JPH0886345A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH0886345A
JPH0886345A JP22043094A JP22043094A JPH0886345A JP H0886345 A JPH0886345 A JP H0886345A JP 22043094 A JP22043094 A JP 22043094A JP 22043094 A JP22043094 A JP 22043094A JP H0886345 A JPH0886345 A JP H0886345A
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JP
Japan
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differential
accumulator
gear
viscous fluid
pinion gears
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JP22043094A
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Yasuhiko Ishikawa
泰彦 石川
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘性流体の圧力変動とアキュムレータとの干
渉を防止する。 【構成】 車輪側のサイドギヤ39,41と、ギヤ3
9,41を連結すると共に、ピニオンギヤ65が周方向
に隣合って配置されたピニオンギヤ65,67と、ギヤ
65,67を摺動回転自在に収納するデフケース21の
収納孔61,63と、デフケース21に封入され、各ギ
ヤの噛み合いによって加圧される粘性流体と、ギヤ65
の間に配置され粘性流体の圧力変動を低減するアキュム
レータ79と、ギヤ65の軸部73と収納孔61との間
に形成され、ギヤの噛み合い部とアキュムレータ79間
に配置され粘性流体が流出入する緩衝室97とを備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両のデファレンシ
ャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭64−87940号公報には、ウ
ォームホイールとウォームとからなる一対のウォームギ
ヤを備えたデファレンシャル装置が開示され、このもの
は、一対のウォームギヤの大きなトルク伝達ロスによる
トルク感応型の差動制限機能を持っている。
【0003】又、特開平2−197426号公報には、
ベベルギヤ式の差動機構に差動回転が生じると、カム面
に押されてピストンがオイル室を加圧し、オイル室から
の反力を受けてピストンがカム面を押圧し、差動回転速
度に感応する速度感応型の差動制限機能が生じるデファ
レンシャル装置が開示されている。
【0004】車両の差動制限機能は、例えば、トルクを
掛けて急旋回するようなスポーティ走行時の操縦安定性
を向上させるためや、悪路などで一輪が空転した時に走
破性を向上させるために必要である。しかし、トルク感
応型の差動制限機能は、前者には有効であるが後者には
あまり有効であるとは言えない。また速度感応型の差動
制限機能は、後者には有効であるが前者にはあまり有効
であるとは言えない。そこでこれら両タイプの差動制限
機能を備えるために両者を併合して一体化したデファレ
ンシャル装置が考えられるが、構造が複雑かつ大型化す
るとともに高価である。
【0005】そこで、本出願人は、両タイプの差動制限
機能を備え、構造が簡単かつ大型化することなく、安価
な図5のようなデファレンシャル装置229を先に提案
した。
【0006】このデファレンシャル装置229は、車輪
側のサイドギヤ231,233と、互いに噛み合うと共
にサイドギヤ231,233を連結する複数組のピニオ
ンギヤ235,237とを備えており、デフケース23
9の内部には粘性流体が封入され、アキュムレータ24
1が配置されている。粘性流体はギヤ噛み合い部のポン
プ作用によってデフケース239の内部を循環し、アキ
ュムレータ241は粘性流体の圧力変動を低減させる。
【0007】デファレンシャル装置229は、各ギヤの
噛み合い反力やヘリカルギヤの噛み合いスラスト力等に
よって生じるピニオンギヤ235,237とサイドギヤ
231,233と周辺部材との摩擦抵抗により、伝達ト
ルクに感応するトルク感応型の差動制限機能が得られる
と共に、粘性流体を循環させるギヤのポンプ仕事及び粘
性流体の圧力を受けて生じる各ギヤと周辺部材との摩擦
抵抗によって、速度感応型の差動制限機能が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デファレンシ
ャル装置229では、中空のサイドギヤ231,233
の内周にアキュムレータ241が配置されているから、
サイドギヤ231,233とピニオンギヤ235,23
7との噛み合いによる粘性流体の圧力が直接アキュムレ
ータ241に入って、アキュムレータ241の圧力変動
低減機能が損なわれ、速度感応型の差動制限機能が十分
に発揮できない。
【0009】又、サイドギヤ231,233の内周にア
キュムレータ241を配置する構造では、例えば車軸2
43,245を付き当てるスラストブロックを必要とす
る車両には適用することが難しくなる。
【0010】そこで、この発明は、伝達トルクと差動回
転速度との両方に感応する差動制限機能を備え、粘性流
体の圧力変動によるアキュムレータの機能が十分に発揮
され、速度感応型の差動制限機能を十分に発揮できるデ
ファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1発明のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケースと、デフケースの内部に配置された一対の車輪
側サイドギヤと、互いに噛み合うと共にこれらサイドギ
ヤと各別に噛み合った第1と第2のピニオンギヤと、デ
フケースに形成され各ピニオンギヤを摺動回転自在に収
納する収納孔と、デフケースに封入され、各ギヤ噛み合
い部のポンプ作用によって加圧される粘性流体と、この
粘性流体の圧力変動を低減するアキュムレータと、ギヤ
の噛み合い部とアキュムレータとの間に配置され粘性流
体が流出入する緩衝室とを備えたことを特徴とする。
【0012】第2発明のデファレンシャル装置は、第1
と第2のピニオンギヤが、サイドギヤと噛み合う第1の
ギヤ部及び互いに噛み合う第2のギヤ部を有し、第1の
ピニオンギヤは第1と第2のギヤ部を連結する小径の軸
部を備え、この軸部と収納孔との間に形成された空間を
緩衝室にした請求項1のデファレンシャル装置である。
【0013】第3発明のデファレンシャル装置は、第1
と第2のピニオンギヤが複数組用いられると共に、第1
のピニオンギヤが周方向に隣合って配置され、アキュム
レータが、第1のピニオンギヤの間に配置された請求項
1又は2のデファレンシャル装置である。
【0014】第4発明のデファレンシャル装置は、デフ
ケースに設けられ、粘性流体が充填されている部分と外
部とを連通する開口と、この開口に螺着され粘性流体の
充填率を調整するねじ部材とを備えた請求項1、2又は
3のデファレンシャル装置である。
【0015】第5発明のデァレンシャル装置は、アキュ
ムレータが、デフケースに設けられた収納室の内部に配
置されると共に、収納室に配置されたピストンと、この
ピストンを介して粘性流体を押圧するばねと、収納室に
形成された開口に螺着され粘性流体の充填率を調整する
ねじ部材とを備えた請求項1、2又は3のデファレンシ
ャル装置である。
【0016】
【作用】各発明のデファレンシャル装置は、サイドギヤ
との噛み合い反力によりピニオンギヤと収納孔との間に
生じる摩擦抵抗や、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力
により各ギヤが押圧されて生じる摩擦抵抗によってトル
ク感応型の差動制限機能が得られると共に、粘性流体を
加圧するギヤのポンプ仕事及び粘性流体の圧力により各
ギヤが押圧されて生じる摩擦抵抗によって、速度感応型
の差動制限機能が得られる。このように、各発明のデフ
ァレンシャル装置は、伝達トルクと差動回転速度の両方
に感応する差動制限機能を備えている。
【0017】又、ギヤの回転速度(ポンプの仕事量)や
内部温度の変化等による粘性流体の圧力変動はアキュム
レータによって低減される共に、ギヤの噛み合い部とア
キュムレータとの間に粘性流体が流出入する緩衝室を設
けたから、異なったギヤの噛み合い部で発生する異なっ
た粘性流体圧がこの緩衝室で平均化され、直接アキュム
レータに入らない。こうして、異なったギヤの噛み合い
部で発生する大きな圧力変動とアキュムレータとの干渉
が防止されるから、アキュムレータの圧力変動低減機能
が保全され、安定した速度感応型の差動制限機能が得ら
れる。
【0018】第2発明のデファレンシャル装置では、第
1のピニオンギヤで第1と第2のギヤ部を連結する小径
の軸部と収納孔との間に形成されている空間を利用して
緩衝室にしたから、緩衝室をわざわざ加工する必要がな
く、それだけ構造が簡単で低コストである。
【0019】第3発明のデファレンシャル装置では、周
方向に隣合って配置された第1のピニオンギヤの間にア
キュムレータを配置して、デッドスペースを有効に利用
している。
【0020】第4発明のデファレンシャル装置では、粘
性流体が充填されている部分と外部とを連通するデフケ
ースの開口に、又第5発明のデファレンシャル装置で
は、アキュムレータの収納室に形成された開口に、それ
ぞれねじ部材を螺着して粘性流体の充填率を調整可能に
した。充填率を調整すれば、速度感応型の差動制限機能
を調整することができる。その上、これらの開口を粘性
流体の注入口に利用して、デフケースの内部に粘性流体
を容易に注入することができる。
【0021】
【実施例】図1、2により本発明の一実施例を説明す
る。この実施例は第3発明の特徴を備えている。図1は
この実施例の縦断面図である。
【0022】このデファレンシャル装置7は車両のフロ
ントデフ、センターデフ又はリヤデフとして用いられる
ものである。
【0023】図1、2のように、デフケース21は、ケ
ーシング本体31とカバー33とが4本のボルト35で
固定され、本体31とカバー33との間にOリング37
を配置して密閉構造にされている。デフケース21の内
部には左右のヘリカル歯を有したサイドギヤ39,41
が配置されている。
【0024】各サイドギヤ39,41はそれぞれ中空の
ハブ43,45に形成されており、各ハブ43,45は
デフケース21との間に形成された支承部47,49に
よって回転自在に支承されていると共に、互いの間に形
成された支承部51を介して支承し合い、互いにセンタ
ーリングしている。
【0025】各サイドギヤ39,41はハブ43,45
を介してそれぞれ後車軸9,11にスプライン連結さ
れ、止め輪53で固定されている。サイドギヤ39,4
1の間にはサイドギヤ39,41の歯底から歯先近傍ま
でを閉塞するワッシャ55が配置されている。又、ハブ
43,45と本体31、カバー33との間にはそれぞれ
Xリング57(断面がX字状のシール)が配置されると
共に、ハブ43,45の対向端部にはそれぞれ密閉蓋5
9が装着され、ハブ43,45と本体31とカバー33
との間に密閉された空間を形成している。
【0026】デフケース21には、図1のように長短の
収納孔61,63が、図2のように周方向等間隔に4組
形成されている。収納孔61,63にはそれぞれ長短の
ヘリカルピニオンギヤ65,67が摺動回転自在に収納
されている。
【0027】長いピニオンギヤ65は、第1と第2のギ
ヤ部69,71とこれらを連結する小径の軸部73とか
らなり、第1ギヤ部69は右のサイドギヤ41と噛み合
っている。また、短いピニオンギヤ67は第1と第2の
ギヤ部75,77からなり、第1ギヤ部75は左のサイ
ドギヤ39と噛み合い、第2ギヤ部77はピニオンギヤ
65の第2ギヤ部71と噛み合っている。
【0028】デフケース21を回転させるエンジン1の
駆動力はピニオンギヤ65,67からサイドギヤ39,
41を介して左右の後輪側に分配され、後輪間に駆動抵
抗差が生じるとピニオンギヤ65,67の自転によって
エンジン1の駆動力は左右各側に差動分配される。
【0029】トルクの伝達中、ピニオンギヤ65,67
はサイドギヤ39,41との噛み合い反力により収納孔
61,63の壁面に押しつけられて摩擦抵抗が発生す
る。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によってピ
ニオンギヤ65,67とデフケース21との間で摩擦抵
抗が発生し、サイドギヤ39,41とワッシャ55ある
いはデフケース21との間で摩擦抵抗が発生する。これ
らの摩擦抵抗により、トルク感応型の差動制限機能が得
られる。
【0030】図2のように、各ピニオンギヤ65,67
は長いピニオンギヤ65が周方向に隣り合うように配列
されており、長いピニオンギヤ65の間にはそれぞれア
キュムレータ79が配置されている。
【0031】各アキュムレータ79は、デフケース21
に設けられた収納室81の内部に設けられており、収納
室81との間にOリング83を配置したピストン85、
コイルばね87、プレート89、スナップリング91等
から構成されている。スナップリング91は収納室81
の開口部93側に取り付けられ、プレート89とコイル
ばね87とを介してピストン85を左方に押圧してい
る。プレート89には、ピストン85の動きに伴って空
気が出入りする空気孔95が設けられている。
【0032】長いピニオンギヤ65の軸部73と収納孔
61との間には緩衝室97(空間)が形成されており、
デフケース21にはこの緩衝室97と収納室81の底部
99とを連通する溝101が形成されている。
【0033】デフケース21の内部には、収納室81の
開口部93からオイル(粘性流体)が注入され、その後
収納室81にアキュムレータ79が組み込まれる。オイ
ルの注入に際しては、2個の収納室81の内の一方を注
入口にし、他方を空気抜き孔にする。
【0034】デファレンシャル装置7に差動が生じる
と、各ギヤ噛み合い部のポンプ作用によってオイルに正
圧と負圧とが生じる。これらの圧力は、車両の進行方向
や旋回方向によって異なった方向に生じる。各ギヤはオ
イルの正圧によって負圧側に押圧され、ピニオンギヤ6
5,67とデフケース21との間で摩擦抵抗が生じ、サ
イドギヤ39,41とデフケース21あるいはワッシャ
55との間で摩擦抵抗が生じる。これらの摩擦抵抗によ
り差動が制限される。ポンプ仕事はギヤの差動回転速度
に応じて増減するから、この差動制限機能は速度感応型
である。
【0035】短いピニオンギヤ67の第1ギヤ部75と
第2ギヤ部77部との間には2つ割りの分割ワッシャ1
03が取り付けられ、長いピニオンギヤ65の軸部73
には、第1ギヤ部69側に、2つ割りの分割ワッシャ1
05が取り付けられている。これらの分割ワッシャ10
3,105によって、ピニオンギヤ65,67の噛み合
い部と、サイドギヤ39,41とピニオンギヤ65,6
7との噛み合い部が遮断され、各噛み合い部で発生する
オイル圧の干渉が防止され、それだけ速度感応型の差動
制限機能が安定する。
【0036】アキュムレータ79は、ポンプの仕事量変
化やオイルの温度変化等によるオイル圧変動を、ピスト
ン85の移動(コイルばね87の撓み)により吸収して
低減し、速度感応型の差動制限機能を安定させる。
【0037】上記のように、ピニオンギヤ65,67間
の噛み合い部(第2ギヤ部71,77)で発生するオイ
ル圧は緩衝室97を介してアキュムレータ79に入る。
アキュムレータ79の両側に配置された各ピニオンギヤ
65,67は、互いに周方向の配列が反対であるから、
緩衝室97に入るオイル圧は常に正負が逆になるが、こ
の正負のオイル圧は緩衝室97で相殺され、アキュムレ
ータ79の機能を損なわない。従って、速度感応型の差
動制限機能が更に安定する。
【0038】こうして、デファレンシャル装置7が構成
されている。
【0039】上記のように、デファレンシャル装置7は
トルク感応型と速度感応型の両方の差動制限機能を備え
ているから、車両に適用することにより、スポーティ走
行中はトルク感応型の差動制限機能によって優れた操縦
安定性が得られ、悪路などで片輪がスリップしても、速
度感応型の差動制限機能によって走破性が向上する。
【0040】又、ピニオンギヤ65の軸部73と収納孔
61の間の空間を利用して緩衝室97を設けたから、緩
衝室97を別途形成する必要がなく、それだけ構造が簡
単で低コストである。
【0041】アキュムレータ79の収納室81をピニオ
ンギヤ65の間に形成したから、このデッドスペースが
有効に利用されると共に、従来例と異なって、サイドギ
ヤ39,41の内周が必要な部材の配置箇所として開放
された。
【0042】更に、収納室81に開口部93を設けたか
ら、オイルの注入が容易である。
【0043】次に、図3、4により本発明の他の実施例
を説明する。この実施例のデファレンシャル装置107
は第4、第5発明の特徴を備えている。図3はこの実施
例の縦断面図である。また、この実施例は前述した一実
施例と同様に車両のフロントデフ、センターデフ又はリ
ヤデフとして用いられる。なお、図3、4において上記
実施例(デファレンシャル装置7)の部材と同機能の部
材には同符号が与えられており、以下これら同機能部材
の説明は省く。
【0044】図4のように、長いピニオンギヤ65の間
にはアキュムレータ109がそれぞれ配置されている。
【0045】アキュムレータ109は、デフケース21
に設けられた収納室111の内部に収納されており、収
納室111との間にOリング83を配置したピストン8
5、コイルばね87、ボルト113(ねじ部材)等から
構成されている。ボルト113は収納室111の開口部
115に螺着され、コイルばね87を介してピストン8
5を左方に押圧している。ボルト113には、ピストン
85の動きに伴って空気が出入りする空気孔117が設
けられている。
【0046】デフケース21の内部には、収納室111
の開口部115からオイル(粘性流体)が注入され、ア
キュムレータ109はオイルの注入後、収納室111に
組み込まれる。
【0047】デフケース21の溝101は、ピニオンギ
ヤ65の軸部73と収納孔61との間に形成された緩衝
室97と収納室111の底部119とを連通している。
【0048】デファレンシャル装置107に差動が生じ
ると、各ギヤのポンプ作用によってオイルに正圧と負圧
とが生じる。これらの圧力によって、ピニオンギヤ6
5,67やサイドギヤ39,41が押圧され、生じた摩
擦抵抗により速度感応型の差動制限機能が得られる。
【0049】アキュムレータ109は、ポンプの仕事量
変化やオイルの温度変化等によるオイル圧変動を、ピス
トン85の移動(コイルばね87の撓み)により吸収し
て低減し、速度感応型の差動制限機能を安定させる。
【0050】又、アキュムレータ109の両側に配置さ
れた各ピニオンギヤ65,67で発生する正負のオイル
圧は緩衝室97で相殺され、アキュムレータ109の機
能を損なわない。従って、速度感応型の差動制限機能が
更に安定する。
【0051】アキュムレータ109のボルト113を締
め込んだり、緩めたりすることによって、ピストン85
を介してオイルを加圧するコイルばね87の付勢力が変
わり、オイルの充填率を変える(例えば、100%にす
る)ことが出来る。オイルの充填率が変わると、ギヤの
ポンプ仕事量が変化し速度感応型の差動制限力が変わる
から、ボルト113の操作により、速度感応型の差動制
限機能を車両の走行条件等に合わせて調整することが出
来る。
【0052】こうして、デファレンシャル装置107が
構成されている。
【0053】デファレンシャル装置107はトルクと速
度の両方に感応する差動制限機能を備えているから、図
5の車両は、スポーティ走行で優れた操縦安定性が得ら
れると共に、悪路走破性も向上する。
【0054】既存の空間を緩衝室97にし、緩衝室97
を別途形成する必要を無くしたから、それだけ構造簡単
で低コストであり、アキュムレータ109の収納室11
1をピニオンギヤ65の間のデッドスペースに形成した
から、サイドギヤ39,41の内周が必要な部材に開放
された。又、収納室111に開口部115を設けたか
ら、オイルの注入が容易である。
【0055】これに加えて、デファレンシャル装置10
7はオイルの充填率調整機能によって速度感応型の差動
制限機能を、車両の走行条件に合わせて調整し、走破性
を大幅に向上させることが出来る。
【0056】なお、粘性流体の充填率調整は、実施例
(デファレンシャル装置107)のようにコイルばね8
7を介してピストン85を押圧する構成に限らず、例え
ば、短いピニオンギヤ67の間に粘性流体が流出入する
粘性流体室をもうけ、ねじ部材でこの粘性流体室の容積
を調整するようにしてもよい。
【0057】又、粘性流体の粘性を選択することによ
り、あるいはばねの定数を選択することによって、速度
感応型の差動制限機能を所望の特性にすることが出来
る。
【0058】また、ピニオンギヤの配列は前述のように
同じピニオンギヤがとなり合せでなく交互に配列されて
も良く、アキュムレータはこれらの異なったピニオンギ
ヤの間に配置されても良い。
【0059】
【発明の効果】各発明のデファレンシャル装置は、噛み
合い反力や噛み合いスラスト力によって各ギヤが押圧さ
れて生じる摩擦抵抗によりトルク感応型の差動制限機能
が得られ、粘性流体を加圧するギヤのポンプ仕事等によ
り、速度感応型の差動制限機能が得られる。
【0060】又、粘性流体が緩衝室を介してアキュムレ
ータに入るように構成したから、異なったギヤの噛み合
い部で発生する異なった粘性流体圧がこの緩衝室で平均
化され、安定した速度感応型の差動制限機能が得られ
る。
【0061】第2発明のデファレンシャル装置では、第
1のピニオンギヤの小径の軸部と収納孔との間に形成さ
れている空間を利用して緩衝室にしたから、緩衝室を別
途形成する必要が無く、それだけ構造簡単で低コストで
ある。
【0062】第3発明のデファレンシャル装置では、周
方向に隣合って配置された第1のピニオンギヤの間にア
キュムレータを配置してデッドスペースを有効に利用す
ると共に、サイドギヤの内周を必要な部材に開放した。
【0063】第4発明と第5発明のデファレンシャル装
置では、デフケースの開口にねじ部材を螺着して粘性流
体の充填率を調整可能にし、充填率を調整することによ
り速度感応型の差動制限機能を調整できる。又、開口を
粘性流体の注入口に利用して、粘性流体を容易に注入で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第3発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】第5発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図4】図3のY−Y断面図である。
【図5】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
7,107 デファレンシャル装置 21 デフケース 39,41 サイドギヤ 61,63 収納孔 65 第1のピニオンギヤ 67 第2のピニオンギヤ 69 第1ギヤ部 71 第2ギヤ部 73 小径の軸部 79,109 アキュムレータ 97 緩衝室(空間) 113 ボルト(ねじ部材)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケースと、デフケースの内部に配置された一対の車
    輪側サイドギヤと、互いに噛み合うと共にこれらサイド
    ギヤと各別に噛み合った第1と第2のピニオンギヤと、
    デフケースに形成され各ピニオンギヤを摺動回転自在に
    収納する収納孔と、デフケースに封入され、各ギヤ噛み
    合い部のポンプ作用によって加圧される粘性流体と、こ
    の粘性流体の圧力変動を低減するアキュムレータと、ギ
    ヤの噛み合い部とアキュムレータとの間に配置され粘性
    流体が流出入する緩衝室とを備えたことを特徴とするデ
    ファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 第1と第2のピニオンギヤが、サイドギ
    ヤと噛み合う第1のギヤ部及び互いに噛み合う第2のギ
    ヤ部を有し、第1のピニオンギヤは第1と第2のギヤ部
    を連結する小径の軸部を備え、この軸部と収納孔との間
    に形成された空間を緩衝室にした請求項1のデファレン
    シャル装置。
  3. 【請求項3】 第1と第2のピニオンギヤが複数組用い
    られると共に、第1のピニオンギヤが周方向に隣合って
    配置され、アキュムレータが、第1のピニオンギヤの間
    に配置された請求項1又は2のデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 デフケースに設けられ、粘性流体が充填
    されている部分と外部とを連通する開口と、この開口に
    螺着され粘性流体の充填率を調整するねじ部材とを備え
    た請求項1、2又は3のデファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 アキュムレータが、デフケースに設けら
    れた収納室の内部に配置されると共に、収納室に配置さ
    れたピストンと、このピストンを介して粘性流体を押圧
    するばねと、収納室に形成された開口に螺着され粘性流
    体の充填率を調整するねじ部材とを備えた請求項1、2
    又は3のデファレンシャル装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015067264A1 (de) * 2013-11-07 2015-05-14 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Getriebevorrichtung

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