JPH0889601A - Frpラケットフレームおよびその製造方法 - Google Patents

Frpラケットフレームおよびその製造方法

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JPH0889601A
JPH0889601A JP6231485A JP23148594A JPH0889601A JP H0889601 A JPH0889601 A JP H0889601A JP 6231485 A JP6231485 A JP 6231485A JP 23148594 A JP23148594 A JP 23148594A JP H0889601 A JPH0889601 A JP H0889601A
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JP
Japan
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filament winding
layer
winding layer
racket frame
angle
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JP6231485A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nishihara
正浩 西原
Haruo Ohara
春夫 尾原
Tetsuyuki Kyono
哲幸 京野
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】均質性に優れ、剛性に優れ、強度、特にガット
孔が穿設される部分の強度に優れたラケットフレームを
低コストで製造する。 【構成】最も外側に、フレームの長さ方向に対する補強
繊維の巻角度が±25〜45゜の範囲にあるフィラメン
トワインディング層、または、フレームの長さ方向に対
する糸角度が±25〜45゜の範囲にある組紐の層が位
置し、その内側に、少なくとも、上記巻角度が±15゜
以下であるフィラメントワインディング層を有するFR
PラケットフレームをRTM法によって製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、FRP(繊維強化プ
ラスチック)からなる、テニスラケット等のラケットの
フレームと、それを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRPラケットフレームは、いろいろな
方法によって成形されているが、その一つに、可撓性チ
ューブを被せた芯材の周りに、生の補強繊維を、芯材の
長さ方向に対する巻角度が一定角度になるようにヘリカ
ル巻してフィラメントワインディング層を形成した後、
芯材を抜き、所望のフレームの形状のキャビティを有す
る成形型に入れ、可撓性チューブ内を与圧しながらキャ
ビティ内に液状樹脂を注入して成形する、一般にRTM
成形法(Resin Transfer Molding)と呼ばれる方法によ
るものがある。この方法においては、成形型のキャビテ
ィに液状樹脂を注入し、フィラメントワインディング層
に含浸させて成形するので、キャビティ内での樹脂の流
れの良否が含浸性を大きく左右し、流れが悪いと、樹脂
不足の部分を生じたり、ボイド等が多発したりして、剛
性や強度等の力学的特性のみならず、表面品位も低下す
る。特に、表面のボイド等が多くなると、パテ塗りや研
磨等の後工程に多くの工数を要するようになり、製造コ
ストも上昇する。
【0003】ところで、RTM成形法においては、一般
に、成形型のキャビティの、ラケットフレームの頂部に
相当する部分と、後にグリップが形成されることになる
部分にそれぞれ外部と連通するゲートを設け、一方のゲ
ートを減圧吸引口としてキャビティ内を減圧しながら他
方のゲートを樹脂注入口として液状樹脂を注入する。そ
のため、他方のゲートから一方のゲートに向かう樹脂の
流れが形成されることになるが、その樹脂の流れに対し
てフィラメントワインディング層は抵抗として働く。も
し、フィラメントワインディング層の補強繊維が、樹脂
の流れの方向、すなわち、フレームの長さ方向に延びて
おれば、補強繊維に沿って樹脂が流れるから抵抗は小さ
いが、長さ方向に対して直交する方向に配置されている
と大きな抵抗になる。特に、最も外側に位置するフィラ
メントワインディング層の補強繊維の方向は樹脂の含浸
性に大きな影響を与え、流れが悪いと、その内側に位置
するフィラメントワインディング層に樹脂が十分に行き
渡らなくなって樹脂不足の部分を生じたり、表面にボイ
ド等が多発したりするようになる。したがって、樹脂の
流れをよくするという観点からは、補強繊維は可能な限
りフレームの長さ方向に配置されているのがよいという
ことになるが、そうすると、長さ方向の剛性は向上する
ものの、それ以外の方向の強度、特に、後にガット孔が
穿設される部分の強度が不足し、補強が必要になってく
る。ガットを張ったとき、補強繊維の方向にクラックが
できて陥没するからである。一方、補強繊維をフレーム
の長さ方向と直交する方向に近づけて配置すると、近づ
ければ近づけるほど樹脂の流れは悪くなる。また、フレ
ームの剛性も不足するようになる。
【0004】このように、補強繊維を、芯材の長さ方向
に対する巻角度が一定角度になるようにヘリカル巻して
フィラメントワインディング層を形成する、換言すれ
ば、ラケットフレームの長さ方向に対する補強繊維の巻
角度をただ1種類としたのでは、樹脂流れの向上による
均質性の向上と、剛性の向上と、強度、特にガット孔が
穿設される部分の強度の向上とを同時に満足することは
極めて難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来のラケットフレームの上述した問題点を解決し、均質
性が極めて高く、剛性に優れ、強度、特にガット孔が穿
設される部分の強度に優れたラケットフレームを提供す
るにある。
【0006】また、この発明の他の目的は、RTM法を
用いてそのようなラケットフレームを低コストで製造す
る方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、補強繊維のフィラメントワインディン
グ層を複数層有し、最も外側に位置するフィラメントワ
インディング層における、フレームの長さ方向に対する
補強繊維の巻角度は±25〜45゜の範囲にあり、その
フィラメントワインディング層の内側に位置するフィラ
メントワインディング層には、上記巻角度が±15゜以
下であるフィラメントワインディング層が含まれている
ことを特徴とするFRPラケットフレームを提供する。
もっとも、最も外側に位置するフィラメントワインディ
ング層は、補強繊維の組紐で構成することもできる。す
なわち、この発明は、最も外側に、補強繊維の、フレー
ムの長さ方向に対する糸角度が±25〜45゜の範囲に
ある組紐の層が位置し、その組紐の層の内側に補強繊維
のフィラメントワインディング層が位置し、そのフィラ
メントワインディング層には、フレームの長さ方向に対
する補強繊維の巻角度が±15゜以下であるフィラメン
トワインディング層が含まれていることを特徴とするF
RPラケットフレームを提供する。上述したフィラメン
トワインディング層および/または組紐の層は、好まし
くは炭素繊維を含んでいる。また、好ましくは易振動減
衰性繊維を含んでいる。
【0008】また、この発明は、そのようなラケットフ
レームを製造する方法として、可撓性チューブの周り
に、補強繊維の、可撓性チューブの長さ方向に対する補
強繊維の巻角度が±15゜以下であるフィラメントワイ
ンディング層と上記巻角度が±25〜45゜の範囲にあ
るフィラメントワインディング層とを少なくとも含むフ
ィラメントワインディング層を巻角度が±25〜45゜
の範囲にあるフィラメントワインディング層が最も外側
に位置するように形成した後、所望のラケットフレーム
の形状のキャビティを有する成形型に入れ、可撓性チュ
ーブ内を与圧しながらキャビティ内に樹脂を注入して成
形することを特徴とする、FRPラケットフレームの製
造方法を提供する。補強繊維の組紐を用いるときは、可
撓性チューブの周りに、補強繊維の、可撓性チューブの
長さ方向に対する補強繊維の巻角度が±15゜以下であ
るフィラメントワインディング層を少なくとも含むフィ
ラメントワインディング層と、補強繊維の、可撓性チュ
ーブの長さ方向に対する糸角度が±25〜45゜の範囲
にある組紐の層とをその組紐の層が最も外側に位置する
ように形成した後、所望のラケットフレームの形状のキ
ャビティを有する成形型に入れ、可撓性チューブ内を与
圧しながらキャビティ内に樹脂を注入して成形する。
【0009】この発明で使用する補強繊維は、炭素繊
維、ガラス繊維、ポリアラミド繊維等の高強度、高弾性
率繊維である。なかでも、比重が小さく、剛性が高いと
いう理由で、炭素繊維、それも、引張強度が300kgf
/mm2 以上で、引張弾性率が20,000kgf /mm2
上の高強度、高弾性率炭素繊維が好ましい。もちろん、
炭素繊維とポリアラミド繊維といったように、異なる補
強繊維を併用することもできる。
【0010】また、樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール
樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂等の熱硬化
性樹脂や、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂等の熱可塑性樹脂を使用
することができる。
【0011】この発明のラケットフレームは、複数層
の、補強繊維のフィラメントワインディング層を有す
る。このフィラメントワインディング層は、フィラメン
トワインディング装置を用い、ドライプリフォームの作
製要領にしたがって形成する。
【0012】すなわち、芯材に可撓性チューブを被せ、
その周りに、補強繊維を、可撓性チューブの長さ方向に
対する巻角度が所望の角度になるようにヘリカル巻して
フィラメントワインディング層を形成する。
【0013】芯材は軽量で剛性のあるものがよく、ま
た、フィラメントワインディング層の形成後は抜くの
で、抜きやすいように、たとえば、炭素繊維強化プラス
チック製の線材を束ねて用い、フィラメントワインディ
ング層の形成後、引き抜くようにする。テーパーを有す
る2本の炭素繊維強化プラスチック製の棒体をそれらの
小径側で突き合せ固定し、フィラメントワインディング
層の形成後、その固定を解いて可撓性チューブの両端側
にそれぞれ抜き出すようにすることもできる。
【0014】また、可撓性チューブは、後のRTM法に
よる成形時にフィラメントワインディング層に内圧を付
与する目的で被せるもので、150℃程度の耐熱性を有
する、たとえば、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂等の樹脂からなるチューブや、シリコーンゴム
等のゴムからなるチューブを使用することができる。
【0015】補強繊維は、ただ1本を巻き付けることで
あってもよいが、数本をテープ状に引き揃えて同時に巻
き付けるようにすると、フィラメントワインディング層
の厚みの均一性が向上するので好ましい。このとき、ナ
イロン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ビニロン繊
維、ポリアラミド繊維等の易振動減衰性繊維を、たとえ
ば、補強繊維に引き揃えたり、数本の補強繊維のうちの
1本を易振動減衰性繊維に変えたりして巻き付けると、
ラケットフレームの振動減衰性が向上するようになるの
で好ましい。もっとも、大量に使用すると打球感が損わ
れるし、相対的に補強繊維の量が少なくなってフレーム
の軽量性や剛性が低下してくるので、20体積%以下に
止めるのが好ましい。
【0016】さて、フィラメントワインディング層は、
少なくとも2層形成するが、最も外側に位置するフィラ
メントワインディング層における、可撓性チューブの長
さ方向(ラケットフレームの長さ方向)に対する補強繊
維の巻角度は±25〜45゜の範囲になるようにし、そ
のフィラメントワインディング層の内側に位置するフィ
ラメントワインディング層には、上記巻角度が±15゜
以下であるフィラメントワインディング層が含まれるよ
うにする。
【0017】すなわち、最も外側に位置するフィラメン
トワインディング層は、前に述べたように、成形時にお
ける樹脂の含浸性に大きな影響を与える。樹脂流れをよ
くするためには、補強繊維は、可能な限り可撓性チュー
ブの長さ方向を向いているのがよいのであるが、極端に
その方向に揃えると、ラケットフレームの剛性は向上す
るものの、それ以外の方向の強度、特にガット孔付近の
強度が不足するようになる。また、フィラメントワイン
ディング層の形成後、芯材を抜いたり、成形型まで運ん
だりするときに補強繊維の配列の乱れが起こりやすくな
るし、成形時、樹脂が流れるときに補強繊維が泳ぐよう
に動いてその配列が乱れることもある。この点、最も外
側に位置するフィラメントワインディング層の上記巻角
度を±25〜45゜の範囲にしておくと、巻角度が±1
5゜以下であるフィラメントワインディング層との相乗
作用によってこれらの不都合を回避することができるよ
うになる。このように、最も外側に位置するフィラメン
トワインディング層は、成形時における樹脂の流れが大
きく阻害されるのを防止しつつ、また、フレームの剛性
を極端に落さないようにしつつ、強度、特にガット孔付
近の強度を向上させ、また、フィラメントワインディン
グ層の形態保持性を向上させるように作用する。そのた
めには、上記巻角度は±25〜45゜の範囲にある必要
がある。
【0018】一方、そのフィラメントワインディング層
の内側に位置するフィラメントワインディング層には、
上記巻角度が±15゜以下であるフィラメントワインデ
ィング層が含まれている。このフィラメントワインディ
ング層は、主として、ラケットフレームの剛性を向上さ
せるように作用する。そして、このフィラメントワイン
ディング層は、巻角度が±25〜45゜の範囲にあるフ
ィラメントワインディング層の必ず内側にあるから、特
にガット孔付近の強度に与える影響はあまりない。しか
も、巻角度が±15゜以下とフレームの長さ方向により
近いので、樹脂流れもよくなるし、剛性の向上にとって
も好ましい。もっとも、巻角度が±25〜45゜の範囲
にあるフィラメントワインディング層の内側には、こ
の、巻角度が±15゜以下であるフィラメントワインデ
ィング層以外のフィラメントワインディング層が存在し
ていてもよい。たとえば、巻角度が±30゜のフィラメ
ントワインディング層が存在していてもよい。
【0019】この発明においては、最も外側に位置す
る、巻角度が±25〜45゜の範囲にあるフィラメント
ワインディング層を、これに代えて補強繊維の組紐の層
とすることができる。この組紐の層は、上述した、巻角
度が±25〜45゜の範囲にあるフィラメントワインデ
ィング層の作用と全く同じ作用をもつものであり、した
がって、組紐を構成している糸の、可撓性チューブの長
さ方向(ラケットフレームの長さ方向)に対する角度
は、やはり±25〜45゜の範囲にある必要がある。そ
して、組紐の層は、巻角度が±15゜以下であるフィラ
メントワインディング層ほかのフィラメントワインディ
ング層を形成した後、そのフィラメントワインディング
層の上に、芯材の抜き取り前に被せることで容易に形成
できる。
【0020】さて、この発明においては、次に、上述し
たようにして形成したドライプリフォームを、所望のラ
ケットフレームの形状のキャビティを有する成形型のキ
ャビティに可撓性チューブごと入れ、可撓性チューブ内
を与圧しながらRTM法を用いてラケットフレームに成
形する。
【0021】すなわち、成形型は下型と上型とを有し、
芯材を抜き取ったドライブリファームを、可撓性チュー
ブごと下型のキャビティに沿わせながら入れ、上型を閉
じる。このとき、ドライプリフォームを扁平状に軽く押
しつぶしておくと、キャビティ内への配置が容易にな
り、また、上型を閉じるときの噛み込みも防止できるよ
うになる。
【0022】成形型のキャビティの、ラケットフレーム
の頂部に相当する部分と、後にグリップが形成されるこ
とになる部分にはそれぞれ外部と連通するゲートが設け
られており、一方のゲートを減圧吸引口としてキャビテ
ィ内を減圧しながら他方のゲートを樹脂注入口として液
状樹脂を注入して成形するのであるが、このとき、可撓
性チューブ内に圧力空気等を導入し、その内部を0.1
〜15kgf /cm2 程度に与圧してドライプリフォームを
キュビティの内壁に押し付ける。液状樹脂の粘度は、樹
脂の種類や成形温度等にもよるが、0.1〜20ポイズ
程度でよい。また、液状樹脂の注入圧力を可撓性チュー
ブ内の与圧力よりも高くすると、樹脂の流れが一層よく
なる。可撓性チューブ内を若干与圧した状態で液状樹脂
を注入し、注入後に与圧力を高めてもよい。なお、成形
型は、加熱しておいても、おかなくても、いずれでもよ
い。樹脂が硬化または固化した後、上型を開き、成形
品、すなわちラケットフレームを取り出す。
【0023】
【実施例および比較例】
実施例 外径5.5mmの炭素繊維強化プラスチック製線材を7本
束ねて芯材とし、この芯材に、周長54mm、厚み0.1
mmのナイロンチューブを被せた。
【0024】次に、上記ナイロンチューブの上に、炭素
繊維(引張強度:500kgf /mm2、引張弾性率:2
3,500kgf /mm2 、単糸径:7μm、単糸数:1
2,000本、繊度:800tex )を4本引き揃えなが
ら、ナイロンチューブの長さ方向に対する巻角度が±3
0゜であるフィラメントワインディング層を1層、上記
巻角度が±10゜であるフィラメントワインディング層
を1層、上記巻角度が±30゜であるフィラメントワイ
ンディング層を1層この順序で形成し、芯材を抜いてド
ライプリフォームを得た。
【0025】次に、上記ドライプリフォームをラケット
フレームの形状のキャビティを有する上述した成形型の
キャビティに入れ、圧力空気を用いてナイロンチューブ
内を1kgf /cm2 に与圧しながら、かつ、キャビティ内
を60torrに減圧しながら、キャビティ内に、硬化剤を
含む液状エポキシ樹脂(温度:50℃、粘度:1ポイ
ズ)を10kgf /cm2 の圧力で注入した。成形型は12
0℃に設定しておいた。エポキシ樹脂の注入後、ナイロ
ンチューブ内の与圧を5kgf /cm2 に上げ、その状態下
に120℃で15分間保持してラケットフレームを成形
した。
【0026】得られたラケットフレームは、炭素繊維の
含有率が59体積%と高く、表面にボイド等の欠陥は視
認されず、横断面の観察でも、肉厚は1.5±0.2mm
と極めて均一であった。また、フレームの曲げ剛性EIは
2.2×108 kgf ・mm2 であった。
【0027】比較例 フィラメントワインディング層の構成を、ナイロンチュ
ーブ側から順に、巻角度が±30゜であるフィラメント
ワインディング層を1層、上記巻角度が±10゜である
フィラメントワインディング層を1層、上記巻角度が±
60゜であるフィラメントワインディング層を1層とし
たほかは実施例と同様にして、ラケットフレームを得
た。
【0028】得られたラケットフレームは、炭素繊維の
含有率が50体積%と低く、表面には炭素繊維の偏在に
よる樹脂過多な部分や樹脂不足の部分が多く存在してい
た。また、小さなボイドが多数認められた。横断面の観
察では、肉厚の変動が著しく、炭素繊維が全く存在しな
い、肉厚が0.2mmの部分もみられた。また、曲げ剛性
EIは1.8×108 kgf ・mm2 と実施例のものにくらべ
て低かった。
【0029】
【発明の効果】この発明のラケットフレームは、補強繊
維のフィラメントワインディング層を複数層有し、最も
外側に位置するフィラメントワインディング層におけ
る、フレームの長さ方向に対する補強繊維の巻角度は±
25〜45゜の範囲にあり、そのフィラメントワインデ
ィング層の内側に位置するフィラメントワインディング
層には、上記巻角度が±15゜以下であるフィラメント
ワインディング層が含まれているか、最も外側に位置す
るフィラメントワインディング層に代えて、フレームの
長さ方向に対する糸角度が±25〜45゜の範囲にある
組紐の層を位置せしめてなるものであるから、実施例と
比較例との対比からも明らかなように、均質性に優れ、
剛性に優れ、強度、特にガット孔が穿設される部分の強
度に優れている。また、この発明は、そのようなラケッ
トフレームをRTM法によって製造するが、RTM法は
生産性が高いうえに、最も外側に、可撓性チューブの長
さ方向に対する補強繊維の巻角度が±25〜45゜の範
囲にあるフィラメントワインディング層か、可撓性チュ
ーブの長さ方向に対する糸角度が±25〜45゜の範囲
にある組紐の層を位置せしめることで成形時の樹脂流れ
が格段によくなり、表面の均一性が大きく向上してパテ
塗りや研磨等の後工程を少ない工数で行えるようになる
ので、製造コストを下げることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補強繊維のフィラメントワインディング層
    を複数層有し、最も外側に位置するフィラメントワイン
    ディング層における、フレームの長さ方向に対する補強
    繊維の巻角度は±25〜45゜の範囲にあり、そのフィ
    ラメントワインディング層の内側に位置するフィラメン
    トワインディング層には、上記巻角度が±15゜以下で
    あるフィラメントワインディング層が含まれていること
    を特徴とするFRPラケットフレーム。
  2. 【請求項2】最も外側に、補強繊維の、フレームの長さ
    方向に対する糸角度が±25〜45゜の範囲にある組紐
    の層が位置し、その組紐の層の内側に補強繊維のフィラ
    メントワインディング層が位置し、そのフィラメントワ
    インディング層には、フレームの長さ方向に対する補強
    繊維の巻角度が±15゜以下であるフィラメントワイン
    ディング層が含まれていることを特徴とするFRPラケ
    ットフレーム。
  3. 【請求項3】フィラメントワインディング層および/ま
    たは組紐の層が炭素繊維を含んでいる、請求項1または
    2のFRPラケットフレーム。
  4. 【請求項4】フィラメントワインディング層および/ま
    たは組紐の層が易振動減衰性繊維を含んでいる、請求項
    1〜3のいずれかに記載のFRPラケットフレーム。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかのラケットフレー
    ムを有するラケット。
  6. 【請求項6】可撓性チューブの周りに、補強繊維の、可
    撓性チューブの長さ方向に対する補強繊維の巻角度が±
    15゜以下であるフィラメントワインディング層と上記
    巻角度が±25〜45゜の範囲にあるフィラメントワイ
    ンディング層とを少なくとも含むフィラメントワインデ
    ィング層を巻角度が±25〜45゜の範囲にあるフィラ
    メントワインディング層が最も外側に位置するように形
    成した後、所望のラケットフレームの形状のキャビティ
    を有する成形型に入れ、可撓性チューブ内を与圧しなが
    らキャビティ内に樹脂を注入して成形することを特徴と
    する、FRPラケットフレームの製造方法。
  7. 【請求項7】可撓性チューブの周りに、補強繊維の、可
    撓性チューブの長さ方向に対する補強繊維の巻角度が±
    15゜以下であるフィラメントワインディング層を少な
    くとも含むフィラメントワインディング層と、補強繊維
    の、可撓性チューブの長さ方向に対する糸角度が±25
    〜45゜の範囲にある組紐の層とをその組紐の層が最も
    外側に位置するように形成した後、所望のラケットフレ
    ームの形状のキャビティを有する成形型に入れ、可撓性
    チューブ内を与圧しながらキャビティ内に樹脂を注入し
    て成形することを特徴とする、FRPラケットフレーム
    の製造方法。
JP6231485A 1994-09-27 1994-09-27 Frpラケットフレームおよびその製造方法 Pending JPH0889601A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002282394A (ja) * 2002-02-15 2002-10-02 Sumitomo Rubber Ind Ltd ラケットフレームの製造方法及びラケットフレーム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002282394A (ja) * 2002-02-15 2002-10-02 Sumitomo Rubber Ind Ltd ラケットフレームの製造方法及びラケットフレーム

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