JPH088928Y2

JPH088928Y2 - マスターシリンダ

Info

Publication number: JPH088928Y2
Application number: JP14343089U
Authority: JP
Inventors: 雅史高野
Original assignee: リズム自動車部品製造株式会社
Priority date: 1989-12-12
Filing date: 1989-12-12
Publication date: 1996-03-13
Anticipated expiration: 2004-12-12
Also published as: JPH0382669U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はマスターシリンダに関し、詳しくはケーシン
グとプラグ部材によってガイドブッシュを挾持するよう
にしたマスターシリンダに関する。

（従来の技術）一般に、マスターシリンダにおいては、ピストンがカ
ップシールの内周面を摺動するようにしてケーシングの
加工性や組立て性の改善を図ったものがあり、ケーシン
グとピストンの間にピストンを案内するガイドブッシュ
を介装している。

近時のこの種のマスターシリンダとしては、例えば第
２図に示すようなものが提案されている。第２図におい
て、１はケーシングであり、ケーシング１内にはプライ
マリーピストン２およびセカンダリーピストン３が軸方
向に摺動可能に設けられている。ケーシング１とピスト
ン２の間にはそれぞれ樹脂から形成されたガイドブッシ
ュ４、５が介装されており、ピストン２、３はこれらガ
イドブッシュ４、５の内周面に案内されて摺動する。ま
た、ケーシング１の一端部にはカバー部材６が取付けら
れており、ガイドブッシュ４はカバー部材６によってケ
ーシング１に支持されている。ケーシング１の他端部は
プラグ部材７によって閉塞されており、このプラグ部材
７は外周面に形成されるねじ部7aによってケーシング１
に固定されている。また、ガイドブッシュ５はピン８に
よってケーシング１に取付られており、このピン８はケ
ーシング１に形成された貫通孔1aに挿入されてガイドブ
ッシュ５を所定の締付力で支持している。また、ピスト
ン２、３の間にはプライマリーカップ９およびセカンダ
リーカップ10が介装されている。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、このようなマスターシリンダにあって
は、ガイドブッシュ５をピン８によってケーシング１に
支持していたため、セカンダリーピストン２がガイドブ
ッシュ５の内周面に案内されて摺動する際の摺動抵抗に
対し、ガイドブッシュ５の支持力を維持することは強度
的には充分であるとは言えなかった。また、ガイドブッ
シュ５を支持するためにピン８を設けていたため、部品
点数が増大してマスターシリンダの製造コストが増大し
てしまう等するため、未だ改善の余地がある。

（考案の目的）そこで本考案は、ケーシングとプラグ部材によってガ
イドブッシュを支持することにより、マスターシリンダ
の製造コストを増大させることなくガイドブッシュの支
持力を向上させることを目的としている。

（課題を解決するための手段）本考案によるマスターシリンダは、上記目的を達成す
るため、ピストンと、ピストンを収納するケーシング
と、ケーシングの端部を閉塞するプラグ部材と、ピスト
ンとケーシングの間に介装され、ピストンを案内するガ
イドブッシュと、を備えたマスターシリンダにおいて、
前記ケーシングとプラグ部材によって環状溝を形成し、
該環状溝にブッシュの外周突部を挿入してケーシングと
プラグ部材によってガイドブッシュを挾持するようにし
ている。

（作用）本考案では、ケーシングとプラグ部材によって環状溝
を形成し、該環状溝にブッシュの外周突部が挿入されケ
ーシングとプラグ部材によってガイドブッシュが挾持さ
れる。したがって、ガイドブッシュが充分な取付強度で
ケーシングに支持されるとともに、取付に際して部品点
数が増大することがなくマスターシリンダの製造コスト
が低減される。

（実施例）以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案に係るマスターシリンダの一実施例を
示す図であり、本考案をタンデム型のマスターシリンダ
に適用した例を示している。

まず、構成を説明する。同図において、11はケーシン
グであり、ケーシング11内にはプライマリーピストン12
およびセカンダリーピストン13が軸方向に移動可能に収
納されている。ケーシング11内にはピストン12、13によ
って第１液室14および第２液室15が画成されており、第
１液室14および第２液室15にはそれぞれピストン12、13
を図中右方に付勢する第１スプリング部材16および第２
スプリング部材17が縮設されている。また、ケーシング
11の一端部にはカバー部材18が取付られており、このカ
バー部材18はケーシング11の一端部を閉塞する。このカ
バー部材18とピストン12の間にはガイドブッシュ19が介
装されており、ピストン12はガイドブッシュ19の内周面
に案内されて摺動する。ガイドブッシュ19には連通孔19
aが形成されており、連通孔19aはケーシング11に形成さ
れた第１供給孔11aを介して図示しないリザーバタンク
に連通されている。

一方、ケーシング11の他端部はプラグ部材20によって
閉塞されており、このプラグ部材20の開口内周端部20a
には取付用の穴20bが形成されている。また、ケーシン
グ11の外周端部11bにも同様にねじ穴21が形成されてお
り、プラグ部材20とケーシング11はその開口内周端部20
aと外周端部11bとを係合して該端部20a、11bに形成され
た穴20bおよびねじ穴21にボルト22を取付けることによ
り固定されている。また、ケーシング11とプラグ部材20
の間には環状溝23が形成されており、この環状溝23には
ガイドブッシュ24の外周突部24aが挿入されている。こ
の環状溝23は底壁部および一方の側壁部がケーシング11
の外周端部11bによって形成され、他方の側壁部がプラ
グ部材20の開口内周端部20aによって形成されており、
プラグ部材20をケーシング11に衝合させてプラグ部材20
を位置決めするとともにガイドブッシュ24の位置決めを
し、ボルト22によってプラグ部材20をケーシング11に固
定するときガイドブッシュ24は外周突部24aがケーシン
グ11とプラグ部材20とによって挾持される。そして、ピ
ストン13はガイドブッシュ24の内周面に案内されるよう
になっている。なお、ケーシング11の外周端部11bとプ
ラグ部材20の開口内周端部20aの間にはシール部材27が
介装されている。

また、ガイドブッシュ24には連通孔24bが形成されて
おり、連通孔24bはケーシング11に形成された第２供給
孔11cを介してリザーバタンクに連通している。また、
ピストン12、13には連通孔12a、13aが形成されており、
これら連通孔12a、13aはそれぞれ連通孔19a、第１供給
孔11aおよび連通孔24b、第２供給孔11cを介してリザー
バタンクに連通され、リザーバタンクからのブレーキ液
を該連通孔19a、24a等を介して第１液室14および第２液
室15に導入して該ブレーキ液をケーシング11に形成され
た第１吐出孔11dおよびプラグ部材20に形成された第２
吐出孔20cを介して図示しないホイールシリンダに供給
する。

また、ピストン12、13の間にはプライマリーカップ25
およびセカンダリーカップ26が介装されており、これら
カップ25、26はピストン12、13がスプリング部材16、17
の付勢力に抗して図中左動したとき連通孔12a、13aを閉
止して連通孔19aと第１液室14および連通孔24bと第２油
室15との連通を遮断して第１液室14および第２液室15を
密閉させ該液室14、15内のブレーキ液圧を第１、第２吐
出孔11c、20cを介してホイールシリンダに供給する。ま
た、第１液室14内のスプリング部材16はリテーナ28a、2
8bおよびロッド部材28cによって収縮可能に支持されて
いる。そして、第１スプリング部材16はリテーナ28aが
ピストン13に嵌着されることにより常時ピストン13から
ピストン12に反力を加えるようになっている。

なお、29、30はカップ25、26を支持するサポート部材
であり、31は図示しない負圧ブースタのオペレーティン
グロッドが嵌入される嵌入孔である。

次に作用を説明する。

まず、ブレーキ操作時、運転者がブレーキペダルを踏
み込むと負圧ブースタによって倍力されたれたブレーキ
ペダルの踏力がオペレーティングロッドを介してピスト
ン12に作用する。このとき、ピストン12が第１スプリン
グ部材16の付勢力に抗して図中左側に移動してプライマ
リーカップ25が連通孔12aを閉止するため、連通孔10aと
第１油室14の連通が遮断される。このため、第１液室14
内のブレーキ液が加圧されて第１吐出孔11dを介してホ
イールシリンダに供給される。一方、第１液室14のブレ
ーキ液が高まるにつれてピストン13は第２スプリング部
材17の付勢力に抗してガイドブッシュ24に案内されなが
ら図中左側に移動してセカンダリーカップ26が連通孔13
aを閉止する。このため、連通孔24bと第２液室15の連通
が遮断されて第２液室15内のブレーキ液が加圧されて該
ブレーキ液が第２吐出孔20cを介してホイールシリンダ
に供給される。

このとき、ピストン13はガイドブッシュ24に案内され
て移動するため、ガイドブッシュ24はピストン13からの
摺動抵抗を受けるが、該ブッシュ24は環状突部24aが環
状溝23に挿入されてケーシング11とプラグ部材20によっ
て挾持されるようにしてケーシング11とピストン13の間
に介装されているため、充分な取付強度を維持すること
ができ、位置づれ等が発生することがない。また、ガイ
ドブッシュ24はピン等によってケーシング11に支持され
ていないため、部品点数が増大することがなくマスター
シリンダの製造コストを低減することができる。

（効果）本考案によれば、ケーシングとプラグ部材によって環
状溝を形成し、該環状溝にブッシュの外周突部を挿入し
てケーシングとプラグ部材によってガイドブッシュを挾
持しているので、ガイドブッシュを充分な取付強度でケ
ーシングに支持することができるとともに、取付に際し
て部品点数が増大することを防止してマスターシリンダ
の製造コストを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るマスターシリンダの一実施例を示
すその断面図、第２図は従来のマスターシリンダを示す
その断面図である。 11……ケーシング、12……プライマリーピストン、13…
…セカンダリーピストン、19……ガイドブッシュ、20…
…プラグ部材、23……環状溝、24……ガイドブッシュ、
24a……外周突部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ピストンと、ピストンを収納するケーシン
グと、ケーシングの端部を閉塞するプラグ部材と、ピス
トンとケーシングの間に介装され、ピストンを案内する
ガイドブッシュと、を備えたマスターシリンダにおい
て、前記ケーシングとプラグ部材によって環状溝を形成
し、該環状溝にガイドブッシュの外周突部を挿入してケ
ーシングとプラグ部材によってブッシュを挾持するよう
にしたことを特徴とするマスターシリンダ。