JPH0883573A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

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JPH0883573A
JPH0883573A JP7175830A JP17583095A JPH0883573A JP H0883573 A JPH0883573 A JP H0883573A JP 7175830 A JP7175830 A JP 7175830A JP 17583095 A JP17583095 A JP 17583095A JP H0883573 A JPH0883573 A JP H0883573A
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shadow mask
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真二 大濱
Takashi Murai
敬 村井
Ichiro Saotome
一郎 早乙女
Masachika Inoue
雅及 井上
Kumio Fukuda
久美雄 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャドウマスクの有効面を局部的なドーミン
グを十分に抑制する曲面にすることを目的とする。 【解決手段】 シャドウマスクの電子ビーム通過孔31が
概して有効面24の短軸方向に沿って列状に延びる電子ビ
ーム通過孔列32を構成し、この電子ビーム通過孔列が有
効面の長軸方向に複数列並列されてなるカラー受像管に
おいて、そのシャドウマスクを、有効面の中心部を通る
電子ビーム通過孔列からN−1本目とN本目の電子ビー
ム通過孔列との間隔をPH(N)、A,B,Cをそれぞ
れYの4次関数とし、かつCをYの絶対値の増加ととも
に一旦減少したのち増加する関数として、PH(N)=
A+BN2 +CN4 で表される間隔に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シャドウマスク型カ
ラー受像管に係り、特にシャドウマスクの有効面の短軸
方向に沿って列状に延びる電子ビーム通過孔列の長軸方
向の配列間隔を適正化して、局部的なドーミングによる
ビームランディングのずれを抑制したカラー受像管に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、図13に示すよ
うに、内面が曲面からなる実質的に矩形状の有効部1を
有するパネル2およびこのパネル2に接合された漏斗状
のファンネル3からなる外囲器を有し、そのパネル2の
有効部1の内面に、青、緑、赤に発光する3色蛍光体層
からなる蛍光体スクリーン4が形成されている。さらに
この蛍光体スクリーン4に対向して、その内側に実質的
に矩形状の有効面5が曲面からなり、この有効面5に多
数の電子ビーム通過孔が形成されたシャドウマスク6が
配置されている。一方、ファンネル3のネック7内に、
3電子ビーム8B,8G ,8R を放出する電子銃9が配
設されている。そして、この電子銃9から放出される3
電子ビーム8B ,8G ,8R をファンネル3の外側に装
着された偏向装置10により偏向し、上記シャドウマス
ク6の電子ビーム通過孔を介して、蛍光体スクリーン4
を水平、垂直走査することにより、カラー画像を表示す
る構造に形成されている。
【0003】このようなカラー受像管のうち、特に同一
水平面上を通る一列配置の3電子ビーム8B ,8G ,8
R を放出するインライン型カラー受像管においては、蛍
光体スクリーン4を構成する3色蛍光体層が垂直方向に
細長いストライプ状に形成され、これに対応して、シャ
ドウマスク6は、複数の電子ビーム通過孔が有効面5の
短軸方向に沿って列状に延びる電子ビーム通過孔列を構
成し、この電子ビーム通過孔列が有効面5の長軸方向に
複数列並列されたものとなっている。
【0004】本来このシャドウマスク6は、色選別電極
として、各電子ビーム通過孔を異なる角度で通過する3
電子ビーム8B ,8G ,8R をそれぞれ対応する3色蛍
光体層にランディングさせて発光させるものであり、蛍
光体スクリーン4に色純度の良好な画像を表示するため
には、上記電子ビーム通過孔を異なる角度で通過する3
電子ビーム8B ,8G ,8R を対応する3色蛍光体層に
正しくランディングさせることが必要である。そのため
には、3色蛍光体層とシャドウマスク6の電子ビーム通
過孔とを所定の整合関係にする必要があり、かつカラー
受像管の動作中、その整合関係を保持するようにしなけ
ればならない。換言すれば、常にパネル2の有効部1の
内面(蛍光体スクリーン4)とシャドウマスク6の有効
面5との間隔(q値)を所定の許容範囲に保持するよう
にしなければならない。
【0005】しかしながらシャドウマスク型カラー受像
管は、その動作原理上、シャドウマスク6の電子ビーム
通過孔を通過して蛍光体スクリーン4に到達する電子ビ
ームは、電子銃9から放出される電子ビーム量の1/3
以下であり、他の電子ビームは、シャドウマスク6の電
子ビーム通過孔以外の部分に衝突して熱エネルギに変換
され、シャドウマスク6を加熱する。その結果、たとえ
ば熱膨張係数の大きい低炭素鋼を素材とするシャドウマ
スクでは、図14に一点鎖線で示すように、蛍光体スク
リーン4方向に膨出するドーミングをおこす。このよう
にドーミングをおこすと、電子ビーム通過孔12の位置
が変化し、蛍光体スクリーン4とシャドウマスク6との
間隔が許容範囲を越えた場合には、蛍光体層11に対す
るビームランディングのずれによる色純度の劣化をおこ
す。このシャドウマスク6の熱膨張によるランディング
ずれの大きさは、画面上に描かれる画像パターンの輝
度、その継続時間などによって大きく異なる。特に局部
的に高輝度画像パターンを表示した場合は、図14に示
したように局部的なドーミングをおこし、短時間のうち
にビームランディングがずれ、かつそのランディングの
ずれ量が大きくなる。
【0006】この局部的なドーミングによるランディン
グずれについては、矩形窓状のパターンを発生する信号
器を使用して、図15に示すように、画面上に矩形窓状
の高輝度パターン14を描き、この高輝度パターン14
の形状、位置を変えてビームランディングのずれ量を測
定した結果、画面の短軸方向(垂直軸方向、Y軸方向)
に大電流ビームによる細長い高輝度パターンを描き、こ
の高輝度パターンを画面の中心から長軸方向(水平軸方
向、X軸方向)にその長軸方向幅Wの1/3程度の位置
に表示した場合に最も大きなランディングずれが生じ、
特に図16に示す画面中間部の楕円形状の領域15でビ
ームランディングのずれが最も大きくなるという結果が
得られている。
【0007】このように画面中間部でランディングずれ
が大きくなる理由は、つぎのように説明することができ
る。すなわち、図15において、高輝度パターン14が
画面の中央付近にあるときは、この高輝度パターン14
に対応するシャドウマスクの中央付近が熱膨張変形して
も、この中央付近の電子ビーム通過孔を通過する電子ビ
ームは偏向角が小さいため、ビームランディングのずれ
は小さい。しかし画面中央から長軸方向に移動するにつ
れて、シャドウマスクの熱膨張変形が画面上にビームラ
ンディングのずれとして現れる度合いが大きくなる。し
かし画面の長軸方向両端部に対応するシャドウマスクの
長軸方向両端部は、機械的強度の大きいマスクフレーム
に固定されているため、シャドウマスクが熱膨張して
も、変形は小さく抑えられ、画面の長軸方向両端付近で
は、シャドウマスクの熱膨張変形によるビームランディ
ングのずれは小さく抑えられる。したがってシャドウマ
スクの熱膨張変形によるビームランディングのずれは、
画面の中央から長軸方向幅Wの1/3程度の位置に高輝
度のパターンを表示した場合に最も大きくなる。一方、
画面の短軸方向については、矩形窓状のパターンの上下
端に対応するシャドウマスクの短軸方向両端部は、マス
クフレームに固定されているため、シャドウマスクが熱
膨張しても、長軸方向両端部と同様に変形は小さく抑え
られる。
【0008】さらにシャドウマスクの周辺部では、電子
ビームの衝突により発生する熱エネルギが熱容量の大き
いマスクフレームに吸収されるため、この点からもシャ
ドウマスク周辺部の熱膨張変形は小さくなる。
【0009】したがってシャドウマスクの局部的なドー
ミングによるランディングずれは、図16に示した領域
15で最も大きくなる。この領域15は、シャドウマス
クの有効面の中心から長軸方向にその長軸方向幅の1/
3程度離れた位置を中心とし、短軸方向に有効面の短軸
方向幅の1/4程度離れた位置を両端部とする領域にほ
ぼ対応する。
【0010】従来よりこのようなシャドウマスクの局部
的なドーミングを改善する種々の方法がある。その一つ
に、シャドウマスクの有効面の曲率を大きくする(曲率
半径を小さくする)方法がある。特にこの有効面の曲率
を大きくする方法については、これまでの検討結果から
特に短軸方向の曲率を大きくすることにより、ドーミン
グを改良できることが知られている。
【0011】従来シャドウマスクの有効面の曲面形状
は、パネルの有効部内面とシャドウマスクの有効面との
間隔、すなわちq値を適正にする必要上、パネルの有効
部の内面形状と偏向装置の偏向特性とにより決定されて
いる。そのため、シャドウマスクの有効面の曲面形状を
変える場合は、パネルの有効部の内面形状も変える必要
があり、シャドウマスクの有効面の曲率を大きくしてド
ーミングを抑制するためには、パネルの有効部の内面の
曲率も大きくする必要がある。しかし最近の大型カラー
受像管や画面のアスペクト比が16:9の横長のカラー
受像管などについては、パネルの有効部外面の曲率を小
さくして、より平面に近づける傾向にあるため、パネル
の有効部の内面の曲率を大きくすると、パネルの中央部
と周辺部との肉厚の差が大きくなり、特性上好ましくな
くなる。
【0012】またパネルの有効部の内面の曲率を小さく
保ったままシャドウマスクの有効面の曲率を大きくする
と、適正なq値が得られなくなる。しかしこの場合生ず
るq値のエラーは、シャドウマスクの短軸方向に沿って
列状に延びる電子ビーム通過孔列の隣接電子ビーム通過
孔列との間隔を適正化することにより補正可能であるこ
とが知られている。
【0013】その例として、互いに隣接する電子ビーム
通過孔列の間隔を、シャドウマスクの中心から長軸方向
周辺になるにしたがって大きくすることにより、シャド
ウマスクの有効面の長軸方向の曲率を大きくしたものが
ある。しかしこの方法では、シャドウマスクのドーミン
グ防止に有効な短軸方向の曲率を大きくすることはでき
ない。この短軸方向の曲率を大きくするためには、長軸
方向と同様に互いに隣接する電子ビーム通過孔列の間隔
を、シャドウマスクの中心から短軸方向周辺になるにし
たがって大きくする必要がある。しかしすべての電子ビ
ーム通過孔列について、電子ビーム通過孔列の間隔を短
軸方向周辺になるにしたがって大きくすると、シャドウ
マスクの有効面を矩形状に保つことができず、矩形状の
画面が得られなくなる。
【0014】このような問題を解決することを一つの目
的として、特公平5−1574号公報および特公平5−
42772号公報には、シャドウマスクの短軸端におけ
る電子ビーム通過孔列の間隔を対角軸端における電子ビ
ーム通過孔列の間隔よりも小さくすることにより、ほぼ
矩形状の画面を保つ状態で対角軸端付近の短軸方向の曲
率を大きくすることが示されている。
【0015】このようなシャドウマスクは、より具体的
には、電子ビーム通過孔列の間隔PHを、X,Yをシャ
ドウマスクの有効面の中心を原点とし、有効面の長軸、
短軸を座標軸とする直交座標系の座標値、a,b,cを
Yの2次関数として、 PH=a+bX2 +cX4 表される間隔としている。
【0016】しかしこのようなシャドウマスクは、電子
ビーム通過孔列の間隔PHが長軸からの短軸方向距離Y
の2次関数的に変化するものであるため、短軸方向の曲
率を平均的に大きくすることしかできない。そのため、
局部的なドーミングをある程度抑制することは可能であ
るが、局部的なドーミングによるビームランディングの
ずれが最も大きくなる図16に示した領域15のランデ
ィングのずれを十分に抑制することはできない。この領
域15のランディングのずれを十分に抑制するために
は、図16に示した領域15に到達する電子ビームが通
過するシャドウマスクの有効面の領域の短軸方向の曲率
を大きくする必要があるが、この領域の短軸方向の曲率
を大きくするためには、図17に示すように、図16の
楕円形状の領域15の中心P1 (画面の長軸上に位置す
る)に対応するシャドウマスク6上の位置M1 (有効面
の長軸上に位置する)から領域15の短軸方向端部P2
に対応するシャドウマスク6の有効面5の短軸方向の幅
H′の1/4程度離れた位置M2 での電子ビーム通過孔
列の間隔PHM2を、M1 における電子ビーム通過孔列の
間隔PHM1よりも大きくしなければならない。しかしこ
のようにM2 における電子ビーム通過孔列の間隔PHM2
を、M1 における電子ビーム通過孔列の間隔PHM1より
大きくすると、このシャドウマスクでは、電子ビーム通
過孔列の間隔がYの2次関数的に変化するものであるた
め、さらに短軸方向に離れた画面の長辺付近P3 (図1
6に図示)に対応するシャドウマスク6の長辺上の位置
M3 における電子ビーム通過孔列の間隔PHM3が、破線
で示したようにさらに大きくなる。そのため、シャドウ
マスク6の有効面5を矩形状に保つためには、長辺上の
他の位置における電子ビーム通過孔列の間隔を極端に小
さくしなければならなくなる。またM3 における間隔に
合せて曲面を設定すると、q値が大きくなりすぎる。そ
の結果、有効面に曲面の反転がおこり、カラー受像管を
構成することが非常に困難となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、電子ビ
ームの衝突によるシャドウマスクの局部的なドーミング
を抑制する方法の一つに、シャドウマスクの有効面の曲
率を大きくする方法がある。この方法では、特に短軸方
向の曲率を大きくすることによりドーミングを抑制でき
ることが知られている。しかしこの方法のようにシャド
ウマスクの有効面の曲率を大きくしてドーミングを抑制
するためには、パネルの有効部の内面の曲率も大きくす
る必要がある。そのため、最近の大型カラー受像管や画
面のアスペクト比が16:9の横長のカラー受像管など
のように、パネルの有効部外面の曲率を小さくしてより
平面に近づける傾向にあるカラー受像管では、パネルの
中央部と周辺部との肉厚の差が大きくなり、特性上好ま
しくなくなる。またパネルの有効部の内面の曲率を小さ
く保ったままシャドウマスクの有効面の曲率を大きくす
ると、適正なq値が得られなくなる。しかしこの場合生
ずるq値のエラーは、シャドウマスクの短軸方向に沿っ
て列状に延びる電子ビーム通過孔列の隣接電子ビーム通
過孔列との間隔を適正化することにより補正可能である
ことが知られている。その例として、互いに隣接する電
子ビーム通過孔列の間隔を、シャドウマスクの中心から
長軸方向周辺になるにしたがって大きくすることによ
り、シャドウマスクの有効面の長軸方向の曲率を大きく
したものがある。しかしこの方法では、シャドウマスク
のドーミング防止に有効な短軸方向の曲率を大きくする
ことはできない。このシャドウマスクの有効面の短軸方
向の曲率を大きくするためには、長軸方向と同様に互い
に隣接する電子ビーム通過孔列の間隔を、シャドウマス
クの中心から短軸方向周辺になるにしたがって大きくす
る必要がある。しかしすべての電子ビーム通過孔列につ
いて、電子ビーム通過孔列の間隔を短軸方向周辺になる
にしたがって大きくすると、シャドウマスクの有効面を
矩形状に保つことができず、矩形状の画面が得られなく
なる。
【0018】このような問題を解決する方法として、シ
ャドウマスクの短軸端における電子ビーム通過孔列の間
隔を対角軸端における電子ビーム通過孔列の間隔よりも
小さくすることにより、ほぼ矩形状の画面を保つ状態で
対角軸端付近の短軸方向の曲率を大きくする方法があ
る。このような方法は、より具体的には、電子ビーム通
過孔列の間隔PHを、X,Yをシャドウマスクの有効面
の中心を原点とし、有効面の長軸、短軸を座標軸とする
直交座標系の座標値、a,b,cをYの2次関数とし
て、 PH=a+bX2 +cX4 で表される間隔としている。
【0019】しかしこのようなシャドウマスクは、電子
ビーム通過孔列の間隔PHがYの2次関数的に変化する
ものであるため、短軸方向の曲率を平均的に大きくする
ことしかできず、局部的なドーミングをある程度抑制す
ることは可能であるが、局部的なドーミングによるビー
ムランディングのずれが最も大きくなる領域(図16参
照)のビームランディングのずれを十分に抑制すること
はできない。
【0020】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、シャドウマスクの電子ビーム通過孔列の間
隔を適正化することにより、シャドウマスクの有効面を
局部的なドーミングを十分に抑制できる曲面にして、ビ
ームランディングのずれが生じない特性の良好なカラー
受像管を得ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】内面が曲面からなる実質
的に矩形状の有効部を有するパネルと、このパネルの有
効部内面に形成された蛍光体スクリーンと、この蛍光体
スクリーンと対向する実質的に矩形状の有効面が曲面か
らなり、この有効面に多数の電子ビーム通過孔が形成さ
れたシャドウマスクとを備え、その電子ビーム通過孔が
概して有効面の短軸方向に沿って列状に延びる電子ビー
ム通過孔列を構成し、この電子ビーム通過孔列が有効面
の長軸方向に複数列並列されてなるカラー受像管におい
て、シャドウマスクを、電子ビーム通過孔列の間隔が有
効面上の位置によって異なり、有効面の中心部を通る電
子ビーム通過孔列から有効面の長軸方向の周辺に向かっ
てN−1本目の電子ビーム通過孔列とN本目の電子ビー
ム通過孔列との間隔をPH(N)とし、A,B,Cをそ
れぞれ有効面の中心を原点とし、有効面の長軸、短軸を
座標軸とする直交座標系の短軸方向座標値Yの4次関数
とし、かつCをYの絶対値の増加とともに一旦減少した
のち増加する関数として PH(N)=A+BN2 +CN4 で表される間隔に設定した。
【0022】また、シャドウマスクを、有効面の中心か
ら有効面の長軸方向の径Wの1/3離れた位置を通る電
子ビーム通過孔列の間隔が有効面の短軸方向の絶対値の
増加とともに長軸付近では増加し、有効面の中心を原点
とし、長軸、短軸を座標軸とする直交座標系の短軸方向
座標値Yについて有効面内に偏曲点を有するようなYの
4次関数で表される間隔に設定した。
【0023】
【作用】上記のように、電子ビーム通過孔列の間隔を設
定すると、図17に電子ビーム通過孔列の間隔をYの2
次関数的に変化する既知のシャドウマスクの電子ビーム
通過孔列の間隔と対比して示すように、シャドウマスク
の有効面の中心から有効面の長軸方向幅Wの1/3程度
離れた長軸上の位置M1 における電子ビーム通過孔列の
間隔PHM1よりも、この長軸上の位置M1 から短軸方向
に短軸方向幅Hの1/4程度離れた位置M2 における電
子ビーム通過孔列の間隔PHM2を大きく設定することが
できる。さらにこの短軸方向幅Hの1/4程度離れた位
置から短軸方向に離れた長辺上の位置M3 における電子
ビーム通過孔列の間隔PHM3を、Yの2次関数的に変化
させる既知の電子ビーム通過孔列の間隔にくらべて小さ
くすることができる。
【0024】つまり、この例のシャドウマスクのよう
に、電子ビーム通過孔列の間隔をYの4次関数的に変化
するものとすると、長軸上の位置における電子ビーム通
過孔列の間隔PHM1よりも、短軸方向に短軸方向幅Hの
1/4程度離れた位置における電子ビーム通過孔列の間
隔PHM2を大きく設定しても、長辺上における電子ビー
ム通過孔列の間隔PHM3を大きくなりすぎないようにす
ることができる。したがってそれにより、シャドウマス
クの有効面の短軸方向の曲率を局部的に大きく設定し
て、従来生じた局部的なドーミングを抑制することがで
き、その局部的なドーミングによるビームランディング
のずれの小さいカラー受像管を構成することができる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0026】図2にその一実施例であるカラー受像管を
示す。このカラー受像管は、内面が曲面からなる実質的
に矩形状の有効部20を有するパネル21およびこのパ
ネル21に接合された漏斗状のファンネル22からなる
外囲器を有し、そのパネル21の有効部20の内面に、
青、緑、赤に発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スク
リーン23が形成されている。その3色蛍光体層は、有
効部20の短軸方向(垂直方向)に細長いストライプか
らなる。さらにこの蛍光体スクリーン23に対向して、
その内側に実質的に矩形状の有効面24が曲面からな
り、この有効面24に多数の電子ビーム通過孔が後述す
る配列で形成されたシャドウマスク25が配置されてい
る。一方、ファンネル22のネック26内に、水平方向
(X軸方向)に一列配置の3電子ビーム27B ,27G
,27R を放出する電子銃28が設けられている。そ
して、この電子銃28から放出される3電子ビーム27
B ,27G ,27R をファンネル22の外側に装着され
た偏向装置29の発生する磁界により偏向し、上記シャ
ドウマスク25の電子ビーム通過孔を介して、蛍光体ス
クリーン23を水平、垂直走査することによりカラー画
像を表示する構造に形成されている。
【0027】上記シャドウマスク25の電子ビーム通過
孔は、図1に示すように、概して有効面24の短軸方向
(垂直軸方向、Y軸方向)に沿って複数個の電子ビーム
通過孔31が列状に配列されて延びる電子ビーム通過孔
列32を構成し、この電子ビーム通過孔列32が長軸方
向(水平軸方向、X軸方向)に複数列並列されたものと
なっている。
【0028】より具体的には、上記電子ビーム通過孔3
1の配列は、シャドウマスク25の有効面24の中心O
を通る電子ビーム通過孔列32から長軸方向の周辺に向
かってN−1本目の電子ビーム通過孔列32とN本目の
電子ビーム通過孔列32の間隔をPH(N)とし、A,
B,Cをそれぞれ有効面24の中心Oを原点とし、有効
面24の長軸、短軸を座標軸とする直交座標系の短軸方
向座標値Yの4次関数の係数とし、かつCをYの絶対値
の増加とともに一旦減少したのち増加する関数として、 PH(N)=A+BN2 +CN4 で表される間隔で、短軸方向に列状に延びる電子ビーム
通過孔列32を長軸方向に複数列配置したものとなって
いる。その係数A,Bは、それぞれ有効面24の形状が
ほぼ矩形状になるように係数Cに合せて変化する。
【0029】上記のように電子ビーム通過孔の配列が設
定されたシャドウマスクの一例として、有効面の中心O
から長軸方向の片側に250本の電子ビーム通過孔列を
配列した場合について、NとPH(N)との関係を、長
軸上、長軸から短軸方向(Y軸方向)に有効面の短軸方
向幅H′の1/4離れた中間部および有効面の長辺上に
ついて図3に示す。曲線33が長軸上、曲線34が中間
部、曲線35が長辺上でのNをPH(N)との関係であ
る。
【0030】この図面からわかるようにNをPH(N)
との関係は、Yが増加するにつれて、Nの4次係数Cが
変化し(増減)、それにより曲線33〜35のように異
なった変化をする。今、長軸上の曲線33と中間部の曲
線34を比較すると、Yの増加につれてNの4次係数C
が減少し、画面の中心から長軸端に向かって画面の長軸
方向幅Wの1/3程度離れた位置(図16の位置P1 )
に到達する電子ビームが通過する位置M1 における19
0本目の電子ビーム通過孔列とその1つ手前の189本
目の電子ビーム通過孔列との隣接電子ビーム通過孔列の
間隔PH(190M1 )よりも、上記位置P1 から短軸方向
に画面の有効部の短軸方向幅Hの1/4離れた中間部
(図16の位置P2 )に到達する電子ビームが通過する
中間部の位置M2 における上記隣接電子ビーム通過孔列
の間隔PH(190M2 )の方が大きくなっている。この隣
接電子ビーム通過孔列の間隔PH(190M2 )は、その
後、Yの増加につれてNの4次係数が増加し、曲線35
で示したように、画面の長辺上(図16の位置P3 )に
到達する電子ビームが通過する長辺上の位置M3 おける
隣接電子ビーム通過孔列の間隔PH(190M3 )は、上記
中間部の位置M2 における隣接電子ビーム通過孔列の間
隔PH(190M2 )よりも小さくなっている。
【0031】つまり、図3に示したシャドウマスクの一
例では、従来局部的なドーミングが最も大きく生じた有
効面の中心から長軸方向に1/3程度離れた領域におけ
る隣接電子ビーム通過孔列の間隔PHが長軸から長辺方
向に離れるにしたがって、 PH(190M2 )>PH(190M3 )>PH(190M1 ) の関係になっている。
【0032】図4にシャドウマスク25をその有効面2
4の中心Oを通る直交軸(X−Y軸)で4分割した第1
象限について、上記シャドウマスク25の電子ビーム通
過孔列32の配列を模式図を示す。各電子ビーム通過孔
列32は、概して有効面24の短軸方向にYの4次関数
曲線に沿って列状に延び、長軸端部(シャドウマスク2
5の短辺部)では、ほぼ直線となっている。このこと
は、上記のように電子ビーム通過孔列32を構成して
も、有効面24を実質的に矩形状に形成しうることを意
味している。また従来局部的なドーミングによりビーム
ランディングのずれが最も大きく生じた領域(図16参
照)に到達する電子ビームが通過する190本目の電子
ビーム通過孔列32とその1つ手前の189本目の電子
ビーム通過孔列32との間隔PHに着目すると、電子ビ
ーム通過孔列の間隔PHがYの変化にともなって4次関
数的に変化することにより、長軸上の位置M1 から短軸
方向に離れるにつれ、次第に大きくなり、その後、長辺
に近づくにしたがつて小さくなっている。
【0033】つぎに、このようなシャドウマスクを使用
したカラー受像管の局部的なドーミングによるビームラ
ンディングのずれの抑制について説明する。前述したよ
うにカラー受像管を蛍光体スクリーン上に表示される画
像の色ずれを防止するためには、3電子ビームを3色蛍
光体層に正しくランディングさせることが必要であり、
そのためには、パネルの蛍光体スクリーンの形成されて
いる有効部内面とシャドウマスクの有効面との間隔(q
値)とシャドウマスクの電子ビーム通過孔列の間隔PH
との間に適正な関係をもたせることが必要である。その
q値と電子ビーム通過孔列の間隔PHが適正な関係にあ
る場合は、図5(a)に示したように、たとえば赤蛍光
体層37R と青蛍光体層37B とについて示した隣接蛍
光体層間の間隔dは、緑蛍光体層37G について示した
同一色蛍光体層の間隔PHP の2/3である。しかしq
値が適正値よりも小さいと、同(b)に示すように、 d<2/3・PHP となる。この場合、q値を大きくするか、あるいはシャ
ドウマスクの電子ビーム通過孔列の間隔PHを小さくす
ることにより、適正状態にすることができる。またq値
が適正値よりも大きいと、同(c)に示すように、 d>2/3・PHP となる。この場合は、q値を小さくするか、あるいはシ
ャドウマスクの電子ビーム通過孔列の間隔PHを大きく
することにより、適正状態にすることができる。なお、
図5における38は、各蛍光体層37B ,37G ,37
R 間に介在する光吸収層である。
【0034】上記q値、電子ビーム通過孔列の間隔P
H、隣接蛍光体層間の間隔dの関係について、上述した
この例のシャドウマスクでは、189本目の電子ビーム
通過孔列と190本目の電子ビーム通過孔列の間隔PH
を、長軸上の間隔PH(190M1)に対して中間部の間隔P
H(190M2) を大きくしているため、q値を大きくして
も、q値と電子ビーム通過孔列の間隔PHとの関係を適
正状態に保つことができる。
【0035】すなわち、従来のカラー受像管のシャドウ
マスクのように各電子ビーム通過孔列の間隔が短軸方向
に一定である場合は、図6に示すように、シャドウマス
クの有効面上の点M1 を通る短軸方向断面(Y−Z断
面)が曲線39で示す曲面であるとすると、局部的なド
ーミングを抑制すべく電子ビーム通過孔列の間隔をYの
2次関数的に増加させる従来のシャドウマスクの点M1
を通る短軸方向断面は、曲線41で示す曲面となる。こ
のシャドウマスクは、電子ビーム通過孔列の間隔が短軸
方向に一定である曲線39のシャドウマスクに対して、
短軸方向の中間部M2 および長辺上M3 において、q値
を大きくすることができるため、短軸方向の曲率を大き
くすることができ、局部的なドーミングをある程度抑制
することが可能である。しかしこの電子ビーム通過孔列
の間隔をYの2次関数的に増加させるシャドウマスクで
は、中間部M2 の間隔を大きくすると、長辺上M3 で
は、それ以上に大きくなるため、長辺上M3 の間隔PH
も適正状態に保とうとすると、有効面に曲面の反転部分
ができる。したがってこのような不具合が生じないよう
になしうる中間部M2 の間隔の大きさには制限がある。
【0036】これに対し、この例のシャドウマスクのよ
うに電子ビーム通過孔列の間隔PHをYの4次関数的に
変化させると、曲線40で示すように、中間部M2 での
電子ビーム通過孔列の間隔PH(190M2)を大きくして
も、長辺上M3 の間隔PH(190M3)を上記Yの2次関数
的に増加させるシャドウマスクと同程度に減少させるこ
とができ、Yの2次関数的に増加させるシャドウマスク
の問題点である有効面の曲面の反転を避けることができ
る。つまり、長辺付近でのq値をYの2次関数的に増加
させるシャドウマスクの場合と同程度に保って、中間部
でのq値を大きくすることができる。その結果、従来局
部的なドーミングによりビームランディングのずれが大
きく現れた領域(図16参照)に到達する電子ビームが
通過する部分の有効面の曲率を十分に大きくでき、局部
的なドーミングによるビームランディングのずれを大幅
に抑制することができる。
【0037】このようなシャドウマスクの有効面の短軸
方向の曲率半径Ry のより具体的な一例を、表1に従来
のシャドウマスク(従来例1)および電子ビーム通過孔
列の間隔をYの2次関数的に増加させるシャドウマスク
(従来例2)のそれと比較して示す。
【0038】
【表1】 この表1からわかるように、この例のシャドウマスクの
長軸上での短軸方向の曲率半径Ry は、従来例1のそれ
に対して23%、従来例2に対しても13%小さくなっ
ている。長辺上では、従来例1、2の短軸方向の曲率半
径Ry に対して大きくなっているが、この長辺付近は、
機械的強度の大きいマスクフレームに固定されており、
かつ電子ビームの衝突により加熱されても、熱エネルギ
が熱容量の大きいマスクフレームに吸収され、本来、局
部的なドーミングが小さいため、、曲率半径Ry を大き
くしてもビームランディングのずれは小さく、特に問題
とはならない。その結果、実際にこのシャドウマスクを
組込んだカラー受像管は、ビームランディングのずれが
従来例2のシャドウマスクを組込んだカラー受像管に対
して14%程度小さくなることが確認されている。
【0039】つぎに他の実施例について説明する。
【0040】上記実施例で説明したシャドウマスク(図
3、図4参照)の各電子ビーム通過孔列は、有効面の長
軸上の位置と長辺上の位置が必ずしも同一軸上にはない
が、図7に示すシャドウマスクは、各電子ビーム通過孔
列の間隔PHを、 PH(N)=A+BN2 +CN4 で表される間隔とし、その各係数A,B,Cを上記実施
例と異ならしめたものである。図7の曲線33は長軸
上、曲線34は、長軸から短軸方向に有効面の短軸方向
幅の1/4離れた中間部、曲線35は、有効面の長辺上
での電子ビーム通過孔列の間隔を表している。このシャ
ドウマスクでは、曲線33と35が一致しており、長軸
上の電子ビーム通過孔列の間隔と長辺上の電子ビーム通
過孔列の間隔とが有効面の全面にわたり同じであること
を示している。すなわち、図8に有効面24をその中心
Oを通る直交軸で4分割した第1象限について模式的に
示すように、各電子ビーム通過孔列32の長軸上の位置
と長辺上の位置とは、破線で結んで示したように短軸と
平行な同一軸上に位置して等間隔となっている。しかし
図16に示した局部的なビームランディングのずれが生
ずる領域の中心P1 に到達する電子ビームが通過するシ
ャドウマスクの有効面の長軸上の位置M1 における電子
ビーム通過孔列32の間隔に対して、この位置M1 から
短軸方向に有効面の短軸方向幅の1/4離れた中間部の
位置M2 における電子ビーム通過孔列32の間隔は大き
くなっている。
【0041】シャドウマスクの電子ビーム通過孔列32
の間隔をこのように設定しても、前記実施例と同様の効
果を奏するシャドウマスクとすることができる。
【0042】図9に示すシャドウマスクは、同様に電子
ビーム通過孔列の間隔PHを、 PH(N)=A+BN2 +CN4 で表される間隔とし、その各係数A,B,Cを上記各実
施例と異ならしめたものである。図9の曲線33は長軸
上、曲線34は、長軸から短軸方向に有効面の短軸方向
幅の1/4離れた中間部、曲線35は、有効面の長辺上
での電子ビーム通過孔列の間隔を表している。このシャ
ドウマスクでは、曲線34と35とが一致しており、中
間部の電子ビーム通過孔列の間隔と長辺上の電子ビーム
通過孔列の間隔とが有効面の全面にわたり一致してい
る。すなわち、図10に有効面24をその中心Oを通る
直交軸で4分割した第1象限について模式的に示すよう
に、各電子ビーム通過孔列32の中間部上の位置と長辺
上の位置とは、破線で結んで示したように、中間部上の
位置と長辺上の位置は、短軸と平行な同一軸上に位置し
て等間隔となっている。しかし図16に示した局部的な
ビームランディングのずれが生ずるの領域の中心P1 に
到達する電子ビームが通過するシャドウマスクの有効面
の長軸上の位置M1 における電子ビーム通過孔列32の
間隔に対して、この位置M1 から短軸方向に有効面の短
軸方向幅の1/4離れた中間部における電子ビーム通過
孔列32の間隔は大きくなっている。
【0043】シャドウマスクの電子ビーム通過孔列32
の間隔をこのように設定しても、前記実施例と同様の効
果を奏するシャドウマスクとすることができる。
【0044】図11に示すシャドウマスクも、電子ビー
ム通過孔列の間隔PHを、 PH(N)=A+BN2 +CN4 で表される間隔とし、その各係数A,B,Cを上記各実
施例と異ならしめたものである。図11の曲線33は長
軸上、曲線34は、長軸から短軸方向に有効面の短軸方
向幅の1/4離れた中間部、曲線35は、有効面の長辺
上での電子ビーム通過孔列の間隔を表している。特にこ
のシャドウマスクは、中間部の電子ビーム通過孔列の間
隔が曲線34に示されているように、有効面の中心から
短辺方向に離れるしたがい一旦増加し、最大値を経たの
ち減少している。図12に有効面24をその中心Oを通
る直交軸で4分割した第1象限について模式的に示すよ
うに、このようなシャドウマスクの中間部の電子ビーム
通過孔列の間隔は、上記電子ビーム通過孔列の間隔を表
す式のNの4乗の係数Cをマイナスにすることにより得
られる。
【0045】シャドウマスクの電子ビーム通過孔列32
の間隔をこのように設定すると、図16に示したビーム
ランディングのずれが生ずる領域に到達する電子ビーム
の通過する領域の局部的なドーミングをより大きく改善
するシャドウマスクとすることができる。
【0046】以上、若干の実施例について説明したが、
この発明は、これら実施例に限定されるものではなく、
パネルの曲面や電子ビーム通過孔列の間隔を示す式 PH(N)=A+BN2 +CN4 の係数A,B,Cを適宜変化させることにより、局部的
なドーミングを最適に抑制するシャドウマスクとするこ
とができる。
【0047】
【発明の効果】実質的に矩形状の有効部の内面が曲面か
らなるパネルの有効部内面に形成された蛍光体スクリー
ンと対向する実質的に矩形状の有効面が曲面からなり、
この有効面に多数の電子ビーム通過孔が形成されたシャ
ドウマスクとを有し、その電子ビーム通過孔が概して有
効面の短軸方向に沿って列状に延びる電子ビーム通過孔
列を構成し、この電子ビーム通過孔列が有効面の長軸方
向に複数列並列されてなるカラー受像管において、その
シャドウマスクを、電子ビーム通過孔列の間隔が有効面
上の位置によって異なり、有効面の中心部を通る電子ビ
ーム通過孔列から有効面の長軸方向の周辺に向かってN
−1本目の電子ビーム通過孔列とN本目の電子ビーム通
過孔列との間隔をPH(N)とし、A,B,Cをそれぞ
れ有効面の中心を原点とする長軸方向座標値Yの4次関
数とし、かつCをYの絶対値の増加とともに一旦減少し
たのち増加する関数として PH(N)=A+BN2 +CN4 で表される間隔に設定し、たとえば有効面の中心から有
効面の長軸方向の径Wの1/3離れた位置を通る電子ビ
ーム通過孔列の間隔が有効面の短軸方向の絶対値の増加
とともに長軸付近では増加し、有効面の中心を原点と
し、長軸、短軸を座標軸とする直交座標系の短軸方向座
標値Yについて有効面内に偏曲点を有するようなYの4
次関数で表される間隔に設定すると、特にパネルの有効
部内面に曲率を変更することなく、シャドウマスクの電
子ビーム通過孔列の間隔を適正化することにより、シャ
ドウマスクの有効面を局部的なドーミングを軽減する曲
面に設定でき、局部的なドーミングによるビームランデ
ィングのずれを抑制して、色純度の良好なカラー受像管
を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のカラー受像管に用いられ
るシャドウマスクの構成を示す図である。
【図2】この発明の一実施例であるカラー受像管の構成
を示す図である。
【図3】上記シャドウマスクの有効面の長軸上、中間
部、長辺上における電子ビーム通過孔列の間隔を示す図
である。
【図4】その電子ビーム通過孔列の配列を示す図であ
る。
【図5】図5(a)乃至(c)はそれぞれパネルの有効
部内面とシャドウマスクの有効面との間隔およびシャド
ウマスクの電子ビーム通過孔列の間隔と蛍光体スクリー
ンを構成する3色蛍光体層との関係を説明するための図
である。
【図6】この発明の一実施例のカラー受像管に用いられ
るシャドウマスクの短軸方向の曲面を従来のシャドウマ
スクおよび電子ビーム通過孔列の間隔が長軸から短軸方
向距離の2次関数的に変化するシャドウマスクの短軸方
向の曲面と比較して示す図である。
【図7】他の実施例のシャドウマスクの有効面の長軸
上、中間部、長辺上における電子ビーム通過孔列の間隔
を示す図である。
【図8】そのシャドウマスクの電子ビーム通過孔列の配
列を示す図である。
【図9】他の異なる実施例のシャドウマスクの有効面の
長軸上、中間部、長辺上における電子ビーム通過孔列の
間隔を示す図である。
【図10】そのシャドウマスクの電子ビーム通過孔列の
配列を示す図である。
【図11】他のさらに異なる実施例のシャドウマスクの
有効面の長軸上、中間部、長辺上における電子ビーム通
過孔列の間隔を示す図である。
【図12】そのシャドウマスクの電子ビーム通過孔列の
配列を示す図である。
【図13】従来のカラー受像管の構成を示す図である。
【図14】シャドウマスクのドーミングによるビームラ
ンディングのずれを説明するための図である。
【図15】シャドウマスクの局部的なドーミングの発生
状況を説明するための図である。
【図16】シャドウマスクの局部的なドーミングによる
ビームランディングのずれの発生領域を示す図である。
【図17】従来のシャドウマスクおよび電子ビーム通過
孔列の間隔が長軸から短軸方向距離の2次関数的に変化
するシャドウマスクの問題点を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
20…有効部 21…パネル 23…蛍光体スクリーン 24…有効面 25…シャドウマスク 27B ,27G ,27R …3電子ビーム 31…電子ビーム通過孔 32…電子ビーム通過孔列 37B …青蛍光体層 37G …緑蛍光体層 37R …赤蛍光体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 雅及 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内 (72)発明者 福田 久美雄 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面が曲面からなる実質的に矩形状の有
    効部を有するパネルと、このパネルの有効部内面に形成
    された蛍光体スクリーンと、この蛍光体スクリーンと対
    向する実質的に矩形状の有効面が曲面からなり、この有
    効面に多数の電子ビーム通過孔が形成されたシャドウマ
    スクとを備え、上記電子ビーム通過孔が概して上記有効
    面の短軸方向に沿って列状に延びる電子ビーム通過孔列
    を構成し、この電子ビーム通過孔列が上記有効面の長軸
    方向に複数列並列されてなるカラー受像管において、 上記シャドウマスクは上記電子ビーム通過孔列の間隔が
    上記有効面上の位置によって異なり、上記有効面の中心
    部を通る電子ビーム通過孔列から上記有効面の長軸方向
    の周辺に向かってN−1本目の電子ビーム通過孔列とN
    本目の電子ビーム通過孔列との間隔をPH(N)とし、
    A,B,Cをそれぞれ上記有効面の中心を原点とし上記
    長軸および短軸を座標軸とする直交座標系の短軸方向座
    標値Yの4次関数とし、かつCをYの絶対値の増加とと
    もに一旦減少したのち増加する関数として、 PH(N)=A+BN2 +CN4 で表される間隔に設定されていることを特徴とするカラ
    ー受像管。
  2. 【請求項2】 内面が曲面からなる実質的に矩形状の有
    効部を有するパネルと、このパネルの有効部内面に形成
    された蛍光体スクリーンと、この蛍光体スクリーンと対
    向する実質的に矩形状の有効面が曲面からなり、この有
    効面に多数の電子ビーム通過孔が形成されたシャドウマ
    スクとを備え、上記電子ビーム通過孔が概して上記有効
    面の短軸方向に沿って列状に延びる電子ビーム通過孔列
    を構成し、この電子ビーム通過孔列が上記有効面の長軸
    方向に複数列並列されてなるカラー受像管において、 上記シャドウマスクは上記有効面の中心から上記有効面
    の長軸方向の径Wの1/3離れた位置を通る電子ビーム
    通過孔列の間隔が上記有効面の短軸方向の絶対値の増加
    とともに上記長軸付近では増加し、上記有効面の中心を
    原点とし上記長軸および短軸を座標軸とする直交座標系
    の短軸方向座標値Yについて上記有効面内に偏曲点を有
    するようなYの4次関数で表される間隔に設定されてい
    ることを特徴とするカラー受像管。
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