JPH0885305A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
重荷重用空気入りラジアルタイヤInfo
- Publication number
- JPH0885305A JPH0885305A JP6248389A JP24838994A JPH0885305A JP H0885305 A JPH0885305 A JP H0885305A JP 6248389 A JP6248389 A JP 6248389A JP 24838994 A JP24838994 A JP 24838994A JP H0885305 A JPH0885305 A JP H0885305A
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- JP
- Japan
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- steel cord
- spiral wire
- wire
- cord
- pneumatic radial
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Abstract
(57)【要約】
【構成】複数の素線cを同一ピッチで同一方向に撚った
束撚り構造を有するスチールコードbの周囲に、該スチ
ールコードの撚り方向とは逆の撚り方向で、且つ、巻き
付けピッチ間隔が7mm以上で上記スチールコードの撚
りピッチ以下にスパイラルワイヤーsを巻き付けたスパ
イラルワイヤー付きスチールコードを埋設した1層のカ
ーカス層を有する重荷重用空気入りラジアルタイヤに関
するものである。 【効果】使用コード量を減少させることができ、従っ
て、生産性を向上させることができるとともに、スパイ
ラルワイヤー付きスチールコードの耐疲労性能、ひいて
は、カーカス層の耐疲労性能を著しく向上することがで
きる。
束撚り構造を有するスチールコードbの周囲に、該スチ
ールコードの撚り方向とは逆の撚り方向で、且つ、巻き
付けピッチ間隔が7mm以上で上記スチールコードの撚
りピッチ以下にスパイラルワイヤーsを巻き付けたスパ
イラルワイヤー付きスチールコードを埋設した1層のカ
ーカス層を有する重荷重用空気入りラジアルタイヤに関
するものである。 【効果】使用コード量を減少させることができ、従っ
て、生産性を向上させることができるとともに、スパイ
ラルワイヤー付きスチールコードの耐疲労性能、ひいて
は、カーカス層の耐疲労性能を著しく向上することがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーカス層の耐久性能
を向上させた空気入りラジアルタイヤ、特に、バス・ト
ラック等の大型車両に使用される重荷重用空気入りラジ
アルタイヤに関するものである。
を向上させた空気入りラジアルタイヤ、特に、バス・ト
ラック等の大型車両に使用される重荷重用空気入りラジ
アルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチールコードをラジアル方向に配置し
た1層のカーカス層を採用することで高速耐久性能、燃
費性能等において優れた性能を付与するようにしたバス
・トラック等の大型車両に使用される重荷重用空気入り
ラジアルタイヤ(以下、単に、「タイヤ」ともいう。)
が知られている。
た1層のカーカス層を採用することで高速耐久性能、燃
費性能等において優れた性能を付与するようにしたバス
・トラック等の大型車両に使用される重荷重用空気入り
ラジアルタイヤ(以下、単に、「タイヤ」ともいう。)
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年のタイヤ技術の発
展により、新品タイヤの寿命、即ち、一次寿命が伸びる
とともに、タイヤは、数度の更生も含め、50万km走
行まで使用することができるようになっている。そし
て、地域環境的視野から、また、省エネ、省資源という
視野から一層の生産性の向上、低コスト化の要求が強ま
り、このような要求に対処するために、特に、カーカス
層の耐疲労性能の一段の向上と生産性の向上との両立化
が重要な技術的課題となっている。
展により、新品タイヤの寿命、即ち、一次寿命が伸びる
とともに、タイヤは、数度の更生も含め、50万km走
行まで使用することができるようになっている。そし
て、地域環境的視野から、また、省エネ、省資源という
視野から一層の生産性の向上、低コスト化の要求が強ま
り、このような要求に対処するために、特に、カーカス
層の耐疲労性能の一段の向上と生産性の向上との両立化
が重要な技術的課題となっている。
【0004】カーカス層の疲労寿命による故障原因は、
被覆ゴムとスチールコード間の接着疲労及びスチールコ
ードの破断破壊の2つが主であるが、接着疲労に対して
は、スチールコードのブラスメッキと被覆ゴムとの界面
形成技術の向上により基本的に解決されており、また、
スチールコードの破断破壊に対しては、スチールコード
を構成する各素線間の擦れによって発生する、所謂、フ
レッティング傷に対する技術開発によりかなり改善され
てきている。
被覆ゴムとスチールコード間の接着疲労及びスチールコ
ードの破断破壊の2つが主であるが、接着疲労に対して
は、スチールコードのブラスメッキと被覆ゴムとの界面
形成技術の向上により基本的に解決されており、また、
スチールコードの破断破壊に対しては、スチールコード
を構成する各素線間の擦れによって発生する、所謂、フ
レッティング傷に対する技術開発によりかなり改善され
てきている。
【0005】具体的には、従来、この種のタイヤに用い
られてきたスチールコードは、3+9×0.23+1や
3+9+15×0.175等の層撚り構造であるが、こ
れら層撚り構造の場合には、素線間の接触部に点接触が
含まれているために、タイヤ走行時の転動に伴い、この
ような点接触部分の摩滅によるスチールコードの破断強
力の低下を避けることができないという問題がある。ま
た、これらの層撚り構造のスチールコードは、各層毎に
加撚するという多段方式の撚り工程を必要とするため
に、生産コストも高くならざるを得ないという問題があ
る。
られてきたスチールコードは、3+9×0.23+1や
3+9+15×0.175等の層撚り構造であるが、こ
れら層撚り構造の場合には、素線間の接触部に点接触が
含まれているために、タイヤ走行時の転動に伴い、この
ような点接触部分の摩滅によるスチールコードの破断強
力の低下を避けることができないという問題がある。ま
た、これらの層撚り構造のスチールコードは、各層毎に
加撚するという多段方式の撚り工程を必要とするため
に、生産コストも高くならざるを得ないという問題があ
る。
【0006】そこで、各素線が、全て線接触からなる複
数の素線、例えば、12〜48本の素線をまとめて同一
方向に同一ピッチで撚り合わせる、所謂、束撚り構造の
スチールコードが開発されてきた。例えば、上述した3
+9+15×0.175+1の層撚り構造のスチールコ
ードに対応して1×27×0.175+1の束撚り構造
のスチールコードが、また、3+9×0.23+1の層
撚り構造のスチールコードに対応して1×12×0.2
3+1の束撚り構造のスチールコードが、更には、1+
6+12+1の層撚り構造のスチールコードに対応して
1×18+1の束撚り構造のスチールコード等が提案さ
れている。これらの束撚り構造のスチールコードは、一
段階の工程で素線を撚り合わせてスチールコードを製造
することができるので、大巾な生産コストの低減が可能
となる。
数の素線、例えば、12〜48本の素線をまとめて同一
方向に同一ピッチで撚り合わせる、所謂、束撚り構造の
スチールコードが開発されてきた。例えば、上述した3
+9+15×0.175+1の層撚り構造のスチールコ
ードに対応して1×27×0.175+1の束撚り構造
のスチールコードが、また、3+9×0.23+1の層
撚り構造のスチールコードに対応して1×12×0.2
3+1の束撚り構造のスチールコードが、更には、1+
6+12+1の層撚り構造のスチールコードに対応して
1×18+1の束撚り構造のスチールコード等が提案さ
れている。これらの束撚り構造のスチールコードは、一
段階の工程で素線を撚り合わせてスチールコードを製造
することができるので、大巾な生産コストの低減が可能
となる。
【0007】しかしながら、この束撚り構造のスチール
コードの場合、コード自身の耐疲労性能は、層撚り構造
のスチールコードに比べ優れているが、束撚り構造のス
チールコード全体を束ねる巻き付けワイヤー(以下、単
に、「スパイラルワイヤー」という。)との擦れによ
り、耐疲労性能の低下を惹起することが判った。
コードの場合、コード自身の耐疲労性能は、層撚り構造
のスチールコードに比べ優れているが、束撚り構造のス
チールコード全体を束ねる巻き付けワイヤー(以下、単
に、「スパイラルワイヤー」という。)との擦れによ
り、耐疲労性能の低下を惹起することが判った。
【0008】なお、複数の素線をまとめて同一方向に同
一ピッチで撚り合わせて束ねられたコードを、束撚り構
造のスチールコードと称し、該スチールコードの周囲に
巻き付けられるワイヤーを、上述したように、スパイラ
ルワイヤーと称し、束撚り構造のスチールコードの周囲
にスパイラルワイヤーが巻き付けられて構成されたコー
ドをスパイラルワイヤー付きスチールコードと称する。
一ピッチで撚り合わせて束ねられたコードを、束撚り構
造のスチールコードと称し、該スチールコードの周囲に
巻き付けられるワイヤーを、上述したように、スパイラ
ルワイヤーと称し、束撚り構造のスチールコードの周囲
にスパイラルワイヤーが巻き付けられて構成されたコー
ドをスパイラルワイヤー付きスチールコードと称する。
【0009】また、最近、束撚り構造のスチールコード
を使用した重荷重用空気入りラジアルタイヤが、くぎ踏
み等によりパンクした後、フラット状態で走行(以下、
単に、「ランフラット走行」という。)させられた場合
に、コード破断性能の面で劣ることが判ってきた。この
ようなタイヤ破壊は、省資源及び資源の有効活用の視点
から改善されることが望ましいものである。
を使用した重荷重用空気入りラジアルタイヤが、くぎ踏
み等によりパンクした後、フラット状態で走行(以下、
単に、「ランフラット走行」という。)させられた場合
に、コード破断性能の面で劣ることが判ってきた。この
ようなタイヤ破壊は、省資源及び資源の有効活用の視点
から改善されることが望ましいものである。
【0010】本発明の目的は、上述した従来の重荷重用
空気入りラジアルタイヤが有する課題を解決するととも
に、カーカス層の耐疲労性能の向上と生産性の向上との
両立化が可能な重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供
することにある。
空気入りラジアルタイヤが有する課題を解決するととも
に、カーカス層の耐疲労性能の向上と生産性の向上との
両立化が可能な重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的
を達成するために、重荷重用空気入りラジアルタイヤに
おいて、複数の素線を同一ピッチで同一方向に撚った束
撚り構造を有するスチールコードの周囲に、該スチール
コードの撚り方向とは逆の撚り方向で、且つ、巻き付け
ピッチ間隔が7mm以上で上記スチールコードの撚りピ
ッチ以下にスパイラルワイヤーを巻き付けたスパイラル
ワイヤー付きスチールコードを埋設した1層のカーカス
層を配設したものである。
を達成するために、重荷重用空気入りラジアルタイヤに
おいて、複数の素線を同一ピッチで同一方向に撚った束
撚り構造を有するスチールコードの周囲に、該スチール
コードの撚り方向とは逆の撚り方向で、且つ、巻き付け
ピッチ間隔が7mm以上で上記スチールコードの撚りピ
ッチ以下にスパイラルワイヤーを巻き付けたスパイラル
ワイヤー付きスチールコードを埋設した1層のカーカス
層を配設したものである。
【0012】本発明は、スパイラルワイヤー付きスチー
ルコードを1層からなるカーカス層に埋設した重荷重用
空気入りラジアルタイヤにおいては、ランフラット走行
時のコード破断性能の向上及び生産性の向上が、スパイ
ラルワイヤーの巻き付けピッチ間隔の最適化により達成
できることを見い出し、より具体的には、束撚り構造の
スチールコードの撚り方向とは逆の撚り方向で巻き付け
るスパイラルワイヤーの巻き付けピッチ間隔を7mm以
上とするとともに、束撚り構造のスチールコードの撚り
ピッチ以下にすることにより、上述した本発明の目的を
達成したものである。
ルコードを1層からなるカーカス層に埋設した重荷重用
空気入りラジアルタイヤにおいては、ランフラット走行
時のコード破断性能の向上及び生産性の向上が、スパイ
ラルワイヤーの巻き付けピッチ間隔の最適化により達成
できることを見い出し、より具体的には、束撚り構造の
スチールコードの撚り方向とは逆の撚り方向で巻き付け
るスパイラルワイヤーの巻き付けピッチ間隔を7mm以
上とするとともに、束撚り構造のスチールコードの撚り
ピッチ以下にすることにより、上述した本発明の目的を
達成したものである。
【0013】束撚り構造のスチールコードは、点接触を
排除し、各素線が全て線接触からなるように、複数の素
線cを同一ピッチで、且つ、同一方向に撚り合わせてい
るために、一例として1×12の構造を有する束撚り構
造のスチールコードbの周囲にスパイラルワイヤーsが
巻き付けられているスパイラルワイヤー付きスチールコ
ードCの断面図である図1に示されているように、束撚
り構造のスチールコードbは、その断面形状が、略3角
形状にならざるを得ない。このような構造において、ラ
ンフラット走行時の大曲げ入力を受けた場合に、スパイ
ラルワイヤーsと束撚り構造のスチールコードbの最外
層のシース素線c1とによってしっかりと束ねられてい
る内部のインナー素線c2は逃げる部分がないために、
曲げの内側で強い圧縮応力を受け、また、外側では反対
に強い引っ張り応力を受けることになる。そして、大曲
げ入力の繰り返し疲労によって、インナー素線c2が先
行的に破断し、更なる繰り返しによって束撚り構造のス
チールコードbが破断することがランフラット走行後の
スパイラルワイヤー付きスチールコードの解析から明ら
かになった。
排除し、各素線が全て線接触からなるように、複数の素
線cを同一ピッチで、且つ、同一方向に撚り合わせてい
るために、一例として1×12の構造を有する束撚り構
造のスチールコードbの周囲にスパイラルワイヤーsが
巻き付けられているスパイラルワイヤー付きスチールコ
ードCの断面図である図1に示されているように、束撚
り構造のスチールコードbは、その断面形状が、略3角
形状にならざるを得ない。このような構造において、ラ
ンフラット走行時の大曲げ入力を受けた場合に、スパイ
ラルワイヤーsと束撚り構造のスチールコードbの最外
層のシース素線c1とによってしっかりと束ねられてい
る内部のインナー素線c2は逃げる部分がないために、
曲げの内側で強い圧縮応力を受け、また、外側では反対
に強い引っ張り応力を受けることになる。そして、大曲
げ入力の繰り返し疲労によって、インナー素線c2が先
行的に破断し、更なる繰り返しによって束撚り構造のス
チールコードbが破断することがランフラット走行後の
スパイラルワイヤー付きスチールコードの解析から明ら
かになった。
【0014】スパイラルワイヤーsの巻き付けピッチ間
隔や型付率等の影響を鋭意検討する中で、スパイラルワ
イヤーsの巻き付けピッチ間隔が大きくなるにしたがっ
て、束撚り構造のスチールコードbのインナー素線c2
の先行破断が抑制され、また、スパイラルワイヤーsの
巻き付けピッチ間隔が、スチールコードbの撚りピッチ
以上になると急激なシース素線c1の破断が発生するこ
とを見出し、スパイラルワイヤーsを有しないノンスパ
イラル構造では、曲げの内側でシース素線c1が内側に
膨らむことによって座屈することが観察された。
隔や型付率等の影響を鋭意検討する中で、スパイラルワ
イヤーsの巻き付けピッチ間隔が大きくなるにしたがっ
て、束撚り構造のスチールコードbのインナー素線c2
の先行破断が抑制され、また、スパイラルワイヤーsの
巻き付けピッチ間隔が、スチールコードbの撚りピッチ
以上になると急激なシース素線c1の破断が発生するこ
とを見出し、スパイラルワイヤーsを有しないノンスパ
イラル構造では、曲げの内側でシース素線c1が内側に
膨らむことによって座屈することが観察された。
【0015】一方、スパイラルワイヤーsは,巻き付け
ピッチ間隔が短い程その使用量が多く長くなるので生産
コストも上昇し、また、スパイラルワイヤーsの巻き付
け時間もより長くなるので生産性が悪化することにな
る。従って、生産コストの低減効果の大きい巻き付けピ
ッチ間隔以上とすることが望ましい。必要なスパイラル
ワイヤーsの長さは、単純に巻き付けピッチ間隔に比例
して減少するので、7mm以上必要なことが理論的に計
算できる。
ピッチ間隔が短い程その使用量が多く長くなるので生産
コストも上昇し、また、スパイラルワイヤーsの巻き付
け時間もより長くなるので生産性が悪化することにな
る。従って、生産コストの低減効果の大きい巻き付けピ
ッチ間隔以上とすることが望ましい。必要なスパイラル
ワイヤーsの長さは、単純に巻き付けピッチ間隔に比例
して減少するので、7mm以上必要なことが理論的に計
算できる。
【0016】束撚り構造のスチールコードの単位長さ当
たりに必要なスパイラルワイヤーの長さを表すグラフで
ある図2に示されているように、スパイラルワイヤーの
巻き付けピッチ間隔が略7mm未満になると、急激に必
要なスパイラルワイヤーの長さが長くなり、生産コスト
の低減効果が急激に悪化する。なお、図2において、横
軸はスパイラルワイヤーの巻き付けピッチ間隔(単位:
mm)であり、縦軸は、束撚り構造のスチールコードの
軸線に対するスパイラルワイヤーの巻き付け角度をθと
した場合に、束撚り構造のスチールコードの単位長さ当
たりに必要なスパイラルワイヤーの長さを表す尺度とし
ての1/cosθである。
たりに必要なスパイラルワイヤーの長さを表すグラフで
ある図2に示されているように、スパイラルワイヤーの
巻き付けピッチ間隔が略7mm未満になると、急激に必
要なスパイラルワイヤーの長さが長くなり、生産コスト
の低減効果が急激に悪化する。なお、図2において、横
軸はスパイラルワイヤーの巻き付けピッチ間隔(単位:
mm)であり、縦軸は、束撚り構造のスチールコードの
軸線に対するスパイラルワイヤーの巻き付け角度をθと
した場合に、束撚り構造のスチールコードの単位長さ当
たりに必要なスパイラルワイヤーの長さを表す尺度とし
ての1/cosθである。
【0017】
【実施例】ブラスメッキを施した線径0.24mmと線
径0.225mmの素線を、撚りピッチ12mmの同一
ピッチで、且つ、同一方向のS撚りに撚合して、3×
0.24mm(S撚り)+9×0.225mm(S撚
り)の束撚り構造のスチールコードを製造し、次いで、
該束撚り構造のスチールコードの周りに線径0.15m
mのスパイラルワイヤーをZ撚りに巻き付けた。
径0.225mmの素線を、撚りピッチ12mmの同一
ピッチで、且つ、同一方向のS撚りに撚合して、3×
0.24mm(S撚り)+9×0.225mm(S撚
り)の束撚り構造のスチールコードを製造し、次いで、
該束撚り構造のスチールコードの周りに線径0.15m
mのスパイラルワイヤーをZ撚りに巻き付けた。
【0018】実施例として、スパイラルワイヤーの巻き
付けピッチ間隔を8mm(実施例1)と10mm(実施
例2)に設定したスパイラルワイヤー付きスチールコー
ドを製造し、該スパイラルワイヤー付きスチールコード
を打込み密度30本/5cmで配列したゴムシートをカ
ーカス層に用いた1層のカーカス層からなるサイズ11
/70R22.5の空気入りラジアルタイヤを製造し
た。一方、比較例として、スパイラルワイヤーの巻き付
けピッチ間隔が3.5mm(比較例1)と13mm(比
較例2)のものと、スパイラルワイヤーが巻き付けられ
ていないノンスパイラルコード(比較例3)を準備し、
実施例と同じ空気入りラジアルタイヤを製造した。
付けピッチ間隔を8mm(実施例1)と10mm(実施
例2)に設定したスパイラルワイヤー付きスチールコー
ドを製造し、該スパイラルワイヤー付きスチールコード
を打込み密度30本/5cmで配列したゴムシートをカ
ーカス層に用いた1層のカーカス層からなるサイズ11
/70R22.5の空気入りラジアルタイヤを製造し
た。一方、比較例として、スパイラルワイヤーの巻き付
けピッチ間隔が3.5mm(比較例1)と13mm(比
較例2)のものと、スパイラルワイヤーが巻き付けられ
ていないノンスパイラルコード(比較例3)を準備し、
実施例と同じ空気入りラジアルタイヤを製造した。
【0019】上述したタイヤを内圧1kg/cm2 と
し、JIS規格による正規荷重の負荷の下で、5000
kmドラム走行させた。このように走行させたタイヤよ
り束撚り構造のスチールコードを採取し、束撚り構造の
スチールコードを構成する全インナー素線中の破断した
インナー素線数を測定し、(破断したインナー素線数)
÷(全インナー素線数)×100により定義されるイン
ナー素線の破断率を計算し、比較例3のノンスパイラル
コードを100として指数化した。同様に、束撚り構造
のスチールコードを構成する全シース素線中の破断した
シース素線数を測定し、(破断したシース素線数)÷
(全シース素線数)×100により定義されるシース素
線の破断率を計算し、比較例3のノンスパイラルコード
を100として指数化した。その結果を表1及び横軸を
スパイラルワイヤーの巻き付けピッチ間隔(mm)とし
縦軸を素線破断指数としたグラフである図3に示す。な
お、図3において、実線は、インナー素線の素線破断指
数を示しており、点線は、シース素線の素線破断指数を
示している。
し、JIS規格による正規荷重の負荷の下で、5000
kmドラム走行させた。このように走行させたタイヤよ
り束撚り構造のスチールコードを採取し、束撚り構造の
スチールコードを構成する全インナー素線中の破断した
インナー素線数を測定し、(破断したインナー素線数)
÷(全インナー素線数)×100により定義されるイン
ナー素線の破断率を計算し、比較例3のノンスパイラル
コードを100として指数化した。同様に、束撚り構造
のスチールコードを構成する全シース素線中の破断した
シース素線数を測定し、(破断したシース素線数)÷
(全シース素線数)×100により定義されるシース素
線の破断率を計算し、比較例3のノンスパイラルコード
を100として指数化した。その結果を表1及び横軸を
スパイラルワイヤーの巻き付けピッチ間隔(mm)とし
縦軸を素線破断指数としたグラフである図3に示す。な
お、図3において、実線は、インナー素線の素線破断指
数を示しており、点線は、シース素線の素線破断指数を
示している。
【0020】
【表1】
【0021】表1における「コードサイズの差(Δ)」
は、1m当たり4.120gのコードサイズを有する比
較例1のスパイラルワイヤー付きスチールコードとの差
を表しており、「Δ(百分率)」は、比較例1とのコー
ドサイズの差を比較例1のコードサイズで除して百分率
表示したものである。
は、1m当たり4.120gのコードサイズを有する比
較例1のスパイラルワイヤー付きスチールコードとの差
を表しており、「Δ(百分率)」は、比較例1とのコー
ドサイズの差を比較例1のコードサイズで除して百分率
表示したものである。
【0022】実施例1及び実施例2のスパイラルワイヤ
ー付きスチールコードは、スパイラルワイヤーの巻き付
けピッチ間隔を適正化することによって、使用コード量
を略1.2〜1.3%減少させることができ、従って、
生産性を向上させることができるとともに、比較例1及
び比較例2のものに比べ、シーズ素線及びインナー素線
の破断が、大幅に減少しており、耐疲労性能が著しく向
上している。
ー付きスチールコードは、スパイラルワイヤーの巻き付
けピッチ間隔を適正化することによって、使用コード量
を略1.2〜1.3%減少させることができ、従って、
生産性を向上させることができるとともに、比較例1及
び比較例2のものに比べ、シーズ素線及びインナー素線
の破断が、大幅に減少しており、耐疲労性能が著しく向
上している。
【0023】本発明は、以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載される効果を奏するものである。
いるので、以下に記載される効果を奏するものである。
【0024】
【発明の効果】使用コード量を減少させることができ、
従って、生産性を向上させることができるとともに、ス
パイラルワイヤー付きスチールコードの耐疲労性能、ひ
いては、カーカス層の耐疲労性能を著しく向上すること
ができる。
従って、生産性を向上させることができるとともに、ス
パイラルワイヤー付きスチールコードの耐疲労性能、ひ
いては、カーカス層の耐疲労性能を著しく向上すること
ができる。
【図1】図1は一例としてのスパイラルワイヤー付きス
チールコードの断面図である。
チールコードの断面図である。
【図2】図2は束撚り構造のスチールコードの単位長さ
当たりに必要なスパイラルワイヤーの長さを表すグラフ
である。
当たりに必要なスパイラルワイヤーの長さを表すグラフ
である。
【図3】図3は横軸をスパイラルワイヤーの巻き付けピ
ッチ間隔とし縦軸を素線破断指数としたグラフである。
ッチ間隔とし縦軸を素線破断指数としたグラフである。
C・・・・・スパイラルワイヤー付きスチールコード b・・・・・束撚り構造のスチールコード c・・・・・素線 c1・・・・シース素線 c2・・・・インナー素線 s・・・・・スパイラルワイヤー
Claims (1)
- 【請求項1】複数の素線を同一ピッチで同一方向に撚っ
た束撚り構造を有するスチールコードの周囲に、該スチ
ールコードの撚り方向とは逆の撚り方向で、且つ、巻き
付けピッチ間隔が7mm以上で上記スチールコードの撚
りピッチ以下にスパイラルワイヤーを巻き付けたスパイ
ラルワイヤー付きスチールコードを埋設した1層のカー
カス層を有することを特徴とする重荷重用空気入りラジ
アルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6248389A JPH0885305A (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6248389A JPH0885305A (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0885305A true JPH0885305A (ja) | 1996-04-02 |
Family
ID=17177384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6248389A Pending JPH0885305A (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0885305A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280069A (ja) * | 2008-05-21 | 2009-12-03 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
CN107208369A (zh) * | 2015-01-30 | 2017-09-26 | 株式会社普利司通 | 橡胶物品增强用钢帘线和轮胎 |
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1994
- 1994-09-16 JP JP6248389A patent/JPH0885305A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280069A (ja) * | 2008-05-21 | 2009-12-03 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
CN107208369A (zh) * | 2015-01-30 | 2017-09-26 | 株式会社普利司通 | 橡胶物品增强用钢帘线和轮胎 |
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