JPH0889783A - ガス体の加圧方法および装置 - Google Patents

ガス体の加圧方法および装置

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JPH0889783A
JPH0889783A JP6228456A JP22845694A JPH0889783A JP H0889783 A JPH0889783 A JP H0889783A JP 6228456 A JP6228456 A JP 6228456A JP 22845694 A JP22845694 A JP 22845694A JP H0889783 A JPH0889783 A JP H0889783A
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JP
Japan
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pressure
pressurizing
gas
resistant container
carbon dioxide
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JP6228456A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Ninomiya
宮 一 芳 二
Masayuki Shigeyama
山 政 之 繁
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Nissan Aerospace Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nissan Aerospace Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 設備費が安価であると共に安全性が高く、高
圧ガス取締法の規制を受けることなく誰にでも容易に作
業することができ、とくに、抽出を始めとする液化ガス
や超臨界流体を利用した高圧処理技術の基礎データを得
るための試験や試作などに好適なガス体の加圧方法およ
び加圧装置を提供する。 【構成】 被処理物Sと共に炭酸ガスを封入したポリエ
チレン製袋体6を耐圧容器3内の水中に浸漬したのち当
該耐圧容器を密閉し、加圧ポンプ4によって耐圧容器3
内に水を加圧注入することによって袋体6内の炭酸ガス
を高圧化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば食品の殺菌、油
脂や香料,色素などの抽出、化学物質の分離・精製、溶
媒の除去、乾燥などを行うために、ガスを高圧化し、必
要に応じて液化状態あるいは超臨界状態のガスを得るの
に利用されるガスの加圧方法および装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、低温域での殺菌方法として、超臨
界流体を媒体にした技術や、被処理物から所望の成分を
抽出する抽出分離方法として、液化流体や超臨界流体の
溶媒としての優れた溶解能力を利用した技術が注目され
ている。
【0003】とくに、超臨界流体抽出は、気体にくらべ
て超臨界流体の密度および粘度が高く、溶質の溶解度を
高めることができ減圧ないし加熱による抽出物質の分離
回収が容易であり、比較的低温での操作が可能なので熱
的に不安定なものでも取扱うことができるなど、種々の
特徴を備えている。
【0004】図2は、このような抽出装置の基本構成を
示す概略図であって、図に示す抽出装置100は、流
体、例えば炭酸ガスを貯えたタンク101と、被処理物
を封入する抽出槽102と、抽出物を含んだ炭酸ガスか
ら目的の抽出物を分離,回収する分離槽103から主に
構成されている。
【0005】このような抽出装置100においては、タ
ンク101から供給された炭酸ガスが加圧ポンプ104
により昇圧され、さらに熱交換器105によって加熱昇
圧されて、液化炭酸ガスあるいは超臨界炭酸ガスとな
り、あらかじめ被処理物を封入しておいた抽出槽102
内に導入され、当該抽出槽102内において、被処理物
に含有されている目的の抽出物が液化あるいは超臨界状
態の炭酸ガス相に移行する。次いで、抽出物を取込んだ
液化あるいは超臨界炭酸ガスは分離槽103に送られ、
当該分離槽103内において減圧あるいは加熱され、こ
れによって目的とする抽出物が炭酸ガス相から分離し、
分離槽103の底部に残留する。
【0006】一方、分離槽103内で抽出物を排出した
炭酸ガスは、配管106を介して炭酸ガスタンク101
に回収され、分離槽103の底部に残留した抽出物は、
分離槽103の下部に取付けられたバルブ107を開く
ことによって取出すことができるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た抽出装置100においては、例えば50〜500kg
f/cm2 の高圧ガスを取扱う高圧設備であるので、装
置自体が複雑で高価なものとなるばかりでなく、高圧ガ
ス取締法上の諸規制を受けることから、周囲の設備や建
屋に高圧ガス取締法に準拠した特別な仕様が必要となる
と共に、装置の運転やメンテナンスには、高圧ガス製造
保安責任者の資格が必要であって、作業者が限定されて
しまうという問題点がある。
【0008】一方、上記のような抽出を始めとする液化
流体や超臨界流体を利用した高圧技術は、まだ開発途上
にあり、抽出だけを取り上げてもその対象となる被処理
物や抽出物質は極めて多岐にわたり、一部物質を除いて
その大部分は研究段階にあると言ってよく、商業的な操
業条件や経済性などについてはほとんど明らかになって
いないのが実情である。したがって、これら技術の実用
化にあたっては、圧力,温度,流体組成,前処理条件な
ど、実用プラントの設計データを採取するための種々の
基礎的試験が必要となる。また、製品の市場性調査のた
めには試供品を作成するための設備も必要となる。
【0009】しかし、このような試験用あるいは試作用
の比較的小規模の装置であっても、高圧設備である以
上、前述のように高圧ガス取締法の対象となり、設備の
建設費がかさんだり、作業者が限定されたりすることか
ら、基礎的試験といえども容易ではなく、このような高
圧技術の開発には、基礎データの収集や採算性の調査の
段階から莫大な費用と時間を投入しなければならないの
で、開発研究に大きなリスクが伴うという問題点があ
り、このような問題点を解決することが超臨界流体抽出
などの技術を確立し、工業的に実用化するための課題と
なっていた。
【0010】
【発明の目的】本発明は、従来の高圧設備における上記
課題に着目してなされたものであって、設備費が安価で
あると共に安全性が高く、高圧ガス取締法の規制を受け
ることなく誰にでも容易に操作することができ、とく
に、抽出を始めとする精製,分離,殺菌、さらには超微
粉体の製造などの基礎データを得るための試験や試作な
どに好適なガス体の加圧方法およびこれに用いる加圧装
置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるガスの加
圧方法は、例えば炭酸ガスなどのガス体を封入した、例
えばポリエチレンなどのプラスチックフィルムからなる
気密性袋体を、例えば水などの液体中に浸漬して、当該
液体を加圧することで気密性袋体内のガス体を高圧化す
る構成としたことを特徴としており、このようなガス体
の加圧方法の構成を前述した従来の課題を解決するため
の手段としている。
【0012】また、本発明に係わるガス体の加圧装置
は、ガス体を封入する気密性袋体と、ガス体を封入した
気密性袋体を加圧媒体となる液体と共に収納する耐圧容
器と、耐圧容器内の液体を加圧する加圧手段と、耐圧容
器の加圧状態を解除する圧力開放手段と、必要に応じて
耐圧容器内の液体の温度を調整する調温装置をを備えた
構成としたことを特徴としており、ガス体の加圧装置に
おけるこのような構成を前述した従来の課題を解決する
ための手段としている。
【0013】
【発明の作用】本発明に係わるガス体の加圧方法におい
ては、ガス体を封入した気密性袋体を液体中に浸漬し、
液体を加圧することによって袋体内のガス体を高圧化す
るようにしているので、袋体内にあらかじめ被処理物を
入れておくことにより当該被処理物に種々の処理が施さ
れることになる。このとき、袋体内のガス体は、加圧媒
体としての液体を介して加圧され、高圧ガスを使用しな
いので、安全性が高く、高圧ガス取締法の適用を受けな
いため周囲の設備や建屋に特別な配慮の必要がなく、設
備が安価なものになると共に、操作やメンテナンスに特
別な資格を必要としないので、作業者が限定されること
がない。
【0014】本発明に係わるガス体の加圧装置は、ガス
体を封入する気密性袋体と、該袋体を液体と共に収容す
る耐圧容器と、液体の温度を調整する調温手段と、加圧
媒体となる液体を加圧する加圧手段と、加圧状態を解除
する圧力開放手段を備えたものであるから、上記加圧方
法を実施するのに適したものとなっている。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0016】図1は、本発明に係わるガス体の加圧装置
の一実施例を示すものであって、図に示す加圧装置1
は、加圧媒体となる水を入れた恒温槽2内に収納された
耐圧容器3と、恒温槽2内の水を加圧して耐圧容器3内
に圧送する加圧手段としての加圧ポンプ4と、恒温槽2
内の水の温度を調整する調温装置5(調温手段)から主
に構成され、前記耐圧容器3内には、被処理物Sと共に
ガス体を封入したポリエチレンフィルムからなる袋体
6,6が収納され、取付金具7によって当該耐圧容器3
の中心部に保持されるようになっている。
【0017】耐圧容器3の上端開口部は、蓋体3aによ
って閉塞され、ボルト3b,3bを締結することによっ
て当該耐圧容器3を密閉するようにしてある。
【0018】蓋体3aには、該蓋体3aを貫通して耐圧
容器3の内部に連通する貫通孔3cが形成され、この貫
通孔3cには、蓋体3a上に取付けられたマウント8を
介して流量調整バルブ9とボールバルブ10が接続され
ている。すなわち、この実施例では流量調整バルブ9に
よって耐圧容器3内の圧力を徐々に開放して耐圧容器3
内の圧力を調整すると共に、ボールバルブ10の操作に
より耐圧容器3内の圧力を急速に開放するようになって
おり、両バルブ9,10により圧力開放手段が形成され
ている。さらに、マウント8には耐圧容器3内の圧力を
検出する圧力センサー11が取付けられている。
【0019】加圧ポンプ4は、三方バルブ12を介し
て、耐圧容器3の底部に設けた連結孔3dに接続されて
おり、恒温槽2内の水を耐圧容器3内に圧送することに
よって、当該耐圧容器3内を最大500kgf/cm2
程度まで加圧できるようになっており、耐圧容器3内の
圧力は、前記圧力センサー11からの出力に基づいて、
加圧ポンプ4に取付けられた圧力表示計4aに表示され
る。
【0020】恒温槽2内の水は、当該恒温槽2に連結さ
れた調温装置5により10〜95℃の範囲内にコントロ
ールされる。
【0021】さらに、加圧装置1は、恒温槽2内の水を
耐圧容器3内に注水するための移送用ポンプ13を備え
ており、当該ポンプ13は、三方バルブ12を介して耐
圧容器3の底部の連結孔3dに接続されている。
【0022】すなわち、所定温度に保持された恒温槽2
内の水を移送用ポンプ13によって耐圧容器3内に注水
したのち、三方バルブ12を切り換え、加圧ポンプ4を
作動させて恒温槽2内の水を耐圧容器3内に圧送するこ
とにより耐圧容器3の加圧を行うようになっている。な
お、耐圧容器3内の水の温度調整は、恒温槽2の水温を
調節することによって間接的に行われる。
【0023】このような構造を備えた加圧装置1におい
ては、加圧ポンプ4によって加圧した水を密閉状態の耐
圧容器3内に圧送することによって耐圧容器3内を加圧
するようにしており、袋体6内のガス体が周囲の水(加
圧媒体)を介して圧縮され、高圧化されるので、高圧ガ
スを直接取り扱うことがないので安全性が高く、装置が
比較的簡単なもので済むと共に、運転やメンテナンスに
特別な資格の必要がないので誰にでも容易に操作するこ
とができる。
【0024】なお、この実施例においては、加圧媒体用
の液体として、最も一般的な水を用いた例を示したが、
油などを用いることもできる。
【0025】以下に、上記構造の加圧装置1を抽出およ
び殺菌に適用した例を示す。
【0026】適用例1 まず、上記構造の加圧装置1を用いて、超臨界流体抽出
により胡椒の果実からその辛味成分であるピペリンを抽
出する例について説明する。
【0027】最初に、加圧装置1の恒温槽2に水を張
り、調温装置5により所定の抽出温度、すなわち60℃
にセットしておく。
【0028】一方、被処理物である胡椒果実について
は、抽出効率を高めるために、適当な粒度(例えば60
〜100メッシュ)に粉砕したのち、多孔質ポリエチレ
ンフィルムからなる内袋14に入れ、この内袋14をさ
らにポリエチレン製の袋体6に入れたのち、当該袋体6
に炭酸ガスを充填して密封する。
【0029】次に、加圧装置1の耐圧容器3の蓋体3a
を取り外した状態において、三方バルブ12を移送用ポ
ンプ13側に切り換え、移送用ポンプ13を作動するこ
とによって、耐圧容器3内に60℃に加熱された温水を
満たしたのち、被処理物である胡椒粉末Sと共に炭酸ガ
スを封入した前記袋体6を耐圧容器3内の温水中に浸漬
し、取付金具7によって耐圧容器3の中心部に固定する
と共に、当該耐圧容器3に蓋体3aを被せ、ボルト3
b,3bを締め付けることによって耐圧容器3を密閉状
態にする。なお、図1においては、耐圧容器3内に2個
の袋体6,6をセットした例を示したが、耐圧容器3の
容積および袋体6のサイズによっては、1個あるいは3
個以上をセットすることができる。
【0030】そして、蓋体3a上の流量調整バルブ9お
よびボールバルブ10を開き、移送用ポンプ13を再度
作動させることによって、耐圧容器3内に残留する空気
がなくなるまで、すなわち流量調整バルブ9およびボー
ルバルブ10から温水が溢れ出るまで耐圧容器3内に温
水を送り込んだのち、流量調整バルブ9およびボールバ
ルブ10を閉める。
【0031】次に、三方バルブ12を加圧ポンプ4の側
に切り換えると共に、加圧ポンプ4を作動させ、恒温槽
2内の温水を加圧して連結孔3dから耐圧容器3内に送
り込み、耐圧容器3内を加圧し、温水を介して前記袋体
6の内部圧力を高める。このときの昇圧速度について
は、袋体6内の温度上昇を防止する観点から、毎分50
kgf/cm2 程度で昇圧することが望ましい。
【0032】そして、300kgf/cm2 の目標圧力
に達したのち、この圧力および温度(60℃)に約1時
間保持し、この間に、袋体6内において、主にピペニン
と精油からなる胡椒エキスが超臨界状態の炭酸ガス中に
抽出される。
【0033】そして1時間経過したのち、流量調整バル
ブ9の操作によって耐圧容器3内の圧力を55kgf/
cm2 に減圧すると共に、調温装置5によって水温を2
0℃に低下させ、この状態に約30分保持することによ
って、炭酸ガス中に溶解した前記胡椒エキス成分を炭酸
ガスから分離させる。
【0034】30分経過後、流量調整バルブ9を開放す
ることにより、耐圧容器3の加圧状態を解除し、袋体6
内の炭酸ガスの圧力を大気圧に戻し、耐圧容器3の蓋体
3aを開けて、袋体6を水中から取り出すことにより、
ピペニンを含む胡椒エキスが袋体6の内面に付着した状
態で得られた。
【0035】適用例2 次に、上記構造の加圧装置1を用いて、超臨界流体抽出
によりホップの球花を乾燥させたホップペレットからホ
ップエキスを抽出する例について説明する。
【0036】被処理物であるホップペレットについて
は、抽出効率を高めるために、適当な粒度(例えば48
〜100メッシュ)に粉砕したのち、上記適用例と同様
に、これを多孔質ポリエチレンフィルムからなる内袋1
4に入れ、この内袋14をさらにポリエチレン製の袋体
6に入れたのち、当該袋体6に炭酸ガスを充填して密封
する。
【0037】次いで、同様の手順により、被処理物であ
るホップペレット粉末Sと共に炭酸ガスを封入した袋体
6を耐圧容器3内にセットし、当該耐圧容器3を密閉し
たのち、加圧ポンプ4を作動させて耐圧容器3内を加圧
し、150kgf/cm2 −50℃の条件に約1時間保
持して、ホップエキスを超臨界状態の炭酸ガス中に抽出
させたのち、45kgf/cm2 −40℃の条件に約3
0分保持して炭酸ガス中に溶解したホップエキス成分を
炭酸ガスから分離させる。
【0038】そして、流量調整バルブ9を開放すること
により、袋体6内の炭酸ガス圧力を大気圧に戻し、袋体
6を耐圧容器3から取り出すことによって、袋体6の内
面に付着したホップエキスが得られた。
【0039】なお、上記両適用例においては、その経済
性,安全性(無毒,不燃性)などの観点から、超臨界流
体抽出に最も一般的に利用される炭酸ガスを用いたが、
この他には、メタンやエタン,エチレンガスなどを用い
ることもできる。
【0040】適用例3 上記構造の加圧装置1を用いたナツメグ粉末の殺菌処理
例について以下に説明する。なお、この殺菌処理の原理
は、被処理物を高圧雰囲気ガス中に保持したのち、雰囲
気ガス圧力を瞬時に大気圧に戻すことによって、被処理
物に付着した微生物の細胞内に溶け込んだガスを急膨脹
させ、このエネルギーによって微生物の細胞膜を破壊す
ることによって殺菌するものである。
【0041】まず、加圧装置1の恒温槽2に水を張り、
調温装置5により40℃に加熱しておく。そして、被処
理物であるナツメグ粉末をポリエチレン製の袋体6に入
れたのち、当該袋体6に炭酸ガスを充填して密封する。
なお、殺菌処理においては、内袋14は使用しない。
【0042】次に、上記適用例と同様の要領により、移
送用ポンプ13を作動させることによって、耐圧容器3
内に40℃の水を満たし、ナツメグ粉末と共に炭酸ガス
を封入した前記袋体6を耐圧容器3内の水中に浸漬し、
耐圧容器3の中心部に固定すると共に、耐圧容器3に蓋
体3aを被せて当該耐圧容器3を密閉する。
【0043】そして、流量調整バルブ9およびボールバ
ルブ10を開き、移送用ポンプ13を再度作動させるこ
とによって、同様に耐圧容器3内に残留する空気を追い
出したのち、流量調整バルブ9およびボールバルブ10
を閉める。
【0044】次に、三方バルブ12を加圧ポンプ4の側
に切り換えた状態で、加圧ポンプ4を作動させ、恒温槽
2内の水を加圧して耐圧容器3内に送り込み、耐圧容器
3内を昇圧し、袋体6の内部圧力を高める。このとき、
袋体6内の温度上昇を防止する観点から、例えば20k
gf/cm2 程度昇圧する毎に、約5分間昇圧を停止し
て、熱を袋体6の周りの水に放散させるようにすること
が望ましい。なお、耐圧容器3の水の温度調節は、恒温
槽2の水温を調節することによって間接的に行われる。
【0045】そして、60kgf/cm2 の圧力に達し
たのち、この圧力に約1時間保持したのち、ボールバル
ブ10を開き、耐圧容器3の加圧状態を一気に解除し、
袋体6内の炭酸ガスの圧力を大気圧に戻したのち、耐圧
容器3の蓋体3aを開けて、袋体6を取り出す。なお、
このときの減圧は、殺菌効果を高めるため1秒以内で行
うことが望ましい。
【0046】このような手順により殺菌処理したナツメ
グ粉末に付着した大腸菌をデスオキコレート寒天培地を
使用して、37℃で1時間培養したのち、サンプル1グ
ラムあたりの生菌数を未処理のナツメグ粉末の場合と比
較した結果、未処理のものでは大腸菌群数が2.8×1
4 であったのに対し、上記殺菌処理を施したものでは
陰性を示し、顕著な殺菌効果が認められた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるガ
ス体の加圧方法においては、ガス体を封入した気密性袋
体を液体中に浸漬し、液体を加圧することで袋体内のガ
ス体を高圧化するようにしているので、袋体内にあらか
じめ被処理物を入れておくことにより当該被処理物に超
臨界流体抽出など、種々の高圧処理を施すことができる
と共に、加圧に際して高圧ガスを使用しないので、安全
性が高く、高圧ガス取締法の適用外となり、設備コスト
を低減することができ、しかも操作やメンテナンスに特
別な資格を要しないので、誰にでも容易に取り扱うこと
ができるという極めて優れた効果がもたらされる。
【0048】また、本発明に係わるガス体の加圧装置
は、ガス体を封入する気密性袋体と、該袋体を液体と共
に収容する耐圧容器と、液体の温度を調整する調温手段
と、加圧媒体となる液体を加圧する加圧手段と、加圧状
態を解除する圧力開放手段を備えたものであるから、上
記加圧方法を合理的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるガス体の加圧装置の一実施例を
示す縦断面説明図である。
【図2】液化流体あるいは超臨界流体を利用した従来の
抽出装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ガス体の加圧装置 3 耐圧容器 4 加圧ポンプ(加圧手段) 5 調温装置(調温手段) 6 袋体 9 流量調整バルブ(圧力開放手段) 10 ボールバルブ(圧力開放手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス体を封入した気密性袋体を液体中に
    浸漬して、当該液体を加圧することで気密性袋体内のガ
    ス体を高圧化することを特徴とするガス体の加圧方法。
  2. 【請求項2】 ガス体が炭酸ガスであって、当該炭酸ガ
    スが超臨界域に加圧されることを特徴とする請求項1記
    載のガス体の加圧方法。
  3. 【請求項3】 液体が水であることを特徴とする請求項
    1または請求項2記載のガス体の加圧方法。
  4. 【請求項4】 気密性袋体がプラスチックフィルムから
    なることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載のガス体の加圧方法。
  5. 【請求項5】 ガス体を封入する気密性袋体と、 ガス体を封入した気密性袋体を加圧媒体となる液体と共
    に収納する耐圧容器と、 耐圧容器内の液体の温度を調整する調温手段と、 耐圧容器内の液体を加圧する加圧手段と、 耐圧容器の加圧状態を解除する圧力開放手段を備えたこ
    とを特徴とするガス体の加圧装置。
JP6228456A 1994-09-22 1994-09-22 ガス体の加圧方法および装置 Pending JPH0889783A (ja)

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