JPH08868Y2 - 素麺・うどん等の麺線の移送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、素麺・うどん・そば・
冷麦等の麺線の延伸・サバキを行う延伸機・サバキ機等
から麺線を懸吊した麺棹を取外し、所定の位置まで移送
する作業を自動化した装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】素麺・うどん・そば・冷麦等の麺類製造
においては、麺線として所定の太さになるまで延伸させ
る工程が必要であり、その工程を自動化した延伸機・サ
バキ機又は延伸サバキ機等は広く使用されている。

【０００３】しかしながら、延伸作業の完了した麺線は
１．５ｍ程にもなっており、又麺棹にはその麺線が多数
懸吊されているため重たく、延伸機等からの麺線の取外
し及び次工程への移送は大変困難であり、延伸機等の能
力を効率よく利用できなかった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は上記した問題
点に鑑みてなされたものであり、その課題は延伸機・サ
バキ機等からの麺棹の取外し及び次工程への移送を能率
良く自動的に行う素麺・うどん等の麺線の移送装置を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
考案の要旨は、 １） 素麺・うどん等の麺線を懸吊した麺棹を片持支持
して該麺線の延伸・サバキを行う延伸機・サバキ機等の
作業完了位置の側方に所定間隔をおいて１対の開閉自在
な支持アームを設けるとともに、延伸機・サバキ機等か
ら麺棹を取外して支持アームに水平に懸架させる麺棹の
取外し機構を備え、支持アームに懸架された麺棹を該支
持アームの下方位置で受取り待機位置へ通ずる搬送手段
上まで該麺棹を移送する１対の進退自在な受アームを備
えたことを特徴とする素麺・うどん等の麺線の移送装置 ２） 麺棹の取外し機構が延伸機・サバキ機等に支持さ
れた麺棹をその支持部から押出する押出手段で構成され
ていることを特徴とする請求項１記載の素麺・うどん等
の麺線の移送装置 ３） 麺棹の搬送手段が受アームの下方から受アームに
支持された麺棹を該搬送手段上に移載できる位置まで傾
動し得るよう傾動自在に支持されていることを特徴とす
る請求項１又は２記載の素麺・うどん等の麺線の移送装
置にある。

【０００６】

【作用】本考案の素麺・うどん等の麺線の移送装置は、
延伸機・サバキ機等に片持支持された麺棹を取外す取外
し機構を備えており、同取外し機構でもって取外された
麺棹は支持アームに水平に懸架される。支持アームの下
方には進退自在な受アームが配してあり、同受アームは
支持アームの真下位置と搬送手段上との間で往復運動を
行うことができる。

【０００７】支持アームの真下位置に受アームが位置し
た状態で支持アームを開放して麺棹を該受アームへ受渡
し、受アームでもって搬送手段上まで麺棹を移送し、更
に該搬送手段でもって所定の待機位置まで移送すること
ができる。

【０００８】本考案では、延伸機・サバキ機等からの麺
棹の取外し機構として、延伸機・サバキ機等の麺棹の支
持部の裏側から麺棹を押出する押出手段をもって構成し
たものがある。その場合にも、麺棹は押出されると同時
に支持アームに支持され、麺棹が傾斜して麺線が片寄る
ことはない。

【０００９】又、本考案では受アームで移送されてきた
麺棹を更に所定の待機位置まで移送する搬送手段を受ア
ームの下方から受アームに支持された麺棹を移載できる
位置まで傾動し得るよう傾動自在に支持することによっ
て、受アームから搬送手段上への麺棹の受渡を円滑にし
たものもある。

【００１０】

【実施例】実施例については、以下の図面に基づき説明
する。図１は実施例を示す平面図、図２は同正面図、図
３は同側面図、図４，図５は麺棹の取外し機構の例を示
す説明図、図６，７は支持アームの開閉機構を示す説明
図、図８は実施例の移送工程を示す説明図である。

【００１１】本実施例では、素麺・うどん等の麺線の移
送装置１を延伸サバキ機２に取付けた例を示す。延伸サ
バキ機２は、本実施例では麺棹の取付位置３から作業完
了位置４へと回転する間に麺線の延伸及びサバキを行う
もので、８対の麺棹の支持部５を有している。各支持部
５は上部支持部５ａと下部支持部５ｂの上下１対で構成
され、夫々に支持孔６を穿設してある。そして、各支持
孔６内には支持部裏面より押出杆７が遊挿されている
が、普段押出杆７はスプリング８によって支持孔６の外
方に位置するよう付勢され、麺棹３１の支持に支障を来
たすことはない。麺棹３１，３２は、通常１１ミリ直径
の０.５ミリ肉厚で長さ５５センチのステンレスパイプ
が使用され、ステンレス製で肉厚２〜３センチ程の上部
支持部５ａと下部支持部５ｂの板部材の支持孔６に挿入
され、６００グラム程度の麺線が掛けられ、上部及び下
部支持部５ａ，５ｂによって片持ち支持される。麺棹３
１，３２は麺線を掛けて運ぶだけであるのであまり歪む
ことなく充分に麺線を片持ち支持できる。

【００１２】延伸サバキ機２の作業完了位置４の上部支
持部５ａと下部支持部５ｂ裏側には図４，図５に示すよ
うに、押圧板９ａ，９ｂが配してあり、押出杆７を支持
孔６内へ向けてスプリング８に抗して押圧し、支持孔６
内に挿入されている麺棹３１，３２を押出せるよう、該
押圧板９ａ，９ｂにはエアシリンダ１０，１１が連結さ
れている。ただし、本実施例では下部支持部５ｂにおい
てエアシリンダ１１の伸長動作を利用して押圧板９ｂを
作動させ、まず下の麺棹３２を押出し、上部支持部５ａ
においてエアシリンダ１０の収縮動作を利用して押圧板
９ａを作動させ、上の麺棹３１を押出する。

【００１３】上述の如くして押出された麺棹３１は支持
アーム１２にその両端を支持される。支持アーム１２は
エアシリンダ１３と連動した作動杆１４の並行運動をク
ランク棒１５でもって回転運動に変換して開閉を行う。
図６，７に示すように、１６はクランク棒１５を連結し
たギア１７の回転軸で、エアシリンダ１３の伸縮に伴っ
てギア１７が回動するとギア１７と噛合したギア１８は
反対方向に回動する。従って、ギア１７に固着した第１
アーム１２ａとギア１８に固着した第２アーム１２ｂと
は互いに反対方向に回動して支持アーム１２の開閉動作
となる。ギア１８が回動すると、ロッド２０が回転し、
水平に対向したギア１８ａが回動し、これに軸着した第
１アーム１２ｃが回転して開き、同時にギア１８ａと噛
合したギア１７ａは反対方向に回転し第１アーム１２ｄ
を 開く（図６参照）。このように水平に対向した一対の
支持アーム１２及び麺線の送り方向に対向した支持アー
ム１２とは同期して開閉する。支持アーム１２は麺棹３
１が作業完了位置４へ到達するまでは開状態で待機し、
延伸サバキ機２に支持された麺棹３１の進行を妨げるこ
とはない（図８（ａ）参照）。そして、作業完了位置４
へ麺棹３１が到達すると、支持アーム１２は閉動して合
掌状態となり、押出された麺棹３１を支持する（図８
（ｂ）参照）。１９は押出された麺棹３１の突出を防止
するストッパー、２０は左右の支持アーム１２を連結す
るロッドである。

【００１４】支持アーム１２の下方には左右１対の受ア
ーム２１が配されている。支持アーム１２を開放する
と、支持アーム１２に支持されていた麺棹３１は受アー
ム２１上に載置される（図８（ｃ）参照）。２２は受ア
ーム２１上の麺棹支持用切欠部、２３は受アーム２１を
進退させるロッドレスシリンダ、２４はそのガイド杆で
ある。

【００１５】麺棹３１を支持した受アーム２１が頭下げ
の状態に傾斜したチェーンコンベア２５上まで移動する
と、同チェーンコンベア２５は略水平状態になるよう上
方へ傾動して麺棹３１を移載する（図８（ｄ）参照）。
チェーンコンベア２５で送られた麺棹３１はチェーンコ
ンベア２８へ移送される（図８（ｆ），（ｇ）参照）。
２６はチェーンコンベア２５の傾動用エアシリンダ、２
７はチェーンコンベア２５の回転駆動用モータ、２８は
チェーンコンベア２５によって搬送されてきた麺棹３１
を待機させる間欠回転するチェーンコンベア、２９はチ
ェーンコンベア２５とチェーンコンベア２８とをつなぐ
シュート、３０はチェーンコンベア２８の回動駆動用モ
ータ、３３はモータ２７の出力スプロケット３４と左右
のチェーンコンベア２５の主プーリー３５を連結するロ
ッド、３６はモータ３０の出力軸３７と左右のチェーン
コンベア２８の主スプロケット３８を連結するロッドで
ある。

【００１６】本考案は以上説明した実施例に限ることな
く、麺棹を片持支持する方式であれば回転型の延伸機等
でなくとも取付可能である。又、麺棹の取外し機構も押
圧する方式に限らず引抜く方式でもよいし、支持アーム
や受アームの構成も適当としてよい。更に、本考案では
待機位置へ通ずる搬送手段として傾動自在なチェーンコ
ンベアを用いたが、傾動自在に構成しなくとも受アーム
から移載できる構成であればよいので水平状態のまま昇
降する機構或いは受アームの移送径路上に交差するよう
に傾斜配置してもよい。

【００１７】

【考案の効果】本考案は、以上説明したように延伸機・
サバキ機等からの麺線の取外し及び移送を自動化したの
で、延伸機・サバキ機等の処理能力をフルに発揮して作
業でき、大変能率が良い。しかも、支持アーム・受アー
ム等の駆動にエアシリンダを利用することによって装置
をシンプルなものとしてメンテナンスを容易とした。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例を示す平面図である。

【図２】実施例を示す正面図である。

【図３】実施例を示す側面図である。

【図４】麺棹の取外し機構の例を示す説明図である。

【図５】麺棹の取外し機構の例を示す説明図である。

【図６】支持アームの開閉機構を示す説明図である。

【図７】支持アームの開閉機構を示す説明図である。

【図８】実施例の移送工程を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 素麺・うどん等の麺線の移送装置 ２ 延伸サバキ機 ３ 取付位置 ４ 作業完了位置 ５ 支持部 ６ 支持孔 ７ 押出杆 ８ スプリング ９ 押圧板 １０ エアシリンダ １１ エアシリンダ １２ 支持アーム １３ エアシリンダ １４ 作動杆 １５ クランク棒 １６ 回転軸 １７ ギア １８ ギア １９ ストッパー ２０ ロッド ２１ 受アーム ２２ 切欠部 ２３ ロッドレスシリンダ ２４ ガイド杆 ２５ チェーンコンベア ２６ エアシリンダ ２７ モータ ２８ チェーンコンベア ２９ シュート ３０ モータ ３１ 麺棹 ３２ 麺棹 ３３ ロッド ３４ 出力スプロケット ３５ 主スプロケット ３６ ロッド ３７ 出力軸 ３８ 主スプロケット

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 素麺・うどん等の麺線を懸吊した麺棹を
   片持支持して該麺線の延伸・サバキを行う延伸機・サバ
   キ機等の作業完了位置の側方に所定間隔をおいて１対の
   開閉自在な支持アームを設けるとともに、延伸機・サバ
   キ機等から麺棹を取外して支持アームに水平に懸架させ
   る麺棹の取外し機構を備え、支持アームに懸架された麺
   棹を該支持アームの下方位置で受取り待機位置へ通ずる
   搬送手段上まで該麺棹を移送する１対の進退自在な受ア
   ームを備えたことを特徴とする素麺・うどん等の麺線の
   移送装置。
2. 【請求項２】 麺棹の取外し機構が延伸機・サバキ機等
   に支持された麺棹をその支持部から押出する押出手段で
   構成されていることを特徴とする請求項１記載の素麺・
   うどん等の麺線の移送装置。
3. 【請求項３】 麺棹の搬送手段が受アームの下方から受
   アームに支持された麺棹を該搬送手段上に移載できる位
   置まで傾動し得るよう傾動自在に支持されていることを
   特徴とする請求項１又は２記載の素麺・うどん等の麺線
   の移送装置。