が明けられる構成が付加
される。飛灰供給手段にあっては、飛灰を定量ずつ供給
する定量供給装置を具備する構成が付加される。炉底電
極にあっては、耐熱性及び導電性材料からなる皿状構造
物とされる構成が採用され、皿状構造物の下表面が、溶
融炉における炉底から露出状態に配される技術や、皿状
構造物に、その下表面に冷媒を接触させて冷却を行なう
炉底冷却手段が配される技術が付加される。さらに、炉
底電極は、MgO−C材等の導電性を有する耐火物によ
って形成され、炉底冷却手段には、炉底電極の下部を間
隔を空けて囲み、冷媒を挿通させる空気バリアが配され
る。
【0007】
【作用】焼却により生成された飛灰は、溶融炉の内部に
供給され、給電手段の作動により溶融状態に導かれる。
この際に、電極棒昇降手段により電極棒の上下位置を調
整して、電極棒を下げて炉底電極との間でアーク放電を
行なって、炉内に投入された飛灰をアーク熱により溶融
状態に導き、溶融物が形成された後にあっては、電極棒
を上げて炉底電極との間の通電により抵抗発熱を生じさ
せ、溶融状態を保持する。電極棒と炉底電極との間に直
流通電を行ない、電極棒を正極に設定すると、溶融物内
に一定のイオン流が流れるとともに、電極棒の表面に陰
イオンが介在することにより、通電が安定化する。電極
棒昇降手段における駆動源の作動時に、駆動力が駆動力
伝達系を介して昇降アームに伝達され、昇降アームの平
行移動により電極棒が昇降させられる。飛灰供給手段の
作動により、飛灰投入口から飛灰の供給がなされ、飛灰
の粒子の大きさが複数種類ある場合には、粒子の大きな
飛灰を飛灰投入口から投入し、粒子の小さな飛灰を電極
棒の中心供給穴から、直接溶融物の中に投入することに
より、飛灰の飛散抑制が図られる。定量供給装置が設置
されている場合には、溶融炉の内部に飛灰の定量供給が
なされる。また、溶融炉の内部では、上下方向に電流を
流すことによって投入物の加熱が行なわれ、溶融物の下
方の温度が高く上方の温度が低くなる温度勾配が発生し
て、溶融物から投入物への熱供給が円滑に行なわれる。
炉底電極が皿状構造物であると、その窪部に溶融物中の
比重の大きな金属分が集積して貯留状態となり、必要に
応じてその近傍から金属分の取り出しが行なわれる。皿
状構造物は、炉底冷却手段の作動時に、冷媒との接触に
より除熱冷却される。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る飛灰等の溶融装置の一実
施例を、図1ないし図3に基づいて説明する。図におい
て、符号1は溶融炉、2は給電手段、3は電極棒昇降手
段、4は飛灰供給手段、5は排ガス処理手段、6は炉底
冷却手段、11は炉壁、12Aは電極棒、12Bは炉底
電極、13は飛灰投入口、14はシール装置、15は排
ガス口、16Aは塩出滓口,16Bはスラグ出滓口、1
6Cはメタル出滓口、17は絶縁部である。
【0009】前記溶融炉1にあっては、炉壁11の部分
が、図3に示すように、断熱耐熱材11Aの外表面を金
属板からなる表面板11Bで覆った構造とされる。
【0010】溶融炉1の天井部分には、電極棒昇降手段
3によって支持され炉内の内部まで挿入された状態の電
極棒12Aと、飛灰の供給を行なうための飛灰投入口1
3と、電極棒12Aの挿通部分の気密性を確保するため
のシール装置14と、炉内のガスを排出するための排ガ
ス口15とが配される。
【0011】炉壁11の側部下方には、炉内に形成され
る塩層、スラグ層及びメタル層に対応して、これを炉外
に出滓するための塩出滓口16A,スラグ出滓口16B
及びメタル出滓口16Cが配される。
【0012】炉壁11の底部には、断熱耐熱材11A及
び表面板11Bに代えて、電極棒12Aに対して上下方
向に対向状態の炉底電極12Bと、表面板11Bと炉底
電極12Bとの間に介在して電気絶縁性を確保する絶縁
部17とが配される。
【0013】前記給電手段2は、直流低電圧大電流(ま
たは交直両方の低電圧大電流)を発生する電源部21
と、該電源部21と電極棒12A及び炉底電極12Bと
の間を接続する上下に分けた給電路とを有しており、図
1例では、電極棒12Aへの給電路が、電源部21の正
極(+極)に接続されるブスバー22と、該ブスバー2
2を立ち上げ状態に支持する支持構造物23と、ブスバ
ー22の先端に接続され可撓性を有する編組線24と、
該編組線24の先端に接続されるとともに電極棒昇降手
段3によって水平状態に支持される水平導体25と、該
水平導体25の先端に配され電極棒12Aを挟持するた
めの導電性クランプ26とによって構成される。そし
て、炉底電極12Bへの給電路が、電源部21の負極
(−極)に接続されるブスバー27と、該ブスバー27
の先端に配される接続具28と、炉底電極12Bの底部
に下方に突出状態に配され接続具28に接続される端子
29とによって構成される。なお、電極棒12A及び炉
底電極12Bへの給電路にあっては、要所が適宜電気絶
縁物によって支持されるとともに、周囲の構造物に対し
ての電気絶縁性が確保される。
【0014】前記電極棒昇降手段3は、溶融炉1の近傍
に立設状態の垂直ガイド31と、該垂直ガイド31に昇
降可能に支持される昇降ブラケット32と、該昇降ブラ
ケット32に一体に取り付けられ電極棒12Aを鉛直状
態にかつ水平導体25を水平状態に上下移動させる昇降
アーム33と、駆動力を発生させる駆動源34と、該駆
動源34と昇降アーム33との間に介在状態に配され昇
降アーム33を昇降させる駆動力伝達系35とを有して
いる。該駆動力伝達系35は、図1例では張力を伝達す
るためのワイヤー等の駆動力伝達線条体35Aと、該駆
動力伝達線条体35Aを要所で支持するプーリー35B
とによって構成される。
【0015】前記飛灰供給手段4は、従来技術例として
挙げた実開平3−56027号「流動床式焼却炉」等に
よってごみや産業廃棄物等を焼却した際に生成された飛
灰を溶融炉1の内部に送り込むものであり、飛灰を貯留
しておいて移送する移送部41と、該移送部41と電極
棒12A及び飛灰投入口13との間を接続する二つの移
送路とを有している。
【0016】移送部41と電極棒12Aとの間を接続す
る移送路にあっては、移送部41に接続され飛灰を空気
流に乗せて移送する気送路42と、該気送路42に接続
され電極棒昇降手段3の昇降ブラケット32に搭載され
て飛灰を一時貯留する飛灰ホッパー43と、該飛灰ホッ
パー43と電極棒12Aの上部との間に配され飛灰を定
量ずつ供給する定量供給装置44と、該定量供給装置4
4に接続され電極棒12Aの中心に明けられた中心供給
穴12aとを有している。
【0017】移送部41と飛灰投入口13との間を接続
する移送路にあっては、移送部41に接続され飛灰を溶
融炉1の上方位置に一時貯留しておく飛灰ホッパー45
と、該飛灰ホッパー45と飛灰投入口13との間に接続
状態に配され飛灰を落とし込むための送り込み装置46
とを有している。
【0018】前記排ガス処理手段5は、排ガス口15に
接続され、溶融炉1から排出される排ガス中に含まれる
可燃性ガスの燃焼機能、排ガスの温度を低下させるため
の熱交換機能、排ガスに残留している固形分を捕集する
固形分捕集機能、排ガス中に残されているガス状のNO
x,SOx,HCl等の酸性ガスを捕集するガス処理器
機能等を有しており、無害化処理を施した後に排ガスを
大気放出等により処理するものが適用される。
【0019】前記炉底冷却手段6は、冷却空気を供給す
るための冷却空気供給手段61と、該冷却空気供給手段
61から冷却空気が供給され炉底電極12Bの下表面を
覆うエアジャケット62と、炉底電極12B及びエアジ
ャケット62の間に配され冷却空気を中心から外方に挿
通して熱交換を行なう空気バリア63とを有している。
【0020】前記電極棒12Aにあっては、炭素等によ
り丸棒状に形成され、その中心に前述した中心供給穴1
2aが形成される。
【0021】前記炉底電極12Bにあっては、耐熱性及
び導電性材料である例えばMgO−C材等の導電性を有
する耐火物からなる皿状構造物12bとされるととも
に、上表面に溶融金属を貯留する窪部12cが形成さ
れ、そして、下表面が溶融炉1における炉底から露出す
るように設定され、下表面に端子29が一体に配され
る。
【0022】このように構成された飛灰等の溶融装置で
は、溶融炉1における炉底電極12Bの窪部12cに、
溶融状態とするためのベースメタルMを介在させておい
て起動が行なわれる。
【0023】溶融炉1の起動時にあっては、給電手段2
の作動により上下の給電路から給電を行なって、溶融炉
1の内部に投入された飛灰等の被溶解物を溶融状態に導
くのであるが、この際に、電極棒昇降手段3の作動によ
り電極棒12Aを下げて、炉底電極12Bの窪部12c
に貯留されているベースメタルMに接触させてアークを
発生させ、このアーク熱によりまずベースメタルMを溶
融状態に導く。
【0024】溶融炉1の内部の被溶解物がアーク熱によ
り溶解されて、溶融物の量が多くなるとともに、溶融物
の導電性が抵抗発熱可能な状態まで高まったら、電極棒
12Aを上げる等により電極棒12Aの位置を調整し、
電極棒12Aと炉底電極12Bとの間の通電により溶融
物に抵抗発熱を生じさせ、温度上昇と溶融状態との保持
を行なう。
【0025】給電手段2により直流通電を行なった場合
には、電極棒12Aが正極となる設定が行なわれる。直
流通電を行なった場合には、溶融物のイオン流の方向が
一定となるため、通電状態及び電流が安定し、かつ、電
極棒12Aの表面近傍に、濃度のほぼ一定した陰イオン
が常時介在した雰囲気となり、電極棒12Aの消耗が減
少する。なお、電極棒12Aの消耗が進行した場合に
は、導電性クランプ26の開閉操作により、電極棒12
Aを挟持する位置をずらし、溶融炉1への所望の挿入量
が得られるように調整する。
【0026】飛灰供給手段4を作動させることにより、
飛灰が2箇所から溶融炉1の内部に供給される。この場
合、溶融炉1の起動時や、飛灰の粒子の大きさが複数種
類あって粒子の大きな飛灰を供給する場合には、飛灰ホ
ッパー45及び送り込み装置46の作動により、飛灰投
入口13を経由した飛灰の供給がなされる。
【0027】粒子の小さな飛灰を供給する場合や、定量
供給性が要求される場合には、定量供給装置44の作動
により、飛灰供給手段4から気送路42を経由して飛灰
ホッパー43まで気送された飛灰を、電極棒12Aの中
心供給穴12aから、溶融炉1の内部の溶融物中に直接
供給することが行なわれる。この場合、電極棒12Aの
下端部は、溶融物中に没しているから、飛灰が炉内に飛
散する現象の発生が妨げられ、飛灰の定量供給性が向上
することになる。
【0028】このように炉内に供給された飛灰は、溶融
物の熱を吸収して次第に溶融状態に導かれ、溶融物の量
が次第に増大して液位が上昇することにより、電極棒1
2Aが溶融物中に没して抵抗加熱が容易になる。
【0029】電極棒12A及び炉底電極12Bを上下に
配し、上下方向に電流を流して溶融物を加熱すると、炉
底電極12Bの近傍に発熱部が生じて、溶融物の温度
が、炉底電極12Bの近傍で高くなり(例えば1400
℃程度)、電極棒12Aの回りでは温度が相対的に低く
なる(例えば1200℃程度)温度勾配が発生する。
【0030】なお、電極棒12Aの溶融物への挿入量
は、電極棒昇降手段3の作動により、昇降アーム33を
上下方向に平行移動させて、電極棒12Aとともに水平
導体25の位置を変更することにより行なわれる。
【0031】溶融物は、比重差に基づいて、塩層が上
方、スラグ層がその下方、メタル層(ベースメタルM)
が最下方に分離するとともに、ベースメタルMが、炉底
電極12Bにおける皿状構造物12bの窪部12cに沈
降して集積し貯留される。なお、投入飛灰が、電極棒1
2Aの中心供給穴12aを経由して供給されると、相対
的に温度の高いスラグ層に送り込まれることになり、投
入飛灰への熱供給が速やかにかつ円滑に行なわれる。
【0032】分離した塩層、スラグ層、ベースメタルM
は、必要に応じて塩出滓口16A,スラグ出滓口16B
及びメタル出滓口16Cから流下させることにより取り
出されて処理される。メタル出滓口16Cの近傍には、
図1に示すように台車70が配され、ベースメタルMの
一部を抜き出した際に、台車70に搭載されて必要箇所
まで移送される。
【0033】炉底電極12Bは、炉内の溶融物、ベース
メタルMに接しているため、高温状態となるが、材料の
選定により溶融化が防止されるとともに、炉底冷却手段
6の作動により冷却が行なわれる。炉底冷却手段6の冷
却空気供給手段61から低温空気等の冷媒をエアジャケ
ット62に送り込み、空気バリア63を冷媒雰囲気とす
ることにより、炉底電極12Bの除熱が実施される。
【0034】一方、飛灰の溶融時には、飛灰中に含まれ
ている揮発性ガス分が、飛灰とともに持ち込まれた空気
等の排ガスとともに、排ガス口15から排ガス処理手段
5に送り込まれる。排ガス処理手段5にあっては、前述
したように排ガス中に含まれる可燃性ガス、固形分、N
Ox,SOx,HCl等の酸性ガスを捕集する等の無害
化処理が行なわれる。
【0035】〔他の実施態様〕本発明に係る飛灰等の溶
融装置にあっては、前述した都市ごみ等の飛灰だけでな
く、炉底灰、産業廃棄物の焼却灰、石炭灰、下水汚泥焼
却灰等の溶融処理に対しても適用可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明に係る飛灰等の溶融装置によれ
ば、以下のような効果を奏する。 (1) 電極棒昇降手段と、炉内に挿入した状態で昇降
させられる電極棒と、電極棒と対向状態に配される炉底
電極と、電極棒及び炉底電極に給電を行なう給電手段と
を具備する構成の採用により、電極配置に基づいて溶融
物が上下方向に加熱され、温度勾配を上下方向に形成し
て、溶融物を効率よく加熱することができる。 (2) 給電手段を直流電源とし、電極棒を負極に設定
することにより、塩層やスラグ層の状態を安定させ、抵
抗値の変動を少なくして溶融炉の安定運転性を向上させ
ることができる。 (3) 電極棒及び炉底電極間の上下方向の通電によ
り、溶融炉の運転時の制御を容易にすることができる。 (4) 電極棒を溶融物に浸した状態で通電することに
より、電極棒の消耗を低減することができる。 (5) 電極棒昇降手段を配することにより、アーク放
電に基づく加熱と溶融物の抵抗加熱とを併用し、溶融炉
の熱効率を一層向上させることができるとともに、溶融
炉の小型化を図ることができる。 (6) 電極棒及び炉底電極間のアーク放電に基づく加
熱により、投入物を速やかに溶融状態に導き、溶融炉の
起動時間の短縮を図るとともに、溶融炉の起動を確実に
実施することができる。 (7) 電極棒の中心に、飛灰供給手段に接続状態の中
心供給穴が明けられることにより、微粒子状態の飛灰を
溶融物に直接送り込んで、飛灰が溶融炉の内部で飛散し
て排ガスに混入する現象の発生を低減し、排ガスの処理
施設の負担を少なくすることができる。 (8) 飛灰供給手段に、定量供給装置を具備するこ
とにより、飛灰の供給量を均一にして、溶融炉を一定の
運転条件で運転させることができる。 (9) 炉底電極を皿状構造物とすることにより、飛灰
とともに溶融炉に混入した金属をベースメタルとして集
積貯留し、金属の処理を簡単にするとともに、必要に応
じて取り出して再利用することができる。 (10) 炉底電極の下表面を炉底から露出させること
により、炉底電極への電気的接続を容易にし、容易に給
電することができる。 (11) 炉底電極の下部に炉底冷却手段を配すること
により、炉底電極の高温化を抑制し、給電手段との接続
部分の信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る飛灰等の溶融装置の一実施例を示
す正断面図である。
【図2】本発明に係る飛灰等の溶融装置の一実施例を示
す一部を省略した平面図である。
【図3】図2のC−C線矢視図である。
【符号の説明】
1 溶融炉 2 給電手段 3 電極棒昇降手段 4 飛灰供給手段 5 排ガス処理手段 6 炉底冷却手段 11 炉壁 11A 断熱耐熱材 11B 表面板 12A 電極棒 12B 炉底電極 12a 中心供給穴 12b 皿状構造物 12c 窪部 13 飛灰投入口 14 シール装置 15 排ガス口 16A 塩出滓口 16B スラグ出滓口 16C メタル出滓口 17 絶縁部 21 電源部 22 ブスバー 23 支持構造物 24 編組線 25 水平導体 26 導電性クランプ 27 ブスバー 28 接続具 29 端子 31 垂直ガイド 32 昇降ブラケット 33 昇降アーム 34 駆動源 35 駆動力伝達系 41 移送部 42 気送路 43 飛灰ホッパー 44 定量供給装置 45 飛灰ホッパー 46 送り込み装置 61 冷却空気供給手段 62 エアジャケット 63 空気バリア M ベースメタル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 3/10 5/00 9/00 8926−4K 11/02 A 8926−4K 11/08 Z 8926−4K H05B 11/00 7361−3K (72)発明者 梅田 十次郎 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 櫻井 健士 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみや産業廃棄物等を焼却した際に生成
    される飛灰等を溶融炉(1)に投入して加熱することに
    より溶融状態に導くものであって、溶融炉の天井部分に
    配される電極棒昇降手段(3)と、該電極棒昇降手段に
    支持され炉内に挿入した状態で昇降させられる電極棒
    (12A)と、溶融炉における炉底部に電極棒と対向状
    態に配される炉底電極(12B)と、電極棒及び炉底電
    極に接続され給電を行なう給電手段(2)とを具備する
    ことを特徴とする飛灰等の溶融装置。
  2. 【請求項2】 給電手段(2)が直流電源とされ、電極
    棒(12A)が正極に設定されることを特徴とする請求
    項1記載の飛灰等の溶融装置。
  3. 【請求項3】 電極棒昇降手段(3)が、立設状態の垂
    直ガイド(31)と、該垂直ガイドに昇降可能に支持さ
    れ電極棒(12A)を上下移動させる昇降アーム(3
    3)と、該昇降アームに駆動力伝達系(35)を介して
    接続される駆動源(34)とを具備することを特徴とす
    る請求項1または2記載の飛灰等の溶融装置。
  4. 【請求項4】 溶融炉(1)の天井部分に、飛灰投入口
    (13)が配され、該飛灰投入口に飛灰の供給を行なう
    飛灰供給手段(4)が接続されることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の飛灰等の溶融装置。
  5. 【請求項5】 電極棒(12A)の中心に、飛灰供給手
    段(4)に接続状態の中心供給穴(12a)が明けられ
    ることを特徴とする請求項4記載の飛灰等の溶融装置。
  6. 【請求項6】 飛灰供給手段(4)が、飛灰を定量ずつ
    供給する定量供給装置(44)を具備することを特徴と
    する請求項4または5記載の飛灰等の溶融装置。
  7. 【請求項7】 炉底電極(12B)が、耐熱性及び導電
    性材料からなる皿状構造物(12b)とされることを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の飛灰
    等の溶融装置。
  8. 【請求項8】 皿状構造物(12b)の下表面が、溶融
    炉(1)における炉底から露出状態に配されることを特
    徴とする請求項7記載の飛灰等の溶融装置。
  9. 【請求項9】 皿状構造物(12b)に、その下表面に
    冷媒を接触させて冷却を行なう炉底冷却手段(6)が配
    されることを特徴とする請求項7または8記載の飛灰等
    の溶融装置。
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