JPH088367A - 光半導体用熱硬化性透明樹脂硬化体およびそれにより封止された光半導体装置 - Google Patents

光半導体用熱硬化性透明樹脂硬化体およびそれにより封止された光半導体装置

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JPH088367A
JPH088367A JP13454794A JP13454794A JPH088367A JP H088367 A JPH088367 A JP H088367A JP 13454794 A JP13454794 A JP 13454794A JP 13454794 A JP13454794 A JP 13454794A JP H088367 A JPH088367 A JP H088367A
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cured product
optical semiconductor
transparent resin
release agent
thermosetting
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Satoshi Tanigawa
聡 谷川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形時の硬化物表面へのブルーミングが少ない
ながら離型性が良好であり、かつ高い透明性を備えた樹
脂硬化体によって封止された光半導体装置を提供する。 【構成】熱硬化性樹脂組成物からなる透明樹脂硬化体中
に、離型剤粒子が、粒径0.001〜1.0μmの範囲
内で、実質的に均一に分散された樹脂硬化体によって光
半導体素子が封止されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形時の離型性に優れ
た光半導体封止用の熱硬化性透明樹脂硬化体およびそれ
により封止されてなる光透過性に優れた光半導体装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ICおよびLSI等の半導体装置は、通
常、セラミックパッケージあるいはプラスチックパッケ
ージにより封止されている。上記セラミックパッケージ
は、耐熱性および耐湿性に優れ、かつパッケージ内部の
半導体素子への損傷もなく信頼性の高い封止が可能であ
る。しかし、構成材料が比較的高価なものであること
と、量産性に劣るために、最近では、プラスチックパッ
ケージを用いた樹脂封止が主流になっている。なかで
も、エポキシ樹脂組成物によるトランスファーモールド
で行われた樹脂封止は、モールド時の作業性,量産性お
よびモールド後の信頼性の点において良好な成績を収め
ている。
【0003】通常、上記エポキシ樹脂組成物を半導体装
置封止用材料として用いる場合には、半導体素子をトラ
ンスファー成形で封止する際に、金型からの離型性を良
くするためにエポキシ樹脂組成物中にカルナバワックス
やポリエチレンワックス等の離型剤が内部添加される。
これら離型剤としては、成形時に樹脂中から金型表面に
ブルーミングすることにより離型性が発現するため、樹
脂と相溶しない材料が用いられている。また、エポキシ
樹脂組成物をトランスファー成形する際には、金型から
の離型性にあたって比較的多量の離型剤を必要とする場
合が多い。そして、比較的多量の離型剤を配合すると、
成形物表面での離型剤のブルーミング現象が著しくなる
場合がある。このような場合、離型性は良好となるもの
の、上記ブルーミングしたものを除去する工程を経由し
ないと半導体装置表面への印刷あるいは捺印(マーキン
グ特性)等を行うことが困難になるといった不都合が生
じる。また、離型剤の使用量が増加するに伴い金型の微
小隙間からの樹脂もれも多くなり、金型汚れ等の他の成
形性をも悪くしてしまうといった欠点が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、光半導体素子を
封止する際に用いられる樹脂組成物としては、その硬化
物が透明であることが要求され、一般にビスフェノール
型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂
と酸無水物系硬化剤とを主成分とするエポキシ樹脂組成
物が用いられている。そして、光半導体素子を封止する
際に、通常のICやLSIを封止する場合に用いられて
いるようなエポキシ樹脂組成物に相溶しない離型剤を使
用すると、成形物が白濁化し、光透過性が低下するため
に、上記離型剤を使用することはできない。そのため、
従来は、金型表面に予め外部離型剤を塗布した後成形し
光半導体素子を封止することが行われていた。しかしな
がら、外部離型剤の使用は、成形効率を下げるだけでな
く、光半導体装置の信頼性をも低下させ、またフロン系
ガスを使用する場合が多いため、環境破壊等の問題も生
じ好ましいものではない。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、成形時の硬化物表面へのブルーミングが少ない
ながら離型性が良好であり、かつ高い透明性を備えた光
半導体封止用熱硬化性透明樹脂硬化体およびそれにより
封止された光半導体装置の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する熱
硬化性樹脂組成物からなる透明樹脂硬化体であって、上
記硬化体中に、上記(C)成分の粒子が、粒径0.00
1〜1.0μmの範囲内で、実質的に均一に分散されて
いる光半導体封止用熱硬化性透明樹脂硬化体を第1の要
旨とし、 (A)熱硬化性樹脂。 (B)硬化剤。 (C)離型剤。 上記光半導体封止用熱硬化性透明樹脂硬化体によって光
半導体素子が封止されている光半導体装置を第2の要旨
とする。
【0007】
【作用】すなわち、この発明者は、離型性が良好でしか
も光透過性に優れた封止樹脂を得るために一連の研究を
重ねた。その研究の過程で、樹脂組成物に相溶せず、か
つ金型表面との濡れ性が良い離型剤は、良好な離型性を
示すものの、これを単に含有した樹脂組成物を用いて成
形すると、得られる硬化物は白濁するために光透過率が
大きく低下する傾向となることを突き止めた。そこで、
離型剤を添加しても離型性および光透過性の両特性が低
下しない封止材料の開発を進めた。そして、光半導体封
止用の熱硬化性樹脂組成物に添加する離型剤に着目し、
この離型剤および上記離型剤が配合された樹脂組成物に
より得られる硬化体についてさらに研究を重ねた。その
結果、樹脂硬化体中において、離型性を付与し、樹脂成
分と相溶しない離型剤のドメインをその配合時に強制的
に小さくすることにより、すなわち、配合時に離型剤の
粒径を特定範囲の非常に小さな値となるよう形成し、得
られる硬化体中で上記微小な離型剤ドメインが実質的に
均一に分散されることにより、離型性が良好で、かつ透
明性にも優れた硬化体が得られるようになることを見出
し本発明に到達した。これは、上記離型剤のドメインを
上記特定範囲に設定すると、このドメインの特定範囲が
光の波長よりも小さいことから光透過性が良好となるた
めであると考えられる。
【0008】なお、本発明において、(C)成分である
離型剤の粒子が、粒径0.001〜1.0μmの範囲内
で、硬化体中に、実質的に均一に分散されているとは、
硬化体中において、粒径0.001〜1.0μmの離型
剤粒子が、マトリックス相である樹脂相と分離し、極小
ドメインを形成しているという趣旨である。そして、実
際に、硬化体の単位容積(1cm3 )当たり1×10-5
〜0.05gの離型剤粒子が均一に分散していることを
いう。
【0009】本発明の光半導体用熱硬化性透明樹脂硬化
体は、熱硬化性樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)
と、離型剤(C成分)とを用いて得られる熱硬化性樹脂
組成物を硬化して得られるものであり、上記熱硬化性樹
脂組成物としては、通常、液状,粉末状もしくは上記粉
末を打錠したタブレット状のものが用いられる。
【0010】上記熱硬化性樹脂(A成分)としては、透
明性の高い材料であれば特に限定するものではないが、
例えば、エポキシ樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,フェ
ノール樹脂,ポリエステル,ウレタン樹脂,イミド樹脂
等があげられる。特に、高い透明性,耐熱性,電気的信
頼性という点からビスフェノール型,脂環族のエポキシ
樹脂が好適に用いられる。
【0011】上記熱硬化性樹脂(A成分)とともに用い
られる硬化剤(B成分)としては、透明性の高い材料で
あれば特に限定するものではないが、例えば、A成分と
してエポキシ樹脂を用いる場合、アミン類,フェノール
樹脂,酸無水物,ポリアミド,ポリメルカプタン等が硬
化剤として用いられる。また、A成分として、尿素樹
脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂を用いる場合、ホル
ムアルデヒド,ヘキサメチレンテトラミン等のアルデヒ
ド類が用いられ、A成分として、ポリエステルやウレタ
ン樹脂を用いる場合では、多価アルコール等が用いられ
る。さらに、A成分として、イミド樹脂を用いる場合
は、多価アミン,多価アミド等が用いられる。そして、
A成分としてエポキシ樹脂を用いる場合、酸無水物系の
硬化剤を用いることが、透明性,耐熱性,電気的信頼性
という点から特に好ましい。
【0012】上記熱硬化性樹脂(A成分)と硬化剤(B
成分)の配合割合は、熱硬化性樹脂100重量部(以下
「部」と略す)に対して硬化剤を20〜150部の範囲
内に設定することが好ましい。特に、A成分としてエポ
キシ樹脂を用いる場合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基
に対する硬化剤中の反応性官能基の当量比(エポキシ基
/反応性官能基)を、1/0.4〜1/1.5の範囲に
設定することが好ましく、特に好ましくは耐熱性および
耐湿性の点から1/0.8〜1/1.1の範囲に設定す
ることである。
【0013】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る離型剤(C成分)としては、熱硬化性樹脂組成物の硬
化体中において、樹脂成分と相溶せず粒径0.001〜
1.0μmのドメインを形成するものであれば特に限定
するものではない。例えば、脂肪族アルコール,芳香族
アルコール,脂肪酸,脂肪酸エステル,脂肪酸金属塩,
脂肪族スルホキシドポリエーテル類,脂肪族アミン,脂
肪族アミド等があげられる。これらは単独でもしくは2
種以上併せて用いられる。特に、離型性と透明性の兼ね
合いという点から、炭素数が18から36の化合物を用
いることが好ましい。
【0014】このように、各成分を溶融混合することに
より粒径0.001〜1.0μmのドメインを形成しな
い離型剤(C成分)であっても、溶融混合時、あるいは
他の材料配合時に外的作用(機械的微粉砕等)により上
記特定の範囲の粒径のドメインが形成可能な離型剤であ
ればよい。硬化体中の離型剤ドメインの粒径としては、
上述のように、粒径0.001〜1.0μmの範囲内に
設定する必要があり、特に好ましくは粒径0.001〜
0.5μmである。すなわち、粒径0.001μm以下
では、透明性が向上するが、ほとんど相溶に近いため離
型性が悪くなる。また、粒径1.0μmを超えると、透
明性が著しく悪化するからである。
【0015】そして、上記離型剤(C成分)の配合量
は、熱硬化性樹脂組成物100部に対して0.001〜
5部の範囲となるように設定することが好ましい。特に
好ましくは、0.01〜1.0部である。すなわち、離
型剤の配合量が、0.001部未満では良好な離型性が
得られ難く、逆に5部を超えると硬化体の光透過率が低
下する問題が生ずる場合があるからである。
【0016】なお、本発明の光半導体用熱硬化性透明樹
脂硬化体の形成材料である熱硬化性樹脂組成物には、上
記A〜C成分以外に必要に応じて、他の添加剤を適宜に
配合することができる。上記他の添加剤としては、例え
ば、硬化促進剤、充填剤、上記充填剤の表面を処理する
ための表面処理剤、難燃剤、着色剤、可撓性付与剤等が
あげられる。
【0017】上記硬化促進剤としては、通常用いられる
触媒であれば特に限定するものではない。具体的には、
A成分としてエポキシ樹脂を用いる場合、三級アミン
類,イミダゾール類,イミダゾリン類,ジアザビシクロ
アルケン類,脂肪族アミン類および芳香族アミン類等の
窒素原子含有化合物、トリアリールホスフィン,モノア
ルキルジアリールホスフィン,テトラアリールホスホニ
ウムテトラアリルボレート等のホスホニウム塩、さらに
はトリアリールホスフィントリアリールボロン錯体等の
金属錯体等があげられる。これらは単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。また、A成分としてフェノール
樹脂を用いる場合、トリエチルアミン,ホウ酸等の無機
酸および有機酸、アルカリ化合物等があげられ、A成分
としてポリエステルを用いる場合、テトラブチルジルコ
ネートやテトラブチルチタネート等の金属有機化合物等
があげられる。また、A成分としてウレタン樹脂を用い
る場合、有機スズや三級アミン類等があげられる。これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。特に、
A成分としてエポキシ樹脂を用いる場合、透明性,耐熱
性という点から、イミダゾール類あるいはホスフィン類
を用いることが好ましい。
【0018】そして、上記硬化促進剤の添加量は、硬化
剤(B成分)に対して0.01〜10重量%の範囲に設
定することが好ましく、特に好ましくは0.05〜3.
0重量%である。
【0019】上記充填剤としては、硬化体の光透過率を
低下させない材料であれば特に限定するものではなく、
例えば、結晶性シリカ粉末,溶融性シリカ粉末,石英ガ
ラス粉末,タルク,ケイ酸カルシウム,ケイ酸ジルコニ
ア粉末,アルミナ粉末,炭酸カルシウム粉末等があげら
れる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。特に、透明性、絶縁特性という点から粒径0.02
μm程度の超微粒子のシリカ粉末を用いることが好まし
い。
【0020】上記充填剤の配合割合は、熱硬化性樹脂組
成物全体の90重量%以下となるよう設定することが好
ましく、特に好ましくは0〜40重量%である。すなわ
ち、充填剤の配合割合が、90重量%を超えると、熱硬
化性樹脂組成物の流動性が低下して成形が困難となる傾
向がみられるからである。
【0021】上記表面処理剤としては、公知のシランカ
ップリング剤等があげられ、上記難燃剤としては、三酸
化アンチモン,五酸化アンチモン,リン酸塩,臭素化物
等があげられる。また、上記可撓性付与剤としては、シ
リコーン樹脂,ブタジエン−アクリロニトリルゴム等が
あげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用
いられる。
【0022】このような熱硬化性樹脂組成物は、例えば
つぎのようにして製造することができる。すなわち、上
記A〜C成分および必要に応じて他の添加剤を適宜配合
し、予備混合した後、混練機により所定の温度で混練し
溶融混合する。この際、上記溶融混合時、ホモミキサ
ー,ホモジナイザーや超音波分散等の公知の乳化分散技
術を併用し、C成分である離型剤および種々の添加剤の
均一な分散を行うことが好ましい。そして、これを室温
に冷却した後、固体の場合は公知の手段により粉砕し、
必要に応じてタブレット状に打錠することにより熱硬化
性樹脂組成物を製造することができる。また、液状で供
与する場合は、混合するのみで熱硬化性樹脂組成物を得
ることができる。
【0023】上記製造工程において、離型剤(C成分)
を単に混合し溶融混合するのみでは、所定の粒径に、か
つ均一に分散させることは困難である。したがって、上
記溶融混合の際に、ホモミキサー,ホモジナイザーや超
音波分散等の公知の乳化分散技術を併用することが好ま
しく、上記技術の併用により、得られる硬化体内におい
て、離型剤ドメインが粒径0.001〜1.0μmの範
囲内で、均一に分散することとなる。そして、上記乳化
分散による条件は、離型剤ドメインが粒径0.001〜
1.0μmの範囲内で均一に分散すればよく、その用い
る機械・技術の種類により適宜に設定される。
【0024】また、このようにして得られた熱硬化性樹
脂組成物を、注型やトランスファー成形等の成形法によ
り、目的とする光半導体用熱硬化性透明樹脂硬化体が得
られる。さらに、光半導体素子を、上記熱硬化性樹脂組
成物を用いて封止することにより光半導体装置が得られ
る。
【0025】このようにして得られる熱硬化性透明樹脂
硬化体は、その硬化体中に、粒径0.001〜1.0μ
mの離型剤(C成分)粒子が実質的に均一に分散されて
いるため、成形時の離型性に優れ、かつ光透過性にも極
めて優れている。上記のように、硬化体中に、離型剤
(C成分)ドメインを粒径0.001〜1.0μmの大
きさで均一に分散させるために、前述のように、溶融混
合時、機械的手段等を用いてドメインの調整が行われ
る。
【0026】そして、上記熱硬化性透明樹脂硬化体にお
いて、離型剤(C成分)粒子の含有量は、硬化体100
部において0.001〜50部の範囲に設定されている
ことが好ましい。
【0027】なお、本発明の透明樹脂硬化体では、厚み
1mmの硬化体の、分光光度計による測定において波長
600nm時の光透過率が50%以上のものが好まし
く、より好ましくは80%以上であり、特に好ましくは
95%以上である。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明は、C成分である
離型剤の粒子が、粒径0.001〜1.0μmの範囲内
で、熱硬化性樹脂組成物からなる硬化体中に、実質的に
均一に分散された光半導体用の透明性樹脂硬化体であ
る。このため、より少ない離型剤の添加量により優れた
離型性を備え、しかも光透過性にも優れている。したが
って、本発明の透明性樹脂硬化体により封止された光半
導体装置においては、従来のように、光半導体素子の樹
脂封止の際に、成形用金型に外部離型剤を塗布する必要
がなく成形効率が格段に向上し、光半導体装置用の封止
材料として使用する際の信頼性も極めて高い。そして、
この透明性樹脂硬化体により封止された光半導体装置
は、高い信頼性を有し、光透過性に優れたものである。
【0029】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0030】まず、実施例に先立って下記の表1に示す
離型剤a〜nを準備した。
【0031】
【表1】
【0032】
【実施例1〜10、比較例1〜7】下記の表2〜表4に
示す各成分を、同表に示す割合で配合した。この際、超
音波分散(超音波振動子出力:500W,発振周波数:
40kHz)を行いながら、90〜120℃で溶融混合
した。この後、冷却して粉砕し、粉末をタブレット状に
打錠した後、150℃×5分間でトランスファー成形を
行い熱硬化性樹脂硬化体を作製した。なお、上記作製工
程において、実施例では、硬化体内での離型剤ドメイン
が所望の範囲の粒径となるよう上記超音波分散によりド
メイン調整を行った。これに対して、比較例は超音波分
散による強制分散法を用いなかった。上記超音波分散に
おける条件を下記の表2〜表4に併せて示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【実施例11〜15】下記の表5に示す各成分を、同表
に示す割合で配合した。この際、ホモジナイザーによる
分散を30分間行いながら、90〜120℃で溶融混合
した。この後、冷却して粉砕し、粉末をタブレット状に
打錠した後、150℃×5分間でトランスファー成形を
行い熱硬化性樹脂硬化体を作製した。
【0037】
【表5】
【0038】
【実施例16〜21、比較例8〜10】下記の表6〜表
7に示す各成分を、同表に示す割合で配合し混合した。
この際、ホモジナイザーによる分散を30分間行った。
このようにして得られた樹脂組成物を注型後、120℃
×16時間の硬化条件で硬化させて熱硬化性樹脂硬化体
を作製した。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【実施例22〜24】下記の表8に示す各成分を、同表
に示す割合で配合し混合した。この際、ホモジナイザー
による分散を30分間行った。このようにして得られた
樹脂組成物を注型後、120℃×16時間の硬化条件で
硬化させて熱硬化性樹脂硬化体を作製した。
【0042】
【表8】
【0043】つぎに、上記実施例および比較例によって
得られた硬化体の成形用金型からの離型性、硬化体の光
透過率、および硬化体中での離型剤の相構造について測
定・評価した。その結果を後記の表9および表10に併
せて示す。
【0044】上記離型性は、図1および図2に示すよう
な薄型離型荷重評価用中型1(厚み3mm)を準備し、
これに各熱硬化性樹脂組成物を充填して試験片2を2個
作製した。そして、上記中型1から試験片2をプッシュ
プルゲージ3を用いて上方から押し出し、試験片2が中
型1から抜け出た際の2個の試験片2の押出力をそれぞ
れプッシュプルゲージ3で測定した(2個の試験片2と
プッシュプルゲージ3の接触面積は合計99mm2 であ
る)。その平均値を示す。なお、上記試験片2は、その
上面の直径が10mmで、下面の直径が11mmの逆円
錐台形状である。また、上記光透過率は、厚み1mmの
試験片を作製し、これを用いて分光光度計(島津製作所
社製、UV−3101PC)により波長600nmの光
透過率を測定し評価した。さらに、硬化体内部における
離型剤の相構造は、透過型電子顕微鏡(日立製作所社
製,H−800)により硬化体断面を観察した。そし
て、この硬化体断面から硬化体内部に分散している離型
剤粒子の粒径(ドメインサイズ)を測定し示した。
【0045】
【表9】
【0046】
【表10】
【0047】上記表9〜表10の結果から、比較例1お
よび比較例8は離型剤を全く配合していないため、硬化
体の透明性は非常に高いが離型性が著しく悪い。また、
比較例2および比較例9は、配合した離型剤が樹脂と相
溶するために離型性が殆ど発現しなかった。さらに、比
較例3〜5および比較例10は、樹脂に対する離型剤の
相溶性が低いため、ドメインが大きく光透過率が非常に
悪い。比較例6は、樹脂に対する親和性がややあるもの
の、強制分散法(ホモジナイザー使用)を併用した実施
例16と比較すると透明性が悪い。これに対して、実施
例品は、いずれも成形時の金型からの離型性が良好であ
り、硬化体中での離型剤の粒径が小さく、しかも分散性
が良好であるため、透明性にも優れていることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄型離型荷重評価用中型を用いた離型性評価試
験を示す断面図である。
【図2】上記離型性評価試験を示す正面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有する熱
    硬化性樹脂組成物からなる透明樹脂硬化体であって、上
    記硬化体中に、上記(C)成分の粒子が、粒径0.00
    1〜1.0μmの範囲内で、実質的に均一に分散されて
    いることを特徴とする光半導体封止用熱硬化性透明樹脂
    硬化体。 (A)熱硬化性樹脂。 (B)硬化剤。 (C)離型剤。
  2. 【請求項2】 (C)成分の粒子の含有量が、硬化体1
    00重量部に対して0.001〜5重量部の範囲内に設
    定されている請求項1記載の光半導体封止用熱硬化性透
    明樹脂硬化体。
  3. 【請求項3】 硬化体の光透過率が、波長600nmに
    おいて、50%/1mm厚以上に設定されている請求項
    1または2記載の光半導体封止用熱硬化性透明樹脂硬化
    体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光半導体封止用熱硬化性
    透明樹脂硬化体によって光半導体素子が封止されている
    光半導体装置。
JP13454794A 1994-06-16 1994-06-16 光半導体用熱硬化性透明樹脂硬化体およびそれにより封止された光半導体装置 Pending JPH088367A (ja)

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JP13454794A Pending JPH088367A (ja) 1994-06-16 1994-06-16 光半導体用熱硬化性透明樹脂硬化体およびそれにより封止された光半導体装置

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JP (1) JPH088367A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006241230A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Nitto Denko Corp エポキシ樹脂組成物硬化体およびその製法ならびにそれを用いた光半導体装置
JP2010116534A (ja) * 2008-10-16 2010-05-27 Hitachi Chem Co Ltd ウレタン樹脂組成物及び光半導体装置

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