JPH0887673A - 商品搬出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 商品が商品押圧板の押圧力によって圧損を生
ずることのない商品搬出装置を提供する。 【構成】 下方から２番目の商品Ａは商品押圧板１２の
下端で側方から押圧され、商品収納部１内に保持され
る。その際、傾斜状態に突出した商品押圧板１２の上側
の面には下方から３番目の商品Ａの下端縁が接触し、こ
の下端縁は商品押圧板１２の係止突起１２ｃに係止して
下方への滑動を規制される。これにより、下方から３番
目の商品Ａは商品押圧板１２の係止突起１２ｃにより保
持され、下方から３番目の商品Ａを含む上方の商品Ａの
重量が商品押圧板１２の押圧によって保持されている下
方から２番目の商品Ａに加わることはない。従って、商
品押圧板１２の押圧力は下方から２番目の商品Ａのみを
保持できるだけの力があれば十分である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は飲料を封入した紙パック
入り商品等の自動販売機に備わる商品搬出装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、各種飲料を封入した紙パック入り
商品の自動販売機は、例えば特開平５−１０８９４３号
公報に記載されているように、商品を上下方向に積み重
ねて収納する商品収納部と、商品収納部の下面を開閉す
る回動自在な開閉板と、商品収納部内に側方から出没す
る商品押圧板とから構成された商品搬出装置を備えてい
る。この商品搬出装置では、任意の商品が選択されると
商品押圧板が商品収納部内に突出し、商品収納部の最下
位から２番目の商品が商品押圧板の押圧によって商品収
納部内に保持され、この状態で開閉板が開放して最下位
の商品のみが商品収納部から所定の取出口に落下するよ
うになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記商
品搬出装置では、商品押圧板で保持されている最下位か
ら２番目の商品にはその上に積み重ねられている他の商
品の重量が加わるため、必然的に商品押圧板の押圧力を
強くしなければならず、このため紙パックのように外装
の柔軟な商品においては商品押圧板の押圧力によって圧
損を生じ、商品価値が低下するという問題点があった。
また、最近では商品収納部一つ当たりの収納量は増加す
る傾向にあることから、前記問題点の解決は特に重要な
課題となっている。

【０００４】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、商品が商品押圧板の
押圧力によって圧損を生ずることのない商品搬出装置を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項１では、商品を上下方向に積み重ね
て収納する商品収納部と、商品収納部の下面を開閉する
開閉板と、商品収納部内に側方から出没する商品押圧板
とを備え、商品押圧板によって商品収納部の下方から２
番目の商品を側方から押圧して商品収納部内に保持し、
この状態で開閉板を開放することにより最下位の商品を
商品収納部から落下させる商品搬出装置において、前記
商品押圧板を上端を回動自在に支持された板状の部材に
よって形成し、その下端で商品を押圧するように構成す
るとともに、商品押圧板の表面には商品を押圧している
ときに下方から３番目の商品が係止する係止部を設けて
いる。

【０００６】また、請求項２では、請求項１記載の商品
搬出装置において、前記係止部を商品押圧板の幅方向に
延びる少なくとも一つの突起または溝によって形成して
いる。

【０００７】

【作用】請求項１の商品搬出装置によれば、下方から２
番目の商品は商品押圧板の下端で側方から押圧され、商
品収納部内に保持される。その際、商品を押圧している
商品押圧板の表面には下方から３番目の商品が接触し、
この商品は商品押圧板の係止部に係止して下方への滑動
を規制される。これにより、下方から３番目の商品は商
品押圧板の係止部により保持され、下方から３番目の商
品を含む上方の商品の重量が商品押圧板の押圧によって
保持されている下方から２番目の商品に加わることはな
い。従って、商品押圧板の押圧力は下方から２番目の商
品のみを保持できるだけの力があれば十分である。

【０００８】また、請求項２の商品搬出装置によれば、
請求項１の作用に加え、前記係止部が商品押圧板の幅方
向に延びる突起または溝によって形成されていることか
ら、商品の下端縁を係止し易い。

【０００９】

【実施例】図１乃至図１０は本発明の一実施例を示すも
ので、図１は商品搬出装置の正面図、図２はその平面
図、図３はその要部正面断面図、図４は図３におけるＸ
−Ｘ線矢視方向断面図、図５は図３におけるＹ−Ｙ線矢
視方向断面図、図６は商品押圧板の正面図、図７はその
側面図である。

【００１０】この商品搬出装置は紙パック入り商品の自
動販売機に用いられ、その構成としては、商品Ａを上下
方向に一列ずつ積み重ねて収納する複数の商品収納部１
と、各商品収納部１の商品Ａを下方から一つずつ搬出す
る搬出ユニット１０とを備えている。

【００１１】各商品収納部１は仕切板２によって計２つ
ずつ幅方向に仕切られ、各仕切板２間の商品収納部１は
搬出ユニット１０によって仕切られている。尚、図では
一つの搬出ユニット１０と、その両側の計２つの商品収
納部１のみを示しているが、実際には多数の商品収納部
１及び搬出ユニット１０が並設される。

【００１２】搬出ユニット１０は、各商品収納部１の下
面を開閉する一対の開閉板１１と、各商品収納部１内に
出没する一対の商品押圧板１２と、各開閉板１１及び各
商品押圧板１２を駆動するモータ１３とから構成され、
これらは各商品収納部１の仕切壁を兼ねたユニットケー
ス１４内に収容されている。各開閉板１１は各商品収納
部１の下部に配置され、それぞれ一端をユニットケース
１４内に支軸１１ａを介して回動自在に取付けられてい
る。各商品押圧板１２は各開閉板１１の上方に配置さ
れ、それぞれ上端をユニットケース１４内の取付板１５
に支軸１２ａを介して回動自在に取付けられている。モ
ータ１３は各商品押圧板１２の上方に配置され、その回
転軸に連結されたシャフト１３ａはユニットケース１４
の下端まで延びている。シャフト１３ａの下端には各開
閉板１１を開閉する略半円形の回転板１６が取付けら
れ、図４に示すように回転板１６が各開閉板１１の両方
に亘って位置しているときは各開閉板１１は何れも回転
板１６によって閉鎖状態に保持され、回転板１６が一方
の開閉板１１側に回動すると他方の開閉板１１が下方に
回動して商品収納部１の下面が開放されるようになって
いる。また、シャフト１３ａの中間には各商品押圧板１
２を出没させるカム１７が取付けられ、図５に示すよう
にカム１７が中立位置にあるときは各商品押圧板１２は
何れも没入状態になり、カム１７が一方に回動すると一
方の商品押圧板１２が商品収納部１内に突出し、他方に
回動すると他方の商品押圧板１２が突出するようになっ
ている。各商品押圧板１２は、図６及び図７(a) に示す
ように幅方向両端の上部に支軸１２ａを挿通する軸受部
１２ｂを有し、各軸受部１２ｂの間はカム１７が当接し
易いように湾曲状に形成されている。また、各商品押圧
板１２の表面には幅方向に延びる多数の係止突起１２ｃ
が等間隔で設けられ、この係止突起１２ｃは図７(b)に
示すように商品押圧板１２が傾斜したとき上側を向く面
に形成されている。

【００１３】次に、本実施例の商品搬出装置の動作につ
いて説明する。まず、図中左側の商品収納部１の商品Ａ
が選択されると、図８に示すようにモータ１３が作動し
てシャフト１３ａが平面方向において時計回りに回転す
る。これにより、回転板１６が回動しながら図中右側の
開閉板１１側に移動し始めるとともに、カム１７が図中
左側の商品押圧板１２を傾斜状態まで回動して商品収納
部１内に突出させる。その結果、下方から２番目の商品
Ａが商品押圧板１２の下端によって側方から押圧され、
この商品Ａが商品押圧板１２と仕切板２との間に保持さ
れる。商品押圧板１２で保持された商品Ａは押圧方向に
多少圧縮され、傾斜状態にある商品押圧板１２の上側の
面には下方から３番目の商品Ａの下端縁が接触する。そ
の際、商品Ａの下端縁は商品押圧板１２の係止突起１２
ｃに係止して下方への滑動を規制される。これにより、
下方から３番目の商品Ａは商品押圧板１２の係止突起１
２ｃにより保持され、下方から３番目の商品Ａを含む上
方の商品Ａの重量が下方から２番目の商品Ａに加わるこ
とはない。従って、商品押圧板１２の押圧力は下方から
２番目の商品Ａのみを保持できるだけの力があれば十分
である。次に、シャフト１３ａの回転が進むと、図９に
示すように回転板１６が図中右側の開閉板１１側に完全
に移動して図中左側の開閉板１１が開放され、最下位の
商品Ａが商品収納部１から落下搬出される。この後、更
にシャフト１３ａの回転が進むと、図１０に示すように
回転板１６が図中左側の開閉板１１側に再び移動して図
中左側の開閉板１１が閉鎖される。そして、カム１７が
中立位置まで回動すると、商品押圧板１２がユニットケ
ース１４内に没入し、商品押圧板１２で保持されていた
商品Ａが開閉板１１上に落下して搬出待機状態となる。
尚、前述の動作ではシャフト１３ａが半周したことにな
るので、シャフト１３ａが次回の搬出で前述と同一方向
に回転すると図中右側の商品収納部１の開閉板１１及び
商品押圧板１２が動作し、その反対方向に回転すると再
び前述と同一の商品収納部１（図中左側）の開閉板１１
及び商品押圧板１２が動作することになる。

【００１４】このように、本実施例の商品搬出装置によ
れば、下方から２番目の商品Ａを商品押圧板１２で押圧
する際、下方から３番目の商品Ａを商品押圧板１２に設
けた係止突起１２ｃに係止することにより、下方から３
番目の商品Ａを含む上方の商品Ａの重量が下方から２番
目の商品Ａに加わらないようにしたので、商品押圧板１
２の押圧力を下方から２番目の商品Ａのみを保持できる
だけの軽微な力に設定することができ、商品押圧板１２
の押圧による商品Ａの圧損を確実に防止することができ
る。また、各係止突起１２ｃは商品押圧板１２の幅方向
に延びるように形成されているので、商品の下端縁を係
止し易く、下方から３番目の商品Ａを確実に保持するこ
とができる。

【００１５】図１１及び図１２は商品押圧板の変形例を
示すもので、図１１は商品押圧板の正面図、図１２はそ
の側面図である。

【００１６】同図に示す商品押圧板１８では、前記実施
例で示した突起に代わり、図１１及び図１２(a) に示す
ように幅方向に延びる多数の係止溝１８ａが等間隔で設
けられ、この係止溝１８ａは図１２(b) に示すように商
品押圧板１８が回動したとき上側を向く面に形成されて
いる。

【００１７】尚、前記係止突起１２ｃ及び係止溝１８ａ
は、商品Ａの係止位置が一定であればその箇所に一つだ
け設けるようにしてもよい。また、このような係止部の
形状は前記実施例に限定されることはなく、例えば不規
則に配列された多数の凹凸や摩擦抵抗の大きい粗面等で
あってもよい。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の商品搬
出装置によれば、商品押圧板の押圧力を下方から２番目
の商品のみを保持できるだけの軽微な力に設定すること
ができるので、商品押圧板の押圧による商品の圧損を確
実に防止することができる。従って、商品収納部一つ当
たりの収納量も大幅に増やすことができるので、収納効
率の向上に極めて有利である。また、押圧力を軽微にで
きる分だけ商品押圧板を小さくすることができるので、
装置全体の小型化を図ることもできる。

【００１９】また、請求項２の商品搬出装置によれば、
請求項１の作用に加え、商品押圧板の係止部が商品の下
端縁を係止し易く形成されているので、下方から３番目
の商品を確実に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す商品搬出装置の正面図

【図２】商品搬出装置の平面図

【図３】商品搬出装置の要部正面断面図

【図４】図３におけるＸ−Ｘ線矢視方向断面図

【図５】図３におけるＹ−Ｙ線矢視方向断面図

【図６】商品押圧板の正面図

【図７】商品押圧板の側面図

【図８】商品搬出装置の動作説明図

【図９】商品搬出装置の動作説明図

【図１０】商品搬出装置の動作説明図

【図１１】商品押圧板の正面図

【図１２】商品押圧板の側面図

【符号の説明】

１…商品収納部、１１…開閉板、１２…商品押圧板、１
２ｃ…係止突起、１８…商品押圧板、１８ａ…係止溝、
Ａ…商品。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品を上下方向に積み重ねて収納する商
   品収納部と、商品収納部の下面を開閉する開閉板と、商
   品収納部内に側方から出没する商品押圧板とを備え、商
   品押圧板によって商品収納部の下方から２番目の商品を
   側方から押圧して商品収納部内に保持し、この状態で開
   閉板を開放することにより最下位の商品を商品収納部か
   ら落下させる商品搬出装置において、 前記商品押圧板を上端を回動自在に支持された板状の部
   材によって形成し、その下端で商品を押圧するように構
   成するとともに、 商品押圧板の表面には商品を押圧しているときに下方か
   ら３番目の商品が係止する係止部を設けたことを特徴と
   する商品搬出装置。
2. 【請求項２】 前記係止部を商品押圧板の幅方向に延び
   る少なくとも一つの突起または溝によって形成したこと
   を特徴とする請求項１記載の商品搬出装置。