JPH08837B2 - サイクリツクamp誘導体 - Google Patents
サイクリツクamp誘導体Info
- Publication number
- JPH08837B2 JPH08837B2 JP28202186A JP28202186A JPH08837B2 JP H08837 B2 JPH08837 B2 JP H08837B2 JP 28202186 A JP28202186 A JP 28202186A JP 28202186 A JP28202186 A JP 28202186A JP H08837 B2 JPH08837 B2 JP H08837B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cyclic amp
- formula
- alkyl group
- lower alkyl
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Saccharide Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規化合物であるサイクリツクAMP誘導
体、すなわち、一般式(I) (式中Rは、低級アルキル基を示す。)で表されるサイ
クリツクAMP誘導体に関するものであり、また、その製
造方法およびこれを含有する制癌剤ならびにサイクリツ
クAMPホスホジエステラーゼ阻害剤に関する。
体、すなわち、一般式(I) (式中Rは、低級アルキル基を示す。)で表されるサイ
クリツクAMP誘導体に関するものであり、また、その製
造方法およびこれを含有する制癌剤ならびにサイクリツ
クAMPホスホジエステラーゼ阻害剤に関する。
サイクリツクAMPは、ホルモンの細胞内伝達物質とし
て知られ、代謝調節、タンパク質、核酸の合成調節、分
泌、神経伝達、分化、癌化に関係する物質であるとされ
ている。しかし、サイクリツクAMPは、細胞の透過性が
悪く、外部より生体に投与した場合、その表わす効果が
著しく低いことも知られている。また、サイクリツクAM
Pは、細胞内のサイクリツクAMPホスホジエステラーゼの
作用により、速やかに分解することが知られている。こ
のサイクリツクAMPの細胞の透過性を改善する為、ジブ
チリルサイクリツクAMPが合成されたが、このものは細
胞中で速やかにサイクリツクAMPとなり、そのため、サ
イクリツクAMPホスホジエステラーゼの作用により分解
されるという欠点を有している。
て知られ、代謝調節、タンパク質、核酸の合成調節、分
泌、神経伝達、分化、癌化に関係する物質であるとされ
ている。しかし、サイクリツクAMPは、細胞の透過性が
悪く、外部より生体に投与した場合、その表わす効果が
著しく低いことも知られている。また、サイクリツクAM
Pは、細胞内のサイクリツクAMPホスホジエステラーゼの
作用により、速やかに分解することが知られている。こ
のサイクリツクAMPの細胞の透過性を改善する為、ジブ
チリルサイクリツクAMPが合成されたが、このものは細
胞中で速やかにサイクリツクAMPとなり、そのため、サ
イクリツクAMPホスホジエステラーゼの作用により分解
されるという欠点を有している。
本発明は、細胞の透過性が良く、サイクリツクAMPホ
スホジエステラーゼの作用により分解されない新規なサ
イクリツクAMP誘導体の提供を目的とする。
スホジエステラーゼの作用により分解されない新規なサ
イクリツクAMP誘導体の提供を目的とする。
本発明者は、鋭意研究を行つた結果、一般式(I) (式中、Rは、低級アルキル基を示す。)で表される新
規なサイクリツクAMP誘導体が、制癌活性を示し、サイ
クリツクAMPホスホジエステラーゼの作用により分解さ
れないだけでなく、このものがサイクリツクAMPホスホ
ジエステラーゼの阻害活性(通常、サイクリツクAMPホ
スホジエステラーゼの阻害活性を有する化合物は、利尿
作用、強心作用、覚醒作用、血糖増加作用等が期待され
る。)をも有することを見出した。本発明は、かかる知
見に基づくものである。
規なサイクリツクAMP誘導体が、制癌活性を示し、サイ
クリツクAMPホスホジエステラーゼの作用により分解さ
れないだけでなく、このものがサイクリツクAMPホスホ
ジエステラーゼの阻害活性(通常、サイクリツクAMPホ
スホジエステラーゼの阻害活性を有する化合物は、利尿
作用、強心作用、覚醒作用、血糖増加作用等が期待され
る。)をも有することを見出した。本発明は、かかる知
見に基づくものである。
従つて、本発明は、制癌剤並びにサイクリツクAMPホ
スホジエステラーゼ阻害剤として有用な新規なサイクリ
ツクAMP誘導体(I)を提供するものである。
スホジエステラーゼ阻害剤として有用な新規なサイクリ
ツクAMP誘導体(I)を提供するものである。
また、本発明は、サイクリツクAMP誘導体(I)を製
造するための新規な方法をも提供するものである。
造するための新規な方法をも提供するものである。
更にまた、本発明は、サイクリツクAMP誘導体(I)
を有効成分とする制癌剤並びにサイクリツクAMPホスホ
ジエステラーゼ阻害剤を提供するものである。
を有効成分とする制癌剤並びにサイクリツクAMPホスホ
ジエステラーゼ阻害剤を提供するものである。
本発明に係るサイクリツクAMP誘導体(I)は、例え
ば、次の反応式に従つて合成することができる。すなわ
ち、式(II)で表される2′−テトラヒドロピラニルア
デノシンと一般式(III)で表されるアルキル−O,O−ビ
ス−(1−ベンゾトリアゾリル)ホスホネイトを反応せ
しめ、ついでこの反応生成物にN−メチルイミダゾール
を加えて反応させることにより、一般式(IV)で表され
る化合物を生成せしめ、次いで、これを酸加水分解する
ことにより製造される。
ば、次の反応式に従つて合成することができる。すなわ
ち、式(II)で表される2′−テトラヒドロピラニルア
デノシンと一般式(III)で表されるアルキル−O,O−ビ
ス−(1−ベンゾトリアゾリル)ホスホネイトを反応せ
しめ、ついでこの反応生成物にN−メチルイミダゾール
を加えて反応させることにより、一般式(IV)で表され
る化合物を生成せしめ、次いで、これを酸加水分解する
ことにより製造される。
(式中、Rは、低級アルキル基を示す。) この方法において原料となる式(II)の化合物は、例
えば、市販のN6−ベンゾイル−5′−O−(4,4′−ジ
メトキシトリチル)−2′−O−テトラヒドロピラニル
アデノシンを、まずアンモニア、次いで酢酸で処理して
塩基部と5′水酸基とにおける2つの保護基を離脱せし
めることにより得られる。また、市販のアデノシンを1,
3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサ
ンを用いて処理することにより3′,5′−O−(テトラ
イソプロピルジシロキサン1,3−ジイル)−アデノシン
とし、次いでジヒドロピラン及びp−トルエンスルホン
酸を用いて処理することにより2′−O−テトラヒドロ
ピラニル−3′,5′−O−(テトライソプロピルジシロ
キサン1,3−ジイル)−アデノシンを合成し、これを更
にテトラ−n−ブチルアンモニウムフロライドで処理す
ることによつても得られる。
えば、市販のN6−ベンゾイル−5′−O−(4,4′−ジ
メトキシトリチル)−2′−O−テトラヒドロピラニル
アデノシンを、まずアンモニア、次いで酢酸で処理して
塩基部と5′水酸基とにおける2つの保護基を離脱せし
めることにより得られる。また、市販のアデノシンを1,
3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサ
ンを用いて処理することにより3′,5′−O−(テトラ
イソプロピルジシロキサン1,3−ジイル)−アデノシン
とし、次いでジヒドロピラン及びp−トルエンスルホン
酸を用いて処理することにより2′−O−テトラヒドロ
ピラニル−3′,5′−O−(テトライソプロピルジシロ
キサン1,3−ジイル)−アデノシンを合成し、これを更
にテトラ−n−ブチルアンモニウムフロライドで処理す
ることによつても得られる。
一方の原料となる式(III)の化合物は、市販の1−
ヒドロキシベンゾトリアゾールとアルキルホスホン酸ジ
クロライドよりMaruggらの方法(Nucleic Acid Res.14,
2171,1986)に従つて反応させることにより得られる。
ヒドロキシベンゾトリアゾールとアルキルホスホン酸ジ
クロライドよりMaruggらの方法(Nucleic Acid Res.14,
2171,1986)に従つて反応させることにより得られる。
式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応は、
ジオキサン等の溶媒中、室温で1〜2時間放置し、後に
N−メチルイミダゾールを加えて18〜30時間放置するこ
とにより行われる。
ジオキサン等の溶媒中、室温で1〜2時間放置し、後に
N−メチルイミダゾールを加えて18〜30時間放置するこ
とにより行われる。
また、式(IV)の化合物の加水分解は、塩酸等の強酸
と共に、40〜50時間、室温に放置することにより達成さ
れる。
と共に、40〜50時間、室温に放置することにより達成さ
れる。
以下に本発明に係る化合物の製造の実施例を掲げる。
以下の原料製造例及び実施例は本発明を説明するため
のものであるが、本発明は、これら製造例及び実施例に
より制限されるものではない。
のものであるが、本発明は、これら製造例及び実施例に
より制限されるものではない。
原料製造例 (1) 2′−テトラヒドロピラニルアデノシンの製造 N6−ベンゾイル−5′−O−(4,4′−ジメトキシト
リチル)−2′−O−テトラヒドロピラニルアデノシン
(同仁社製)1.1gにピリジン8mlを加えて溶解し、これ
に更にアンモニア水10mlを加えて室温下に6時間撹拌し
た。反応液を濃縮乾固した後、これに80%酢酸水溶液を
15ml加えて、室温下に20分間放置した。反応液を濃縮乾
固した後、これをシリカゲルカラムクロマトグラフイー
に付し、粗結晶4.8g(収率94%)を得た。
リチル)−2′−O−テトラヒドロピラニルアデノシン
(同仁社製)1.1gにピリジン8mlを加えて溶解し、これ
に更にアンモニア水10mlを加えて室温下に6時間撹拌し
た。反応液を濃縮乾固した後、これに80%酢酸水溶液を
15ml加えて、室温下に20分間放置した。反応液を濃縮乾
固した後、これをシリカゲルカラムクロマトグラフイー
に付し、粗結晶4.8g(収率94%)を得た。
(2) 2′−テトラヒドロピラニルアデノシンの製造
(別法) アデノシン2.67gに無水ピリジン40mlを加えて、更
に、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシ
ロキサン(東京化成社製)3.46gを加えて、室温下3時
間撹拌し、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフイ
ーに付し、3′,5′−O−(テトライソプロピルジシロ
キサン1,3−ジイル)−アデノシン4.8g(収率94%)を
得た。この3′,5′−O−(テトライソプロピルジシロ
キサン1,3−ジイル)−アデノシン1.018gに、ジヒドロ
ピラン(東京化成社製)2.018g及びp−トルエンスルホ
ン酸406mgを加えて、無水ジオキサン10ml中で室温下で2
0分間撹拌し、反応液を水−クロロホルム系で分液操作
を行い、2′−O−テトラヒドロピラニル−3′,5′−
O−(テトライソプロピルジシロキサン1,3−ジイル)
−アデノシン1.1g(収率93%)を得た。この2′−O−
テトラヒドロピラニル−3′,5′−O−(テトライソプ
ロピルジシロキサン1,3−ジイル)−アデノシン900mgに
1mol/の濃度に調整したテトラ−n−ブチルアンモニ
ウムフロライド(東京化成社製)のテトラヒドロフラン
溶液3mlを加えて、室温下に1時間撹拌し、反応液をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイーに付し、粗結晶503m
g(収率95%)を得た。
(別法) アデノシン2.67gに無水ピリジン40mlを加えて、更
に、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシ
ロキサン(東京化成社製)3.46gを加えて、室温下3時
間撹拌し、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフイ
ーに付し、3′,5′−O−(テトライソプロピルジシロ
キサン1,3−ジイル)−アデノシン4.8g(収率94%)を
得た。この3′,5′−O−(テトライソプロピルジシロ
キサン1,3−ジイル)−アデノシン1.018gに、ジヒドロ
ピラン(東京化成社製)2.018g及びp−トルエンスルホ
ン酸406mgを加えて、無水ジオキサン10ml中で室温下で2
0分間撹拌し、反応液を水−クロロホルム系で分液操作
を行い、2′−O−テトラヒドロピラニル−3′,5′−
O−(テトライソプロピルジシロキサン1,3−ジイル)
−アデノシン1.1g(収率93%)を得た。この2′−O−
テトラヒドロピラニル−3′,5′−O−(テトライソプ
ロピルジシロキサン1,3−ジイル)−アデノシン900mgに
1mol/の濃度に調整したテトラ−n−ブチルアンモニ
ウムフロライド(東京化成社製)のテトラヒドロフラン
溶液3mlを加えて、室温下に1時間撹拌し、反応液をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイーに付し、粗結晶503m
g(収率95%)を得た。
(3) メチル−O,O−ビス−(1−ベンゾトリアゾー
ル)ホスホネイトの製造 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.16g及び無水ピ
リジン0.84mlを無水ジオキサン27.4mlに溶解した。この
ジオキサン溶液を無水ジオキサン8.3mlに溶解したメチ
ルホスホン酸ジクロライド(アルドリツチ社製)559mg
中に滴下し、室温下にて2時間反応させた。反応液を無
水条件下で、減圧ろ過して0.11Mジオキサン溶液を得
た。
ル)ホスホネイトの製造 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.16g及び無水ピ
リジン0.84mlを無水ジオキサン27.4mlに溶解した。この
ジオキサン溶液を無水ジオキサン8.3mlに溶解したメチ
ルホスホン酸ジクロライド(アルドリツチ社製)559mg
中に滴下し、室温下にて2時間反応させた。反応液を無
水条件下で、減圧ろ過して0.11Mジオキサン溶液を得
た。
実施例 1 上記原料製造例(1)で調製した2′−テトラヒドロ
ピラニルアデノシン367mgに、同(3)で調製したメチ
ル−O,O−ビス−(1−ベンゾトリアゾール)ホスホネ
イトの0.11Mジオキサン溶液18mlを加えて、室温下1時
間放置した。その後、N−メチルイミダゾール0.42mlを
加えて室温下に5時間反応させた。反応液にジクロロメ
タン−ジオキサン(9:1)混合液10mlを加え、1M−トリ
エチルアンモニウムアセテート10mlと分液操作して、ジ
クロロメタン層を取り、水で3回洗浄後、ジクロロメタ
ン層を濃縮し、濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フイーに付し、2′−テトラヒドロピラニルアデノシン
3′,5′−サイクリツクメチルホスホネイトの粗結晶80
mg(収率18.5%)を得た。これに、0.01N−塩酸、ジオ
キサン−水(9:1)溶液を5mlを加えて室温下45時間放置
した。この反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフイ
ーに付することによりアデノシン3′,5′−サイクリツ
クメチルホスホネイトの結晶68mg(収率99%)を得た。
ピラニルアデノシン367mgに、同(3)で調製したメチ
ル−O,O−ビス−(1−ベンゾトリアゾール)ホスホネ
イトの0.11Mジオキサン溶液18mlを加えて、室温下1時
間放置した。その後、N−メチルイミダゾール0.42mlを
加えて室温下に5時間反応させた。反応液にジクロロメ
タン−ジオキサン(9:1)混合液10mlを加え、1M−トリ
エチルアンモニウムアセテート10mlと分液操作して、ジ
クロロメタン層を取り、水で3回洗浄後、ジクロロメタ
ン層を濃縮し、濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フイーに付し、2′−テトラヒドロピラニルアデノシン
3′,5′−サイクリツクメチルホスホネイトの粗結晶80
mg(収率18.5%)を得た。これに、0.01N−塩酸、ジオ
キサン−水(9:1)溶液を5mlを加えて室温下45時間放置
した。この反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフイ
ーに付することによりアデノシン3′,5′−サイクリツ
クメチルホスホネイトの結晶68mg(収率99%)を得た。
FD−MASS:(M/Z)328(M+1)1 HNMR(CD3OD)δ:8.487(s,1H) 8.443(s,1H) 6.154(s,1H) 1.756(d,J=18.31Hz,3H) UV λmax:258.9nm(ε=11,500) この様にして得られる本発明に係るサイクリツクAMP
誘導体(I)の代表的化合物について、薬理効果を試験
した結果は、次のとおりである。
誘導体(I)の代表的化合物について、薬理効果を試験
した結果は、次のとおりである。
(1) 制癌作用 マウス繊維芽細胞である3T3細胞の形質転換癌細胞で
あるDT細胞(Proc.Nat.Acad.Sci.USA 80,562,1983)、
ヒト膀胱癌由来のT24細胞(Nature 298,343,1982)、ヒ
ト黒色腫由来A375細胞(J.N.C.I 72,913,1984)並びに
バーキツトリンパ腫由来Daudi細胞(Cancer Res.28,130
0,1958) を用い、それぞれを96穴マルチプレートに1穴当り104
個播種し、3時間後に、試験物質を無血清培地に溶解
し、最終濃度が1穴当り0.3、1、3mMとなるよう10μ
ずつ添加した。これをCO2インキユベータ中で、37℃、4
8時間培養後、細胞の増殖をMTT法(J.Immunol.Method 6
5,55,1983;J.Immunol.Method 70,257,1984)により測定
した。その結果を第1表に示す。
あるDT細胞(Proc.Nat.Acad.Sci.USA 80,562,1983)、
ヒト膀胱癌由来のT24細胞(Nature 298,343,1982)、ヒ
ト黒色腫由来A375細胞(J.N.C.I 72,913,1984)並びに
バーキツトリンパ腫由来Daudi細胞(Cancer Res.28,130
0,1958) を用い、それぞれを96穴マルチプレートに1穴当り104
個播種し、3時間後に、試験物質を無血清培地に溶解
し、最終濃度が1穴当り0.3、1、3mMとなるよう10μ
ずつ添加した。これをCO2インキユベータ中で、37℃、4
8時間培養後、細胞の増殖をMTT法(J.Immunol.Method 6
5,55,1983;J.Immunol.Method 70,257,1984)により測定
した。その結果を第1表に示す。
同様の実験を正常細胞である3T3細胞で行つたとこ
ろ、いずれの化合物も細胞毒性を示さなかつた。
ろ、いずれの化合物も細胞毒性を示さなかつた。
(2) サイクリツクAMPホスホジエステラーゼ阻害作
用 ウシ心臓サイクリツクAMPホスホジエステラーゼ(ベ
ーリンガーマンハイム社製)を用い、Pichardらの方法
(J.Biol.Chem.251,5726,1976)によるサイクリツクAMP
ホスホジエステラーゼ活性測定法に準じて阻害作用を調
べた。即ち、最終濃度として5mM MgSO4、50μM CaCl2と
なるように調製した40mMトリス−塩酸緩衝液100μ
に、3H−サイクリツクAMP20万dpm、1μMサイクリツク
AMP、サイクリツクAMPホスホジエステラーゼ0.2μgと
種々の濃度の試験物質を添加して、30℃20分間反応させ
た後、100℃3分間処理で、酵素を失活させ、室温にも
どし、20μgの蛇毒(シグマ社製)を加え、30℃10分間
反応させてサイクリツクAMPホスホジエステラーゼの作
用により生成した5′−AMPをアデノシンに分解し、AG1
x2樹脂(バイオラツド社製)の1:3水懸濁液1mlを加えて
分解反応を止めた後、よく混合して5分間遠心分離(50
00rpm)した。この上清100μを取り、液体シンチレー
シヨンカウンターでその放射カウントを測定し、50%阻
害濃度(IC50)を算出した。その結果を第2表に示す。
用 ウシ心臓サイクリツクAMPホスホジエステラーゼ(ベ
ーリンガーマンハイム社製)を用い、Pichardらの方法
(J.Biol.Chem.251,5726,1976)によるサイクリツクAMP
ホスホジエステラーゼ活性測定法に準じて阻害作用を調
べた。即ち、最終濃度として5mM MgSO4、50μM CaCl2と
なるように調製した40mMトリス−塩酸緩衝液100μ
に、3H−サイクリツクAMP20万dpm、1μMサイクリツク
AMP、サイクリツクAMPホスホジエステラーゼ0.2μgと
種々の濃度の試験物質を添加して、30℃20分間反応させ
た後、100℃3分間処理で、酵素を失活させ、室温にも
どし、20μgの蛇毒(シグマ社製)を加え、30℃10分間
反応させてサイクリツクAMPホスホジエステラーゼの作
用により生成した5′−AMPをアデノシンに分解し、AG1
x2樹脂(バイオラツド社製)の1:3水懸濁液1mlを加えて
分解反応を止めた後、よく混合して5分間遠心分離(50
00rpm)した。この上清100μを取り、液体シンチレー
シヨンカウンターでその放射カウントを測定し、50%阻
害濃度(IC50)を算出した。その結果を第2表に示す。
また、実施例1で製造された化合物自体は、サイクリ
ツクAMPホスホジエステラーゼによりまつたく分解され
なかつた。
ツクAMPホスホジエステラーゼによりまつたく分解され
なかつた。
本発明に係る化合物(I)は、制癌剤としてあるいは
サイクリツクAMPホスホジエステラーゼ阻害剤として使
用することができこのものは経口、非経口いずれの投与
経路にても投与することができる。投与剤形としては、
経口剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆
粒剤等があげられ、非経口剤としては、注射剤等があげ
られる。これらの調製に用いる賦形剤、崩壊剤、滑沢
剤、色素、希釈剤等の添加物は、通常医薬に用いられる
ものであれば全て使用可能であるが、それらの添加物
は、化合物(I)に対し、悪影響を与えるものであつて
はならない。
サイクリツクAMPホスホジエステラーゼ阻害剤として使
用することができこのものは経口、非経口いずれの投与
経路にても投与することができる。投与剤形としては、
経口剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆
粒剤等があげられ、非経口剤としては、注射剤等があげ
られる。これらの調製に用いる賦形剤、崩壊剤、滑沢
剤、色素、希釈剤等の添加物は、通常医薬に用いられる
ものであれば全て使用可能であるが、それらの添加物
は、化合物(I)に対し、悪影響を与えるものであつて
はならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/70 ADU AED
Claims (4)
- 【請求項1】一般式(I) (式中、Rは、低級アルキル基を示す。)で表されるサ
イクリツクAMP誘導体。 - 【請求項2】式(II) で表される2′−テトラヒドロピラニルアデノシンと一
般式(III) (式中、Rは、低級アルキル基を示す。)で表されるア
ルキルO,O−ビス−(1−ベンゾトリアゾリル)ホスホ
ネイトとを反応せしめ、この反応生成物についでN−メ
チルイミダゾールを加え反応せしめることにより、一般
式(IV) (式中、Rは、低級アルキル基を示す。)で表わされる
化合物を生成せしめ、これを、酸加水分解することを特
徴とする一般式(I) (式中、Rは、低級アルキル基を示す。)で表されるサ
イクリツクAMP誘導体の製造方法。 - 【請求項3】一般式(I) (式中、Rは、低級アルキル基を示す。)で表されるサ
イクリツクAMP誘導体を有効成分として含有する制癌
剤。 - 【請求項4】一般式(I) (式中、Rは、低級アルキル基を示す。)で表されるサ
イクリツクAMP誘導体を有効成分として含有するサイク
リツクAMPホスホジエステラーゼ阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28202186A JPH08837B2 (ja) | 1986-11-28 | 1986-11-28 | サイクリツクamp誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28202186A JPH08837B2 (ja) | 1986-11-28 | 1986-11-28 | サイクリツクamp誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63135399A JPS63135399A (ja) | 1988-06-07 |
JPH08837B2 true JPH08837B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=17647131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP28202186A Expired - Lifetime JPH08837B2 (ja) | 1986-11-28 | 1986-11-28 | サイクリツクamp誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH08837B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1986
- 1986-11-28 JP JP28202186A patent/JPH08837B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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