JPH0884616A - 傘 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 上向きに閉じる傘を提供しようとするもので
ある。 【構成】 従来の傘の親骨に相当する部分を親骨と元骨
に分割し、相互にスライドして親骨の全長が伸縮するす
るように連結し、親骨の上面に設けたヒンジを布を貫通
させて上骨に連結し、元骨を連結するヒンジを柄にそっ
て自由に上下動するように柄に嵌め込み、ここに布の中
心部を固定して、閉じた時に骨の動きに連動して布が完
全に裏返しになることを特長として成るものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、雨傘、日傘等すべての
洋傘に利用される。

【０００２】

【従来の技術】従来の傘は下から上に開き、上から下に
閉じるものであった。このため、雨の中で自動車に乗る
時は、上から閉じて来る骨がドア等に引っ掛かるため、
車外に身体を乗りだして閉じなければならず、降りる時
も、同様に車外に身体を乗りださなければ開くことがで
きないために、どうしても一時身体を雨に晒さなければ
ならない不便があった。また、閉じると雨に濡れた面が
表になるために混み合った電車で隣りの人を濡らしたり
する不都合があり、傘立に差し込む際には隣りに差して
ある傘に石突きが入ったり、抜き取る際には布の端が隣
りの傘の握りに引っ掛かったりする煩わしさがあった。
さらに、突風などで下から風を受けると、上にめくれて
壊れてしまう欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、傘の開閉を
逆にして上方に閉じ、上方から開いて来るようにするこ
とによって、上記の欠点を解消するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】開いている傘を上方に閉
じるためには、布を張っている親骨の先端が、柄に対し
て直角の点を通過して上方に移動しなければならない
が、傘の布は、展張時に布を緊張させ、特有の丸みを持
たせるために外周が絞ってあり、このため親骨が柄に対
する直角点を通過する時の布の直径は親骨の長さより小
さく、親骨の先端はこの点を超えて上方に移動すること
が出来ない。本発明は、親骨を元骨にスライドするよう
に差し込むことによって親骨の長さを変化させ、直角点
を通過出来るようにしている。また、傘が完全に上方に
閉じるためには、布全体を骨の動きに合わせて裏返しに
しなければならないが、本発明は、布の中心部を柄にそ
って上下に移動するヒンジに固定することによって実現
している。このように布を張った親骨が柄にそって移動
するため、骨組と柄との連結に固定点がなくなるので、
上骨を設けて柄と親骨を連結することによって固定点を
確保している。傘の開閉は、ツマミを上下することによ
って下骨を介してヒンジ２を上下させ、連動してそれぞ
れの骨の角度を変化させることで行う。

【０００５】

【作 用】ツマミを下限まで引き下げると、下骨と上骨
に引っ張られて親骨の先端が上を向き、元骨と一緒に柄
に対してほぼ平行になり、さらに元骨が引き下げられて
ヒンジ２が下限まで引き下げられ、布が伸張した状態で
傘は閉じる。同時にツマミの穴にストッパー２が噛み込
んでツマミを柄に固定する。ストッパー２を押してツマ
ミを柄から開放し、上に押し上げると、下骨によって元
骨が押し上げられて親骨にそってスライドし、ヒンジ２
とヒンジ３間の距離が縮まり、親骨の全長が短くなって
先端が柄との直角点を越えて下方に移動できるようにな
る。さらにツマミを押し上げると、親骨と元骨のスライ
ドの余地がなくなり、元骨が親骨を押し上げる。親骨に
よって上骨が押し上げられ、上骨の柄に対する角度が開
き始める。これによってすべての骨の柄に対する角度が
大きくなり、傘は展開を始め、同時にヒンジ２が上部に
移動する。この動作により親骨の先端は直角点を越えて
下方に移動し、絞り込まれた布の先端によって下向きに
拘束され、最終的にヒンジ２がヒンジ１に押し付けられ
るまで上昇し、ストッパー１がツマミの穴に噛み込んで
固定する。同時に上骨の長さによって親骨が押し伸さ
れ、布が緊張して傘の展開が完了する。次に、ストッパ
ー１を押してツマミを柄から開放して引き下げると、下
骨に引っ張られて元骨と親骨が引き下げられ、追随して
ヒンジ２が引き下げられる。同時に上骨が引き下げられ
る結果、上骨の角度が小さくなり、親骨を押し伸してい
た力が掛からなくなるので親骨がスライドして元骨に入
り込み、ヒンジ２とヒンジ３間の距離が縮まる。これに
よって親骨の全長が短くなり、先端が柄に対する直角点
を越えて上方に移動出来るようになる。さらにツマミを
引き下げるとヒンジ２が下がり、親骨の先端が上がって
上方に閉じる。さらにツマミを下限まで引き下げること
によってヒンジ３とヒンジ２間の距離が布の長さまで引
伸され、ストッパー２がツマミの穴に噛み込んで、布を
きれいに伸張させた状態で完全に閉じる。

【０００６】

【実施例】本発明による傘は、従来の傘の親骨に相当す
る部分を親骨と元骨に分割し、相互にスライドして親骨
の全長が伸縮するするように連結していること、親骨の
上面に設けたヒンジを布を貫通させて上骨に連結してい
ること、さらに布の中心部を、柄にそって移動するヒン
ジに固定していることを特長とする構造であるが、親骨
と元骨の連結には、図１に示すように、元骨をパイプで
構成してこれに親骨を差し込んだ構造のほか、図２に示
すように、元骨の断面を親骨と同じように逆Ｕ字形をも
って構成し、両端を内部に折り込んでこの中に親骨を抱
え込むように差し込んだ構造などが可能である。布を貫
通してヒンジ３と上骨を連結するには、布に穴をあけて
周囲をかがり縫いしてヒンジを通すほか、穴をあけた座
金２枚で布の両面を挟み、座金相互をカシメて固定した
後、この穴にヒンジ３を通して上骨と連結する構造、ま
たは図３に示すように親骨に台座を取り付け、布を張っ
た後、別に作成したヒンジ５を布の上から当てて台座と
カシメて連結する構造、あるいはそれらを複合した構造
なども提供され得る。

【０００７】

【発明の効果】本発明による傘は、自動車に乗り降りす
る際にドア等に引っ掛かることもなく、身体を完全に車
の中においたままで開閉できるので、その利便性は格段
に向上する。また、閉じると濡れた面が内則になるた
め、自分の衣服を濡らしたり、混み合った電車やバスで
隣りの人に迷惑をかけることもない。閉じて手に持った
時は、骨の先端が下を向くので先端が不用意に開いた
り、何かに引っ掛かったりすることがなく安定してお
り、安心感がある。人混みで開閉する際にも危険がな
く、傘立に差し込む時も取り出す時も、隣りに差してあ
る傘と干渉することなくスムーズに出し入れできる。さ
らに突風などで下から風を受けることがあっても、スト
ッパー１を押しさえすれば風の力で自然に閉じるので、
上にめくれて壊れてしまうことはない。このように、あ
らゆる面における利便性の効果は極めて大きいものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る傘の構造を示した断面図である。

【図２】親骨と元骨の形状と連結の一例を示した横断面
図である。

【図３】布にヒンジを通すための穴加工の一例を示した
横断面図である。

【符号の説明】

１ 柄 ２ ストッパー１ ３ ストッパー２ ４ ヒンジ１ ５ ヒンジ２ ６ ツマミ３ ７ 穴 ８ 親骨 ９ ヒンジ３ １０ 元骨 １１ ヒンジ４ １２ 下骨 １３ 上骨 １４ 布 １５ 台座 １６ ヒンジ５

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ストッパー１及びストッパー２を取り付け
   た柄に、ヒンジを一体成形して下部に縦に細長い穴をあ
   けたツマミ及びヒンジ２を自由に上下に動くように嵌め
   込み、さらにヒンジ１を柄の上端近い位置に固定する。
   親骨にヒンジ３を固定して取り付け、元骨にスライドす
   るように嵌め込み、元骨の他端をヒンジ２に関節運動を
   するように連結する。元骨にヒンジ４を固定して取り付
   け、これに下骨を関節運動をするように連結し、下骨の
   他端をツマミのヒンジに関節運動をするように連結す
   る。ヒンジ３に上骨を関節運動をするように連結し、上
   骨の他端をヒンジ１に関節運動をするように連結する。
   以上のように構成された骨組みを柄の周囲に複数組取り
   付け、上骨及びヒンジ３を貫通して親骨および元骨の上
   に布を張り、布の中心部をヒンジ２に固定する。以上の
   ような構造の傘。